JP4140446B2 - 金属被覆用ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミドをベースとした新規な金属被覆用樹脂組成物、特に接着用プライマー無しに金属基材を強固な接着力で被覆することができる金属被覆用ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミドは、耐磨耗性、耐衝撃強度等の優れた機械的特性および炭化水素、塩基、無機酸等の多数の物質に対する耐薬品性により、金属基材の被覆に広く用いられている。
【0003】
しかし、ポリアミドは金属に対して接着性が不十分であるということも知られている。それゆえ、従来基材をポリアミドで被覆する前に、プライマーと呼ばれる下塗り剤を塗装して、ポリアミドの接着性をカバーすることが多かった。
【0004】
プライマーは一般的に熱硬化性樹脂をベースに有機溶媒に希釈して使用されており、プライマーを硬化する工程や溶媒を除去する工程によりコストが大幅に増加する。また、有機溶媒の使用により大気への拡散を完全に防ぐことは難しく、環境面でも好ましくない。そのため、樹脂自体を改質して接着性を上げ、プライマーなしで被覆する試みが検討されてきた。
【0005】
例えば、熱可塑性樹脂に酸化マグネシウムを混合した組成物が提案されている(特許文献1参照)。しかし、接着力を上げるには酸化マグネシウムを多量に配合しなければならず、機械的な強度が低下する問題があった。
【0006】
また、ポリアミド樹脂と変性ポリオレフィンの溶融混合物が金属芯線被覆用に提案されている(特許文献2参照)。しかし、接着性が十分とは言えず、一部の使用に留まっていた。
【0007】
また、ポリアミド樹脂にエチレン・プロピレンゴムまたはアイオノマー樹脂と無機充填材の処理剤として知られるシランカップリング剤を添加することにより金属との接着性を改良することが提案されている(特許文献3参照)。接着性はかなり向上するが、押出加工時にポリアミドとアミノシランとの間で反応が進むため、流動性・コーティング表面の仕上がりが悪くなるという問題があった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭52−81357号公報
【特許文献2】
開昭57−197142号公報
【特許文献3】
特開昭59−11355号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、金属基材に対する接着能に優れ、接着用プライマーが不要なポリアミドをベースとした被覆用樹脂組成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前述のポリアミド樹脂が有していた問題点を解決するために鋭意検討した結果、ポリアミド樹脂に、特定量のシランカップリング剤およびエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーを添加することにより、接着性が著しく改良されることを見出しこの発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明は、ポリアミド樹脂に、シランカップリング剤、および部分的に水素添加されていてもよいスチレン系化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーを配合してなるポリアミド樹脂組成物であって、組成物全体に対し、シランカップリング剤の含有量が0.01〜0.3重量%、エポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーの含有量が3〜30重量%であり、前記ポリアミド樹脂がナイロン11またはナイロン12であり、前記シランカップリング剤がエポキシ基含有シラン類であることを特徴とする金属被覆用ポリアミド樹脂組成物に関するものである。
【0012】
本発明におけるポリアミド樹脂の具体例としては、ナイロン6、ナイロン11、ナイロン12などのポリラクタム類、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612などのジカルボン酸とジアミンとから得られるポリアミド類、ナイロン6/66、ナイロン6/610、ナイロン6/12、ナイロン6/612、ナイロン6/66/610ナイロン6/66/12、ナイロン6/6T(T:テレフ酸成分)などの共重合ポリアミド類、これらの混合物などが挙げられる。
【0013】
本発明で用いるエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーとは、スチレン系化合物を主体とする重合体ブロックAと共役ジエン化合物またはその部分水添物を主体とする重合体ブロックBとからなるブロック共重合体Cの共役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したものである。このような共重合体はすでに市販されており、そのまま用いることができる。
【0014】
重合体ブロックAを構成する「スチレン系化合物」としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルスチレン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン等のうちから1種または2種以上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。
【0015】
重合体ブロックBを構成する「共役ジエン化合物」としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン等の内から1種または2種以上を選択することができ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
【0016】
本発明に用いる「ブロック共重合体C」は、通常、スチレン系化合物の構成単位含有量が5〜70重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜60重量%である。また、ブロック共重合体Cの重量平均分子量は、5,000〜600,000であることが好ましく、より好ましくは10,000〜500,000の範囲であり、分子量分布[重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)]は、10以下であることが好ましい。
【0017】
ブロック共重合体Cの分子構造は、直鎖状であることが好ましい。例えば、A−B−A、B−A−B−A、A−B−A−B−A等の構造を有するスチレン系化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体である。また、分子末端に多官能のカップリング剤残基を有していてもよい。
【0018】
ブロック共重合体Cの製造方法は、上記した構造を有するものが得られればどのような製造方法でもよい。例えば、特公昭40−23798号、特公昭43−17979号、特公昭46−32415号、特公昭56−28925号公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でスチレン系化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を製造することができる。さらに特公昭42−8704号、特公昭43−6636号、あるいは特開昭59−133203号公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加して、本発明に供するエポキシ変性ブロック共重合体の原料である部分的に水素添加したブロック共重合体を製造することができる。なお、水添の程度は、水添前及び水添後のブロック共重合体をNMR分析することによって知ることができる。水添率は、未水添・未エポキシ化の原料ブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合のうち、水添されたものの百分率として定義する。本発明においては、水添率0〜80%の範囲であることが好ましく、特には10〜70%の範囲であることが好ましい。この範囲で耐熱性、凝集性に優れたエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーが得られる。
【0019】
上記したブロック共重合体Cをエポキシ化することにより、本発明で使用されるエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーを得ることができる。例えば、上記ブロック共重合体Cを不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類、過酸類等のエポキシ化剤と反応させることにより得ることができる。
【0020】
ここに「不活性溶媒」は、原料粘度の低下、エポキシ化剤の希釈による安定化等の目的で使用し、例えばヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、四塩化炭素、クロロホルム等を用いることができる。
【0021】
エポキシ化剤の内、「ハイドロパーオキサイド類」として、過酸化水素、ターシャリブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等が例示できる。また、「過酸類」として、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸等が例示できる。中でも、工業的に大量に製造され、安価に入手でき、安定度も高い点で過酢酸が好ましい。エポキシ化剤の使用量には厳密な制限がなく、使用する個々のエポキシ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々のブロック共重合体の性状の違いによって変更することができる。
【0022】
エポキシ化の際には必要に応じて「触媒」を用いることができる。例えば過酸類の場合、炭酸ソーダ等のアルカリや硫酸等の酸を触媒として用いることができる。一方、ハイドロパーオキサイド類の場合、タングステン酸と苛性ソーダの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸を過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニルをターシャリブチルハイドロパーオキサイドとそれぞれ併用して触媒効果を得ることができる。
【0023】
エポキシ化反応の条件には厳密な制限はないが、例えば、過酢酸についていえば0〜70℃が好ましい。70℃を越えると過酢酸の分解が起こるからである。反応混合物の特別な操作は必要なく、例えば原料の混合物を2〜10時間攪拌すればよい。エポキシ化の反応温度は、常法に従い、用いるエポキシ化剤の反応性によって変更することができる。
【0024】
得られたエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーの単離は、例えば貧溶媒で沈殿させる方法、エポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーを熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除去する方法、加熱及び/または減圧操作によって溶媒を直接乾燥させる方法等で行うことができる。また、最終的に溶液形態で利用する場合には、単離せずに用いることもできる。
【0025】
本発明におけるエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーのエポキシ化率は、10〜40%であること、特には15〜35%であることが好ましい。10%よりエポキシ基の量が少ないと本発明の十分な効果が期待できず、その反面、40%を越えると、エポキシ基の反応活性が高くなりすぎてゲル化し易くなり、熱安定性を悪くする。また、特に熱安定性を要求される場合には、水素添加もエポキシ化もされずに不飽和のまま残存する共役ジエン化合物に由来する二重結合が全体の90%未満であることが好ましく、特には40%以下のものが好ましい。
【0026】
本発明におけるエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーのエポキシ化率は、未水素添加・未エポキシ化の原料ブロック共重合体Cの共役ジエン化合物に由来する二重結合のうち、エポキシ化されたものの百分率であり、エポキシ当量(N)から、式:エポキシ化率={10000×D+2×H×(100−S)}/{(N−16)×(100−S)}で示すことができる(Dは共役ジエン化合物の分子量、Hは水添率(%)、Sはスチレン系化合物の含有量(重量%)を示す)。ここに、本発明におけるエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーのエポキシ当量(N)は、0.1規定の臭化水素酸で滴定し、式:エポキシ当量(N)=10000×W/(f×V)(Wは、滴定に用いたエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーの重量(g)、Vは、臭化水素酸の滴定量(ml)、fは、臭化水素酸のファクターを示す)で示すことができる。
【0027】
本発明において、エポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーの添加量は、組成物全体に対し、3〜30重量%、好ましくは3〜20重量%である。3重量%未満では接着性が不十分であり、30重量%を超えるとナイロン自身の機械特性や表面性が損なわれる。
【0028】
本発明におけるシランカップリング剤とは、無機材料に対して親和性あるいは反応性を有する加水分解性のシリル基に、有機樹脂に対して親和性あるいは反応性を有する有機官能性基を化学的に結合させた構造を持つシラン化合物である。ケイ素に結合した加水分解性基としては、アルコキシ基、ハロゲン、アセトキシ基が挙げられるが、通常、アルコキシ基、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましく用いられる。1個のケイ素原子につく加水分解性基の数は、1〜3個の間で選択される。有機官能性基としては、アミノ基、エポキシ基、ビニル基、カルボキシル基、メルカプト基、ハロゲン基、メタクリロキシ基、イソシアネート基等を挙げることができ、好ましくは、アミノ基またはエポキシ基である。
【0029】
本発明におけるシランカップリング剤の具体例としては、α−アミノエチルトリエトキシラン、α−アミノプロピルトリエトキシシラン、α−アミノブチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビニルベンジル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリソドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニル基含有シラン類;β−カルボキシエチルトリエトキシシラン、β−カルボキシエチルフェニルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−β−(N−カルボキシルメチルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどのカルボキシル基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン含有シラン類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の(メタ)アクリル基含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン等のイソシアネート基含有シラン類等が挙げられる。
【0030】
本発明においてシランカップリング剤の量は、組成物全体に対し、0.1〜0.3重量%、好ましくは0.1〜0.01重量%である。0.01重量%未満では接着性が不十分であり、0.3重量%を超えるとナイロン自身の流動性や表面性が損なわれる。
【0031】
本発明の組成物は金属被覆用であり、アルミニウムのような非鉄金属から鉄まで幅広い金属に対して接着力が高い。
一般工業用の流体金属配管の防錆コーティング、自動車用の燃料・オイル・ブレーキ液などの鋼管・アルミ配管の防錆用コーティング、金属ワイヤーのコーティング、水槽タンクなど水回りプレートのコーティング等に利用できるが、これに限定されるものではない。
【0032】
被着物と溶融状態にある組成物を接触せしめる方法としては、例えば押出しによる鋼管被覆のように既に溶融状態にある組成物を被着物に接触せしめても良いし、また粉体塗装のように被着物を加熱しておき、その熱により固体状の組成物を溶解するやり方で組成物を被覆しても良いし、被着物と固体の組成物を接触させたものを共に加熱し、同様の状態となして被覆させてもよい。また前記した如き本発明の使用方法はいくつかの例を示したもので、その他の適当な方法によって組成物を被着物に被覆せしめることもできる。
また被着物は溶融状態にある本発明の組成物と接触する時、組成物を変質させない温度であることが望ましい。
【0033】
本発明のポリアミド樹脂組成物は、要求される特性に応じて他の添加剤、例えば耐熱剤、紫外線吸収剤を含む耐侯剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、核剤、発泡剤、着色剤、安定剤、カップリング剤などを含有することができる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[組成物の製造]
所定量のポリアミド樹脂、エポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマー及びシランカップリング剤を15分間ドライブレンドし、東芝製35mm二軸押出機TEM35Bによりメルトブレンドし、組成物ペレットを得た。
[シートサンプルの作成]
得られた組成物ペレットを圧縮成形機にて、250℃で2分間加熱し、その後同じ温度で13MPaの圧力で2分間加圧し、水で冷却した冷却板に挟み固化させ、長さ150mm×幅100mmで0.1mm厚さの四角シートを得た。
[金属プレートの作成]
1辺150mmに切り出されたプレートを240番のサンドペーパーで表面層を磨き、脱錆を行い、続いてアセトンにて脱脂処理を行い、テスト用の金属プレートを得た。
[接着性評価方法]
脱脂した厚さ0.5mmの金属板(亜鉛メッキ鋼鈑:JIS G3302 SPGC Z22、アルミニウム板:JIS1100番)2枚で厚さ約100μmの組成物シートをはさむ。次に250℃に設定された圧縮成形機にセットし、2分間加熱する。そして、50kgの力で加圧し2分間密着させる。その後直ちに水冷し、組成物を固化させた。接着サンプルは25mm幅で切り、JIS K−6853に準じてT型剥離試験を行った。
接着力は、ピーク強度と幅25mm×長さ100mmを完全に剥離するまでに要したエネルギーで評価した。
【0035】
実施例1
ポリアミド樹脂(宇部興産製UBESTA3020U)94.99重量%とエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマー(ダイセル化学製エポフレンドA1010)5重量%とエポキシシラン系化合物(信越化学工業製KBM−403)0.01重量%を溶融混練した組成物を用い、接着力を評価した。結果を表1に示す。アルミ、亜鉛メッキ鋼鈑ともピーク強度、剥離エネルギーとも大きく、強固な接着状態を示した。
【0036】
実施例2
ポリアミド樹脂を94.95重量%、エポキシシラン系化合物を0.05重量%とした以外は実施例1と同様にして接着力を評価した。結果を表1に示す。アルミ、亜鉛メッキ鋼鈑ともピーク強度、剥離エネルギーとも大きく、強固な接着状態を示した。
【0037】
実施例3
ポリアミド樹脂を94.9重量%、エポキシシラン系化合物を0.1重量%とした以外は実施例1と同様にして接着力を評価した。結果を表1に示す。アルミ、亜鉛メッキ鋼鈑ともピーク強度、剥離エネルギーとも大きく、強固な接着状態を示した。
【0038】
比較例1
ポリアミド樹脂のみを用いた以外は実施例1と同様にして接着力を評価した結果を表1に示す。ピーク強度、剥離エネルギーとも小さく、接着力は低かった。
【0039】
比較例2
ポリアミド樹脂95重量%とエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマー5重量%を溶融混練した樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして接着力を評価した。結果を表1に示す。全体的に接着力が低く、とりわけ剥離エネルギーが小さく、被覆用途の接着力として不充分であった。
【0040】
比較例3
ポリアミド樹脂99.9重量%とエポキシシラン系化合物0.1重量%を溶融混練した組成物を用いた以外は実施例1と同様にして接着力を評価した。結果を表1に示す。全体的に接着力が低く、とりわけ剥離エネルギーが小さく、被覆用途の接着力として不充分であった。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】
本発明の組成物を被覆することにより、プライマーレスで接着性・機械強度に優れた被覆物が得られる。またプライマーレス被覆のため、従来のプライマー処理被覆に比べ、低コストで加工できる。さらに、本発明の組成物はアルミニウム基材への接着性に優れており、軽量化を求められる用途に適した被覆物を得ることができる。
Claims (2)
- ポリアミド樹脂に、シランカップリング剤、および部分的に水素添加されていてもよいスチレン系化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合をエポキシ化したエポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーを配合してなるポリアミド樹脂組成物であって、組成物全体に対し、シランカップリング剤の含有量が0.01〜0.3重量%、エポキシ化スチレン系熱可塑性エラストマーの含有量が3〜30重量%であり、前記ポリアミド樹脂がナイロン11またはナイロン12であり、前記シランカップリング剤がエポキシ基含有シラン類であることを特徴とする金属被覆用ポリアミド樹脂組成物。
- 請求項1に記載の金属被覆用ポリアミド樹脂組成物で被覆されてなる自動車用金属管。
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