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JP4145824B2 - 携帯機器 - Google Patents

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Description

この発明は、一般的には、携帯機器に関し、より特定的には、2つの筐体が回動可能に取り付けられて構成される携帯機器に関する。
従来、ヒンジを介して2つの筐体が開閉自在に連結された折り畳み型の携帯電話機が広く普及している。このタイプの携帯電話機では、一般的に、一方の筐体に表示部やレシーバ等が設けられ、他方の筐体には、操作ボタンやマイク等が設けられている。さらに最近になって、互いに独立して回転する2つの回転軸を備えた折り畳み型の携帯電話機が販売され始めている。図18は、従来において、2つの回転軸を備えた折り畳み型の携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。図19は、図18中の携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。図20は、図19中の矢印Aから見た携帯電話機を示す斜視図である。
図18から図20を参照して、携帯電話機101は、表面103aを有する筐体103と、筐体103に対して矢印151に示す方向に回動可能に設けられた筐体107および108と、筐体103内に収容された図示しないカメラ部とを備える。筐体107の内部には、筐体103と筐体107とを回動可能に連結し、筐体107と筐体108とを回転可能に連結する図示しないヒンジ装置が収容されている。
筐体103には、ヒンジ装置側端部において、表面103aの両端部に、表面103aから突出するヒンジ支持部104mおよび104nが形成されている。ヒンジ支持部104mおよび104nは、互いに距離を隔てて設けられている。表面103a上のヒンジ支持部104mとヒンジ支持部104nとの間には、筐体107が位置決めされている。ヒンジ支持部104mおよび104nと筐体107とが、筐体107内に収容されたヒンジ装置によって連結されている。
筐体103の表面103aには、複数の操作ボタン118が設けられており、表面103aの反対側に位置する筐体103の表面103bには、スピーカ122が設けられている。表面103bに対して段差をもって形成された表面153には、カメラ部の撮影レンズ114が露出している。撮影レンズ114は、携帯電話機101を開いた状態において、筐体108と隣り合う位置に設けられている。カメラ部は、表面103aと表面153との間に挟まれた筐体103内の空間に配置されている。筐体108の表面108aには、表示部116が設けられている。
図21は、図18中のメイン表示部が設けられた筐体を回転させた場合の携帯電話機を示す斜視図である。図21を参照して、筐体108は、筐体107に対して矢印152に示す方向に回転可能に設けられている。これにより、表示部116が設けられた表面108aを適当な方向に向けることができる。
また別に、開放状態及び閉塞状態に拘わらず操作キーの操作を可能にして操作性の向上を図ることを目的として、主操作キーが設けられた第1の筐体と表示部が設けられた第2の筐体とを設け、第1の筐体と第2の筐体とを2つのヒンジ軸を有するヒンジ部を介して折り畳み可能とし、ヒンジ部に第1の筐体と第2の筐体を折り畳んだ状態において操作可能な副操作キーを設けるようにしたモバイル情報端末機器が、特開2003−229941号公報に開示されている(特許文献1)。
さらに別に、折り畳み状態でも、文字または画像情報を利用可能として取り扱い性に優れた折り畳み式携帯端末装置を提供することを目的として、数字キーを備えた第1の入力部とファンクションキーを備えた第2の入力部を備えるとともに、第1の入力部と送話器を含む第1の筐体と、表示部と第2の入力部と受話器を含む第2の筐体とに分割し、かつ第1の筐体と第2の筐体とを、ヒンジ部で折り畳み自在でかつ回動自在に連結するようにした折り畳み式携帯端末装置が、特開2001−251406号公報に開示されている(特許文献2)。
特開2003−229941号公報 特開2001−251406号公報
前述のような2つの回転軸を備えた折り畳み型の携帯電話機では、表示部を内面に閉塞した状態および外面に露出した状態で折り畳むことができる。そのため、持ち運び時における表示部の傷つき防止を図りつつ、携帯電話機を閉じた状態で表示部を使用することができる等、機器の使用用途を広げることができる。しかし、携帯電話機を開いた状態でも第2の筐体が回転する。特に、通話中では、ユーザの頭部と第2の筐体の接触によって第2の筐体が回転する恐れがある。そして、このとき、レシーバ孔とマイク孔とが異なる方向を向き、通話に支障を来たすといった問題が発生する。
そこで、本発明の目的は、前記問題を解決することであり、機器の使用用途を広げることができつつ、通話への支障を抑制することができる携帯機器を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明は、第1の筐体とヒンジ部とが回動軸を介して回動自在に設けられるとともに、前記ヒンジ部と第2の筐体とが前記回動軸と略直交する回転軸を介して回転自在に設けられる折り畳み型の携帯機器において、前記ヒンジ部に対する前記第2の筐体の回転状態を検出する状態検出部と、前記状態検出部の検出結果に応じて報知を行わせる制御部とを設ける構成としたものである。
このような構成によれば、ヒンジ部に対する第2の筐体の回転状態に応じて報知が行われる。そのため、ユーザが意図せずにヒンジ部に対して第2の筐体を回転させた場合にも、ユーザは、ヒンジ部に対して第2の筐体が回転したことを認識することができる。
また、本発明は、前記構成に加え、前記制御部が、前記状態検出手段によって回転の開始が検出されたときに報知を行わせるよう構成したものである。
このような構成によれば、ヒンジ部に対する第2の筐体の回転が開始されたときに報知が行われる。そのため、ユーザが意図せずにヒンジ部に対して第2の筐体を回転させた場合にも、ユーザは、ヒンジ部に対して第2の筐体が回転したことを認識することができる。
また、本発明は、前記構成に加え、前記制御部が、前記状態検出手段によって回転の終了が検出されたとき、前記状態検出手段によって回転の開始が検出されたときの報知とは異なる内容で報知を行わせるよう構成したものである。
このような構成によれば、ヒンジ部に対する第2の筐体の回転が開始されたときと、ヒンジ部に対する第2の筐体の回転が終了したときに、それぞれ異なる内容で報知が行われる。そのため、ユーザが意図せずに、ヒンジ部に対して第2の筐体を回転させた場合や回転が終了した場合にも、ユーザは、ヒンジ部に対する第2の筐体の回転が開始または終了したことを認識することができる。
また、本発明は、前述の構成に加え、前記第1の筐体が、前記ヒンジ部側端部と反対側の端部にマイク孔を形成するとともに、前記第2の筐体が、前記ヒンジ部側端部と反対側の端部にレシーバ孔を形成し、かつ前記状態検出部が、前記マイク孔と前記レシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態にあるか否かを検出するよう構成したものであり、特に、前記制御部が、前記状態検出部によって前記マイク孔と前記レシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態では無くなったことが検出されたときに報知を行わせるよう構成したものである。
このような構成によれば、マイク孔とレシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態では無くなったときに報知が行われる。そのため、ユーザが意図せずにヒンジ部に対して第2の筐体を回転させた場合にも、ユーザは、マイク孔とレシーバ孔とが同一方向となっているのか否かを認識することができる。
また、本発明は、前記構成に加え、前記制御部が、前記状態検出部によって前記マイク孔と前記レシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態になったことが検出されたとき、前記状態検出部によって前記マイク孔と前記レシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態では無くなったことが検出されたときの報知とは異なる内容で報知を行わせるよう構成したものである。
このような構成によれば、マイク孔とレシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態では無くなったときと、マイク孔とレシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態となったときに報知が行われる。そのため、ユーザが意図せずにヒンジ部に対して第2の筐体を回転させた場合にも、ユーザは、マイク孔とレシーバ孔とが同一方向となっているのか否かを認識することができる。
また、本発明は、前述の構成に加え、前記第1の筐体が、ベース部と、前記ベース部の所定位置から突出して形成された一対のヒンジ支持部と、前記ヒンジ支持部より突出して形成された回転抑止部からなる形状を有するとともに、前記ヒンジ部を、前記ヒンジ支持部の間に位置決めし、前記ヒンジ支持部に対して回動自在に連結する構成としたものである。
このような構成によれば、第1の筐体に対して第2の筐体が開かれた状態で、第2の筐体が回転抑止部に当接する。そのため、携帯機器を開いた状態で、第2の筐体の回転を抑制することができる。これにより、ユーザが意図せずにヒンジ部に対して第2の筐体を回転させることを抑制することができる。
また、本発明は、前記構成に加え、前記回転抑止部が、前記ヒンジ部側端部の両端を結ぶ円弧状を成すよう形成し、かつその頂部が、前記ヒンジ支持部の突出方向と直交する方向に突出する構成としたものである。
このような構成によれば、第1の筐体に対して第2の筐体が開かれた状態で、回転抑止部を超えて第2の筐体を回転させた場合には、第2の筐体は、回転抑止部の周縁に沿って回転する。そのため、携帯機器を開いた状態で、第2の筐体を強引に回転させたとしても第2の筐体を円滑に回転させることができる。これにより、携帯機器の破壊を抑制することができる。
また、本発明は、前記構成に加え、前記第1の筐体に、前記回転抑止部が形成された端面にアンテナを突設するとともに、前記回転抑止部を、前記回転軸を介して回転する前記第2の筐体が前記アンテナと接触しない高さに設定する構成としたものである。
このような構成によれば、第1の筐体に対して第2の筐体が開かれた状態で、回転抑止部を超えて第2の筐体を回転させた場合には、第2の筐体は、回転抑止部の周縁に沿って回転し、アンテナには接触しない。そのため、第1の筐体のヒンジ部側端部にアンテナを設けたとしても、第2の筐体の回転によるアンテナおよび第2の筐体の傷付きを抑制することができる。
また、本発明は、前述の構成に加え、前記第1の筐体が、前記回転抑止部が形成された端面に緩衝部材を設ける構成としたものである。
このような構成によれば、第1の筐体に対して第2の筐体が開かれた状態で、回転抑止部を超えて第2の筐体を回転させた場合には、第2の筐体は緩衝部材に接しながら回転する。そのため、第1および第2の筐体に傷が付くことを防止することができる。
以上説明したように、本発明にしたがえば、機器の使用用途を広げることができつつ、通話への支障を抑制することができる。
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態における携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。図2は、図1中の携帯電話機の側面図である。図3は、図1中の携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。図4は、図3中の携帯電話機の側面図である。図5は、図3中のC−C線上に沿った断面図である。図6は、図3中の矢印Bから見た携帯電話機を示す斜視図である。図1から図6を参照して、携帯電話機1は、カメラ機能を有する折り畳み型の携帯電話機であり、備える一方の筐体を表裏反転させることができるタイプの携帯電話機である。
携帯電話機1は、第1の筐体2と、第1の筐体2に対して回動軸5を中心に回動自在に連結されたヒンジ部3と、ヒンジ部3に対して回転軸6を中心に回転自在に連結された第2の筐体4とから構成されている。これら第1および第2の筐体2,4やヒンジ部3は、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene resin)やPC−ABS(Polycarbonate - Acrylonitrile Butadiene Styrene resin)等のプラスチック樹脂を材料として構成されている。
また、回動軸5と回転軸6とは互いに略直交するように設けられており、ヒンジ部3および第2の筐体4を回動軸5を中心に角変位自在に動かすことによって、携帯電話機1の形状は、図1および図2に示す開いた状態と図3ないし図6に示す閉じた状態との間で変化する。
図1ないし図6を参照して、第1の筐体2は、略矩形形状の表面7aを有するベース部7と、表面7aの所定位置から突出して形成されたヒンジ支持部8a,8bと、ヒンジ支持部8a,8bより突出して形成された回転抑止部9からなる形状を有する。表面7aは、携帯電話機1を開いた状態で外側に面し、閉じた状態で内側に面する表面である。ベース部7は、表面7aに対して略直角に連なり、表面7aを挟んで互いに平行に延在する一対の側面7b,7c、および側面7bと側面7cを結ぶ端面7d、ならびに表面7aと相反する面となる裏面7eを有する。
表面7aには、数字および文字を入力するためのキー等から構成される入力ボタン群10と、携帯電話機1における各種設定/機能切替を行うための第1の機能ボタン群11とが設けられている。これら入力ボタン群10や第1の機能ボタン群11のキートップ部は、ABSやPC−ABS等のプラスチック樹脂を材料として構成されており、さらに第1の機能ボタン群11のキートップ部には、クロームメッキ等のメッキ加工が施されている。また、表面7aには、ヒンジ支持部8a,8bが形成された部位から離れた位置、すなわちヒンジ支持部8a,8bが形成された端部側と反対側の端部に、回動軸5と平行に一対の凹部12a,12bが設けられている。これら凹部12a,12bは、ABSやPC−ABS等のプラスチック樹脂よりも低硬度で且つ弾性を有するTPE(Thermoplastic-Elastomer)やTPEE(Thermoplastic-Polyester-Elastomer)等のゴム含有プラスチック樹脂(エラストマー)を材料として構成されている。また、表面7aには、携帯電話機1を開いた状態および閉じた状態での通話等に用いるマイクのマイク孔13が穿設されている。このマイク孔13は、ヒンジ支持部8a,8bが形成された端部側と反対側の端部に配置されている。
側面7bの一方には、第1の筐体2の内部に収容されるカメラ部の使用時に操作されるシャッタボタン14が設けられている。また、シャッタボタン14が設けられた面と相反する面となる他方の側面7cには、第2の機能ボタン群15が設けられている。この第2の機能ボタン群15に含まれる十字キー15aおよび決定キー15bは、第1の機能ボタン群11に含まれる十字キー11aおよび決定キー11bと略同等の機能を有するものである。これら十字キー11a,15aおよび決定キー11b,15bは、十字キー11aを構成する上下左右のキーと、十字キー15aを構成する上下左右のキーとの対応関係、および決定キー11bと決定キー15bとの対応関係が分かるような形状または構成となっている。具体的には、十字キー11a,15aを同質の材料で形成するとともに、十字キー11a,15aを構成する下キーを特殊な形状にし、かつ色を変えている。また、決定キー11b,15bを同質の材料で形成するとともに、決定キー11b,15bを同じ色とし、かつ他のキーとは異なる色としている。なお、これに限定されるものではなく、十字キー11aと十字キー15aとの対応関係、決定キー11bと決定キー15bとの対応関係が分かればどのような形状・構成であっても良い。
ヒンジ部3に隣り合って位置し、回動軸5が延びる方向に延在する表面7aのヒンジ部3側端部の両端に、表面7aから突出するヒンジ支持部8a,8bが形成されている。また、ヒンジ支持部8a,8bを挟んで表面7aとは反対側に回転抑止部9が形成されている。この回転抑止部9は、ヒンジ部3側端部の両端を結ぶ円弧状を成し、その頂部が外方(ヒンジ支持部8a,8bと直交する方向)に突出するように形成されている。また、回転抑止部9が形成された端面7dには、TPEやTPEE等のゴム含有プラスチック樹脂(エラストマー)を材料とする第1の緩衝部材16と、回転軸5が延びる方向に突出するアンテナ17とが設けられている。回転抑止部9および第1の緩衝部材16は、図2に示すように、携帯電話機1が開いたときに第2の筐体4が当接する。これにより、携帯電話機1が開いた状態での第2の筐体4の回転が規制される。アンテナ17は、端面7dから回転軸5が延びる方向(ヒンジ支持部8a,8bと直交する方向)に突設されている。
第1の筐体2には、ヒンジ支持部8a,8bに回動自在に設けられたヒンジ部3と、ヒンジ部3に対して回転軸6を中心に回転自在に設けられた第2の筐体4とが接続されている。回転軸6は、ヒンジ支持部8aとヒンジ支持部8bの中間、つまり、一対の側面8b、8cの各々からの距離が等しい位置で回動軸5に直交している。
ヒンジ部3は、表面7a上のヒンジ支持部8aとヒンジ支持部8bとの間に位置決めされている。ヒンジ部3の内部には、図示しないヒンジ装置が収容されている。そして、ヒンジ装置によって、ヒンジ部3とヒンジ支持部8a,8bとが回動自在に連結され、ヒンジ部3と第2の筐体4とが回転自在に連結されている。
第2の筐体4は、略矩形形状の表面4aを有し、その表面4aには、ヒンジ部3側端部と反対側の端部に、回動軸5と平行に一対の第1の凸部18a,18bが形成される。この第1の凸部18a,18bは、図5に示すように、携帯電話機1を閉じたときに、凹部12a,12bに係合する位置に形成されている。また、表面4aには、携帯電話機1を開いた状態での通話等に用いるレシーバのための第1のレシーバ孔19と、携帯電話機1を閉じた状態での通話等に用いるレシーバのための第2のレシーバ孔20が穿設される。この第1のレシーバ孔19は、ヒンジ部3側端部と反対側の端部に形成され、第2のレシーバ孔20は、ヒンジ部3側端部に形成される。さらに、表面4aには、第1の表示部21と第3の機能ボタン群22とが設けられている。第1の表示部21は、液晶ディスプレイやEL(electro luminescent)ディスプレイ等によって構成されており、表示ドライバ部を介して与えられる画像データに基づいて画像を表示する。第3の機能ボタン群22は、主に第1の表示部21を外側にして携帯電話機1を閉じたときに用いられる。
このように、第1の表示部21が内面に閉塞されるよう携帯電話機1を閉じた状態で、第2の筐体4に形成された第1の凸部18a,18bと、第1の筐体2に設けられた凹部12a,12bとが係合する。これにより、第1および第2の筐体2,4との間に生じるガタを抑制することができる。
また、第2の筐体4は、表面4aと相反する面に裏面4bを有し、その裏面4bには、ヒンジ部3側端部と反対側の端部に、回動軸5と平行に一対の第2の凸部23a,23bが形成される。この第2の凸部23a,23bは、携帯電話機1を閉じたときに、凹部12a,12bに係合する位置に形成されている。また、裏面4bには、第2の表示部24が設けられている。第2の表示部24は、液晶ディスプレイやELディスプレイ等によって構成されており、表示ドライバ部を介して与えられる画像データに基づいて画像を表示する。
また、第2の筐体4には、ヒンジ部3が連結される端部側の角部に、一対の第2の緩衝部材25が設けられている。この第2の緩衝部材25は、ABSやPC−ABS等のプラスチック樹脂や、プラスチック樹脂にメッキ加工を施したものよりも低硬度で且つ弾性を有するTPEやTPEE等のゴム含有プラスチック樹脂(エラストマー)を材料として構成されている。
さらに、第2の筐体4には、FeliCa(登録商標)等の非接触ICのアンテナ(図示せず)が収容されている。この非接触ICのアンテナは、第2の筐体4の周縁部に沿って配置され、表面4aおよび裏面4bから外方に向かって良好な特性が得られるように構成されている。
つぎに、図6を参照して、表面7aの反対側に位置するベース部7の裏面7eには、ヒンジ部3側端部に、撮影レンズ26およびフラッシュ27が並んで設けられている。フラッシュ27は、カメラ部で撮影する際の補助光源として使われる。一般的には、補助光源にはキセノン管が用いられ、また最近では、RGBのLED(light emitting diode)が用いられている。これらLEDを同時発光させることによって、白色光の照明を得ることができる。裏面7eには、撮影レンズ26の近傍に、着信メロディ等の音声の出力に用いるスピーカのためのスピーカ孔28が並んで設けられている。
図7は、図1中の携帯電話機1の分解組立図である。図中には、開いた状態の携帯電話機1が裏面7eおよび4b側から示されている。図7を参照して、第1の筐体2は、表面7aを有するキャビネット2pと、裏面7eを有する背面キャビネット2qとから構成されている。第2の筐体4は、表面4aを有するキャビネット4pと、裏面4bを有する背面キャビネット4qとから構成されている。
ヒンジ部3は、キャビネット3pと背面キャビネット3qとから構成されている。キャビネット3pと背面キャビネット3qとは、内部にヒンジ装置29を収容して組み合わされる。
ヒンジ装置29は、第1の筐体2とヒンジ部3とを回動自在に連結する第1のヒンジ機構30と、ヒンジ部3と第2の筐体とを回転自在に連結する第2のヒンジ機構31とから構成されている。
第1のヒンジ機構30は、携帯電話機1が閉じた状態(第1の状態)での第1の筐体2に対するヒンジ部3および第2の筐体4の角度を0度、携帯電話機1を開いた状態(第2の状態)での第1の筐体2に対するヒンジ部3および第2の筐体4の角度を170度としたとき、0度ならびに170度および0度と170度の間に位置する120度の状態(第3の状態)を保持するよう引き込みが行われるとともに、この角度でクリック感が得られるように構成している。なお、携帯電話機1を開いた状態(第2の状態)における第1の筐体2に対するヒンジ部3ならびに第2の筐体4の角度については、170度に限定するものではなく、携帯電話機1を開いた状態(第2の状態)において、マイク孔13と第1のレシーバ19とが通話を行う際に適した距離となる状態となれば良く、これらは携帯電話機1の大きさやマイク孔13および第1のレシーバ孔19の位置によって決まる。また、携帯電話機1が閉じた状態(第1の状態)と携帯電話機1を開いた状態(第2の状態)との間に位置する状態(第3の状態)における第1の筐体2に対するヒンジ部3ならびに第2の筐体4の角度については、120度に限定するものではなく、携帯電話機1を開いた状態(第2の状態)において、第1の表示部21を視認するのに適した角度となる状態となれば良く、これらは携帯電話機1の大きさや第1の表示部21の位置によって決まる。
第2のヒンジ機構31は、携帯電話機1を閉じたときに第1の表示部21が閉塞される状態でのヒンジ部3に対する第2の筐体4の角度を0度、携帯電話機1を閉じたじときに第1の筐体21が開放される状態でのヒンジ部3に対する第2の筐体4の角度を180度としたとき、回転範囲を0度から180度までとし、0度および180度の状態を保持するよう引き込みが行われるとともに、この角度でクリック感が得られるように構成している。
したがって、図1および図2に示すように、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させずに携帯電話機1を開いた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して0度に回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して170度回動した状態)では、第2の筐体4が回転抑止部9および第1の緩衝部材16に当接する。これにより、携帯電話機1が開いた状態での第2の筐体4の回転が規制される。そのため、携帯電話機1を開いた状態での通話中に、ユーザの頭部に第2の筐体4が当接した場合にも、不用意に第2の筐体4が回転する恐れがなく、通話を阻害することがなくなる。
また、図3ないし図5に示すように、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させずに携帯電話機1を閉じた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して0度に回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して0度に回動した状態)では、携帯電話機1は、第2の筐体4に形成された第2の凸部23a,23bが凹部12a,12bに係合する。これにより、第1の表示部21が外面に開放されるよう携帯電話機1を閉じた状態で、第1および第2の筐体2,4との間に生じるガタを抑制することができる。そのため、携帯電話機1を持ち運ぶ際に第1の表示部21に傷が付くことを抑制することができる。
さらに、このような状態で、第2の筐体4に形成された第2の凸部23a,23bは、裏面4bから突出する。そのため、第2の筐体4に収容された非接触ICのアンテナを用いて、カードリーダ(相手側端末)との通信を行う場合に、携帯電話機1を近付け過ぎた場合にも、カードリーダ(相手側端末)には、第2の凸部23a,23bが接触する。これにより、第2の筐体4の裏面4bがカードリーダ(相手側端末)に直接接触することがなくなり、第2の筐体4の傷つきや破壊を抑制することができる。
図8ないし図10は、ヒンジ部3および第2の筐体4を第1の筐体に対して120度回動させた状態で第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させた場合の携帯電話機1を示す斜視図である。図8を参照して、携帯電話機1を図1または図3の状態から120度開いた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して0度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して120度回動した状態)では、第2の筐体4は、第1の表示部21が設けられた表面4aと、入力ボタン群10および機能ボタン群11が設けられた表面7aとが同一方向に向くように位置決めされる。
図9を参照して、第2の筐体4を回転軸6を中心に図8に示す状態から90度だけ回転した状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して90度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して120度回動した状態)では、第2の筐体4は、第1の表示部21が設けられた表面4aと、入力ボタン群10および機能ボタン群11が設けられた第1の筐体2の表面7aとが直交するように位置決めされる。
図10を参照して、第2の筐体4を回転軸6を中心に図9に示す状態からさらに90度だけ回転させた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して180度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して120度回動した状態)では、第2の筐体4は、第1の表示部21が設けられた表面4aと第1の筐体2の裏面7eとが同一方向を向き、第2の筐体4の裏面4bと第1の筐体2の表面7aとが同一方向を向くように位置決めされる。なお、図8ないし図10に示す状態のみならず、第2の筐体4を回転軸6を中心に適当な角度だけ回転させることによって、第2の筐体4の表面4aに設けられた第1の表示部21を所望の方向に向けることができる。
このように、第2の筐体4を第1の筐体に対して120度回動させた状態で第2の筐体4をヒンジ部3に対して回転させることにより、その回転によって、第2の筐体4がアンテナ17と接触することがなく、また第2の筐体4の角部が第1の筐体2の表面7aや第1の機能ボタン群11とも接触することがない。そのため、第1ならびに第2の筐体2,4、第1の機能ボタン群11およびアンテナ17の傷つきを防止することができる。また、ヒンジ装置29は、第1の筐体2に対するヒンジ部3および第2の筐体4の角度として120度の状態を保持するよう引き込みを行う。そのため、ユーザは、第1ならびに第2の筐体2,4、第1の機能ボタン群11およびアンテナ17を傷つけずに第2の筐体4を回転させることができる位置を容易に認識することができる。これにより、第1ならびに第2の筐体2,4、第1の機能ボタン群11およびアンテナ17の傷つきをより一層防止することができる。
また、図8に示すように、裏面7eを下にして第1の筐体2を載置したとき、第1の表示部21の表示面が斜め上方向を向く。そのため、第1の筐体2を載置した状態で、第1の表示部21の視認性が良くなる。さらに、第1の表示部21の近傍に撮影レンズを配置し、この撮影レンズを介して撮影された画像を通話相手に送信するよう構成することにより、第1の筐体2を載置した状態で、テレビ電話を最適な状態で行うことができる。
図11および図12は、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させている途中で、ヒンジ部3および第2の筐体4を第1の筐体に対して回動させた場合の携帯電話機1を示す斜視図である。図11を参照して、第2の筐体4の回転途中で携帯電話機1を開いた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して135度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して開成方向に回動した状態)では、第2の筐体4のヒンジ部3側端部が第1の緩衝部材16と接触する。これにより、第2の筐体4とアンテナ17との接触を防止し、第2の筐体4およびアンテナ17の傷つきを防止することができる。
また、第1の緩衝部材16は、回転抑止部9と同様、ヒンジ部3側端部の両端を結ぶ円弧状を成し、頂部が外方に突出するような形成である。そのため、第1の筐体2に対するヒンジ部3および第2の筐体4の角度が170度の状態を保持するよう引き込みが行われている状態で、第2の筐体2をヒンジ部3に対して回転させた場合にも、第2の筐体2は、アンテナ17と接触することなく、第1の緩衝部材16の周縁に沿って回転される。しかも、第1の緩衝部材16は、第2の筐体4よりも低硬度の材質によって構成されているため、第2の筐体4に傷が付くことも防止することができる。
図12を参照して、第2の筐体4の回転途中で携帯電話機1を閉じた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して90度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して閉成方向に回動した状態)では、第1の機能ボタン群11を構成する決定キー11bに第2の緩衝部材25が接触する。これにより、第2の筐体4と第1の機能ボタン群11および表面7aとの接触によるキーの破壊や第1の筐体の傷つきを抑制することができる。
このような構成により、ヒンジ装置29として、第1および第2のヒンジ機構30,31の可動を相互に規制する必要のない、構造が単純で比較的小型なヒンジ装置を用いることができる。これにより、携帯電話機1の小型化を図ることができる。
図13および図14は、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させた状態で、ヒンジ部3および第2の筐体4を第1の筐体に対して回動させた場合の携帯電話機1を示す斜視図である。図13を参照して、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させて携帯電話機1を開いた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して180度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して170度回動した状態)では、第2の筐体4は、第1の表示部21が設けられた表面4aと第1の筐体2の裏面7eとが同一方向を向き、第2の筐体4の裏面4bと第1の筐体2の表面7aとが同一方向を向くように位置決めされる。そのため、ユーザは、ユーザが自分の姿を撮影する場合、撮影レンズ18を自分に向けながら、第1の表示部14に映し出された自分の姿を確認することができる。
また、このような状態でも、回転抑止部9および第1の緩衝部材16は、図2に示す場合と同様に、第2の筐体4が当接し、これにより、携帯電話機1が開いた状態での第2の筐体4の回転が規制される。そのため、携帯電話機1を開いた状態での撮影中に、不用意に第2の筐体4が回転する恐れがなくなる。
図14を参照して、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させて携帯電話機1を閉じた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して180度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して0度に回動した状態)では、携帯電話機1は、第1の表示部21および第3の機能ボタン群22が設けられた表面4aが外側を向き、裏面4bが内側を向くように閉じられる。これにより、この場合、ユーザは、たとえばシャッタボタン14に右手の人差し指を掛け、第2の機能ボタン群15に左手の親指を、第3の機能ボタン群22に右手の親指を置き、両手で携帯電話機1を把持した状態で撮影を行なうことができる。このように携帯電話機1を専用のデジタルカメラのようにして構えることができるとともに、カメラ撮影のための各種設定を第2および第3の機能ボタン群15,22を用いて行えるため、カメラとして用いる際の携帯電話機1の使い勝手を向上させることができる。
また、このような状態でも、第2の筐体4に形成された第2の凸部23a,23bは、図5に示す場合と同様に、凹部12a,12bに係合する。これにより、第1の表示部21が外面に開放されるよう携帯電話機1を閉じた状態で、第1および第2の筐体2,4との間に生じるガタを抑制することができる。そのため、カメラとして用いる際の携帯電話機1の使い勝手をより向上させることができる。
さらに、このような状態で、第2の筐体4に形成された第1の凸部15a,15bは、表面4aから突出する。そのため、第2の筐体4に収容された非接触ICのアンテナを用いて、カードリーダ(相手側端末)との通信を行う場合に、携帯電話機1を近付け過ぎた場合にも、カードリーダ(相手側端末)には、第1の凸部15a,15bが接触する。これにより、第1の表示部21がカードリーダ(相手側端末)に直接接触することがなくなり、第1の表示部21の傷つきや破壊を抑制することができる。
次に、図15を参照して、携帯電話機1の電気的構成を説明する。携帯電話機1は、アンテナ17、無線部33、通信制御部34、スピーカ駆動制御部35、第1のレシーバ36、第2のレシーバ37、スピーカ38、送話制御部39、マイク40、表示制御部41、第1の表示部21、第2の表示部24、操作入力部42、入力ボタン群10、第1の機能ボタン群11、シャッタボタン14、第2の機能ボタン群15、第3の機能ボタン群22、カメラ部43、画像制御部44、光源制御部45、フラッシュ27、記憶部46、第1のホール素子47、第2のホール素子48、状態検出制御部49および主制御部50によって構成されている。
無線部33は、アンテナ17を介して基地局との間でやり取りされる通信データの送受信処理を行っている。この無線部33では、ラジオ放送やテレビ放送を受信することができる。通信制御部34は、各種通信の制御を行っている。例えば、ラジオ放送やテレビ放送の受信制御や、ウエブサイトにおけるアプリケーションプログラム(例えば、ゲームプログラム等)をウエブサーバーからダウンロードするための送受信制御、発信時における発呼制御、通話制御、着信時における着呼制御、電子メールの送受信制御が行われる。
スピーカ駆動制御部35は、音声出力時において第1および第2のレシーバ36,37やスピーカ38を駆動する制御を行っている。この第1および第2のレシーバ36,37の駆動の切り替えは、状態検出制御部49による端末状態の検出結果や、携帯電話機1の各種機能の使用状態に基づいて行われる。また、第1のレシーバ36は、第1のレシーバ孔19の近傍の回路基板上に配置され、第2のレシーバ37は、第2のレシーバ孔20の近傍の回路基板上に配置される。
送話制御部39は、通話時にマイク40から入力される音声信号のゲイン制御を行っている。このマイク40のゲイン切り替えは、状態検出制御部49による端末状態の検出結果や、携帯電話機1の各種機能の使用状態に基づいて行われる。また、マイク40は、マイク孔13の近傍の回路基板上に配置される。
表示制御部41は、第1および第2の表示部21,24に表示する内容を切り替える制御を行っている。この画面表示の切り替えは、状態検出制御部49による端末状態の検出結果等に基づいて行われる。操作入力部42は、入力ボタン群10および第1ないし第3の機能ボタン群11,15,22ならびにシャッタボタン14におけるキー操作に基づいて入力処理を行っている。この入力処理の有効/無効切り替えは、状態検出制御部49による端末状態の検出結果や、携帯電話機1の各種機能の使用状態に基づいて行われる。
画像制御部44はカメラ部43からの撮像データや記憶部46から読み出された画像データを表示用データに展開したりJPEGデータに圧縮する制御を行っている。光源制御部45はフラッシュ27の発光制御を行っている。
状態検出制御部49は、携帯電話機1がいずれの端末状態にあるのかの検出を行う状態検出手段である。すなわち、第1および第2のホール素子47,48のオンオフに基づいて、携帯電話機1が閉じているかどうか、また第2の筐体4がヒンジ部3に対して0度の状態にあるのかが判別される。これにより、端末状態が自動的に検出されるので、音声入力のゲイン切り替え、音声出力の切り替え、画像表示の切り替え、回転または開閉に伴う音声出力等を自動的に行わせることができる。なお、第1および第2のホール素子47,48は、第1または第2の筐体2,4あるいはヒンジ部3に設けられ、第1および第2のホール素子47,48に対向する他の筐体に設けられたマグネットからの磁力を検知することでオンオフするようになっている。
図16および図17を参照して、携帯電話機1の開閉動作および第2の筐体4の回転動作に伴う表示内容の切り替え、入力処理の有効/無効切り替え、音声入力のゲイン切り替え、および音声出力の切り替え等の制御動作を説明する。
電源ON時(待受時、通話時、テレビ視聴時等)において、主制御部50は、状態検出部49からの検出信号を監視している。この状態で、状態検出部49が携帯電話機1の状態変化を検出すると、主制御部50は状態検出部49からの検出信号に基づいて表示内容の切り替え、入力処理の有効/無効切り替え、音声入力のゲイン切り替え、および音声出力の切り替え等の制御を行う。
これらの具体的な制御動作として、まず、携帯電話機1の開閉操作に基づく制御動作について説明する。
状態検出部50が、携帯電話機1の開閉状態の変化を検出し(ステップS1)、かつ携帯電話機1が閉じられたことを検出する(ステップS2)と、主制御部50は、記憶部46に記憶された閉成メロディを再生し、スピーカ駆動制御部35を介してスピーカ38より放音させる(ステップS3)。
このとき(ステップS1ないしS3)、状態検出部50が、第2の筐体4がヒンジ部3に対して0度の状態にあることを検出した場合(ステップS4)には、主制御部50は、表示制御部41を制御して、第1の表示部21をオフ、第2の表示部24をオン(ステップS5,S6)し、また操作入力部42を制御して、第1ないし第3の機能ボタン群11,15,22(入力ボタン群10、シャッタボタン14)のキー操作を無効とし(ステップS7ないしS9)、また送話制御部39を制御して、マイク40をオフし(ステップS10)、さらにスピーカ駆動制御部35を制御して、第1および第2のレシーバ36,37をオフする(ステップS11,S12)。なお、このとき、携帯電話機1は、図3ないし図6に示すような、第1の表示部21が閉塞されるよう閉じられた状態となっている。
他方、携帯電話機1が閉じられたことを検出したとき(ステップS1ないしS3)に、状態検出部50が、第2の筐体4がヒンジ部3に対して0度の状態にないことを検出した場合(ステップS4)には、主制御部50は、表示制御部41を制御して、第1の表示部21をオン、第2の表示部24をオフ(ステップS13,S14)し、また操作入力部42を制御して、第1の機能ボタン群11(入力ボタン群10)のキー操作を無効、第2および第3の機能ボタン群15,22(シャッタボタン14)のキー操作を有効とし(ステップS15ないしS17)、また送話制御部39を制御して、マイク40をゲインアップした状態でオンし(ステップS18)、さらにスピーカ駆動制御部35を制御して、第1のレシーバ36をオフ、第2のレシーバ37をオンする(ステップS19,S20)。なお、このとき、携帯電話機1は、図14に示すような、第1の表示部21が開放されるよう閉じられた状態となっており、第1の表示部21には、ヒンジ部3が上になるように画像または文字が表示される。
また、状態検出部50が、携帯電話機1の開閉状態の変化を検出し(ステップS1)、かつ携帯電話機1が開かれたことを検出する(ステップS2)と、主制御部50は、記憶部46に記憶された開成メロディを再生し、スピーカ駆動制御部35を介してスピーカ38より放音させる(ステップS21)。
このとき(ステップS1,S2,S21)、状態検出部50が、第2の筐体4がヒンジ部3に対して0度の状態にあることを検出した場合(ステップS22)には、主制御部50は、表示制御部41を制御して、第1の表示部21をオン、第2の表示部24をオフ(ステップS23,S24)し、また操作入力部42を制御して、第1の機能ボタン群11(入力ボタン群10、シャッタボタン14)をオン、第2および第3の機能ボタン群15,22のキー操作を無効とし(ステップS25ないしS27)、また送話制御部39を制御して、マイク40をオンし(ステップS28)、さらにスピーカ駆動制御部35を制御して、第1のレシーバ36をオン、第2のレシーバ37をオフする(ステップS29,S30)。なお、このとき、携帯電話機1は、図1、図2および図8に示すような、第1の表示部21と第1の機能ボタン群11とが略平行に位置するよう開かれた状態となっており、第1の表示部21には、ヒンジ部3が下になるように画像または文字が表示される。
他方、携帯電話機1が開かれたことを検出したとき(ステップS1,S2,S21)に、状態検出部50が、第2の筐体4がヒンジ部3に対して0度の状態にないことを検出した場合(ステップS22)には、主制御部50は、表示制御部41を制御して、第1の表示部21をオン、第2の表示部24をオフ(ステップS13,S14)し、また操作入力部42を制御して、第1の機能ボタン群11(入力ボタン群10)のキー操作を無効、第2および第3の機能ボタン群15,22(シャッタボタン14)のキー操作を有効とし(ステップS15ないしS17)、また送話制御部39を制御して、マイク40をゲインアップした状態でオンし(ステップS18)、さらにスピーカ駆動制御部35を制御して、第1のレシーバ36をオフ、第2のレシーバ37をオンする(ステップS19,S20)。なお、このとき、携帯電話機1は、図9ないし図13に示すような、第1の表示部21と第1の機能ボタン群11とが平行とはならない状態で開かれた状態となっており、第1の表示部21には、ヒンジ部3が上になるように画像または文字が表示される。また、これらの設定は、開閉検出前の設定と同じであるため、これら設定動作を省略するようにしても良い。
次に、第2の筐体の回転操作に基づく制御動作を説明する。
状態検出部50が、第2の筐体4の回転状態の変化を検出し(ステップS31)、かつ第2の筐体4がヒンジ部3に対して0度の状態にあることを検出する(ステップS32)と、主制御部50は、記憶部46に記憶された回転終了メロディを再生し、スピーカ駆動制御部35を介してスピーカ38より放音させる(ステップS33)とともに、表示制御部41を制御して、第1の表示部21をオン、第2の表示部24をオフ(ステップS23,S24)し、また操作入力部42を制御して、第1の機能ボタン群11(入力ボタン群10、シャッタボタン14)をオン、第2および第3の機能ボタン群15,22のキー操作を無効とし(ステップS25ないしS27)、また送話制御部39を制御して、マイク40をオンし(ステップS28)、さらにスピーカ駆動制御部35を制御して、第1のレシーバ36をオン、第2のレシーバ37をオフする(ステップS29,S30)。なお、このとき、携帯電話機1は、図1、図2および図8に示すような、第1の表示部21と第1の機能ボタン群11とが略平行に位置するよう開かれた状態となっており、第1の表示部21には、ヒンジ部3が下になるように画像または文字が表示される。
また、状態検出部50が、第2の筐体4の回転状態の変化を検出し(ステップS31)、かつ第2の筐体4がヒンジ部3に対して0度の状態にないことを検出する(ステップS32)と、主制御部50は、記憶部46に記憶された回転開始メロディを再生し、スピーカ駆動制御部35を介してスピーカ38より放音させる(ステップS34)とともに、表示制御部41を制御して、第1の表示部21をオン、第2の表示部24をオフ(ステップS35,S36)し、また操作入力部42を制御して、第1の機能ボタン群11(入力ボタン群10)のキー操作を無効、第2および第3の機能ボタン群15,22(シャッタボタン14)のキー操作を有効とし(ステップS37ないしS39)、また送話制御部39を制御して、マイク40をオンし(ステップS40)、さらにスピーカ駆動制御部35を制御して、第1のレシーバ36をオン、第2のレシーバ37をオフする(ステップS41,S42)。なお、このとき、携帯電話機1は、図9ないし図13に示すような、第1の表示部21と第1の機能ボタン群11とが平行とはならない状態で開かれた状態となっており、第1の表示部21には、ヒンジ部3が上になるように画像または文字が表示される。また、これらの設定のうち、通話に関する設定については、回転検出前の設定と同じであるため、これら設定動作を省略するようにしても良い。
したがって、このような動作制御によれば、図9ないし図14に示すような、第2の筐体4がヒンジ部3に対して回転している状態において、第1の機能ボタン群11のキー操作を無効となる。そのため、図12に示すように、第2の筐体4の回転途中で携帯電話機1が閉じられ(第2の筐体4をヒンジ部3に対して90度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して閉成方向に回動し)、第1の機能ボタン群11を構成する決定キー11bに第2の緩衝部材25が接触し、決定キー11bがキー操作された場合にも、当該決定キー11bのキー操作は無効となる。これにより、ユーザの意図しない機能が実行されることを防止することができる。
また、上述のような動作制御によれば、図9ないし図14に示すような、第2の筐体4がヒンジ部3に対して回転している状態において、第2および第3の機能ボタン群15,22のキー操作が有効になる。そのため、図13に示すように、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させて携帯電話機1を開いた場合(第2の筐体4をヒンジ部3に対して180度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して170度回動した場合)にも、第2および第3の機能ボタン群15,22を用いて各種機能を実行することができる。これにより、ユーザの意図しない機能が実行されることを防止することができつつ、ユーザは、撮影レンズ18を自分に向けながら、第1の表示部14に映し出された自分の姿を確認し、撮影することができる。また、図14に示すように、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させて携帯電話機1を閉じた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して180度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して0度に回動した状態)にも、第2および第3の機能ボタン群15,22を用いて各種機能を実行することができる。そのため、ユーザは、携帯電話機1を開いた状態と殆ど代わらないキー操作で各種機能を実行することができる。これにより、携帯電話機1の使い勝手を向上することができる。
また、上述のような動作制御によれば、図1および図2ならびに図8に示すような、第2の筐体4がヒンジ部3に対して回転せずに携帯電話機1が開いている状態から、図9ないし図13に示すような、携帯電話機1が開いていて第2の筐体4がヒンジ部3に対して回転している状態に移行する際に、回転開始メロディが再生される。そのため、図1および図2に示すように、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させずに携帯電話機1を開いた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して0度に回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して170度回動した状態)での通話中に、ユーザの頭部に第2の筐体4が当接し、第2の筐体4がヒンジ部3に対して回転した場合にも、ユーザは、回転開始メロディの再生によって、第2の筐体4がヒンジ部3に対して回転したことを即座に認識することができる。これにより、通話を阻害することがなくなる。また、第2の筐体4の回転に伴ってメロディが流れるため、通常の回転操作時におけるエンタテイメント性を高めることもできる。
さらに、上述のような動作制御によれば、図9ないし図13に示すような、第2の筐体4がヒンジ部3に対して回転せずに携帯電話機1が開いている状態において、通話に関する設定は、前の端末状態に基づく設定が維持される。そのため、図1および図2に示すように、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させずに携帯電話機1を開いた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して0度に回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して170度回動した状態)での通話中に、ユーザの頭部に第2の筐体4が当接し、第2の筐体4がヒンジ部3に対して回転した場合にも、第1のレシーバ36およびマイク40を用いて通話を継続することができる。これにより、通話を阻害することがなくなる。また、図14に示すような、第2の筐体4を第1の筐体2およびヒンジ部3に対して回転させて携帯電話機1を閉じた状態(第2の筐体4をヒンジ部3に対して180度回転し、ヒンジ部3を第1の筐体2に対して0度に回動した状態)での通話中に、ヒンジ装置29の劣化によって携帯電話機1が少し開いてしまうような場合にも、第2のレシーバ37およびマイク40を用いて通話を継続することができる。これにより、通話を阻害することがなくなる。
なお、本実施の形態では、折り畳み型の携帯電話機1について説明を行なったが、本発明による携帯機器はこれに限定されない。携帯機器は、たとえば、PDA(personal digital assistants)、ノート型パソコンおよびワードプロセッサ等であってもよい。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態における携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。 図1中の携帯電話機の側面図である。 図1中の携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。 図3中の携帯電話機の側面図である。 図3中のC−C線上に沿った断面図である。 図3中の矢印Bから見た携帯電話機を示す斜視図である。 図1中の携帯電話機の分解組立図である。 図1中の第2の筐体を120度回動させた場合の携帯電話機を示す斜視図である。 図8中の第2の筐体を回転させた場合の携帯電話機を示す別の斜視図である。 図8中の第2の筐体を回転させた場合の携帯電話機を示すさらに別の斜視図である。 図1中の第2の筐体を回転させた場合の携帯電話機を示す斜視図である。 図3中の第2の筐体を回転させた場合の携帯電話機を示す斜視図である。 図1中の第2の筐体を回転させた場合の携帯電話機を示すさらに別の斜視図である。 図3中の第2の筐体を回転させた場合の携帯電話機を示すさらに別の斜視図である。 図1中の携帯電話機の構成を示す機能ブロック図である。 図1中の携帯電話機における開閉・回転検出に基づく制御動作を示すフローチャートである。 図1中の携帯電話機における開閉・回転検出に基づく制御動作を示すフローチャートである。 従来において、2つの回転軸を備えた折り畳み型の携帯電話機の開いた状態を示す斜視図である。 図18中の携帯電話機の閉じた状態を示す斜視図である。 図19中の矢印Aから見た携帯電話機を示す斜視図である。 図18中のメイン表示部が設けられた筐体を回転させた場合の携帯電話機を示す斜視図である。
符号の説明
1 携帯電話機
2 第1の筐体
3 ヒンジ部
4 第2の筐体
5 回動軸
6 回転軸
7 ベース部
8a,8b ヒンジ支持部
9 回転抑止部
10 入力ボタン群
11 第1の機能ボタン群
12a,12b 凹部
13 マイク孔
14 シャッタボタン
15 第2の機能ボタン群
16 第1の緩衝部材
17 アンテナ
18a,18b 第1の凸部
19 第1のスピーカ孔
20 第2のスピーカ孔
21 第1の表示部
22 第3の機能ボタン群
23a,23b 第2の凸部
24 第2の表示部
25 第2の緩衝部材
26 撮影レンズ
27 フラッシュ
28 スピーカ孔

Claims (8)

  1. 第1の筐体とヒンジ部とが回動軸を介して回動自在に設けられるとともに、前記ヒンジ部と第2の筐体とが前記回動軸と略直交する回転軸を介して回転自在に設けられる折り畳み型の携帯機器において、
    前記ヒンジ部に対する前記第2の筐体の回転状態を検出する状態検出部と、
    前記状態検出部の検出結果に応じて報知を行わせる制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記状態検出手段によって回転の開始が検出されたとき、報知を行わせ、
    前記状態検出手段によって回転の終了が検出されたとき、前記状態検出手段によって回転の開始が検出されたときの報知とは異なる内容で、報知を行わせることを特徴とする携帯機器。
  2. 前記第1の筐体は、前記ヒンジ部側端部と反対側の端部にマイク孔を形成し、
    前記第2の筐体は、前記ヒンジ部側端部と反対側の端部にレシーバ孔を形成し、
    前記状態検出部は、前記マイク孔と前記レシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態にあるか否かを検出することを特徴とする請求項1記載の携帯機器。
  3. 前記制御部は、前記状態検出部によって前記マイク孔と前記レシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態では無くなったことが検出されたとき、報知を行わせることを特徴とする請求項2に記載の携帯機器。
  4. 前記制御部は、前記状態検出部によって前記マイク孔と前記レシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態になったことが検出されたとき、前記状態検出部によって前記マイク孔と前記レシーバ孔とが同一方向を向くような回転状態では無くなったことが検出されたときの報知とは異なる内容で、報知を行わせることを特徴とする請求項3に記載の携帯機器。
  5. 前記第1の筐体は、ベース部と、前記ベース部の所定位置から突出して形成された一対のヒンジ支持部と、前記ヒンジ支持部より突出して形成された回転抑止部からなる形状を有し、
    前記ヒンジ部は、前記ヒンジ支持部の間に位置決めされ、前記ヒンジ支持部に対して回動自在に連結されることを特徴とする請求項1記載の携帯機器。
  6. 前記回転抑止部は、前記ヒンジ部側端部の両端を結ぶ円弧状を成し、その頂部が、前記ヒンジ支持部の突出方向と直交する方向に突出するよう形成したことを特徴とする請求項5に記載の携帯機器。
  7. 前記第1の筐体は、前記回転抑止部が形成された端面にアンテナを突設し、
    前記回転抑止部は、前記回転軸を介して回転する前記第2の筐体が前記アンテナと接触しない高さに設定したことを特徴とする請求項6に記載の携帯機器。
  8. 前記第1の筐体は、前記回転抑止部が形成された端面に緩衝部材を設けたことを特徴とする請求項5に記載の携帯機器。
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