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JP2006091293A - 撮影装置 - Google Patents

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JP2006091293A JP2004275272A JP2004275272A JP2006091293A JP 2006091293 A JP2006091293 A JP 2006091293A JP 2004275272 A JP2004275272 A JP 2004275272A JP 2004275272 A JP2004275272 A JP 2004275272A JP 2006091293 A JP2006091293 A JP 2006091293A
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Abstract

【課題】レンズなどといった被駆動体を精度よく駆動することができる小型の駆動装置、および撮像装置を提供することを目的とする。
【解決手段】被写体を結像させて画像信号を生成する撮影装置において、ピント調整用の光学部材を光軸方向に移動させるピント調整駆動部と、光学部材を光軸方向に移動させている間の、画像信号に基づく被写体のコントラストを繰り返し検知するコントラスト検知部と、コントラスト検知部で検知されたコントラストのうちの最大のコントラストと最小のコントラストとの比と所定の第1の閾値との大小判定を行い、最小のコントラストを基準としたときの最大のコントラストの比が第1の閾値よりも大きいと判定したか否かに応じて、光学部材を、それぞれ、最大のコントラストに対応する合焦位置に移動させ、あるいはあらかじめ定められた被写体距離に対応するパンフォーカス位置に移動させるピント調整制御部とを備えた。
【選択図】 図5

Description

本発明は、被写体を結像させて画像信号を生成する撮影装置に関する。
従来から、カメラで被写体を撮影する際には、自動的にピントをあわせるオートフォーカス(以下、AFと称する)が広く採用されている。カメラにオートフォーカス機能が備えられることによって、撮影者がファインダを覗きながら自分で焦点を調節する必要がなく、初心者でも容易に鮮明な撮影画像を得ることができる。AF機能の一般的な実現方法は、レンズを通ってきた被写体光をCCDなどといった撮像素子で受光するTTL(Through The Lens)方式を用いた方法で、レンズを光軸方向に移動させながら被写体光に基づく撮影信号のコントラストを測定し、そのコントラストが最も大きくなるときのレンズ位置(合焦位置)にレンズを移動させることで焦点をあわせる方法である。以下では、この合焦位置の検出方法について説明する。
図1は、レンズを光軸方向に移動させたときの、コントラストの変化の例を示す図である。
ここでは、レンズが、遠くの被写体に焦点を合わせるINF位置から近くの被写体に焦点を合わせるNEAR位置までの駆動範囲内で1ステップ分ずつ移動されて、それら各ステップごとに撮影信号のコントラストが取得される。図1は、横軸にレンズの移動ステップ数、縦軸に撮影信号のコントラスト値が対応付けられている。
まず、最初のレンズ位置(位置1:INF位置)において撮影信号のコントラストが取得され、取得されたコントラストが暫定的な最大のコントラストとして保存される。
続いて、レンズがNEAR側に1ステップ分移動されて、移動後のレンズ位置(位置2)における撮影信号のコントラストが取得される。取得された今回のコントラストは、保存されている最大のコントラストと比較され、今回のコントラストの方が保存されたコントラストよりも大きいときには、今回のコントラストが既に保存されているコントラストに替えて保存される。
レンズをNEAR側に1ステップ分移動させて、撮影信号のコントラスト値を取得し、今回のコントラストと保存されているコントラスト(前回までの最大のコントラスト)とを比較する作業が、今回のコントラストが保存されているコントラストよりも小さくなるまで続けられる。図1のグラフL1では、レンズ位置が位置4に達するまでは、レンズの移動に伴ってコントラストも増加していくが、位置5におけるコントラストは、保存されているコントラスト(位置4におけるコントラスト)よりも小さくなっている。
通常、レンズが合焦位置に近づくほど撮影信号のコントラストは大きくなるため、レンズをINF位置からNEAR位置まで一方向に移動させると、初めはレンズが徐々に合焦位置に近づいてコントラストが増加していき、レンズが合焦位置を通過した後は、コントラストは徐々に減少していく。このように、コントラストは山なりに変化するため、コントラストが増加傾向から減少傾向に変化したレンズ位置(位置5)が合焦位置であると推測することができる。コントラストが増加傾向から減少傾向へと変化する変化点を取得して合焦位置を検出する方法は、「山登り方式AF」として従来から広く適用されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、コントラストの減少度合が小さい場合には、本当にその最大のコントラストが山なりのピークであるかが不明確であるため、さらに、レンズの移動、コントラストの取得が続けられ、取得されたコントラストと最大のコントラストとの差分が所定の閾値以上になった時点で、最大のコントラストが山なりのピークであると判定される。図1のグラフL1では、レンズ位置が位置6のときには、取得されたコントラストと最大のコントラスト(位置4におけるコントラスト)との差分が閾値Dに達していないが、レンズ位置が位置7のときには、それらのコントラストの差分d1が閾値Dを超えており、この時点で位置4のコントラストが山なりのピークであると判定され、位置4が合焦位置であると決定され、その号所う位置である位置4にレンズが移動される。
このように、「山登り方式AF」によってコントラストのピークを取得し、合焦位置を決定することによって、コントラストのピークが取得された時点で合焦位置検出のためのレンズの移動を中止することができ、高速にオートフォーカス機能を実現することができる。
特開2004−37733公報
上記の方法によると、駆動範囲内でレンズを移動させたときに、コントラストの最大値を経て、その後、コントラストが閾値Dよりも減少しない場合には、合焦位置が不明であると判定され、レンズが予め決められたパンフォーカス位置に移動される。この場合、例えば、図1のグラフL2では、レンズ位置が位置5のときのコントラストを境にコントラストが増加傾向から減少傾向に変化しており、コントラストが山なりに変化しているが、コントラストの最大値(位置5におけるコントラスト)と最小値(位置8におけるコントラスト)との差分d2が閾値Dを超えていないため、合焦位置が不明であると判定されてしまう。例えば、暗い場所で撮影された被写体では、全体的にコントラストが下がってしまうためにコントラストの最大値と最小値との差分が閾値Dを超えないこともあり、このような方法では被写体にピントを合わせられない場合があるという問題がある。
また、このような問題を解決するために、閾値Dを小さくすると、測定誤差などによるコントラストの減少などによって誤ったレンズ位置を合焦位置と決定してしまい、オートフォーカス機能の精度が劣化してしまうという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑み、コントラストの変化が小さい被写体であっても、精度良くピントを合わせることができる撮影装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の撮影装置は、被写体を結像させて画像信号を生成する撮影装置において、
ピント調整用の光学部材を駆動するピント調整駆動部と、
光学部材を駆動している間の、画像信号に基づく被写体のコントラストを繰り返し検知するコントラスト検知部と、
コントラスト検知部で検知されたコントラストのうちの最大のコントラストと最小のコントラストとの比と所定の第1の閾値との大小判定を行い、最小のコントラストを基準としたときの最大のコントラストの比が第1の閾値よりも大きいと判定したか否かに応じて、光学部材を、それぞれ、最大のコントラストに対応する合焦状態に駆動し、あるいはあらかじめ定められた被写体距離に対応するパンフォーカス状態に駆動するピント調整制御部とを備えたことを特徴とする。
ここで、本発明にいう「光学部材の駆動」とは、例えば、光学部材が通常のレンズなどの場合には、レンズを光軸方向に移動させる動作をいう。また、近年では、容器に収容された液体に電圧を印加し、その液面の形状等を変化させることによって光の屈折率を調節する液体レンズが開発されている。光学部材が液体レンズなどの場合には、本発明にいう「光学部材の駆動」とは、通常のレンズを光軸方向に移動させるのと等価な作用を行わせるように、液体に電圧を印加する作業などをいう。
本発明の撮影装置によると、光学部材を光軸方向に移動させている間に検知された被写体のコントラストのうち、最小のコントラストを基準としたときの最大のコントラストの比が第1の閾値よりも大きい場合に、最大のコントラストに対応する光学部材の位置が合焦位置と決定される。例えば、暗い場所で被写体を撮影する場合などのように、全体的に被写体のコントラストが小さく、最大のコントラストと最小のコントラストとの差分が小さいときであっても、それらのコントラストの比が大きいときには、最大のコントラストに対応する合焦位置に光学部材が移動され、被写体に精度良くピントが合わせられる。
また、本発明の撮影装置において、上記ピント調整制御部は、最大のコントラストが所定の第2の閾値以下であるか、あるいは最小のコントラストが所定の第3の閾値以下であるときには、大小判定を行うことなく、光学部材をパンフォーカス状態に駆動するものであることが好ましい。
本発明の撮影装置によると、例えば、最大のコントラストの値が1000であり、最小のコントラストの値が100である第1の場合と、最大のコントラストの値が10であり、最小のコントラストの値が1である第2の場合とでは、それら最大のコントラストと最小のコントラストとの比は同じ値になる。しかし、第2の場合では、コントラストの変化量が微小であり、ピークが不明確であると推測される。
最小のコントラストを基準としたときの最大のコントラストの比に加えて、最大のコントラストおよび最小のコントラストそれぞれに対しても閾値を設けることによって、コントラストに明確なピークが存在する場合のみ、合焦位置が決定される。
また、本発明の撮影装置において、上記ピント調整制御部は、コントラスト検知部により、光学部材の駆動中に最大のコントラストを検知しさらに駆動中にその最大のコントラストよりも所定の第4の閾値を超えて低下したコントラストを検知したときには、その後のコントラスト検知を待たずに、光学部材を最大のコントラストに対応する合焦状態に駆動するものであることが好ましい。
光学部材の移動中に、最大のコントラストよりも所定の第4の閾値を超えて低下したコントラストを検知し、その最大のコントラストが山なりのピークであることが明確に判定されたときには、その後のコントラスト検知を待たずに、光学部材を最大のコントラストに対応する合焦位置に移動させることによって、被写体に高速にピントを合わせることができる。
本発明によれば、コントラストの変化が小さい被写体であっても、精度良くピントを合わせることができる撮影装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
図2は、本発明の一実施形態が適用されたデジタルカメラの外観図である。
デジタルカメラ100の正面には、外観上、被写体に焦点を合わせるフォーカスレンズなどで構成される撮影レンズ101、撮影者が被写体の位置などを定めるために覗くファインダ102、撮影時に押されるシャッタボタン105、シャッタボタン105の押下に同期して発光する閃光発光装置103、スライド式の電源ボタン104が備えられている。シャッタボタン105は半押し、および全押しの2段階に押下可能であり、シャッタボタン105を半押しすると、撮影レンズ101内のフォーカスレンズに取り付けられたモータを光軸方向に駆動して撮影画角の中央領域に焦点を合わせ、フォーカスレンズの位置を被写体像の読み取り(露光)まで維持するフォーカスロックが設定され、シャッタボタン105を全押しすると、シャッタが切られて実際の撮影が行われる。
図3は、デジタルカメラ100のブロック図である。
デジタルカメラ100には、アイリス111、モータドライバ112a、フォーカスレンズ112、タイミングジェネレータ113a、CCD(Charge Couple Device)113、CDS−AMP121、A/D(Analog/Degital)変換部122、メモリコントローラ123、AF値判断部124、画像信号処理部125、CPU126、AF検出部127、ビデオエンコーダ128、メディアコントローラ129、メモリ130、シャッタスイッチ161、電源スイッチ162、および画像表示装置140が具備されており、さらに、記録メディア150が接続されている。デジタルカメラ100の内部には、これらの他にも、ズームレンズ、シャッタなどが備えられているが、これらは、本発明の主題とは無関係であるので図示を省略する。
まず、スイッチについて説明する。
シャッタスイッチ161は、図2にも示すシャッタボタン105の押下に同期して2段階に入切されるスイッチであり、一段目のスイッチが入るとフォーカスロックが設定され、二段目のスイッチが入ると被写体の本撮影が行われる。電源スイッチ162は、電源ボタン104の押下に同期して入切され、電源スイッチ162が入ると、デジタルカメラ100が駆動される。
また、図示しないが、撮影画像を画像表示装置140に表示する画像表示スイッチなどといった各種スイッチが備えられている。これらの各スイッチが設定されると、CPU126に各スイッチの設定状況が伝えられる。
次に、被写体を撮影し、その撮影画像に信号処理を施す要素について説明する。
アイリス111には、大きさの異なる孔が2つ設けられており、それらの孔が切り替えられることによって、被写体光の光量が調整される。
フォーカスレンズ112は、被写体に焦点を合わせるためのレンズである。尚、本来、デジタルカメラなどといった撮影装置には複数のレンズが配備され、それら複数のレンズのうち少なくとも1つのレンズがピント調節に大きく関与するが、この図3では、それらの複数のレンズのうち、ピントの調節に係わるレンズのみをフォーカスレンズ112として模式的に示している。フォーカスレンズ112にはモータが取り付けられており、そのモータはモータドライバ112aによって駆動される。モータドライバ112aは、CPU126から、フォーカスレンズ112を所定の駆動範囲内で移動させる指示や、フォーカスレンズ112を合焦位置に向かわせるための合焦位置の指示などを受けて、それらの指示に従った指示信号をモータに与える。モータがモータドライバ112aから与えられた指示信号に従って回転すると、フォーカスレンズ112が移動する。このフォーカスレンズ112は、本発明にいう光学部材の一例にあたり、モータとモータドライバ112aを合わせたものは、本発明の撮影装置におけるピント調整駆動部の一例に相当する。
CCD113は、図2の撮影レンズ101を通ってきた被写体光を受光して、被写体光に基づく被写体像を、アナログ信号である被写体信号として読み取る。この被写体信号は、タイミングジェネレータ113aからの指示に従って、CDS−AMP121に出力される。
タイミングジェネレータ113aは、所定時間ごと、あるいは図2のシャッタボタン105が押されたときに、CCD113に被写体信号を出力させる指示を送る。CDS−AMP121は、被写体信号の増幅およびゲインの調整を行う。A/D変換部122は、被写体信号をデジタルデータである撮影画像データに変換する。メモリコントローラ123は、撮影画像データの出力先を制御する。デジタルカメラ100は、フォーカスレンズ112の合焦位置を検出する合焦動作を行うために、本撮影の前にも撮影画像データを生成する。この合焦動作の際の撮影画像データは、解像度が低い一時的なデータであり、AF検出部127やAF値判断部124やメモリ130に送られる。また、本撮影時に生成される解像度の高い撮影画像データは、メモリ130に送られる。画像信号処理部125は、本撮影時に生成された撮影画像データのRGBレベルの調節、ガンマ調整、圧縮処理などを行う。ビデオエンコーダ128は、CPU126からの指示に従い、圧縮された撮影画像データを画像表示装置140で表示できるデータの形式に変換する。変換後の撮影画像データは、画像表示装置140に送られ、画像表示装置140では、撮影画像データが表す撮影画像が表示される。メディアコントローラ129は、記録メディア150への撮影画像データの記録や読み出しを制御する。画像表示装置140はメニュー画面や撮影画像データが表す撮影画像を表示させるためのものである。また、記録メディア150は、撮影画像データを記録しておく記録媒体である。
また、CPU126は、図3に示すデジタルカメラ100の各種要素を制御する。
AF検出部127は、メモリコントローラ123から送られてきた解像度の低い撮影画像データを基に、撮影画像のコントラストを検出する。検出されたコントラストは、AF値判断部124に送られる。このAF検出部127は、本発明の撮影装置におけるコントラスト検知部の一例に相当する。
AF値判断部124は、AF検出部127から送られてきたコントラストを基にフォーカスレンズ112の合焦位置を決定する。決定された合焦位置は、CPU126に伝えられ、CPU126からフォーカスレンズ112のモータドライバ112aに駆動指示が与えられる。このAF値判断部124とCPU126とを合わせたものは、本発明の撮影装置におけるピント調整制御部の一例に相当する。
本実施形態のデジタルカメラ100は、基本的には以上のように構成されている。
ここで、デジタルカメラ100における、本発明の一実施形態としての特徴は、被写体にピントを合わせる合焦動作にあり、以下、この合焦動作について説明する。
図4は、合焦動作における一連の処理を示すフローチャートであり、図5は、図4のステップS9に示す第2の合焦動作における一連の処理を示すフローチャートである。
ここで、合焦動作においては、本撮影時のような高解像度な撮影画像データは必要ないため、デジタルカメラ100では、合焦動作時には、CCD113において被写体光が粗く読み取られ、低解像度な撮影画像データが生成される。データの空間周波数成分を、低周波領域(空間周波数f<低域値f1)、中周波領域(低域値f1<空間周波数f≦中域値f2)、高周波領域(中域値f2<空間周波数f≦高域値f3)、超高周波領域(高域値f3<空間周波数f)に分けるとき、この低解像度データは、合焦位置の検出には不要なレベルである超高域成分がカットされている。
また、デジタルカメラ100には、超高域成分がカットされた低解像度データのうち高域成分(中域値f2<空間周波数f≦高域値f3である成分)を抽出する高域AFフィルタと、高域および中域成分(低域値f1<空間周波数f≦中域値f2である成分)を抽出する中高域AFフィルタとが用意されている。
合焦動作が行われる際には、まず、AF検出部127に高域AFフィルタや中高域AFフィルタが設定されるとともに、AF露出の設定が行われる(図4のステップS1)。
続いて、CPU126は、モータドライバ112aに合焦動作を開始する指示信号を送る。
モータドライバ112aは、フォーカスレンズ112に取り付けられたモータを駆動し、フォーカスレンズ112を所定のスタート位置に移動させる(図4のステップS2)。この例では、スタート位置として、フォーカスレンズ112の駆動範囲における最もINF側の位置が適用される。
フォーカスレンズ112がスタート位置に移動されると、そのスタート位置(図1に示す位置1)における被写体信号のコントラスト値C1が取得される(図4のステップS3)。すなわち、CCD113において被写体光が粗く読み取られて被写体信号が生成され、CDS−AMP121で被写体信号に対して増幅およびゲインの調整が行われ、その後、A/D変換部122で被写体信号がデジタル信号である低解像度データに変換される。この低解像度データは、メモリコントローラ123に送られ、さらに、AF検出部127に送られる。
AF検出部127では、高域AFフィルタと中高域AFフィルタによって、低解像度データのうちの高域成分(中域値f2<空間周波数f≦高域値f3である成分)と、中高域成分(低域値f1<空間周波数f≦中域値f2である成分)とが取得され、それら高域成分、および中高域成分それぞれにおけるコントラストが検出される。検出された中高域成分におけるコントラストC1_mと、高域成分におけるコントラストC1_hは、AF値判断部124に送られる。
ここで、レンズ位置が合焦位置に近づくほど、被写体のコントラストは大きくなるため、フォーカスレンズ112を移動させていくと、通常は、コントラストは山なりに変化していく。メモリ130には、予め、コントラストが増加して最大値に達し、その後減少していくときに、その最大値が山なりのピークであると判定するための各種閾値が保存されている。コントラストの最大値からの減少分の閾値(中高域差分値Sd_m、高域差分値Sd_h)、コントラストの最大値の閾値(中高域最大値Max_m,高域最大値Max_h)、コントラストの最小値の閾値(中高域最小値Min_m,高域最小値Min_h)、(コントラストの最大値)/(コントラストの最小値)の閾値(中高域比値Sr_m,高域比値Sr_h)が保存されている。このコントラストの最大値からの減少分の閾値(中高域差分値Sm_m、高域差分値Sm_h)それぞれは、本発明にいう第4の閾値の一例にあたり、コントラストの最大値の閾値(中高域最大値Max_m,高域最大値Max_h)それぞれは、本発明にいう第2の閾値の一例にあたり、コントラストの最小値の閾値(中高域最小値Min_m,高域最小値Min_h)それぞれは、本発明にいう第3の閾値の一例にあたり、(コントラストの最大値)/(コントラストの最小値)の閾値(中高域比値Sr_m,高域比値Sr_h)それぞれは、本発明にいう第1の閾値の一例に相当する。
続いて、メモリ130に保存された各種閾値を使って、検出されたコントラストが、山なりに変化するコントラスト変化におけるピークであるか否かが判定される。
まず、AF値判断部124では、低解像度データのうち中高域成分を使って、図1に示す位置1におけるコントラストC1_mがコントラストの最大値であるか否かが判定される。ここでは、前回までのコントラストの最大値と比較して今回のコントラストが減少したら、その前回までのコントラストの最大値を正式な最大値と決定する。今回はレンズ位置がスタート位置であるため、コントラストC1_mが一旦メモリ130に保存される。
低解像度データのうち中高域成分を使ってもコントラスト最大値が取得されないときには(図4のステップS4:No)、低解像度データのうち高域成分を使ったコントラストの最大値の判定が行われる。今回は、コントラストC1_hもメモリ130に保存される(図4のステップS5:No)。
スタート位置(位置1)は、フォーカスレンズ112のレンズ位置が駆動範囲内であるため(図4のステップS8:No)、CPU126からの指示に従ってモータドライバ112aがモータを駆動し、フォーカスレンズ112が1ステップ分移動される。
フォーカスレンズ112が移動されると、上記と同様にして被写体信号のコントラストが検出される(図4のステップS3)。
図6は、レンズを駆動範囲内で移動させたときの、中高域におけるコントラスト値の変化の例を示す図である。
図6のパート(A)に示すように、中高域成分においては、レンズ位置が位置1(スタート位置)のときのコントラストC1_mと比較して、今回の位置2におけるコントラストC2_mは増加しており(図4のステップS4:No)、コントラストの最大値が未だ検出されていないため、位置2のコントラストC2_mが位置1におけるコントラストC1_mに替えてメモリ130に保存される。また、高域成分においても、(位置1におけるコントラストC1_h)<(位置2におけるコントラストC2_h)であったものとすると(図4のステップS5:No)、コントラストの最大値が未だ検出されておらず、位置2のコントラストC2_hが位置1におけるコントラストC1_hに替えてメモリ130に保存される。
フォーカスレンズ112を移動させ(図4のステップS8:No)、中高域、および高域それぞれにおける被写体信号のコントラストを取得し(図4のステップS3)、中高域、および高域それぞれのコントラストの最大値の検出(ステップS4,S5)が、コントラストの最大値が検出されるまで続けられる。
図6のパート(A)においては、位置4における中高域のコントラストC4_mが、前回までの最大値である位置3における中高域のコントラストC3_mと比べて減少しているため、位置3におけるコントラストC3_mが最大値Cmax_mであると判定される。コントラストの最大値が判定されると、さらに、その最大値と今回のコントラストとの差分と、メモリ130に保存された中高域差分値Sd_mとが比較される。ここでは、(最大コントラストCmax_m−今回のコントラストC4_m)<中高域差分値Sd_m(図6の差分閾値Sd)である(図4のステップS4:No)。コントラストは前回と比べて減少しているが、測定誤差の可能性もあるため、そのコントラストの差分が十分に大きくなるまでは、合焦位置が決定されない。
続いて、高域のコントラストにおける判定が行われる。高域のコントラストにおける判定も同様の結果が得られたら(図4のステップS5:No)、さらに、フォーカスレンズ112を位置5に移動させ(図4のステップS8:No)、被写体信号のコントラストが取得される(図4のステップS3)。
位置5におけるコントラストC5_mでは、(最大コントラストCmax_m−今回のコントラストC5_m)>中高域差分値Sd_mであるので(図4のステップS4:Yes)、この最大コントラストCmax_mのときのレンズ位置3が合焦位置であると決定される(図4のステップS6)。
合焦位置が決定されると、その合焦位置がCPU126に伝えられ、CPU126はモータドライバ112aに合焦位置の情報を伝える。モータドライバ112aは、モータに駆動信号を伝え、フォーカスレンズ112が合焦位置に移動される。
フォーカスレンズ112が合焦位置に移動され、撮影者によって図2のシャッタボタン105が全押しされると、図3に示すシャッタスイッチ161の二段目が入り、シャッタが切られて本撮影が開始する。本撮影においては、CCD113で受光された被写体光に基づいて、解像度の高い撮影画像データが取得される。解像度の高い撮影画像データは、圧縮処理などといった各種処理が施され、メディアコントローラ129を経由して記録メディア300に記録される。
ここで、例えば、暗い場所で被写体を撮影するときには、全体的にコントラストが下がるため、コントラストの最大値Cmaxと最小値Cminとの差分も減少する。このため、それらの差分(Cmax−Cmin)が差分閾値Sdに達せず、上記で説明した合焦動作では、実際にはコントラストのピークが存在するのに、合焦位置が決定されない。本実施形態においては、図4の合焦動作を行い、フォーカスレンズ112が駆動範囲内で移動されても合焦位置が検出されなかったときには(図4のステップS8:Yes)、次に図5を用いて説明する第2の合焦動作が開始される(図4のステップS9)。
例えば、図6のパート(B)に示すグラフL4のように、(コントラストの最大値Cmax−コントラストの最小値Cmin)<差分閾値Sdであり、図4に示す合焦動作では合焦位置が検出されなかったときには、以下に示すような手順で第2の合焦動作が行われる。
まず、図4に示す一連の合焦動作で取得された中高域のコントラストを使って第2合焦動差が行われる。
中高域のコントラストのうち最大値Cmax_mが取得され、その最大値Cmax_mと、メモリ130に保存されたコントラストの最大値の閾値(中高域最大値Max_m)とが比較される。グラフL4では、最大値Cmax_m>中高域最大値Max_mであり(図5のステップS11:Yes)、ステップS12に進む。
続いて、図4の合焦動作で取得された中高域のコントラストのうち最小値Cmin_mが取得され、その最小値Cmin_mとコントラストの最小値の閾値(中高域最大値Min_m)とが比較される。グラフL4では、最小値Cmin_m>中高域最大値Min_mであり(図5のステップS12:Yes)、ステップS13に進む。
さらに、中高域におけるコントラストの最小値における最大値の比(Cmax_m/Cmin_m)と、(コントラストの最大値)/(コントラストの最小値)の閾値(中高域比値Sr_m)とが比較される。(Cmax_m/Cmin_m)>中高域比値Sr_mであるときには、被写体信号のコントラストが全体的に小さいが、コントラストのピークが存在することを示し、そのコントラストの最大値Cmax_mのときのレンズ位置(グラフL4では、位置3)が合焦位置であると決定される(図5のステップS17)。
このように、デジタルカメラ100によると、被写体信号のコントラストが全体的に小さく、コントラストの最大値Cmaxと最小値Cminとの差分(Cmax−Cmin)が差分閾値Sdに達しない場合であっても、合焦位置が精度良く決定される。
また、中高域における第2合焦動作を実行しても合焦位置が決定されないときには(図5のステップS11,あるいはS12,あるいはS13:No)、高域のコントラストを使って第2合焦動作が行われる。
まず、図4の合焦動作で取得された高域のコントラストのうちの最大値Cmax_hと、メモリ130に保存されたコントラストの最大値の閾値(高域最大値Max_h)とが比較され(図5のステップS14)、続いて、高域のコントラストのうちの最小値Cmin_hと、コントラストの最小値の閾値(高域最大値Min_h)とが比較される(図5のステップS15)。さらに、高域におけるコントラストの最小値における最大値の比(Cmax_h/Cmin_h)と、高域比値Sr_hとが比較される(図5のステップS16)。(Cmax_h/Cmin_h)>高域比値Sr_hであるときには、コントラストの最大値Cmax_hのときのレンズ位置が合焦位置であると決定される(図5のステップS17)。
このように、被写体信号の中高域成分と高域成分とでそれぞれ合焦位置の判定を行うことによって、被写体信号のコントラストが低いときでも、どちらか片方で合焦位置が決定されることがあり、より効果的に合焦位置が決定される。
また、中高域および高域のどちらの判定でも合焦位置が決定されなかったときには、合焦位置が予め決められているパンフォーカス位置に決定される(図5のステップS18)。
例えば、図6のパート(B)に示すグラフL5では、コントラストの最大値Cmaxと最小値Cminとの比は閾値を超えているが、それら最大値Cmaxと最小値Cmin自体はともに閾値を超えていない。このようなときには、コントラストのピークが不明確であり、前後方向の全体的に焦点を合わせるパンフォーカス位置にフォーカスレンズ112を移動させることによって、ピンボケなどといった不具合が軽減される。
合焦位置が決定されると、フォーカスレンズ112が合焦位置に移動され(図5のステップS19)、本撮影が開始される。
上記のような第2合焦動作を実行すると、従来の合焦動作のみを実行する場合よりも、露光光量がEv値で1段分暗い被写体であっても精度良くオートフォーカスが実現する。
ここで、上記では、固体撮像素子で読み取られた被写体像に基づく撮影画像データを記録するデジタルカメラについて説明したが、本発明の撮影装置は、被写体のコントラストに基づいて合焦位置を決定するピント調整制御部を備えたものであれば、カメラ付き携帯電話や、デジタルカメラと銀塩カメラとの複合機などであってもよい。
また、近年では、容器に収容された液体に電圧を印加し、その液面の形状等を変化させることによって光の屈折率を調節する液体レンズが開発されている。上記では、本発明にいう光学部材として通常のレンズを用いる例について説明したが、本発明にいう光学部材は、液体レンズなどであってもよい。
レンズを光軸方向に移動させたときの、コントラストの変化の例を示す図である。 本発明の一実施形態が適用されたデジタルカメラの外観図である。 図3は、デジタルカメラ100のブロック図である。 合焦動作における一連の処理を示すフローチャートである。 第2の合焦動作における一連の処理を示すフローチャートである。 レンズを駆動範囲内で移動させたときの、中高域におけるコントラスト値の変化の例を示す図である。
符号の説明
100 デジタルカメラ
101 撮影レンズ
102 ファインダ
103 閃光発光装置
104 電源ボタン
105 シャッタボタン
111 アイリス
112a モータドライバ
112 フォーカスレンズ
113a タイミングジェネレータ
113 CCD
121 CDS−AMP
122 A/D変換部
123 メモリコントローラ
124 AF値判断部
125 画像信号処理部
126 CPU
127 AF検出部
128 ビデオエンコーダ
129 メディアコントローラ
130 メモリ
161 シャッタスイッチ
162 電源スイッチ
140 画像表示装置
150 記録メディア

Claims (3)

  1. 被写体を結像させて画像信号を生成する撮影装置において、
    ピント調整用の光学部材を駆動するピント調整駆動部と、
    前記光学部材を駆動している間の、前記画像信号に基づく被写体のコントラストを繰り返し検知するコントラスト検知部と、
    前記コントラスト検知部で検知されたコントラストのうちの最大のコントラストと最小のコントラストとの比と所定の第1の閾値との大小判定を行い、最小のコントラストを基準としたときの最大のコントラストの比が前記第1の閾値よりも大きいと判定したか否かに応じて、前記光学部材を、それぞれ、最大のコントラストに対応する合焦状態に駆動し、あるいはあらかじめ定められた被写体距離に対応するパンフォーカス状態に駆動するピント調整制御部とを備えたことを特徴とする撮影装置。
  2. 前記ピント調整制御部は、前記最大のコントラストが所定の第2の閾値以下であるか、あるいは前記最小のコントラストが所定の第3の閾値以下であるときには、大小判定を行うことなく、前記光学部材を前記パンフォーカス状態に駆動するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
  3. 前記ピント調整制御部は、前記コントラスト検知部により、前記光学部材の駆動中に最大のコントラストを検知しさらに駆動中に該最大のコントラストよりも所定の第4の閾値を超えて低下したコントラストを検知したときには、その後のコントラスト検知を待たずに、該光学部材を最大のコントラストに対応する合焦状態に駆動するものであることを特徴とする請求項1記載の撮影装置。
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