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JP4030865B2 - コンソールレス装置の初期設定システム、初期設定方法、及びプログラム - Google Patents

コンソールレス装置の初期設定システム、初期設定方法、及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンソールレス装置の初期設定システム、初期設定方法、及びプログラムに関し、特にサーバとネットワークで接続するクライアントからサーバの設定を実行する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
TCP/IPプロトコルにて接続されたネットワーク環境においては、ストレージサーバやネットワークプリンタなどの各ネットワークデバイスはユニークで固定的なMACアドレスが付与されているが、論理的にユニークに割り振られたIPアドレスを宛先としてデータ通信を行っている。従ってIPアドレスが設定されていないネットワークデバイスとはデータ通信できないため、通信前には必ずIPアドレスを含むネットワーク関連の設定情報が設定されなければならない。
【0003】
また、IPアドレスは32ビット或いは64ビットの数字列からなりこの数字列によりホスト(マシン)の識別を行っているが、人間が扱う上では利用し難いので、人間が利用し易いように、文字列で表現したものを使用する。これをホスト名と呼ぶ。ホスト名は、階層化されたドメイン名と呼ばれるものとマシン名から構成され、例えば“machine1.domein2.domein3”のようになる。この例の場合マシン名は“machine1”であり、ドメイン名は、ピリオドで分けられた部分の名前(ラベルという)の連なりからなる文字列“domein2.domein3”で構成される。
【0004】
またネットワークデバイスはマシン名、IPアドレス、サブネットマスクの初期設定や初期設定後の設定変更はネットワークサーバに接続された入力装置や表示装置を含むコンソールを用いて設定している。ところが、ネットワークデバイスの中でも特にサーバのようにシステムへの組み込み等の特殊な場合以外通常はコンソールを必要としないデバイスはコンソールを持たない形態(コンソールレスという)で使用するようになってきている。
【0005】
また、特開平11−249989号公報によれば、LAN(local area network)に接続するオプションI/Fカードの設定情報の設定の際に、IPアドレスを含む設定情報が設定済みかを判断して未設定の際はブロードキャストで設定を実行し既設定の際は通常のユニキャストで設定を実行するが、設定状態の判断のために指示されたオプションI/Fカードに対してPINGを発行し応答によってIPアドレスが設定済みか否かを判断している。ただし、特開平11−249989号公報ではどのような手段によりブロードキャスト通信を行うかについての具体的な記載はされていない。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−249989号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
コンソールレス構成のサーバに対して初期設定や再設定を実行する場合、小型の特殊な表示装置や入力装置を設けるか、又は設定の際に表示装置や入力装置を利用者が一時的にネットワークサーバに接続しなければならないという問題がある。また、利用者は、ネットワークサーバの設置場所に移動して設定操作をしなければならなかった。
【0008】
また、特開平11−249989号公報では、オプションI/Fカードの初期設定を実行する際に、オプションI/FカードのIPアドレスの設定が済んでいるか否かを確認するためにPINGを発行しその応答によって判定を行っている。従って、IPアドレスの設定状態の確認のために余計な通信をLAN上で実行しなければならないという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、これらの問題を解決し、UDPプロトコルの通信を使用して離れた場所にあるクライアント装置からコンソールレスのサーバ装置のネットワーク情報の設定を実行できるようにした初期設定システム、初期設定方法、及びプログラムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の初期設定システムは、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部を有するサーバ装置と、クライアント装置と、これらを接続するネットワークからなる初期設定システムであって、
サーバ装置はクライアント装置から設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けて設定情報部から設定情報を読み出し、設定情報の設定状態を明示するように設定情報を操作して自動発見応答のブロードキャストで返送することを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の初期設定システムは、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部を有するサーバ装置と、クライアント装置と、これらを接続するネットワークからなる初期設定システムであって、
サーバ装置はクライアント装置から設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けて設定情報部から設定情報を読み出し、設定情報の設定状態を明示するように設定情報を操作して自動発見応答のブロードキャストで返送し、
クライアント装置は自動発見応答のブロードキャストが返送されると、応答された設定情報に明示された設定状態が未設定状態の場合にはこの応答をしたサーバ装置の設定情報が未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示することを特徴とする。
【0012】
本発明の第3の初期設定システムは、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部を有するサーバ装置と、クライアント装置と、これらを接続するネットワークからなる初期設定システムであって、
サーバ装置はクライアント装置から設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けて設定情報部から設定情報を読み出したあと、設定情報が未設定の場合には読み出したマシン名を読み出したMACアドレスに変換した設定情報を自動発見応答のブロードキャストで返送することを特徴とする。
【0013】
本発明の第4の初期設定システムは、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部を有するサーバ装置と、クライアント装置と、これらを接続するネットワークからなる初期設定システムであって、
クライアント装置はサーバ装置の設定情報を読み出す自動発見要求の応答である自動発見応答のブロードキャストが返送されると、応答された設定情報のマシン名がMACアドレスと一致していた場合にはこの応答をしたサーバ装置の設定情報が未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示することを特徴とする。
【0014】
本発明の第5の初期設定システムは、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部を有するサーバ装置と、クライアント装置と、これらを接続するネットワークからなる初期設定システムであって、
クライアント装置はサーバ装置の設定指示を受けるとネットワークに対して自動発見要求のUDP(user datagram protocol)のブロードキャストを発行し、
次に、サーバ装置は自動発見要求を受けると設定情報部から設定情報を読み出し、設定情報が未設定の場合には読み出したマシン名を読み出したMACアドレスに変換して自動発見応答のUDPのブロードキャストを返信し、
次に、クライアント装置は、自動発見応答を受け取ると、応答された設定情報のマシン名とMACアドレスとが一致していた場合は未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示し、
次に、未設定のサーバ装置に対して設定の指示を受けた場合、クライアント装置は受け付けた設定情報を設定変更要求のUDPのブロードキャストを発行し、既設定のサーバ装置に対して設定の指示を受けた場合、クライアント装置は受け付けた設定情報を設定変更要求として指定されたサーバ装置宛のUDPのユニキャストを発行し、
次に、サーバ装置は、設定変更要求を受け取ると設定情報部を受け取った設定情報で設定することを特徴とする。
【0015】
本発明の第6の初期設定システムは、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部を有するサーバ装置と、クライアント装置と、これらを接続するネットワークからなる初期設定システムであって、
サーバ装置は設定情報が未設定の状態の場合マシン名をMACアドレスと同一にして設定情報部に登録しておき、
次に、クライアント装置はサーバ装置の設定指示を受けるとネットワークに対して自動発見要求のUDP(user datagram protocol)のブロードキャストを発行し、
サーバ装置は自動発見要求を受けると設定情報部から設定情報を読み出して自動発見応答のUDPのブロードキャストを返信し、
次に、クライアント装置は、自動発見応答を受け取ると、応答された設定情報のマシン名とMACアドレスとが一致していた場合は未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示し、
次に、未設定のサーバ装置に対して設定の指示を受けた場合、クライアント装置は受け付けた設定情報を設定変更要求のUDPのブロードキャストを発行し、既設定のサーバ装置に対して設定の指示を受けた場合、クライアント装置は受け付けた設定情報を設定変更要求として指定されたサーバ装置宛のUDPのユニキャストを発行し、
次に、サーバ装置は、設定変更要求を受け取ると設定情報部を受け取った設定情報で設定することを特徴とする。
【0016】
本発明の第7の初期設定システムは、本発明の第2、第4、第5、又は第6の初期設定システムにおいて、前記サーバ一覧情報における未設定状態の明示は、マシン名を“未設定”としたことを特徴とする。
【0017】
本発明の第1の初期設定方法は、サーバ装置がネットワークを介して接続するクライアント装置から予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けると、設定情報を保持する設定情報部から設定情報を読み出し、設定情報が未設定か既設定かを明示するように設定情報を操作して自動発見応答のブロードキャストでクライアント装置へ返送することを特徴とする。
【0018】
本発明の第2の初期設定方法は、サーバ装置がネットワークを介して接続するクライアント装置から予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けると、設定情報を保持する設定情報部から設定情報を読み出し、設定情報が未設定か既設定かを明示するように設定情報を操作して自動発見応答のブロードキャストでクライアント装置へ返送し、
クライアント装置は自動発見応答のブロードキャストが返送されると、応答された設定情報に明示された設定状態が未設定状態の場合にはこの応答をしたサーバ装置の設定情報が未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示することを特徴とする。
【0019】
本発明の第3の初期設定方法は、サーバ装置がネットワークを介して接続するクライアント装置から予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けると、設定情報を保持する設定情報部から設定情報を読み出し、設定情報が未設定の場合には読み出したマシン名を読み出したMACアドレスと同一にした設定情報を自動発見応答のブロードキャストで返送することを特徴とする。
【0020】
本発明の第4の初期設定方法は、クライアント装置は予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を読み出す自動発見要求の応答である自動発見応答のブロードキャストがネットワークを介してサーバ装置から返送されると、応答された設定情報のマシン名がMACアドレスと一致していた場合にはこの応答をしたサーバ装置の設定情報が未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示することを特徴とする。
【0021】
本発明の第5の初期設定方法は、クライアント装置はネットワークで接続するサーバ装置の設定指示を受けるとネットワークに対して自動発見要求のUDP(user datagram protocol)のブロードキャストを発行し、
次に、サーバ装置は自動発見要求をネットワークを介して受けると予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部から設定情報を読み出し、設定情報が未設定の場合には読み出したマシン名を読み出したMACアドレスに変換して自動発見応答のUDPのブロードキャストを返信し、
次に、クライアント装置は、自動発見応答を受け取ると、応答された設定情報のマシン名とMACアドレスとが一致していた場合は未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示し、
次に、未設定のサーバ装置に対して設定の指示を受けた場合、クライアント装置は受け付けた設定情報を設定変更要求のUDPのブロードキャストを発行し、既設定のサーバ装置に対して設定の指示を受けた場合、クライアント装置は受け付けた設定情報を設定変更要求として指定されたサーバ装置宛のUDPのユニキャストを発行し、
次に、サーバ装置は、設定変更要求を受け取ると設定情報部を受け取った設定情報で設定することを特徴とする。
【0022】
本発明の第6の初期設定方法は、サーバ装置は予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報が未設定の状態の場合マシン名をMACアドレスと同一にして設定情報部に登録しておき、
次に、クライアント装置はネットワークで接続するサーバ装置の設定指示を受けるとネットワークに対して自動発見要求のUDP(user datagram protocol)のブロードキャストを発行し、
サーバ装置は自動発見要求を受けると設定情報部から設定情報を読み出して自動発見応答のUDPのブロードキャストを返信し、
次に、クライアント装置は、自動発見応答を受け取ると、応答された設定情報のマシン名とMACアドレスとが一致していた場合は未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示し、
次に、未設定のサーバ装置に対して設定の指示を受けた場合、クライアント装置は受け付けた設定情報を設定変更要求のUDPのブロードキャストを発行し、既設定のサーバ装置に対して設定の指示を受けた場合、クライアント装置は受け付けた設定情報を設定変更要求として指定されたサーバ装置宛のUDPのユニキャストを発行し、
次に、サーバ装置は、設定変更要求を受け取ると設定情報部を受け取った設定情報で設定することを特徴とする。
【0023】
本発明の第7の初期設定方法は、本発明の第2、第4、第5、又は第6の初期設定方法において、前記サーバ一覧情報における未設定状態の明示は、マシン名を“未設定”としたことを特徴とする。
【0024】
本発明の第1のプログラムは、サーバ装置がネットワークを介して接続するクライアント装置から予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けると、設定情報を保持する設定情報部から設定情報を読み出し、設定情報が未設定か既設定かを明示するように設定情報を操作して自動発見応答のブロードキャストでクライアント装置へ返送する手順をコンピュータに実行させる。
【0025】
本発明の第2のプログラムは、サーバ装置がネットワークを介して接続するクライアント装置から予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けると、設定情報を保持する設定情報部から設定情報を読み出し、設定情報が未設定か既設定かを明示するように設定情報を操作して自動発見応答のブロードキャストでクライアント装置へ返送する手順と、
クライアント装置が自動発見応答のブロードキャストを返送されると、応答された設定情報に明示された設定状態が未設定状態の場合にはこの応答をしたサーバ装置の設定情報が未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示する手順とをコンピュータに実行させる。
【0026】
本発明の第3のプログラムは、ネットワークを介して接続するクライアント装置から予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けると、設定情報を保持する設定情報部から設定情報を読み出し、設定情報が未設定の場合には読み出したマシン名を読み出したMACアドレスと同一にした設定情報を自動発見応答のブロードキャストで返送する手順をコンピュータに実行させる。
【0027】
本発明の第4のプログラムは、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を読み出す自動発見要求の応答である自動発見応答のブロードキャストがネットワークを介してサーバ装置から返送されると、応答された設定情報のマシン名がMACアドレスと一致していた場合にはこの応答をしたサーバ装置の設定情報が未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示する手順をコンピュータに実行させる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のシステムの構成例を示した図である。図1のシステムは、2台のサーバ装置10(サーバ装置10−1とサーバ装置10−2)と1台のクライアント装置20とがLAN29に接続している。LAN29にはこの他にもサーバやクライアントが接続してもよいし、印刷装置やルータ等の装置が接続してもよく、LAN29に接続する装置を特定するものではない。
【0029】
サーバ装置10は、ネットワークの管理等のサービスを提供する通信機能を有した情報処理装置であり、表示装置や入力装置が接続されていないものとする。サーバ装置10は、ネットワークに関する設定情報を保持する設定情報部11と、設定情報部11内の設定情報を変更制御する設定変更部12と、LAN29を介してクライアント10との間でUDP(user datagram protocol)通信を行い初期設定の要求を受け付け処理する設定受付部13とを含む。設定変更部12と設定受付部13とは多くの場合プログラムにて実現される。
【0030】
UDPとはTCP/IPモデルのトランスポート層のプロトコルであり、コネクション型のTCP(transmission control protocol)のように再送機能やフロー制御機能を持たないコネクションレス型プロトコルで、TCPが持つコネクション管理やフロー制御がじゃまになるブロードキャスト機能等を搭載する。本発明の実施の形態のUDP通信では、ポート番号として“30000h(16進数)”を使用している。
【0031】
設定情報部11は論理的な保持機能を示しており実際に同一の記憶手段に集中して保持する必要はない。設定情報部11が保持する設定情報は、マシン名、MACアドレス、IPアドレス、サブネットマスク等のネットワークに関連する情報を含んでいる。設定変更部12は、設定情報が設定済みか否かを示す設定状態フラグを持ち、設定状態フラグはサーバ装置10が出荷された時点の初期状態では未設定に設定され、設定が終了した際に既設定になる。
【0032】
なお、設定変更部12は設定情報11内のマシン名の読み出しに対して未設定状態では設定情報のMACアドレスをマシン名とし、未設定であることを識別できるようにしている。未設定を識別する他の方法として、設定情報のマシン名をMACアドレスと同じに設定しておくようにしてもよく、この場合は設定状態フラグやマシン名の読みかえも不要となる。
【0033】
クライアント装置20は、サーバ装置10との間でUDP通信を行い、各サーバ装置の設定情報を収集して表示し、入力された設定情報をサーバ10に設定するサーバ設定部21と、表示装置22と、入力装置23とを含んでいる。サーバ設定部21は多くの場合プログラムにて実現される。
【0034】
次に、本発明の実施の形態の動作について図面を参照して説明する。図2は本発明の実施の形態の初期設定の動作について示したフローチャートであり、図4は本発明の実施の形態の再設定の動作について示したフローチャートである。
【0035】
まず、図2を参照してサーバ装置10−2に対する初期設定の動作について説明する。まず利用者は新たにLAN29に組み込むサーバ装置10−2をLAN29に物理的に接続するが、この時点ではサーバ装置10−2はネットワーク関連の設定情報は未設定の状態である。そこで利用者はすでにLAN29に組み込まれ設定済みとなっているクライアント装置20にあるサーバ設定部21を起動する。
【0036】
図3は、利用者がクライアント装置20にてサーバ設定部21を起動した際に、起動されたサーバ設定部21が表示装置22に表示する操作画面の一例を示したものであるが、この時点では図3に示してあるマシン名やIPアドレス等のサーバ一覧情報は表示されていない。
【0037】
利用者が図3の自動発見ボタンを操作すると、サーバ設定部21は自動発見要求のUDPブロードキャスト通信にてLAN29に送出する(S51)。UDPブロードキャスト通信は通信先を特定せずポート番号“30000h”を指定してLAN29上に発行される。自動発見要求のUDPブロードキャスト通信は、各サーバ装置10の設定受付部13がポート番号“30000h”を認識することにより受け付けられる。以降のUDPブロードキャスト通信は同様にポート番号“30000h”とする。
【0038】
設定受付部13−2は自動発見要求のUDPブロードキャスト通信を受け取ると設定変更部12が起動中か調べ、この場合起動中であるので設定情報の読み出し要求を設定変更部12−2へ渡す(S52)。設定変更部12−2は読み出し要求を受けて設定情報部11−2から設定情報を読み出し、設定状態フラグから未設定であることを確認し、マシン名をMACアドレスと同じにした設定情報を設定受付部13−2に返す(S52)。設定受付部13−2は読み出した設定情報を自動発見応答のUDPブロードキャスト通信として送出する(S52)。未設定のサーバ装置10−2の設定情報のマシン名を予めMACアドレスと同一に設定しておくようにすれば、設定変更部12は設定情報部11から読み出した情報をそのまま返すだけでよい。
【0039】
クライアント装置20のサーバ設定部21は各サーバ装置10から返信された自動発見応答のUDPブロードキャスト通信を受け付けて、受け付けた設定情報に基づいてサーバ一覧情報を作成する。この場合、サーバ装置10−2の設定情報はサーバ装置10−2が未設定であるのでマシン名=MACアドレスとして読み出される。サーバ設定部21はマシン名=MACアドレスを検出するとマシン名を“未設定”としてサーバ一覧情報を作成し表示装置22に表示する(S53)。図3の(1)に示した設定表示画面31はこの時点のサーバ一覧情報の表示の様子を示している。
【0040】
利用者は、図3の画面を見るとサーバ装置10−2のマシン名が“未設定”と表示されているためすぐに設定対象のサーバ装置10−2を知ることができる。利用者が画面にてマシン名=“未設定”のサーバを選択して入力装置23からマシン名やIPアドレス等を入力し設定変更ボタン36を操作すると、サーバ設定部21は入力された設定情報と設定先のサーバ装置10−2のMACアドレスとを設定変更要求のUDPブロードキャスト通信で送信する(S54)。
【0041】
設定受付部13−2は、設定変更要求のUDPブロードキャスト通信を受け付けMACアドレスから自身宛の設定変更要求であることを確認すると、設定変更部12−2へ設定変更要求を渡す(S55)。設定変更部12−2は渡された設定情報を設定情報部11−2へ登録する(S55)。設定情報の登録が終わると設定変更部12−2は設定状態フラグを既設定状態とし、設定受付部13−2は設定変更応答をUDPブロードキャスト通信で返信する(S55)。
【0042】
サーバ設定部21は設定変更応答のUDPブロードキャスト通信を受け付けると次にサーバ装置10−2を再起動するために再起動要求のUDPブロードキャスト通信を送信する(S56)。設定受付部13−2は、再起動要求のUDPブロードキャスト通信を受け付けMACアドレスから自身宛の再起動要求であることを確認すると、再起動応答のUDPブロードキャスト通信を返信した後、サーバ装置10−2を再起動する(S57)。
【0043】
サーバ設定部21は再起動応答のUDPブロードキャスト通信を受け付けると初期設定が終わったことを表示装置22に表示し(S58)、利用者は初期設定の終了を確認する。サーバ装置10−2は再起動によってIPアドレス等のネットワーク関連の設定がされた状態で立ち上がる(S59)ので、以降は相手先をIPアドレスで特定したユニキャスト通信も可能となる。
【0044】
このように、通信先をIPアドレスで特定しないUDPブロードキャスト通信によりクライアント装置20が各サーバ装置10の設定情報を収集してサーバ一覧情報を表示し、利用者が表示を参照して未設定サーバ装置10の設定操作を行えるので、サーバ装置10は設定変更部12と設定受付部13を搭載することにより表示装置や入力装置が無くてもサーバ設定部21を搭載したクライアント装置20からネットワーク関連情報の設定ができるようになる。
【0045】
次に、サーバ装置10−2に対する再設定の動作について図4を参照して説明する。この時点ではサーバ装置10−2はIPアドレス等のネットワーク関連の設定情報は設定済みの状態すなわち設定状態フラグが既設定の状態である。まず、利用者はすでにLAN29に組み込まれ設定済みとなっているクライアント装置20にあるサーバ設定部21を起動する。
【0046】
サーバ設定部21は、起動されると図3に示す画面を表示する。ただし、サーバ一覧情報はこの時点では表示されない。利用者が自動発見ボタン35を操作すると、サーバ設定部21は自動発見要求のUDPブロードキャスト通信にてLAN29に送出する(S61)。初期設定の場合と同様にUDPブロードキャスト通信は通信先を特定せずポート番号“30000h”を指定してLAN29上に発行される。
【0047】
設定受付部13−2は自動発見要求のUDPブロードキャスト通信を受け取ると設定情報の読み出し要求を設定変更部12−2へ渡す(652)。設定変更部12−2は読み出し要求を受けて設定情報部11−2から設定情報を読み出し、既設定状態であるので設定情報をそのまま設定受付部13−2に返す(S62)。設定受付部13−2は読み出した設定情報を自動発見応答のUDPブロードキャスト通信として送出する(S62)。
【0048】
クライアント装置20のサーバ設定部21は各サーバ装置10から返信された自動発見応答のUDPブロードキャスト通信を受け付けて、受け付けた設定情報に基づいてサーバ一覧情報を作成する。この場合、サーバ装置10−2の設定情報は設定済みであるのでマシン名やIPアドレス等の設定情報がそのままサーバ一覧情報として表示装置22に表示される(S63)。図3の(2)に示した設定表示画面32はこの時点のサーバ一覧情報の表示の様子を示している。
【0049】
利用者は、画面にて再設定対象のサーバ装置10−2(マシン名=NECSAN)を選択して入力装置23からマシン名やIPアドレス等変更する情報を入力し設定変更ボタン36を操作すると、サーバ設定部21は設定先のサーバ装置10−2のIPアドレスを指定して入力された設定情報を設定変更要求のUDPユニキャスト通信で送信する(S64)。
【0050】
設定受付部13−2は、設定変更要求のUDPユニキャスト通信を宛先のIPアドレスから自身宛の設定変更要求であることを確認すると、設定変更部12−2に設定変更要求を渡す(S65)。設定変更部12−2は渡された設定情報で設定情報部11−2を再設定する(S65)。設定情報の再設定が終わると、設定受付部13−2はクライアント装置20のIPアドレスを宛先とした設定変更応答をUDPのユニキャスト通信で返信する(S65)。
【0051】
サーバ設定部21は設定変更応答のUDPユニキャスト通信を受け付けると再設定が終わったことを表示装置22に表示し(S68)、利用者は再設定の終了を確認する。この後、必要に応じて利用者はLAN29に接続するシステムの再起動或いはサーバ装置10−2の再起動を実行すればよいがその方法については特に限定しない。例えば、サーバ装置10−2の再起動は図3の設定表示画面に再起動のためのボタンを設けてここから再起動を起動し、サーバ設定部21と設定受付部13−2が図2のステップS56〜S59のような動作をさせればよい。
【0052】
このように、既設定のサーバ装置10に対しても設定変更部12と設定受付部13を搭載することにより表示装置や入力装置が無くてもサーバ設定部21を搭載したクライアント装置20からネットワーク関連情報の設定情報の再設定ができるようになる。
【0053】
以上のように、サーバ装置10のネットワーク関連情報の初期設定又は再設定の手順において、未設定のサーバ装置10のマシン名をMACアドレスと同一に見せるか或いは予め設定しておくので、UDPのブロードキャスト通信で収集した各サーバ装置10の設定情報を確認するだけで未設定か既設定かを容易に判断できる。これにより、利用者が設定指示をした後に、クライアント装置20は初期設定の動作をするか再設定の動作をするかを判断するために、指示されたサーバ装置10に対して確認のためのコマンド(例えばPING)を発行してIPアドレス等のネットワーク関連の設定情報が設定済みか否かを確認する手順を不要としている。
【0054】
以上の説明では、サーバ装置10−2に対する動作を説明したが、サーバ装置10−1に対しても同様の動作となる。またネットワークに接続する共用プリンタ等のデバイスであってもサーバ装置10が備える設定情報部11、設定変更部12、設定受付部13の各機能を備えていれば本発明が適用でき、サーバ装置10と同様にクライアント装置20から設定が可能となる。
【0055】
また以上の説明では、未設定か既設定かを識別するために、自動発見要求に対してサーバ装置10の設定情報のマシン名をMACアドレスと同じにして応答するようにして説明したが、この他の方法で識別するようにしてもかまわない。例えば未設定であることを示す情報を応答の中に組み込むようにしてもよいし、マシン名やIPアドレスを予め決められた規則に従って設定するようにしてもよい。
【0056】
【発明の効果】
表示装置や入力装置を持たないサーバ装置のネットワーク情報の初期設定又は再設定を同じネットワークに接続し表示装置や入力装置を持つクライアント装置から容易に実行することができるので、サーバ装置に特殊な表示装置や入力装置を組み込んだり、利用者が設定時に一時的に表示装置や入力装置をサーバ装置に接続したりする必要がなくなるという効果がある。
【0057】
さらに、初期設定対象のサーバ装置の設定情報をクライアント装置が収集する際に、例えば、マシン名をMACアドレスと同一とするようにしたので、収集した際に未設定であることが確認できるので、未設定かどうかを確認するための通信が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の構成を示した図である。
【図2】本発明の初期設定の動作を示したフローチャートである。
【図3】本発明のサーバ一覧を表示した設定表示画面を示した図である。
【図4】本発明の初期設定の動作を示したフローチャートである。
【符号の説明】
10 サーバ装置
11 設定情報部
12 設定変更部
13 設定受付部
20 クライアント装置
21 サーバ設定部
22 表示装置
23 入力装置
29 LAN

Claims (4)

  1. ネットワークに接続されるコンソールレスのサーバ装置の初期設定をネットワークに接続するクライアント装置から操作して実行する初期設定システムであって、サーバ装置は、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部と、IPアドレス及びマシン名が設定情報部に既設定であるか未設定であるかを示す設定状態フラグを有し、
    ライアント装置から設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けて設定情報部から設定情報を読み出したあと、設定状態フラグが未設定の場合には読み出したマシン名を読み出したMACアドレスと同一とした設定情報を自動発見応答のブロードキャストで返送し、
    クライアント装置は自動発見応答のブロードキャストが返送されると、応答された設定情報のマシン名がMACアドレスと一致していた場合にはこの応答をしたサーバ装置の設定情報が未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示することを特徴とする初期設定システム。
  2. ネットワークに接続されるコンソールレスのサーバ装置の初期設定をネットワークに接続するクライアント装置から操作して実行する初期設定システムであって、サーバ装置は、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部と、IPアドレス及びマシン名が設定情報部に既設定であるか未設定であるかを示す設定状態フラグを有し、
    クライアント装置はサーバ装置の設定指示を受けるとネットワークに対して自動発見要求のUDP(user datagram protocol)のブロードキャストを発行し、次に、サーバ装置は自動発見要求を受けると設定情報部から設定情報を読み出し、設定状態フラグが未設定の場合には読み出したマシン名を読み出したMACアドレスと同一とした設定情報を自動発見応答のUDPのブロードキャストで返信し、
    次に、クライアント装置は、自動発見応答を受け取ると、応答された設定情報のマシン名とMACアドレスとが一致していた場合は未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示し、
    次に、未設定のサーバ装置に対して設定の指示を受けた場合、クライアント装置は受け付けた設定情報を設定変更要求としてUDPのブロードキャストで発行し、
    次に、サーバ装置は、設定変更要求を受け取ると受け取った設定情報を設定情報部に登録するとともに設定状態フラグを既設定に変更することを特徴とする初期設定システム。
  3. ネットワークに接続されるコンソールレスのサーバ装置の初期設定をネットワークに接続するクライアント装置から操作して実行する初期設定方法であって、
    サーバ装置は、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部と、IPアドレス及びマシン名が設定情報部に既設定であるか未設定であるかを示す設定状態フラグを有し、
    クライアント装置から設定情報を読み出す自動発見要求をブロードキャストで受けると、設定情報部から設定情報を読み出し、設定状態フラグが未設定の場合には読み出したマシン名を読み出したMACアドレスと同一にした設定情報を自動発見応答のブロードキャストで返送し、
    クライアント装置は、自動発見応答のブロードキャストが返送されると、応答された設定情報のマシン名がMACアドレスと一致していた場合にはこの応答をしたサーバ装置の設定情報が未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示することを特徴とする初期設定方法。
  4. ネットワークに接続されるコンソールレスのサーバ装置の初期設定をネットワークに接続するクライアント装置から操作して実行する初期設定方法であって、
    クライアント装置はネットワークで接続するサーバ装置の設定指示を受けるとネットワークに対して自動発見要求のUDP(user datagram protocol)のブロードキャストを発行し、
    サーバ装置は、予め装置単位に固定的に設定されたMACアドレスとシステムに応じて設定されるIPアドレス及びマシン名とを含む設定情報を保持する設定情報部と、IPアドレス及びマシン名が設定情報部に既設定であるか未設定であるかを示す設定状態フラグを有し、
    クライアント装置から自動発見要求をブロードキャストで受けると、設定情報部から設定情報を読み出し、設定状態フラグが未設定の場合には読み出したマシン名を読み出したMACアドレスと同一とした設定情報を自動発見応答のUDPのブロードキャストで返信し、
    次に、クライアント装置は、自動発見応答を受け取ると、応答された設定情報のマシン名とMACアドレスとが一致していた場合は未設定であることを明示するように、各サーバ装置の設定情報からサーバ一覧情報を作成して表示し、
    次に、未設定のサーバ装置に対して設定の指示を受けた場合、クライアント装置は受け付けた設定情報を設定変更要求としてUDPのブロードキャストを発行し、
    次に、サーバ装置は、設定変更要求を受け取ると受け取った設定情報を設定情報部に登録するとともに設定状態フラグを既設定に変更することを特徴とする初期設定方法。
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