JP4030898B2 - 車輌用前照灯 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規な車輌用前照灯に関する。詳しくは、リフレクタによって集光された光を凸レンズによって前方へ投射する車輌用前照灯において、光源を増やさずに発光面積を増大させて対向車等からの被視認性を高め、且つ、光束の有効利用を図って視認性を高める技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
車輌、特に、自動車用の前照灯に、いわゆるプロジェクタ型の前照灯がある。プロジェクタ型前照灯は、集光性を有するリフレクタと、光源と、上記光源から出射され上記リフレクタで反射された光を前方へ投射する凸レンズとを備え、リフレクタの見かけ面積が小さい割に大きな光束数を出射することができ、正面面積を小さく構成することが出来る。従って、前照灯を小型に構成することが出来る。
【0003】
また、リフレクタの集光領域に遮光部材を配置することによって、配光パターンに明瞭なカットライン(明暗境界線)を形成することが出来るので、幻惑光の照射を効果的に抑えることが出来、すれ違いビームの照射に好適である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したプロジェクタ型の前照灯にあっては、前照灯の奥行をなるべく小さくするために、リフレクタの集光領域近傍に配置された凸レンズによって光の投射が行われるので、投射レンズの有効透過面積は極めて小さなものとなる。そのため、発光面積が極めて小さなものとなるので、対向車や先行車のドライバー及び歩行者から視認しづらく、対向車や先行車のドライバー及び歩行者がすれ違い車輌や後続車輌及び近接してくる車輌に気付くのが遅れる惧がある。
【0005】
また、すれ違いビームを照射する車輌用前照灯にあっては、遮光部材によって遮られる方向に向かった光が無駄となり、その分利用光束数が減少してしまうという問題もある。
【0006】
さらに、プロジェクタ型の前照灯にあっては、リフレクタで凸レンズの焦点近傍に集光パターンを形成し、それを凸レンズで拡大することで配光パターンとするため、リフレクタに複数の反射ステップを設けて所望の配光パターンを形成する前照灯と比較して、配光パターンの所望の場所に光を向けることが難しいといった問題がある。さらに、凸レンズにより光源像が拡大されてしまうため、ホットゾーン(配光パターンの集光領域)を形成し難いという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、プロジェクタ型の車輌用前照灯において、発光面積を増大させて対向車等からの被視認性を向上させると共に光束の有効利用を図って視認性を高めることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明車輌用前照灯は、上記した課題を解決するために、リフレクタと凸レンズとの間の位置で放電バルブより下方に配置された透明な導光体が照射軸から離間する方向に突出され、上記導光体は、放電バルブに臨んだ入射面と該入射面から導光体内に入射した光を反射させて前方へ照射する反射面を備え、上記リフレクタの光軸を挟んで導光体の反対側に付加リフレクタが設けられ、上記導光体の前面の一部に上記付加リフレクタからの反射光を前方へ向けて反射する付加反射面が形成され、上記導光体によって前方へ照射された光が上記凸レンズから投射された光によって形成される配光パターンに付加照射されるようにしたものである。
【0009】
従って、本発明車輌用前照灯にあっては、リフレクタと凸レンズとの間の位置から照射軸から離間する方向に突出された導光体が光るので、前方から見たときの発光面積が大きくなり、視認されやすくなる。
【0010】
また、リフレクタの反射面があったとしても、遮光部材によって無駄になってしまうはずの光束を導光体によって凸レンズから投射された配光パターンに付加照射することによって、配光パターンの所望の場所に光を向けることが出来、さらには配光パターンのホットゾーンを形成し易くなる。そして、さらに、光源が放電バルブであり、リフレクタの光軸を挟んで導光体の反対側に付加リフレクタが設けられ、導光体の前面の一部に上記付加リフレクタからの反射光を前方へ向けて反射する付加反射面が形成されたので、放電バルブの下方へ照射される着色光の色を付加リフクレタ及び付加反射面を介して照射される光の色によって緩和又は除去して路面照射光の色むらを解消することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明車輌用前照灯の詳細を、図1乃至図7に示す比較例と共に説明する。なお、図示した各比較例と実施の形態は、すれ違いビームを照射する自動車用前照灯(以下、「前照灯」と称する)に適用したものである。
【0012】
図1乃至図4は本発明車輌用前照灯の第1の比較例を示すものである。
【0013】
前照灯1は前方に開口した凹部を有するランプボディ2と該ランプボディ2の前面開口を覆うカバーレンズ3とによって画成された灯室4内にリフレクタ5、光源6、凸レンズ7、導光体8等が配設されて成る。
【0014】
上記カバーレンズ3は透明な材料で形成され、光の屈折制御あるいは反射屈折制御を行うレンズステップと称される素子を有しない、いわゆる素通しのものであるが、必要に応じてレンズステップを形成しても良い。
【0015】
リフレクタ5は光源6から出射された光を反射して所定の領域に集光させる特性を有する反射面5aを有する。上記集光域は前方から見て上下幅に比較して左右幅が大きい横長で前後にもやや広がりを持った領域である。
【0016】
上記リフレクタ5に光源として白熱バルブ6が取り付けられている。白熱バルブ6のフィラメント6aが封入されたガラス球6bの前面にはブラックトップと称される遮光膜6cが付与されており、該遮光膜6cによってフィラメント6aから凸レンズ7に直射される光が遮蔽されるようになっている。
【0017】
なお、光源として使用できるのは、白熱バルブ6に限定されず、放電バルブ、その他の点灯方式のバルブも採用することができる。
【0018】
リフレクタ5及び白熱バルブ6の前方に凸レンズ7が配置され、該凸レンズ7によってリフレクタ5の反射面5aによって反射された白熱バルブ6の光が前方へすれ違いビームとして照射軸x−xに沿って投射される。
【0019】
上記白熱バルブ6と凸レンズ7との間の位置に遮光部材として遮光板9が配置される。該遮光板9はすれ違いビームの配光パターンの上縁(「カットライン」と称される)を限定するものであり、遮光板9の上端縁9aが上記したリフレクタ5の集光域内に位置するように配置され、この遮光板9の上端縁によって上記カットラインが形成される。そして、上記凸レンズは、その焦点Fが遮光板9の上端縁9aの左右方向における中央部近傍に位置するように配置される。
【0020】
上記灯室4内でリフレクタ5の下方に導光体8が配設される。
【0021】
導光体8は透明な材料で形成され、側方から見て楔状を為している。導光体8は上端面である入射面10、入射面10の前端からほぼ垂直に下方へ延びる出射面11及び入射面10の後端と出射面11の下端との間を結ぶ反射面12を有し、入射面10にはフレネルステップ13、13、・・・(図3参照)が白熱バルブ6のフィラメント6aの位置をほぼ中心とする同心円状に形成されている。そして、導光体8は入射面10がリフレクタ5と遮光板9との間でリフレクタ5の下端とほぼ同じ高さに位置するように配置される。
【0022】
白熱バルブ6のフィラメント6aから出射し下方へ向かった光14、14、・・・は導光体8の入射面10に入射する。そして、上記光14、14、・・・はフレネルステップ13、13、・・・で屈折されて導光体8内を反射面12に向かう。なお、フレネルステップ13、13、・・・は入射面10に入射した光を反射面12に向かわせるためのものであるので、屈折のみによって光を制御する屈折型フレネルステップに限らず、反射によって光を制御する反射型フレネルステップであってもかまわない。すなわち、当該部位に形成するステップとしてどちらの型のフレネルステップが効率よく光を所望の方向、すなわち、反射面12の方向に向けることができるかという観点から選択されるものである。また、フレネルステップ13、13、・・・を、上記したように、白熱バルブ6のフィラメント6a位置をほぼ中心とする同心円状に形成するのは、正面形状で矩形を為す導光体8の反射面12にほぼ均一に光を振り向けるのに好適であるからであるが、正面方向から見て入射面12から放射状に導光体8内に光を振り向ける場合には、左右に延びる平行な直線状に形成すると良い。
【0023】
上記フレネルステップ13、13、・・・によって制御されて反射面12に向かった光14、14、・・・は反射面12によって反射されて出射面11から出射される。そして、出射面11から出射された光14、14、・・・は凸レンズ7によって前方へ投射された光15、15、・・・によって形成されるすれ違いビームの配光パターン16に付加照射される。導光体8から出射される光14、14、・・・が付加照射される位置は特に限定されないが、例えば、カットライン17の左右における中央部のやや下側、いわゆるホットゾーン18に付加照射して、走行路の遠方視認性を向上させることが考えられる。
【0024】
上記した前照灯1にあっては、リフレクタ5によって反射された光13、13、・・・が投射されることによって光って見える箇所である凸レンズ7の前方から見た面積は小さく、対向車や先行車のドライバー及び歩行者から視認しづらいが、導光体8も前方から見て光って見えるので、全体の発光面積が大きくなり、対向車や先行車のドライバー及び歩行者から視認しやすくなり、対向車や先行車のドライバー及び歩行者がすれ違い車輌や後続車輌及び近接してくる車輌に気付くのが遅れるという惧が無くなる。
【0025】
また、導光体8の入射面10が配置された場所、すなわち、フレクタ5と遮光板9との間でリフレクタ5の下端とほぼ同じ高さに位置する場所は、そこにリフレクタ5の反射面が仮に形成されていたとしても、該反射面で反射された光は、遮光板9によって遮られて(図1に2点鎖線で示す19参照)前方に投射されないか、遮光板9によって遮られない光(図1に2点鎖線で示す20参照)は極端に上方へ向かって、そのまま前方へ投射されれば、対向車のドライバー等に対する幻惑光となり、また、ランプボディ2の内面、バンパー等で2次、3次、・・・と反射されて、これも幻惑光となる。従って、上記光19、20が生じないように上記場所には反射面を形成しないようにしたり、仮に上記場所に反射面を形成した場合には、上記光20が外部に照射されないように、適当な遮光手段を講じる等の対処をしなければならないようなものである。上記前照灯1にあっては、このように本来無駄な光となってしまう光14、14、・・・を導光体8によって前方へ照射し、且つ、凸レンズ7によって投射された光によって形成される配光パターン16に付加照射するので、光源6から出射された光を有効に利用することが出来ると共に、配光パターンの所望の場所に光を向けることが出来、さらには配光パターンのホットゾーンを形成し易くなる。
【0026】
図5は第1の比較例における導光体の変形例を示すものである。
【0027】
この変形例にかかる導光体8Aは正面形状が上記導光体8と異なる。すなわち、該導光体8Aは正面形状で円弧部が下側に位置した扇形をしている。その他の部分については上記導光体8と同様である。
【0028】
従って、この変形例にかかる導光体8Aにあっては発光面積がより大きくなり、被視認性がさらに向上する。
【0029】
なお、上記導光体8及び8Aの反射面12はいずれも傾斜した面として説明したが、このようにすることによって、出射面11と対向した面の全面を有効反射面とすることが出来、光束の利用効率がよい。しかしながら、出射面11と対向する面の全部を有効反射面とする必要がない場合又は被視認性の更なる向上やレイアウト上の都合により出射面11の面積を拡大した場合は、出射面11に対向した面を入射面10及び出射面11に対して共に傾斜した反射面と入射面10に対して垂直で且つ出射面11に対して平行な非反射面とを交互に形成した階段状の面としても良い。
【0030】
図6は第1の比較例における導光体の別の変形例を示すものである。
【0031】
この変形例にかかる導光体8Bは、後下がりに傾斜した入射面21と該入射面21の前端から基準面が前下がりに傾斜した出射面22と入射面21の後端と出射面22の下端との間を結ぶ反射面23とを備え、上記出射面22が階段状に、すなわち、ほぼ前後方向に延びる水平面22a、22a、・・・と前方に対して正対した垂直面22b、22b、・・・とが交互に形成されたものである。そして、導光体8Bは、入射面21の前端が遮光板9の下端に近接し、入射面21の後端がリフレクタ5の反射面5aの下端5a′のほぼ下方に位置するように配置される。
【0032】
導光体8Bを上記したように配置することにより、光源と入射面21との距離が大きくなるため、照射される光源像が小さなものとなり、配光パターンのホットゾーン(集光領域)が形成し易くなる。
【0033】
また、導光体8Bの出射面22を階段状にしたのは、反射面23で反射された光を垂直面22b、22b、・・・から出射させることによって出射時に光が上方に屈折して照射光が上方に向かわないようにするためである。従って、出射時に大きな屈折があっても構わないならば、出射面22を階段状にする必要はない。
【0034】
図7は本発明車輌用前照灯の第2の比較例を示すものである。なお、図7には、要部以外のもの、すなわち、ランプボディや前面カバー等の図示は省略してある。
【0035】
この第2の比較例にあっては、上下左右計4個の導光体8U、8D、8L、8Rが突設されたものである。
【0036】
従って、この第2の比較例にあっては、第1の比較例に比較して導光体による発光面積が約4倍になり、前方からの被視認性が著しく向上する。
【0037】
図8は本発明車輌用前照灯の実施の形態を示すものである。なお、図8には、第2の比較例におけると同様に、要部以外のもの、すなわち、ランプボディや前面カバー等の図示は省略してある。
【0038】
この実施の形態も、すれ違いビームを照射する前照灯に本発明を適用したものである。従って、リフレクタ5Cと凸レンズ7との間に遮光部材として遮光板9Cが配置され、リフレクタ5Cによって反射された光のうちの一部を凸レンズ7に対して遮って、配光パターンの上縁(カットライン)を限定するようになっている。
【0039】
リフレクタ5Cに対する所定の位置に放電バルブ24が光源として配置される。そして、リフレクタ5Cの下端と遮光板9Cとの間の位置から下方へ延びる導光体8Cが配置され、リフレクタ5Cの光軸x−xを挟んで導光体8Cの反対側の位置に付加リフレクタ25が配置される。付加リフレクタ25は放物面形状の反射面を有する放物面部25aと平面反射面を有する平面部25bとから成り、放電バルブ24からの光を放物面部25aで平行光束として平面部25bに向けて反射し、平面部25bによって導光体8Cの前面に向けて反射するようになっている。
【0040】
導光体8Cの後面には前下がりに傾斜した反射面26、26、・・・が間隔を開けて上下方向に配列されている。また、導光体8Cの前面には前下がりに傾斜した付加反射面27、27、・・・とリフレクタ5Cの光軸x−xに対してほぼ垂直な面を為す透光面28、28、・・・とが交互に形成されている。上記透光面28、28、・・・は上記反射面26、26、・・・と前後方向でほぼ対向した位置に形成されている。そして、上記付加リフレクタ25は放電バルブ24から直射された光29、29、・・・を付加反射面27、27、・・・へ向けて反射するようになっている。
【0041】
この実施の形態にかかる前照灯にあっては、リフレクタ5Cで反射されて遮光板9Cの上縁近傍で集光した光30、30、・・・は、遮光板9Cによって遮られたものを除いて凸レンズ7によって前方へ投射されてすれ違いビームの配光を形成する。また、導光体8Cの入射面31から導光体8C内に入射した光は32、32、・・・は導光体8Cの後面の反射面26、26、・・・で反射されて導光体8Cの前面に形成された透光面28、28、・・・を透過して前方に照射される。さらに、付加リフレクタ25で反射された光29、29、・・・は導光体8Cの前面に形成された付加反射面27、27、・・・で反射されて上記光32、32、・・・と混合されて前方へ照射される。これによって、上記した第1の比較例におけると同様の効果を奏する。
【0042】
放電バルブ24を光源として使用した場合、放電バルブ24のガラスチューブの下側に沃化物が溜まるため、該沃化物を透過して導光体8Cの入射面31に入射する光32、32、・・・は黄色味がかった光となる。そのため、導光体8Cの後面の反射面26、26、・・・によって反射されて前方へ照射される光は黄色味がかった色となり、前方路面を照射する光に色むらが生じ、視認性を低下させるという問題がある。そこで、上記第3の実施の形態にあっては、付加リフレクタ25によって導光体8Cの付加反射面27、27、・・・に放電バルブ24本来の発光色の光若しくは青味がかった光29、29、・・・を照射し、該光を付加反射面27、27、・・・によって前方へ照射して上記黄色味がかった光32、32、・・・と混合することによって、路面照射光の色むらを解消することができる。
【0043】
また、付加リフレクタ25によって、本来上方に向かってロス光となる光を前方の路面照射に振り向けることができ、放電バルブ24から出射される光を効率よく利用することができる。
【0044】
なお、放電バルブ24の光の一部を付加反射面27、27、・・・に向けて反射するための付加リフレクタの反射面の形状は、上記した2部25a、25b構成のもの25に限らず、放電バルブ24からの光を付加反射面27、27、・・・へ向けて反射することができるものであれば、例えば、回転楕円面反射面等適宜の形状であってかまわない。
【0045】
また、付加反射面27、27、・・・によって反射される光を青味がかった光とするときは、例えば、付加リフレクタ25の反射面に青色のコーティングを施すことによって可能であるほか、付加反射面27、27、・・・の表面に青色のコーティングを施す等、適宜の手段を適用することができる。さらには、導光体8Cを青味がかった透明材料で形成することによっても、上記色むらを解消することができる。
【0046】
なお、上記した各比較例と実施の形態には、本発明をすれ違いビームを照射する自動車用前照灯に適用したものを示したが、本発明の適用範囲がすれ違いビームを照射する自動車用前照灯に限定されることを意味するものではない。例えば、自動車用前照灯であっても、走行ビームを照射する自動車用前照灯に適用しても上記した効果を奏するものであり、そのような適用も本発明の技術的範囲に入るものである。。
【0047】
その他、上記した各比較例と実施の形態に示した各部の形状乃至構造は、いずれも本発明を実施するに際して行う具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。
【0048】
【発明の効果】
以上に記載したところから明らかなように、本発明車輌用前照灯は、集光性を有するリフレクタと放電バルブと放電バルブから出射されリフレクタで反射された光を前方へ投射する凸レンズとを備えた車輌用前照灯であって、リフレクタと凸レンズとの間の位置で放電バルブより下方に配置された透明な導光体が照射軸から離間する方向に突出され、上記導光体は、放電バルブに臨んだ入射面と該入射面から導光体内に入射した光を反射させて前方へ照射する反射面を備え、上記リフレクタの光軸を挟んで導光体の反対側に付加リフレクタが設けられ、上記導光体の前面の一部に上記付加リフレクタからの反射光を前方へ向けて反射する付加反射面が形成され、上記導光体によって前方へ照射された光が上記凸レンズから投射された光によって形成される配光パターンに付加照射されることを特徴とする。
【0049】
従って、本発明車輌用前照灯にあっては、リフレクタと上記凸レンズとの間の位置から照射軸から離間する方向に突出された導光体が光るので、前方から見たときの発光面積が大きくなり、視認されやすくなる。
【0050】
また、リフレクタの反射面があったとしても、遮光部材によって無駄になってしまうはずの光束を導光体によって凸レンズから投射された配光パターンに付加照射することによって、配光パターンの所望の場所に光を向けることが出来、さらには配光パターンのホットゾーンを形成し易くなる。そして、さらに、光源が放電バルブであり、リフレクタの光軸を挟んで導光体の反対側に付加リフレクタが設けられ、導光体の前面の一部に上記付加リフレクタからの反射光を前方へ向けて反射する付加反射面が形成されたので、放電バルブの下方へ照射される着色光の色を付加リフクレタ及び付加反射面を介して照射される光の色によって緩和又は除去して路面照射光の色むらを解消することができる。
【0051】
請求項2に記載した発明にあっては、複数個の導光体が設けられているので、発光面積がさらに大きくなり、被視認性がさらに向上する。
【0052】
請求項3に記載した発明にあっては、リフレクタと凸レンズとの間にリフレクタからの反射光の一部を遮って配光の上縁を限定する遮光部材が設けられているが、上記導光体は放電バルブより下方に配置されているので、配光の上縁を限定するために遮光部材によって遮られてしまう光を前方へ照射することができ、光源の光の有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2乃至図4と共に本発明車輌用前照灯の第1の比較例を示すものであり、本図は縦断面図である。
【図2】 要部の正面図である。
【図3】 導光体の斜視図である。
【図4】 配光パターンを示す図である。
【図5】 導光体の変形例を示す正面図である。
【図6】 導光体の別の変形例を示す縦断面図である。
【図7】 本発明車輌用前照灯の第2の比較例を示す要部の正面図である。
【図8】 本発明車輌用前照灯の実施の形態を示す要部の縦断面図である。
【符号の説明】
1…自動車用前照灯(車輌用前照灯)、5C…リフレクタ、8C…導光体、9C…遮光板(遮光部材)、24…放電バルブ、25…付加リフレクタ、26…反射面、27…付加反射面、29…付加リフレクタ及び付加反射面を介して照射される光、30…凸レンズによって投射される光、31…入射面、32…導光体を透過して照射される光、x−x…リフレクタの光軸
Claims (3)
- 集光性を有するリフレクタと、放電バルブと、上記放電バルブから出射され上記リフレクタで反射された光を前方へ投射する凸レンズとを備えた車輌用前照灯であって、
上記リフレクタと上記凸レンズとの間の位置で上記放電バルブより下方に配置された透明な導光体が照射軸から離間する方向に突出され、
上記導光体は、上記放電バルブに臨んだ入射面と該入射面から導光体内に入射した光を反射させて前方へ照射する反射面を備え、
上記リフレクタの光軸を挟んで導光体の反対側に付加リフレクタが設けられ、
上記導光体の前面の一部に上記付加リフレクタからの反射光を前方へ向けて反射する付加反射面が形成され、
上記導光体によって前方へ照射された光が上記凸レンズから投射された光によって形成される配光パターンに付加照射される
ことを特徴とする車輌用前照灯。 - 複数個の導光体が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用前照灯。 - リフレクタと凸レンズとの間にリフレクタからの反射光の一部を遮って配光の上縁を限定する遮光部材が設けられた
ことを特徴とする請求項1に記載の車輌用前照灯。
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