JP4034404B2 - 錠剤分包機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、錠剤識別装置付きの錠剤分包機に関し、詳しくは、錠剤識別装置との協動によって錠剤分包に際し錠剤の品種判定までも含めて薬剤監査業務を支援するようになった錠剤分包機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図10に概要正面図を示すとともに図11に内部模式図を示した錠剤分包機10は、多数の錠剤フィーダから排出された錠剤を受けて収集する錠剤収集機構と、この錠剤収集機構の下方に錠剤投入部が配された包装装置とを具えて、錠剤の自動分包を行うとともに、計数監査装置20が薬剤監査支援装置として連結されていて、錠剤分包に際し分包された錠剤の計数監査についての薬剤監査業務を支援するようになったものである。
【0003】
すなわち、錠剤分包機10の筐体内には、薬品庫11,錠剤収集機構としての収集ホッパ12,及び包装装置13特にその錠剤投入部16がこの順で上下に配設されており、薬品庫11内の棚には、多数の錠剤フィーダ14が並べて載置されている。各錠剤フィーダ14には薬品の種類ごとに分けて各種の錠剤が収容されている。
【0004】
そして、コントローラ15の制御の下、処方箋等の指定に基づいて幾つかの錠剤フィーダ14から排出された錠剤1は、図示しないシュート等を介して収集ホッパ12内へ落下し、そこで収集されて下方の出口から、その下方に配された包装装置13の錠剤投入部16へ投入される。このような錠剤投入経路を経て、錠剤1は、包装装置13によって包装帯2に分包される。そして、服用単位ごとに所要の品種および個数の錠剤1を包んだ包装帯2は、順々に計数監査装置20へ送り込まれる(錠剤投入経路等については各図中の矢付き点線を参照)。
【0005】
計数監査装置20は、カメラ21、計数判定ユニット22、及びCRT23を具えていて、包装帯2に分包されている錠剤1をカメラ21で撮影し、その画像データに基づき計数判定ユニット22によって錠剤数を計数するとともにその合否判別を行い、さらに目視確認に供するため画像をCRT23に表示させる。こうして、錠剤分包に伴う薬剤監査業務のうち計数監査について機械化処理による支援がなされる。
【0006】
このように従来の錠剤分包機およびその監査支援装置は計数監査の機械化に止まっており、個々の錠剤の品種判定までも要する錠剤識別装置は未だ実用の域に達していなかった。
これに対し、「情報処理学会論文誌 Vol.35 No.12」の2694頁以降において「パラメータ設計を用いた錠剤識別系の構築」という表題で公表したように主成分分析に基づく特徴抽出の最適化等によって特徴辞書を用いた錠剤識別技術の向上が図られてきたことから、その錠剤識別技術を利用して錠剤識別装置を具体化することで、錠剤分包に際し錠剤の品種判定までも含めて薬剤監査業務を支援するということが実現可能となってきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、個々の錠剤についてその品種までも識別する処理は、計数判定の処理等に比べて、より精細な画像を撮る必要や、膨大なデータを処理する必要があるので、計数監査装置のカメラや計数判定ユニットを少々改造した程度では実現が困難である。このため、錠剤識別装置は、計数監査装置と別個に設けることが必要とされるので、計数監査装置に後続して或いは錠剤分包機と計数監査装置との間に挿入して付設することも考えられる。
【0008】
しかしながら、その場合は、包装後に錠剤の撮像・識別が行われることから、精細な画像を撮るには、包装帯の材質を限定したり、錠剤が重ならないように分包錠剤数を少なくしたりする必要がある。しかも、複数の錠剤の展開範囲に対応して、広い撮影範囲を確保したうえで、個々の識別判定に先だって複数錠剤の画像からそれぞれの錠剤の画像を一つずつ正確に切り出すという処理も行わなければならない。このため、画像処理に基づいて薬剤監査を支援するという目的では一致しても、錠剤分包機に付ける錠剤識別装置の実装に際し、錠剤分包機に付けられている計数監査装置と同様な手法を採ることは、妥当で無い。
【0009】
そこで、錠剤識別装置付き錠剤分包機の具体的実現に当たっては、そのような困難を回避して、錠剤分包に際し錠剤の品種判定までも含めた薬剤監査業務の十分な支援が可能なシステム構成を案出することが課題となる。
また、錠剤識別装置を用いた個別監査処理は、薬剤監査の信頼性向上には大きく寄与するが、分包処理についてはそのスループット低下を招き易いという側面があることも否めない。そこで、かかる欠点をも克服するべく、柔軟な運用を行いうるシステム構成とすることも更なる課題となる。
【0010】
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、錠剤分包に際してその分包機能を損なうことなく柔軟に錠剤の識別を行い得る錠剤分包機を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するためになされた本発明の錠剤分包機について、その構成および作用効果を以下に説明する。
【0012】
本発明の第1解決手段の錠剤分包機は(、出願当初の請求項1に記載の如く)、多種類の薬品類を収納した多数の錠剤フィーダを有しこれらの錠剤フィーダから錠剤を収集して分包する錠剤分包機であって、前記錠剤の識別処理をその分包前に行う錠剤識別装置と、この錠剤識別装置による処理を選択的に省く切換手段と、前記錠剤に対する計数処理をその分包後に行う計数監査装置とを備えたことを特徴とする。
【0013】
ここで、上記の「錠剤」には、一般的な玉状の錠剤の他、錠剤分包機による同様の包装処理が可能なカプセル剤も含まれる。
【0014】
このような構成の錠剤分包機にあっては、錠剤の分包に際しその分包前に錠剤識別装置による個別監査が行われ分包後に計数監査装置による計数監査が行われて監査作業の可成りの部分が自動化される。
しかも、その監査作業に際して、その切換機構によって錠剤識別処理の実行省略状態が選択されている場合には、必要に応じて各錠剤フィーダから排出された錠剤は、収集されると直ちに分包される。すなわち、錠剤識別装置が付設されていても従来同様の分包処理や監査が行われる。この場合、スループットは低下しない。
【0015】
一方、切換機構によって錠剤識別処理の実行状態が選択されている場合には、各錠剤フィーダから排出された錠剤は、収集されてから分包される前に錠剤識別装置によって錠剤識別がなされることとなる。この場合、個々の錠剤の品種判定までも含めた個別監査が自動的・半自動的に行われて、薬剤監査業務が支援される。
【0016】
これにより、薬剤監査の信頼性向上を重視して個々の錠剤の品種判定までも含めた個別監査を行うのか、それとも分包処理のスループットを重視して個別監査を省くのかといった選択が柔軟に行えることから、薬剤監査の精度と分包処理のスループットとの適切なトレードオフを図ることができるので、装置の可用性を高めることができる。
したがって、この発明によれば、錠剤分包に際してその分包機能を損なうことなく柔軟に錠剤の識別を行い得る錠剤分包機を実現することができる。
【0017】
なお、特に、上記切換手段を、(一患者に対する一処方箋等に基づいて通常複数の分包袋を纏めて処理する)処方単位ごとにその一部を前記錠剤識別装置による処理の対象としその残部を前記錠剤識別装置による処理の対象外とすることで、装置の可用性を一層高めることができる。
【0018】
このようにした場合、錠剤の分包に連動した個別監査および計数監査装置の自動化に際し、個々の錠剤を一つずつ処理する錠剤識別装置と、分包袋ごとに処理する計数監査装置とのスループットの差が、錠剤識別装置による処理対象を一部に減らすことで解消・緩和されることとなる。
【0019】
それでいて、錠剤識別装置による個別監査が一部とはいえ処方単位ごとに行われることから、処方箋処理等に付随して発生し各分包に共通して発現するような種類の不都合は、その個別監査によって確実に検出される。また、ランダムに発生する錠剤の欠落といった種類の不都合は、スループットの点で全数監査も可能な計数監査装置によって検出される。
【0020】
このように分包錠剤の計数監査と各錠剤の個別監査という異質の監査を組合せるに際して処方単位ごとの一部監査を導入したことにより、スループットの低下を回避・緩和しながら、薬剤監査の信頼性を向上させることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
このような解決手段で達成された本発明の錠剤分包機等について、これを実施するための形態を説明する。
【0022】
[第1の実施の形態]
錠剤分包機本体については、多数の錠剤フィーダから排出された錠剤を収集ホッパ等の錠剤収集機構で集めて包装装置の錠剤投入部へ投入するという方式が確立されているので、その方式を損なわないようにして多種類の錠剤を分包し得る等のその利点を維持することも重要である。
【0023】
そのための第1の実施形態は、多数の錠剤フィーダから排出された錠剤を受けて収集する錠剤収集機構と、この錠剤収集機構からの錠剤投入先に(例えばその錠剤収集機構の下方に又は横に)錠剤投入部が配された包装装置とを具備した錠剤分包機であって、(同一筐体内に組み込まれて又は別筐体で横から付設連結されて)錠剤の識別を行う錠剤識別装置と、前記錠剤収集機構と前記錠剤投入部との間に介装され前記錠剤収集機構からの錠剤を前記錠剤投入部へ投入するに際して直接投入する状態と前記錠剤識別装置経由で間接投入する状態との何れかの状態を選択的に採りうる切換機構とを備えていることを特徴とするものである。
【0024】
このような構成の錠剤分包機にあっては、切換機構によって直接投入状態が選択されている場合には、各錠剤フィーダから排出された錠剤は、錠剤収集機構によって収集されてから、その下方の包装装置の錠剤投入部へ直ちに投入される。すなわち、錠剤識別装置が付設されていてもこれをバイパスして従来同様の分包処理が行われる。この場合、スループットは低下しない。
一方、切換機構によって間接投入状態が選択されている場合には、各錠剤フィーダから排出された錠剤は、錠剤収集機構によって収集されてから、その下方の包装装置の錠剤投入部へ投入される前に、切換機構によって錠剤識別装置を経由させられる。そして、そこでは、錠剤識別装置によって錠剤識別がなされ、それから、錠剤分包機に戻って錠剤投入部へ投入され、その後に包装装置によって分包されることとなる。この場合、個々の錠剤の品種判定までも含めた個別監査が自動的・半自動的に行われて、薬剤監査業務が支援される。
これにより、薬剤監査の信頼性向上を重視して個々の錠剤の品種判定までも含めた個別監査を行うのか、それとも分包処理のスループットを重視して個別監査を省くのかといった選択が柔軟に行えることから、薬剤監査の精度と分包処理のスループットとの適切なトレードオフを図ることができるので、装置の可用性を高めることができる。
【0025】
また、この個別監査の場合、錠剤収集機構と錠剤投入部と間で錠剤投入経路が錠剤識別装置のところまで迂回させられるので、錠剤識別装置による錠剤識別処理が従来の鉛直な錠剤投入経路の外で行われ且つ包装装置による分包に先だってその直前に行われる。このように錠剤識別による個別監査処理に際しては計数監査処理と異なり錠剤を包装後でなく包装直前に識別することから、錠剤の撮像・識別のために包装帯の材質を限定したり包装袋の大きさに対応した広い撮影範囲を確保したりしなくても済むので、そのぶんだけ錠剤識別装置の撮像装置が小形・安価なもので間に合うとともに、錠剤識別装置における画像データに対する識別処理の負担も軽くて済む。しかも、識別処理の済んだ錠剤は包装のために直ぐ戻されるので、包装された錠剤とその識別情報との対応関係が損なわれる不具合は考えられ無い。
したがって、この発明によれば、錠剤分包に際してその分包機能を損なうことなく柔軟に錠剤の識別を行い得る錠剤分包機を実現することができる。
【0026】
[第2の実施の形態]
錠剤分包機本体については、多数の錠剤フィーダから排出された錠剤を収集ホッパ等の錠剤収集機構で集めて包装装置の錠剤投入部へ投入するという方式が確立されているので、錠剤収集機構からの錠剤を錠剤投入部へ投入するに際して錠剤識別装置経由で間接投入する状態を具現化するに当たっては、そのような既に確立した方式を損なわないようにして、多種類の錠剤を分包し得る等のその利点を維持することや、各機構等についての実装形態の変更を出来るだけ少なく抑えることも重要である。
そこで、第2の実施形態は、上述した錠剤分包機であって、前記錠剤収集機構から前記錠剤投入部への錠剤投入経路と前記錠剤識別装置とに亘って(水平に又は横斜めに横設された状態で)設けられた往復搬送可能な錠剤搬送機構を備えていることを特徴とする。
この場合、錠剤分包機と錠剤識別装置とに介在する錠剤搬送機構は、その一部が錠剤収集機構と前記錠剤投入部との間に挿入されるだけで、錠剤分包機本体については、多数の錠剤フィーダから排出された錠剤を収集ホッパ等の錠剤収集機構で集めて包装装置の錠剤投入部へ投入するという従来の方式がベースになっているので、その変更が少なくて錠剤フィーダの個数なども概ね同数が確保される。そこで、従来の利点はこれを維持しながら、錠剤識別装置等を付加することで容易に、個々の錠剤についてその品種までも識別することが可能となる。
【0027】
[第3の実施の形態]
品種判定等の錠剤識別は、個々の錠剤を対象として行うものであり、錠剤分包に際して分包単位との対応関係さえ確保されていれば、分包単位の複数個を一度に識別処理することは必要無い。
そこで、第3の実施形態は、上述した錠剤分包機であって、錠剤識別の対象となる錠剤を前記錠剤フィーダから排出させるに際し、前記錠剤搬送機構の搬送状態に同期させて一錠ごとに排出がなされるように前記錠剤フィーダおよび前記錠剤搬送機構の動作制御を行う制御装置を備えたことを特徴とするものである。
この場合、錠剤が一錠づつ順に識別処理に供されるので、錠剤搬送機構は錠剤を一錠づつ区分けして搬送可能であれば良いので小形になり、錠剤分包機本体はその分だけ受ける影響が小さくて変更が軽度なものになるうえに、錠剤識別装置も、一錠づつの処理を前提に構成すれば十分なので、載置機構や撮像装置が可成り小形になるとともに、複数錠剤の画像の中から個々の錠剤の画像を切り出すという処理が不要になる。これによって、機構部の小形化に加えて識別処理の簡易化・高速化をも達成することができる。
【0028】
[第4の実施の形態]
切換機構の導入によって錠剤識別装置利用の個別監査処理における柔軟性が或る程度確保されたが、さらに柔軟性が増すように機構改造に加えてその制御の仕方も工夫するのが望ましい。
そこで、第4の実施形態は、上述した錠剤分包機であって、前記制御装置は、処方に対応した錠剤の全分包を終了する以前であっても(その全分包数より少ない設定分包数等に応じて)選択的に前記切換機構を制御してその切り換え状態を変えさせるものであることを特徴とする。
この場合、個々の錠剤の品種判定までも含めた個別監査を行うに際し、その錠剤識別処理を全包数に対して適用するのか又はその一部だけに適用するのか或いは一部であれば何包数を処理するのかといった選択が随時行えることから、薬剤監査の精度と分包処理のスループットとの木目細かい適切なトレードオフを図ることができるので、システム運用における柔軟性が一層増加して、可用性に優れた装置を実現することができる。
【0029】
[第5の実施の形態]
錠剤搬送機構はその一部が錠剤収集機構と包装装置の錠剤投入部とに介挿されるので、必然的に錠剤分包機本体の変更も生じるが、その変更は出来るだけ抑制したい。
そこで、第5の実施形態は、前記錠剤搬送機構は搬送コンベアによるものであり、その搬送コンベアは従動端部が前記錠剤分包機側に位置し駆動端部が前記錠剤識別装置側に位置するものであることを特徴とする。
この場合、搬送コンベアの駆動機構を錠剤分包機内に置かなくて済むうえ、従動端部の方が一般に駆動端部よりも小形化しうるので、錠剤収集機構と錠剤投入部とに介挿する部材高さを縮めて錠剤分包機本体に与える影響を抑えることができる。
【0030】
[第6の実施の形態]
また、第6の実施形態は、上述した錠剤分包機であって、前記錠剤搬送機構の復路終端に対応して設けられ受けた錠剤を(その復路における搬送方向に沿って更に)押し進めて前記錠剤投入部へ投入させる錠剤投入機構を備えたことを特徴とする。
この場合、錠剤搬送機構の復路に関しては、その終端での錠剤投入を錠剤投入機構に委ねたことから、錠剤収集機構と前記錠剤投入部との間に直接割り込ませる必要が無い。しかも、その代わりに錠剤収集機構と前記錠剤投入部との間に直接挿入させられる錠剤投入機構は、錠剤搬送経路最後の僅かな部分で錠剤を更に押し進めるだけなので、一般に簡素な構造の機構で具現化可能であり、その高さを小さく抑えるのも容易である。そこで、往復搬送可能な錠剤搬送機構を採用したにも拘わらず、錠剤収集機構から錠剤投入部への錠剤投入経路に錠剤搬送機構を挿入するに際して錠剤収集機構と錠剤投入部との間を拡げる量については、これを実用上十分に小さな水準にまで抑制することができるので、錠剤分包に際してその分包機能を損なうことなく錠剤の識別を行い得る錠剤分包機を既存の実装形態に基づいて同水準の装置高さで実現することができる。
【0031】
[第7の実施の形態]
錠剤識別装置の付いた錠剤分包機では、装置が薬局等に設置された後でも、新薬の登場によって次々に新たな識別対象が加わってくるので、それに対応した特徴辞書への特徴データの追加登録を行って錠剤識別装置の識別能力も随時向上させることが必要となる。また、錠剤を識別してその合否を判定するには、錠剤の品名や,錠剤コード,薬効などの薬剤情報も必要とされる。このため、辞書への特徴データ追加登録の作業に際して、そのような薬剤情報の追加入力の作業も必要となる。
しかしながら、薬局等への装置設置後は特徴データの追加登録作業や薬剤情報の追加入力作業を薬剤師等の作業者が行うこととなるが、それでは却って監査業務支援のための装置導入によって監査業務が煩雑化してしまいかねないばかりか、それらの作業者は装置の内部構造にまで立ち入って作業を行う訳では無いので、各作業に際し総てに細心の注意を払って正確無比に行うことまで期待するのは酷である。また、新薬の導入に際しては、錠剤分包機の何れかの錠剤フィーダに新薬を収容するとともに、錠剤分包機の薬剤情報ファイルへ錠剤の品名や,錠剤コード,薬効などの薬剤情報を追加することも必要とされる。このため、薬剤情報の追加入力作業を錠剤分包機および錠剤識別装置に対して二重に行うこととなり、作業量が倍加するばかりか、何れかでの入力ミス等によってデータの不整合が発生すると錠剤識別やその合否判定の際に誤った結果が出ることにもなってしまいかねない。
【0032】
そこで、第7の実施形態は、上述した錠剤分包機であって、付設される前記錠剤識別装置は、錠剤種別に対応してそれらの特徴データを記憶している特徴データ記憶手段と、前記錠剤分包機から供給された錠剤を受ける載置機構と、この載置機構上の錠剤を対象にしてその画像を撮る撮像装置と、この撮像装置から画像データを受けてその特徴データを抽出する特徴抽出手段と、動作モードが識別モードのとき前記特徴抽出手段の特徴データについて前記特徴データ記憶手段の記憶データを検索して識別を行う識別手段と、前記動作モードが登録モードのとき前記特徴抽出手段の特徴データを前記特徴データ記憶手段に追加記憶させるとともに前記錠剤分包機から該当する薬剤情報を受けて前記特徴データ記憶手段または他の記憶手段に対応づけて記憶させる登録手段とを備えたものである。
ここで、上記の「対応づけて」とは、追加記憶させる特徴データとそれに該当する薬剤情報とを対応づけて、という意味である。さらに、「薬剤情報」は、薬品名または錠剤コードの何れか1つが含まれていれば良く、他の情報は必須でない。
【0033】
この場合、錠剤分包に際し錠剤の品種判定までも含めて薬剤監査業務を支援することができるのに加えて、新薬の導入に際し、錠剤識別装置に対してはその動作モードを切り換える操作を行うだけで済む。すなわち、新薬についての特徴抽出や特徴データ追加の特別な操作を行うこと無く、且つそれに伴う薬剤情報の追加入力作業も行うこと無く、錠剤分包機との協動に基づいて特徴データの追加登録および薬剤情報の追加入力がほぼ自動的に済んでしまう。したがって、特徴データの追加登録に加えて薬剤情報の追加入力も自動化することにより、新薬追加に対して柔軟に対処しうる錠剤識別装置付きの錠剤分包機を実現することができる。
【0034】
[第8の実施の形態]
玉剤やカプセル等の錠剤は丸まっているので転がり易くて、供給された錠剤を単純に受けるだけでは載置機構上の乗載位置が安定しない。
そこで、第8の実施形態は、上述した錠剤分包機であって、前記載置機構は、振動または回転の可能な錠剤載置枠が上面に設けられたものであることを特徴とする。
この場合、供給された錠剤が錠剤載置枠の内側に入るのでその乗載位置が画定されて安定するとともに、錠剤載置枠を振動させることにより、錠剤が錠剤載置枠の内辺等に寄りかかって斜めになっていても枠内へ確実に横たわらせることができる。また、錠剤載置枠を回転させてから撮像を行うことにより、転がり易い錠剤であっても撮像時には確実に錠剤載置枠から離れるので、錠剤の画像から錠剤部分を切り出す画像データ処理も容易となる。さらに、錠剤載置枠の枠内を清掃のため吸引する際にも振動・回転させることにより、一層きれいにすることができる。
【0035】
[第9の実施の形態]
錠剤識別装置が錠剤分包機から錠剤の供給を受けるには錠剤識別装置と錠剤分包機とに亘る搬送機構を設ける必要があり、錠剤の画像を得るには撮像装置を設ける必要があり、さらに錠剤の欠片等が例え僅かであっても種類の異なる他の錠剤に付着するようなことを避けるために清掃機構を設ける必要もある。これらの各機構は、総て、載置機構上の錠剤載置部位に対して作用する物なので、そのところに対応して配置しなければならない。しかし、これら総ての機構を一箇所に集中させたのでは機構設計や保守作業が困難となる。
そこで、第9の実施形態は、上述した錠剤分包機であって、前記載置機構が鉛直軸周りに回転可能なものであり、前記撮像装置に加えて錠剤搬送部および清掃機構が前記載置機構の上方・下方・上下の何れかにおいてその回転経路に沿って配設されていることを特徴とする。
この場合、上記の各機構が分散配置されていても、載置機構の回転に伴って錠剤載置部位に対して順次必要な処理が施されることとなり、上述の困難を回避することができる。
【0036】
【実施例】
本発明の錠剤分包機の第1実施例について、その具体的な構成を、図面を引用して説明する。図1は、その内部模式図であり、従来例の図11に対応している。図2は、その概要正面図であり、従来例の図10に対応している。また、図3及び図4は、その錠剤搬送機構等の新規な機構部についての詳細図であり、図5は、その載置台周りの斜視図および錠剤載置枠の平面図である。さらに、図6は、その制御部・データ処理部における主要部の機能ブロック図であり、図7は、その錠剤分包処理の概要フローチャートであり、図8は、その錠剤識別処理の概要フローチャートである。なお、図示に際し、フレームやボルトといった単なる支持機構は描くのを割愛した。
【0037】
この錠剤分包機40は、分包直後の計数監査のための計数監査装置20が従来の錠剤分包機10同様に図中では右横に付設され、さらに、分包直前に錠剤の個別監査を行うために、その反対側に即ち図中では左横から連結された錠剤識別装置30も付設されたものである。
錠剤分包機40は、そのような連結を可能とするために、収集ホッパ12と包装装置13の錠剤投入部16との間に錠剤搬送部50が介装されている点で、従来の錠剤分包機10と機構上相違する(図1,図2参照)。
【0038】
また、錠剤分包機40は、従来のコントローラ15の制御ルーチンに個別監査処理が追加されている点も従来と相違する。すなわち、錠剤分包機40のコントローラ45における制御ルーチン45aは、処方箋処理ルーチン45aaによる処方箋処理に伴って、錠剤フィーダ制御ルーチン45adによって錠剤フィーダの錠剤排出制御を行ったり、薬剤情報ファイル45bに保持された薬剤情報に基づき分包制御ルーチン45abによって分包情報ファイル45cを生成して分包制御を行ったり、その分包情報を計数判定ユニット22の計数監査ルーチン22aへ提供したり、あるいは図示しない操作卓等を介して入力された追加の薬剤情報を薬剤情報ファイル45bに追加記憶したりすることに加えて、個別監査のための処理を担う個別監査処理ルーチン45ac等も有し、これらによって、錠剤搬送部50を制御して錠剤識別装置30へ錠剤1を供給させるとともに薬剤情報ファイル45bにアクセスしてその錠剤1に対応した薬剤情報も錠剤識別装置30の錠剤識別ユニット32へ送出するようになっている(図1,図6参照)。
【0039】
錠剤識別装置30には、錠剤搬送部50によって錠剤分包機40から搬送されてきた錠剤1を乗載させて受けるために載置機構60が設けられ、その錠剤1の識別を行うために、載置機構としてのカメラ31と、錠剤識別・画像判定のデータ処理を担う錠剤識別ユニット32と、判定結果や画像を表示するCRT23とが設けられている(図1,図2参照)。これにより、錠剤識別装置30は、載置機構を有しその上に置かれた錠剤の識別を行うものとなっている。
【0040】
錠剤搬送部50は、上部開口が広くて下部排出口が狭い小形の可動ホッパ51と、可動ホッパ51の下方から載置機構60の上方へ至る無端ベルトに識別前の錠剤1を載せて搬送する搬送コンベア52と、載置機構60の下方から包装装置13の錠剤投入部16手前へ至る無端ベルトに識別後の錠剤1を載せて搬送する搬送コンベア53と、搬送コンベア53で運ばれて一旦留置されていた錠剤1が分包量に達するとそれらを錠剤投入部16へ押し出す可動押板54と、可動ホッパ51の下部排出口から排出された錠剤1を錠剤投入部16へ直接案内するためのガイド55とが設けられたものである(図1参照)。
【0041】
詳述すると(図3、図4参照)、可動ホッパ51は、駆動輪51cの回転によってリンク51bが揺動しこれに従ってスライダ51aが水平に移動すると、それに伴って搬送コンベア52側とガイド55側との間で水平に移動するものである。また、この可動ホッパ51は、収集ホッパ12の直下に設けられていて、何れの側に移動しても、収集ホッパ12の出口から落下した錠剤1総てを上部開口内に受けるようになっている。
【0042】
ガイド55は、ガイド側板55a及びガイド下端部55bと共に可動ホッパ51と錠剤投入部16との間における図中で右半分のところに設けられ、略鉛直の案内機構をなしていて、右移動時の可動ホッパ51の下部排出口から落下した錠剤1を錠剤投入部内筒16a及び錠剤投入部16へ導くものである。すなわち、この案内機構は、錠剤収集機構から錠剤投入部への錠剤投入経路のうち図中ではその右半分に介挿されて、錠剤収集機構で集められた錠剤を包装装置の錠剤投入部へ直接に投入させるものとなっている。
【0043】
搬送コンベア52は、錠剤分包機40から錠剤識別装置30への往路における錠剤1の搬送を一錠ずつ行うために、無端ベルトの搬送面が多数の仕切板52aによって区画室52bに区切られていて、各区画室52bに一錠の錠剤1を収容して搬送するものである。また、搬送コンベア52は、カバー52cによって覆われるとともに、駆動モータ52dによって回転駆動される駆動輪52eの有る駆動端部が載置機構60の錠剤受給部位の上方に位置する一方、従動輪52fの有る従動端部が、可動ホッパ51と錠剤投入部16との間における図中で左半分のところに位置している。そして、左移動時の可動ホッパ51の下部排出口から落下した錠剤1を傾斜板52gでその下の空いている区画室52bに収容して搬送するようになっている。なお、従動輪52fは駆動輪52eよりも小径とされていて、この点でも、収集ホッパ12と錠剤投入部16との離隔を抑制するものとなっている。
【0044】
搬送コンベア53は、搬送コンベア52とは逆に錠剤識別装置30から錠剤分包機40への復路における錠剤1の搬送を担うものであるが、やはり一錠ずつ搬送するために、無端ベルトの搬送面が多数の仕切板53aによって区画室53bに区切られていて、各区画室53bに一錠の錠剤1を収容して搬送する。また、搬送コンベア53も、カバー53cによって覆われ、駆動モータ53dによって回転駆動される駆動輪53eの有る駆動端部が載置機構60の排出ホッパ67の下方に位置する一方、従動輪53fの有る従動端部が、可動ホッパ51と錠剤投入部16との間における図中で左半分のところで搬送コンベア52の下方に位置している。ただし、従動輪53fは、従動輪52fほど可動ホッパ51と錠剤投入部16との間に入り込まないで、その手前、図では左側に、とどまっている。この従動輪53fも駆動輪53eより小径のものとなっている。
【0045】
これにより、搬送コンベア52,53等からなる錠剤搬送機構は、往路と復路との一対の搬送コンベア等によって往復搬送が可能なものであり、その搬送コンベアの従動端部が、錠剤分包機側に位置して、錠剤収集機構から錠剤投入部への錠剤投入経路のうち図中ではその左半分に介挿されているとともに、その搬送コンベアの駆動端部が、錠剤識別装置側に位置して、そこの載置機構のところまで延びたものとなっている。すなわち、この錠剤搬送機構は、錠剤収集機構から錠剤投入部への錠剤投入経路と錠剤識別装置とに亘って設けられた往復搬送が可能なものとなっている。
【0046】
可動押板54は、錠剤投入機構として、搬送コンベア53から受けた錠剤1を更に押し進めて錠剤投入部16へ投入させるために、搬送コンベア53の従動輪53f側の端部の下方に置かれた水平板54aの上面を、プッシュピン54bによって駆動されて水平移動するものである。この水平板54aは、搬送コンベア53によって搬送されて来た錠剤1をその上面に留め置くためのものであるが、その一端が錠剤投入部16の錠剤投入部内筒16aの上端にまで延びている。また、図示は割愛したがその両側面は錠剤が途中で落ちないようにカバーされている。このように、可動押板54は、従動輪53fの直ぐ下に即ち錠剤搬送機構の復路終端に対応して設けられていて、従動輪53fの下方から錠剤投入部16の直前まで移動することで、水平板54a上面に留め置かれている錠剤1を錠剤投入部内筒16aの上端開口へ投入するようになっている。この可動押板54及び水平板54aによる錠剤投入機構の高さは、搬送コンベア53における仕切板52aを含めた従動輪53f周りの高さよりも、小さい。
【0047】
そして、個別監査を行うときには、コントローラ45の制御に従って可動ホッパ51が搬送コンベア52側へ移動して、錠剤フィーダ14から送り出された錠剤1が可動ホッパ51及び搬送コンベア52によって載置機構60の上面へ供給され、載置機構60から排出された錠剤1が搬送コンベア53及び可動押板54によって包装装置13の錠剤投入部16へ投入される(図1、図3参照)。また、個別監査を行なわないときには、コントローラ45の制御に従って可動ホッパ51がガイド55側へ移動して、錠剤フィーダ14から送り出された錠剤1がガイド55に沿って落下して直ちに包装装置13の錠剤投入部16へ投入される(図1、図4参照)。これにより、可動ホッパ51は、錠剤収集機構12と錠剤投入部16との間に介装されていて、錠剤収集機構12からの錠剤1を錠剤投入部16へ投入するに際して、ガイド55側へ移動したときの直接投入する状態と、搬送コンベア52側へ移動したときの錠剤識別装置30経由で間接投入する状態とのうち、何れかの一方の状態を選択的に採りうる切換機構として機能するようになっている。
【0048】
載置機構60は、円盤状に形成され更にその上面が平坦に仕上げられたターンテーブル61が水平に設けられ、これを下から支軸61aによって回転可能に軸支するとともに、支軸61aを介してモータ61bによってターンテーブル61が回転駆動されるものである(図1参照)。これにより、載置機構60は、鉛直軸周りに回転可能なものとなっている。
【0049】
載置機構60の上面には、同一仮想円上で90゜毎に錠剤載置枠62,63,64,65が配設されている(図5(a)参照)。これらのうち錠剤載置枠62の現在位置の上方には搬送コンベア52の終端すなわち駆動端部が延びていて、搬送コンベア53によって搬送されてきた錠剤1は錠剤載置枠62の枠内62aへ落下する。これにより、載置機構60は錠剤分包機から供給された錠剤を受けるものとなっている。
【0050】
一方、錠剤載置枠63の現在位置の上方にはカバー66の付設されたカメラ31が配置されていて、錠剤載置枠63のところを撮影可能なようになっている。このカバー66は、外乱光を遮って不所望な影等の無い画像を得るためのものである。他方、錠剤載置枠64の現在位置の下方には排出ホッパ67が設けられていて、図示しないシャッタ板が開くと、錠剤載置枠に対応してターンテーブル61に穿孔形成されている鉛直な貫通穴を介して錠剤載置枠64内の錠剤1が排出ホッパ67へ落下し更に搬送コンベア53の搬送ベルト上へ導かれるようになっている。残りの錠剤載置枠65については、その現在位置の上方に排気ダクト68の端面が延びていて、錠剤載置枠65内に錠剤の欠片等が残っていればこれが排気吸引力によって除去される。これにより、載置機構60は、撮像装置に加えて錠剤搬送部および清掃機構がその上下においてその回転経路に沿って配設されたものとなっている。そして、ターンテーブル61が間欠的に90゜回転する度に錠剤載置枠62,63,64,65がそれぞれ現在の錠剤載置枠63,64,65,62のところへ移動するのである。
【0051】
錠剤載置枠62は、丸い板の中央が打ち抜かれて内側に正方形の浅い空間62bが形成されたものであって、小型モータ62bの駆動によって回転可能なようにターンテーブル61上で支持されている(図5(b)、(c)参照)。錠剤載置枠62及び小型モータ62bは、一定方向に連続して回転すること、僅かな確度範囲内で反転を繰り返しながら双方向回転することの何れも制御信号で選択可能なものである。これにより、載置機構60は、振動および回転の可能な錠剤載置枠62〜65が上面に設けられたものとなっている。
【0052】
錠剤識別装置30の錠剤識別ユニット32は、錠剤識別のデータ処理を行うために、カメラ31と接続されていて画像データの入力が可能なものとなっており、さらにコントローラ45と交信可能に接続されていて薬剤情報を受け取ることも可能なようになっている。また、マイクロプロセッサによるプログラム処理を担う錠剤識別ルーチン32aと、錠剤の品名や錠剤コードさらには薬効などの薬剤情報を保持する薬剤情報ファイル32bと、錠剤種別に対応してそれらの特徴データを記憶している特徴データ記憶手段としての辞書ファイル32cと、錠剤の画像データをJPEG等の手法で圧縮したデータを保持する圧縮画像ファイル32dとが、ROMや不揮発性メモリあるいは磁気記憶装置などにインストールされている(図6参照)。
【0053】
辞書ファイル32cにおいては、既登録の各特徴データが検索容易なように配列されており、それぞれの特徴データには、該当する錠剤についての薬剤情報が薬剤情報ファイル32bに格納されているところへのポインタと、該当する錠剤についての画像データが圧縮画像ファイル32dに格納されているところへのポインタとが付加されている(図6参照)。これにより、辞書ファイル32cの特徴データと、薬剤情報ファイル32bや辞書ファイル32cにおいてその特徴データの錠剤に該当する薬剤情報および画像とが、対応づけられたものとなっている。
【0054】
錠剤識別ルーチン32aは、撮像装置から画像データを受けてその特徴データを抽出する特徴抽出手段としての処理を担う撮像処理ルーチン32aa及び特徴抽出ルーチン32abと、動作モードが識別モードのとき特徴抽出手段32abによる抽出直後の特徴データについて特徴データ記憶手段32cの記憶データを検索して識別を行う識別手段としての識別処理ルーチン32acと、動作モードが登録モードのとき特徴抽出手段32abによる抽出直後の特徴データを特徴データ記憶手段32cに追加記憶させるとともに錠剤分包機40から該当する薬剤情報を受けて他の記憶手段32bに対応づけて記憶させる登録手段としての登録処理ルーチン32adとが組み込まれたものである(図6参照)。
【0055】
これらの処理ルーチンによる具体的な処理は、図7のフローチャートを引用して説明すると、次のような手順で行われる。
すなわち、先ず、錠剤載置枠63の現在位置のところに置かれた錠剤1がカメラ31で撮影されて、そのアナログ画像信号が送られて来ると、マイクロプロセッサで処理可能なデジタル画像データに変換してから、一画像分のデータを入力する(ステップS1)。そして、背景の余分なデータを省いて錠剤画像を切り出す(ステップS2)。これらの処理が撮像処理ルーチン32aaによって行われるようになっている。
【0056】
次に、切り出した錠剤画像のデータに対して、整形処理や,雑音除去処理,濃度変換処理,色変換処理などの所定の前処理を施す(ステップS3)。そして、画像データを所定の濃淡画像に変換することで特徴抽出を行い、錠剤画像のN×M画素(N,Mは正の整数)の各濃淡値を要素とした濃淡値ベクトルを求める(ステップS4)。これらの処理が特徴抽出ルーチン32abによって行われる。それから、動作モードが識別モードと登録モードの何れにセットされているかをチェックして、動作モードが識別モードになっているときには識別処理ルーチン32acの処理が続行され、動作モードが登録モードになっているときには登録処理ルーチン32adの処理が続行されるようになっている。(ステップS5)。
【0057】
識別モードのときには識別処理ルーチン32acによって、濃淡値ベクトルに固有ベクトルを作用させて有効成分だけの主成分ベクトルに濃淡値ベクトルが変換され(ステップS6)、これを特徴抽出手段による抽出直後の特徴データとして辞書ファイル32cの辞書を参照してそこの各特徴データとの距離が計算され(ステップS7)、距離最小ものが選出される。さらに、この選出した辞書ファイル32c内の特徴データに付加されたポインタを辿って薬剤情報ファイル32b内の対応する薬剤情報や圧縮画像ファイル32d内の対応する圧縮画像を求めて、これらを識別結果としてカメラ31の撮影画像と共にCRT33へ表示させる(ステップS8)。なお、目視確認を伴う半自動処理の場合には、距離最小ものに加えて次点候補など数個の候補についても同様の表示がなされる。また、自動判定処理の場合には、識別対象の錠剤1についての薬剤情報を錠剤分包機40のコントローラ45の分包制御ルーチン45aから受け取り、これと薬剤情報ファイル32bから選出の薬剤情報との一致不一致に基づいて合否判定処理も行うようになっている。
【0058】
動作モードが登録モードのときには登録処理ルーチン32adによって次の処理がなされる。すなわち、主成分分析に基づいて求めた固有ベクトルを濃淡値ベクトルに作用させてこれを有効成分だけの主成分ベクトルに変換させ(ステップS11)、これを図示しないテンポラリファイルに記憶させておく。さらに、これが今回の登録に際して対象となっている錠剤1の最後のものであるか途中のものであるかをコントローラ45等との交信に基づいてチェックし(ステップS12)、途中であれば最初に戻って(ステップS1)同じ処理を繰り返すことで、所要数の主成分ベクトルを貯める。そして、最後のものに至ったときには、識別対象の錠剤1についての薬剤情報を錠剤分包機40のコントローラ45の分包制御ルーチン45aから受け取り、それからテンポラリファイルに貯めたベクトル群の中心に位置するベクトルを算出してこれを特徴抽出手段による抽出直後の特徴データとする。さらに、上記のベクトル群のうちでこの抽出直後の特徴データに最も近いものの画像データにデータ圧縮処理を施して圧縮画像データとする。それから、抽出済み特徴データを辞書ファイル32cの辞書へ追加登録し、薬剤情報を薬剤情報ファイル32bに追加記憶させ、圧縮画像データを圧縮画像ファイル32dに追加記憶させるとともに、それらの薬剤情報および圧縮画像データへのポインタを追加登録の特徴データに付加する(ステップS14)。登録処理ルーチン32adの処理は、このようになっている。
【0059】
この第1実施例の錠剤識別装置等について、その使用態様及び動作を、個別監査を行わない場合、錠剤の品種判定まで含めた個別監査を登録済みの品種について行う場合、新薬の追加登録を行う場合の順に、図8に示した錠剤分包機40のコントローラ45における制御ルーチン45aのフローチャートを参照しながら説明する。
【0060】
何れの場合であっても、先ず処方箋処理ルーチン45aaによって処方箋等の処方データを入力することから始まる(ステップS31)。そして、このデータに基づいて、包装装置13や錠剤フィーダ14に適合したデータ形式の分包情報ファイル45cが生成され(ステップS32)、さらに薬剤情報ファイル45bのうち薬歴等の薬剤情報が必要に応じて更新される(ステップS33)。こうして、処方箋処理ルーチン45aaの処理を終えると、個別監査についての動作モードが実行モードなのかそれとも省略モードなのかで、処理が分かれる(ステップS34)。
【0061】
個別監査を行わない場合、すなわち動作モードが個別監査省略モードの場合、錠剤分包機40では、コントローラ45の制御に従って可動ホッパ51がガイド55側へ移動させられる(ステップS35)。そして、分包情報ファイル45cの情報に基づいて、分包制御ルーチン45abの処理によって、次の処理が行われる。すなわち、錠剤1が分包単位で錠剤フィーダ14から送り出され(ステップS36)、これの錠剤1は、ガイド55に沿って落下して包装装置13の錠剤投入部16へ投入され、包装装置13によって包装帯2に分包される(ステップS37)。このような処理が処方終了まで繰り返される(ステップS38)。この間、錠剤1を包んだ包装帯2は、計数監査装置20へ送り込まれて分包後の監査に供される。
こうして、この場合は、錠剤識別装置30が関与することなく錠剤分包機40による処理が従来同様に行われる。
【0062】
一方、錠剤の品種判定まで含めた個別監査を既存の品種について行う場合は、錠剤分包機40の動作モードを個別監査実行モードにセットするとともに、錠剤識別装置30の動作モードを識別モードにセットしておいてから、錠剤分包機40を作動させる。すると、錠剤分包機40では、コントローラ45の制御に従って可動ホッパ51が搬送コンベア52側へ移動する(ステップS41)。そして、個別監査処理ルーチン45acの処理によって次の処理が行われる(ステップS42〜48)。すなわち、錠剤フィーダ制御ルーチン45adを起動してその処理によって錠剤フィーダ14から錠剤1が一つずつ送り出されるようにさせるとともに(ステップS42)、搬送コンベア52を制御して搬送動作を行わせる(ステップS43)。
こうして、錠剤搬送機構50の搬送状態に同期させて錠剤フィーダ14から一錠ごとに錠剤の排出がなされる。
【0063】
そうすると、その錠剤1が可動ホッパ51を介して搬送コンベア52の区画室52bに収容され、搬送コンベア52の動作によって一区画分搬送される。同様にして後続の錠剤1が隣の区画室52bに収容されて一区画分搬送されることが繰り返され、やがて最初の錠剤1は、搬送コンベア52によってターンテーブル61上面の錠剤載置枠62の内側へ運ばれる。このとき、錠剤1は、大抵、錠剤載置枠62の内側空間62bを転がって一辺に当接して止まる(図5(b)参照)。
【0064】
それから、載置機構60のモータ61b等に対して所定の制御がなされると(ステップS44)、ターンテーブル61が90゜回転して、錠剤載置枠62が以前の錠剤載置枠63のところ即ちカメラ31の下方に移る。以前の錠剤載置枠62のところへは錠剤載置枠65が移動して来る。そして、錠剤載置枠65へ搬送コンベア52から次の錠剤1が運び込まれるのと並行して、錠剤載置枠62が振動し(図5(b)参照)さらに数10゜回転する(図5(c)参照)。そして、錠剤識別装置30に対して識別対象となる錠剤1の準備が調ったことを通知する交信制御が行われると(ステップS45)、錠剤識別装置30が作動して、そこの錠剤1がカメラ31によって撮影され、その画像データが錠剤識別ユニット32に送出される。
【0065】
錠剤識別ユニット32では、錠剤識別ルーチン32aのうち撮像処理ルーチン32aaと特徴抽出ルーチン32abと識別処理ルーチン32acの処理が実行されて、辞書ファイル32cの辞書の中から最も近い特徴データが選出され、薬剤情報ファイル32b及び圧縮画像ファイル32dの中からその特徴データに対応づけられた薬剤情報と圧縮画像が読み出される。そして、これらの判定結果がCRT33に表示される。
こうして、錠剤載置枠62内の錠剤1についての錠剤識別がなされる。
【0066】
この一個の錠剤についての錠剤識別ユニット32による錠剤識別が済むと、再びターンテーブル61が90゜回転して、錠剤載置枠62が排出ホッパ67のところへ移動し、錠剤載置枠65がカメラ31の下方に移動し、錠剤載置枠64が搬送コンベア52のところへ移動する。そして、錠剤載置枠64へ搬送コンベア52から次の錠剤1が運び込まれとともに錠剤載置枠65のところの錠剤1に対するカメラ31での撮像および錠剤識別ユニット32によるその錠剤識別が行われるのと並行して、そこの底面のシャッタが開いて錠剤載置枠62から錠剤1が排出ホッパ67を介して搬送コンベア53上へ落下する。
【0067】
開いたシャッタが閉じられると、またもターンテーブル61が90゜回転して、錠剤載置枠62が排気ダクト68のところへ移動し、錠剤載置枠65が排出ホッパ67のところへ移動し、錠剤載置枠64がカメラ31の下方に移動し、錠剤載置枠63が搬送コンベア52のところへ移動する。そして、錠剤載置枠63へ搬送コンベア52から次の錠剤1が運び込まれとともに錠剤載置枠64のところの錠剤1に対するカメラ31での撮像および錠剤識別ユニット32によるその錠剤識別が行われ更に錠剤載置枠65のところの錠剤1が搬送コンベア53によって排出されて錠剤分包機40へ戻されるのと並行して、錠剤載置枠62が回転または振動状態になりながら排気ダクト68での排気吸引によって清掃される。
こうして、ターンテーブル61の90゜回転毎に次々と錠剤1が錠剤載置枠62〜65に送り込まれ、それらの錠剤1に一個ずつ錠剤識別処理が施される。
【0068】
錠剤識別処理の済んだ錠剤1は排出ホッパ67を介して搬送コンベア53の区画室53bに収容されるが、その収容の度に搬送コンベア53を制御して搬送動作を行わせる(ステップS46)。そうすると、錠剤識別処理の済んだ錠剤1は、順次、搬送コンベア53の区画室53bに収容され、搬送コンベア53の動作によって一区画分搬送される。同様にして後続の錠剤1が隣の区画室53bに収容されて一区画分搬送されることが繰り返され、やがてそれらの錠剤1は、搬送コンベア53によって水平板54aの上へ運ばれる。そして、可動押板54の先で錠剤投入部16の手前に留め置かれる。
【0069】
それから、その留置錠剤数が分包単位に達すると、可動押板54を進退させるためにプッシュピン54bの制御が行われる(ステップS48)。この可動押板54の進退動作によって、錠剤識別処理後に留め置かれていた錠剤1は、分包単位ごとに纏めて、錠剤投入部16へ送り込まれる。その後は、これらの錠剤1が包装装置13によって包装帯2に分包される(ステップS37)。さらに、このような処理が処方終了まで繰り返され(ステップS38)、この間、錠剤1を包んだ包装帯2は、計数監査装置20へ送り込まれて分包後の監査に供される。
こうして、個々の品種判定まで含めた錠剤識別に基づく個別監査が分包直前になされるとともに、計数判定による薬剤監査が分包直後になされる。
【0070】
他方、新薬の追加登録を行う場合には、錠剤分包機40の何れかの錠剤フィーダ14に新薬を収容させておくとともに、その薬剤情報を入力させて薬剤情報ファイル45bに追加記憶させる。これらの操作は、錠剤分包機で新薬を取り扱う際に従来行っていたことと同様に行えばよい。そして、錠剤分包機40の動作モードを個別監査実行モードにセットするとともに、錠剤識別装置30の動作モードを登録モードにセットしておいてから、錠剤分包機40をその新薬について作動させる。すると、再度の詳細は説明は割愛するが上記の場合のうち後者の場合と同様にして、新薬の錠剤1が一つずつ順に該当錠剤フィーダ14から錠剤識別装置30へ送り出され、その錠剤1がカメラ31によって撮影され、その画像データが錠剤識別ユニット32に送出される。
【0071】
錠剤識別ユニット32では、錠剤識別ルーチン32aのうち撮像処理ルーチン32aaと特徴抽出ルーチン32abと登録処理ルーチン32adの処理が実行されて、次々と新薬の特徴データが溜め込まれ、最後にそれらのデータから算出された特徴データが辞書ファイル32cの辞書へ追加登録される。さらに、該当する薬剤情報も薬剤情報ファイル32bに追加記憶させられ、典型的な圧縮画像データも圧縮画像ファイル32dに追加記憶させられるとともに、それらの薬剤情報および圧縮画像データへのポインタが追加登録の特徴データに付加される。こうして、ほとんど自動的に錠剤識別装置30は新薬についても錠剤識別を行うことが可能なものに成長する。
【0072】
最後に、図9に個別監査処理部分の概要フローチャートを示した第2実施例について、上述の第1実施例との相違点を中心に説明する。
これは、処方単位ごとにその一部を錠剤識別装置30による処理の対象としその残部を処理対象外とする手段を具現化するために、処方に対応した錠剤の全分包数と同じかそれより少ない値の設定分包数も操作卓等から入力設定可能とし、さらにその全分包を終了する以前であってもその設定分包数に応じて選択的に切換機構を制御してその切り換え状態を処理途中で変えさせるように、コントローラ45の制御ルーチン45aの個別監査処理ルーチン45ac(図8参照)を改造したものである。
【0073】
具体的には、個別監査実行モード時に、可動ホッパ51を搬送コンベア52側へ移動させた(ステップS41)後で、錠剤フィーダ14からの錠剤排出数が設定分包数による予定排出数に達したか否かをチェックして予定数の排出が未了のときだけ錠剤排出を行い(ステップS42)予定数の排出を終えているときには錠剤排出処理を省略するようにした点である(ステップS61)。
【0074】
また、包装装置13を制御して一包の分包を行わせた(ステップS37)後で、全分包の処方を終了したか否かの判定処理を行う(ステップS38)前に、包装装置13による分包済み数が設定分包数に達したか否かをチェックしてその設定分包数の分包を終えているときには動作モードを個別監査実行モードから個別監査省略モードに変更するようにした点も改造された点である(ステップS62,S63)。
【0075】
このような改変により、この実施例の錠剤分包機は、上述の個別監査省略,個別監査実行,新薬登録などの処理に加えて、錠剤識別処理を全包数のうち何包数に適用するのかという一部処方だけの個別監査も行えるようになっている。
しかも、その一部処方の個別監査に際しては、動作モードの変更に際して錠剤搬送機構や錠剤識別装置等に残っている錠剤についての錠剤識別処理および分包処理が終了するまで錠剤排出を止めて待ち合わせ処理が行われるようになったので、途中で動作モードが変更されても、包装された錠剤とその識別情報との対応関係が損なわれるという不具合も考えられ無い。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の錠剤分包機にあっては、個別監査を行うか否かの選択が柔軟に行え且つそれを行うに際しては錠剤が分包される前に錠剤識別に供されるようにしたことにより、薬剤監査の精度と分包処理およびその後の処理のスループットとの適切なトレードオフを図ること等ができ、その結果、錠剤分包に際してその分包機能を損なうことなく柔軟に錠剤の識別を行い得る錠剤分包機を実現することができたという有利な効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の錠剤分包機の第1実施例についての内部模式図である。
【図2】 その概要正面図である。
【図3】 その錠剤搬送機構等の詳細図である(個別監査実行時)。
【図4】 その錠剤搬送機構等の詳細図である(個別監査省略時)。
【図5】 その載置台周りの斜視図等である。
【図6】 その制御部の機能ブロック図である。
【図7】 錠剤識別処理の概要フローチャートである。
【図8】 個別監査を含む分包制御処理の概要フローチャートである。
【図9】本発明の錠剤分包機の第2実施例について、個別監査処理部分の概要フローチャートである。
【図10】 従来の錠剤分包機の概要正面図である。
【図11】 その内部模式図である。
【符号の説明】
1 錠剤(玉剤、カプセル剤)
2 包装帯
10 錠剤分包機
11 薬品庫(薬品棚、ローターカセット部)
12 収集ホッパ(錠剤収集機構)
13 包装装置
14 錠剤フィーダ
15 コントローラ(制御装置)
16 錠剤投入部(収集錠剤投入口)
16a 錠剤投入部内筒(収集錠剤投入口)
20 計数監査装置(錠剤監査支援装置)
21 カメラ(CCDカメラ、撮像装置)
22 計数判定ユニット(計数判定部)
22a 計数監査ルーチン
23 CRT(表示部)
30 錠剤識別装置
31 カメラ(CCDカメラ、撮像装置)
32 錠剤識別ユニット(錠剤識別部、画像判定部)
32a 錠剤識別ルーチン
32aa 撮像処理ルーチン(特徴抽出手段)
32ab 特徴抽出ルーチン(特徴抽出手段)
32ac 識別処理ルーチン(識別手段)
32ad 登録処理ルーチン(登録手段)
32b 薬剤情報ファイル(他の記憶手段)
32c 辞書ファイル(特徴データ記憶手段)
32d 圧縮画像ファイル
33 CRT(表示部)
40 錠剤分包機
45 コントローラ(制御装置)
45a 制御ルーチン
45aa 処方箋処理ルーチン
45ab 分包制御ルーチン
45ac 個別監査処理ルーチン
45ad 錠剤フィーダ制御ルーチン
45b 薬剤情報ファイル
45c 分包情報ファイル
50 錠剤搬送部
51 可動ホッパ(切換手段、切換機構)
51a スライダ(切換手段、切換機構)
51b リンク(切換手段、切換機構)
51c 駆動輪(切換手段、切換機構)
52 搬送コンベア(無端ベルト、往路、錠剤搬送機構)
52a 仕切板(錠剤搬送機構)
52b 区画室(錠剤搬送機構)
52c カバー(錠剤搬送機構)
52d 駆動モータ(搬送コンベア駆動機構、錠剤搬送機構)
52e 駆動輪(駆動端部、錠剤搬送機構)
52f 従動輪(従動端部、錠剤搬送機構)
52g 傾斜板
53 搬送コンベア(無端ベルト、復路、錠剤搬送機構)
53a 仕切板(錠剤搬送機構)
53b 区画室(錠剤搬送機構)
53c カバー(錠剤搬送機構)
53d 駆動モータ(搬送コンベア駆動機構、錠剤搬送機構)
53e 駆動輪(駆動端部、錠剤搬送機構)
53f 従動輪(従動端部、錠剤搬送機構)
54 可動押板(留置錠剤投入手段、錠剤投入機構)
54a 水平板(錠剤留置手段、錠剤投入機構)
54b プッシュピン(押板駆動機構、留置錠剤投入手段、錠剤投入機構)
55 ガイド(案内機構)
55a ガイド側板(案内機構)
55b ガイド下端部(案内機構)
60 載置機構
61 ターンテーブル(回転円板、載置台)
61a 支軸(載置台支持部)
61b モータ(載置台駆動部)
62 錠剤載置枠(錠剤の受給位置)
62a 錠剤載置枠内
62b 小型モータ
63 錠剤載置枠(錠剤の撮影位置)
64 錠剤載置枠(錠剤の排出位置)
65 錠剤載置枠(錠剤排出後の清掃位置)
66 カバー(遮光用覆体)
67 排出ホッパ
68 排気ダクト
Claims (1)
- 多種類の薬品類を収納した多数の錠剤フィーダと、これらの錠剤フィーダから排出された錠剤を受けて収集する錠剤収集機構と、この錠剤収集機構からの錠剤投入先に錠剤投入部が配された包装装置とを具備した錠剤分包機であって、前記錠剤の識別処理をその分包前に行う錠剤識別装置と、前記錠剤収集機構と前記錠剤投入部との間に介装され前記錠剤収集機構からの錠剤を前記錠剤投入部へ投入するに際して直接投入する状態と前記錠剤識別装置経由で間接投入する状態との何れかの状態を選択的に採りうる切換機構と、処方単位ごとにその一部を前記錠剤識別装置による処理の対象としその残部を前記錠剤識別装置による処理の対象外とする手段を有して前記切換機構の状態制御を行うことにより前記錠剤識別装置による処理を選択的に省く制御手段と、前記錠剤に対する計数処理をその分包後に行う計数監査装置とを備えたことを特徴とする錠剤分包機。
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