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JP4006354B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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JP4006354B2
JP4006354B2 JP2003112038A JP2003112038A JP4006354B2 JP 4006354 B2 JP4006354 B2 JP 4006354B2 JP 2003112038 A JP2003112038 A JP 2003112038A JP 2003112038 A JP2003112038 A JP 2003112038A JP 4006354 B2 JP4006354 B2 JP 4006354B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機やプリンタなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式で用紙に画像を形成する画像形成装置では、用紙カセット(または用紙トレイ)から用紙を1枚ずつ送り出す1次給紙と、この1次給紙によってレジストローラに送られてきた用紙をレジストローラでタイミングをとって画像形成部に供給する2次給紙との2段階の給紙動作によって画像形成部への給紙が達成される。画像形成部には、感光体ドラムが備えられており、画像形成部において、感光体ドラムの表面に形成されたトナー像が用紙に転写された後、そのトナー像の転写された用紙が定着装置に搬送され、この定着装置でトナー像が用紙に定着されることによって、用紙への画像の形成が達成されるようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の画像形成装置における処理速度(コピー速度、プリント速度)は、先の2次給紙の開始から次の2次給紙の開始までの時間間隔(2次給紙間隔)によって決まる。たとえば、複数枚の用紙への画像形成を連続して行う場合の2次給紙間隔が1000msecに設定されている機種では、1分間に最大60枚の用紙を画像形成部に送ることができるから、その最大処理速度は、複写機であれば60cpm(copy per minute)となり、プリンタであれば60ppm(print per minute)となる。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−116590号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図5は、最大処理速度が60cpmである複写機において、(a)1次給紙が正常に行われた場合、および(b)1次給紙の遅延が生じた場合における2次給紙のタイミングを示すタイムチャートである。
1次給紙中に用紙すべり(用紙搬送のためのローラのスリップ)などを生じずに、その1次給紙が正常に行われた場合、図5(a)に示すように、レジストローラの回転を開始させるべきタイミングが到来する前に、用紙がレジストローラに到達し、このレジストローラへの用紙の到達を検出するためのレジストスイッチがオンになる。言い換えれば、先の2次給紙の開始から1000msecが経過する前に、次に2次給紙すべき用紙がレジストローラに到達している。したがって、この場合には、1000msecごとに新たな2次給紙を開始させることができ、60枚の用紙へのコピーを1分間で完了することができる。
【0006】
ところが、1次給紙中に用紙すべりなどが発生すると、先の2次給紙の開始から1000msecが経過した時点で次に2次給紙すべき用紙がレジストローラに到達していないという事態を生じうる。その場合、レジストローラへの用紙の到達と同時に2次給紙が開始され、次の2次給紙は、その遅れて行われた2次給紙の開始から1000msecが経過したことに応答して行われる。このため、所定枚数の用紙へのコピーに要する時間が、すべての1次給紙が正常に行われた場合よりも、2次給紙の開始が遅れた時間分(1次給紙の遅延時間分)だけ長くなってしまう。
【0007】
たとえば、60枚の用紙へのコピーが連続して行われている途中で、図5(b)に示すように、ある用紙の1次給紙が遅延し、その用紙が先の2次給紙の開始から1100msecが経過した時点でレジストローラに到達した場合、60枚の用紙へのコピーに要する時間が、すべての用紙の1次給紙が正常に行われた場合に要する1分間よりも100msecだけ長くなってしまう。
そこで、この発明の目的は、複数枚の用紙への画像形成を連続して行う場合に、1次給紙中の用紙すべりなどが原因で1次給紙遅延を生じても、その1次給紙遅延を生じなかった場合と結果的に同じ時間で、複数枚の用紙への画像形成を完了させることができる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、用紙に画像を形成するための画像形成部(2)と、用紙セット位置(4)にセットされている用紙を搬送路(51)に1枚ずつ送り出して搬送する1次給紙手段(52,54)と、この1次給紙手段によって上記搬送路を送られてくる用紙を、上記画像形成部へ2次給紙するためのレジストローラ(53)と、このレジストローラの近傍であって、当該レジストローラの用紙搬送方向上流側の位置に設けられて、その位置における用紙の有無を検出するための用紙検出手段(55)と、上記レジストローラによる先の2次給紙から次の2次給紙までに確保すべき時間を記憶するための記憶手段(TMR_BUF)と、上記レジストローラによる2次給紙の開始に応答して計時動作を開始し、上記記憶手段に記憶されている時間が経過したことに応答して計時動作を終了する第1計時手段(TMR1)と、上記レジストローラによる先の2次給紙の開始から次の2次給紙が開始されるまでの経過時間を計測する第2計時手段(TMR2)と、上記レジストローラによる先の2次給紙の開始後、上記用紙検出手段によって次に2次給紙される用紙が検出され、かつ、上記第1計時手段による計時動作が終了したことを条件に、上記レジストローラによる次の2次給紙を開始させる手段(6,S3)と、上記レジストローラによる次の2次給紙の開始時に、上記第2計時手段によって計測された経過時間と上記記憶手段に記憶されている時間との差を求め、その差を用紙サイズに応じて定められた処理速度制限時間から減じて得られる時間を上記記憶手段に記憶させる手段(6,S9)とを含むことを特徴とする画像形成装置である。
【0009】
なお、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表す。以下、この項において同じ。
上記の構成によれば、1次給紙中に用紙すべりなどが発生し、第1計時手段の計時動作の終了(タイムアップ)よりも遅れて用紙がレジストローラに到達した場合、その遅延して到達した用紙の2次給紙開始時に、その遅延時間分を用紙サイズに応じて定められた処理速度制限時間から差し引いて得られる時間が記憶手段に記憶される。よって、第1計時手段は、上記遅延して到達した用紙の2次給紙開始に応答して計時動作を開始し、上記処理速度制限時間よりも遅延時間分だけ短い時間(記憶手段に記憶された時間)が経過した時点で計時動作を終了する。したがって、2次給紙開始から上記処理速度制限時間よりも遅延時間分だけ短い時間が経過した時点で、レジストローラに次の用紙が到達していれば、そのレジストローラに到達している用紙は直ちに2次給紙されることになる。すなわち、1次給紙遅延が生じて、2次給紙が所定時間だけ遅れるという事態が生じた場合には、その次の2次給紙が、先の2次給紙の開始から処理速度制限時間が経過した時よりも遅延時間分だけ早く行われる。これにより、先の2次給紙の遅延分を回復することができ、結果的に、その1次給紙遅延を生じなかった場合と同じ時間で複数枚の用紙への画像形成を完了させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す図解的な断面図である。この画像形成装置は、たとえば、電子写真方式により用紙に画像を形成するデジタル式複写機であって、図示しないスキャナから入力される画像データに応じたレーザ光を出射するレーザスキャンユニット1と、トナー像を用紙に転写して形成する画像形成部2と、この画像形成部2によって用紙に転写されたトナー像をその用紙に定着させるための定着部3と、複数枚(たとえば、100〜200枚)の用紙を収容可能な用紙カセット4と、この用紙カセット4から用紙を1枚ずつ送り出して、その送り出した用紙を画像形成部2に供給するための給紙部5とを備えている。
【0011】
画像形成部2には、感光体ドラム21と、この感光体ドラム21の周囲に配置されたメインチャージャ22、現像装置23および転写チャージャ24とが含まれる。レーザスキャンユニット1から出射されるレーザ光は、メインチャージャ22と現像装置23との間を通って、感光体ドラム21の表面に入射するようになっている。
画像形成時には、感光体ドラム21が所定の方向に一定速度で回転駆動される。感光体ドラム21の表面は、メインチャージャ22に対向すると、メインチャージャ22からの放電によって一定電位に帯電され、つづいて、その一定電位に帯電された部分にレーザスキャンユニット1からのレーザ光が照射される。レーザ光が照射された部分では帯電電荷が除去され、これにより、感光体ドラム21の表面には、用紙に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。この静電潜像は、次に現像装置23に対向し、この現像装置23からトナーが供給されることによってトナー像に顕像化される。こうして感光体ドラム21の表面に形成されたトナー像は、感光体ドラム21がさらに回転されて、転写チャージャ24に対向すると、転写チャージャ24からの放電により、感光体ドラム21と転写チャージャ24との間に進入した用紙に転写される。
【0012】
トナー像が転写された用紙は、搬送ベルト25によって定着部3へと導かれる。定着部3には、ヒートローラ31およびプレスローラ32が備えられている。定着装置3に導かれた用紙は、ヒートローラ31とプレスローラ32との間に進入する。そして、ヒートローラ31とプレスローラ32とによって狭持されつつ搬送され、このとき加熱および加圧されることによって、画像形成部2において転写されたトナー像が用紙に定着される。定着処理後の用紙は、排出ローラ33によって装置外に設けられた排出トレイ(図示せず)に排出される。
【0013】
給紙部5は、用紙カセット4から画像形成部2に至る給紙路51と、用紙カセット4に収容されている用紙を1枚ずつ分離して給紙路51に送り出すためのピックアップローラ52と、画像形成部2への給紙タイミングをとって2次給紙を行うためのレジストローラ53と、ピックアップローラ52によって送り出された用紙をレジストローラ53へ搬送するための搬送ローラ54とを備えている。レジストローラ53の近傍であって、レジストローラ53の用紙搬送方向上流側の位置には、その位置における用紙の有無を検出するためのレジストスイッチ55が配設されている。レジストスイッチ55は、給紙路51を送られてくる用紙の先端を検知するとオンし、用紙がレジストローラ53から画像形成部2に向けて送られて、その用紙の後端が通過し終えたときにオフとなるスイッチである。
【0014】
なお、レジストスイッチ55に代えて、レジストローラ53の上流側近傍位置における用紙の有無を非接触で検知し、その用紙の有無に応じたレベルの信号(Hi/Low信号)を出力するレジストセンサが設けられてもよい。
図2は、この画像形成装置の2次給紙制御に関する電気的な構成を示すブロック図である。この画像形成装置は、CPU、RAMおよびROMを含むマイクロコンピュータ6を備えている。マイクロコンピュータ6のRAMには、先の2次給紙から次の2次給紙までに確保すべき時間値を記憶するタイマバッファTMR_BUFと、このタイマバッファTMR_BUFに記憶されている時間値がセットされて、そのセットされた時間値を計測するための第1タイマTMR1と、先の2次給紙の開始から次の2次給紙を開始させることができる状態になるまでの時間を計測するための第2タイマTMR2とが設けられている。マイクロコンピュータ6には、レジストスイッチ55のオン/オフ信号が入力されている。
【0015】
レジストローラ53には、モータMからの駆動力がレジストクラッチ(CL)56を介して与えられるようになっている。マイクロコンピュータ6は、レジストスイッチ55からのオン/オフ信号、ならびに第1タイマTMR1および第2タイマTMR2の状態などに基づいて、レジストクラッチ56のオン/オフを切り換えることにより、レジストローラ53による2次給紙を制御する。
図3は、マイクロコンピュータ6で行われる処理の流れを示すフローチャートである。この画像形成装置の使用者によって画像を用紙に形成する旨の指示が入力されると(たとえば、コピー枚数が設定された後、コピー開始のためのコピースタートキーが押されると)、まず、画像を形成すべき用紙のサイズに応じた処理速度制限時間Amsecが設定される(ステップS1)。処理速度制限時間Amsecは、たとえば、複数枚の用紙へのコピー(画像形成)を連続して行う場合に、先行する用紙の後端と後続の用紙の先端との間隔(距離)が所定の間隔(たとえば、100mm)となるような時間間隔に設定される。こうして設定された処理速度制限時間Amsecは、タイマバッファTMR_BUFに記憶される(ステップS2)。
【0016】
また、その間に、ピックアップローラ52および搬送ローラ54が駆動されて、いわゆる1次給紙が行われる。すなわち、ピックアップローラ52の働きにより、用紙カセット4から1枚の用紙が給紙路51に送り出され、その用紙が搬送ローラ54によってレジストローラ53まで搬送される。このとき、レジストローラ53は停止しており、レジストローラ53まで搬送された用紙は、その先端がレジストローラ53を構成する一対のローラ間にニップされた状態で停止する。2枚目以降の用紙の1次給紙は、たとえば、先行する用紙のレジストローラ53による2次給紙の開始に同期して行われる。
【0017】
処理速度制限時間AmsecがタイマバッファTMR_BUFに記憶された後、2次給紙のタイミングになると、レジストクラッチ56がオンにされて、レジストローラ53が駆動されることにより、レジストローラ53にニップされて停止している用紙が2次給紙される(ステップS3)。そして、タイマバッファTMR_BUFに記憶されている処理速度制限時間Amsecが第1タイマTMR1にセットされて、この第1タイマTMR1による計時が開始される(ステップS4)。また、第1タイマTMR1による計時開始とともに、第2タイマTMR2による計時が開始される(ステップS5)。
【0018】
2次給紙開始後は、後続の用紙の2次給紙を開始するための条件(2次給紙条件)がすべて満たされたか否かが繰り返し判断される(ステップS6)。たとえば、2次給紙の開始から処理速度制限時間Amsecが経過して、第1タイマTMR1による計時がタイプアップしたという条件と、レジストスイッチ55がオンになったという条件との両方が満たされたか否かが判断される。両方の2次給紙条件が満たされると(ステップS6のYES)、第2タイマTMR2による計時が停止され、それまでに第2タイマTMR2によって計測された時間がタイマバッファTMR_BUFに記憶されている処理速度制限時間Amsecよりも長いか否かが調べられる(ステップS7)。すなわち、先の2次給紙の開始から次の2次給紙を開始するための2次給紙条件がすべて満たされるまでの時間が、タイマバッファTMR_BUFに記憶されている処理速度制限時間Amsecよりも長いか否かが判断される。
【0019】
1次給紙中に用紙すべり(搬送ローラ54などのスリップ)などを生じずに正常に行われて、第1タイマTMR1による計時がタイムアップした時点で、次に2次給紙されるべき用紙がレジストローラ53に到達している場合には(ステップS7のNO)、ステップS1で設定された処理速度制限時間AmsecがタイマバッファTMR_BUFに記憶される(ステップS8)。すなわち、この場合、タイマバッファTMR_BUFに記憶されている処理速度制限時間Amsecがそのまま記憶保持される。そして、次の2次給紙が開始されるとともに(ステップS3)、そのタイマバッファTMR_BUFに記憶されている処理速度制限時間Amsecが第1タイマTMR1にセットされて、第1タイマTMR1による計時が開始される(ステップS4)。また、第2タイマTMR2による計時が開始される(ステップS5)。その後は、さらに後続の用紙の2次給紙を開始するための条件がすべて満たされたか否かが繰り返し判断され(ステップS6)、この判断が肯定されると、それまでに第2タイマTMR2によって計測された時間がタイマバッファTMR_BUFに記憶されている処理速度制限時間Amsecよりも長いか否かが再び調べられる(ステップS7)。
【0020】
このように、1次給紙が正常に行われている間は、ステップS3〜S8の処理が繰り返し行われて、処理速度制限時間Amsecが経過するごとに2次給紙が行われる。よって、この画像形成装置の仕様通りの処理速度で複数枚の用紙に画像を連続して形成することができる。
一方、1次給紙中に用紙すべりなどが発生すると、先の2次給紙の開始から処理速度制限時間Amsecが経過するまでに(第1タイマTMR1による計時がタイムアップするまでに)、次に2次給紙されるべき用紙がレジストローラ53に到達しない場合がある。この場合、処理速度制限時間Amsecが経過しても、レジストスイッチ55がオンになったという2次給紙条件が満たされるまで、次の2次給紙は行われずに待機される。そして、次の2次給紙は、用紙がレジストローラ53に到達し、レジストスイッチ55がオンになったことに応答して行われる。したがって、次の2次給紙が開始された時点では、先の2次給紙が開始されてからの経過時間が、タイマバッファTMR_BUFに記憶されている処理速度制限時間Amsecを超えており、第2タイマTMR2によって計測された時間がタイマバッファTMR_BUFに記憶されている処理速度制限時間Amsecよりも長いかどうかの判断は肯定される(ステップS7のYES)。そして、この場合には、第2タイマTMR2によって計測された時間とタイマバッファTMR_BUFに記憶されている処理速度制限時間Amsecとの差が求められ、その差をステップS1で算出された処理速度制限時間Amsecから減じて得られる時間「Amsec−(TMR2−TMR_BUF)」がタイマバッファTMR_BUFに記憶される(ステップS9)。
【0021】
つづいて、次の2次給紙が開始されるとともに(ステップS3)、そのタイマバッファTMR_BUFに記憶された時間「Amsec−(TMR2−TMR_BUF)」が第1タイマTMR1にセットされて、第1タイマTMR1による計時が開始される(ステップS4)。また、第2タイマTMR2による計時が開始される(ステップS5)。その後は、後続の用紙の2次給紙を開始するための条件がすべて満たされたか否かが繰り返し判断される(ステップS6)。すなわち、2次給紙の開始から時間「Amsec−(TMR2−TMR_BUF)」が経過して、第1タイマTMR1による計時がタイプアップしたという条件と、レジストスイッチ55がオンになったという条件との両方が満たされたか否かが判断される。両方の2次給紙条件が満たされると(ステップS6のYES)、それまでに第2タイマTMR2によって計測された時間がタイマバッファTMR_BUFに記憶されている時間「Amsec−(TMR2−TMR_BUF)」よりも長いか否かが調べられる(ステップS7)。
【0022】
このように、1次給紙中に用紙すべりなどが発生し、第1タイマTMR1のタイムアップに遅延して用紙がレジストローラ53に到達した場合、その遅延した時間「TMR2−TMR_BUF」分だけ処理速度制限時間Amsecよりも短い時間「Amsec−(TMR2−TMR_BUF)」が第1タイマTMR1にセットされるから、次の2次給紙を開始するための条件の1つは、先の2次給紙の開始から処理速度制限時間Amsecよりも短い時間「Amsec−(TMR2−TMR_BUF)」が経過した時点で満たされることになる。よって、複数枚の用紙への画像形成を連続して行う場合に、1次給紙中の用紙すべりなどが原因で1次給紙遅延を生じても、結果的に、その1次給紙遅延を生じなかった場合と同じ時間で複数枚の用紙への画像形成を完了させることができる。
【0023】
図4は、この画像形成装置において、(a)1次給紙が正常に行われた場合、および(b)1次給紙の遅延が生じた場合における2次給紙のタイミングを示すタイムチャートである。
この画像形成装置の最大処理速度が、日本工業規格のA列4番(A4)の用紙へのコピーを1分間に最大60回行うことができる速度、つまり60cpm(copy per minute)に設定されている場合、処理速度制限時間Amsecは1000msecと算出される。
【0024】
この場合において、1次給紙中に用紙すべりなどを生じずに、1次給紙が正常に行われている間は、先の2次給紙の開始から1000msecが経過する前に、次に2次給紙すべき用紙がレジストローラ53に到達し、レジストスイッチ55がオンになる。したがって、この場合には、図4(a)に示すように、1000msecごとに新たな2次給紙を開始させることができる。よって、60枚の用紙へのコピーを1分間で完了することができ、この画像形成装置の最大処理速度(仕様通りの処理速度)の60cpmでのコピーを達成することができる。
【0025】
一方、複数枚の用紙へのコピーが連続して行われている途中で、図4(b)に示すように、ある用紙の1次給紙が遅延し、その用紙が先の2次給紙の開始から1100msecが経過した時点でレジストローラ53に到達した場合には、その遅延して到達した用紙の2次給紙が開始されるとともに、処理速度制限時間Amsecの1000msecよりも100msecだけ短い時間900msecが第1タイマTMR1にセットされて、第1タイマTMR1による計時が開始される。したがって、第1タイマTMR1による計時がタイムアップした時点(レジストローラ53に遅延して到達した用紙の2次給紙の開始から900msecが経過した時点)で、レジストローラ53に次の用紙が到達していれば、その用紙の2次給紙が直ちに開始される。すなわち、1次給紙遅延が生じて、2次給紙が1000msecよりも100msecだけ遅れるという事態が生じた場合には、その次の2次給紙が先の2次給紙の開始から1000msecが経過する時点よりも100secだけ早い時点で行われる。これにより、先の2次給紙の遅延分を回復することができ、結果的に、その1次給紙遅延を生じなかった場合と同じ時間で複数枚の用紙への画像形成を完了させることができる。
【0026】
なお、ある用紙の1次給紙の遅延が大きく、その遅延した用紙の2次給紙の回足から処理速度制限時間Amsecよりも遅延時間分だけ短い時間が経過した時点で、次の用紙がレジストローラ53に到達していない場合には、次の用紙がレジストローラ53に到達するまでに第2タイマTMR2によって計測された時間とそのときタイマバッファTMR_BUFに記憶されている時間との差が求められ、その差を処理速度制限時間Amsecから減じて得られる時間がタイマバッファTMR_BUFに記憶される。そして、その次の用紙の2次給紙が開始されるとともに、タイマバッファTMR_BUFに記憶されている時間が第1タイマTMR1に記憶される。
【0027】
たとえば、ある用紙が先の2次給紙の開始から1300msecが経過した時点でレジストローラ53に到達し、その用紙の2次給紙の開始とともに、700msec(=1000−300msec)が第1タイマTMR1にセットされて、第1タイマTMR1による計時が開始されたが、次の用紙が先に遅延して到達した用紙の2次給紙の開始から800msecが経過した時点でレジストローラ53に到達した場合、第2タイマTMR2によって計測された時間800msecとそのときタイマバッファTMR_BUFに記憶されている時間700msecとの差100msecが求められ、その差100msecを処理速度制限時間Amsecの1000msecから減じて得られる時間900msecがタイマバッファTMR_BUFに記憶される。そして、その次の用紙の2次給紙が開始されるとともに、タイマバッファTMR_BUFに記憶されている時間900msecが第1タイマTMR1に記憶される。つまり、ある用紙が大きく遅延してレジストローラ53に到達した場合には、その後の複数枚の用紙の2次給紙間隔が処理速度制限時間Amsecの1000msecよりも短縮される。
【0028】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することも可能である。たとえば、上記の実施形態では、この発明がデジタル式複写機に適用された場合を例にとったが、この発明をデジタル式プリンタに適用することもできる。この場合、レーザスキャンユニット1には、図示しないパーソナルコンピュータなどから通信ケーブルを介して用紙に形成すべき画像のデータが入力される。
【0029】
さらには、デジタル式の画像形成装置に限らず、原稿からの反射光を感光体ドラム21の表面に導いて、感光体ドラム21の表面に静電潜像を形成する、いわゆるアナログ式の複写機にこの発明を適用することもできる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る画像形成装置の内部構成を示す図解的な断面図である。
【図2】上記画像形成装置の2次給紙制御に関する電気的な構成を示すブロック図である。
【図3】マイクロコンピュータで行われる処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】上記画像形成装置において、(a)1次給紙が正常に行われた場合、および(b)1次給紙の遅延が生じた場合における2次給紙のタイミングを示すタイムチャートである。
【図5】従来の画像形成装置において、(a)1次給紙が正常に行われた場合、および(b)1次給紙の遅延が生じた場合における2次給紙のタイミングを示すタイムチャートである。
【符号の説明】
2 画像形成部
4 用紙カセット
5 給紙部
6 マイクロコンピュータ
51 給紙路
52 ピックアップローラ
53 レジストローラ
54 搬送ローラ
55 レジストスイッチ
56 レジストクラッチ
TMR_BUF タイマバッファ
TMR1 第1タイマ
TMR2 第2タイマ

Claims (1)

  1. 用紙に画像を形成するための画像形成部と、
    用紙セット位置にセットされている用紙を搬送路に1枚ずつ送り出して搬送する1次給紙手段と、
    この1次給紙手段によって上記搬送路を送られてくる用紙を、上記画像形成部へ2次給紙するためのレジストローラと、
    このレジストローラの近傍であって、当該レジストローラの用紙搬送方向上流側の位置に設けられて、その位置における用紙の有無を検出するための用紙検出手段と、
    上記レジストローラによる先の2次給紙から次の2次給紙までに確保すべき時間を記憶するための記憶手段と、
    上記レジストローラによる2次給紙の開始に応答して計時動作を開始し、上記記憶手段に記憶されている時間が経過したことに応答して計時動作を終了する第1計時手段と、
    上記レジストローラによる先の2次給紙の開始から次の2次給紙が開始されるまでの経過時間を計測する第2計時手段と、
    上記レジストローラによる先の2次給紙の開始後、上記用紙検出手段によって次に2次給紙される用紙が検出され、かつ、上記第1計時手段による計時動作が終了したことを条件に、上記レジストローラによる次の2次給紙を開始させる手段と、
    上記レジストローラによる次の2次給紙の開始時に、上記第2計時手段によって計測された経過時間と上記記憶手段に記憶されている時間との差を求め、その差を用紙サイズに応じて定められた処理速度制限時間から減じて得られる時間を上記記憶手段に記憶させる手段と
    を含むことを特徴とする画像形成装置。
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