近年、光源として複数の半導体発光素子を備える発光装置が普及し始めている。この照明装置として、例えば、自動車用標識灯、車両用灯具、信号機、蛍光灯や白熱灯に代わる一般的照明器具等がある。
発光装置が複数の半導体発光素子を備える場合、各半導体発光素子をESDサージから保護するために、半導体発光素子毎にバリスタを並列接続する必要がある。すなわち、複数の半導体発光素子に対応して、複数のバリスタが実装されることとなる。
しかしながら、複数のバリスタを実装する場合、当該バリスタの実装面積が大きくなり、上述した発光機器の小型化を阻害する要因となってしまう。また、複数のバリスタを実装する必要があるため、実装コストが嵩むと共に実装工程が複雑なものとなってしまう。
本発明は、実装面積を縮小すると共に、実装コストを低減して、容易に実装することが可能な発光装置を提供することを目的とする。
本発明に係る発光装置は、複数の半導体発光素子と、積層型チップバリスタと、を備えており、積層型チップバリスタが、電圧非直線特性を発現するバリスタ層と、当該バリスタ層を挟むように配置される複数の内部電極とを有する複数のバリスタ部が所定の方向に沿って配されている積層体と、積層体の外表面のうち所定の方向に平行な一の外表面に形成されると共に複数の内部電極のうち対応する内部電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第1の外部電極と、複数の第1の外部電極が形成された外表面に対向する外表面に形成されると共に複数の内部電極のうち対応する内部電極にそれぞれ電気的に接続される複数の第2の外部電極と、を有し、複数の内部電極が、当該複数の内部電極のうち隣り合う内部電極間において互いに重なり合う第1の電極部分と、当該第1の電極部分から複数の第1の外部電極が形成された外表面及び複数の第2の外部電極が形成された外表面に露出するように引き出された第2の電極部分と、を含み、複数の第1の外部電極及び複数の第2の外部電極が、対応する内部電極の第1の電極部分に第2の電極部分を通して電気的に接続されており、複数の半導体発光素子が、積層型チップバリスタ上に配され、複数のバリスタ部のうち対応するバリスタ部に並列接続されるように複数の第2の外部電極のうち対応する第2の外部電極にそれぞれ接続されることを特徴とする。
本発明に係る発光装置では、各バリスタ部が複数の半導体発光素子のうち対応する半導体発光素子に並列接続されるので、各半導体発光素子をESDサージから保護することができる。
また、本発明に係る発光装置が備える積層型チップバリスタでは、積層体が複数のバリスタ部を含むと共に、複数の第1の外部電極が積層体の外表面のうち所定の方向に平行な一の外表面に形成されている。また、複数の第1の外部電極は、対応する内部電極に第2の電極部分を通して電気的に接続されている。したがって、複数の第1の外部電極が形成された外表面を外部基板や外部機器等の実装面に対向させた状態で実装することにより、複数のバリスタ部が外部基板や外部機器等に対して実装されることとなる。この結果、複数のバリスタ部を実装するに際して、実装面積を縮小することができる。また、複数のバリスタ部を実装するための実装コストを低減して、容易に実装することができる。
また、本発明では、複数の第2の外部電極が、複数の第1の外部電極が形成された外表面に対向する外表面に形成されている。また、複数の第2の外部電極は、対応する内部電極に第2の電極部分を通して電気的に接続されている。これにより、複数の第2の外部電極が形成された外表面を利用して、バリスタ部と並列接続されるように、複数の半導体発光素子を容易に搭載することができる。
ところで、半導体発光素子は、その発光動作中、熱を発する。半導体発光素子が高温になると、その発光動作に影響が出る。このため、発生した熱を効率よく放散させる必要がある。本発明では、積層型チップバリスタが半導体発光素子に接続する第2の外部電極と当該第2の外部電極に接続する内部電極とを有するので、半導体発光素子において発生した熱は、主として、第2の外部電極及び内部電極に伝わり放散されることとなる。これにより、半導体発光素子において発生した熱の放熱パスが拡がり、半導体発光素子において発生した熱を効率よく放散することができる。
好ましくは、複数の第1の外部電極が形成された外表面及び複数の第2の外部電極が形成された外表面が、積層体の積層方向に平行な方向に伸びる。この場合、複数の内部電極が、複数の第1の外部電極が形成された外表面及び複数の第2の外部電極が形成された外表面に対して、当該外表面が伸びる方向に沿って併置されることとなる。これにより、各内部電極に関して、当該内部電極から積層型チップバリスタの外表面までの放熱パスが短くなり、内部電極からの熱の放散をより一層効率よく行うことができる。
好ましくは、バリスタ層が、ZnOを主成分とする。ZnOは、放熱基板として通常用いられるアルミナ等と同等程度の熱伝導率を有しており、比較的良好な熱伝導率を有する。したがって、内部電極からの熱の放散がバリスタ層により阻害されるのを抑制することができる。
好ましくは、バリスタ層が、Prを含み、複数の第1の外部電極及び複数の第2の外部電極が、積層体と同時焼成されることにより当該積層体の外表面上に形成され且つPdを含む電極層を有する。この場合、バリスタ素体と電極層との同時焼成により、積層体と外部電極との界面近傍に、PrとPdとの酸化物、例えばPr2Pd2O5やPr4PdO7等が形成され、存在することとなる。この結果、積層体と第1及び第2の外部電極との接着強度を向上させることができる。
本発明者等は、ZnOを主成分とするバリスタ素体と外部電極との接着強度を向上させ得るバリスタについて鋭意研究を行った。その結果、積層体(焼成されることにより積層体となるグリーン体)と外部電極(焼成されることにより外部電極となる導電性ペースト)とに含まれる材料に応じて積層体と外部電極との接着強度が変化するという新たな事実を見出すに至った。
ZnOを主成分とするグリーン体の外表面に導電性ペーストを付与した後に、これらを焼成して、積層体と外部電極とを得る。このとき、グリーン体がPr(プラセオジウム)を含み、導電性ペーストがPd(パラジウム)を含んでいる場合、得られたバリスタ素体と外部電極との接着強度が向上する。
積層体と外部電極との接着強度が向上するという効果は、焼成時における次のような事象に起因するものと考えられる。グリーン体と導電性ペーストとを焼成する際に、グリーン体に含まれるPrがグリーン体の表面近傍、すなわちグリーン体と導電性ペーストとの界面近傍に移動する。そして、グリーン体と導電性ペーストとの界面近傍に移動したPrと導電性ペーストに含まれるPdとが相互拡散する。このとき、積層体と外部電極との界面近傍に、PrとPdとの酸化物が形成されることがある。このPrとPdとの酸化物によりアンカー効果が生じ、焼成により得られた積層体と外部電極との接着強度が向上する。
好ましくは、バリスタ層が、Prを含み、複数の第1の外部電極及び複数の第2の外部電極が、積層体の外表面上に形成され且つPdを含む電極層を有しており、積層体と電極層との界面近傍に、バリスタ層に含まれるPrと電極層に含まれるPdとの酸化物が存在する。この場合、積層体と外部電極との界面近傍に、積層体に含まれるPrと電極層に含まれるPdとの酸化物が存在しているので、積層体と第1及び第2の外部電極との接着強度を向上させることができる。
好ましくは、電極層が、積層体と同時焼成されることにより、当該積層体の外表面に形成されている。この場合、バリスタ素体と第1及び第2の外部電極との界面近傍に、バリスタ素体に含まれるPrと電極層に含まれるPdとの酸化物を確実に存在させることができる。
好ましくは、積層体が、複数の第1の外部電極が形成された外表面と複数の第2の外部電極が形成された外表面とを主面とする略板状であり、複数の第1の外部電極が形成された外表面と複数の第2の外部電極が形成された外表面との間隔が積層体の所定の方向での長さに比して小さく設定されている。この場合、積層型チップバリスタの低背化を図ることができ、発光装置の低背化も可能となる。
好ましくは、所定の方向が、バリスタ層の積層方向である。また、好ましくは、所定の方向が、バリスタ層に平行な方向である。
好ましくは、複数の第1の外部電極が、当該複数の第1の外部電極が形成された外表面上において2次元配列され、複数の第2の外部電極が、当該複数の第2の外部電極が形成された外表面上において2次元配列されている。
好ましくは、各半導体発光素子が、対応する第2の外部電極にバンプ接続されることにより、積層型チップバリスタ上に配される。この場合、各半導体発光素子の積層型チップバリスタへの実装を極めて容易且つ簡易に行うことができる。
好ましくは、半導体発光素子が、第1導電型の半導体領域と第2導電型の半導体領域とを有し、当該第1導電型の半導体領域と当該第2導電型の半導体領域との間に印加される電圧に応じて発光する。
また、本発明に係る発光装置は、複数の半導体発光素子と、積層型チップバリスタと、を備えており、積層型チップバリスタが、電圧非直線特性を発現するバリスタ層と当該バリスタ層を挟むように配置される複数の内部電極とを有する複数のバリスタ部が所定の方向に沿って配されている積層体を有し、複数の半導体発光素子が、積層型チップバリスタ上に配され、複数のバリスタ部のうち対応するバリスタ部にそれぞれ並列接続されることを特徴とする。
本発明に係る発光装置では、各バリスタ部が複数の半導体発光素子のうち対応する半導体発光素子に並列接続されるので、各半導体発光素子をESDサージから保護することができる。
また、本発明に係る発光装置が備える積層型チップバリスタでは、積層体が複数のバリスタ部を含んでいるので、複数のバリスタ部を実装するに際して、実装面積を縮小することができる。また、複数のバリスタ部を実装するための実装コストを低減して、容易に実装することができる。
本発明によれば、実装面積を縮小すると共に、実装コストを低減して、容易に実装することが可能な発光装置を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1〜図5を参照して、本実施形態に係る発光装置LE1の構成を説明する。図1は、本実施形態に係る発光装置を示す概略上面図である。図2は、本実施形態に係る発光装置を示す概略下面図である。図3は、図1におけるIII−III線に沿った断面構成を説明するための図である。図4は、図1におけるIV−IV線に沿った断面構成を説明するための図である。図5は、図1におけるV−V線に沿った断面構成を説明するための図である。図6は、図1におけるVI−VI線に沿った断面構成を説明するための図である。
発光装置LE1は、図1〜図4に示されるように、複数(本実施形態においては、4個)の半導体発光素子1と、積層型チップバリスタ11とを備えている。各半導体発光素子1は、積層型チップバリスタ11上に配されている。
まず、積層型チップバリスタ11の構成について説明する。積層型チップバリスタ11は、図1〜図5に示されるように、略矩形板状とされたバリスタ素体21と、複数(本実施形態においては、8個)の第1の外部電極25,26と、複数(本実施形態においては、8個)の第2の外部電極27,28と、を備えている。各第1の外部電極25,26は、バリスタ素体21の一方の主面(外表面)22にそれぞれ形成されている。各第2の外部電極27,28は、バリスタ素体21の他方の主面(外表面)23にそれぞれ形成されている。バリスタ素体21は、例えば、縦が2.0mm程度に設定され、横が1.0mm程度に設定され、厚みが0.3mm程度に設定されている。第1の外部電極25は、積層型チップバリスタ11の入力端子電極として機能し、第1の外部電極26は、積層型チップバリスタ11の出力端子電極として機能する。第2の外部電極27,28は、後述する半導体発光素子1に電気的に接続されるパッド電極として機能する。
バリスタ素体21は、電圧非直線特性(以下、「バリスタ特性」と称する)を発現する複数のバリスタ層と、それぞれ複数の第1の内部電極層30及び第2の内部電極層40とが積層された積層体として構成されている。各一層の第1の内部電極層30及び第2の内部電極層40を一つの内部電極群として、当該内部電極群がバリスタ素体21内においてバリスタ層の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に沿って複数(本実施形態においては、2つ)配置されている。各内部電極群において、第1の内部電極層30及び第2の内部電極層40は、互いの間に少なくとも一層のバリスタ層が介在するように、第1の内部電極層30と第2の内部電極層40とが交互に配置されている。各内部電極群は、互いの間に少なくとも一層のバリスタ層が介在するように配置されている。実際の積層型チップバリスタ11では、複数のバリスタ層は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されている。
バリスタ層は、ZnO(酸化亜鉛)を主成分として含むと共に、副成分として希土類金属元素、Co、IIIb族元素(B、Al、Ga、In)、Si、Cr、Mo、アルカリ金属元素(K、Rb、Cs)及びアルカリ土類金属元素(Mg、Ca、Sr、Ba)等の金属単体やこれらの酸化物を含む素体からなる。本実施形態において、バリスタ層は、副成分としてPr、Co、Cr、Ca、Si、K、Al等を含んでいる。これにより、バリスタ層における第1の内部電極層30と第2の内部電極層40とに重なる領域が、ZnOを主成分とすると共にPrを含むこととなる。
本実施形態では、希土類金属として、Prを用いている。Prは、バリスタ特性を発現させるための材料となる。Prを用いる理由は、電圧非直線性に優れ、また、量産時での特性ばらつきが少ないためである。バリスタ層におけるZnOの含有量は、特に限定されないが、バリスタ層を構成する全体の材料を100質量%とした場合に、通常、99.8〜69.0質量%である。バリスタ層の厚みは、例えば5〜60μm程度である。
各第1の内部電極層30は、図3に示されるように、複数(本実施形態においては、2つ)の第1の内部電極31をそれぞれ含んでいる。各第1の内部電極31は、バリスタ素体21における積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に、互いに電気的に絶縁されるように所定の間隔を有してそれぞれ形成される。
各第1の内部電極31は、第1の電極部分33と、第2の電極部分35a,35bとを含んでいる。第1の電極部分33は、積層方向から見て、後述する第2の内部電極41の第1の電極部分43と互いに重なり合う。第1の電極部分33は、略矩形状を呈している。第2の電極部分35aは、図5に示されるように、第1の電極部分33から一方の主面22に露出するように引き出されており、引き出し導体として機能する。第2の電極部分35aは、第1の外部電極25に物理的及び電気的に接続されている。
第2の電極部分35bは、図5に示されるように、第1の電極部分33から他方の主面23に露出するように引き出されており、引き出し導体として機能する。第2の電極部分35bは、第2の外部電極27に物理的及び電気的に接続されている。第1の電極部分33は、第2の電極部分35aを通して第1の外部電極25に電気的に接続されると共に、第2の電極部分35bを通して第2の外部電極27に電気的に接続されている。第2の電極部分35a,35bは、第1の電極部分33と一体に形成されている。
各第2の内部電極層40は、図4にも示されるように、複数(本実施形態においては、2つ)の第2の内部電極41をそれぞれ含んでいる。各第2の内部電極41は、バリスタ素体21における積層方向に平行な側面から所定の間隔を有した位置に、互いに電気的に絶縁されるように所定の間隔を有してそれぞれ形成される。各第2の内部電極41は、図7に示されるように、一つの内部電極を構成するように一体に形成されていてもよい。この場合、外部電極26を、上記一つの内部電極毎に1つずつ設けるようにしてもよい。
各第2の内部電極41は、第1の電極部分43と、第2の電極部分45a,45bとを含んでいる。第1の電極部分43は、積層方向から見て、第1の内部電極31の第1の電極部分33と互いに重なり合う。第1の電極部分43は、略矩形状を呈している。第2の電極部分45aは、図6に示されるように、第1の電極部分43から一方の主面22に露出するように引き出されており、引き出し導体として機能する。第2の電極部分45aは、第1の外部電極26に物理的及び電気的に接続されている。
第2の電極部分45bは、図6に示されるように、第1の電極部分43から他方の主面23に露出するように引き出されており、引き出し導体として機能する。第2の電極部分45bは、第2の外部電極28に物理的及び電気的に接続されている。第1の電極部分43は、第2の電極部分45aを通して第1の外部電極26に電気的に接続されると共に、第2の電極部分45bを通して第2の外部電極28に電気的に接続されている。第2の電極部分45a,45bは、第1の電極部分43と一体に形成されている。
第1及び第2の内部電極31,41は導電材を含んでいる。第1及び第2の内部電極31,41に含まれる導電材としては、特に限定されないが、PdまたはAg−Pd合金からなることが好ましい。第1及び第2の内部電極31,41の厚みは、例えば0.5〜5μm程度である。
第1の外部電極25,26は、一方の主面22上に、M行N列(パラメータM及びNそれぞれを2以上の整数とする)に2次元配列されている。本実施形態では、第1の外部電極25,26は4行2列に2次元配列されている。第1の外部電極25と第1の外部電極26とは、一方の主面22上において、バリスタ層の積層方向に垂直且つ他方の主面22に平行な方向に所定の間隔を有して配されている。第1の外部電極25,26は、矩形状(本実施形態では、正方形状)を呈している。第1の外部電極25,26は、例えば、各一辺の長さが300μm程度に設定され、厚みが5μm程度に設定されている。
第2の外部電極27,28は、一方の主面23上に、M行N列(パラメータM及びNそれぞれを2以上の整数とする)に2次元配列されている。本実施形態では、第2の外部電極27,28は4行2列に2次元配列されている。第2の外部電極27と第2の外部電極28とは、他方の主面23上において、バリスタ層の積層方向に垂直且つ他方の主面23に平行な方向に所定の間隔を有して配されている。第2の外部電極27,28は、矩形状(本実施形態では、正方形状)を呈している。第2の外部電極27,28は、例えば、各一辺の長さが300μm程度に設定され、厚みが5μm程度に設定されている。
外部電極25〜28は、第1の電極層25a〜28a及び第2の電極層25b〜28bをそれぞれ有している。第1の電極層25a〜28aは、バリスタ素体21の外表面に形成されており、Pdを含んでいる。第1の電極層25a〜28aは、後述するように導電性ペーストが焼成されることにより形成されている。導電性ペーストには、Pd粒子を主成分とする金属粉末に、有機バインダ及び有機溶剤を混合したものが用いられている。金属粉末は、Ag−Pd合金粒子を主成分とするものであってもよい。
第2の電極層25b〜28bは、第1の電極層25a〜28a上に印刷法あるいはめっき法により形成されている。第2の電極層25b〜28bは、AuあるいはPtからなる。印刷法を用いる場合は、Au粒子あるいはPt粒子を主成分とする金属粉末に、有機バインダ及び有機溶剤を混合した導電性ペーストを用意し、当該導電性ペーストを第1の電極層25a〜28a上に印刷し、焼付あるいは焼成することにより第2の電極層25b〜28bを形成する。めっき法を用いる場合は、真空めっき法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法等)により、AuあるいはPtを蒸着させるにより第2の電極層25b〜28bを形成する。第2の電極層25b〜28bは、Pt/Auの積層体として構成してもよい。
第1の内部電極31の第1の電極部分33と第3の内部電極41の第1の電極部分43とは、上述したように、隣り合う第1の内部電極31の第1の電極部分33との間において互いに重なり合う。したがって、バリスタ層における第1の電極部分33と第1の電極部分43とに重なる領域がバリスタ特性を発現する領域として機能する。上述した構成を有する積層型チップバリスタ11においては、第1の電極部分33と、第1の電極部分43と、バリスタ層における第1の電極部分33及び第1の電極部分43に重なる領域とにより、一つのバリスタ部が構成されることとなる。
第1の電極部分33,43とバリスタ層における第1の電極部分33,43に重なる領域とにより構成されるバリスタ部は、バリスタ層の積層方向に沿って複数(本実施形態においては、2つ)配されることとなる。また、第1の電極部分33,43とバリスタ層における第1の電極部分33,43に重なる領域とにより構成されるバリスタ部は、バリスタ層に平行な方向に沿って複数(本実施形態においては、2つ)配されることとなる。
バリスタ素体21の一対の主面22,23は、上述したバリスタ部が配される方向、すなわち、バリスタ層の積層方向及びバリスタ層に平行な方向に対して平行である。バリスタ素体21は、上述したように一対の主面22,23を有する板状である。一対の主面22,23の間隔は、バリスタ素体21におけるバリスタ部が配される方向、すなわち、バリスタ層の積層方向及びバリスタ層に平行な方向での長さに比して小さく設定されている。一対の主面22,23の間隔は、バリスタ素体21の厚みに相当する。
続いて、図8及び図9を参照して、上述した構成を有する積層型チップバリスタ11の製造過程について説明する。図8は、本実施形態に係る積層型チップバリスタの製造過程を説明するためのフロー図である。図9は、本実施形態に係る積層型チップバリスタの製造過程を説明するための図である。
まず、バリスタ層を構成する主成分であるZnOと、Pr、Co、Cr、Ca、Si、K及びAlの金属又は酸化物等の微量添加物とを所定の割合となるように各々秤量した後、各成分を混合してバリスタ材料を調整する(ステップS101)。その後、このバリスタ材料に有機バインダ、有機溶剤、有機可塑剤等を加えて、ボールミル等を用いて20時間程度混合・粉砕を行ってスラリーを得る。
このスラリーを、ドクターブレード法等の公知の方法により、例えばポリエチレンテレフタレートからなるフィルム上に塗布した後、乾燥して厚さ30μm程度の膜を形成する。こうして得られた膜をフィルムから剥離してグリーンシートを得る(ステップS103)。
次に、グリーンシートに、第1の内部電極31に対応する電極部分を複数(後述する分割チップ数に対応する数)形成する(ステップS105)。同様にして、異なるグリーンシートに、第2の内部電極41に対応する電極部分を複数(後述する分割チップ数に対応する数)形成する(ステップS105)。第1及び第2の内部電極31,41に対応する電極部分は、Pd粒子を主成分とする金属粉末、有機バインダ及び有機溶剤を混合した導電性ペーストをスクリーン印刷等の印刷法にて印刷し、乾燥させることにより形成する。
次に、電極部分が形成された各グリーンシートと、電極部分が形成されていないグリーンシートとを所定の順序で重ねてシート積層体を形成する(ステップS107)。こうして得られたシート積層体をチップ単位に切断して、分割された複数のグリーン体GL1(図9参照)を得る(ステップS109)。得られたグリーン体GL1では、第1の内部電極31に対応する電極部分EL1が形成されたグリーンシートGS1と、第2の内部電極41に対応する電極部分EL2が形成されたグリーンシートGS2と、電極部分EL1,EL2が形成されていないグリーンシートGS3とが順次積層されている。グリーンシートGS1とグリーンシートGS2との間に位置するグリーンシートGS3は、複数枚積層してもよく、また、積層しなくてもよい。
次に、グリーン体GL1の外表面に、外部電極25〜28の第1の電極層25a〜28a用の導電性ペースト及び外部電極25〜28の第2の電極層25b〜28b用の導電性ペーストを付与する(ステップS111)。ここでは、グリーン体GL1の一方の主面上に、対応する電極部分EL1,EL2に接するように導電性ペーストをスクリーン印刷工法にて印刷した後、乾燥させることによって、第1の電極層25a,26aに対応する電極部分を形成する。そして、第1の電極層25a,26aに対応する電極部分上に、導電性ペーストをスクリーン印刷工法にて印刷した後、乾燥させることによって、第2の電極層25b,26bに対応する電極部分を形成する。また、グリーン体GL1の他方の主面上に、対応する電極部分EL1,EL2に接するように導電性ペーストをスクリーン印刷工法にて印刷した後、乾燥させることによって、第1の電極層27a,28aに対応する電極部分を形成する。そして、第1の電極層27a,28aに対応する電極部分上に、導電性ペーストをスクリーン印刷工法にて印刷した後、乾燥させることによって、第2の電極層27b,28bに対応する電極部分を形成する。
第1の電極層25a〜28a用の導電性ペーストには、上述したように、Ag−Pd合金粒子あるいはPd粒子を主成分とする金属粉末に、有機バインダ及び有機溶剤を混合したものを用いることができる。第2の電極層25b〜28b用の導電性ペーストには、上述したように、Pt粒子を主成分とする金属粉末に、有機バインダ及び有機溶剤を混合したものを用いることができる。なお、これらの導電性ペーストは、ガラスフリットを含んでいない。
次に、導電性ペーストが付与されたグリーン体GL1に、180〜400℃、0.5〜24時間程度の加熱処理を実施して脱バインダを行った後、さらに、1000〜1400℃、0.5〜8時間程度の焼成を行い(ステップS113)、バリスタ素体21と第1の電極層25a〜28aと第2の電極層25b〜28bとを得る。この焼成によって、グリーン体GL1におけるグリーンシートGS1〜GS3はバリスタ層となる。電極部分EL1は、第1の内部電極31となる。電極部分EL2は、第2の内部電極41となる。
以上の過程により、積層型チップバリスタ11が得られることとなる。なお、焼成後に、バリスタ素体21の表面からアルカリ金属(例えば、Li、Na等)を拡散させてもよい。
次に、図3〜図6を参照して、各半導体発光素子1の構成について説明する。
各半導体発光素子1は、GaN(窒化ガリウム)系半導体の発光ダイオード(LED:Light-EmittingDiode)であり、基板2と、当該基板2上に形成された層構造体LSとを備えている。GaN系の半導体LEDは、周知であり、その説明を簡略化する。基板2は、サファイアからなる光学的に透明且つ電気絶縁性を有する基板である。層構造体LSは、積層された、n型(第1導電型)の半導体領域3と、発光層4と、p型(第2導電型)の半導体領域5とを含んでいる。半導体発光素子1は、n型の半導体領域3とp型の半導体領域5との間に印加される電圧に応じて発光する。
n型の半導体領域3は、n型の窒化物半導体を含んで構成されている。本実施形態では、n型の半導体領域3は、基板2上にGaNがエピタキシャル成長されて成り、例えばSiといったn型ドーパントが添加されてn型の導電性を有している。また、n型の半導体領域3は、発光層4よりも屈折率が小さく且つバンドギャップが大きくなるような組成を有していてもよい。この場合、n型の半導体領域3は、発光層4に対して下部クラッドとしての役割を果たす。
発光層4は、n型の半導体領域3上に形成され、n型の半導体領域3及びp型の半導体領域5から供給されたキャリア(電子及び正孔)が再結合することにより発光領域において光を発生する。発光層4は、例えば、障壁層と井戸層とが複数周期にわたって交互に積層された多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)構造とすることができる。この場合、障壁層及び井戸層がInGaNからなり、In(インジウム)の組成を適宜選択することによって障壁層のバンドギャップが井戸層のバンドギャップより大きくなるように構成される。発光領域は、発光層4において、キャリアが注入される領域に生じる。
p型の半導体領域5は、p型の窒化物半導体を含んで構成されている。本実施形態では、p型の半導体領域5は、発光層4上にAlGaNがエピタキシャル成長されて成り、例えばMgといったp型ドーパントが添加されてp型の導電性を有している。また、p型の半導体領域5は、発光層4よりも屈折率が小さく且つバンドギャップが大きくなるような組成を有していてもよい。この場合、p型の半導体領域5は、発光層4に対して上部クラッドとしての役割を果たす。
n型の半導体領域3上には、カソード電極6が形成されている。カソード電極6は、導電性材料からなり、n型の半導体領域3との間にオーミック接触が実現されている。p型の半導体領域5上には、アノード電極7が形成されている。アノード電極7は、導電性材料からなり、p型の半導体領域5との間にオーミック接触が実現されている。カソード電極6及びアノード電極7には、バンプ電極8が形成されている。
上述した構成の半導体発光素子1では、アノード電極7(バンプ電極8)とカソード電極6(バンプ電極8)との間に所定の電圧が印加されて電流が流れると、発光層4の発光領域において発光が生じることとなる。
各半導体発光素子1は、対応する一対の第2の外部電極27,28にバンプ接続されている。すなわち、カソード電極6は、バンプ電極8を介して第2の外部電極28に電気的且つ物理的に接続されている。アノード電極7は、バンプ電極8を介して第2の外部電極27に電気的且つ物理的に接続されている。これにより、第1の電極部分33,43とバリスタ層における第1の電極部分33,43に重なる領域とにより構成されるバリスタ部が、半導体発光素子1に並列接続されることとなる。
以上のように、本実施形態によれば、各バリスタ部が当該各バリスタ部に対応する半導体発光素子1に並列接続されるので、各半導体発光素子1をESDサージから保護することができる。
また、本実施形態では、バリスタ素体21が複数のバリスタ部を含むと共に、複数の第1の外部電極25,26がバリスタ素体21の一方の主面22に形成されている。また、複数の第1の外部電極25,26は、対応する内部電極31,41に第2の電極部分35a,45aを通して電気的に接続されている。したがって、複数の第1の外部電極25,26が形成された一方の主面22を外部基板や外部機器等の実装面に対向させた状態で実装することにより、複数のバリスタ部が外部基板や外部機器等に対して実装されることとなる。この結果、複数のバリスタ部を実装するに際して、実装面積を縮小することができる。また、複数のバリスタ部を実装するための実装コストを低減して、容易に実装することができる。
ところで、本実施形態の積層型チップバリスタ11では、入力端子電極として機能する第1の外部電極25と第1の出力端子電極として機能する外部電極26とが共に、バリスタ素体21の一方の主面22に配されている。すなわち、積層型チップバリスタ11は、BGA(Ball Grid Array)パッケージとされた積層型チップバリスタである。この積層型チップバリスタ11は、はんだボールやバンプ電極等を用いて各外部電極25,26と当該各第1の外部電極25,26に対応するランドとを電気的及び機械的に接続することにより、外部基板や外部機器等に実装される。
また、本実施形態では、複数の第2の外部電極27,28が、複数の第1の外部電極25,26が形成された主面22に対向する他方の主面23に形成されている。また、複数の第2の外部電極27,28は、対応する内部電極31,41に第2の電極部分35b,45bを通して電気的に接続されている。これにより、複数の第2の外部電極27,28が形成された外表面を利用して、バリスタ部と並列接続されるように、複数の半導体発光素子1を容易に搭載することができる。
ところで、半導体発光素子1は、その発光動作中、熱を発する。半導体発光素子1が高温になると、その発光動作に影響が出る。このため、発生した熱を効率よく放散させる必要がある。本実施形態では、積層型チップバリスタ11が半導体発光素子1に接続する第2の外部電極27,28と当該第2の外部電極27,28に接続する第1及び第2の内部電極31,41とを有するので、半導体発光素子1において発生した熱は、主として、第2の外部電極27,28及び第1及び第2の内部電極31,41に伝わり放散されることとなる。これにより、半導体発光素子1において発生した熱の放熱パスが拡がり、半導体発光素子1において発生した熱を効率よく放散することができる。
本実施形態においては、一方の主面22及び他方の主面23が、バリスタ素体21の積層方向、すなわちバリスタ層の積層方向に平行な方向に伸びている。これにより、第1及び第2の内部電極31,41が、一方の主面22及び他方の主面23に対して、一方の主面22及び他方の主面23が伸びる方向に沿って併置されることとなる。この結果、各内部電極31,41に関して、当該各内部電極31,41からバリスタ素体21の一方の主面22及び他方の主面23までの放熱パス、すなわち積層型チップバリスタ11の外表面までの放熱パスが短くなり、第1及び第2の内部電極31,41からの熱の放散をより一層効率よく行うことができる。
本実施形態においては、バリスタ層がZnOを主成分としている。ZnOは、放熱基板として通常用いられるアルミナ等と同等程度の熱伝導率を有しており、比較的良好な熱伝導率を有する。したがって、第1及び第2の内部電極31,41からの熱の放散がバリスタ層により阻害されるのを抑制することができる。
本実施形態によれば、グリーン体GL1がPrを含み、第1及び第2の外部電極25〜28の第1の電極層25a〜28a用の導電性ペーストがPdを含み、当該導電性ペーストが付与されたグリーン体GL1を焼成して、Prを含むバリスタ素体21とPdを含む第1の電極層25a〜28aとを得るので、バリスタ素体21と第1の電極層25a〜28aとが同時焼成されることとなる。これにより、バリスタ素体21と第1及び第2の外部電極25〜28(第1の電極層25a〜28a)との接着強度を向上させることができる。
バリスタ素体21と第1及び第2の外部電極25〜28との接着強度が向上するという効果は、焼成時における次のような事象に起因するものと考えられる。グリーン体GL1と導電性ペーストとを焼成する際に、グリーン体GL1に含まれるPrがグリーン体GL1の表面近傍、すなわちグリーン体GL1と導電性ペーストとの界面近傍に移動する。そして、グリーン体GL1と導電性ペーストとの界面近傍に移動したPrと導電性ペーストに含まれるPdとが相互拡散する。PrとPdとが相互拡散するとき、バリスタ素体21と第1及び第2の外部電極25〜28との界面近傍(界面も含む)に、PrとPdとの酸化物(例えば、Pr2Pd2O5やPr4PdO7等)が形成されることがある。このPrとPdとの酸化物によりアンカー効果が生じ、焼成により得られたバリスタ素体21と第1及び第2の外部電極25〜28との接着強度が向上する。
BGAパッケージとされた積層型チップバリスタは、入出力端子電極あるいはグランド端子電極として機能する外部電極の面積が特に小さい。このため、バリスタ素体と外部電極との接着強度が低くなり、外部電極がバリスタ素体から剥がれてしまう懼れがある。しかしながら、本実施形態の積層型チップバリスタ11では、上述したようにバリスタ素体21と第1及び第2の外部電極25〜28(第1の電極層25a〜28a)との接着強度が向上しているので、第1及び第2の外部電極25〜28がバリスタ素体21から剥がれることはない。
第1の電極層25a〜28aを形成するための導電性ペーストがガラスフリットを含んでいる場合、焼成の際に、ガラス成分が第1の電極層25a〜28aの表面に析出することがあり、めっき性やはんだ付与性が悪化する懼れがある。しかしながら、本実施形態では、第1の電極層25a〜28aを形成するための導電性ペーストがガラスフリットを含んでいないため、めっき性やはんだ付与性が悪化することはない。
本実施形態においては、バリスタ素体21が、一対の主面22,23を有する略板状であり、一対の主面22,23の間隔は、バリスタ素体21におけるバリスタ部が配される方向での長さに比して小さく設定されている。これにより、積層型チップバリスタ11の低背化を図ることができ、発光装置LE1の低背化も可能となる。
本実施形態では、各半導体発光素子1が、対応する第2の外部電極27,28にバンプ接続されることにより、積層型チップバリスタ11上に配されている。これにより、各半導体発光素子1の積層型チップバリスタ11への実装を極めて容易且つ簡易に行うことができる。
本実施形態に係る積層型チップバリスタ11では、バリスタ素体21(バリスタ層)がBiを含んでいない。バリスタ素体21がBiを含まない理由は、以下の通りである。バリスタ素体が、ZnOを主成分とすると共にBiを含み、外部電極が、バリスタ素体と同時焼成されることにより当該バリスタ素体の外表面に形成され且つPdを含む電極層を有する場合、バリスタ素体と電極層との同時焼成により、BiとPdとが合金化し、バリスタ素体と電極層との界面にBiとPdとの合金が形成されることとなる。BiとPdとの合金は、特に、バリスタ素体との濡れ性が悪く、バリスタ素体と電極層との接着強度を低下させるように作用する。このため、バリスタ素体と電極層(外部電極)との接着強度を所望の状態に確保することが困難となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしもこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、積層型チップバリスタ11上に配される半導体発光素子1の数は、上述した4個に限られることなく、2個以上であればよい。この場合、バリスタ部及び外部電極25〜28の数は、半導体発光素子1の数に対応した数とされる。
上述した積層型チップバリスタ11の各バリスタ部においては、一対の内部電極31,41を有しているが、これに限られない。各バリスタ部において、第1の内部電極31及び第2の内部電極41を複数ずつ有していてもよい。
上述した積層型チップバリスタ11においては、複数のバリスタ部がバリスタ層の積層方向及びバリスタ層に平行な方向に沿って配されているが、これに限られない。複数のバリスタ部がバリスタ層の積層方向にだけ沿って配されていてもよい。また、複数のバリスタ部がバリスタ層に平行な方向にだけ沿って配されていてもよい。また、配されるバリスタ部の数も、上述した数に限られない。
本実施形態では、半導体発光素子1としてGaN系の半導体LEDを用いているが、これに限られない。半導体発光素子1として、例えば、GaN系以外の窒化物系半導体LED(例えば、InGaNAs系の半導体LED等)や窒化物系以外の化合物半導体LEDやレーザーダイオード(LD:Laser Diode)を用いてもよい。
1…半導体発光素子、11…積層型チップバリスタ、21…バリスタ素体、22…一方の主面、23…他方の主面、25,26…第1の外部電極、25a,26a…第1の電極層、25b,26b…第2の電極層、27,28…第2の外部電極、27a,28a…第1の電極層、27b,28b…第2の電極層、31…第1の内部電極、33…第1の電極部分、35a,35b…第2の電極部分、41…第2の内部電極、43…第1の電極部分、45a,45b…第2の電極部分、LE1…発光装置。