JP4141532B2 - 溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶媒不要型水中油型エマルションに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医薬、農薬などの分野において、その徐放性、拡散性は大きく望まれる機能である。例えば、徐放性についてはマイクロカプセル化技術におけるコアセルベーション法(特開昭59ー230635、特開昭59ー159177)、液中乾燥法、相分離法および噴霧乾燥法(特開昭59ー172653、特開昭59ー162943)がある。また、徐放性効果による残効延長、あるいは農薬有効成分の安定化を目的としてマイクロカプセル化技術を利用した農薬製剤方法がある。例えば、水溶性高分子を皮膜とするゼラチン(例えば特開昭50−99969号他)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリエステル(特開昭54−135671号)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルエーテル(特開昭55−92136号)、ポリウレタン−ポリ尿素(特開昭54−91591号)ポリアミド−ポリ尿素(特開昭48−4643号)、樹脂プレポリマー−水溶性カチオニック尿素樹脂(特開平2−29642号)等を用いるマイクロカプセル化農薬の製造方法が提案されている。さらにマイクロカプセルの水性懸濁液の製造方法(特公平7−64682号)等がある。しかし、何れの処方においてもマイクロカプセル化などは製法が複雑である。また、製剤後の膜厚の違いや破壊率の違いなどにより、その性能は不安定である。
【0003】
一方、拡散性については、各種懸濁製剤技術が挙げられる。なかでも、疎水性固体農薬を水または親水性媒質中で湿式粉砕し、親水性極微細粒子として媒質中に懸濁させる方法(特公昭46−20519号)、水に難溶な固体農薬または水に難溶な固体農薬と水溶性固体農薬とを同時に含む系と、界面活性剤、水溶性高分子および水とからなり、製剤粘度が20℃で200〜500cpとした懸濁状農薬(特公昭58−2440号)、水または有機溶剤に不溶または難溶な農薬原体、界面活性剤、キサンタンガム、水とからなる懸濁状農薬(特開昭57−58601号)、水不溶または難溶性の農薬原体に界面活性剤、水溶性バイオポリマ−、水からなる懸濁状農薬(特開平2−111703号)、また、除草剤原体や農薬殺生原体と界面活性剤を用いた水性懸濁製剤(特公平7−47521号、特公平7−47522号、特公昭64−7041号、特公昭63−58802号、特公平6−78202号)がある。
【0004】
また、従来の乳剤が有していた、製造時、輸送時、保存時における引火危険性の問題点を改良した水性エマルション製剤が報告されており(特開平9−52810号)、乳化剤としてポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーが好ましいと記されている。さらに2種以上の有効成分を含有する場合に、それらの有効成分間の物理化学的性状差が大きい場合の方法として、サスポエマルション製剤も報告されている(特許番号第2593886号)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
残効延長を目的とした徐放性製剤として、マイクロカプセル化技術を利用した農薬では、その調製方法が難しく、ロットによる膜厚の違いや皮膜の破壊率の違いがでてくる。従って、常に一定の徐放性を保つことは非常に難しい。さらに、このようなマイクロカプセル化を懸濁製剤に用いる場合、その調製時において皮膜を破壊してしまう可能性が大きい。また、コスト的にも高い。
【0006】
一方、拡散性を目的とした農薬懸濁製剤は、水に難溶性の固体を原料に界面活性剤と水存在下、大がかりな装置で磨砕粉砕を行う必要があるという問題点を有している。また乳剤は有機溶媒を必要とするため、環境に悪影響を及ぼしやすく、さらにその点を改良した水性エマルション製剤やサスポエマルション製剤においても、有機溶媒を必須とすることや貯蔵中の有効成分の結晶化の問題点が残る。農薬分野において水田に散布した場合には、有効成分はすみやかに拡散し、残効延長は殆ど期待できない状況にある。
【0007】
本発明は、コスト的に高くなく、有効成分間の物理化学的性状差が大きい場合でも、有機溶媒を必要とせずに製剤化可能で、しかも得られた製剤が貯蔵安定性にすぐれ、水中への散布等大量の水に希釈される過酷な条件下でもエマルションが安定で、徐放性をも有する溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法を提供することを目的としている。さらに本製造方法は農薬、医薬、化粧品などの広い分野において利用可能となるものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、(1)(a)水に対して、(b)水と界面を形成する油状物質、(c)POEの重合数が5〜12かつPOPの重合数が30〜35であるPOE−POPブロックポリマー、および(d)POEの重合数が14〜18であるPOEノニルフェニルエーテルを添加し、40℃以下に保ちながら攪拌・混合し、(2)次に攪拌・混合を続けながら系内を昇温し、系内が均一にゲル化するまで続け、(3)さらに昇温して系内をW/Oエマルションに転相させる。(4)転相後系内をゲル化前の温度まで冷却し、(5)(e)水不溶性の固体物質を添加し、(6)40℃以下に保ちながらさらに攪拌・混合することを特徴とする、溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法である。また、目的とするものが油状物質のみで前記固体物質を含まない場合は工程(5)を省略することを特徴としている。
【0009】
また、本発明は前記した製造方法によって得られた、溶媒不要型水中油型エマルションである。
【0010】
本発明の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法では、油状物質を必須としているが、この油状物質はエマルションの構成成分であり、従来のエマルション製造方法では使用されていたところの溶媒として作用するものではない。したがって、油状物質として使用される油状液体も、通常有機溶媒として使用されているものではないので、有機溶媒に起因する環境への悪影響を防止することができる。
【0011】
本発明の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法では、微細なミクロエマルションを得るために系を転相している。この転相によって得られたミクロエマルションを中心とする、POE−POPブロックポリマーとPOEノニルフェニルエーテルとの相互作用によって強固な複合粒子が形成される。この強固な複合粒子は、従来のように単に高分子界面活性剤と低分子界面活性剤とを混合使用しただけでは得ることができない。また、この転相時に同時に固体粒子を添加するため、前記した複合粒子中に固体粒子が組み込まれるので、やはり強固な複合粒子が形成される。
【0012】
本発明の製造方法によって得られた溶媒不要型水中油型エマルションは、複合粒子が強固なので、貯蔵安定性にすぐれている。また、従来のエマルションでは水希釈によって界面活性剤濃度が低下して、急激にエマルションの破壊が起こるが、本発明の溶媒不要型水中油型エマルションではエマルションの破壊が起こらず、長期間水希釈後も安定に存続することができる。したがって、拡散性を維持しながら徐放性を発揮することが可能である。この場合はカプセルのようにコストが高くなることはない。従来のエマルションの場合にはこのような徐放性を期待することはできない。
【0013】
本発明の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法では、複数の有効成分を取り扱う場合にそれらの有効成分間の物理化学的性状に大きな差があっても、混合製剤が可能で、しかも有機溶媒は不要である。本発明の溶媒不要型水中油型エマルションは、前記特長が生かせる分野であれば、化粧品原料、染料、顔料、食料原料、医薬品、農業用薬品、衛生用薬品、生活用薬品、事務用薬品、土木建築材料、工業用薬品などの分野に適用することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の水と界面を形成する油状物質の種類に特に限定はないが、次のような種類の有効成分を例示することができる。化粧品原料としては、例えばオレイン酸などの有機脂肪酸、オリーブ油、ワセリンおよび安息香酸ベンジルなどを用いることができる。食料原料としては、例えば植物性食用油および動物性食用油などがある。植物性油としては、例えば綿実油、亜麻実油、コーン油、落花生油、オリーブ油、ヒマシ油、パーム油、アルモンド油、アボガド油およびホホバ油などを例示することができる。動物 性油としては、例えばペルヒドロスクワレンおよび鯨油などがある。鉱物性油としては、例えば流動パラフィン、ワセリンオイル、スピンドル油およびマシン油などがある。合成油としては、例えばオレイン酸、塩素化パラフィン、メチルナフタリン、グリセリンモノラウレート、1−フェニル−1−キシリルエタン、フタル酸ジオクチル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、リン酸トリ−n−ブチル、クエン酸アセチルトリブチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸デシル、ラウリン酸ヘキシルおよびプロピレングリコール=ジカプリラートなどを例示することができる。シリコーンオイル類としては、シクロメチコーン類、ポリメチルシロキサン類およびジメチコノール類などがある。フッ化オイル類としては、ペルフルオロエーテル類およびフッ化シリコーン類などがある。医薬品としては、例えばサリチル酸メチル、クロフィブラート、ジフェンヒドラミンおよびジメルカプロールなどがある。衛生用薬品としては、例えば浴剤、防虫剤および動物忌避剤などがある。生活用薬品としては、例えば芳香剤、消臭剤、脱臭剤、トイレタリー製品および塗料ビヒクルなどを用いることができる。
【0015】
農業用薬品としては、例えば、エチル4−[4−(4−トリフルオロメチルフェノキシ)フェノキシ]−2−ペンテノアート、ブチル2−[4−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)フェノキシ]プロピオナート、N−ベンジル−ん−イソプロピルピパルアミド、N,N−ジアリル−2−クロロアセトアミド、S−エチル N,N−ジエチルカーバメート、4−オクタノイルオキシ−3,5−ジブロモベンゾニトリル、2−クロロ−2',6'−ジエチル−N−(n−プロポキシエチル)−アセトアニリド、2−(2−クロロベンジルチオ)−5−プロピル1,3,4−オキサジアゾール、2−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−4−エチルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン、ヘキサクロロアセトン、トリス[2−(2,4−ジクロロフェノキシ)エチル]−フォスファイト、2−(2−クロロフェニル)メチル−4,4−ジメチル−3−イソオキサゾリジノンなどを用いることができる。
【0016】
本発明の水不溶性の固体物質の種類に特に限定はないが、次のような種類の有効成分を例示することができる。化粧品原料としては、例えば二酸化チタン、タルクおよび紫外線吸収剤などがある。染料としては、例えば分散染料および油溶性染料などがある。顔料としては、例えばカーボンブラック、黄鉛、群青、ベンガラなどの無機顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料などの有機顔料を例示することができる。食料原料としては、例えば小麦粉、澱粉および粉ミルクなどをあげることができる。医薬品としては、例えば塩化ベンザルコニウム、アスピリンおよびエリスロマイシンを例示することができる。衛生用薬品としては、浴剤、防虫剤および動物忌避剤などがある。生活用薬品としては、芳香剤、消臭剤および脱臭剤などがある。事務用薬品としては、例えば感圧複写紙・感熱記録紙用カラーフォーマー、インキおよび修正液用材料などを用いることができる。土木建築材料としては、シリカ、石膏およびセメントなどがある。工業用薬品としては、活性炭、セラミックスおよびパラヒドロキシ安息香酸などを例示することができる。
【0017】
農業用薬品としては、例えば下記の化合物を例示することができる。2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2.4−D)、2−メチル−4−クロロフェノキシ酢酸(MCP)、2−メチル−4−クロロフェノキシ酪酸エチル(MCPB)、2,4−ジクロロフェニル−3−メトキシ−4−ニトロフェニルエーテル(クロメトキシニル)、メチル=5−(2,4−ジクロロフェニル)−2−ニトロベンゾエート(ビフェノックス)、2,4,6−トリクロロフェニル−4−ニトロフェニルエーテル(CNP)、2−クロロ−N−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル−アミノカルボニル)ベンゼンスルホンアミド、メチル=2−[3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ウレイドスルホニル]ベンゾアート、メチル=2−[3−(4,6−ジメチルピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニル]ベンゾアート、エチル=2−[3−(4−クロロ−6−メトキシピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニル]ベンゾアート、1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−エチルスルホニル−2−ピリジルスルホニル)尿素、3−(6−メトキシ−4−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1−[−(2−クロロエトキシ)フェニルスルホニル]尿素、メチル=2−[3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−3−メチルウレイドスルホニル]ベンゾアート、メチル=3−[3−(4−メトキシ−6−メチル−1,3,5−トリアジン−2−イル)ウレイドスルホニル]チオフェン−2−カルボキシラート、1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジニルスルホニル)尿素、2−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル−カルバモイルスルファモイル)−N,N−ジメチルニコチンアミド、3−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−1−[2−(2−メトキシエトキシ)フェニルスルホニル]尿素、2−[3−(4,6−ビス(ジフルオロメトキシ)−ピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニル]安息香酸=メチル、メチル=2−[(4−エトキシ−6−メチルアミノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)カルバモイルスルファモイル]ベンゾアート、メチル=2−[3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニルメチル]ベンゾエート(ベンスルフロンメチル)、エチル=5−[3−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)ウレイドスルホニル]−1−メチルピラゾール−4−カルボキシレート(ピラゾスルフロン)、N−(2−クロロイミダゾール[1,2−a]ピリジン−3−イル−スルホニル)−N'−(4,6−ジメトキシ−2−ピリミジル)ウレア(イマゾスルフロン)、2,4−ビス(エチルアミノ)−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(シメトリン)、2,4−ビス(イソプロピルアミノ)−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(プロメトリン)、2−(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−4−エチルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(ジメタメトリン)、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−1H−ピラゾール−5−イル−p−トルエンスルホネート(ピラゾレート)、4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−フェナシルオキシ−1H−ピラゾール(ピラゾキシフェン)、4−(2,4−ジクロロ−3−メチルベンゾイル)−1,3−ジメチル−5−(4−メチルフェナシルオキシ)−1H−ピラゾール(ベンゾフェナプ)、5−tert−ブチル−3−(2,4−ジクロロ−5−イソプロポキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2(3H)−オン(オキサジアゾン)、2−(2,4−ジクロロ−3−メチルフェノキシ)−プロピオンアニリド(クロメプロップ)、2−(2−ナフチルオキシ)プロピオンアニリド(ナプロアニリド)、3−イソプロピル−1H−2,1,3−ベンゾチアジアジン−4−(3H)オン−2,2−ジオキシド(ベンタゾン)、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素(ジウロン)2',3'−ジクロロ−4−エトキシメトキシベンズアニリド、および3,5−キシリル=N−メチルカーバメートなど。
【0018】
前記した農薬有効成分は、必要に応じて1種だけ単独で、あるいは2種以上混合して用いることができ、混合する場合の配合比は任意に選択することが出来る。
【0019】
本発明では、POEの重合数が5〜12かつPOPの重合数が30〜35であるPOE−POPブロックポリマー、およびPOEの重合数が14〜18であるPOEノニルフェニルエーテルを用いることができる。
【0020】
本発明の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法においては補助添加剤として、粘度調整剤、防腐防ばい剤、消泡剤、賦形剤などを使用してその効果を高めることができるが、使用しなくてもその効果が発揮されることは言うまでもない。
【0021】
粘度調整剤としては、例えばキサンタンガム、グアーガム、トラガントガム、アラビアガム、カゼイン、デキストリン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルスターチナトリウム塩、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸とその誘導体、コロイド性含水ケイ酸マグネシウム、コロイド性含水ケイ酸アルミニウム・マグネシウムなどがあるが、これらに限定されるものではなく、また、これらの単独あるいは2種以上を配合して使用することもできる。
【0022】
防腐防ばい剤としては、例えばp−オキシ安息香酸ブチル、ソルビタン酸、 ソルビン酸カリウムなどがあり、これらを単独あるいは2種以上を併用して用いることもできる。
【0023】
消泡剤としては、一般に用いられているシリコン系、脂肪酸系、鉱物油系のものが用いられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
賦形剤としては、一般に用いられているものでよく、例えばカープレックス、アエロジルなどをあげることができる。
【0025】
その他の補助添加剤として、凍結防止剤が使用され、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、メタノールなどがあるが、これらに限定されるものではなく、これらの1種あるいは2種以上を併用することが出来る。
【0026】
本発明の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法においては、何ら特殊な方法、装置を必要とせず、通常の水懸濁製剤を製造する方法でよい。その調製過程において添加成分を撹拌、混合する際に、撹拌機器の種類、撹拌速度、撹拌羽根の形状、撹拌時間、撹拌温度などを様々に変えることで、使用目的や、必要とする残効期間に応じたものに調製することができる。撹拌機器は、例えばホモミキサー、ホモジナイザー、ダイノミルなどが使用できる。
【0027】
本発明の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法は、次のような工程で実施することができる。第1番目に、(a)水に対して、(b)水と界面を形成する油状物質、(c)POEの重合数が5〜12かつPOPの重合数が30〜35であるPOE−POPブロックポリマー、並びに(d)POEの重合数が14〜18であるPOEノニルフェニルエーテルを添加し、40℃以下に保ちながらホモミキサーなどで3000〜15000rpmで3〜20分攪拌・混合する。第2番目に、ホモミキサーなどで3000〜15000rpmで攪拌・混合を続けながら系内を昇温し、系内が均一にゲル化するまで続ける。この場合のゲル化温度は系に添加された各成分の物性と量比によって決定される。系内がゲル化したことを確認した後、第3番目に、さらに昇温して系内をW/Oエマルションに転相させる。この場合の転相温度には(d)成分のPOEノニルフェニルエーテルの物性が最も影響を与える。第4番目に、転相後系内をゲル化前の温度まで冷却し、第5番目に、(e)水不溶性の固体物質を添加し、第6番目に、40℃以下に保ちながらさらに攪拌・混合することによって、目的とする水希釈後も安定な溶媒不要型水中油型エマルションを得ることが出来る。
【0028】
前記した油状物質(b成分)は水と界面を形成する油状物質であればよく、有機溶媒としての性能は全く要求されない。この油状物質は1種でもよく、または2種以上を混合して使用してもよい。油状物質の添加量は、溶媒不要型水中油型エマルション製剤全体に対して1〜30重量%、好ましくは4〜20重量%である。
【0029】
前記したPOEの重合数が5〜12かつPOPの重合数が30〜35であるPOE−POPブロックポリマ(c成分)の添加量は、溶媒不要型水中油型エマルション製剤全体に対して0.5〜20重量%、好ましくは4〜10重量%である。
【0030】
前記したPOEの重合数が14〜18であるPOEノニルフェニルエーテル(d成分)の添加量は、溶媒不要型水中油型エマルション製剤全体に対して0.5〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%である。
【0031】
前記した固体物質(e成分)は1種類でもよく、または2種以上を混合して使用してもよい。ただし、目的成分として油状物質のみが必要で、固体物質を必要としない場合には、本製造方法は第5番目の工程を省略することができる。固体物質の添加量は、溶媒不要型水中油型エマルション製剤全体に対して0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0032】
こうした溶媒不要型水中油型エマルション製剤の平均粒径は、測定機器できわめて容易に測定することができるため、調製した溶媒不要型水中油型エマルション製剤の平均粒径が目的としている平均粒径に合致しているか否かを簡単に判断することができる。測定機器としては、例えばコールターLS130型レーザー式(株式会社 日科機) をあげることができる。
【0033】
【実施例】
次に実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。なお、以下の製剤例および比較例中の部は、すべて重量部を示す。
【0034】
[製剤例1]水の84部にPOE(重合数5)−POP(重合数35)ブロックポリマーの3部、POE(重合数14)ノニルフェニルエーテルの2部、綿実油の10部を加えホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、次に、シリコン系消泡剤DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、55℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに68℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認した後、系内をゲル化前の温度に冷却する。後、ホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、溶媒不要型水中油型エマルションを得た。
【0035】
[製剤例2]水の83部にPOE(重合数10)−POP(重合数30)ブロックポリマーの4部、POE(重合数16)ノニルフェニルエーテルの2部、亜麻実油の10部を加えホモミキサーにて5000rpm、35℃以下で30分間撹拌混合し、次に、DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、51℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに69℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認した後、系内をゲル化前の温度に冷却する。後、ホモミキサーにて5000rpm、35℃以下で30分間撹拌混合し、溶媒不要型水中油型エマルションを得た。
【0036】
[製剤例3]水の82部にPOE(重合数12)−POP(重合数35)ブロックポリマーの5部、POE(重合数18)ノニルフェニルエーテルの2部、コーン油の10部を加えホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、次に、DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、48℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに72℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認した後、系内をゲル化前の温度に冷却する。後、ホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、溶媒不要型水中油型エマルションを得た。
【0037】
[製剤例4]水の81部にPOE(重合数5)−POP(重合数35)ブロックポリマーの5部、POE(重合数14)ノニルフェニルエーテルの3部、オリーブ油の10部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、次に、DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、46℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに74℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認した後、系内をゲル化前の温度に冷却する。後、ホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、溶媒不要型水中油型エマルションを得た。
【0038】
[製剤例5]水の80部にPOE(重合数10)−POP(重合数30)ブロックポリマーの6部、POE(重合数14)ノニルフェニルエーテルの3部、落花生油の10部を加えホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、次に、DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、44℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに76℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認した後、系内をゲル化前の温度に冷却する。後、ホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、溶媒不要型水中油型エマルションを得た。
【0039】
[製剤例6]水の79部にPOE(重合数12)−POP(重合数35)ブ ロックポリマーの7部、POE(重合数16)ノニルフェニルエーテルの3部、鉱物性油のマシン油10部を加えホモミキサーにて5000rpm、35℃以下で30分間撹拌混合し、次に、DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、42℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに78℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認した後、系内をゲル化前の温度に冷却する。後、ホモミキサーにて5000rpm、35℃以下で30分間撹拌混合し、溶媒不要型水中油型エマルションを得た。
【0040】
[製剤例7]水の78部にPOE(重合数5)−POP(重合数35)ブロックポリマーの4部、POE(重合数10)−POP(重合数30)ブロックポリマーの3部、POE(重合数14)ノニルフェニルエーテルの2部、POE(重合数18)ノニルフェニルエーテルの2部、動物油のペルヒドロスクワレン10部を加えホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、次に、DKQB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、40℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに80℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認した後、系内をゲル化前の温度に冷却する。後、ホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、溶媒不要型水中油型エマルションを得た。
【0041】
以上の製剤例1〜製剤例7について製造条件を[表1]に示した。この中で使用した高分子界面活性剤と低分子界面活性剤の組み合わせ以外の代表的な組み合わせ例を[表3]に示した。また、使用可能な高分子界面活性剤と低分子界面活性剤の組み合わせ例についても[表4]に示した。
【0042】
[製剤例8]水の88部にPOE(重合数5)−POP(重合数30)ブロックポリマーの1部、POE(重合数14)ノニルフェニルエーテルの1部、大豆油の4部を加えホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、次に、DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部、エチレングリコールの4部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、45℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに72℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認した後、系内をゲル化前の温度に冷却し、系内の温度が50℃になったときに2 ' ,3 ' −ジクロロ−4−エトキシメトキシベンズアニリドの5部を加える。後、ホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、溶媒不要型水中油型エマルションを得た。
【0043】
[製剤例9]水の70部にPOE(重合数5)−POP(重合数30)ブロックポリマーの1部、POE(重合数14)ノニルフェニルエーテルの1部、綿実油の4部を加えホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、次に、DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部、エチレングリコールの4部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、45℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに72℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認した後、系内をゲル化前の温度に冷却し、系内の温度が50℃になったときに3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素の10部を加える。後、ホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、溶媒不要型水中油型エマルションを得た。
【0044】
[製剤例10]水の53部にPOE(重合数5)−POP(重合数30)ブロックポリマーの5部、POE(重合数14)ノニルフェニルエーテルの2部、マシン油の15部を加えホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、次に、DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部、エチレングリコールの4部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、45℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに72℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認し た後、系内をゲル化前の温度に冷却し、系内の温度が50℃になったときに2−[4−(2,3−ジクロロフェニルカルバモイル)フェノキシ]プロピオン酸=ナトリウム塩の20部を加える。後、ホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、溶媒不要型水中油型エマルションを得た。
【0045】
[製剤例11]水の67部にPOE(重合数5)−POP(重合数30)ブロックポリマーの5部、POE(重合数14)ノニルフェニルエーテルの2部、マシン油の15部を加えホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、次に、DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部、エチレングリコールの4部を加え、ホモミキサーにて5000rpm、45℃まで昇温し30分間撹拌混合する。系内が均一にゲル化したことを確認した後、さらに72℃まで昇温し、系内をW/Oエマルションに転相する。系内が均一にW/Oエマルションに転相したことを確認した後、系内をゲル化前の温度に冷却し、系内の温度が50℃になったときに2−アニリノ−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオラン5部を加えた。次に、ホモミキサーにて5000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、感熱記録紙用の溶媒不要型水中油型エマルションを得た。次に比較例を示す。
【0046】
[比較例1]水の84部にPOE(重合数5)−POP(重合数35)ブロックポリマーの3部、POE(重合数14)ノニルフェニルエーテルの2部、DK QB−8011(ダウコーニングアジア(株)商標)の1部、綿実油の10部を加え、ホモミキサーにて10000rpm、40℃以下で30分間撹拌混合し、水中油型エマルションを得た。
【0047】
[比較例2]〜[比較例7]比較例1と同様の方法で調製した。比較例1〜比較例7は、それぞれ製剤例1〜製剤例7と同一の製造原料を使用したが、製造工程は従来の方法を採用した。比較例1〜比較例7の製造条件を[表2]に示した。
【0048】
次に本発明の有用性を実証するために試験例を示す。
[試験例1]各製剤例及び各比較例で得られた製剤の平均粒子径および50℃1カ月後の平均粒子径を以下の方法で測定した。また、50℃1カ月後の外観観察により「クリーミング」(O/Wエマルションにおいて、油滴粒子が水よりも密度が小さいため、浮力によって上昇して上部に集まり、クリーム状を呈する現象のこと)の有無を判定した。レーザー式粒度分布測定器(コールター ( 株 ) )により各製剤の平均粒子径を測定した。結果を[表1]および[表2]に示した。本発明の溶媒不要型水中油型エマルションが従来型のエマルションに比較して、長期間安定に存在していることがわかる。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
[試験例2]懸濁製剤を蒸留水により1000倍に希釈し、希釈後の外観変化を経時により観察した。結果を[表3]に示した。従来型のエマルションが層分離しているのに対して、本発明の溶媒不要型水中油型エマルションが、水希釈後も144時間変化していないことがわかる。
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】
本発明の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法は、コスト的に高くなく、物理化学的性状差が大きい場合でも、有機溶媒を必要とせずに製剤化可能で、さらに、得られた製剤が貯蔵安定性にすぐれ、使用時の水中投入後も安定なエマルションを保っており、徐放性製剤の特性を合わせ持つ。さらに本製造方法は農薬分野に限らず、医薬、食品、化粧品、衛生用薬品、生活用薬品、事務用品、土木建築材料などの広い分野において利用可能となるものである。
Claims (8)
- (1)(a)水に対して、(b)水と界面を形成する油状物質、(c)POEの重合数が5〜12かつPOPの重合数が30〜35であるPOE−POPブロックポリマー、および(d)POEの重合数が14〜18であるPOEノニルフェニルエーテルを添加し、40℃以下に保ちながら攪拌・混合し、(2)次に攪拌・混合を続けながら系内を昇温し、系内が均一にゲル化するまで続け、(3)さらに昇温して系内をW/Oエマルションに転相させる。(4)転相後系内をゲル化前の温度まで冷却し、(5)(e)水不溶性の固体物質を添加し、(6)40℃以下に保ちながらさらに攪拌・混合することを特徴とし、油状物質のみで前記固体物質を含まない場合は工程(5)を省略することを特徴とする、溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法。
- 前記油状物質が化粧品原料、食料原料、医薬品、農業用薬品、衛生用薬品、生活用薬品、事務用薬品、工業用薬品、植物性油、動物性油、鉱物性油、合成油、シリコーンオイル類およびフッ化オイル類から選択された少なくとも1種である、請求項1記載の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法。
- 前記水不溶性の固体物質が化粧品原料、染料、顔料、食料原料、医薬品、農業用薬品、衛生用薬品、生活用薬品、事務用薬品、土木建築材料、工業用薬品、粘度調整剤、防腐防ばい剤、消泡剤、賦形剤から選択された少なくとも1種である、請求項1記載の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法。
- 前記油状物質の添加量が、溶媒不要型水中油型エマルション製剤全体に対して1〜30重量%である、請求項1または2記載の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法。
- 前記水不溶性の固体物質の添加量が、溶媒不要型水中油型エマルション製剤全体に対して0.1〜10重量%である、請求項1または3記載の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法。
- 前記POEの重合数が5〜12かつPOPの重合数が30〜35であるPOE−POPブロックポリマーの添加量が、溶媒不要型水中油型エマルション製剤全体に対して0.5〜20重量%である、請求項1〜5のいずれかの項に記載の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法。
- 前記POEの重合数が14〜18であるPOEノニルフェニルエーテルの添加量が、溶媒不要型水中油型エマルション製剤全体に対して0.5〜20重量%である、請求項1〜5いずれかの項に記載の溶媒不要型水中油型エマルションの製造方法。
- (1)(a)水に対して、(b)水と界面を形成する油状物質、(c)POEの重合数が5〜12かつPOPの重合数が30〜35であるPOE−POPブロックポリマー、並びに(d)POEの重合数が14〜18であるPOEノニルフェニルエーテルを添加し、40℃以下に保ちながら攪拌・混合し、(2)次に攪拌・混合を続けながら系内を昇温し、系内が均一にゲル化するまで続け、(3)さらに昇温して系内をW/Oエマルションに転相させる。(4)転相後系内をゲル化前の温度まで冷却し、(5)(e)水不溶性の固体物質を添加し、(6)40℃以下に保ちながらさらに攪拌・混合することを特徴とし、油状物質のみで前記固体物質を含まない場合は工程(5)を省略することを特徴とする、製造方法によって製造された溶媒不要型水中油型エマルション。
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