JP4025138B2 - ストロボ装置及びカメラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ストロボ装置及びカメラに係り、特に、赤目防止用の予備発光を行うことのできるストロボ装置及びカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージ・センサ等の撮像素子の高解像度化に伴い、デジタルカメラの需要が急増している。
【0003】
ところで、この種のデジタルカメラや銀塩写真式カメラ等のカメラでは一般に、被写体が暗い場合にストロボを用いて当該被写体に閃光を照射した状態で撮影を行うようにしているが、このとき、瞳の網膜からの反射光が赤みを帯び、その結果、人の瞳が赤色に写る、所謂赤目現象が生じることがあり、従来より、赤目防止のための様々な技術が開示されている。その中で、赤目防止の代表的な技術として、本撮影が行われる前にフラッシュを予備発光(所謂、プリ発光。)させることにより瞳孔を収縮させ、瞳孔が収縮した後に撮影のための本発光を行う技術が広く知られている。
【0004】
この種の技術として特開2001−174884に記載の技術では、測距手段による測距によって得られた被写体までの距離に応じて予備発光の発光量を制御していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2001−174884に記載の技術では、被写体までの距離のみに応じて予備発光の発光量を制御しているので、当該発光量が赤目防止のために必要な最低限の発光量より著しく多くなる場合があり、この場合には、予備発光のための消費電力が必要以上に多くなってしまう、という問題点があった。すなわち、赤目現象を防止するためには、前述したように瞳孔を収縮させればよく、撮影が比較的暗い場所で行われる場合には、それより明るい場所で撮影が行われる場合に比較して予備発光の発光量は少なくて済む。しかしながら、同公報に記載の技術では、撮影場所の明るさとは無関係に予備発光の発光量を制御しているので、予備発光のための消費電力が必要以上に多くなってしまう場合があるのである。
【0006】
また、上記特開2001−174884に記載の技術では、被写体までの距離を測定によって得ているので、比較的暗い場所での撮影等の撮影条件によっては被写体距離を正確に測定することが困難な場合があり、この場合には予備発光の発光量を的確に制御することができない場合がある、という問題点もあった。
【0007】
更に、上記特開2001−174884に記載の技術では、被写体までの距離を測定する測距手段が必要であるため、カメラが高コストとなってしまう、という問題点もあった。すなわち、測距センサ等の測距手段は高価であるため、測距手段を搭載することは装置の高コスト化につながる。また、AF(Auto Focus、自動合焦)機能のために測距手段を予め搭載したカメラもあり、当該測距手段を予備発光の発光量の制御に利用することも考えられるが、現状では、測距手段を搭載している機種は少ない。
【0008】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、消費電力を抑制しつつ的確に赤目現象の発生を防止することのできるストロボ装置を提供することを第1の目的とし、消費電力及びコストを抑制しつつ的確に赤目現象の発生を防止することのできるカメラを提供することを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1記載のストロボ装置は、カメラによる撮影時に被写体に対して必要に応じて補助光を照射するストロボ装置であって、被写体に照射する光を発する発光手段と、被写体の明るさを示す物理量を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された前記物理量によって示される被写体の明るさが暗いほど、赤目防止効果を得ることのできる最低限の発光量を下限値とした所定範囲内で発光量を少なくして人間の瞳孔を縮小させるための赤目防止用予備発光を行うように前記発光手段を制御する発光制御手段と、を備えている。
【0010】
請求項1に記載のストロボ装置によれば、被写体に照射する光が発光手段によって発せられる。なお、上記発光手段には、キセノンランプ、メタルハライドランプ等の全ての発光管が含まれる。
【0011】
ここで、本発明では、被写体の明るさを示す物理量が取得手段によって取得され、取得された物理量によって示される被写体の明るさが暗いほど、赤目防止効果を得ることのできる最低限の発光量を下限値とした所定範囲内で発光量が少なくされて人間の瞳孔を縮小させるための赤目防止用予備発光が行われるように発光手段が発光制御手段によって制御される。
【0012】
すなわち、本発明では、撮影が比較的暗い場所で行われる場合には、それより明るい場所で撮影が行われる場合に比較して予備発光の発光量は少なくて済む、という点に着目し、被写体の明るさが暗いほど赤目防止用の予備発光の発光量を、赤目防止効果を得ることのできる最低限の発光量を下限値とした所定範囲内で少なくするようにしており、これによって、予備発光のための消費電力が必要以上に多くなってしまう事態を回避するようにしている。
【0013】
また、本発明では、被写体の明るさを示す物理量に基づいて予備発光の発光量を制御しており、当該物理量は撮影場所の明るさに影響されることなく正確に取得できるものであるので、被写体までの距離の測定結果に基づいて発光量を制御する場合に比較して、より的確に予備発光の発光量を制御することができ、この結果として、より的確に赤目現象の発生を防止することができる。
【0014】
このように、請求項1に記載のストロボ装置によれば、被写体の明るさを示す物理量を取得し、取得した物理量によって示される被写体の明るさが暗いほど、赤目防止効果を得ることのできる最低限の発光量を下限値とした所定範囲内で発光量を少なくして人間の瞳孔を縮小させるための赤目防止用予備発光を行うようにしているので、消費電力を抑制しつつ的確に赤目現象の発生を防止することができる。
【0015】
なお、請求項1記載の発明の前記発光制御手段は、請求項2記載のストロボ装置のように、前記発光手段の発光時間及び前記発光手段を発光させるための所定時間当たりのエネルギーの少なくとも一方を加減することにより前記発光手段の発光量を制御することが好ましい。これによって、発光手段の発光量を簡易に制御することができる。
【0016】
一方、上記第2の目的を達成するために、請求項3記載のカメラは、請求項1又は請求項2記載のストロボ装置と、自動露出機能のために被写体の明るさを示すAE情報を取得するAE情報取得手段及び撮像部位の感度を示す感度情報を取得する感度情報取得手段の少なくとも一方と、を備えたカメラであって、前記ストロボ装置の前記取得手段は、備えられた前記AE情報取得手段及び前記感度情報取得手段の少なくとも一方により得られた前記AE情報及び前記感度情報の少なくとも一方を前記物理量として取得することを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載のカメラは、請求項1又は請求項2記載のストロボ装置と、自動露出機能のために被写体の明るさを示すAE情報を取得するAE情報取得手段及び撮像部位の感度を示す感度情報を取得する感度情報取得手段の少なくとも一方と、が備えられる。ここで、上記撮像部位は、本発明に係るカメラがデジタルカメラである場合には、搭載されているCCD、CMOSイメージ・センサ等の撮像素子の撮像面を意味し、本発明に係るカメラが銀塩写真式カメラである場合には、撮影に用いられる写真感光材料(所謂、写真フイルム)を意味する。従って、上記撮像部位の感度は、本発明に係るカメラがデジタルカメラである場合には撮像素子の撮像感度を、本発明に係るカメラが銀塩写真式カメラである場合には撮影に用いられる写真感光材料の感度を、各々意味する。従って、本発明の感度情報は、撮影場所の明るさを示すものであるため、本発明のストロボ装置の取得手段により取得される物理量として適用することができるものである。
【0018】
ここで、本発明では、上記ストロボ装置の取得手段により、備えられたAE情報取得手段及び感度情報取得手段の少なくとも一方により得られたAE情報及び感度情報の少なくとも一方が上記物理量として取得される。
【0019】
すなわち、本発明では、請求項1又は請求項2に記載のストロボ装置を備えることによって請求項1又は請求項2に記載の発明と同様の効果、すなわち、消費電力を抑制しつつ的確に赤目現象の発生を防止できる、という効果が得られるようにすると共に、本発明に係るカメラに予め備えられているAE情報を取得する手段及び感度情報を取得する手段の少なくとも一方によって得られた情報を予備発光の発光量の制御のために用いられる物理量として取得するようにすることにより、取得手段にかかるコストを低減できるようにしている。
【0020】
このように、請求項3に記載のカメラによれば、請求項1又は請求項2記載のストロボ装置と、自動露出機能のために被写体の明るさを示すAE情報を取得するAE情報取得手段及び撮像部位の感度を示す感度情報を取得する感度情報取得手段の少なくとも一方と、を備えると共に、備えられたAE情報取得手段及び感度情報取得手段の少なくとも一方により得られたAE情報及び感度情報の少なくとも一方を物理量として取得しているので、物理量を取得するために要するコストを低減でき、この結果として消費電力及びコストを抑制しつつ的確に赤目現象の発生を防止することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明のストロボ装置及びカメラを、デジタル電子スチルカメラ(以下、単に「デジタルカメラ」という。)に適用した場合の形態について説明する。
【0022】
〔第1実施形態〕
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観上の構成を説明する。
【0023】
同図に示すように、デジタルカメラ10の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ21と、撮影時に必要に応じて被写体に照射する光を発する発光管64と、撮影する被写体の構図を決定するために用いられるファインダ88と、が備えられている。また、デジタルカメラ10の上面には、撮影を実行する際にユーザによって押圧操作されるレリーズボタン(所謂シャッター)92と、電源スイッチ94と、が備えられている。
【0024】
なお、本実施の形態に係るレリーズボタン92は、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。そして、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、レリーズボタン92を半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
【0025】
一方、デジタルカメラ10の背面には、前述のファインダ88の接眼部と、撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像や各種メニュー画面、メッセージ等を表示するための液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)44と、撮影を行うモードである撮影モード及び撮影によって得られたデジタル画像データにより示される被写体像をLCD44に表示(再生)するモードである再生モードの何れかのモードに設定するために操作されるモード切替スイッチ96と、LCD44の表示領域における上下左右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キー及び当該4つの矢印キーの中央部に位置された決定キーの合計5つのキーを含んで構成された十字カーソルボタン98と、以後の撮影時に発光管64を強制的に発光させるモードである強制発光モードを設定する際に操作される強制発光スイッチ99と、が備えられている。
【0026】
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の構成を説明する。
【0027】
同図に示すように、デジタルカメラ10は、前述のレンズ21を含んで構成された光学ユニット22と、レンズ21の光軸後方に配設されたCCD24と、相関二重サンプリング回路(以下、「CDS」という。)を含んで構成されたアナログ信号処理部26と、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28と、所定容量のラインバッファを内蔵し、かつ入力されたデジタル画像データを後述するRAM74の所定領域に直接記憶させる制御を行うと共に、デジタル画像データに対して各種の画像処理を行うデジタル信号処理部30と、を含んで構成されている。CCD24の出力端はアナログ信号処理部26の入力端に、アナログ信号処理部26の出力端はADC28の入力端に、ADC28の出力端はデジタル信号処理部30の入力端に、各々接続されている。
【0028】
ここで、CDSによる相関二重サンプリング処理は、固体撮像素子の出力信号に含まれるノイズ(特に熱雑音)等を軽減することを目的として、固体撮像素子の1画素毎の出力信号に含まれるフィードスルー成分レベルと画素信号成分レベルとの差をとることにより正確な画素データを得る処理である。
【0029】
一方、デジタルカメラ10は、デジタル画像データにより示される画像やメニュー画面等をLCD44に表示させるための信号を生成してLCD44に供給するLCDインタフェース42と、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)50と、各種プログラム、各種テーブル、各種パラメータ値等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)72と、主として撮影により得られたデジタル画像データを記憶するRAM(Random Access Memory)74と、ROM72及びRAM74に対するアクセスの制御を行うメモリインタフェース70と、スマートメディア(Smart Media(R))により構成されたメモリカード82をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース80と、所定の圧縮形式でデジタル画像データに対して圧縮処理を施す一方、圧縮処理されたデジタル画像データに対して圧縮形式に応じた伸張処理を施す圧縮・伸張処理回路86と、を含んで構成されている。
【0030】
デジタル信号処理部30、LCDインタフェース42、CPU50、メモリインタフェース70、外部メモリインタフェース80、及び圧縮・伸張処理回路86はシステムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU50は、デジタル信号処理部30及び圧縮・伸張処理回路86の作動の制御、LCD44に対するLCDインタフェース42を介した各種情報の表示、ROM72、RAM74及びメモリカード82へのメモリインタフェース70ないし外部メモリインタフェース80を介したアクセスを行うことができる。
【0031】
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD24を駆動させるためのタイミング信号(後述する垂直同期信号VDを含む。)を生成してCCD24に供給するタイミングジェネレータ32が備えられており、CCD24の駆動はCPU50によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。
【0032】
更に、デジタルカメラ10にはモータ駆動部34が備えられており、光学ユニット22に備えられた焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータ(共に図示省略。)の駆動もCPU50によりモータ駆動部34を介して制御される。
【0033】
すなわち、本実施の形態に係る光学ユニット22に含まれるレンズ21は複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは含まれるものであり、焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは各々CPU50の制御下でモータ駆動部34から供給された駆動信号によって駆動される。
【0034】
CPU50は、光学ズーム倍率を変更する際にはズームモータを駆動制御して光学ユニット22に含まれるレンズ21の焦点距離を変化させる。
【0035】
また、CPU50は、CCD24による撮像によって得られた画像のコントラスト値が最大となるように上記焦点調整モータを駆動制御することによって合焦制御を行う。すなわち、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、合焦制御として、読み取られた画像のコントラストが最大となるようにレンズの位置を設定する、所謂TTL(Through The Lens)方式を採用している。
【0036】
更に、CPU50は、CCD24による撮像によって得られた画像の明るさを示す物理量であるAE情報を、当該撮像によって得られたデジタル画像データに対しYC信号処理を施すことによって得られる後述する輝度信号Yに基づいて常時算出しており、レリーズボタン92が半押し状態とされたときには、当該AE情報により示される画像の明るさに応じた最適なシャッタースピード及び絞りの開口面積を導出し、導出したシャッタースピードとなるように関係各部を制御すると共に、導出した開口面積となるように上記絞り駆動モータを駆動制御することによって露出状態の設定が行われる。また、この露出状態の設定を行ったとき、CPU50は、当該設定に用いたAE情報をRAM74の所定領域に記憶する。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、上記AE情報として、被写体画像の所定領域(例えば、被写体画像を水平方向及び垂直方向に各々3つに分割したときの中心部に位置する領域)における輝度信号Yの平均値を算出している。
【0037】
また、前述のレリーズボタン92、電源スイッチ94、モード切替スイッチ96、十字カーソルボタン98、及び強制発光スイッチ99の各種ボタン類及びスイッチ類(図2では、「操作部90」と総称。)はCPU50に接続されており、CPU50は、これらの操作部90に対する操作状態を常時把握できる。
【0038】
一方、デジタルカメラ10には、前述の発光管64とCPU50との間に介在されると共に、CPU50の制御下で発光管64の発光開始を制御するトリガ回路60と、発光管64の充電電荷を蓄積するメインコンデンサ66と、CPU50の制御下でメインコンデンサ66から発光管64に供給される光電流を制御する光電流制御部62と、が備えられている。
【0039】
ところで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、CCD24の撮像感度としてISO100相当、ISO200相当、ISO400相当、及びISO800相当の4種類の設定が可能とされている。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10における上記撮像感度の設定は、十字カーソルボタン98に対するユーザによる操作により、LCD44に表示されたメニュー画面上で行われるが、ユーザによって設定された撮像感度を示す感度情報はCPU50によってRAM74の所定領域に記憶される。
【0040】
発光管64が本発明の発光手段に、CPU50が本発明の取得手段、発光制御手段、AE情報取得手段、及び感度情報取得手段に、各々相当する。
【0041】
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の作用を説明する。まず、撮影時におけるデジタルカメラ10の全体的な動作について簡単に説明する。
【0042】
光学ユニット22を介した撮像によってCCD24から出力された被写体像を示す信号は順次アナログ信号処理部26に入力されて相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理が施された後にADC28に入力され、ADC28は、アナログ信号処理部26から入力されたR(赤)、G(緑)、B(青)の信号を各々12ビットのR、G、B信号(デジタル画像データ)に変換してデジタル信号処理部30に出力する。
【0043】
デジタル信号処理部30は内蔵しているラインバッファにADC28から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦RAM74の所定領域に格納する。
【0044】
RAM74の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU50による制御下でデジタル信号処理部30によって読み出され、これらに所定の物理量に応じたデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行なうと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行なって8ビットのデジタル画像データを生成し、更にYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号をRAM74の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
【0045】
なお、LCD44は、CCD24による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されているが、このようにLCD44をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、LCDインタフェース42を介して順次LCD44に出力する。これによってLCD44にスルー画像が表示されることになる。
【0046】
ここで、レリーズボタン92がユーザによって半押し状態とされた場合、前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされた場合、この時点でRAM74に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路86によって所定の圧縮形式(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリインタフェース80を介してメモリカード82に記録することによって撮影が行われる。
【0047】
なお、CPU50は、当該撮影の際に、強制発光スイッチ99によって強制発光モードが設定されている場合には発光管64を強制的に本発光させる。また、強制発光モードが設定されていない場合であっても、CCD24を介して得られた画像情報により示される被写体の測光レベルが所定レベルより低い場合には、CPU50は発光管64を本発光させる。
【0048】
そして、CPU50は、このような発光管64の本発光に備えて、メインコンデンサ66による電荷の充電量が十分でない場合には、前述のLCD44へのスルー画像の表示動作と並行してメインコンデンサ66を充電するように関係各部を制御している。また、CPU50は、撮影時において発光管64を本発光させる場合に、当該本発光の直前に、赤目現象を防止するために発光管64により複数回(ここでは、3回)予備発光を行う予備発光処理を実行する。なお、デジタルカメラ10では、上記予備発光を行うタイミングとして、光学ユニット22、CCD24、アナログ信号処理部26、ADC28、デジタル信号処理部30、タイミングジェネレータ32、及びモータ駆動部34を含んで構成される撮像系において統一的に用いられる垂直同期信号VDに同期したタイミングを適用している。また、デジタルカメラ10では、上記本発光を行うタイミングも垂直同期信号VDに同期したタイミングを適用している。
【0049】
次に、図3を参照して、本実施の形態に係る予備発光処理について詳細に説明する。なお、図3は、予備発光処理を行う際にCPU50により実行される予備発光処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、該プログラムはROM72の所定領域に予め記憶されている。また、ここでは、メインコンデンサ66による電荷の充電量が予備発光及び本発光に十分な量とされている場合について説明する。
【0050】
同図のステップ100では、CPU50からトリガ回路60に出力されると共に発光管64による発光期間を定める発光信号LPのパルス幅Wを、AE情報により示される被写体の明るさが所定明るさ(本実施の形態では、発光管64を本発光させるか否かの閾値となる明るさの半分の明るさ)Xである場合に最適な予備発光の発光量とすることのできるパルス幅となるように設定し、次のステップ102では、この時点でレリーズボタン92が半押し状態とされたことによりRAM74の所定領域に記憶されたAE情報を読み出す。
【0051】
次のステップ104では、上記ステップ102において読み出したAE情報によって示される明るさが所定明るさXより明るいか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ106に移行して、所定明るさXと読み出したAE情報によって示される明るさとの差分に応じた幅だけ増加するように発光信号LPのパルス幅Wの設定値を更新し、次のステップ108では、更新後のパルス幅Wが予め定められた上限値(本実施の形態では、垂直同期信号VDの1周期に対応するパルス幅)より大きいか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ110に移行してパルス幅Wが上記上限値となるように更新した後にステップ118に移行し、否定判定の場合には上記ステップ110の処理を実行することなくステップ118に移行する。
【0052】
一方、上記ステップ104において否定判定された場合、すなわち、上記ステップ102において読み出したAE情報によって示される明るさが所定明るさX以下である場合にはステップ112に移行し、所定明るさXと読み出したAE情報によって示される明るさとの差分に応じた幅だけ削減するように発光信号LPのパルス幅Wの設定値を更新し、次のステップ114では、更新後のパルス幅Wが予め定められた下限値(本実施の形態では、予備発光による赤目防止効果を得ることのできる最低限のパルス幅)より小さいか否かを判定し、肯定判定の場合はステップ116に移行してパルス幅Wが上記下限値となるように更新した後にステップ118に移行し、否定判定の場合には上記ステップ116の処理を実行することなくステップ118に移行する。
【0053】
ステップ118では、以上の処理によってパルス幅が設定された発光信号LPのトリガ回路60への入力を開始することにより予備発光を開始し、次のステップ120では、予備発光を終了させるタイミングとなるまで待機する。なお、本実施の形態では、前述のように予備発光を本発光の直前に複数回(ここでは、3回)行わせるものとしているので、この回数だけ垂直同期信号VDが発生したか否かを判定することにより、予備発光を終了させるタイミングが到来したか否かを判定する。
【0054】
そして、予備発光を終了させるタイミングが到来するとステップ120が肯定判定となってステップ122に移行し、発光信号LPのトリガ回路60への入力を停止することにより予備発光を停止させた後、本予備発光処理プログラムを終了する。本予備発光処理プログラムのステップ102の処理が本発明の取得手段に、ステップ104〜ステップ122の処理が本発明の発光制御手段に、各々相当する。
【0055】
なお、CPU50は、本予備発光処理の終了後に本発光を行うようにトリガ回路60及び光電流制御部62を制御すると共に、撮影を行うように関係各部を制御する。
【0056】
図4には、本実施の形態に係るデジタルカメラ10における予備発光時及び本発光時の発光信号LP、及び発光管64の発光量の推移例が示されている。
【0057】
同図に示すように、発光信号LPは撮像系の垂直同期信号VDに同期して立ち上がるため、予備発光及び本発光も垂直同期信号VDに同期して開始される。そして、予備発光の発光期間を定める発光信号LPのパルス幅Wは、上述した予備発光処理プログラムのステップ104〜ステップ116の処理によって、予め定められた下限値から上限値までの範囲内の幅に制限された状態でAE情報により示される被写体の明るさが暗いほど狭くなるように設定される。従って、予備発光の発光量も、所定範囲内の発光量に制限された状態で被写体の明るさが暗いほど少なくなり、予備発光の発光量が赤目防止のために必要な最低限の発光量より著しく多くなる事態を回避することができ、この結果として予備発光による消費電力を低減することができる。
【0058】
また、本実施の形態に係る予備発光処理では、AE情報に基づいて予備発光の発光量を制御しており、当該AE情報は撮影場所の明るさに影響されることなく正確に取得できるものであるので、被写体までの距離の測定結果に基づいて発光量を制御する場合に比較して、より的確に予備発光の発光量を制御することができ、この結果として、より的確に赤目現象の発生を防止することができる。
【0059】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、被写体の明るさを示すAE情報を取得し、取得したAE情報によって示される被写体の明るさが暗いほど発光量を少なくして予備発光を行うようにしているので、消費電力を抑制しつつ的確に赤目現象の発生を防止することができる。
【0060】
また、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、発光管64の発光時間を加減することにより発光管64の発光量を制御しているので、発光管64の発光量を簡易に制御することができる。
【0061】
更に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、予め備えられたAE情報を取得する手段により得られたAE情報を被写体の明るさを示す物理量として取得しているので、当該物理量を取得するために要するコストを低減できる。
【0062】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、AE情報を利用して予備発光の発光量を制御する場合の形態について説明したが、本第2実施形態では、ユーザにより設定された撮像感度を利用して予備発光の発光量を制御する場合の形態について説明する。なお、本第2実施形態に係るデジタルカメラ10の構成は上記第1実施形態に係るデジタルカメラ10と同一であるので、ここでの説明は省略する。また、本第2実施形態に係るデジタルカメラ10の予備発光処理の実行時以外のときの作用も上記第1実施形態に係るデジタルカメラ10と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0063】
なお、本第2実施形態に係るデジタルカメラ10では、一例として次に示すようなCCD24の撮像感度と発光信号LPのパルス幅Wとの関係を示すテーブルがROM72に予め記憶されている。
【0064】
【表1】
【0065】
以下、図5を参照して、本第2実施形態に係るデジタルカメラ10において実行される予備発光処理について詳細に説明する。なお、図5は、予備発光処理を行う際に本第2実施形態に係るデジタルカメラ10のCPU50により実行される予備発光処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、該プログラムはROM72の所定領域に予め記憶されている。また、ここでは、メインコンデンサ66による電荷の充電量が予備発光及び本発光に十分な量とされていると共に、ユーザによってCCD24の撮像感度が予め設定されている場合について説明する。
【0066】
同図のステップ200では、ユーザによって設定された感度情報をRAM74の所定領域から読み出すことにより取得し、次のステップ202では、上記ステップ200において取得した感度情報によって示される撮像感度に対応するパルス幅をROM72に予め記憶されている上記テーブルから読み出す。例えば、当該テーブルが表1に示されるものである場合で、かつユーザによって予め設定された撮像感度がISO400であるときは、上記パルス幅として20(μ秒)が読み出されることになる。
【0067】
次のステップ204では、発光信号LPのパルス幅Wを上記ステップ202において読み出したパルス幅となるように設定し、次のステップ206では、上記ステップ204の処理によりパルス幅Wが設定された発光信号LPのトリガ回路60への入力を開始することにより予備発光を開始し、次のステップ208では、予備発光を終了させるタイミングとなるまで待機する。なお、本実施の形態でも、予備発光を本発光の直前に複数回(ここでは、3回)行わせるものとしており、この回数だけ垂直同期信号VDが発生したか否かを判定することにより、予備発光を終了させるタイミングが到来したか否かを判定する。
【0068】
そして、予備発光を終了させるタイミングが到来するとステップ208が肯定判定となってステップ210に移行し、発光信号LPのトリガ回路60への入力を停止することにより予備発光を停止させた後、本予備発光処理プログラムを終了する。本予備発光処理プログラムのステップ200の処理が本発明の取得手段に、ステップ202〜ステップ210の処理が本発明の発光制御手段に、各々相当する。
【0069】
本実施の形態に係るデジタルカメラ10における予備発光時及び本発光時の発光信号LP、及び発光管64の発光量の推移は、一例として図4に示したものと同様の状態となる。但し、この場合の発光信号LPのパルス幅Wは、ユーザにより設定されたCCD24の撮像感度により示される被写体の明るさが暗いほど狭くなるように設定される。従って、予備発光の発光量も、被写体の明るさが暗いほど少なくなり、予備発光の発光量が赤目防止のために必要な最低限の発光量より著しく多くなる事態を回避することができ、この結果として予備発光による消費電力を低減することができる。
【0070】
また、本実施の形態に係る予備発光処理では、感度情報に基づいて予備発光の発光量を制御しており、当該感度情報は撮影場所の明るさに影響されることなく正確に取得できるものであるので、被写体までの距離の測定結果に基づいて発光量を制御する場合に比較して、より的確に予備発光の発光量を制御することができ、この結果として、より的確に赤目現象の発生を防止することができる。
【0071】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、被写体の明るさを示す感度情報を取得し、取得した感度情報によって示される被写体の明るさが暗いほど発光量を少なくして予備発光を行うようにしているので、消費電力を抑制しつつ的確に赤目現象の発生を防止することができる。
【0072】
また、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、発光管64の発光時間を加減することにより発光管64の発光量を制御しているので、発光管64の発光量を簡易に制御することができる。
【0073】
更に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、予め備えられた感度情報を取得する手段により得られた感度情報を被写体の明るさを示す物理量として取得しているので、当該物理量を取得するために要するコストを低減できる。
【0074】
〔第3実施形態〕
上記第1、第2実施形態では、発光信号LPのパルス幅を加減することにより発光管64による予備発光の発光量を制御する場合の形態について説明したが、本第3実施形態では、発光管64を発光させるための所定時間当たりのエネルギー(ここでは、発光管64に流れる電流の電流レベル)を加減することにより発光管64による予備発光の発光量を制御する場合の形態について説明する。なお、本第3実施形態に係るデジタルカメラ10の構成は上記第1実施形態に係るデジタルカメラ10と同一であるので、ここでの説明は省略する。また、本第3実施形態に係るデジタルカメラ10の予備発光処理の実行時以外のときの作用も上記第1実施形態に係るデジタルカメラ10と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0075】
なお、本第3実施形態に係るデジタルカメラ10では、ROM72に一例として次に示すようなCCD24の撮像感度と発光管64に流す電流の電流レベルILとの関係を示すテーブルが予め記憶されている。
【0076】
【表2】
【0077】
以下、図6を参照して、本第3実施形態に係るデジタルカメラ10において実行される予備発光処理について詳細に説明する。なお、図6は、予備発光処理を行う際に本第3実施形態に係るデジタルカメラ10のCPU50により実行される予備発光処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、該プログラムはROM72の所定領域に予め記憶されている。また、ここでは、メインコンデンサ66による電荷の充電量が予備発光及び本発光に十分な量とされていると共に、ユーザによってCCD24の撮像感度が予め設定されている場合について説明する。
【0078】
同図のステップ300では、ユーザによって設定された感度情報をRAM74の所定領域から読み出すことにより取得し、次のステップ302では、上記ステップ300において取得した感度情報によって示される撮像感度に対応する電流レベルをROM72に予め記憶されている上記テーブルから読み出す。例えば、当該テーブルが表2に示されるものである場合で、かつユーザによって予め設定された撮像感度がISO800であるときは、上記電流レベルとして10(mA)が読み出されることになる。
【0079】
次のステップ304では、発光管64に流れる電流の電流レベルILが上記ステップ302において読み出した電流レベルとなるように光電流制御部62を設定し、次のステップ306では、所定パルス幅とされた発光信号LPのトリガ回路60への入力を開始することにより予備発光を開始し、次のステップ308では、予備発光を終了させるタイミングとなるまで待機する。なお、本実施の形態でも、予備発光を本発光の直前に複数回(ここでは、3回)行わせるものとしており、この回数だけ垂直同期信号VDが発生したか否かを判定することにより、予備発光を終了させるタイミングが到来したか否かを判定する。
【0080】
そして、予備発光を終了させるタイミングが到来するとステップ308が肯定判定となってステップ310に移行し、発光信号LPのトリガ回路60への入力を停止することにより予備発光を停止させた後、本予備発光処理プログラムを終了する。本予備発光処理プログラムのステップ300の処理が本発明の取得手段に、ステップ302〜ステップ310の処理が本発明の発光制御手段に、各々相当する。
【0081】
図7には、本実施の形態に係るデジタルカメラ10における予備発光時及び本発光時の発光管64を流れる電流の電流レベル、及び発光管64の発光量の推移例が示されている。
【0082】
同図に示すように、発光管64を流れる電流は撮像系の垂直同期信号VDに同期して流れ始めるため、予備発光及び本発光も垂直同期信号VDに同期して開始される。そして、発光管64を流れる電流の電流レベルは、上述した予備発光処理プログラムのステップ300〜ステップ304の処理によって、ユーザにより設定されたCCD24の撮像感度によって示される被写体の明るさが暗いほど低くなるように設定される。従って、予備発光の発光量も、被写体の明るさが暗いほど少なくなり、予備発光の発光量が赤目防止のために必要な最低限の発光量より著しく多くなる事態を回避することができ、この結果として予備発光による消費電力を低減することができる。
【0083】
また、本実施の形態に係る予備発光処理では、感度情報に基づいて予備発光の発光量を制御しており、当該感度情報は撮影場所の明るさに影響されることなく正確に取得できるものであるので、被写体までの距離の測定結果に基づいて発光量を制御する場合に比較して、より的確に予備発光の発光量を制御することができ、この結果として、より的確に赤目現象の発生を防止することができる。
【0084】
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、被写体の明るさを示す感度情報を取得し、取得した感度情報によって示される被写体の明るさが暗いほど発光量を少なくして予備発光を行うようにしているので、消費電力を抑制しつつ的確に赤目現象の発生を防止することができる。
【0085】
また、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、発光管64を発光させるための電流の電流レベルを加減することにより発光管64の発光量を制御しているので、発光管64の発光量を簡易に制御することができる。
【0086】
更に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、予め備えられた感度情報を取得する手段により得られた感度情報を被写体の明るさを示す物理量として取得しているので、当該物理量を取得するために要するコストを低減できる。
【0087】
なお、本第3実施形態では、ユーザにより設定されたCCD24の撮像感度に基づいて予備発光の発光量を発光管64に流れる電流のレベルを加減することにより制御する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、AE情報により示される被写体の明るさに基づいて予備発光の発光量を発光管64に流れる電流のレベルを加減することにより制御する形態とすることもできることはいうまでもない。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0088】
また、上記各実施の形態では、本発明のストロボ装置及びカメラをデジタル電子スチルカメラに適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、銀塩写真方式のカメラに適用することもできる。この場合、上記各実施の形態で適用していたISO感度として、カメラに装着された写真感光材料の感度を適用する。この場合にも、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0089】
また、上記各実施の形態では、本発明の物理量としてAE情報及び感度情報の何れか一方のみを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、AE情報及び感度情報の双方を用いる形態とすることもできる。この場合の形態としては、AE情報により示される明るさと、感度情報により示される明るさとの平均の明るさを被写体の明るさを示す物理量として用いる形態を例示することができる。この場合は、被写体の明るさを示す物理量として2種類の異なる情報を加味した量を適用することができるので、上記各実施の形態と比較して、より的確に予備発光の発光量を制御することができる。
【0090】
また、上記各実施の形態では、予備発光の発光量を制御するために発光信号LPのパルス幅及び発光管64に流す電流のレベルの何れか一方のみを制御した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光信号LPのパルス幅及び発光管64に流す電流のレベルの双方を制御する形態とすることもできる。この場合は、発光信号LPのパルス幅及び発光管64に流す電流のレベルの組み合わせによって発光管64の発光量を制御できるので、より融通性の高い制御を可能とすることができる。
【0091】
また、上記各実施の形態では、本発明の取得手段、発光制御手段、AE情報取得手段、及び感度情報取得手段をデジタルカメラ10に設けられたCPU50によりソフトウェアの処理として実現する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、これらの手段に各々対応するハードウェアを予めデジタルカメラ10に設けておき、当該ハードウェアによって実現する形態とすることもできることはいうまでもない。この場合は、デジタルカメラ10の小型化の面では不利であるものの、CPU50に対する処理の負荷を分散することができる。
【0092】
更に、上記各実施の形態において説明した予備発光処理プログラム(図3、図5、図6参照)の処理の流れも一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0093】
請求項1に記載のストロボ装置によれば、被写体の明るさを示す物理量を取得し、取得した物理量によって示される被写体の明るさが暗いほど、赤目防止効果を得ることのできる最低限の発光量を下限値とした所定範囲内で発光量を少なくして人間の瞳孔を縮小させるための赤目防止用予備発光を行うようにしているので、消費電力を抑制しつつ的確に赤目現象の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【0094】
また、請求項2に記載のストロボ装置によれば、被写体に照射する光を発する発光手段の発光時間及び当該発光手段を発光させるための所定時間当たりのエネルギーの少なくとも一方を加減することにより発光手段の発光量を制御しているので、発光手段の発光量を簡易に制御することができる、という効果が得られる。
【0095】
更に、請求項3に記載のカメラによれば、請求項1又は請求項2記載のストロボ装置と、自動露出機能のために被写体の明るさを示すAE情報を取得するAE情報取得手段及び撮像部位の感度を示す感度情報を取得する感度情報取得手段の少なくとも一方と、を備えると共に、備えられたAE情報取得手段及び感度情報取得手段の少なくとも一方により得られたAE情報及び感度情報の少なくとも一方を物理量として取得しているので、物理量を取得するために要するコストを低減でき、この結果として消費電力及びコストを抑制しつつ的確に赤目現象の発生を防止することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観を示す外観図である。
【図2】実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の構成を示すブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る予備発光処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係るデジタルカメラ10における予備発光時及び本発光時の発光信号LP及び発光管64の発光量の推移例を示すタイムチャートである。
【図5】第2実施形態に係る予備発光処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態に係る予備発光処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】第3実施形態に係るデジタルカメラ10における予備発光時及び本発光時の発光管64に流れる電流の電流レベル及び発光管64の発光量の推移例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
10 デジタルカメラ
24 CCD
50 CPU(取得手段、発光制御手段、AE情報取得手段、感度情報取得手段)
64 発光管(発光手段)
Claims (3)
- カメラによる撮影時に被写体に対して必要に応じて補助光を照射するストロボ装置であって、
被写体に照射する光を発する発光手段と、
被写体の明るさを示す物理量を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記物理量によって示される被写体の明るさが暗いほど、赤目防止効果を得ることのできる最低限の発光量を下限値とした所定範囲内で発光量を少なくして人間の瞳孔を縮小させるための赤目防止用予備発光を行うように前記発光手段を制御する発光制御手段と、
を備えたストロボ装置。 - 前記発光制御手段は、前記発光手段の発光時間及び前記発光手段を発光させるための所定時間当たりのエネルギーの少なくとも一方を加減することにより前記発光手段の発光量を制御する
請求項1記載のストロボ装置。 - 請求項1又は請求項2記載のストロボ装置と、
自動露出機能のために被写体の明るさを示すAE情報を取得するAE情報取得手段及び撮像部位の感度を示す感度情報を取得する感度情報取得手段の少なくとも一方と、
を備えたカメラであって、
前記ストロボ装置の前記取得手段は、備えられた前記AE情報取得手段及び前記感度情報取得手段の少なくとも一方により得られた前記AE情報及び前記感度情報の少なくとも一方を前記物理量として取得する
ことを特徴とするカメラ。
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