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JP4143896B2 - 電磁石 - Google Patents

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JP4143896B2 JP2002120824A JP2002120824A JP4143896B2 JP 4143896 B2 JP4143896 B2 JP 4143896B2 JP 2002120824 A JP2002120824 A JP 2002120824A JP 2002120824 A JP2002120824 A JP 2002120824A JP 4143896 B2 JP4143896 B2 JP 4143896B2
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Fuji Electric FA Components and Systems Co Ltd
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Fuji Electric FA Components and Systems Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電磁接触器の操作電磁石などに用いられる電磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は電磁接触器の一般的な構成を示す縦断面図、図8は図7における固定鉄心の斜視図である。まず、図7において、電磁接触器のフレーム1に収容された操作電磁石(以下、単に電磁石という)2は連結板3を介してフレーム1の底部に連結固定されたE形の固定鉄心4と、この固定鉄心4に対して移動可能にフレーム1に案内されたE形の可動鉄心5を有し、固定鉄心4の中央脚には電磁コイル6が装着され、可動鉄心5と電磁コイル6の巻枠との間に圧縮ばねからなる復帰スプリング7が挿入されている。周知の通り、鉄心4,5は珪素鋼鈑の積層により構成され、リベット8により締結されている。一方、フレーム1には、互いに対向する各相一対の固定接触子9が固定され、それらの間を橋絡するように配置された可動接触子10は可動鉄心5に連結された接点支え11に保持されている。可動接触子10の反固定接触子側には、圧縮ばねからなる接触スプリング12が挿入されている。
【0003】
電磁コイル6の図示非励磁状態において、可動鉄心5は復帰スプリング7により固定鉄心4から引き離され、可動接触子10は固定接触子9から開離している。この状態で電磁接触器が投入操作され、電磁コイル6が励磁されると、可動鉄心5が復帰スプリング7に抗して吸引され、左右両脚の対向端面(接極面)間で固定鉄心4に吸着され、接極面同士が接触(接極)する。これにより、可動接触子10は接点を介して固定接触子9に押圧され、その間を橋絡して電路を閉路させる。なお、図8に示すように、固定鉄心4の接極面の溝には周知の隈取りコイル13が嵌め込まれるとともにカシメ加工により固着され、電磁コイル6の交流励磁による吸引力の脈動の緩和が図られている。
【0004】
図9は、上記投入動作において可動鉄心5に作用する負荷力と吸引力との関係を示す特性図で、横軸は可動鉄心5のストローク(接極面間の距離)、縦軸は負荷力及び吸引力である。吸引力特性の実線は電磁コイル印加電圧が定格の100%時、鎖線は同じく70%時のものである。さて、図9において、可動鉄心5の吸引が開始されると、負荷力は復帰スプリング7の変形とともに漸増するが、位置Cで可動接点が固定接点に接触すると、接触スプリング12の力が加わり負荷力は急増する。その後、復帰スプリング7及び接触スプリング12の変形とともに漸増し、可動鉄心5が接極する位置Eで最大となる。一方、可動鉄心5に作用する吸引力は、接極面間の距離の減少とともに図示の通り増大する。その場合、吸引力は負荷力を常に上回り、その差分(図9の斜線部分)が可動鉄心5に対する加速力になる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示した吸引力と負荷力とを比較してみると、可動接触子10が閉成した位置(図中C点)から鉄心同士が接極する位置(図中E点)までの間で、吸引力と負荷力との間に大きな差が生じている。この力の差が可動鉄心5を急激に加速し、可動鉄心5は固定鉄心4に衝突する。この衝突は電磁接触器投入時に騒音を発生させるとともに、鉄心4,5を損傷してその低寿命化を招く。その対策として、図8に示すような緩衝装置が用いられている。すなわち、図8において、固定鉄心4の底面に防振ゴム14が設置されるとともに、防振ゴム14と一体にクッションブロック15が一体形成され、固定鉄心4の連結板3の両端はクッションブロック15に弾性的に保持されている。
【0006】
ところが、このような緩衝装置はコストアップの要因になり、また可動鉄心からの衝撃自体を減らすものではないので根本的な解決にはならない。そこで、この発明の課題は、緩衝装置を設けることなく可動鉄心からの衝撃を抑制することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、この発明は、電磁コイルが装着されたE 形の固定鉄心と、前記電磁コイルの励磁により前記固定鉄心に吸引され、前記固定鉄心に接極する E 形の可動鉄心とを備えた電磁石において、前記固定鉄心及び可動鉄心のE形の接極面が相互に接極した状態において前記鉄心の E 形の接極面の一方又は双方に、相手側の前記鉄心の側方に隙間を介して延びる磁気漏れ部を一体に突出形成し、吸引動作時に前記電磁コイルの磁束の一部を前記磁気漏れ部に導き、前記鉄心同士が接極する間際の吸引力を抑制するものである。
【0008】
この発明によれば、E 形の可動・固定鉄心の接極面を通過する磁束が減り、接極面間の吸引力が低下する一方、磁気漏れ部を通る漏れ磁束により磁気漏れ部と相手鉄心との間に作用する吸引力は、可動鉄心の移動方向に対して直角の成分を有するため、鉄心同士が接極する間際の吸引力が全体として減少し、吸引力と負荷力との整合性が良好になって衝撃が緩和される。吸引力の抑制の程度は、磁気漏れ部の高さ及び相手鉄心との間の隙間の調整により適度に設定することができる。また、磁気漏れ部と相手鉄心との間には隙間が存在するので、鉄心同士が接極した状態では接極面間の磁気抵抗は磁気漏れ部より小さくなり、磁気漏れ部への磁束通過はなくなることから、接極状態では従来鉄心と同じ保持力を確保することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、この発明の実施の形態の電磁接触器用電磁石を示すもので、図1は横断面図、図2は斜視図である。図1及び図2において、従来例と相違するのは、E 形の固定鉄心4の左右脚の接極面近傍に、E 形の可動鉄心5の左右脚の側方に隙間gを介して延びる磁気漏れ部4aが一体に突出形成され、また固定鉄心4の中央脚の接極面近傍に、可動鉄心5の中央脚の左右側方に隙間を介して延びる磁気漏れ部4bが一体に突出形成されている点である。磁気漏れ部4aは、隈取りコイル13の外側隣接部分(カシメしろ部分)が接極面から高さhまで突出するように立ち上げられた突条として形成されている。一方、可動鉄心5の中央脚は左右両側が部分的に削除されて先端部が凸形に形成され、固定鉄心4の磁気漏れ部4bはその削除部分に進出するように左右両側が高さの突条として立ち上げられている。図示の場合、隙間g,k及び高さh,は、電磁接触器の可動接点が固定接点との接触を開始するストロークまでの吸引力は従来と同じで、鉄心同士が接極する間際で吸引力が低下するように設定されている。なお、図1に示すように、左右脚の接極状態で中央脚の接極面間には微小な隙間が設けられ、電磁石釈放時の可動鉄心5の離反の容易が図られている。
【0010】
図5は、図1の電磁石の電磁コイル6が励磁され、可動鉄心5が吸引された時の鉄心同士が接極する間際における磁束の状態を代表的に示すものである。図5において、電磁コイル6の磁束φは、固定・可動鉄心4,5が形成する磁気回路を図示の通り通過するが、接極面近傍では磁気漏れ部4a及び4bに磁束φの一部φ'及びφ"が導かれ、接極面を通過する磁束は左右脚では(φ−φ')、中央脚では(φ−φ")になる。その場合、磁気漏れ部4a,4bは接極面の側方に位置するため、この部分を通る磁束φ',φ"は可動鉄心5の移動方向(図5の上下方向)に対して傾き、そのためにこの部分に生じる吸引力Fには可動鉄心5の移動方向に対して直交する成分F2が生じ、その分、吸引に有効な成分F1が小さくなる。一方、接極面を通過する磁束(φ−φ'),(φ−φ")による吸引力は磁束φが全部接極面を通過する従来構成に比べて小さい。その結果、接極間際における可動鉄心5に対する吸引力は全体として直交成分F2に相当する分だけ減少する。
【0011】
図6は、図9の特性図に重ねて図1の実施の形態における吸引力を表示し、従来例との吸引力の比較を示したものである。図6において、鉄心同士が接極する間際、すなわちいまの場合は電磁接触器の可動接点が固定接点に接触開始する時点の位置Cから鉄心同士が接極する位置Eの手前までの間で、実施の形態の吸引力は従来例よりも低下している。このように吸引力を低下させることにより、負荷力と吸引力との差が縮まり、接極時の鉄心同士の衝突が緩和される。接極後においては、磁束φは隙間g,が存在する磁気漏れ部4a,4bに向わずすべて接極面を通過するので、接極中の保持力は磁気漏れ部4a,4bがないものと変わらない。
【0012】
図3はこの発明の異なる実施の形態を示す電磁石の横断面図、図4はその斜視図である。この実施の形態は、可動鉄心5の左右脚の先端を凸形として固定鉄心4の左右脚に2つの磁気漏れ部4a,4cを形成し、また中央脚の磁気漏れ部4bは可動鉄心5の中央脚の周囲を囲むように形成したものである。このように磁気漏れ部を増やすことにより、吸引力の低下作用を高めることができる。なお、図示実施の形態では、磁気漏れ部を固定鉄心側に突出形成した例を示したが、磁気漏れ部は可動鉄心側、あるいは固定・可動鉄心両側に形成することも可能である。
【0013】
【発明の効果】
以上の通り、この発明によれば、固定鉄心あるいは可動鉄心に磁気漏れ部を形成し、接極間際の吸引力の一部を可動鉄心の移動方向外へ向けることにより、鉄心同士の衝突速度を低下させ、衝撃に伴う騒音発生や鉄心の損傷を抑えることができ、また結果として緩衝装置を省くことができるので電磁石のコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態を示す電磁石の横断面図である。
【図2】 図1の電磁石における鉄心の斜視図である。
【図3】 この発明の異なる実施の形態を示す電磁石の横断面図である。
【図4】 図3の電磁石における鉄心の斜視図である。
【図5】 図1の電磁石における磁束の経路を示す図である。
【図6】 図1の電磁石における吸引力を示す特性図である。
【図7】 電磁接触器の従来例を示す横断面図である。
【図8】 図1における固定鉄心の斜視図である。
【図9】 図7における電磁石の負荷力と吸引力との関係を示す特性図である。
【符号の説明】
2 電磁石
4 固定鉄心
4a 磁気漏れ部
4b 磁気漏れ部
4c 磁気漏れ部
5 可動鉄心
6 電磁コイル

Claims (1)

  1. 電磁コイルが装着されたE 形の固定鉄心と、前記電磁コイルの励磁により前記固定鉄心に吸引され、前記固定鉄心に接極する E 形の可動鉄心とを備えた電磁石において、
    前記固定鉄心及び可動鉄心のE形の接極面が相互に接極した状態において前記鉄心の E 形の接極面の一方又は双方に、相手側の前記鉄心の側方に隙間を介して延びる磁気漏れ部を一体に突出形成し、吸引動作時に前記電磁コイルの磁束の一部を前記磁気漏れ部に導き、前記鉄心同士が接極する間際の吸引力を抑制するようにしたことを特徴とする電磁石。
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