JP4039104B2 - ウェハの供給装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウェハを保持するウェハホルダをマガジンからチップのピックアップステージに供給するウェハの供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ウェハはウェハホルダに保持されてマガジンに収納されており、ウェハホルダをマガジンからチップのピックアップステージまで引き出し、そこでピックアップヘッドによりウェハのチップをピックアップして基板などの実装対象物に実装するようになっている。
【0003】
図6は従来のウェハの供給装置の平面図、図7は従来のウェハの供給装置の側面図である。1は板状のウェハホルダであり、これにウェハシートが張設して保持されている。ウェハシート上にはウェハ(図示せず)が貼着されている。図7において2はマガジンであり、その内部にはラック3が多段に形成されており、ウェハホルダ1はラック3上に多段に段積して収納されている。マガジン2はその背後に設けられたエレベータ4の台部8に支持されており、エレベータ4により上下動する。エレベータ4の背後にはシリンダ5から成るプッシャが水平に設けられており、そのロッド6が前方へ突出することにより、マガジン2内のウェハホルダ1を前方へ押送して、ウェハホルダ1の端部をマガジン2から一定距離の位置へ移動させる(図7において、最上段のウェハホルダ1を参照)。
【0004】
図6において、マガジン2の前方にはピックアップステージ10が設けられている。ピックアップステージ10はXテーブル11とYテーブル12により、X方向、Y方向へ水平移動する。ピックアップステージ10の下方にはダイエジェクタ装置13が設けられており、ピックアップステージ10に位置決めされたウェハホルダ1のウェハシート上の所望のチップをピンにより下方から突き上げる。
【0005】
14は長尺のロッドであり、その先端部にはチャック部15が設けられている。図7に示すようにチャック部15は上下2個あり、これが開閉することにより、ウェハホルダ1の縁部をチャックし、またチャック状態を解除する。ロッド14は移動テーブル16(図6)によりX方向へ水平移動する。17はピックアップヘッドであって、図示しない可動テーブルによりX方向やY方向へ水平移動する。
【0006】
Xテーブル11とYテーブル12が駆動することにより、ピックアップステージ10はX方向やY方向へ水平移動し、ウェハホルダ1に張設されたウェハシート上の所定のチップをピックアップヘッド17によるピックアップ位置に位置させる。そこでピックアップ位置に到来したピックアップヘッド17がノズル18で真空吸着してこのチップPをピックアップし、位置決め部19に位置決めされた基板20の所定の座標位置に搭載する。ピックアップヘッド17がウェハシート上のチップPをピックアップするとき、ダイエジェクタ装置13のピンはこのチップを下方から突き上げる。
【0007】
次に、マガジン2に対するウェハホルダ1の出し入れ作業を説明する。ウェハシート上のチップの品切れなどにより、ピックアップステージ10のウェハホルダ1をマガジン2に回収するときは、図6において、予め右方へ移動して待機していたチャック部15でウェハホルダ1の右端部をチャックする(図6において、鎖線で示すロッド14及びチャック部15を参照)。
【0008】
次にチャック部15をマガジン2へ向って左方へ移動させ、ウェハホルダ1を図7において最上段で示す位置まで移動させる(矢印A)。この状態で、ウェハホルダ1の大半はマガジン2のラック3上に収納されるが、その右端部はマガジン2外にわずかに突出している。なおチャック部15は、ウェハホルダ1をチャックした状態で、マガジン2内へは進入できない。次にチャック部15によるウェハホルダ1のチャック状態を解除してチャック部15を右方へ後退させ(矢印B)、チャック部15を閉じる(図7において、鎖線で示すチャック部15を参照)。
【0009】
このようにチャック部15が閉じた状態で、チャック部15を前進させることにより(矢印C)、マガジン2からその右端部が部分的に突出していたウェハホルダ1をマガジン2内に押し込んで収納する。図7において、2段目以下のウェハホルダ1は、このようにしてマガジン2内に完全に収納されたものを示している。
【0010】
マガジン2内のウェハホルダ1をピックアップステージ10へ送り出すときは、エレベータ4でマガジン2を上下動させ、所望のウェハホルダ1をチャック部15と同じレベルにする。そこでシリンダ5のロッド6が突出し(図7の矢印D)、マガジン2内のウェハホルダ1の右端部をマガジン2から一定距離の位置へ移動させる(図6において、一点鎖線で示すウェハホルダ1を参照)。次にチャック部15はウェハホルダ1のこの突出部分をチャックし、右方へ移動してピックアップステージ10へ引き出す(図6において、二点鎖線で示すウェハホルダ1を参照)。なお、マガジン2内のウェハホルダ1を引き出すためにチャックする際、チャック部15はウェハホルダ1の位置に合わせてその位置を変えることはなく、常に一定の位置でウェハホルダ1をチャックするようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のウェハの供給装置には次のような問題点があった。すなわち、ウェハホルダ1をマガジン2に回収するときは、図7において矢印A,B,Cに示すようにチャック部15は前進(矢印A)、後退(矢印B)、前進(矢印C)の動作を行うことにより(すなわち、2段モーションで前進動作を繰り返すことにより)、ウェハホルダ1をマガジン2に回収していたため、回収動作が複雑であり、回収に時間を要していた。またウェハホルダ1は、図7に示すようにマガジン2内に収納されているが、マガジン2をエレベータ4で上下動させる際や、台車7で運搬したりエレベータ4に着脱する際などにマガジン2ががたつくと、ウェハホルダ1がマガジン2から不要に飛び出すおそれがあった。
【0012】
またマガジン2の背後にチャック部15がウェハホルダ1の縁部を所定の位置でチャックするべく、ウェハホルダ1をその移送方向の所望位置に押し出すための押し出し用のシリンダ5などのプッシャが必要なため、それだけ広い設置スペースを必要としていた。Tはシリンダ5の設置のために要するスペースである。
【0013】
またマガジン2の交換は、図7に示すように新規のマガジン2を台車7に載せてシリンダ5の背後まで運搬し、そこで作業者は使用済のマガジン2をエレベータ4から取りはずして台車7上に回収するとともに、新規のマガジン2をエレベータ4に装着していた(矢印E参照)。
【0014】
しかしながらエレベータ4の背後にはシリンダ5が存在しているため、作業者はマガジン2を抱えて、矢印Eで示すように障害となるこのシリンダ5を乗り越えてマガジン2の交換を行わねばならず、マガジン2は重量化していることから(マガジン2の重量は、重いものは20kgあるいはそれ以上ある)、この交換作業に多大な労力を要し、またマガジン2内のウェハホルダ1を落下させてウェハを痛めてしまいやすいという問題点があった。なおエレベータは、マガジン2の側部に配置するものもあるが、この場合も、シリンダ5はマガジン2の交換の障害になる。
【0015】
そこで本発明は、上記従来の問題点を解消し、マガジンに対するウェハホルダの出し入れやマガジンの交換を簡単に行えるウェハの供給装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のウェハの供給装置は、ウェハを保持するウェハホルダを段積して収納するマガジンを支持する台部を上下動させるエレベータと、ウェハのチップをピックアップヘッドに供給するピックアップステージと、ウェハホルダをチャックしてマガジンとピックアップステージの間を往来させるウェハホルダの移送手段とを備え、前記台部の前部に、前記マガジンの前面に沿って移動することにより前記マガジンから突出するウェハホルダを前記移送手段に備えられたチャック部のチャックマージンとして所定長さを確保して前記マガジン内に押し込む押し込み手段を設け、前記押し込み手段が、起立体と、この起立体を前記所定長さを確保して前記マガジンの前面に沿って移動させる移動手段とから成る。
【0017】
上記構成の本発明によれば、ウェハホルダをその移送方向において所定長さを確保してマガジンの所望の位置に収納しておくことができるので、ウェハホルダをチャック部により一定位置で簡単にチャックしてピックアップステージへ移送することができる。また従来必要であったシリンダのようなプッシャを不要にできるので、設置スペースを小さくでき、またマガジンの交換も容易に行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態におけるウェハの供給装置の平面図、図2および図3は本発明の一実施の形態におけるマガジンとエレベータの斜視図、図4は本発明の一実施の形態におけるウェハホルダの収納状態を示すマガジンの平面図、図5は本発明の一実施の形態におけるマガジンの部分平面図である。なお、各図において、上記従来例と同一要素には同一符号を付している。
【0019】
図1において、1は板状のウェハホルダであり、これにウェハシートが張設して保持されている。ウェハシート上にはウェハ(図示せず)が貼着されている。図2において2はマガジンであり、その内部にはラック3が多段に形成されており、ウェハホルダ1はラック3に多段に段積して収納されている。マガジン2はその背後に設けられたエレベータ4の台部8に支持されており、エレベータ4により上下動する。
【0020】
図2において、エレベータ4は、立板41の前面に垂直な左右2本のガイドレール42と送りねじ43を装着して成っている。マガジン2の背後に設けられたナット44(図4)に送りねじ43が螺入されている。送りねじ43はモータ45に駆動されて回転し、これにより台部8に載せられたマガジン2は上下動し、マガジン2の所望のラック3上のウェハホルダ1をチャック部5による出し入れ高さに位置させる。
【0021】
図1において、マガジン2の前方にはピックアップステージ10が設けられている。ピックアップステージ10はXテーブル11とYテーブル12により、X方向、Y方向へ水平移動する。ピックアップステージ10の下方にはダイエジェクタ装置13が設けられており、ピックアップステージ10に位置決めされたウェハホルダ1のウェハシート上の所望のチップをピンにより下方から突き上げる。
【0022】
14は長尺のロッドであり、その先端部にはチャック部15が設けられている。チャック部15は図7の示す従来例と同様に上下2個あり、これが開閉することにより、ウェハホルダ1の端部をチャックし、またチャック状態を解除する。ロッド14は移動テーブル16によりX方向へ水平移動する。ロッド14、チャック部15、移動テーブル16は、ウェハホルダ1をマガジン2とピックアップステージ10の間を往来させる移送手段となっている。
【0023】
17はピックアップヘッドであって、図示しない可動テーブルにより水平方向へ移動する。Xテーブル11とYテーブル12が駆動することにより、ピックアップステージ10はX方向やY方向へ水平移動し、ウェハシート上の所定のチップをピックアップヘッド17によるピックアップ位置に位置させる。そこでピックアップ位置に到来したピックアップヘッド17のノズル18がこのチップPを真空吸着してピックアップし、位置決め部19に位置決めされた基板20の所定の座標位置に搭載する。ピックアップヘッド17がウェハシート上のチップPをピックアップするとき、ダイエジェクタ装置13のピンはこのチップを下方から突き上げる。
【0024】
図2において、台部8の前面には起立体としての棒53が設けられており、また台部8の下面には棒53の移動手段としてのシリンダ50が設けられている。シリンダ50のロッド51はマガジン2の前面と平行に台部8の下面の少なくとも中央部まで延出している。棒53は少なくともマガジン2の最上段のウェハホルダ1に届く長さでシリンダ50の移動子52に立設されており、シリンダ50が駆動すると、棒53はマガジン2の前面に沿って移動する。マガジン2の前面と棒53の間には、所定距離tが確保されている(図5も参照)。またウェハホルダ1の角部1aは、アールがとられており、これにより棒53が当接しやすくなっている。所定距離tは、チャック部15がウェハホルダ1の端部をウェハホルダ1の移送方向に関して一定の位置でチャックできるようにチャックマージンとして確保されたものである。シリンダ50や棒53は、マガジン2の前面との間に所定距離tを確保してウェハホルダ1をマガジン2内に押し込む押し込み手段になっている。なお、棒53の少なくともウェハホルダ1に当接する部分を、その軸心線を中心に回転自在にしておけば、ウェハホルダ1に当接した際の摺接抵抗が小さくなる利点がある。
【0025】
このウェハの供給装置は上記のような構成より成り、次にウェハホルダ1をマガジン2に出し入れする動作を説明する。ウェハシート上のチップの品切れなどにより、ピックアップステージ10のウェハホルダ1をマガジン2に回収するときは、図1において、予め右方へ移動して待機していたチャック部15でウェハホルダ1の右端部をチャックする(鎖線で示すロッド14及びチャック部15を参照)。
【0026】
次にチャック部15をマガジン2へ向って左方へ移動させ、ウェハホルダ1をマガジン2の所定のラック3上に回収する(この動作は、図7において矢印Aで示した従来例の動作と同じである)。図4(a)は、このときの状態を示している。このときのウェハホルダ1の回収位置は、図7の最上段に示すウェハホルダ1の位置と同じであり、チャック部15があるので、ウェハホルダ1をマガジン2内に完全に収納することはできず、ウェハホルダ1の端部はマガジン2から部分的に突出している(突出長は、図4(a)においてD)。次にチャック部15は開いてウェハホルダ1のチャック状態を解除し、マガジン2から離れて後方へ退避する。
【0027】
次にシリンダ50が駆動し、棒53は図4(a)に示すマガジンの端部の原位置(待機位置)から図4(b)に示すように右方(マガジン2の中央側)へ移動してウェハホルダ1のアール状の角部1aに当接し、図4(c)で示すように棒53が更に右方へ移動することによりウェハホルダ1をマガジン2内に押し込む(矢印K)。図3は、棒53が右方へ移動した状態を示している。図4(c)に示すようにウェハホルダ1をマガジン2に押し込んだ状態で、ウェハホルダ1の端部はマガジン2から所定長さtの位置にある(図5も参照)。そしてウェハホルダ1をマガジン2内に押し込んだならば、シリンダ50は逆方向に駆動して、棒53は図4(a)に示す原位置に復帰する。
【0028】
マガジン2内のウェハホルダ1をピックアップステージ10へ送り出すときは、チャック部15でマガジン2から一定の位置にあるウェハホルダ1の端部(所定長さtの部分)をチャックし(図4(c)において、鎖線で示すチャック部15を参照)、ロッド14を図1において右方へ移動させることにより、ウェハホルダ1をピックアップステージ10へ引き出す。そこでチャック部15は開いてチャック状態を解除し、ウェハホルダ1の右方へ退避して次回の動作のために待機する。
【0029】
マガジン2の交換を行うときは、図1に示すように新規のマガジン2を載せた台車7をエレベータ4の背後に接近させ、そこでエレベータ4上の使用済のマガジン2を台車7上に回収するとともに、新規のマガジン2をエレベータ4にセットする。この場合、従来例のようなシリンダ5は存在しないので、台車7をエレベータ4若しくはマガジン2の至近距離まで接近させて、容易にマガジン2の交換を行うことができる。勿論、エレベータをマガジン2の側部に配置する方式のものの場合も、マガジン2の交換を容易に行うことができる。
【0030】
なお、マガジンをエレベータに載置したり、エレベータで昇降させる場合、棒53をマガジン2の中央側へ移動させて図3で示すウェハホルダ1のマガジン2からの飛び出しを阻止する位置に位置させておけば、ウェハホルダ1がマガジン2から不要に飛び出すのを確実に防止できる。また1つの台部に複数のマガジンを載せてもよく、この場合、シリンダ50や棒53を複数のマガジンで共用するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、ウェハホルダのマガジンに対する出し入れを簡単に行うことができる。また従来必要であったシリンダのようなプッシャを不要にできるので、設置スペースを小さくでき、またマガジンを載せた台車をマガジンの至近距離に接近させるなどしてマガジンの交換も容易に行うことができる。また棒などの起立体をウェハマガジンが飛び出すのを阻止する位置に位置させておけば、マガジンのエレベータへの載置時や昇降時などにマガジンががたつくなどしても、ウェハホルダがマガジンから不要に飛び出すのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態におけるウェハの供給装置の平面図
【図2】本発明の一実施の形態におけるマガジンとエレベータの斜視図
【図3】本発明の一実施の形態におけるマガジンとエレベータの斜視図
【図4】本発明の一実施の形態におけるウェハホルダの収納状態を示すマガジンの平面図
【図5】本発明の一実施の形態におけるマガジンの部分平面図
【図6】従来のウェハの供給装置の平面図
【図7】従来のウェハの供給装置の側面図
【符号の説明】
1 ウェハホルダ
2 マガジン
4 エレベータ
10 ピックアップステージ
14 ロッド
15 チャック部
16 移動テーブル
50 シリンダ
53 棒
t 所定長さ
Claims (1)
- ウェハを保持するウェハホルダを段積して収納するマガジンを支持する台部を上下動させるエレベータと、ウェハのチップをピックアップヘッドに供給するピックアップステージと、ウェハホルダをチャックしてマガジンとピックアップステージの間を往来させるウェハホルダの移送手段とを備え、前記台部の前部に、前記マガジンの前面に沿って移動することにより前記マガジンから突出するウェハホルダを前記移送手段に備えられたチャック部のチャックマージンとして所定長さを確保して前記マガジン内に押し込む押し込み手段を設け、前記押し込み手段が、起立体と、この起立体を前記所定長さを確保して前記マガジンの前面に沿って移動させる移動手段とから成ることを特徴とするウェハの供給装置。
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