JP4031677B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の製造方法に関し、より詳しくはトレンチ構造を有する高耐圧MOSトランジスタとして機能し得る半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来から高耐圧MOSトランジスタとして機能する半導体装置が提案されている。このトランジスタは、図6に示すように、シリコン基板21に素子分離用のアイソレーション領域22、電界緩和層23が設けられ、ゲート酸化膜24を介して電界緩和層23に一部重なるようにゲート電極25が形成されており、ゲート電極25と一定距離を離して、いわゆるオフセット構造のソース/ドレイン領域26が設けられている。
【0003】
このような構造の高耐圧MOSトランジスタでは、高耐圧を確保するため、通常、ゲート長及び電界緩和層がある程度大きく形成されている。
これに対して、高集積化を図るために、例えば特開平4−251980号公報に、トレンチを使った高耐圧MOSトランジスタが提案されている。
このトランジスタは、図7(a)に示すように、まず、N型半導体基板40にトレンチ30を形成し、トレンチ30の側面と底面とにP-不純物拡散層31を形成する。
【0004】
次に、図7(b)に示すように、トレンチ30の底面をさらに掘り下げてトレンチ32を形成する。
その後、トレンチ32の側面と底面との表層に、例えば熱酸化法により酸化膜33を形成し、トレンチを含む半導体基板40上全面にCVD法を用いてポリシリコン膜を形成する。ポリシリコン膜を、フォトリソグラフィ及びエッチング技術によりゲート電極34にパターニングし、P-LDD用低濃度拡散層35、ゲート電極34の側壁にサイドウォール36、P型高濃度不純物拡散層37を通常の製造方法で形成し、図7(c)及び(d)に示すようなP型高耐圧MOSトランジスタを得る。
得られたトランジスタは、トレンチ32を覆うようにゲート電極34が形成されており、ゲート電極34の側壁にはサイドウォール36、隣接してソース/ドレイン領域となるP型高濃度不純物層37が配置しており、P型高濃度不純物層37とトレンチ32との周囲にはLOCOS法によるアイソレーション領域38が形成されており、ゲート電極34とアイソレーション領域38とが重なる領域にメタル配線とのコンタクト領域39が形成されている。
【0005】
このトランジスタによれば、電界緩和層として機能するP-不純物拡散層31がトレンチ32の側面に形成されるので、トランジスタの占有面積を縮小することができる。
しかし、トレンチ30を形成した後、さらに掘り下げてトレンチ32を形成するので工程が複雑となって、製造コストが高くなり、歩留まりを低下させる。
また、ゲート電極34の側壁にはサイドウォール36を形成し、アイソレーション領域38にはゲート電極34とメタル配線とのコンタクト領域39を形成する必要があるため、その分、高耐圧MOSトランジスタの縮小効果が減少する。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、簡便な製造工程で、高集積化を十分に図ることができる高耐圧MOSトランジスタとして機能し得る半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の半導体装置は、半導体基板と、前記半導体基板内に形成された第1及び第2トレンチと、該第1及び第2トレンチに絶縁膜が埋設されて形成された素子分離領域と、前記第1及び第2トレンチに接し、第1及び第2トレンチよりも浅い第3トレンチと、該第3トレンチ内にゲート酸化膜を介して埋め込まれた埋め込みゲート電極と、前記第3トレンチの側面にのみ配置する電界緩和層と、前記第3トレンチの底面に配置するチャネル領域と、前記半導体基板表面であって、埋め込みゲート電極の両側に配置されたソース/ドレイン領域とからなる。
【0008】
このように、第3トレンチの側壁にのみ電界緩和層を設けることにより、電界緩和の働きを維持したまま、半導体基板表面における電界緩和層の形成面積を小さくでき、微細で、かつ高耐圧の半導体装置を得ることができる。
また、本発明によれば、(a)半導体基板に、互いに平行に第1及び第2トレンチを形成し、
(b)前記第1及び第2トレンチ内に絶縁膜を埋め込み、素子分離領域を形成し、
(c)前記第1及び第2トレンチに接し、該第1及び第2トレンチよりも浅い第3トレンチを形成し、
(d)第1導電型の不純物を傾斜注入して前記第3トレンチの側壁のみに電界緩和層を形成し、
(e)前記第3トレンチ内にゲート酸化膜を介して埋め込みゲート電極を形成し、
(f)前記半導体基板表面に第1導電型の不純物を導入してソース/ドレイン領域を形成することからなり、
前記工程(d)の傾斜注入を、第3トレンチと半導体基板表面との縁辺と、傾斜注入されたイオンを半導体基板表面に投影した軌跡とが45°の角度をもつように、かつ半導体基板表面の法線と注入イオンの軌跡とがなす傾斜角度θと、第3トレンチ幅Lと、第3トレンチ深さDとの関係が
tan θ>(√2)L/D
を満たすように行うことを特徴とする半導体装置の製造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の半導体装置は、主として、半導体基板と、第1及び第2トレンチと、素子分離領域と、第3トレンチと、第3トレンチ内にゲート酸化膜を介して埋め込まれた埋め込みゲート電極と、電界緩和層と、チャネル領域と、ソース/ドレイン領域とからなる。
半導体基板としては、通常、半導体装置に使用されるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の元素半導体、GaAs、InGaAs、ZnSe等の化合物半導体が挙げられる。なかでもシリコン基板が好ましい。この半導体基板上には、他の回路及び/又は半導体装置等が形成されていてもよい。
【0010】
第1及び第2トレンチは、それぞれ特定の方向に延設されており、互いに平行に配置していることが好ましい。トレンチの形状、大きさ等は特に限定されるものではないが、例えば、それぞれ、直方体の形状であることが適当であり、幅は0.5〜2μm程度、深さは1〜2μm程度、第1及び第2トレンチの間隔は0.5〜100μm程度が適当である。なお、第1及び第2トレンチは、必ずしも同じ形状、同じ大きさ及び深さでなくてもよいが、同じ形状等で形成されていることが好ましい。
素子分離領域は、第1及び第トレンチ内に、絶縁膜が埋設されて形成されている。絶縁膜としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜又はこれらの積層膜等が挙げられる。素子分離領域の表面は、半導体基板表面と面一となるように平坦化されていることが好ましい。
【0011】
第3トレンチは、第1及び第2トレンチに接して、第1及び第2トレンチ間に配置されており、その深さは第1及び第2トレンチよりも浅く形成されている。例えば、第3トレンチの長さは0.5〜100μm程度、深さD(図2(c)参照)は第1及び第2トレンチよりも0.3〜1.0μm程度浅く、具体的には、0.3〜0.5μm程度、幅L(図2(c)参照)は0.5〜2μm程度であることが適当である。また、第3トレンチは、略直方体又は略立方体の形状であることが好ましく、略直方体であることがより好ましい。さらに、第3トレンチは、第1及び第2トレンチの各側面を、対向する2面とするような略直方体又は略立方体の形状に形成されていることがより好ましい。なお、製造プロセスや基板の結晶方位等により、厳密には直方体や立方体のように各面が直角に交差せず、やや鈍角や鋭角になることもあるが、本発明においては、これらの場合も包含される。また、同じ半導体基板に、複数の半導体装置が形成される場合には、それらの半導体装置を構成する第3トレンチは、必ずしも同じ形状、深さ及び大きさでなくてもよい。
【0012】
第3トレンチ内には、ゲート酸化膜を介して埋め込みゲート電極が埋め込まれている。ゲート酸化膜は、通常半導体装置のゲート酸化膜として用いられる材料及び膜厚のなかから、適宜選択して形成することができ、埋め込みゲート電極は、導電膜であればどのような材料により形成されていてもよい。埋め込みゲート電極は、半導体基板の表面と面一で形成されていることが好ましい。また、埋め込みゲート電極は、後述するように、第3トレンチの側面に形成された電界緩和層に対してゲート絶縁膜を介して対向しており、さらに、第1及び第2トレンチの中に埋め込まれた絶縁膜に隣接して配置されていることが好ましい。
【0013】
電界緩和層は、第3トレンチの側壁にのみ形成されている限り、側壁の一部にのみ又は側壁の全面にわたって形成されていてもよい。なかでも、側壁の全面にわたって形成されていることが好ましい。なお、側壁の一部に形成される場合には、その大きさ及び位置は、電界緩和層の機能を十分果たして、高耐圧を確保することができる程度であることが必要である。第3トレンチは、第1及び第2トレンチに接して形成されているため、通常、対向する2側面に電界緩和層が形成されている。電界緩和層は、電界を緩和するための不純物がドーピングされていることが好ましく、例えば、リン又は砒素あるいはボロン又はBF2等が、例えば、1×1017〜1×1018cm-3程度の不純物濃度であることが適当である。
【0014】
チャネル領域は、第3トレンチの底面において、埋め込みゲート電極と対向する領域に配置しており、電界緩和層が第3トレンチの側壁の一部にのみ形成されている場合には、チャネル領域は、電界緩和層が形成されていない第3トレンチの側壁まで及んでいてもよい。
ソース/ドレイン領域は、半導体基板の表面領域に形成されており、埋め込みゲート電極の両側に配置されている。ソース/ドレイン領域を構成する不純物は、電界緩和層を構成する不純物と同じ導電型であり、例えば、1×1020 cm-3程度の不純物濃度であることが適当である。
このような構成により、例えば、耐圧が10〜30V程度、あるいはそれ以上の高耐圧の半導体装置を実現することができる。
【0015】
本発明の半導体装置は、P型、N型、CMOS等いずれの高耐圧MOSトランジスタとして形成されていてもよい。また、この半導体装置は、液晶ドライバー、プリンタードライバー、電源用IC等の高耐圧トランジスタとして利用することができ、特に、単一の寸法のゲート長を多用するデバイスに有効である。
また、本発明の半導体装置の製造法方法によれば、まず、工程(a)で、半導体基板に、互いに平行に第1及び第2トレンチを形成する。トレンチの形成は、公知のフォトリソグラフィ及びエッチング技術によりトレンチに対応する開口を有するマスクパターンを形成し、このマスクパターンをマスクとして用いて、半導体基板を掘り下げることにより形成することができる。マスクパターンとしては、レジストの他、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等の絶縁膜又はこれらの積層膜により形成してもよい。また、レジストによるマスクパターンを用いて絶縁膜をパターニングし、このパターニングされた絶縁膜をマスクとして用いてもよい。この場合のマスクは、例えば、シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層膜が適当であり、それぞれ膜厚は50〜300nm程度/5〜200nm程度が挙げられる。
なお、工程(a)の後、工程(b)の前に、犠牲酸化のために、酸化処理に付して、酸化膜を、例えば、3〜50nm程度で形成してもよい。この場合の酸化処理は特に限定されるものではなく、例えば大気中又は酸素雰囲気下で、600〜1000℃程度の温度範囲での熱酸化が挙げられる。
【0016】
次いで、工程(b)において、第1及び第2トレンチ内に絶縁膜を埋め込み、素子分離領域を形成する。絶縁膜は、熱酸化法、プラズマCVD法等の各種のCVD法、蒸着法等の種々の方法により、第1及び第2トレンチを含む半導体基板上全面に形成し、第1及び第2トレンチ以外の半導体基板表面に配置される絶縁膜を除去することにより埋め込むことができる。この場合の絶縁膜の膜厚は、第1及び第2トレンチの深さにより適宜調整することができ、例えば、1〜3μm程度が挙げられる。絶縁膜の除去は、RIE法等のドライエッチング、酸又はアルカリ溶液を用いたウェットエッチング、CMP法等の種々の方法で行うことができる。この際、基板表面と絶縁膜との表面とが一致する、つまり平坦化するように絶縁膜を除去することが好ましい。
【0017】
次に、工程(c)において、第1及び第2トレンチに接し、これら第1及び第2トレンチよりも浅い第3トレンチを形成する。第3トレンチは、上記のように、適当な位置に開口を有するマスクパターンを用いて形成することができる。この場合、半導体基板を構成する材料と、第1及び第2トレンチ内に埋め込まれた絶縁膜との選択比が大きなエッチング条件を選択することが有利である。
なお、工程(c)の後、工程(d)のイオン注入を行う前に、得られた半導体基板をイオン注入から保護するために、酸化処理に付して、犠牲酸化膜を、例えば、10〜20nm程度で形成してもよい。この場合の酸化処理は特に限定されるものではなく、例えば、大気中又は酸素雰囲気下で、600〜1000℃程度の温度範囲で行うことができる。
【0018】
続いて、工程(d)において、第1導電型の不純物を傾斜注入して第3トレンチの側壁のみに電界緩和層を形成する。第1導電型の不純物とは、例えば、リン又は砒素あるいはボロン又はBF2等が挙げられる。
【0019】
この場合のイオン注入は、第3トレンチの側壁のみに不純物が導入できるような条件を選択して行うことが必要である。
【0020】
例えば、半導体基板表面に対する法線と注入イオンの軌跡とがなす傾斜角度をθとし、第3トレンチ幅をLとし、第3トレンチ深さをDとすると、これらの関係が、
tanθ>L/D (1)
を満たすことにより、第3トレンチの底面にはイオンが注入されずに、側面にのみイオン注入することができる。
【0021】
また、第3トレンチと半導体基板表面との縁辺と、傾斜注入されたイオンを半導体基板表面に投影した軌跡とが45°程度の角度をもつように行うことが好ましい(図5(a)参照)。これにより、トランジスタの方向が90度異なるトランジスタの第3トレンチの側面に同時にイオン注入を実現することができる。
このように、45°の角度からイオン注入する場合には、図5(b)に示すように、半導体基板表面の法線と注入イオンの軌跡とがなす傾斜角度θと、第3トレンチ幅Lと、第3トレンチ深さDとの関係が
tanθ>(√2)L/D (2)
を満たすことが好ましい。つまり、注入イオンの軌跡が第3トレンチの底辺と交差するときに形成される直角三角形XYZは、辺YZ=(√2)L、辺XY=D、角YXZ=θとの関係はtanθ =( √2)L/Dとなるため、注入イオンが第3トレンチの底面に到達しないようにするためには、上記式(2)を満たすことが好ましい。
【0022】
通常、第3トレンチは、上述したように、略直方体又は略立方体で形成されていることが好ましいので、第3トレンチに対して上記式(1)又は(2)を満たすように、少なくとも2方向から2回、イオン注入を行うことで、埋め込みゲート電極を挟む2つの領域について電界緩和層を形成することができる。特に、上記式(2)を満たすイオン注入を行う場合には、第3トレンチの側面の全面に電界緩和層を形成するために、90°ずつ回転させて、合計4つの方向からイオン注入を行うことが有効である。また、半導体基板を回転させながらイオン注入を行ってもよい。
【0023】
なお、半導体基板に、第3トレンチが複数個、種々の方向、形状又は深さで形成され、かつ特定の第3トレンチに対する上記式(1)又は(2)を満たすイオン注入によって、他の第3トレンチの底面にイオン注入される場合には、底面にイオン注入されることとなる他の第3トレンチはレジストパターン等によって被覆して、底面にイオン注入されないようにイオン注入することが好ましい。このような場合には、レジストパターン等によって被覆された他の第3トレンチに対しては、個々に、レジストパターン等を利用して底面にイオン注入されないような条件を選択して、複数回、イオン注入することが好ましい。
【0024】
一般に、θは上記式(1)又は(2)を満たすと、第3トレンチの底面にイオンが注入されないが、その値が大きすぎると電界緩和層の有効長が小さくなり、トランジスタ耐圧が十分確保できなくなる。したがって、第3トレンチの深さDのばらつきの下限値Dmin、幅Lのばらつきの上限値Lmaxに対して、
tanθ>Lmax/Dmin (1’)
又は
tanθ>(√2)Lmax/Dmin (2’)
を満たすように設定することが好ましい。具体的には、第3トレンチの幅及び深さを上記の範囲とすると、イオン注入は、半導体基板表面に対する法線から25〜75°程度の角度傾斜させることが適当である。
このようなイオン注入は、例えば、注入エネルギー50〜120keV程度、ドーズ1012cm-2台で行うことが適当である。
さらに、工程(e)において、第3トレンチ内にゲート酸化膜を介して埋め込みゲート電極を形成する。ここでのゲート酸化膜及び埋め込みゲート電極の形成は、通常、当該分野でトレンチ内にゲート酸化膜及び埋め込みゲート電極を形成する方法を利用することができる。なお、先の工程で、第3トレンチ内壁に犠牲酸化膜を形成している場合には、ゲート酸化膜を形成する前に、犠牲酸化膜を除去することが好ましい。この除去は、例えば、ウェットエッチング又はドライエッチング等の公知の方法で行うことができる。
【0025】
次いで、工程(f)において、半導体基板表面に第1導電型の不純物を導入してソース/ドレイン領域を形成する。ここでの不純物の導入は、イオン注入が適当であり、例えば、適当な領域に開口を有するマスクを用いてあるいは用いずに、埋め込みゲート電極に対して自己整合的に形成する。
その後、層間絶縁膜の形成、コンタクトホールの形成、配線層の形成等、半導体プロセスで通常行われる工程を行って半導体装置を完成することができる。なお、本発明においては、上記各工程の前、中、後に、イオン注入、熱処理、導電膜、絶縁膜、不純物層の形成等の種々の工程を任意に行ってもよい。なお、コンタクトホールは、埋め込みゲート電極、ソース/ドレイン領域上にのみ配置するように、これらの領域よりも小さい径で形成することが好ましい。
【0026】
以下に、本発明の半導体装置及びその製造方法の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。なお、製造工程に用いる装置や製造条件等は、通常のMOSトランジスタに用いられている装置や条件と基本的に同じであり、特段の場合を除いて、その詳細な記述を省略する。
【0027】
本発明の半導体装置である高耐圧MOSトランジスタは、図1(a)〜(c)に示したように、シリコン基板1と、シリコン基板1内に互いに平行に形成された第1及び第2トレンチ2、3と、第1及び第2トレンチ2、3に接し、第1及び第2トレンチ2、3よりもやや浅い第3トレンチ5と、第1及び第2トレンチ2、3内にSiO2膜4が埋め込まれて形成された素子分離領域と、第3トレンチ5内にゲート酸化膜8を介して埋め込まれた埋め込みゲート電極9と、第3トレンチ5の側面にのみ配置する電界緩和層7と、第3トレンチ5の底面に配置するチャネル領域11と、シリコン基板1表面であって、埋め込みゲート電極9の両側に配置されたソース/ドレイン領域10とから構成される。
【0028】
このように、電界緩和層7を第3トレンチ5の側面にのみ配置し、チャネル領域11を第3トレンチ5の底面に配置しているため、高耐圧MOSトランジスタを、より小さな占有面積で構成することができる。
このようなトランジスタは、以下の方法により形成することができる。
まず、図2(a)に示したように、P型半導体基板であるシリコン基板1に、初期酸化膜16を熱酸化により10〜45nm程度の膜厚で、さらにその上に、SiN膜17を熱CVD法により80〜200nm程度の膜厚で形成する。その上に、所定形状を有するレジストパターン(図示せず)を形成し、これをマスクとしてドライエッチングによってSiN膜17及び初期酸化膜16を順次パターニングするとともに、ドライエッチングを継続することによりシリコン基板1に、それぞれ深さ1〜2μm程度、幅0.5〜2μm程度で、互いに平行に延びる第1トレンチ2と第2トレンチ3とを形成する。
【0029】
次いで、第1及び第2トレンチ2、3の底面及び側面を覆う熱酸化膜(図示せず)を10nm程度の膜厚で形成し、第1及び第2トレンチ2、3を含むシリコン基板1上全面に、熱CVD法により、1〜3μmの膜厚でSiO2膜4を形成し、化学機械研磨(CMP)によりSiN膜17上に配置するSiO2膜4を除去し、SiN膜17及び初期酸化膜16を、それぞれ熱リン酸溶液及びHF水溶液により除去することにより、図2(b)に示すように、SiO2膜4を第1及び第2トレンチ2、3に埋め込む。これにより、素子分離領域が形成される。
【0030】
次に、図2(c)、(d)に示すように、第3トレンチ5を、第1及び第2トレンチ2、3に接するように、0.5〜2μmの幅Lで直方体の形状に形成する。第3トレンチ5の深さDは0.5〜1.7μm程度とする。
その後、得られたシリコン基板1を900℃の酸素雰囲気中で酸化し、第3トレンチ内壁に10〜20nm程度の膜厚の犠牲酸化膜(図示せず)を形成する。続いて、図3(e)、(f)に示すように、N型の不純物イオン、例えばリンを注入エネルギー80keV、ドーズ5×1012cm-2で傾斜注入し、第3トレンチ5側壁にのみN型の電界緩和層7を形成する。この際のイオン注入は、図5(a)、(b)に示すように、第3トレンチ5の側面とシリコン基板1表面とでなる縁辺Aと傾斜注入されたイオンをシリコン基板1表面に垂直に投影した軌跡Bとが45°の角度となるように行う。また、上記式(2)から、θ=20〜75°となるように行う。これにより、電界緩和層7は、第3トレンチ5の底面には形成されない。その後、犠牲酸化膜(図示せず)を除去する。
【0031】
次に、図3(g)、(h)に示すように、得られた第3トレンチ5を含むシリコン基板1の表面に酸化膜を、例えば、膜厚30〜50nm程度で行うことにより、第3トレンチ5の底面、側面及びシリコン基板1表面にゲート酸化膜8を形成する。
次いで、図3(i)、(j)に示すように、CVD法により高濃度のN型(例えばリン)不純物を3×1020cm-3で含むポリシリコン膜を0.3〜1μmの膜厚で形成し、ポリシリコン膜の表面をエッチングし、第3トレンチ5内に埋め込みゲート電極9を形成する。
続いて、高濃度のN型のイオン(例えば砒素)を、注入エネルギー50keV、ドーズ4×1015cm-2で、シリコン基板1の法線方向から注入し、図4(k)、(l)に示すように、第3トレンチ5の両側に、高濃度N型拡散層からなるソース/ドレイン領域10を形成する。
その後、図4(m)、(n)に示すように、得られたシリコン基板1上全面に層間絶縁膜12をCVD法により形成し、第3トレンチ5上にコンタクト孔13を、ソース/ドレイン領域10上にコンタクト孔14を形成し、メタル配線15を形成する。これにより、高耐圧MOSトランジスタを形成することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体基板に形成されたトレンチ内に埋め込みゲート電極が形成されているとともに、トレンチの側壁に電界緩和層が配置しているため、電界緩和層の半導体基板上に占める面積をほぼゼロにすることにより、高耐圧を確保しながら、30〜50%程度の占有面積の縮小、ひいては半導体装置の微細化を大幅に図ることができる。
しかも、トレンチを形成した後で、電界緩和層の形成のためのイオン注入を、傾斜角度をもたせた特定の条件で行うことにより、複雑な工程を経ることなく、簡便な工程で、高耐圧の半導体装置を製造することができ、製造コストの低減及び歩留まりの向上を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の実施の形態を説明するための要部の概略平面図(a)及び要部の概略断面図(b)、(c)である。
【図2】本発明の半導体装置の製造方法の実施の形態を説明するための要部の概略断面工程図である。
【図3】図2のつづきの概略断面工程図である。
【図4】図3のつづきの概略断面工程図である。
【図5】本発明の半導体装置の製造方法におけるイオン注入の方法を説明するための要部の概略平面図(a)及び斜視図(b)である。
【図6】従来の半導体装置を示す概略断面図である。
【図7】従来の別の半導体装置の製造方法を示す要部の概略断面工程図(a)から(c)及び平面図(d)である。
【符号の説明】
1 シリコン基板(半導体基板)
2 第1トレンチ
3 第2トレンチ
4 SiO2膜
5 第3トレンチ
7 電界緩和層
8 ゲート酸化膜
9 埋め込みゲート電極
10 ソース/ドレイン領域
11 チャネル領域
12 層間絶縁膜
13、14 コンタクト孔
15 メタル配線
16 初期酸化膜
17 SiN膜
A 第3トレンチ側面と半導体基板表面とでなる縁辺
B 傾斜注入されたイオンを半導体基板表面に垂直に投影した軌跡
D 第3トレンチの深さ
L 第3トレンチの幅
θ 半導体基板表面に対する法線と注入イオンの軌跡とがなす傾斜角度
Claims (3)
- (a)半導体基板に、互いに平行に第1及び第2トレンチを形成し、
(b)前記第1及び第2トレンチ内に絶縁膜を埋め込み、素子分離領域を形成し、
(c)前記第1及び第2トレンチに接し、該第1及び第2トレンチよりも浅い第3トレンチを形成し、
(d)第1導電型の不純物を傾斜注入して前記第3トレンチの側壁のみに電界緩和層を形成し、
(e)前記第3トレンチ内にゲート酸化膜を介して埋め込みゲート電極を形成し、
(f)前記半導体基板表面に第1導電型の不純物を導入してソース/ドレイン領域を形成することからなり、
前記工程(d)の傾斜注入を、第3トレンチと半導体基板表面との縁辺と、傾斜注入されたイオンを半導体基板表面に投影した軌跡とが45°の角度をもつように、かつ半導体基板表面の法線と注入イオンの軌跡とがなす傾斜角度θと、第3トレンチ幅Lと、第3トレンチ深さDとの関係が
tan θ>(√2)L/D
を満たすように行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記第1及び第2トレンチを互いに平行に配置し、前記第3トレンチを、前記第1及び第2トレンチの各側面を対向する2面とする略直方体又は略立方体形状に形成する請求項1に記載の方法。
- 前記工程(d)の傾斜注入を、前記半導体基板表面の法線を軸として、90°づつ回転して、4方向から行う請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002197565A JP4031677B2 (ja) | 2002-07-05 | 2002-07-05 | 半導体装置の製造方法 |
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