JP4153721B2 - 超音波流量計および超音波流量計の自己診断方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波を用いて流体の流量を測定する超音波流量計および超音波流量計の自己診断方法に関する。また、本発明はガスメータにも関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波流量計は、構造が簡単である、機械的可動部分が少ない、流量の測定可能な範囲が広い、流量計による圧力損失がないなどの特徴を備えている。また、近年のエレクトロニクス技術の進歩によって、超音波流量計の計測精度を向上させることも可能になってきた。このため、ガスメータをはじめ、気体や液体の流量の計測が必要なさまざま分野において超音波流量計を用いる研究がなされている。
【0003】
以下、従来の超音波流量計の構造および測定原理を説明する。図12は、従来の超音波流量計の一例を示すブロック図であり、流体が流れる流路14を挟むように超音波振動子1および2が配置される。超音波振動子1および2は、それぞれ送信器および受信器として機能する。超音波振動子1を送信器として用いる場合には超音波振動子2を受信器として用い、超音波振動子2を送信器として用いる場合には超音波振動子1を受信器として用いる。図12に示すように、超音波振動子1および2の間に形成される超音波の伝播路は流体の流れる方向に対して角度θだけ傾いている。
【0004】
超音波振動子1から超音波振動子2へ超音波を伝播させる場合、超音波は流体の流れに対して順方向に進むため、その速度は速くなる。一方、超音波振動子2から超音波振動子1へ超音波を伝播させる場合、超音波は流体の流れに対して逆方向に進むため、その速度は遅くなる。従って、超音波振動子1から超音波振動子2へ超音波が伝播する時間と超音波振動子2から超音波振動子1へ超音波が伝播する時間との差から、流体の速度を求めることができる。また、流路14の断面積と流速との積から流量を求めることができる。
【0005】
上述の原理に従って流体の流量を求める具体的な方法として、シングアラウンド法による計測方法を具体的に説明する。
【0006】
図12に示すように、超音波流量計は送信回路3および受信回路6を備え、超音波振動子1は、切り替え回路10によって送信回路3または受信回路6の一方と選択的に接続される。この時、超音波振動子2は、超音波振動子1が接続されなかった送信回路3または受信回路6の他方と接続される。
【0007】
送信回路3と超音波振動子1とが接続される場合、送信回路3が超音波振動子1を駆動し、発生した超音波は流体の流れを横切って超音波振動子2に到達する。超音波振動子2によって受信された超音波は、電気信号に変換され、受信信号が受信回路6によって増幅される。ゼロクロス検知回路7では、受信信号が所定のレベルに達した直後のゼロクロスポイントが検知され、ゼロクロス検知信号が生成される。ゼロクロスポイントとは受信信号の振幅が正から負または負から正へ変化する点をいう。このゼロクロスポイントを超音波振動子2において超音波が到達した時刻としている。ゼロクロス検知信号に基づいて、所定の時間遅らせたタイミングでトリガ信号を生成し送信回路3へ入力する。ゼロクロス検知信号の生成からトリガ信号の生成までの時間を遅延時間と呼ぶ。
【0008】
送信回路3はトリガ信号に基づいて超音波振動子1を駆動し、次の超音波を発生させる。ゼロクロス検知信号の発生から次の超音波を発生させる。このように超音波の送信−受信−増幅・遅延−送信のループの繰り返すことをシングアラウンドと呼び、ループの回数をシングアラウンド回数と呼ぶ。
【0009】
計時回路9では、所定の回数、ループを繰り返すのに要した時間を計測し、測定結果が流量算出手段11へ送られる。次に、切り替え回路10を切り替えて、超音波振動子2を送信器として用い、超音波振動子1を受信器として用いて、同様に計測を行う。
【0010】
上述の方法によって計測した時間から遅延時間とシングアラウンド回数とを乗じた値を引き、更にシングアラウンド回数で除した値が超音波の伝播時間となる。超音波振動子1を送信側にしたときの伝播時間をt1とし、超音波振動子2を送信側にしたときの伝播時間をt2とする。
【0011】
また、図12に示すように、超音波振動子1と超音波振動子2との間の距離をLとし、流体の流速および超音波の音速をそれぞれVおよびCとする。
【0012】
この時、t1およびt2は以下の式で表される。
【0013】
【数1】
【0014】
これらの式から流速Vは以下の式で表される。
【0015】
【数2】
【0016】
流体の流速Vが求まれば、流路14の断面積と流速Vとの積から流量Qが求まる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上述の超音波流量計では、超音波振動子1と超音波振動子2との間伝播する超音波の伝播時間t1およびt2をゼロクロス検知により、計測している。このため、超音波振動子1から送信した超音波を超音波振動子2で受信したときの波形と超音波振動子2から送信した超音波を超音波振動子1で受信したときの波形とは一致している必要がある。
【0018】
しかし、実際には超音波振動子1と超音波振動子2との特性の違いから、波形は完全には一致しない。図13は、流体の流速がゼロであり、超音波振動子1と超音波振動子2との特性が異なる場合において、超音波振動子1から送信した超音波を超音波振動子2で受信したときの波形18と超音波振動子2から送信した超音波を超音波振動子1で受信したときの波形19とを示している。受信信号がレベルaを超えた直後のゼロクロスポイントは、波形18および波形19ではそれぞれ点18aおよび19aとなり、これらの点は一致しない。つまり、測定すべき気体や液体が流れていない場合であっても、誤った流量を示してしまう。
【0019】
また、超音波振動子1は圧電素子で構成されており、圧電素子の特性は一般に温度依存性がある。図14は、流体の流速がゼロである場合において、上記伝播時間t1とt2との差Δtの温度依存性を示している。図14において曲線20aで示すように、温度に対してほぼ比例してΔtが変化する場合や、曲線20bあるいは曲線20cで示すように、温度の上昇と共に急激にΔtが増大したり、減少したりする場合がある。これは、超音波振動子1および超音波振動子2の特性の温度依存性が異なっており、その結果、組み合わせた特性の変化の傾向にも種々のパターンが考えられるからである。
【0020】
したがって、従来の超音波流量計を用いて例えばガスメータを作製した場合、2つの超音波振動子の特性差によって生じる誤差のために、ガスを使っていないのにガスを使用していると計測される可能性や、その特性差の温度依存性のために1日のうちでも気温が低い朝方と日中とでは、同じガス器具を使用していても使用量が異なって計測される可能性がある。ガスメータにガス漏れ検知機能を付加した場合には、単に計測に誤差が生じるだけではなく、その検知機能の信頼性を低下させる可能性もある。
【0021】
また、超音波振動子の特性の温度変化に加えて、超音波流量計を長い期間使用している間に超音波振動子が劣化し、特性が経年変化する。特性の経年変化も上述したように、2つの超音波振動子においてまったく同じように生じるとは限らないため、流量の計測に誤差を生じさせる原因となる。
【0022】
更に、超音波振動子1および2に配線を接続するための端子が腐食し、腐食部分の抵抗値が上昇することによって、配線と超音波振動子1および2との電気的接続が不完全となったり、超音波振動子1および2の振動によって、配線との接続が断線してしまうといった故障も超音波流量計を長い期間使用している間に生じる可能性がある。何らかの原因により、超音波振動子1および2そのものが破壊してしまうことも考えられる。
【0023】
このような超音波振動子の特性差によって生じる計測誤差や超音波流量計の故障は、超音波流量計に高い信頼性が求められる場合には特に問題となる。
【0024】
本発明は、このような従来の問題を解決し、超音波振動子の特性の変化による計測誤差や故障を自己診断によって検知することのできる超音波流量計およびガスメータを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波流量計は、超音波を送受信する少なくとも2つの超音波振動子と、前記2つの超音波振動子の特性の差を示す第1の特性差、および/または前記2つの超音波振動子の少なくとも一方の過去における特性と現在における特性との差を示す第2の特性差を検出し、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差に基づいて流量計の状態を示す診断信号を生成する自己診断手段とを備え、超音波の伝播時間差に基づいて流体が流路を流れる流量を計測する。
【0026】
ある好ましい実施形態において、超音波流量計は、前記超音波振動子を駆動するための駆動信号を発生する送信回路を更に備え、前記超音波振動子の特性は、前記超音波振動子によって生じる前記駆動信号の反射波に基づく。
【0027】
ある好ましい実施形態において、前記自己診断手段は、前記反射波の包絡線信号を検出し、前記包絡線信号の所定の時刻における強度を前記超音波振動子の特性として検出する。
【0028】
ある好ましい実施形態において、前記自己診断手段は、前記反射波と前記駆動信号との定在波比を前記超音波振動子の特性として検出する。
【0029】
ある好ましい実施形態において、前記自己診断手段は、前記駆動信号のリターンロスを前記超音波振動子の特性として検出する。
【0030】
ある好ましい実施形態において、前記自己診断手段は、前記反射波の位相を前記超音波振動子の特性として検出する。
【0031】
ある好ましい実施形態において、前記自己診断手段は、前記流体が静止している時に前記第1の特性差および/または前記第2の特性差を検出する。
【0032】
ある好ましい実施形態において、前記自己診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第1の値以下であるという条件を満たす場合、正常であることを示す診断信号を生成する。
【0033】
ある好ましい実施形態において、前記自己診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第2の値以上であるという条件を満たす場合、故障であることを示す診断信号を生成する。
【0034】
ある好ましい実施形態において、前記自己診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第1の値と第2の値との間の値であるという条件を満たす場合、特性が変動していることを示す診断信号を生成する。
【0035】
ある好ましい実施形態において、前記自己診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差を検出する動作を複数回実行し、所定数を越える回数にわたって連続して前記特性差が前記条件を満たす場合、前記診断信号を生成する。
【0036】
また、本発明のガスメータは、ガスが流れる流路と、前記流路に設けられた上記いずれかの超音波流量計と、前記流路を流れるガスを遮断する遮断弁と、前記超音波流量計および遮断弁を制御する制御装置とを備える。
【0037】
ある好ましい実施形態において、ガスメータは、前記超音波流量計から出力される前記診断信号を送信するための通信装置を更に備える。
【0038】
また、本発明の超音波流量計の自己診断方法は、超音波の伝播時間差に基づいて流体が流路を流れる流量を計測し、超音波を送受信する少なくとも2つの超音波振動子の特性の差を示す第1の特性差、および/または前記2つの超音波振動子の少なくとも一方の過去における特性と現在における特性との差を示す第2の特性差を検出するステップと、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差に基づいて流量計の状態を示す診断信号を生成するステップとを包含する。
【0039】
ある好ましい実施形態において、前記超音波振動子の特性は、前記超音波振動子を駆動するための駆動信号が前記超音波振動子において反射された反射波に基づく。
【0040】
ある好ましい実施形態において、前記反射波の包絡線信号を検出し、前記包絡線信号の所定の時刻における強度を前記超音波振動子の特性として検出する。
【0041】
ある好ましい実施形態において、前記反射波と前記駆動信号との定在波比を前記超音波振動子の特性として検出する。
【0042】
ある好ましい実施形態において、前記駆動信号のリターンロスを前記超音波振動子の特性として検出する。
【0043】
ある好ましい実施形態において、前記反射波の位相を前記超音波振動子の特性として検出する。
【0044】
ある好ましい実施形態において、前記流体が静止している時に前記第1の特性差および/または前記第2の特性差を検出する。
【0045】
ある好ましい実施形態において、前記診断信号を生成するステップにおいて、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第1の値以下であるという条件を満たす場合、正常であることを示す診断信号を生成し、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第2の値以上であるという条件を満たす場合、故障であることを示す診断信号を生成し、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第1の値と第2の値との間の値であるという条件を満たす場合、特性が変動していることを示す診断信号を生成する。
【0046】
ある好ましい実施形態において、上記自己診断方法は、前記特性が変動していることを示す信号が生成された場合、前記2つの超音波振動子を用いて、流体が静止している状態における流量値を計測し、計測された値を用いて、前記超音波流量計を補正するステップを更に包含する。
【0047】
ある好ましい実施形態において、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差を検出する動作を複数回実行し、所定数を越える回数にわたって連続して前記特性差が同じ条件を満たす場合、対応する前記診断信号を生成する。
【0048】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明による超音波流量計の第1の実施形態を示すブロック図である。超音波流量計51は、流体の流路14中に超音波の伝播経路を形成するように配置される第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2と、送信回路3と、反射波検知回路4と、受信回路6とを備えている。
【0049】
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2は、それぞれが送信器および受信器として機能する。第1の超音波振動子1から送信された超音波は第2の超音波振動子2によって受信され、第2の超音波振動子2から送信された超音波は第1の超音波振動子1によって受信する。これら双方向の伝播路は、流路14を流れる流体の流れる方向に対して角度θをなしている。角度θの大きさは、10〜40度の範囲内から選択される。
【0050】
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2としては、おおよそ20KHz以上の周波数で駆動され、超音波流量計として従来から使用される種々の超音波振動子を用いることができる。測定すべき流体の状態や種類また、予測される流速に応じて最適な周波数が適宜選択される。本実施形態では、例えば厚み振動モードで振動し、200KHzの共振周波数をもつ超音波振動子が用いられる。
【0051】
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2は、切り替え手段12を介して送信回路3へ接続されており、切り替え手段12による選択によって、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2のどちらか一方が選択的に送信回路3へ選択的に接続される。
【0052】
また、超音波流量計51は、送信回路3と切り替え手段12との間に設けられた方向性結合器15および方向性結合器15に接続された自己診断手段40を更に備える。自己診断手段40は以下において詳細に説明する。
【0053】
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2は、切り替え手段13を介して受信回路6に接続される。第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2に到達した超音波は電気信号に変換され、受信信号が受信回路6によって増幅される。第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2に到達した超音波による電気信号が十分大きい場合には必ずしも受信回路6は受信信号を増幅しなくてもよい。
【0054】
送信回路3に第1の超音波振動子1が接続されるときには、受信回路6が第2の超音波振動子2に接続され、送信回路3に第2の超音波振動子2が接続されるときには、受信回路6が第1の超音波振動子1に接続されるよう切り替え手段12と切り替え手段13とは連動していることが好ましい。切り替え手段12および切り替え手段13は、リレーのような機械的なものであってもよいし、電子回路等によって構成されるものであってもよい。
【0055】
受信回路6によって増幅された受信信号は、ゼロクロス検知回路7へ送られ、ゼロクロス検知回路7において、受信信号が所定のレベルに達した直後のゼロクロスポイントが検知される。これにより、ゼロクロス検知信号が生成される。
【0056】
繰り返し回路8は、ゼロクロス検知信号に基づいて、所定の時間遅らせたタイミングでトリガ信号を生成し、トリガ信号を送信回路3へ出力する。送信回路3は、トリガ信号に基づいて、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2を駆動する。
【0057】
計時回路9は、所定の回数、シングアラウンドを繰り返すのに要した時間を計測し、測定結果を流量算出手段10へ送る。
【0058】
図1および図2を参照して、まず流体の流量を計測する手順を説明する。流量の測定手順は従来と同じである。図2に示すように、トリガ信号21を発振回路3に入力し駆動信号を生成させ、第1の超音波振動子1から超音波を発生させる。流路14を伝播した超音波は、第2の超音波振動子2によって受信され、受信回路6によって受信信号22として検知される。ゼロクロス検知回路7では、受信信号22が所定のレベルに達した直後のゼロクロスポイントが検知され、ゼロクロス検知信号が生成される。繰り返し回路8は、ゼロクロス検知信号に基づいて、所定の遅延時間23を経た後にトリガ信号21’を生成し、送信回路3へトリガ信号21’を出力する。これにより、シングアラウンドの1ループを構成する。
【0059】
所定の回数(例えば50〜1000回)、シングアラウンドを繰り返した後、計時回路9は、ループを繰り返すのに要した全時間24を計測し、測定結果を流量算出手段11へ送る。全時間24から遅延時間23とシングアラウンド回数とを乗じた値を引き、更にシングアラウンド回数で除した値が、式(1)に示すt1となる。
【0060】
次に、切り替え手段12および13を用いて、送信回路3を第2の超音波振動子2へ接続し、受信回路3を第1の超音波振動子1へ接続する。そして、上述の手順と同様の手順により、第2の超音波振動子2から超音波を発生させ、第1の超音波振動子1で超音波を受信する。所定の回数、シングアラウンドを繰り返した後、計時回路9は、ループを繰り返すのに要した全時間24を計測し、測定結果を流量算出手段11へ送る。全時間24から遅延時間23とシングアラウンド回数とを乗じた値を引き、更にシングアラウンド回数で除した値が、式(1)に示すt2となる。
【0061】
式(2)に、t1およびt2の値と角度θを代入することによって、流体の流速Vが求まる。更に流路14の断面積をSとすれば、流量QはV×Sによって求めることができる。この流量Qは、単位時間あたりに流体が移動する量であり、流量Qを積分することによって流体の量を求めることができる。
【0062】
続いて、自己診断手段40を説明する。図1に示すように、自己診断手段40は、反射波検出回路4および判定手段5を含む。反射波検出回路4は第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2において生じる駆動信号の反射波を検知し、検知した反射波に基づいて、判定手段5が超音波流量計51の状態を診断する。この反射波は、送信回路3の出力インピーダンスと第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2のインピーダンスとが整合していないために生じる。
【0063】
図3は、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の厚さ振動モードにおけるインピーダンス曲線を示している。図3に示すように、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2は、共振周波数frにおいて、最も電気機械変換効率が高く、かつ安定して駆動させることができる。このため、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2は、共振周波数で駆動される。
【0064】
第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の電気音響特性が等しい場合、インピーダンス曲線はおおよそ一致し、共振周波数におけるインピーダンスが等しくなる。この時、送信回路3の出力インピーダンスと第1の超音波振動子1の共振周波数における入力インピーダンスとの差および送信回路3の出力インピーダンスと第2の超音波振動子2の共振周波数における入力インピーダンスとの差が等しくなるため、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2によって生じる反射波の特性は等しくなる。したがって、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2によって生じる反射波の特性が等しいということは、第1の超音波振動子1の電気音響特性と第2の超音波振動子2の電気音響特性とが等しく、測定誤差を含まない正確な計測が可能であることを示している。
【0065】
一方、端子の腐食や断線などにより、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の1つとその配線との接触抵抗が増大していたり、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の1つが故障していたりする場合、その超音波振動子の入力インピーダンスは著しく大きくなり、故障している超音波振動子による反射波も著しく大きくなる。その結果、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2によって生じる反射波の特性が大きく異なる。したがって、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2によって生じる反射波の特性が大きく異なるということは、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2のいずれかが故障しており、計測ができないことを示している。
【0066】
気温の変化や圧電素子の経年劣化により、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の特性が変化する場合、通常、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2がまったく同じようにその特性を変化させることはない。このため、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2によって生じる反射波の特性の差が生じる。したがって、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2によって生じる反射波の特性の差が生じているということは、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2のいずれかあるいは両方において、特性の変動が生じており、計測結果に誤差が含まれる可能性のあることを示している。
【0067】
このため、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2による反射波をそれぞれ測定し、その値を比較することにより、超音波流量計51の状態を診断することができる。なお、流体が大流量で流れることによって第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2のインピーダンスが変化し得るので、反射波の測定は、低流量であるときに行うことが好ましく、流体静止しているとき行うことがより好ましい。
【0068】
図4は、図1に示す自己診断手段40の具体的な構成を示す。自己診断手段40の反射波検知回路4は、検波回路41、サンプル・ホールド回路42およびA/D変換回路43を含む。検波回路41は、定電圧ダイオード41aおよびコンデンサ41bを含む公知の包絡線検波回路によって構成されており、反射波の一部(−20dB)が端子41cから入力されると、その包絡線信号を端子41dから出力する。以下において詳述するように、本実施形態では、反射波の特性として反射波の包絡線信号を検知し、検知した包絡線信号の所定の時刻における強度を前記超音波振動子の特性として検出する。
【0069】
検波回路41からの出力は、サンプル・ホールド回路42へ入力される。サンプル・ホールド回路42は、オペアンプ42aを含む公知の回路により、構成され、コントロール端子42bへ入力されるコントロール信号に基づいて、入力端子42cから入力される信号をホールドし、出力端子42dからホールドした信号を出力する。
【0070】
図5は、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2に基づく反射波が、反射波検出回路4へ入力された場合に検波回路41の出力端子41dから出力される信号と出力端子42dから出力される信号を示している。
【0071】
送信トリガ信号21によって、送信器3から第1の超音波振動子1へ送られる駆動信号は第1の超音波振動子1において反射し、反射波が検波回路41により、検波される。その結果、包絡線信号15が端子41dから出力される。検波された包絡線信号15はサンプル・ホールド回路42の入力端子42cに入力される。
【0072】
送信トリガ信号21から所定の時間t2遅れたタイミングでパルス26が立ち上がるコントロール信号がコントロール端子42bから入力されると、サンプル・ホールド回路42は、パルス26が立ち上がる時の包絡線信号15の電圧値をパルス26の期間保持して、出力端子42dから電圧値17を出力する。コントロール信号は、超音波流量計51の他の回路を制御するマイコンによって生成される。
【0073】
同様にして、送信器3から第2の超音波振動子2へ送られる駆動信号は、第2の超音波振動子2において反射される。反射波は検波回路41によって検波され、包絡線信号16が端子41dから出力される。包絡線信号16もサンプル・ホールド回路42の入力端子42cに入力され、出力端子42dから電圧値18が出力される。
【0074】
第1の超音波振動子1による反射波に基づく電圧値17および第2の超音波振動子2による反射波に基づく電圧値18は、A/D変換回路43により、デジタル信号に変換され、判定手段5へ入力される。
【0075】
判定手段5は、超音波流量計51の他の回路や他の手段を制御するマイコンなどによって構成することができる。判定手段5は、電圧値17および電圧値18のうちの少なくとも一方をステップ5aにおいて保持し、電圧値17および電圧値18をステップ5bにおいて比較する。ステップ5cでは、比較結果に基づいて超音波流量計の状態を判断し、診断信号を生成する。
【0076】
次に、超音波流計51を用いて自己診断を行う手順を図1および図6を参照して更に詳しく説明する。まず、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の診断に影響を与えないよう、図1に示す流路14内の流体を静止させる(ステップ61A)。そして、第1の超音波振動子1が送信回路3に接続されるように切り替え手段12および13を操作し(ステップ61B)、送信回路3から駆動信号を出力する。第1の超音波振動子1による反射波を信号検出回路4において検出し、得られた電圧値S1をメモリに蓄える(ステップ61C)。
【0077】
また、第2の超音波振動子2が送信回路3に接続されるように切り替え手段12および13を操作して(ステップ61D)、送信回路3から駆動信号を出力する。第2の超音波振動子2による反射波を信号検出回路4において検出し、得られた電圧値S2をメモリに蓄える(ステップ61E)。
【0078】
次に2つの電圧値S1およびS2を比較して診断を行う(ステップ61F)。診断を行うための評価関数として例えば以下の関数を考える。
【0079】
評価関数(1)が、f(S1,S2)(0.01を満たす場合、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2による反射波の特性は実質的にほぼ等しく、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2との入力インピーダンス差は実質的に無視しうる程度に小さい。つまり、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2との特性差は無視しうる程度に小さく、超音波流量計51の測定結果に影響を及ぼすほどの測定誤差は生じていない。したがって、この場合には、超音波流量計51が正常であることを示す診断信号を生成して自己診断を終了する(ステップ61G)。
【0080】
評価関数(1)が、f(S1,S2)(0.3を満たす場合、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2による反射波の特性は大きく異なっており、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2との入力インピーダンス差も著しく大きい。この場合には、超音波流量計51が故障であることを示す診断信号を生成して自己診断を終了する(ステップ61H)。
【0081】
評価関数(1)が、0.01<f(S1,S2)<0.3を満たす場合、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2との入力インピーダンス差が生じている。これは、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2との特性差が発生し、流量の計測に誤差が含まれる可能性があることを示している。しかし、超音波流量計51の周りの環境が一時的に不均一な状態になっていて、そのことにより、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の特性差を生じさせている可能性もある。例えば、超音波流量計51が戸外に設置されており、朝方など、周囲の気温が低い状態において、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の一方にのみ朝日が照射され、照射部分の温度が上昇する場合が考えられる。
【0082】
したがって、評価関数(1)が、0.01<f(S1,S2)<0.3を満たす場合には、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の特性差が一時的なものであるかを判断するために、適当な時間が経過した後、再度自己診断を行う(ステップ61B)。そして所定の時間間隔で数回診断を繰り返した後、評価関数(1)の値が、f(S1,S2)(0.01を満たすようになった場合には、上述したように、超音波流量計51が正常であることを示す診断信号を生成して自己診断を終了する(ステップ61G)。
【0083】
一方、所定の時間間隔で数回診断を繰り返した後も評価関数(1)が、0.01<f(S1,S2)<0.3の範囲にある場合には、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の特性差が生じている。この場合には、超音波流量計51の特性が変動していることを示す診断信号を生成する(ステップ61J)。そして、流体が静止したままの状態で流量の測定を行い(ステップ61K)、求めた流量値をオフセット値として、流量算出手段10あるいは超音波流量計51を制御するマイコンのメモリに格納し(ステップ61L)、このオフセット値に基づいて流量を補正して流量の計測を行う。
【0084】
このように本実施形態によれば、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の特性の変化をこれらの駆動信号に対する反射波によって評価し、超音波流量計の自己診断に用いる。このため、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の特性変化を検出するための新たなセンサを用いることなく、また、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2を超音波流量計に組み込んだままで診断を行うことができる。したがって、簡単な構成により、容易に超音波振動子の経時変化および、故障の発生を検知することができる。
【0085】
また、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2による反射波の所定の時刻における強度を検出する場合に比べて、反射波の包絡線信号の所定の時刻における強度を検出することによって、高速のA/D変換回路を必要としないという利点がある。
【0086】
なお、上述の2つの電圧値S1およびS2を比較して診断する際、正常(ステップ61G)あるいは異常(ステップ61H)であるという診断は、2つの電圧値S1およびS2を一度比較することによってのみ行った。しかし、診断をより確実に行うために、2つの超音波振動子に特性差が生じていると診断する場合のように、所定数を越える回数にわたって連続して、同じ診断結果が得られる場合に正常あるいは故障であると診断してもよい。
【0087】
また、上記診断を行うタイミングは、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の予想される特性変化に応じて任意に設定される。例えば、超音波流量計51をガスメータとして用いる場合には、1日のうちの気温差が計測に誤差を与える可能性がある。このような場合には、1日に数回診断を行ってもよい。第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の経年変化による測定誤差だけが問題となる場合には、数日から数ヶ月の間隔で診断を行うようにしてもよい。
【0088】
上記実施形態では、第1の超音波振動子1の反射波に基づく電圧値S1と第2の超音波振動子2の反射波に基づく電圧S2との差を評価して、超音波流量計51の状態を診断していた。この診断に加えて、または、この診断に換えて、電圧値S1および電圧値S2のそれぞれの過去の値と現在の値とを比較して、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の特性の経時変化を調べ、超音波流量計51の自己診断をおこなってもよい。
【0089】
図7は、第1の超音波振動子1の経時変化を診断する手順を示している。まず、上述と同様にして図1に示す流路14内の流体を静止させる(ステップ71A)。そして、第1の超音波振動子1が送信回路3に接続されるように切り替え手段12および13を操作し(ステップ71B)、送信回路3から駆動信号を出力する。第1の超音波振動子1による反射波を信号検出回路4において検出し、得られた電圧値S1nをメモリに蓄える(ステップ71C)。ここで、nは1から始まる自然数であり、S1nはn回目の検出により得られた電圧値S1を示すものとする。S2nについても同様に定義する。同じ手順によって、あらかじめ過去の検出値である電圧値S1n-1および値S2n-1は、メモリに蓄えられている。図6に示す自己診断も併用する場合には、図6のステップ61Cにおいて記憶した電圧値S1を自己診断のたびにS11、S12、・・S1n-1、S1nとして保存しておく。同様に、図6のステップ61Eにおいて記憶した電圧値S2を自己診断のたびにS21、S22、・・S2n-1、S2nとして保存しておく。このようにすれば、あらためて電圧値を検出、記憶しなくてもよい。
【0090】
次に2つの電圧値S1nおよびS1n-1を比較して診断を行う。診断を行うための評価関数として例えば以下の関数を考える。
【0091】
本実施形態では、評価関数(2)として評価関数(1)と同じ関数を用いるが、異なる関数を用いてもよい。また、以下に説明するように、評価基準として同じ値を用いているが、上述の診断手順に用いた値と異なる評価基準を設定してもよい。
【0092】
評価関数(2)が、f(S1n,S1n-1)(0.01を満たす場合、第1の超音波振動子1による反射波の特性は電圧値S1n-1を測定した時と電圧値S1nを測定した時とで実質的に等しく、入力インピーダンスの差は実質的に無視しうる程度に小さい。つまり、第1の超音波振動子1の特性の経時変化による特性差は無視しうる程度に小さい。この場合には、超音波流量計51の第1の超音波振動子が正常であることを示す診断信号を生成する(ステップ71G)。
【0093】
評価関数(2)が、f(S1n,S1n-1)(0.3を満たす場合、第1の超音波振動子1よる反射波の特性は電圧値S1n-1を測定した時と電圧値S1nを測定した時とで大きく異なっており、入力インピーダンス差も著しく大きい。この場合には、超音波流量計51の第1の超音波流量計1が故障であることを示す診断信号を生成する(ステップ71H)。
【0094】
評価関数(2)が、0.01<f(S1n,S1n-1)<0.3を満たす場合、第1の超音波振動子1よる反射波の特性は電圧値S1n-1を測定した時と電圧値S1nを測定した時とで特性差が発生し、流量の計測に誤差が含まれる可能性があることを示している。しかし、上述したように特性差が、外的要因による一時的なものである可能性がある。したがって、評価関数(2)が、0.01<f(S1n,S1n-1)<0.3を満たす場合には、第1の超音波振動子1の特性差が一時的なものであるかを判断するために、適当な時間が経過した後、再度自己診断を行う(ステップ71B)。そして所定の時間間隔で数回診断を繰り返した後、評価関数(2)の値が、f(S1n,S1n-1)(0.01を満たすようになった場合には、上述したように、第1の超音波振動子が正常であることを示す診断信号を生成了する(ステップ71G)。
【0095】
一方、所定の時間間隔で数回診断を繰り返した後も評価関数(2)が、0.01<f(S1n,S1n-1)<0.3の範囲にある場合には、第1の超音波振動子1の特性に経時変化が生じているので、特性が変動していることを示す診断信号を生成する(ステップ71J)。
【0096】
同様にして、第2の超音波振動子2についても診断を行なう。そして、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の少なくとも一方が、故障である場合には、超音波流量計51が故障であることを示す診断信号を生成する。また、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2が正常である場合には、超音波流量計51が正常であることを示す診断信号を生成する。
【0097】
第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2の少なくとも一方において、特性に経時変化が生じている場合には、図7に示すように、流体が静止したままの状態で流量の測定を行い(ステップ71K)、求めた流量値をオフセット値として、流量算出手段10あるいは超音波流量計51を制御するマイコンのメモリに格納し(ステップ71L)、このオフセット値に基づいて流量を補正して流量の計測を行う。
【0098】
この自己診断によれば、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2のいずれが故障しているか、または、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2のいずれに特性の経時変化が生じているかを判断することもできる。
【0099】
また、電圧値S1nおよび電圧値S2nを逐次マイコン等に記憶しておいて、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の初期特性からの変動を診断してもよい。例えば、電圧値S1nが初期値である電圧値S11から所定の割合(例えば50%)以上変化した場合には、仮に第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2との特性差が上記図6あるいは図7で説明した手順において正常と判断される範囲、あるいは補正が必要と判断される範囲であっても、超音波流量計51は故障している、または、超音波流量計51を新しいものに交換する必要があると判断してもよい。第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の初期特性からのずれが大きくなっており、超音波波流量計51の測定精度を保証できない可能性があるからである。このような自己診断を行なう機能を超音波流量計51に付加すれば、超音波流量計51が故障して動作しなくなる前に、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2を修理したり、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2を新しいものに交換したりすることできる。
【0100】
(第2の実施形態)
図8は、本発明による超音波流量計の第2の実施形態を示すブロック図である。超音波流量計52は、第1の実施形態の超音波流量計51の自己診断手段40に換えて、自己診断手段46を備えている。超音波流量計52の送信回路3、受信回路6、ゼロクロス検知回路7、繰り返し回路8、計時回路9および流量算出手段10は第1の実施形態の対応する回路あるいは手段と同じ構成によって形成されている。また、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2を用いて流量を計測する方法は第1の実施形態で説明した方法と同じである。
【0101】
本実施形態では、送信回路3から出力される駆動信号を進行波とし、駆動信号が第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2により、反射されて生じる反射波と進行波とを用いて定在波比(VSWR)を計算し、その値を超音波流量計52の自己診断に利用する。第1の実施形態で説明したように、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の特性の変化に基づいて反射波の大きさも変動するため、定在波比を検出することによって好適に超音波流量計52を診断することができる。
【0102】
図8に示すように、超音波流量計52の自己診断手段46は、反射波検知回路44a、進行波検知回路44b、ピーク検知回路45a、ピーク検知回路45b、A/D変換回路43および判定手段5を含んでいる。また、送信回路3と切り替え手段12との間には、方向性結合器15aおよび方向性結合器15bが挿入されている。
【0103】
送信回路3から出力される駆動信号は進行波として切り替え手段12を介して、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2へ伝播し、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2からは駆動信号の反射波が送信回路3へ向かって伝播する。方向性結合器15aは、進行波および反射波のうち、反射波の一部(−20dB)のみを反射波検知回路44aへ導く。また、方向性結合器15bは、進行波の一部(−20dB)のみを進行波検知回路へ導く。
【0104】
反射波検知回路44aおよび進行波検知回路44bは、それぞれ、コイルを含む回路によって構成され、反射波および進行波を検知する。ピーク検知回路45aは、反射波検知回路44aにおいて検知された信号のピーク電圧vrを検出し、A/D変換回路43へピーク電圧vrを出力する。ピーク検知回路45bも、反射波検知回路44bにおいて検知された信号のピーク電圧vfを検出し、A/D変換回路43へピーク電圧vfを出力する。A/D変換回路43は、ピーク電圧vrおよびピーク電圧vfをデジタル信号に変換し、判定手段5へ出力される。
【0105】
判定手段5では、まず、定在波比が求められる。定在波比Rは、以下の式(3)によって求められる。
【0106】
切り替え手段12を切り替え、上述の手順に従って、第1の超音波振動子1に基づく反射波による定在波比R1と第2の超音波振動子2に基づく反射波による定在波比R2とを求める。求めた定在波比R1および定在波比R2を用いて、判定手段5では、第1の実施形態で説明したように図6または図7に示す手順に従って、超音波流量計52の診断が行われる。
【0107】
具体的には、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2との特性差に基づいて、超音波流量計52の診断を行う場合には、図6に示す診断手順において電圧値S1およびS2に換えて定在波比R1および定在波比R2を用いて評価関数(1)の値を求める。そして、求めた値に基づいて、超音波流量計52が正常であることを示す信号、超音波流量計52が異常であることを示す信号および超音波流量計52の補正が必要であることを示す信号を生成させる。また、超音波流量計52の補正が必要である場合には、図6に示すように、流体が静止している状態で流量を測定し、得られ値を用いて流量補正を行う。
【0108】
また、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2のそれぞれの特性の経時変化に基づいて超音波流量計52の診断を行う場合には、図7に示す診断手順において電圧値S1およびS2に換えて定在波比R1および定在波比R2を用いて評価関数(2)の値を求める。そして、求めた値に基づいて、超音波流量計52が正常であることを示す信号、超音波流量計52が異常であることを示す信号および超音波流量計52の補正が必要であることを示す信号を生成させる。また、超音波流量計52の補正が必要である場合には、図7に示すように、流体が静止している状態で流量を測定し、得られた値を用いて流量補正を行う。
【0109】
このように、送信回路から出力される駆動信号を進行波とし、進行波と、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2による反射波との定在波比を測定することによって、超音波流量計52を診断することができる。また、定在波比を用いることによって簡単に反射の度合いを知ることができるという効果を得ることもできる。
【0110】
(第3の実施形態)
図9は、本発明による超音波流量計の第9の実施形態を示すブロック図である。超音波流量計53は、第1の実施形態の超音波流量計51の自己診断手段40に換えて、自己診断手段47を備えている。
【0111】
自己診断手段47は、リターンロスブリッジ49と、検波回路48とA/D変換回路43と判定手段5とを含む。また、図9に示すように、切り替え手段12と送信回路3との間には、切り替え手段81が設けられており、リターンロスブリッジ49を介して送信回路3と切り替え手段12とを接続する経路および送信回路3と切り替え手段12とを直接接続する経路のいずれかを切り替え手段81によって選択できるようになっている。
【0112】
超音波流量計53の送信回路3、受信回路6、ゼロクロス検知回路7、繰り返し回路8、計時回路9および流量算出手段10は、第1の実施形態の対応する回路および手段と同じ構成によって形成されている。切り替え手段81を用いて送信回路3と切り替え手段12とを直接接続し、第1の実施形態と同じ方法をもちいることにより、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2を用いて流量を計測することができる。
【0113】
切り替え手段81によって、リターンロスブリッジ49を介して送信回路3と切り替え手段12とを接続すれば、超音波流量計53の自己診断を行うことができる。本実施形態では、送信回路3から出力される駆動信号のリターンロスを検知する。駆動信号のリターンロスは、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2を駆動することによって生じる。送信回路3と第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2とのインピーダンスの整合性が高い場合には、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2において生じる駆動信号の反射波は小さい。この場合にはリターンロスは大きくなる。一方、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2のインピーダンスと送信回路3の出力インピーダンスが異なる場合には第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2において生じる駆動信号の反射波が大きい。この場合にはリターンロスは小さくなる。このように、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2における反射波の大きさによってリターンロスの大きさも変化するため、第1の実施形態で説明したように、リターンロスを測定することによって第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2の特性の変化を知ることができる。
【0114】
自己診断手段47のリターンロスブリッジ49には、公知のリターンロスブリッジを用いることができる。リターンロスブリッジ49において、送信回路3から出力された駆動信号は、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2へ伝播される。第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2において反射された駆動信号が検波回路49へ導かれる。検波回路49では、第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2から戻ってきた信号を検知し、検知した信号はA/D変換回路43においてデジタル信号に変換され、変換された信号が判定手段5へ入力される。
【0115】
超音波流量計51において自己診断を行う場合には、まず、切り替え手段3を切り替えて、送信回路3から出力される信号が自己診断手段47のリターンロスブリッジ49を介して第1の超音波振動子1または第2の超音波振動子2へ伝播されるようにする。切り替え手段12によって、第1の超音波振動子1がリターンロスブリッジ49へ接続されるようにする。送信回路3から流量測定に用いる信号よりも長いバースト信号(例えば、波数が10以上)を駆動信号として出力し、第1の超音波振動子1によって生じる反射波であるリターンロスL1を検波回路48で検出する。検出した値をA/D変換回路43で変換して、判定手段5へ入力する。
【0116】
次に、切り替え手段12によって、第2の超音波振動子1がリターンロスブリッジ49へ接続されるようにする。同様の手順によって、第2の超音波振動子2によって生じる反射波であるリターンロスL2を検波回路48で検出する。検出した値をA/D変換回路43で変換して、判定手段5へ入力する。
【0117】
判定手段5は、得られたリターンロスL1およびリターンロスL2を用いて、図6または図7に示す手順に従って、超音波流量計52の診断を行う。具体的には、第1の超音波振動子1と第2の超音波振動子2との特性差に基づいて、超音波流量計53の診断を行う場合には、図6に示す診断手順において電圧値S1およびS2に換えてリターンロスL1およびリターンロスL2を用いて評価関数(1)の値を求める。そして、求めた値に基づいて、超音波流量計53が正常であることを示す信号、超音波流量計53が異常であることを示す信号および超音波流量計53の補正が必要であることを示す信号を生成させる。また、超音波流量計53の補正が必要である場合には、図6に示すように、流体が静止している状態で流量を測定し、得られ値を用いて流量補正を行う。
【0118】
また、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2のそれぞれの特性の経時変化に基づいて超音波流量計52の診断を行う場合には、図7に示す診断手順において電圧値S1およびS2に換えてリターンロスL1およびリターンロスL2を用いて評価関数(2)の値を求める。そして、求めた値に基づいて、超音波流量計53が正常であることを示す信号、超音波流量計53が異常であることを示す信号および超音波流量計53の補正が必要であることを示す信号を生成させる。また、超音波流量計53の補正が必要である場合には、図7に示すように、流体が静止している状態で流量を測定し、得られた値を用いて流量補正を行う。
【0119】
このように、送信回路から出力される駆動信号を進行波とし、進行波と、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2による反射波とのリターンロスを測定することによって、超音波流量計53を診断することができる。また、リターンロスを用いることによって簡単に反射の度合いを知ることができるという効果を得ることもできる。
【0120】
なお、第1から第3の実施形態において、反射の特性として、反射波の包絡線信号、定在波比、およびリターンロスを検出する例を示した。これらのほかに、反射波の特性として、第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2による反射波の位相を検出しその位相差に基づいて、診断してもよい。
【0121】
(第4の実施形態)
以下、本発明の超音波流量計を備えたガスメータを説明する。
図10に示すように、ガスメータ54は、配管82aおよび配管82bとの間に設けられ、配管82aから配管82bへ流れるガスの流量を計測する。配管82aおよび配管82bを流れるガスは、天然ガスやプロパンガスなど一般家庭で用いられるもののほか、水素や酸素等、その他の気体であってもよい。
【0122】
配管82aおよび配管82bはガスメータ54の上部に接続される。ガスの流量は、ガスメータ54に設けられた表示部83に表示される。また、自己診断の結果をガス会社等へ送信するためのアンテナ84がガスメータ54に設けられている。
【0123】
図11は、ガスメータ54の内部の構造を模式的に示している。ガスメータ54は、配管82aおよび配管82bに接続される流路85を含む。流路85は、その途中において、主流路85aおよび計測用流路85bに分かれており、主流路85aには遮断弁87が設けられている。また、計測流路85bには2つの遮断弁86が設けられている。
【0124】
ガスメータ54には、第1から第3の実施形態の超音波流量計を用いることができる。ガスメータ54には、例えば第1の実施形態の超音波流量計51を用いる。計測用流路85bの2つの遮断弁86に挟まれた領域に、超音波流量計51の第1の超音波振動子1および第2の超音波振動子2が設けられ、送信回路3等の他の回路51’が基板88上に形成される。基板88上には、表示部83、マイコンなどを含む制御装置89、および通信装置90が設けられている。制御装置89は、超音波流量計51、通信装置90、遮断弁86および遮断弁87を制御している。
【0125】
計測用流路85bと主流路85aとは常に比例した流量のガスが流れるように構成されており、計測用流路85bに流れるガスの流量を超音波流量計51で計測し、その値に所定の補正を乗ずることによって、計測用流路85bおよび主流路85aを流れるガスの流量を計測することができる。
【0126】
超音波流量計51によって計測される流量に関するデータは、制御装置89によって処理されて表示部83に表示される。また、制御装置89は、計測する流量に異常がないかを監視する。例えば、突然、大流量のガスが流れ始めた場合には、ガス漏れが生じていると判断して、遮断弁86および遮断弁87を動作させ、ガスの供給を停止する。そして、通信装置88を用いて、ガス漏れであるという情報をガス会社へ送信する。また、所定の期間に配管85を流れたガスの流量を制御装置89に記憶しておき、その値をガスの使用量として、通信装置90を用いてガス会社等へ送信してもよい。
【0127】
自己診断を行う場合、まず、遮断弁86によって、計測用流路85b内のガスを静止させる。そして、第1から第3の実施形態で説明した手順によって自己診断を行う。通信装置90を用いて、逐次、診断結果をガス会社等に送信してもよいし、ガスメータ54が故障している診断された場合や、ガスメータ54の超音波振動子に劣化が生じていると診断された場合にのみ、診断結果をガス会社へ送信してもよい。
【0128】
上述したように、自己診断の際、超音波振動子が設けられた流路内のガスを静止させる必要がある。一回の自己診断に要する時間は数秒であるが、自己診断中にガスの供給が止まることによって不都合が生じないよう、本実施形態では計測用流路85bを主流路85aから分岐させている。ガスを使用していないときに自己診断を行う場合や、自己診断中にガスの供給が止まっても問題がない場合には、計測用流路85bを主流路とし、主流路85aは設けなくともよい。
【0129】
【発明の効果】
本発明によれば、超音波流量計の2つの超音波振動子の特性の経時変化や特性の温度変化、または、超音波振動子と配線とを接続する端子の腐食によるインピーダンス変化に起因する測定精度の低下を診断することができ、診断によって測定精度の低下を未然に防ぐこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波流量計の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】シングアラウンド法による測定を説明する図である。
【図3】本発明で用いる超音波振動子の電気的特性を示すインピーダンス曲線図である。
【図4】図1に示す超音波流量計の自己診断手段の具体的な構成を示す回路図である。
【図5】図4に示す回路において、検出される信号を説明する図である。
【図6】自己診断の手順を説明するフローチャートである。
【図7】自己診断の手順を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の超音波流量計の第2の実施形態を示すブロック図である。
【図9】本発明の超音波流量計の第3の実施形態を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4の実施形態であるガスメータを示す外観図である。
【図11】図10のガスメータの構造を示す模式図である。
【図12】従来の超音波流量計を示すブロック図である。
【図13】従来の超音波流量計において生じる受信波形の差異を示す図である。
【図14】従来の超音波流量計の特性の変化の温度依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 第1の超音波振動子
2 第2の超音波振動子
3 送信回路
4 信号検知回路
5 判定手段
6 受信回路
7 ゼロクロス検知回路
8 繰り返し回路
9 計時回路
12、13、81 切り替え手段
11 流量算出手段
14 流路
40 自己診断回路
41 検知回路
42 サンプル・ホールド回路
43 A/D変換回路
Claims (21)
- 超音波の伝播時間差に基づいて流体が流路を流れる流量を計測する超音波流量計であって、
超音波を送受信する少なくとも2つの超音波振動子と、
前記超音波振動子を駆動するための駆動信号を発生する送信回路と、
前記2つの超音波振動子の特性の差を示す第1の特性差、および/または前記2つの超音波振動子の少なくとも一方の過去における特性と現在における特性との差を示す第2の特性差を検出し、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差に基づいて流量計の状態を示す診断信号を生成する自己診断手段と、
を備え、前記超音波振動子の特性は、前記超音波振動子によって生じる前記駆動信号の反射波に基づくものである超音波流量計。 - 前記自己診断手段は、前記反射波の包絡線信号を検出し、前記包絡線信号の所定の時刻における強度を前記超音波振動子の特性として検出する請求項1に記載の超音波流量計。
- 前記自己診断手段は、前記反射波と前記駆動信号との定在波比を前記超音波振動子の特性として検出する請求項1に記載の超音波流量計。
- 前記自己診断手段は、前記駆動信号のリターンロスを前記超音波振動子の特性として検出する請求項1に記載の超音波流量計。
- 前記自己診断手段は、前記反射波の位相を前記超音波振動子の特性として検出する請求項1に記載の超音波流量計。
- 前記自己診断手段は、前記流体が静止している時に前記第1の特性差および/または前記第1の特性差を検出する請求項1から5のいずれかに記載の超音波流量計。
- 前記自己診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第1の値以下であるという条件を満たす場合、正常であることを示す診断信号を生成する請求項6に記載の超音波流量計。
- 前記自己診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第2の値以上であるという条件を満たす場合、故障であることを示す診断信号を生成する請求項7に記載の超音波流量計。
- 前記自己診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第1の値と第2の値との間の値であるという条件を満たす場合、特性が変動していることを示す診断信号を生成する請求項8に記載の超音波流量計。
- 前記自己診断手段は、前記第1の特性差および/または前記第2の特性差を検出する動作を複数回実行し、所定数を越える回数にわたって連続して前記特性差が前記条件を満たす場合、前記診断信号を生成する請求項7から9のいずれかに記載の超音波流量計。
- ガスが流れる流路と、
前記流路に設けられた請求項1から10のいずれかに記載の超音波流量計と、
前記流路を流れるガスを遮断する遮断弁と、
前記超音波流量計および遮断弁を制御する制御装置と、
を備えたガスメータ。 - 前記超音波流量計から出力される前記診断信号を送信するための通信装置を更に備える請求項11に記載のガスメータ。
- 超音波の伝播時間差に基づいて流体が流路を流れる流量を計測する超音波流量計の自己診断方法であって、
超音波を送受信する少なくとも2つの超音波振動子の特性の差を示す第1の特性差、および/または前記2つの超音波振動子の少なくとも一方の過去における特性と現在における特性との差を示す第2の特性差を検出するステップと、
前記第1の特性差および/または前記第2の特性差に基づいて流量計の状態を示す診断信号を生成するステップと、
を包含し、前記超音波振動子の特性は、前記超音波振動子を駆動するための駆動信号が前記超音波振動子において反射された反射波に基づくものである、超音波流量計の自己診断方法。 - 前記反射波の包絡線信号を検出し、前記包絡線信号の所定の時刻における強度を前記超音波振動子の特性として検出する請求項13に記載の超音波流量計の自己診断方法。
- 前記反射波と前記駆動信号との定在波比を前記超音波振動子の特性として検出する請求項13に記載の超音波流量計の自己診断方法。
- 前記駆動信号のリターンロスを前記超音波振動子の特性として検出する請求項13に記載の超音波流量計の自己診断方法。
- 前記反射波の位相を前記超音波振動子の特性として検出する請求項13に記載の超音波流量計の自己診断方法。
- 前記流体が静止している時に前記第1の特性差および/または前記第2の特性差を検出する請求項14から17のいずれかに記載の超音波流量計の自己診断方法。
- 前記診断信号を生成するステップにおいて、
前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第1の値以下であるという条件を満たす場合、正常であることを示す診断信号を生成し、
前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第2の値以上であるという条件を満たす場合、故障であることを示す診断信号を生成し、
前記第1の特性差および/または前記第2の特性差が第1の値と第2の値との間の値であるという条件を満たす場合、特性が変動していることを示す診断信号を生成する請求項18に記載の超音波流量計の自己診断方法。 - 前記特性が変動していることを示す信号が生成された場合、前記2つの超音波振動子を用いて、流体が静止している状態における流量値を計測し、計測された値を用いて、前記超音波流量計を補正するステップを更に包含する請求項19に記載の超音波流量計の自己診断方法。
- 前記第1の特性差および/または前記第2の特性差を検出する動作を複数回実行し、所定数を越える回数にわたって連続して前記特性差が同じ条件を満たす場合、対応する前記診断信号を生成する請求項20に記載の超音波流量計の自己診断方法。
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