図1は、本発明の第1の実施例の遊技機1の外観を示す斜視図である。遊技機1は、いわゆる「パチスロ機」である。この遊技機1は、遊技媒体としてメダル、コイン又はトークンなどを用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
遊技機1の全体を形成しているキャビネット2の正面には、略垂直面としてのパネル表示部2aが形成され、その中央には縦長矩形の主表示窓4L,4C,4Rが設けられる。主表示窓4L,4C,4Rには、入賞ラインとして水平方向にトップライン8b,センターライン8c及びボトムライン8d、斜め方向にクロスダウンライン8a及びクロスアップライン8eが設けられている。これらの入賞ラインは、後述の1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13を操作すること、或いはメダル投入口22にメダルを投入することにより、それぞれ1本、3本、5本が有効化される。どの入賞ラインが有効化されたかは、後で説明するBETランプ9a,9b,9cの点灯で表示される。
キャビネット2の内部には、各々の外周面に複数種類の図柄によって構成される図柄列が描かれた3個のリール3L,3C,3R(以下、主リールという)が回転自在に横一列に設けられ、変動表示手段を構成している。各主リール3L,3C,3Rの図柄は主表示窓4L,4C,4Rを通して観察できるようになっている。各主リール3L,3C,3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転する。
主表示窓4L,4C,4Rの左側には、1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c、クレジット表示部19が設けられる。1−BETランプ9a、2−BETランプ9b及び最大BETランプ9cは、一のゲームを行うために賭けられたメダルの数(以下、「BET数」という)に応じて点灯する。ここで、本実施例では、一のゲームは、スタートレバー6を操作したときに開始し、全ての主リールが停止したとき、又はそのゲームの演出(例えば、後述の演出用リール115による演出)が終了したときに終了する。1−BETランプ9aは、BET数が“1”で1本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。2−BETランプ9bは、BET数が“2”で3本の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。最大BETランプ9cは、BET数が“3”で全て(5本)の入賞ラインが有効化されたときに点灯する。クレジット表示部19は、7セグメントLEDから成り、貯留されているメダルの枚数を表示する。
パネル表示部2aの右側上部には、ボーナス遊技情報表示部20が設けられる。ボーナス遊技情報表示部20は、7セグメントLEDから成り、後で説明するRBゲーム可能回数及びRBゲーム入賞可能回数を表示する。主表示窓4L,4C,4Rの下方には水平面の台座部10が形成される。
パネル表示部2aの正面の主表示窓4L,4C,4Rの上方には、横長矩形の演出用表示窓111が設けられる。演出用表示窓111の内側には、外周面に複数種類の図柄が描かれた演出用リール115が左右方向に回転可能に設けられている。この演出用リール115の外周面に描かれた図柄は、演出用表示窓111を通して観察できるようになっている。この演出用リール115の内部では、図2に示すように、回転が停止したときに演出用表示窓111に現われる図柄の裏側に発光体であるリールランプ42bが位置するように、3個のリールランプ42bを横方向に配列した基板43bが設置されている。以下、これらのランプを左から順に、W1,W2,W3で表す。後述のように、遊技者は、演出用リール115が演出動作を行っているとき、次に説明するメダル投入口22へメダルを投入すること、又はBETスイッチを操作することにより、演出用リール115による演出を中止(キャンセル)することができる。
再び図1において、台座部10の右側にはメダル投入口22が設けられ、台座部10の左側には、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、および最大BETスイッチ13が設けられる。1−BETスイッチ11は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの1枚がゲームに賭けられ、2−BETスイッチ12は、1回の押し操作により、クレジットされているメダルのうちの2枚がゲームに賭けられ、最大BETスイッチ13は、1回のゲームに賭けることが可能な最大枚数のメダルが賭けられる。これらのBETスイッチを操作することで、前述のとおり、所定の入賞ラインが有効化される。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出しを押しボタン操作で切り換えるC/Pスイッチ14が設けられている。このC/Pスイッチ14の切換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払出され、払出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。メダル受け部16の後方には、スピーカ21(図6)から発生した音を外部へ出すための透音口119が設けられている。C/Pスイッチ14の右側には、遊技者の操作により上記主リールを回転させ、主表示窓4L,4C,4R内での図柄の変動表示を開始するためのスタートレバー6が所定の角度範囲で回動自在に取り付けられている。台座部10の下方位置には、3個の主リール3L,3C,3Rの回転をそれぞれ停止させるための3個の停止ボタン7L,7C,7Rが設けられている。ここで、本実施例では、全ての主リールが回転しているときに行われる停止操作を「第1停止操作」、次に行われる停止操作を「第2停止操作」、「第2停止操作」の後に行われる停止操作を「第3停止操作」という。
図3は、各主リール3L,3C,3Rに表わされた複数種類の図柄が21個配列された図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーが付され、データテーブルとして後述のROM32(図6)に格納されている。各主リール3L,3C,3Rは、図柄列が図3の矢印方向に移動するように回転駆動される。
実施例の遊技機1において、遊技者は、通常の遊技状態である「一般遊技状態」、BB又はRBに内部当選した遊技状態である「BB,RB内部当り遊技状態」、多数のメダルを獲得可能な「BB遊技状態」及び「RB遊技状態」においてゲームを行うことができる。なお、内部当選する可能性のある入賞役の種類は、いわゆる確率抽選テーブルによって定まるものであるが、一般に、確率抽選テーブルは、各遊技状態毎に設けられている。従って、同一の遊技状態のゲームでは、内部当選する可能性のある入賞役の種類が同一となる。ただし、「BB遊技状態」は、「BB中一般遊技状態」及び「RB遊技状態」を含むものであり、内部当選する可能性のある入賞役の種類が異なる状態を含む。
BB遊技状態(ビックボーナス遊技状態)は、遊技者にとって最も有利な遊技状態であり、有効ラインに沿って“7(図3の図柄50)−7−7”又は“赤ドン(図3の図柄52)−赤ドン−赤ドン”が並ぶことにより成立する。このBB遊技状態では、次に述べるRB遊技状態が最大3回発生するのに加えて、後述の「小役」の入賞可能性があるBB中一般遊技状態において最大30回、ゲームを行うことができる。
RB遊技状態(レギュラーボーナス遊技状態)は、有効ラインに沿って“HANABI(図3の図柄51)−HANABI−HANABI”が並ぶことにより発生する。このRB遊技状態は、所定の図柄組合せ“扇子(図3の図柄55)−扇子−扇子”又は“HANABI−扇子−扇子”が揃い、15枚のメダルを獲得できるボーナスゲーム(JACゲームという)に当たりやすい遊技状態である。RB遊技状態では、例えば最大12回のJACゲーム(役物)を行うことができ、その入賞可能回数は、例えば8回である。また、RB遊技状態は、上記BB中一般遊技状態において、有効ラインに沿って“扇子−扇子−扇子”が並ぶことによっても発生する。
「一般遊技状態」、「BB,RB内部当り遊技状態」又は「BB中一般遊技状態」において、“三尺玉(図3の図柄53)−三尺玉−三尺玉”が有効ラインに沿って並ぶことにより、「三尺玉の小役」の入賞が成立する。また、“大山(図3の図柄56)−大山−大山”が有効ラインに沿って並ぶことにより、「大山の小役」の入賞が成立する。左の主リール3Lの“チェリー(図3の図柄54)”が有効ライン上に停止したときは、中央の主リール3C及び右の主リール3Rの停止態様に拘わらず、「チェリーの小役」の入賞が成立する。「再遊技(リプレイ)」の入賞は、「一般遊技状態」において、“扇子−扇子−扇子”が有効ラインに沿って並ぶことにより成立する。「再遊技」の入賞が成立すると、投入したメダルの枚数と同数のメダルが自動投入されるので、遊技者は、メダルを消費することなく次のゲームを行うことができる。また、「BB中一般遊技状態」において、“赤ドン−三尺玉−三尺玉”が有効ラインに沿って並ぶことにより、15枚のメダルの払出しがある「15枚の小役」の入賞が成立する。
図4は、演出用リール115に表わされた6個の図柄からなる図柄列を示している。各図柄には“00”〜“20”のコードナンバーのうちのいずれかが付され、データテーブルとして後述のプログラムROM75(図6)に格納されている。演出用リール115は、図柄列が図の矢印方向、すなわち「正方向」、又は「逆方向」に、それぞれ移動するように回転駆動される。
演出用リール115に表わされた図柄は、演出用表示窓111内に停止表示されることにより、所定の入賞役に内部当選したこと等を報知する。確定告知図柄の一例である大当り(図4の図柄61)は、演出用表示窓111内に停止表示することにより、BB又はRBに内部当選したことを示す。「大当り」が演出用表示窓111内に停止表示された後、「BB遊技状態」又は「RB遊技状態」が終了するまでの間、演出用表示窓111内に「大当たり」が停止表示された状態が維持される。
赤ドン(図4の図柄62)は、「再遊技」、「三尺玉の小役」、又は「チェリーの小役」に内部当選した可能性があることを報知する。青ドン(図4の図柄63)は、「再遊技」に内部当選した可能性があることを報知する。一尺玉(図4の図柄64)は、いずれかの小役に内部当選した可能性があることを報知する。三尺玉(図4の図柄65)は、「三尺玉の小役」又は「チェリーの小役」に内部当選した可能性があることを報知する。ハズレ(図4の図柄66)は、いずれの入賞役にも内部当選していないこと、すなわち「はずれ」であることを報知する。
なお、演出用リール115による演出が行われているとき、メダル投入口22へメダルを投入すること、又はBETスイッチを操作するにより、その演出がキャンセルされ、内部当選役に拘らず、ハズレ(図4の図柄66)が演出用表示窓111内に停止表示される。
図5は、遊技機1における遊技処理動作を制御する主制御回路71と、主制御回路71に電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)と、主制御回路71から送信される制御指令に基づいて演出用リール115等を制御する副制御回路72とを含む回路構成を示す。
主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイクロコンピュータ30は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU31と、記憶手段であるROM32及びRAM33を含む。
CPU31には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路34及び分周器35と、サンプリングされる乱数を発生する乱数発生器36及びサンプリング回路37とが接続されている。なお、乱数サンプリングのための手段として、マイクロコンピュータ30内で、すなわちCPU31の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成してもよい。その場合、乱数発生器36及びサンプリング回路37は省略可能であり、或いは、乱数サンプリング動作のバックアップ用として残しておくことも可能である。
マイクロコンピュータ30のROM32には、スタートレバー6を操作(スタート操作)する毎に行われる乱数サンプリングの判定に用いられる確率抽選テーブル、停止ボタンの操作に応じて主リールの停止態様を決定するための停止制御テーブル、副制御回路72へ送信するための各種制御指令(コマンド)等が格納されている。このコマンドには、「内部当選役コマンド」、「入賞役コマンド」、「主リール停止コマンド」等がある。これらのコマンドについては後で説明する。
図5の回路において、マイクロコンピュータ30からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各種ランプ(1−BETランプ9a、2−BETランプ9b、最大BETランプ9c)と、各種表示部(払出表示部18、クレジット表示部19、ボーナス遊技情報表示部20)と、メダルを収納し、ホッパー駆動回路41の命令により所定枚数のメダルを払出す遊技価値付与手段としてのホッパー(払出しのための駆動部を含む)40と、主リール3L,3C,3Rを回転駆動するステッピングモータ49L,49C,49Rとがある。
更に、ステッピングモータ49L,49C,49Rを駆動制御するモータ駆動回路39、ホッパー40を駆動制御するホッパー駆動回路41、各種ランプを駆動制御するランプ駆動回路45、及び各種表示部を駆動制御する表示部駆動回路48がI/Oポート38を介してCPU31の出力部に接続されている。これらの駆動回路は、それぞれCPU31から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
また、マイクロコンピュータ30が制御指令を発生するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、スタートスイッチ6S、1−BETスイッチ11、2−BETスイッチ12、最大BETスイッチ13、C/Pスイッチ14、投入メダルセンサ22S、主リール位置検出回路24、払出完了信号回路25、主リール停止信号回路46がある。これらも、I/Oポート38を介してCPU31に接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6の操作を検出する。投入メダルセンサ22Sは、メダル投入口22に投入されたメダルを検出する。主リール位置検出回路24は、主リール回転センサからのパルス信号を受けて各主リール3L,3C,3Rの位置を検出するための信号をCPU31へ供給する。払出完了信号回路25は、メダル検出部40Sの計数値(ホッパー40から払出されたメダルの枚数)が指定された枚数データに達した時、メダル払出完了を検知するための信号を発生する。主リール停止信号回路46は、各停止ボタン7L,7C,7Rの操作に応じて停止信号を発生する。
図5の回路において、乱数発生器36は、一定の数値範囲に属する乱数を発生し、サンプリング回路37は、スタートレバー6が操作された後の適宜のタイミングで1個の乱数をサンプリングする。こうしてサンプリングされた乱数を用いて、ROM32内に格納されている確率抽選テーブルから内部当選役が決定される。内部当選役が決定された後、「停止制御テーブル」を選択するために再び乱数のサンプリングが行われる。
主リール3L,3C,3Rの回転が開始された後、ステッピングモータ49L,49C,49Rの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値はRAM33の所定エリアに書き込まれる。主リール3L,3C,3Rからは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスは主リール位置検出回路24を介してCPU31に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、RAM33で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、RAM33内には、各主リール3L,3C,3Rについて一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のような主リール3L,3C,3Rの回転位置と主リール外周面上に描かれた図柄とを対応づけるために、図柄テーブルが、ROM32内に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、各主リール3L,3C,3Rの一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄を示す図柄コードとが対応づけられている。
更に、ROM32内には、入賞図柄組合せテーブルが格納されている。この入賞図柄組合せテーブルでは、入賞となる図柄の組合せと、入賞のメダル配当枚数と、その入賞を表わす入賞判定コードとが対応づけられている。上記の入賞図柄組合せテーブルは、左の主リール3L,中央の主リール3C,右の主リール3Rの停止制御時、及び全主リール停止後の入賞確認を行うときに参照される。
上記乱数サンプリングに基づく抽選処理(確率抽選処理)により内部当選した場合には、CPU31は、遊技者が停止ボタン7L,7C,7Rを操作したタイミングで主リール停止信号回路46から送られる操作信号、及び選択された「停止制御テーブル」に基づいて、主リール3L,3C,3Rを停止制御する信号をモータ駆動回路39に送る。
内部当選した入賞役の入賞成立を示す停止態様となれば、CPU31は、払出し指令信号をホッパー駆動回路41に供給してホッパー40から所定個数のメダルの払出しを行う。その際、メダル検出部40Sは、ホッパー40から払出されるメダルの枚数を計数し、その計数値が指定された数に達した時に、メダル払出完了信号がCPU31に入力される。これにより、CPU31は、ホッパー駆動回路41を介してホッパー40の駆動を停止し、「メダルの払出し処理」を終了する。
図6は、主制御回路71、副制御回路72及びこれに接続したアクチュエータを示す。
副制御回路72は、主制御回路71が配置された回路基板とは別の回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ(サブマイクロコンピュータという)73を主たる構成要素とし、これにアクチュエータを駆動する駆動回路等を加えて構成されている。サブマイクロコンピュータ73は、主制御回路71から送信されたコマンドに従って制御動作を行い、CPU(サブCPUという)74と、記憶手段であるプログラムROM75及び制御RAM76とを含む。副制御回路72は、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及び乱数サンプリング回路を備えていないが、サブCPU74の動作プログラム上で乱数サンプリングを実行するように構成されている。
サブマイクロコンピュータ73のプログラムROM75には、演出用リール115の図柄テーブル、演出用リール115を制御するためのデータ(後述の演出データ、演出キャンセルデータ等)等が格納されている。また、プログラムROM75には、主リールの図柄テーブル及び入賞図柄組合せテーブルが格納されている。制御RAM76には、現在の遊技状態、内部当選役、入賞役等を示すデータが格納されている。
図6の回路において、サブマイクロコンピュータ73からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとしては、演出用リール115を回転駆動するサブステッピングモータ115S、増幅器であるパワーアンプ79に接続したスピーカ21、WINランプ17及び主リール3L,3C,3Rの裏側に配置されたリールランプ121がある。更に、音源IC78、演出用モータ駆動回路146、リールランプ駆動回路147及びWINランプ駆動回路149がOUTポート80を介してサブCPU74に接続されている。これらは、それぞれサブCPU74から出力される駆動指令などの制御信号を受けて、各アクチュエータの動作を制御する。
本実施例において、サブマイクロコンピュータ73が制御信号を発生するために必要な入力信号は、主制御回路71により送信されるコマンドのみである。ここで、コマンドは、主制御回路71から副制御回路72への一方向に送信され、副制御回路72から主制御回路71へは送信されない。すなわち、副制御回路72は、主制御回路71に対してデータを送信することはない。
演出用リール115の回転が開始した後、サブステッピングモータ115Sの各々に供給される駆動パルスの数が計数され、その計数値は制御RAM76の所定エリアに書き込まれる。演出用リール115からは一回転毎にリセットパルスが得られ、これらのパルスは演出用リール位置検出回路148を介してサブCPU74に入力される。こうして得られたリセットパルスにより、制御RAM76で計数されている駆動パルスの計数値が“0”にクリアされる。これにより、制御RAM76内には、演出用リール115について一回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が格納される。
上記のような演出用リール115の回転位置と図柄等とを対応づけるために、図柄テーブル(図示せず)がプログラムROM75に格納されている。この図柄テーブルでは、前述したリセットパルスが発生する回転位置を基準として、演出用リール115の一定の回転ピッチ毎に順次付与されるコードナンバーと、それぞれのコードナンバー毎に対応して設けられた図柄等を示す図柄コードとが対応づけられている。
[主制御回路]
次に、主制御回路71のCPU31の制御動作について、図7〜図10に示すフローチャートを参照して説明する。
初めに、CPU31は、遊技開始時の初期化を行う(ステップ[以下、STと表記する]1)。具体的には、RAM33の記憶内容の初期化、通信データの初期化等を行う。続いてゲーム終了時のRAM33の記憶内容を消去する(ST2)。具体的には、前回のゲームに使用されたRAM33の書き込み可能エリアのデータの消去、RAM33の書き込みエリアへの次のゲームに必要なパラメータの書き込み、次のゲームのシーケンスプログラムの開始アドレスの指定等を行う。
次に、CPU31は、メダルの自動投入の要求があるか、すなわち前回のゲームで再遊技(リプレイ)に入賞したか否かを判別する(ST3)。この判別が“YES”のときは、投入要求分のメダルを自動投入し(ST4)、ST6の処理に移る。ここで、ST4の処理は、全ての主リール3L,3C,3Rが停止し、且つ演出用リール115等による演出が終了した後、行われる。ST3の判別が“NO”のときは、投入メダルセンサ22S又はBETスイッチ11,12,13からの入力があるか否かを判別する(ST5)。この判別が“YES”のときは、ST6の処理に移り、“NO”のときは、ST3の処理に移る。
ST6の処理では、CPU31は、メダルが投入されたことを示す「メダル投入コマンド」を送信する。全ての主リール3L,3C,3Rが停止した後、演出用リール115等による演出が行われているとき、「メダル投入コマンド」を受信した副制御回路72は、その演出をキャンセル(中止)する。なお、実施例では、いずれかの主リールが回転している状況において、メダル投入口22へメダルを投入する操作、又はBETスイッチの操作が行われたとしても、ST5の判別が“YES”とされることはない。すなわち、メダル投入口22へメダルを投入する操作、及びBETスイッチの操作は、有効なものとして扱われず、「メダル投入コマンド」が送信されることはない。また、「再遊技」の入賞成立に基づくメダルの自動投入は、全ての主リール3L,3C,3Rが停止し、且つ演出用リール115等による演出が終了した後、行われる。従って、「再遊技」の入賞が成立した後に行われる演出がキャンセルされることはない。
次に、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する(ST7)。この判別が“YES”のときは、ゲームが開始したことを示す「ゲーム開始コマンド」を送信し(ST8)、前回のゲームが開始してから4.1秒経過しているか否かを判別し(ST9)、この判別が“YES”のときはST11の処理に移り、“NO”のときはST10の処理に移る。ST10の処理では、「ゲーム開始待ち時間消化処理」を行う。具体的には、前回のゲームが開始してから4.1秒経過するまでの間、遊技者のゲームを開始する操作に基づく入力を無効にする処理を行う。
次に、CPU31は、主リールの回転処理を行い(ST11)、同時に“0”〜“16383”の範囲の乱数から抽選用の乱数を抽出し(ST12)、1ゲーム監視用タイマをセットする(ST13)。ST12の処理で抽出した乱数は、次に説明する確率抽選処理において使用される。ST13の処理の1ゲーム監視用タイマには、遊技者の停止ボタンの停止操作によらずに自動的に主リールを停止させるための自動停止タイマが含まれる。
図8のST14の処理では、CPU31は、上記ST12の処理において抽出した乱数値に基づいて確率抽選処理を行う。この確率抽選処理は、遊技状態に応じて確率抽選テーブルを使用し、乱数値がどの入賞役の乱数値範囲に属するか否かを判別し、内部当選役(成立フラグ)を決定するものである。また、確率抽選処理では、内部当選役を示す「内部当選役コマンド」が送信される。続いて、「メイン側演出選択処理」を行う(ST15)。この「メイン側演出選択処理」では、副制御回路72が直接的に制御する演出用リール115による演出に関連する事項を決定する。例えば、全ての主リールが停止した後に、演出用リール115における演出の時間(以下「演出時間」という)を決定する。続いて、CPU31は、「主リール停止処理」を行い(ST16)、全ての主リールが停止したかどうかを判別する(ST17)。「主リール停止処理」では、主リールが停止する毎に、主リールが停止したことを示す「主リール停止コマンド」が送信される。ST17の判別が“NO”のときは、ST16の処理に移り、“YES”のときは、全ての主リールが停止したことを示す「全主リール停止コマンド」を副制御回路72へ送信し(ST18)、図9のST19の処理に移る。
図9のST19の処理では、CPU31は入賞検索を行う。入賞検索とは、主表示窓4L,4C,4R内の図柄の停止態様に基づいて入賞役を識別するための入賞フラグをセットすることである。具体的には、センターライン8cに沿って並ぶ図柄のコードナンバー及び入賞判定テーブルに基づいて入賞役を識別する。続いて、入賞フラグが正常であるか否かを判別する(ST20)。この判別が“NO”のときはイリーガルエラーの表示を行う(ST21)。ST20の判別が“YES”のときは、遊技状態に応じてメダルのクレジット、又は払出しを行う(ST22)。続いて、CPU31は、入賞役を示す「入賞役コマンド」を送信し(ST23)、一のゲームが終了したことを示す「1ゲーム終了コマンド」を送信する(ST24)。
ここで、実施例では、全主リールが停止した後、「演出時間」が経過するまでの間、次のゲームを開始するための操作を無効とする、いわゆる「ロック時間処理」は、行われない。「演出時間」において、メダル投入口22へメダルが投入されたとき、又はBETスイッチが操作されたとき、副制御回路72により演出用リール115による演出がキャンセルされる(後述の図22のST73)。従って、遊技者は、「演出時間」が経過する前に、次のゲームを開始することができる。
図10のST25の処理では、BB遊技状態又はRB遊技状態であるか否かを判別する。この判別が“YES”のときは、BB又はRBの「遊技数チェック処理」を行う(ST26)。BB遊技状態の場合、この「遊技数チェック処理」では、RB遊技状態が発生した回数、BB中一般遊技状態のゲーム回数、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックする。RB遊技状態の場合、遊技数チェック処理では、RB遊技状態における入賞回数、及びRB遊技状態におけるゲーム回数をチェックする。
次に、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時であるか否かを判別する(ST27)。具体的には、BB遊技状態のときは、3回目のRB遊技状態において入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか、又はBB中一般遊技状態においてゲーム回数が30回であるか否かを判別する。BB遊技状態以外のRB遊技状態であれば、入賞回数が8回又はゲーム回数が12回であるか否かを判別する。ST27の判別が“YES”のときは、BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時のRAM33をクリアする(ST28)。続いて、「BB終了コマンド」又は「RB終了コマンド」を副制御回路72へ送信し(ST29)、ST30の処理に移る。
ST30の処理では、CPU31は、遊技状態変更処理を行う。遊技状態変更処理では、RAM33内の遊技状態格納領域に格納された現在の遊技状態を示す情報を変更する。具体的には、確率抽選処理(ST14)においてBB又はRBに内部当選した場合には、BB,RB内部当り遊技状態を示す情報を遊技状態格納領域にセットする。BBの入賞成立時には、BB中一般遊技状態を示す情報をセットする。RBの入賞成立時には、RB遊技状態を示す情報をセットする。BB中一般遊技状態の終了時には、RB遊技状態を示す情報をセットする。BB遊技状態におけるRB遊技状態の終了時には、BB中一般遊技状態を示す情報をセットする。BB遊技状態又はRB遊技状態の終了時には、一般遊技状態を示す情報をセットする。遊技状態格納領域に格納された情報は、確率抽選処理において使用する確率抽選テーブルの選択等に使用される。ST30の処理の後、ST2の処理に移る。
[副制御回路]
次に、図11を参照して副制御回路72のサブCPU74により抽出される「ハード乱数値」及び「Rレジスタ値」の範囲について説明する。図11に示すように、「ハード乱数値」は“0〜255”の乱数値範囲、「Rレジスタ値」は“0〜127”の乱数値範囲で抽出される。「ハード乱数値」及び「Rレジスタ値」は、後述する図19のST47及びST45の処理において使用される。
図12は、「セットテーブル選択テーブル」を示す。このテーブルは、遊技状態に対応した「セットテーブル」を示す。例えば、「BB中一般遊技状態」には、セットテーブルbが対応している。「セットテーブル選択テーブル」は、後述する図19のST42の処理において使用される。
図13は、「セットテーブル」を示す。このテーブルは、内部当選役に対応した「演出データテーブル」を示す。例えば、「セットテーブルc」では、「BB」に対応して「演出データテーブル7」が示されている。「セットテーブル」は、後述する図19のST43の処理において使用される。
次に、図14及び図15を参照して、「演出データテーブル」について説明する。「演出データテーブル」には、後述する図19のST45の処理において使用される「演出実行抽選値」、図19のST46の処理において使用される「演出抽選値選択値」、「確定ランプ点灯選択値」、「遊技開始音選択値」、「リールランプ点滅パターンデータ選択値」、及び「回転演出パターンデータ選択値」が示されている。
「確定ランプ点灯選択値」は、全ての主リール3L,3C,3Rの回転が停止した後、又は演出用リール115による演出が終了した後、WINランプ17を点灯させるか否かを示す。具体的には、「確定ランプ点灯選択値」が“1”のとき、WINランプ17が点灯し、“0”のとき、点灯しない。
「遊技開始音選択値」は、遊技者がスタートレバー6を操作したときに発生する遊技開始音1〜3のうち、いずれの遊技開始音を発生させるかを示す。「リールランプ点滅パターンデータ選択値」は、リールランプの点滅パターンを示す。
「回転演出パターンデータ選択値」は、演出用リール115の演出動作のパターンを示す。後述の図17及び図18に示すように、「回転演出パターンデータ選択値」に対応して、演出用リール115の具体的な演出動作が予め定められている。
図14は、「一般遊技状態」において内部当選役が「はずれ」の場合に使用される「演出データテーブル1」を示す。このテーブルでは、内部当選役が「はずれ」であることから、「確定ランプ点灯選択値」として“1”が選択されることはない。図15は、「一般遊技状態」において内部当選役が「BB」の場合に使用される「演出データテーブル7」を示す。このテーブルでは、内部当選役が「BB」であることから、「確定ランプ点灯選択値」として“1”が設けられている。
図16は、「演出データテーブル」に示された「演出抽選値選択値」に対応する「演出抽選値」を示す。この「演出抽選値」は、後述する図19のST46、ST48、及びST52の処理で使用される。
次に、図17及び図18を参照して、「回転演出パターンデータ選択値」に対応した演出用リール115による演出内容(回転パターン)について説明する。この演出内容を示す図では、演出用リール115の回転開始、停止のタイミング、演出用表示窓111内の停止図柄、演出用リール115の回転方向、及び回転速度を示している。なお、演出用リール115は、ゲーム開始時、第1停止操作時、第2停止操作時、第3停止操作時、及び主リール3L,3C,3Rが全て停止した後において演出動作を行う。主リール3L,3C,3Rが全て停止した後は、動作1〜動作4の最大4回の動作を行う。
初めに、演出用リール115の「回転開始、停止」の欄に示された「○」、「◎」、「△」、「→」、「×」、及び「コマ」について説明する。
「○」は、演出用リール115が回転を開始後、演出用表示窓111内に停止表示する図柄、具体的には、「停止図柄」の欄に示された図柄が演出用表示窓111内に最初に到達したとき、演出用リール115が停止することを意味する。「◎」は、演出用リール115が回転を開始することを示す。「→」は、演出用リール115が回転中であることを示す。「△」は、「停止図柄」の欄に示す図柄を演出用表示窓111内に停止表示するように、演出用リール115が停止することを示す。「×」は、演出用リール115が停止していることを示す。「コマ」は、いわゆる「コマ送り」の動作が行われることを示す。
次に、「停止図柄」の欄について説明する。「停止図柄」の欄に示された図柄は、演出用表示窓111内に停止表示される。「大当り」、「赤ドン」、「青ドン」、「一尺玉」、「三尺玉」及び「ハズレ」は、図4に示す図柄61、図柄62、図柄63、図柄64、図柄65、及び図柄66に対応する。
次に、「回転方向」の欄について説明する。この欄に示された「正」は、演出用リール115が「正方向」に回転することを示す。「逆」は、「逆方向」に回転することを示す。「×」は、演出用リール115が回転しないことを示す。
次に、「回転速度」の欄について説明する。この欄に示された「通常」は、演出用リール115が「60.24回転/分」の回転速度で回転することを意味する。「低速」は、演出用リール115が「30.12回転/分」の回転速度で回転することを意味する。「×」は、演出用リール115が停止していることを意味する。
次に、図17に示す「回転演出パターンデータ選択値1」の場合の演出用リール115の演出動作について説明する。
演出用リール115は、第3停止時において、「逆方向」へ回転を開始し、演出用表示窓111内には、「赤ドン」が停止表示される。全ての主リール3L,3C,3Rが停止した後、「動作1」では、「正方向」へ回転を開始し、「赤ドン」が停止表示される。「動作2」では、「逆方向」へ回転を開始し、「赤ドン」が停止表示される。「動作3」では、「正方向」へ回転を開始し、「大当り」が停止表示される。前述のように、「大当り(図4の図柄61)」は、BB又はRBに内部当選したことを報知するものである。
次に、図18に示す「回転演出パターンデータ選択値25」の場合の演出用リール115の演出動作について説明する。
演出用リール115は、ゲーム開始時において、「正方向」へ回転を開始する。第1停止操作時、及び第2停止操作時には、「正方向」へ回転した状態が維持される。第3停止操作時には、演出用表示窓111内に「一尺玉」が停止表示される。動作1〜動作4では、「正方向」へ「コマ送り」の動作が行われ、「ハズレ」が演出用表示窓111内に停止表示される。前述のように、「ハズレ」は、いずれの入賞役にも内部当選していないことを示す図柄である。
ここで、第3停止操作後、遊技者がメダル投入口22へメダルを投入したとき、又はBETスイッチを操作したとき、その後に予定されていた演出がキャンセルされる。演出動作中の演出用リール115は、その演出内容に拘らず、「正方向」へ「高速」で回転を開始し、演出用表示窓111内に「ハズレ(図4の図柄66)」を表示するように停止する。
次に、図19を参照して、サブCPU74の「演出内容決定処理」について説明する。この処理では、演出用リール115の制御等に使用される「回転演出パターンデータ」等の演出データが決定される。
初めに、サブCPU74は、「ゲーム開始コマンド」を受信したか否かを判別する(ST41)。この判別が“YES”のときは、図12に示すテーブルを使用して、現在の遊技状態に対応したセットテーブルを選択する(ST42)。続いて、サブCPU74は、選択されたセットテーブル及び「内部当選役コマンド」が示す内部当選役に基づいて、演出データテーブルを選択する(ST43)。続いて、ハード乱数値及びRレジスタ値を抽出する(ST44)。
次に、サブCPU74は、選択された演出データテーブルの演出実行抽選値が、Rレジスタ値より大きいか否かを判別する(ST45)。この判別が“YES”のときは、ST46の処理に移り、“NO”のときは、ST41の処理に移る。ST46の処理では、選択された演出データテーブルの演出抽選値選択値を参照し、図16に示すテーブルに基づいて、対応する演出抽選値を選択する。続いて、ST44の処理において抽出したハード乱数値を比較値(旧)とする(ST47)。
次に、サブCPU74は、ST47の処理、又は後で説明するST51の処理において決定された比較値(旧)から、今回選択された演出抽選値を減じた値を比較値(新)とする(ST48)。続いて、比較値(新)が“0”以下であるか否かを判別する(ST49)。この判別が“YES”のときは、ST50の処理に移り、“NO”のときは、ST51の処理に移る。ST50の処理では、参照している演出抽選値選択値の演出データを選択し、これをセットする。従って、ST45の判別が“YES”の場合、選択された演出データテーブルに示された演出データのいずれかがセットされる。ST49の判別が“NO”のとき、サブCPU74は、比較値(新)を比較値(旧)とする(ST51)。続いて、次の演出抽選値選択値を参照し、図16に示すテーブルに基づいて、対応する演出抽選値を選択し(ST52)、ST48の処理に移る。
次に、図20を参照して、「演出キャンセルデータ」に対応した演出用リール115の動作内容(回転パターン)について説明する。「演出キャンセルデータ」は、後述の図22のST74の処理において使用される。
演出用リール115は、「メダル投入時」において、「正方向」へ、「高速」で回転を開始し、「ハズレ(図4の図柄66)」を演出用表示窓111内に停止表示するように動作する。
次に、図21を参照して、サブCPU74の演出実行処理について説明する。
初めに、サブCPU74は、演出用表示窓111内に「大当り(図4の図柄61)」が停止表示されているか否かを判別する(ST61)。具体的には、既にBB又はRBに内部当選したことが報知されているか、BB遊技状態であるか、又はRB遊技状態であるかどうかを判別する。この判別が“YES”のときは、ST62以下の処理は行われない。ST61の判別が“NO”のときは、「演出データ」がセットされているか否かを判別する(ST62)。なお、「演出データ」は、図19のST50の処理においてセットされる。ST62の判別が“YES”のときは、ST63の処理に移り、“NO”のときは、ST61の処理に移る。
ST63の処理では、サブCPU74は、「ゲーム開始コマンド」、「リール停止コマンド」、及び「演出データ」に基づいて、演出用リール115等による演出を実行する。続いて、演出データに基づく演出が終了したか否かを判別する(ST64)。この判別が“YES”のときは、「演出データ」をクリアし(ST65)、ST61の処理に移る。ST64の判別が“NO”のときは、「演出データ」がクリアされたか否かを判別する(ST66)。この判別が“YES”のときは、ST61の処理に移り、“NO”のときは、ST63の処理に移る。ここで、ST66の判別が“YES”となるのは、次に説明する図22のST73の処理が行われた場合である。
次に、図22を参照して、演出キャンセル処理について説明する。
初めに、サブCPU74は、「メダル投入コマンド」を受信したか否かを判別する(ST71)。この判別が“YES”のときは、ST72の処理に移る。前述のように、「メダル投入コマンド」は、いずれかの主リール3L,3C,3Rが回転しているとき、送信されることはない。続いて、サブCPU74は、「演出データ」がセットされているか否かを判別する(ST72)。この判別が“YES”のときは、ST73の処理に移り、“NO”のときは、ST71の処理に移る。ST73の処理では、セットされている「演出データ」をクリアする。続いて、「演出キャンセルデータ」に基づいて、演出用リール115を「正方向」へ、「高速」で回転させ、演出用表示窓111内に「ハズレ」を停止表示させる。
ここで、ST74の処理が行われるのは、全ての主リール3L,3C,3Rが停止した状況において、メダルが投入され(ST71の判別が“YES”)、且つ全ての主リール3L,3C,3Rが停止した後の演出(動作1〜動作4)が行われている場合(ST72の判別が“YES”)である。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
実施例では、所定の操作として「メダルを遊技機へ投入する操作」を採用しているが、これに限られるものではない。例えば、スタートレバー6の操作、或いは停止ボタン7L,7C,7Rの一回の操作、又は複数回の操作を採用するようにしてもよい。また、メダルを遊技機へ投入する操作、スタートレバー6の操作、及び停止ボタン7L,7C,7Rの操作を組合せたものを、所定の操作として採用することができる。更に、所定の操作を行うための専用の操作部を設けるようにしてもよい。
また、実施例では、主リール3L,3C,3Rが停止した後の演出用リール115による演出を中止できるようにしているが、これに限られるものではない。全ての、或いはいずれかの主リール3L,3C,3Rが回転している状況においても、演出用リール115の演出を中止できるようにしてもよい。
また、実施例では、「ハズレ」の図柄は、一つのみ設けるようにしているが、これを複数設けるようにしてもよい。また、「ハズレ」の図柄は、本来、内部当選役が「はずれ」であることを示すものである。そこで、例えば、「キャンセル」、或いは「中止」を示す図柄を設け、演出がキャンセルされたときのみ、これらの図柄が演出用表示窓111内に表示されるようにしてもよい。また、演出がキャンセルされたとき、図柄と図柄との間の領域を演出用表示窓111内に表示するようにしてもよい。
また、実施例では、演出がキャンセルされたとき、演出用リール115は、「左方向」へ回転を開始し、演出用表示窓111内に「ハズレ」が表示されるように動作するが、これに限られるものではない。「左方向」へ回転する場合と比較して、「右方向」へ回転することにより、早期に「ハズレ」を演出用表示窓111内に表示できる場合には、「右方向」へ回転するようにしてもよい。
また、「メダルを投入する操作」が行われた後、演出用リール115が回転を開始し、演出用表示窓111内に「ハズレ」が表示されるまでの間、スタートレバー6の操作を無効とするようにしてもよい。これにより、次のゲームにおける演出用リール115の演出を、スタートレバー6が操作されたとき、開始することができる。
また、実施例では、演出がキャンセルされた場合、WINランプ17による演出もキャンセルされることとなるが、例えばキャンセルされた演出がWINランプ17を点灯させる予定のものであるとき、演出用表示窓111内に「ハズレ」が表示されたとき、WINランプ17を点灯させるようにしてもよい。
また、実施例では、「再遊技」の入賞成立に基づく遊技媒体の自動投入、及び「メダル投入コマンド」の送信は、全ての主リールが停止した後の演出が終了したとき行われる。また、「再遊技」の入賞が成立した後、遊技媒体の自動投入が行われるまでの間、メダル投入口22へメダルを投入する操作、及びBETスイッチの操作は、有効なものとして扱われない。従って、「再遊技」に入賞したゲームの全主リール3L,3C,3R停止後における演出をキャンセルすることはできない。そこで、再遊技に入賞したゲームの全主リール3L,3C,3Rの停止後において、スタートレバー等の操作部を操作することによりメダルが自動投入され(同時に、「メダル投入コマンド」が送信される)、その演出がキャンセルされるようにしてもよい。なお、一般に、液晶表示装置或いはLEDドットマトリクス等の電気的表示装置を備えた遊技機においても、「再遊技」の入賞が成立した後の表示画面における演出をキャンセルすることができない。そこで、スタートレバー等の操作部を操作することによりメダルが自動投入され、その表示画面上の演出をキャンセルできるようにしてもよい。これにより、演出に興味のない遊技者は、操作部を操作し、速やかに遊技を進めることができる。
また、実施例では、変動表示手段、内部当選役決定手段、及び停止制御手段を主制御回路71により実現し、演出決定手段、及び演出制御手段を副制御回路72により実現するようにしているが、これに限られるものではない。例えば上記全ての手段を主制御回路71により実現するようにしてもよい。また、副制御回路72が演出制御手段のみを実現するようにしてもよい。
また、実施例では、主リール3L,3C,3Rの上方に演出用リール115を設けるようにしているが、演出用リール115を設ける位置は、任意に選択することができる。
本実施例の第1の態様は、種々の図柄を変動表示する変動表示手段(例えば、後述の主リール)と、変動表示手段とは別に設けられ、種々の図柄を表示する演出用リールと、ゲーム毎にサンプリングされる乱数値により内部当選役を決定する内部当選役決定手段(例えば、後述のCPU31)と、内部当選役決定手段の決定結果と遊技者の停止操作のタイミングとに基づいて変動表示手段の変動表示動作を停止制御する停止制御手段(例えば、後述のCPU31及び主リール位置検出回路24)と、演出用リールの演出内容を決定する演出決定手段(例えば、後述のサブCPU74)と、演出決定手段の決定結果に基づいて、演出用リールの動作を制御する演出制御手段(例えば、後述のサブCPU74及び演出用リール位置検出回路148)とを具備し、演出制御手段が演出決定手段の決定結果に基づいて演出用リールの動作を制御している状況において、遊技者により所定の操作が行われたとき、演出制御手段は、演出用リールの動作の制御を中止し、演出用リールが所定の図柄又は図柄間の領域等(図柄の他に例えば、図柄と図柄との間の領域を含む)を表示するように、演出用リールの動作を制御することを特徴とする。
本実施例の第2の態様は、演出制御手段が演出決定手段の決定結果に基づいて演出用リールの動作を制御しており、且つ変動表示手段の変動表示動作が停止している状況において、遊技者により所定の操作が行われたとき、演出制御手段は、演出用リールの動作の制御を中止し、演出用リールが所定の図柄又は図柄間の領域等を表示するように、演出用リールの動作を制御することを特徴とする。
本実施例の第3の態様では、所定の操作は、遊技媒体を遊技機へ投入する操作(例えば、後述のBETスイッチの操作)であることを特徴とする。
本実施例の第4の態様では、所定の図柄は、増加役(例えば、BB、RB)に内部当選したことを報知する図柄(例えば、後述の図柄61(図4))以外の図柄(例えば、後述の図柄66(図4))であることを特徴とする。
本実施例の第5の態様では、内部当選役決定手段及び停止制御手段を備えた主制御回路基板(例えば、後述の主制御回路71)と、少なくとも演出制御手段を備えた副制御回路基板(例えば、後述の副制御回路72)とを具備し、主制御回路基板は、副制御回路基板に向けて情報(例えば、後述のコマンド)を一方向に送信するための情報送信手段(例えば、後述のI/Oポート38)を有し、副制御回路基板は、情報送信手段により送信された情報を受信する情報受信手段(例えば、後述のINポート77)を有することを特徴とする。
本実施例の第1の態様によれば、遊技者により所定の操作が行われたとき、演出制御手段は、演出決定手段の決定結果に基づく演出用リールの動作の制御を中止し、演出用リールが所定の図柄等を表示するように、演出用リールの動作を制御する。すなわち、演出用リールが所定の図柄等を表示した状態で停止するので、演出が中止されたことを明確に認識できる。そして、遊技者は、所定の操作を行えば、不必要であると判断する演出用リールの演出を中止させ、次のゲームを開始することができる。
本実施例の第2の態様によれば、変動表示手段の変動表示動作が停止している状況において、遊技者により所定の操作が行われたとき、演出制御手段は、演出決定手段の決定結果に基づく演出用リールの動作の制御を中止し、演出用リールが所定の図柄等を表示するように、演出用リールの動作を制御する。従って、変動表示手段の変動表示動作が停止している状況、すなわち一のゲームの結果が確定した後における演出を中止させることができる。また、遊技店側にとっては、遊技機の稼働率を向上させることができる。
本実施例の第3の態様によれば、所定の操作として、遊技媒体を遊技機へ投入する操作を採用することができる。遊技媒体を遊技機へ投入する操作は、ゲームを開始するために必要な操作である。従って、次のゲームを開始するために必要な一連の操作を行うことにより演出を中止させることができる。
本実施例の第4の態様によれば、所定の図柄等は、増加役に内部当選したことを報知する図柄以外の図柄である。従って、例えば、演出を中止するために演出用リールを停止させたとき、BBに内部当選していないにも拘らず、確定告知図柄が表示されることがなく、遊技者を混乱させることがない。また、演出が中止されたとき、確定告知図柄が表示されないので、確定告知図柄の意味内容が毀損され、それが表示されることの価値が低下することがない。
本実施例の第5の態様によれば、内部当選役決定手段及び停止制御手段を備えた主制御回路基板と、少なくとも演出制御手段を備えた副制御回路基板とを具備し、主制御回路基板は、副制御回路基板へ情報を一方向に送信するための情報送信手段を有し、副制御回路基板は、情報送信手段により送信された情報を受信する情報受信手段を有する。従って、法令により機能が制限された主制御回路基板の負担を軽減することができる。
更に、本実施例のようなスロットマシンの他、パチンコ遊技機等の他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のスロットマシンでの動作を家庭用ゲーム機用として擬似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。
1…遊技機、2…キャビネット、2a…パネル表示部、3L,3C,3R…主リール、4L,4C,4R…主表示窓、6…スタートレバー、7L,7C,7R…停止ボタン、8a…クロスダウンライン、8b…トップライン、8c…センターライン、8d…ボトムライン、8e…クロスアップライン、9a…1−BETランプ、9b…2−BETランプ、9c…最大BETランプ、10…台座部、11…1−BETスイッチ、12…2−BETスイッチ、13…最大BETスイッチ、14…C/Pスイッチ、15…メダル払出口、16…メダル受け部、17…WINランプ、18…払出表示部、19…クレジット表示部、20…ボーナス遊技情報表示部、21…スピーカ、22…メダル投入口、22S…投入メダルセンサ、24…主リール位置検出回路、25…払出完了信号回路、30…マイクロコンピュータ、31…CPU、32…ROM、33…RAM、34…クロックパルス発生回路、35…分周器、36…乱数発生器、37…サンプリング回路、38…I/Oポート、39…モータ駆動回路、40…ホッパー、41…ホッパー駆動回路、45…ランプ駆動回路、46…主リール停止信号回路、48…表示部駆動回路、49L,49C,49R…ステッピングモータ、71…主制御回路、72…副制御回路、73…サブマイクロコンピュータ、74…サブCPU、75…プログラムROM、76…制御RAM、77…INポート、78…音源IC、79…パワーアンプ、80…OUTポート。