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JP4019870B2 - 後処理装置および画像形成装置 - Google Patents

後処理装置および画像形成装置 Download PDF

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JP4019870B2
JP4019870B2 JP2002269810A JP2002269810A JP4019870B2 JP 4019870 B2 JP4019870 B2 JP 4019870B2 JP 2002269810 A JP2002269810 A JP 2002269810A JP 2002269810 A JP2002269810 A JP 2002269810A JP 4019870 B2 JP4019870 B2 JP 4019870B2
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憲治 川津
裕之 若林
幸二 吉江
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  • Folding Of Thin Sheet-Like Materials, Special Discharging Devices, And Others (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成された折り目付きの用紙を山形形状の積載手段上に積載するとともに整合させ、中綴じする後処理装置、および、当該後処理装置を一体的に有する電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成済みであって適宜の部材上に積載された用紙の中央部に対して、打針手段(ステッチャ)および受針手段(クリンチャ)からなる中綴じ手段(ステイプラ)により金属針を打ち込んで中綴じし、しかる後、その用紙束を2つ折りの小冊子の形態として装置外に排出するように構成した処理装置は公知である。
【0003】
例えば、ギャザリングチェーンと呼ばれる搬送手段の長手方向に沿って複数のフィーダを設けるとともに、それぞれのフィーダ上に折り目を付けた用紙を積載しておき、前記ギャザリングチェーンの回転に同期して、前記フィーダから順次1枚ずつ用紙を落下させ、チェーン上において重ねた後に、ステイプラを作動させて中綴じを行う構成が製本装置の一部として知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、画像形成後の用紙に搬送経路上で一枚ずつ折り目を付け、これら用紙を最終的に山形形状にして支持部材上に積載した状態で前記折り目上を中綴じするように構成した製本機能を備えた複写機も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
更に、画像形成後の用紙に搬送経路上で一枚ずつ折り目を付け、山形形状の積載手段上に落下させて積載し、積載した用紙を積載手段上を滑らせて、ステイプラ位置に置き、中綴じをした後の用紙束を初期位置(中央部)に戻し、ブレード部材で最下位置にある用紙の折り目を介して突き上げ、中折手段として機能せしめた一対のローラで次工程に搬送するように構成した自動オンライン折丁仕上げ装置が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−227358号公報(段落番号0005、0007、0025、第8図、第9図、第13図)
【0007】
【特許文献2】
特開昭60−254165号公報(第5頁右上欄、第2図、第3図、第6図)
【0008】
【特許文献3】
特開平7−179262号公報(段落番号0020〜0031、第4図〜第13図)
しかしながら、特許文献1に開示された構成は、ギャザリングチェーンの長手方向に沿って複数のフィーダを設置する必要性から装置の大型化を招くのみならず、同期をとって折丁を落下させるために用紙の整合制御が難しく、また、フィーダの構造も複雑であった。
【0009】
更に、チェーン上に折丁を積載している状態でステイプル処理(綴じ処理)を行う態様であるため、折り目の線上に針を打ち込むことが困難であり、小冊子としての用紙束は余り見栄えの良いものではなかった。
【0010】
また、特許文献2に開示された構成は、用紙を2つのガイド板上に順次、積み重ね、幅寄せコロにより用紙の二辺を壁板に当接して用紙の整合を図った後、前記ガイド板の対向端側の支軸を中心として回動させて山形となし、前記支軸側のガイド板端部間に位置する支持部材の頂部に跨らせ、中綴じする構成であるので、用紙を積載するまでの制御が煩雑であり、同時に、ガイド板の回動により支持部材上に用紙を積載する動作時に、用紙間にズレを生じる懸念があった。
【0011】
更に、特許文献3に開示された構成は、積載手段上に重ねた用紙を中綴じ時に動かすので用紙に負荷をかけたり、また、中綴じ後の用紙束を積載手段上から排出するために特別な部材を付設しなければならないので、スペースの利用に無駄があった。
【0012】
また、折りロールの直下に積載手段の頂部を位置せしめ、用紙の座屈を利用して前記折りロールに用紙を挟持させて折り目をつける構成ゆえに積載部近辺が混み合う構造となり、かつ、用紙の整合のために、山形形状の積載手段の両外側に、パドルホイールを可回転に設ける必要があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、主たる目的は、山形形状を有する積載手段上において、既に折り目が付いている用紙を簡単な構成で容易に整合させることができる後処理装置を提供することにある。
【0014】
また、他の目的は、用紙の幅方向における整合を効率よく行うことができる後処理装置を提供することにある。
【0015】
更に、他の目的は、上述の後処理装置を一体的に有することにより、用紙上への画像形成から小冊子状態にして排出するまでの動作を連続的に行うことができ、機能の拡充を図ることができる画像形成装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる目的は、下記の構成によって達成することができる。
【0017】
(1)画像形成された用紙を中折り手段により一枚づつ中折りし、中綴じ部に設けた山形形状の積載手段上に順次積載した後に、中綴じ手段により針打ちして小冊子を作製する後処理装置において、
前記積載手段の上に積載される用紙のうち、最下位用紙の折り目を介して用紙を突き上げる突き上げ部材を設け、
用紙を積載する空間を挟み、前記突き上げ部材と所定の間隔をもって押さえ部材を対向配設するとともに、当該押さえ部材を、前記突き上げ部材の移動方向と同方向に往復動可能に設けたことを特徴とする後処理装置。
【0019】
)前記中綴じ手段による針打ち処理の際に、前記突き上げ部材と前記押さえ部材とで、積載された用紙を挟持させることを特徴とする前記()に記載の後処理装置。
【0020】
)用紙が積載される前記積載手段の奥行き方向において、前記突き上げ部材と前記押さえ部材とは、前記中綴じ手段の近傍に位置することを特徴とする前記()または前記()に記載の後処理装置。
【0025】
)前記(1)乃至(3)の何れか1つに記載の後処理装置を一体的に有することを特徴とする画像形成装置。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる実施の形態の一例を、以下、図面を用いて説明する。
【0027】
図1は用紙の後処理装置を一体的に有する、デジタル複写機からなる画像形成装置の構成を示す模式図である。
【0028】
図において、画像形成装置本体は自動原稿送り装置1、画像読み取り装置2、画像処理部C、画像形成部3、用紙収納部D、給紙部4、反転排紙・再給紙部5、および、反転搬送部6を有している。
【0029】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を一枚ずつ送り出し、原稿を画像読取位置へと搬送し、画像読取が終わった原稿を所定の場所に排紙処理する装置である。
【0030】
前記自動原稿送り装置1は、原稿を載置する原稿載置台11、原稿載置台11上に載置された原稿を分離する原稿分離手段12、原稿分離手段12で分離された原稿を搬送する複数のローラを含む原稿搬送手段13、原稿搬送手段13で搬送された原稿を排紙する原稿排紙手段14、原稿排紙手段14によって排紙された原稿を載置する原稿排紙台15、および、両面複写モードにおいて原稿の表裏を反転させるための反転ローラ対からなる原稿反転手段16を有している。
【0031】
前記原稿載置台11上に載置された複数枚の原稿(不図示)は、原稿分離手段12によって1枚づつ分離され、前記原稿搬送手段13によって画像読取位置を介して搬送される。
【0032】
原稿読取位置は前記原稿搬送手段13の下方に設けられており、画像読み取り装置2のスリット21を通して原稿の画像が読み取られるようになっている。
【0033】
画像が読み取られた原稿は、原稿排紙手段14によって原稿排紙台15上へと排紙される。
【0034】
一方、原稿の両面の画像を読み取る際には、一度片面の画像が読み取られた原稿を原稿反転手段16に導き、原稿の後端が前記原稿反転手段16を構成する反転ローラ対に挟持された状態において当該反転ローラ対を逆回転させて原稿の表裏を反転し、再度、前記原稿搬送手段13で搬送することにより、前記原稿読取位置において他の面(第2面)の画像を読み取ることができる。
【0035】
このような工程が原稿載置台11上に載置された原稿の枚数分繰り返される。
また、前記自動原稿送り装置1は可倒式に構成されており、この自動原稿送り装置1を起こしてプラテンガラス22上を開放し、当該プラテンガラス22上に原稿を直接載置して複写を行うこともできるように構成してある。
【0036】
画像読み取り装置2は、原稿の画像を読み取って画像データを得るための装置であり、前記スリット21を介して原稿を照射するランプ231と原稿からの反射光を反射させる第1ミラー232とを一体化してなる第1ミラーユニット23と、前記第1ミラー232からの光を反射させる第2ミラー241と第3ミラー242とを一体化してなる第2ミラーユニット24と、当該第2ミラーユニット24からの反射光を、撮像素子であるCCD(後記)に結像させる結像レンズ25、および、結像レンズ25によって結像された光像を光電変換するライン状のCCD26を有している。
【0037】
光電変換されたアナログ信号は、アナログ処理後A/D変換され、画像処理部Cでシェーディング補正、フィルタ処理、あるいは、γ補正等の適宜の画像処理を施されて画像データとされた後、一旦、図示しないメモリに蓄積されるようになっている。
【0038】
前記自動原稿送り装置1によって送られる原稿を画像読み取り装置2で読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23、および、前記第2ミラーユニット24は、図示の如き位置に固定される。
【0039】
なお、前記プラテンガラス22上に直接載置された原稿の画像を読み取る態様においては、前記第1ミラーユニット23と前記第2ミラーユニット24とを、光路長を保ちながら、プラテンガラス22に沿って移動させることにより行う。
【0040】
画像形成部3は、電子写真プロセスを用いて画像形成する部位であり、像担持体としての光導電性感光層を表面に有する感光体ドラム31、当該感光体ドラム31の表面を一様帯電させる帯電器32、画像処理後の画像データに基いて作動され、前記感光体ドラム31上を露光して静電荷潜像を形成するための露光手段であるレーザー書込系33、前記感光体ドラム31上に形成される静電荷潜像を反転現像してトナー像となす現像器34、顕像化された前記トナー像を用紙上に転写せしめる転写極35、トナー像が転写された用紙の裏面からACコロナ放電を行い、前記感光体ドラム31上からの用紙の分離を促進する除電器36、および、転写工程終了後の前記感光体ドラム31を清掃するためのクリーニング手段37等、公知の画像形成手段を有している。
【0041】
38は分離後の用紙を、加熱ローラ型の定着装置39に向けて搬送する搬送ベルトである。
【0042】
前記定着装置39は、加熱源Hを内蔵し、その周囲を独立回転する定着上ローラ390と、前記定着上ローラ390と圧接しながら回転する定着下ローラ393からなる定着処理手段を主要素とする。
【0043】
前記定着装置39の下流には、反転排紙・再給紙部5の構成要素である定着排出ローラ51、切替手段52、排紙ローラ53が備えてある。
【0044】
なお、前記定着装置39内に示すWは定着上ローラ390の表面に接触して設けたクリーニングウェブで、例えば、装置作動中における適宜の時間間隔で図の左側に示す巻き取り芯上に少しづつ巻き取られるようになっている。
【0045】
上記構成を用いての用紙上への画像形成は、適宜の駆動手段によって矢示の方向に回転する感光体ドラム31を帯電器32により順次帯電した後、レーザー書込系33によるドット露光で原稿画像に対応した静電荷潜像を形成し、現像器34により前記静電荷潜像をトナー像となし、その後、第2給紙手段としてのレジストローラ46の回転開始により給送される用紙P上に、前記転写極35の作用を介して転写させることで達成される。
【0046】
画像形成開始は、実際には、前記レジストローラ46に用紙Pが到達している状態で、当該レジストローラ46の回転開始に伴う給紙にタイミングを合わせて、前記感光体ドラム31上にトナー像を形成するためのプロセスを開始するようになっている。
【0047】
そのために、前記転写極35のある転写領域でトナー像と用紙とが重畳するように、露光部から転写極までの距離とレジストローラから転写極までの距離を同一に設定するとともに、感光体ドラム31、レジストローラ46、転写前ローラ47の線速度を同一に設定してある。
【0048】
転写後の用紙は除電器36の作用により前記感光体ドラム31上から分離され、前記定着装置39の加熱・加圧作用を受けた後、後処理装置に向けて排出される。
【0049】
一方、転写領域を通過した感光体ドラム31は更に回転を続け、クリーニング手段37によって残留トナーが除去されて次の画像形成への準備がなされる。
【0050】
構成の説明に戻って、用紙収納部Dには、用紙Pを積層状態で収納する給紙トレイD1、D2、D3が上下方向に配列してある(用紙Pは給紙トレイD1においてのみ図示)。
【0051】
また、それぞれの給紙トレイは、給紙部4を構成する要素である専用の給紙ローラ40、41、42と重層防止用の分離手段である一対の分離ローラ403、413、423とを一体的に引き出し可能に設けてある。
【0052】
前記給紙部4は前記給紙ローラ等の他に、前記給紙トレイD1、D2、D3のそれぞれから前記画像形成部3へと用紙Pを搬送するための搬送手段として、搬送ローラ対(以下、搬送ローラともいう)R1、R2、R3、R4、R5、R6、および、前述したレジストローラ46、転写前ローラ47等を備えている。
【0053】
45は前記用紙Pの搬送方向にみて前記搬送ローラR6の下流に設けた搬送ローラで、後述する反転搬送部6を介して送り出される用紙の搬送路と、例えば、前記給紙トレイD1から給紙される用紙の搬送路との合流部に設けてある。
【0054】
反転排紙・再給紙部5は、転写・定着後の用紙Pを反転排紙したり、両面画像形成モードに従って用紙Pを再給紙するための領域であり、定着排出ローラ51により排出された用紙Pをそのまま機外へ排出する場合と、表裏反転させた後に排出する場合と、用紙Pの裏面(第2面)に画像形成するために当該用紙Pを前記レジストローラ46に向けて再給紙する場合とにおいて搬送路を切り替える切替手段52を有している。
【0055】
画像形成された用紙Pをそのまま、即ち、今、転写した画像面を上側にしたまま排出する場合は、前記切替手段52を図において一点鎖線で示す位置に保持させ、また、画像形成された用紙Pの表裏を反転させて排出する場合は、前記切替手段52を図において実線で示す位置に保持させて、前記定着排出ローラ51により搬送される用紙Pを搬送ローラ55、57が付設されている搬送路中に送り込み、後端が前記搬送ローラ55の手前位置に到達するタイミングで前記ローラ群の作動を停止させ、しかる後、前記搬送ローラ55の回転方向を前記と逆方向に回転せしめることにより、前記切替手段52の左側を通過せしめ、排紙ローラ53を介して機外へ排出する。
【0056】
更に、第1面に引き続き用紙Pの第2面に画像を形成する両面画像形成モードの場合は、前記切替手段52を図において実線で示す位置に保持させ、定着排出ローラ51により搬送される用紙を、排紙モータで駆動される反転排紙・再給紙部5の各搬送ローラ55、57を介して反転搬送部6に送り込み、当該反転搬送部6において用紙Pの表裏を反転させた後、前記レジストローラ46に向けて送り出すことになる。
【0057】
前記用紙Pの第2面に転写画像を得る間でのプロセスは前述と同じであり、定着処理後の用紙Pの排紙については、前記したいずれかの形態による。
【0058】
なお、前記反転搬送部6は、前記搬送ローラ57により搬送される用紙Pを更に右方向に送り込み、その後端を挟持しているタイミングで回転停止した後に逆回転するように駆動制御される搬送ローラ対60を有し、当該搬送ローラ対60の逆回転による左方向への搬送途上から、上方に弧を描いた後に右方向に延びる搬送路に沿って用紙を搬送させる。
【0059】
搬送ローラ対60を含む61、62、63、64、65は、前記反転搬送部6の搬送路上に設けた搬送ローラ対である。
【0060】
図2は後処理装置の構成を示す模式図である。
本実施の形態に係わる後処理装置7は、図1における排紙ローラ53により画像形成装置本体から排紙される画像形成された用紙Pを取り込むための取り込み口70、用紙の搬送経路上に設けた中折り部71、エア吸着方式からなる第1搬送手段72、中綴じ部73、一対のベルトからなる第2搬送手段74、ローラおよびベルトからなる第3搬送手段75、断裁部76、スタック部77、カバーシートフィーダ78、および、トレイ79を備えている。
【0061】
本発明に係わる構成の詳細な説明については後述する。
矢印F1、F2、F3、および、F4は用紙の4つの搬送経路を示し、F1は中綴じ処理の指令に基づいて搬送される用紙の搬送経路、F2は前記搬送経路F1を介して搬送され、中綴じ部73に積載される用紙の束の表紙になるシートの搬送経路、F3は中綴じを必要としない用紙を前記トレイ79に搬送する搬送経路、および、F4は当該後処理装置と一体的に連結できる他の後処理装置(不図示)における後処理が必要な用紙の搬送経路であり、これら搬送経路上には多数の搬送ローラ対(参照符号なし)が備えられている。
【0062】
なお、参照符号700は切替手段で、前記搬送経路F1と搬送経路F3とのいずれかを選択的に解放(使用可能状態)し、また、他の切替手段703は前記搬送経路F3と搬送経路F4とのいずれかを選択的に解放するように、作業指令の内容に応じて作動制御される。
【0063】
ところで、前記搬送経路F1上に設けられている中折り部71には、用紙を搬送方向に対して直交する方向(本実施の形態においては、水平左方向)に押し込むべく設けた、薄板あるいはナイフ状の板材からなる押し込み部材710と、前記押し込み部材710により押し込まれた用紙を圧着挟持する上側ローラ713、および、下側ローラ715と、用紙を順方向(搬送経路に従った搬送方向で、この場合は、上から下に向かう方向)に搬送すべく前記下側ローラと圧着しながら回転する搬送ローラ717と、前記ローラ群のある位置よりも下流位置であって、搬送経路に対して挿脱可能に設けたストッパ719とが備えてある。
【0064】
上述から理解されるように、前記押し込み部材710、上側ローラ713、および、下側ローラ715が、用紙の搬送方向と直交する方向に折り目を付ける中折り手段(中折り部材)として機能する。
【0065】
中折り作業、または、中折工程は次のような制御の基になされる。
即ち、使用される用紙の搬送方向におけるサイズに対して、前記上側ローラ713と下側ローラ715との高さ方向におけるニップ位置から半分に該当する搬送経路内の位置にストッパ719を臨ましめ、前記取り込み口70から取り込んだ用紙の先端が前記ストッパ719に達した後、前記ローラ群の正方向回転を停止させる。
【0066】
次いで、前記押し込み部材710により用紙を前記上側ローラ713と下側ローラ715との間に押し込んで折り目をつけ、しかる後、前記のローラ群を再度正方向に回転せしめ、中綴じ部73に向けて用紙を送り出す。
【0067】
換言すれば、折り目を付けられた後の用紙は、重なり合った部分が両ローラのニップ部を介して右側に搬送され、先端部は下側方向に搬送される。
【0068】
そして、折り目がニップから解放されると、用紙は開かれた状態(重なりがない状態)で搬送を継続される。
【0069】
これに先だって、前記ストッパ719と前記押し込み部材710とは前記搬送経路内から退避している。
【0070】
なお、押し込み部材710の押し込み操作に合わせて、前記ローラ群を、例えば、数十ミリ秒の如くの短時間だけ逆回転させるように構成してもよく、また、搬送ローラ717の動力伝達系に一方向クラッチを介在させておき、前記の如くの逆方向回転時に搬送ローラ717が空回転するように構成しておくこともでき、あるいは、搬送ローラ717を前記下側ローラ715から離間させるように構成してもよい。
【0071】
前記第1搬送手段72は、多数の孔を設けた可回転ベルト720と、前記可回転ベルト720の内側に設けられ、かつ、吸引手段Sにダクトを介して連結する吸引ボックス723とを備えている。
【0072】
725は針金等の線材からなる可回転の分離部材で、前記吸引手段Sの作用により前記可回転ベルト720の下側面上に吸着状態で搬送される用紙の先端部を、張架されているベルトの左端に近い領域において強制的に内側(図の上側)から叩き、分離させる機能を有する。Mは分離部材725の駆動モータである。
【0073】
但し、可回転ベルト720の下側面上における吸引力が左端に向かうに従って小さくなり、左端に至る前に、用紙の自動的な分離ができる場合には前記分離部材725は省くことができる。
【0074】
なお、前記第1搬送手段72の用紙搬送面を下流に向かうに従って上昇するように設置してあるが、これは、後述する山形形状の積載手段に用紙を積載する際の制御の容易性、および、装置の小型化を意図したものである。
【0075】
中綴じ部73は、前記第1搬送手段72を介して搬送される用紙を積載する積載手段を備えており、本実施の形態における積載手段は、上流側に設けた用紙受けのための第1ガイド部材730と下流側に設けた用紙受けのための第2ガイド部材733とを主要素とする。
【0076】
前記第1、および、第2ガイド部材730、733は垂直面に対して、それぞれ所定の角度、例えば、約45度の如き鋭角を以て配設した板材からなり、全体的な形状は山形形状をなしている。
【0077】
また、両ガイド部材の頂部領域(山頂は含まず、山頂下方近傍領域の意)に位置づけられる端部は所定の間隔を以て対向するように構成してある。
【0078】
換言すれば、図において奥行き方向に所定の長さを有するとともに、頂上側端部から所定の角度を持って第1の方向に下降する第1ガイド部材730と、奥行き方向に前記第1ガイド部材730とほぼ同じ長さを有するとともに、当該第1ガイド部材730の頂上側端部と所定間隔を以て位置する頂上側端部から、前記第1ガイド部材730の傾きと同じ角度をもって反対方向の第2の方向に下降する第2ガイド部材733とにより山形の積載手段を構成している。
【0079】
なお、本明細書において、山形形状とは、両ガイド部材が、その頂部側における延長線上で交差する関係をもって配置されることにより作られる形状をさす。
【0080】
但し、両ガイド部材の垂直面に対する傾きは同じでも異なっていてもよく、本実施の形態に拘束されるものではないが、ほぼ同じ角度であることが取り扱い等の点で好ましい。
【0081】
なお、前記第2ガイド部材733の頂部側端部は前記第1ガイド部材730の頂部側端部の高さ方向における位置よりも高い位置を有している。
【0082】
更に、前記第2ガイド部材733の奥行き方向において分割された中央部位733−1は、図示位置から右斜め上方に向けて所定距離分だけ往復動出来るように構成してある。
【0083】
これは、中綴じ処理が終了した後の用紙束の最下位にある用紙の折り目に先端を進入させ、二つ折りの冊子の形態にしながら第2搬送手段74のベルト間に押し込む役割をはたさせるためである。
【0084】
斯様に、第2ガイド部材の一部を利用して用紙束を前記積載手段上から排出するようにしたので、専用の排出手段を設ける必要がなく、機構
(構成)の簡略化を図ることができ、スペースの無駄を省くことができる。
【0085】
前記第2ガイド部材の構成を模式図として図3に示すが、ネジをきってある支持棒を回転させる動力系については公知の方法を適宜に採用することができるので図示は省略してある。
【0086】
前記第1、第2ガイド部材730、733に挟まれる中央位置には受針手段735が高さ位置固定で、かつ、奥行き方向(紙面の表裏方向)には可動に設けてあり、その上部一部は、両ガイド部材の頂部領域における間隙に位置している。
【0087】
前記受針手段735の上方には、所定の間隙を以て打針手段736が軸737を中心として揺動可能に、かつ、奥行き方向には可動に付設してある。
【0088】
本実施の形態においては、前記受針手段735の形状、大きさ等の物理的要因と装置の小型化の意図から、前述の如くに第1ガイド部材730の頂部側端部の高さ位置を第2ガイド部材の733のそれよりも低くしてあるが、非対象とする必要がなければ、当然のことながら、前記第1ガイド部材730と第2ガイド部材733とは対称に構成することができる。
【0089】
前記打針手段736と受針手段735で構成されるステイプラは100枚の用紙を綴じる能力があり、図の奥行き方向に適宜の間隔を以て二つ準備してある。
【0090】
また、本実施の形態においては50枚の用紙を二つ折りした小冊子を得ることができる。
【0091】
中綴じ部73における上記のガイド部材と、受針手段との関係を図4に拡大して示す。
【0092】
図中、731は補助的ガイド部材で、前記第1ガイド部材730の頂部側端部と前記受針手段735の上部との間にできる隙間に、搬送されてくる用紙Pの先端が入り込んだり、あるいは、積載される用紙の第1ガイド部材730側の上部が受針手段735の形状により損なわれたりする事を防止する機能を有し、そのガイド面上には、補助的ガイド部材の上部から突出するように可撓性のフィルムシート(参照符号なし)を貼着してある。
【0093】
また、前記フィルムシートの突出した先端(自由端)の高さ位置は、用紙の搬送に支障を来すことがないように、前記第2ガイド部材の高さ位置よりも高くしてある。
【0094】
前記第2ガイド部材733に関係して示されるL1は、前述した中央部位733−1の移動範囲を示す。
【0095】
また、参照符号738は前記第2ガイド部材733と間隙を以て平行配置された規制部材で、用紙の進入側である頂部に円弧域を有し、中綴じ部73に送られてくる用紙が積載手段を構成する第1、第2ガイド部材730、733上に容易に落下するように規制するものであり、当該規制部材と一体的に設けてある739は用紙の先端位置を制御するためのストッパを示し、L2はストッパ739の移動範囲を示す。
【0096】
換言すれば、使用される用紙のサイズが適宜の手段により検知されると、それに応じて前記ストッパは所定位置、例えば、用紙の搬送方向における先端から折り目までの長さよりも若干長い距離を有する位置に移動され、固定状態に保持される。
【0097】
この構成は、用紙の折り目を基準とした整合を促進することができる。即ち、搬送されてきた用紙の先端が前記ストッパ739に突き当たると用紙は曲げられ、曲げ応力が発生する。
【0098】
そして、例えば、その後に前記第1搬送手段72の搬送から解放される構成にあるとすると、蓄積した曲げ応力の反動で前記用紙は前記第1ガイド部材730側に押し戻されながら積載手段を構成する第1、第2ガイド部材上に落下することとなり、折り目の効用で、折り目の位置を積載手段上の所定位置、即ち、頂上に対応した位置(本実施の形態においては、図における山形の中心位置上)に容易に整合させることができる。
【0099】
あるいは、既に積載されている用紙の折り目に対して後続する用紙の折り目を容易に重ねあわせることができ、整合を図ることができる。
【0100】
斯様に、簡単な構成で用紙の整合、積載を可とできる。
前記第1搬送手段72等に係わる制御は、画像シーケンスを制御するコンピュータ(不図示)、または、当該コンピュータと交信できる他のコンピュータ(不図示)からなる制御手段により容易に達成することができる。
【0101】
なお、前記第1および第2ガイド部材730、733の長さ、または、当該ガイド部材の下端部位置は、使用される最大サイズの用紙Pの端部から中折りされた位置までの長さ(例えば、用紙の半分の長さ)に対して充分な長さ、または、積載された用紙端部よりも充分下側の位置を有する。
【0102】
前記積載手段の頂上位置における用紙の折り目の整合、あるいは、用紙の幅方向における整合のために、本実施の形態に係わる後処理装置は、更に、次のような構成を備えている。
【0103】
図5は整合手段(整合機構)の構成、機能等を説明するための模式図である。図中、8は整合手段を示し、80は頭部800を楔形状(屋根形状)とした突き上げ部材、83は回転軸830上に固定して設けた偏芯カムを示す。
【0104】
前記偏芯カム83は、前記突き上げ部材80の下端に設けたカムフォロワ803を介して、突き上げ部材の上昇・下降を行わせる。
【0105】
また、85は押さえ部材で、前記突き上げ部材80が上昇して第1、第2ガイド部材730、733上に積載される用紙の中央部(ガイド部材に接触状態で積載される用紙の折り目)を介して当該用紙を上方に突き上げ、その後、前記突き上げ部材80が下降する際に用紙を押しながら一緒に下降し、その後に初期位置に戻るように制御される。
【0106】
換言すれば、突き上げられる用紙は突き上げ部材80の楔効果で、折り目が頭部の頂上に容易に整合されるが、突き上げ部材80の下降時に、ややもすると浮いてしまい、折角の整合を台無しにしかねない。
【0107】
斯様な不具合の発生を抑制すべく、前記突き上げ部材80と協同して前記押さえ部材85が用紙を押さえながら下降する構成とすることにより良好な整合状態を維持することができる。
【0108】
上述の如き突き上げ部材を使用しての用紙の整合は、搬送されてくる用紙に既に折り目が付けられていることからできる効果に他ならない。
【0109】
前記整合手段8を構成する前記突き上げ部材80と前記押さえ部材85とは用紙が送り込まれてくる度毎に作動させる構成にあり、また、中綴じ処理の際、両者で用紙を挟持(押さえている)するように前記制御手段で制御することができる。
【0110】
なお、突き上げ部材80の移動のストローク、移動速度等は、例えば、実験により適宜に決定することが出来る。
【0111】
上述の如く、極めて簡単な構成の整合手段により、より確実な用紙の整合処理を達成することができる。
【0112】
図6はステイプラと整合手段との位置関係の一例を示す模式的平面図である。整合手段8を構成する前記突き上げ部材80および押さえ部材85は、図6に示す如く、位置的には受針手段735および打針手段736からなるステイプラの移動領域に近接した内側もしくは外側、またはその両側領域に対向して付設することができる。
【0113】
本実施の形態においてはステイプラの両側に整合手段を設けてあり、ステイプル箇所近傍の用紙の浮きを押さえた状態で中綴じ処理を行うので、仕上がりの美しい小冊子(製本)を得ることができる。
【0114】
図7は用紙の幅方向の整合を図る規制部材(以下、説明の便宜上、幅規制部材という)の構成を説明するための模式図で、図7(a)は平面図、図7(b)は斜視図である。
【0115】
図において、90および91は第1ガイド部材730と第2ガイド部材733の幅方向における両側に付設した第1、第2幅規制部材であり、両者とも使用される用紙の幅サイズに対して僅かに大きい間隔となるように矢視の如くの幅方向に移動制御され、送られてくる用紙に対して、その側辺と軽接触することができる。
【0116】
その際、用紙の側辺との接触によって当該用紙に損傷を与えないように、第2幅規制部材91の構成を弾性薄板(板バネ)からなる規制部位913と、当該規制部位を保持する保持板(規制部位に対する固定部分)910とで構成した。
【0117】
前記規制部位913は、搬送されてくる用紙の側辺の接触により外側に逃げ、その時の蓄積されたバネ力で、復帰時に、用紙を前記第1幅規制部材90に押しつけ整合するように、弱い弾性を示す構成とすることで事足りる。
【0118】
また、前記第1および第2幅規制部材90、91の高さ位置は、前記第1、第2ガイド部材730、733上に積載される用紙の折り目、または折り目を含む或いは含まない折り目近傍領域の辺部分と接触する高さ位置を有する。
【0119】
このような高さ位置にしたのは、腰の弱い用紙の辺部分よりは、折り目により剛性が高められた用紙の辺部分に幅規制部材を接触させた方が作用効果が高く、かつ、用紙の損傷を極力抑制し得るからである。
【0120】
ここで言う折り目近傍と接触する高さ位置とは、高さ方向に所定の幅を有する事を前提としており、特別に数値で限定されるべきものではないが、例えば、再上位の用紙の折り目から5、6cm程度までの範囲の用紙の辺部分と接触する高さ位置を付与することができ、これにより、用紙の山形の広狭、用紙の厚さ等に関わりなく良好な規制ができる。
【0121】
本実施の形態における第1、第2ガイド部材の手前側および奥側における上部一部は切り欠いてあり、その切欠部750、751に前記第1および第2幅規制部材90、91を位置づけてある。
【0122】
また、前記第1、第2幅規制部材90、91は、第1ガイド部材730の斜面に沿った方向に延びる部位と、それに引き続いて水平方向に延びる部位とを有し、規制部位913もそれに従った形状に構成してあるが、全体的に水平方向に延びる矩形としてもよい。
【0123】
なお、前記規制部位913の代わりに、保持板910をバネ部材により弾性的に設けて第2幅規制部材としたり、あるいは、前記板バネに変わる板材をバネ部材で弾性的に構成することができる。
【0124】
図2に戻って、上記のような構成により中綴じ処理が終了した用紙束は第二ガイド部材733の一部で右上方に突き上げられ、徐々に小冊子の形態をとりながら第2搬送手段74に受け渡され、当該第2搬送手段と、更に、第3搬送手段75の作用によりしっかりと二つ折りされた後、断裁部76で小口を断裁され、スタック部77に排出される。
【0125】
前記スタック部77は積載量に応じて順次下降し、所定量の積み上げを可能とする。
【0126】
ところで、前記用紙束をカバーで装丁する場合、画像形成済みの用紙が中綴じ部73の積載手段上に積載されたあと、前記カバーシートフィーダ78を作動させて1枚のカバーシートを送り出し、用紙束上に載せられたことを適宜の検知手段で検知してから綴じ処理を行うことになる。
【0127】
その場合、カバーシートは給紙手段100で下方に送られ、先端がF4で示す搬送経路上に送り込まれてから、今度は前記搬送方向において後端であった端部を先端として中折り部71に達し、用紙と同様の中折り処理をされた後、積載用紙上に載せられ、前述の如き針打ちで一体化される。
【0128】
【発明の効果】
請求項1〜に係わる発明によれば、簡単な構成でありながら用紙の折り目の整合を得ることができ、また、中綴じの良好な仕上げを可能とするとともに、中綴じ部のコンパクト化を期待できる。
【0131】
更に、請求項に係わる発明によれば、画像形成から小冊子の作製までを連続的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】用紙の後処理装置を一体的に有する、デジタル複写機からなる画像形成装置の構成を示す模式図である。
【図2】後処理装置の構成を示す模式図である。
【図3】第2ガイド部材の構成を示す模式図である。
【図4】中綴じ部におけるガイド部材と、受針手段との関係を拡大して示す図である。
【図5】整合手段(整合機構)を説明するための模式図である。
【図6】ステイプラと整合手段との位置関係の一例を示す模式的平面図である。
【図7】用紙の幅方向の整合を図る規制部材の構成を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 自動原稿送り装置
2 画像読み取り装置
3 画像形成部
4 給紙部
5 反転排紙・再給紙部
70 取り込み口
71 中折り部
72 第1搬送手段
73 中綴じ部
74 第2搬送手段
75 第3搬送手段
76 断裁部
77 スタック部
78 カバーシートフィーダ
79 トレイ

Claims (4)

  1. 画像形成された用紙を中折り手段により一枚づつ中折りし、中綴じ部に設けた山形形状の積載手段上に順次積載した後に、中綴じ手段により針打ちして小冊子を作製する後処理装置において、
    前記積載手段の上に積載される用紙のうち、最下位用紙の折り目を介して用紙を突き上げる突き上げ部材を設け、
    用紙を積載する空間を挟み、前記突き上げ部材と所定の間隔をもって押さえ部材を対向配設するとともに、当該押さえ部材を、前記突き上げ部材の移動方向と同方向に往復動可能に設けたことを特徴とする後処理装置。
  2. 前記中綴じ手段による針打ち処理の際に、前記突き上げ部材と前記押さえ部材とで、積載された用紙を挟持させることを特徴とする請求項1に記載の後処理装置。
  3. 用紙が積載される前記積載手段の奥行き方向において、前記突き上げ部材と前記押さえ部材とは、前記中綴じ手段の近傍に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の後処理装置。
  4. 請求項1乃至3の何れか1つに記載の後処理装置を一体的に有することを特徴とする画像形成装置。
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