JP4099729B2 - シリンダ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストンの変位作用下に所定角度回動するアームを介してワークをクランプすることが可能なシリンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、自動車等の構成部品を溶接する際、その構成部品をクランプするためにシリンダ装置が用いられ、このシリンダ装置は、例えば、米国特許4905973号公報、DE29504267U1公報等に開示されている。
【0003】
この米国特許4905973号公報、DE29504267U1公報に開示されたシリンダ装置は、それぞれ略対称に形成された一組のケーシングが一体的に組み合わされて構成される本体部と、前記本体部に連結されたシリンダ部と、前記シリンダ部の駆動作用下に本体部内に設けられたトグルリンク機構を介して所定角度回動するアームとを有する。
【0004】
シリンダ部には、シリンダチューブ内に往復動作自在に収装されたピストンと、前記ピストンに連結されたピストンロッドとが設けられる。前記ピストンロッドの自由端には、アームを回動させる軸受部材を有するトグルリンク機構が連結されている。なお、ケーシングの内壁面には、直線運動を行うピストンロッドを案内するとともに、アームによってワークをクランプする際に付与される反力を受容する機能を営む案内溝が形成されている。
【0005】
シリンダ部の駆動作用下に所定角度回動するアームを介してワークをクランプすることにより、前記ワークに対する所望の溶接作業が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の米国特許4905973号公報、DE29504267U1公報に開示されたシリンダ装置では、アームによってワークをクランプした際、前記アームに対して反力が付与され、この反力をケーシングの内壁面に形成された案内溝によって受容する構成を採用している。この場合、ピストンと一体的に往復動作するピストンロッドの摺動摩擦によって案内溝が摩耗することにより、ピストンロッドと案内溝との間の間隙に起因するガタが発生し、アームを安定して回動させることが困難となる。しかも、前記ガタが発生することによりワークに対するアームのクランプ力が低下するという不都合がある。
【0007】
また、前記の米国特許4905973号公報、DE29504267U1公報に開示されたシリンダ装置では、本体部が一組のケーシングを組み合わせて構成されているため、一方のケーシングと他方のケーシングとの寸法誤差によってその組み付け工程が煩雑となるとともに、シリンダ装置を一旦組み付けた後には、本体部の分解が困難であるためメンテナンスを簡便に遂行することができないという不都合がある。
【0008】
本発明は、前記の種々の不都合を悉く克服するためになされたものであり、ワークをクランプする際に発生する反力に起因するガタの発生を防止してクランプ力の低下を阻止するとともに、組み付け工程およびメンテナンスを簡便に行うことが可能なシリンダ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、一体的に形成された扁平な直方体形状を呈するボデイと、
前記ボデイの一端部に連結され、シリンダ室に沿って往復動作するピストンが収装されたシリンダ部と、
前記ボデイの内部に設けられ、前記ピストンに連結されたピストンロッドの直線運動を回動運動に変換するトグルリンク機構と、
前記トグルリンク機構に連結され、前記シリンダ部の駆動作用下に所定角度回動するアームと、
を備え、前記ボデイの内部には、ワークのクランプ時に付与される反力を受容する反力受容部材が着脱自在に設けられることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、シリンダ部の駆動作用下に、ピストンと一体的にピストンロッドが直線運動を行い、前記ピストンロッドの直線運動がトグルリンク機構を介してアームの回動運動に変換される。この結果、前記アームの回動動作によってワークがクランプされる。
【0011】
その際、ワークをクランプすることによって発生する反力がボデイの内部に設けられた反力受容部材によって受容される。従って、前記反力に起因してガタが発生することがなく、アームを安定して回動させるとともにワークに対するクランプ力の低下が阻止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に係るシリンダ装置について好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0013】
図1において参照数字10は、本発明の実施の形態に係るシリンダ装置を示す。
【0014】
このシリンダ装置10は、相互に連通する一組の開口部12a、12b(図3参照)を有し扁平状に一体的に形成されたボデイ14と、前記ボデイ14の開口部12a、12bをそれぞれ閉塞する一組のカバー部材16a、16bと、前記ボデイ14の下端部に気密に連結されたシリンダ部18と、前記カバー部材16a、16bから外部に突出する矩形状の軸受部20a、20bに連結されるアーム22とを備える。なお、ボデイ14の複数の側面には、シリンダ装置10を他の部材または壁面等に取り付けるための複数の孔部24が形成されている。
【0015】
シリンダ部18は、図4に示されるように、上面部に楕円形状の凹部26が形成され下面部にピストン28の変位量を調整するねじ部材30がねじ穴32に螺入されたエンドブロック34と、断面楕円形状の筒体からなり、その一端部が前記エンドブロック34の凹部26に気密に連結され他端部がボデイ14の底面に気密に連結されたシリンダチューブ36とを含む。さらに、シリンダ部18は、前記シリンダチューブ36内に収装されシリンダ室38、38aに沿って往復動作するピストン28と、前記ピストン28の中央部に連結されて該ピストン28と一体的に変位するピストンロッド40とを有する。
【0016】
前記ピストン28の外周面には、ウェアリング42およびシールリング44がそれぞれ装着されている。また、エンドブロック34の四隅角部には取付用孔部46a〜46dが穿孔され、前記取付用孔部46a〜46dに挿通された4本のシャフト48a〜48dを介してエンドブロック34およびシリンダチューブ36がボデイ14に気密に組み付けられる。ボデイ14およびエンドブロック34には、それぞれシリンダ室38、38aに圧力流体を導入・導出するための一組の圧力流体出入ポート50、52がそれぞれ相互に対向して形成されている。なお、実際に使用する場合には、図5並びに図6に示されるように、一方の圧力流体出入ポート50、52に盲栓54がねじ込まれることにより、前記一方の圧力流体出入ポート50、52が閉塞された状態で使用される。
【0017】
ボデイ14内には、図5並びに図6に示されるように、両側面に形成された一組の開口部12a、12bにそれぞれ連通する室56が形成され、前記室56内には、ピストンロッド40の自由端が臨むように設けられる。この場合、前記ピストンロッド40は、ボデイ14の下端部側に固定されたブッシュ58と、ピストン28の外周面に装着されたウェアリング42とによって直線的に往復自在に案内される。
【0018】
ピストンロッド40の一端部には、該ピストンロッド40の直線運動をアーム22の回動運動に変換するトグルリンク機構60が設けられる。このトグルリンク機構60は、図3に示されるように、ピストンロッド40の自由端に形成された孔部62に軸着される第1ピン部材64と、前記第1ピン部材64の両端部に保持される一組のローラ66a、66bとを含む。また、トグルリンク機構60は、第2ピン部材68を支点としてボデイ14に対して回動自在に軸支される支持レバー70と、前記ピストンロッド40の自由端と支持レバー70との間に介装され、該ピストンロッド40の自由端と支持レバー70とをリンクする一組のリンクプレート72とを有する。
【0019】
すなわち、前記リンクプレート72には所定間隔離間する一組の孔部74a、74bが形成され、一方の孔部74aに軸着される第1ピン部材64を介してピストンロッド40の自由端に連結され、他方の孔部74bに軸着される第3ピン部材76を介して支持レバー70の突起部78に連結される。この場合、前記支持レバー70の両端部には、カバー部材16a、16bから外部に露呈する断面矩形状の一組の軸受部20a、20bが形成され、前記一組の軸受部20a、20bの間には前記ボデイ14と一体的に形成された膨出部80に嵌合する凹部82が形成される。
【0020】
従って、ピストンロッド40の直線運動がリンクプレート72を介して支持レバー70に伝達され、前記支持レバー70は第2ピン部材68を支点として所定方向に回動する。
【0021】
前記支持レバー70の両端部の軸受部20a、20bは、カバー部材16a、16bの孔部84を通じて外部に露呈するように設けられる。その際、軸受部20a、20bに近接して形成された円形状の段部86がカバー部材16a、16bの円形状の孔部84に嵌挿されることにより前記孔部84が閉塞され、該孔部84を通じてボデイ14内に塵埃等が進入することが阻止される。また、前記軸受部20a、20bには、ねじ締結されるプレート87を介してアーム22が着脱自在に連結される(図2参照)。
【0022】
なお、アーム22には、図7Aに示されるように、アーム本体88の中央部にクランプ部90を設けてもよく、あるいは図7B並びに図7Cに示されるように、アーム本体88の中央部から偏位したいずれか一方の側にクランプ部90を設けてもよい。
【0023】
図5並びに図6に示されるように、ボデイ14の背面には、室56に連通する孔部92が形成され、前記孔部92にはピストン28の変位量を検出するセンサユニット94が装着される。このセンサユニット94は、図2に示されるように、略T字状のプレート96に所定間隔離間してねじ止めされた一組の近接スイッチ98a、98bと、前記プレート96の屈曲部の孔部に着脱自在に装着された円形状の一組のキャップ100a、100bと、前記近接スイッチ98a、98bに接続されたリード線を介して該近接スイッチ98a、98bから出力された検出信号を図示しない他の制御器に導出するコネクタ102とを有する。なお、前記近接スイッチ98a、98bに代替して、図示しないマイクロスイッチ、または空気圧スイッチ等を設けてもよい。
【0024】
この場合、ピストンロッド40の所定部位に固定された検出体103(図5並びに図6参照)を近接スイッチ98a(98b)によって検出することにより、ピストン28の変位方向並びに変位量を検出することができる。また、作業者は、プレート96に装着されたキャップ100b(100a)を取り外して他のコネクタ102を装着することにより、三方向の中からいずれか任意の方向を選択してコネクタ102を取り付けることができる(図8A並びに図8B参照)。なお、前記ボデイ14の開口部12a、12bをそれぞれ閉塞する一組のカバー部材16a、16bは、図3に示されるように、ねじ締結されていることにより、簡便に着脱することができる。
【0025】
また、ボデイ14の両側面の開口部12a、12bの上部には、図3に示されるように、断面矩形状の凹部104がそれぞれ形成され、前記凹部104には、ローラ66a、66bに係合して反力を受容する一組の反力板106a、106b(反力受容部材)が着脱自在にねじ締結される。従って、前記反力板106a、106bが摩耗した場合には、カバー部材16a、16bを取り外して新たな反力板106a、106bと簡便に交換することができる。
【0026】
本発明の実施の形態に係るシリンダ装置10は基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作並びに作用効果について説明する。
【0027】
まず、図示しない固定手段を介してシリンダ装置10を所定位置に固定するとともに、図示しないチューブ等の管体の一端部を一組の圧力流体出入ポート50、52にそれぞれ接続し、前記管体の他端部を図示しない圧力流体供給源に接続する。なお、図5はアンクランプ状態のシリンダ装置10を示し、図6はクランプ状態のシリンダ装置10を示すものであり、以下、図5のアンクランプ状態を初期位置として説明する。
【0028】
このような準備作業を経た後、図5に示す初期位置において、図示しない圧力流体供給源を付勢して一方の圧力流体出入ポート52からシリンダ室38aに圧力流体を導入する。前記シリンダ室38aに導入された圧力流体の作用下にピストン28が押圧され、該ピストン28がシリンダ室38aに沿って上昇する。その際、前記ピストン28の外周面に装着されたウェアリング42およびピストンロッド40の外周面を囲繞するブッシュ58が案内機能を営むことにより、ピストン28およびピストンロッド40の直線精度が保持される。
【0029】
前記ピストン28の直線運動は、ピストンロッド40を介してトグルリンク機構60に伝達され、アーム22の回動運動に変換される。
【0030】
すなわち、ピストン28の直線運動(上昇)によってピストンロッド40の自由端に回動自在に連結されたリンクプレート72を上方に向かって押圧する力が作用する。前記リンクプレート72に対する押圧力は、第1ピン部材64を支点として該リンクプレート72を所定角度回動させるとともに、第2ピン部材68を支点として支持レバー70を矢印A方向に回動させる。従って、前記支持レバー70を支点としてアーム22が矢印B方向に向かって所定角度回動する。
【0031】
このようにして、アーム22の回動作用下に、該アーム22が、予め初期設定されたクランプ位置に到達することにより、図6に示されるようなワークWのクランプ状態に至る。この場合、ピストンロッド40の軸線Cと支持レバー70の軸線Dとが略平行となり、しかも、ピストンロッド40の自由端に連結されたローラ66a、66bが反力板106a、106bに係合した状態となる。
【0032】
クランプ状態において、シリンダ装置10の出力(ピストン28の押圧力)は、図9に示されるように、トグルリンク機構60の作用下に支持レバー70に対して増力して伝達されるとともに、支持レバー70の長さEに比例した回転トルクが矢印F方向に発生する。従って、アーム22は、前記回転トルクの作用下にワークWを確実にクランプすることができる。
【0033】
アーム22によってワークWをクランプした際、前記アーム22には、図9に示されるように、アーム22のクランプ力と反対方向の反力Hが付与され、この反力Hがアーム22を介してトグルリンク機構60に伝達される。前記反力Hは、トグルリンク機構60において、第2ピン部材68を支点として支持レバー70を矢印G方向に回動させる力として働き、さらにこの力は、第3ピン部材76を経由してリンクプレート72およびローラ66a、66bを矢印I方向に向かって押圧する力として作用する。
【0034】
従って、ワークWをクランプした際に付与される反力Hは、終局的にはローラ66a、66bを矢印I方向に向かって押圧する力として作用するが、この場合、ボデイ14の内壁面に設けられた反力板106a、106bによって前記ローラ66a、66bに対する矢印I方向の押圧力を保持することにより、前記反力Hが反力板106a、106bによって受容される。
【0035】
一方、図6に示す状態において、図示しない切換弁の切換作用下に圧力流体出入ポート50に圧力流体を供給することによりピストン28が下降する。さらにピストンロッド40の下降作用下にリンクプレート72を介して支持レバー70が前記とは逆方向に回動することにより、アーム22がワークWから離間する方向に回動する。この結果、ワークWのクランプ状態が解除されて、図5に示す初期位置に復帰する。
【0036】
本実施の形態では、ワークWをクランプした際に発生する反力Hをボデイ14の内壁面に設けられた反力板106a、106bによって受容し、しかも、前記反力板106a、106bをねじ部材を介して着脱自在に取り付けているため、該反力板106a、106bが摩耗した場合であっても簡便に新たな反力板106a、106bと交換することができる。
【0037】
従って、本実施の形態では、従来技術と異なり反力Hをケーシングの内壁面に形成された案内溝によって受容する構成を採用していないため、ガタが発生することを防止してアーム22を安定して回動させることができる。この結果、前記ガタに起因してワークWに対するアーム22のクランプ力が低下することを阻止することができる。
【0038】
また、本実施の形態では、ボデイ14を分割せずに一体的に形成することにより、組み付け工程を簡略化するとともに、前記ボデイ14の開口部12a、12bにねじ締結されたカバー部材16a、16bを取り外すことにより、メンテナンスを簡便に遂行することができる。
【0039】
次に、本発明の他の実施の形態に係るシリンダ装置10aを図10に示す。
【0040】
このシリンダ装置10aでは、支持レバー70に形成された一方の軸受部20aのみをカバー部材16aから外部に露呈させ、前記軸受部20aに対してL字状の薄型のアーム22aを連結している。このように、薄型のアーム22aを連結することにより、シリンダ装置10aを幅狭な空間に設置することができるという利点がある。
【0041】
次に、本発明のさらに他の実施の形態に係るシリンダ装置110を図11〜図16に示す。なお、図1並びに図10に示すシリンダ装置10、10aと同一の構成要素には同一の参照数字を付し、その詳細な説明を省略する。
【0042】
このシリンダ装置110は、ボデイ14内に設けられた支持レバー112(図13参照)の組み付け方向を変えることにより、図10に示すシリンダ装置10aに設けられた薄型のアーム22aを、ボデイ14の左側と右側とに交換自在に保持することができる点に特徴がある。
【0043】
すなわち、図12に示されるように、シリンダ装置110を構成するボデイ14の内部には、第2ピン部材114を支点として該ボデイ14に対して回動自在に軸支される支持レバー112が設けられ、前記支持レバー112の一端部には、断面矩形状の軸受部116が一方のカバー部材16aの孔部84を介して外部に向かって突出して形成される。
【0044】
なお、参照数字118は、第3ピン部材76が軸着されることにより一組のリンクプレート72に連結される突起部を示し、また、参照数字120は、カバー部材16a、16bの円形状の孔部84に嵌挿される一組の段部を示し、さらに、参照数字122は、前記一組の段部120間に形成され、ボデイ14の膨出部80に嵌合する凹部を示す。
【0045】
前記支持レバー112の軸受部116には、図13に示されるように、中央部に断面テーパ状のねじ穴124が形成され、さらに、四隅角部から対角線方向に沿って前記ねじ穴124に連通し且つ軸受部116の軸線方向に沿って所定長だけ延在するスリット126が形成されている。
【0046】
前記軸受部116のねじ穴124には、断面テーパ状のねじプラグ128が嵌合され、図15A並びに図15Bに示されるように、前記ねじプラグ128のねじ込み量を増加させることにより、前記スリット126を介して軸受部116が外方に向かって拡幅する。この結果、前記軸受部116を介してアーム22aを着脱自在に連結することができる。
【0047】
続いて、ボデイ14の右側面側にアーム22aが保持された図11に示すシリンダ装置(以下、ライトアームタイプのシリンダ装置という)110を、ボデイ14の左側面側にアーム22aが保持された図16に示すシリンダ装置(以下、レフトアームタイプのシリンダ装置という)110に組み付け直す作業について説明する。
【0048】
まず、図14Aに示されるように、ライトアームタイプのシリンダ装置110の軸受部116のねじ穴124に螺入されたねじプラグ128を緩めることにより前記軸受部116が内方に向かって縮幅し、前記軸受部116に保持されたアーム22aを取り外す。
【0049】
続いて、図14Bに示されるように、ボデイ14の相互に対向する上部側にねじ締結された一組のカバー部材16a、16bをそれぞれ取り外した後、孔部に挿入された第2ピン部材114を抜き取るとともに、凹部122を介して支持レバー112をボデイ14の膨出部80から離間させることにより、該支持レバー112をボデイ14から取り外すことができる。なお、参照数字130は、第2ピン部材114を支持レバー112に係止するためのクリップを示す。
【0050】
このようにしてボデイ14から取り外した支持レバー112を前記とは反対方向に180度回転させた後、図14Cに示されるように、ボデイ14の左側面側に軸受部116が位置するように該支持レバー112をボデイ14の内部に組み込む。
【0051】
すなわち、第2ピン部材114を支持レバー112の孔部に挿通するとともに、凹部122を介して該支持レバー112をボデイ14の膨出部80に嵌合させる。そして、カバー部材16a、16bをそれぞれボデイ14に装着することにより、図16に示すようなレフトアームタイプのシリンダ装置110が完成する。
【0052】
なお、レフトアームタイプのシリンダ装置110をライトアームタイプのシリンダ装置110に組み付ける場合には、前記とは逆の組み付け作業を行えばよいことは勿論である。
【0053】
このように、本実施の形態に係るシリンダ装置110では、何ら新たな部材を追加することがなく、ライトアームタイプとレフトアームタイプのシリンダ装置110を相互に簡便に組み付け直すことが可能となる。従って、ライトアームタイプとレフトアームタイプの2個のシリンダ装置を必要とすることがなく、使用者は、使用環境に応じて、適宜、組み付け直すことにより、ライトアームタイプまたはレフトアームタイプの所望のシリンダ装置110を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0055】
すなわち、本発明では、反力をケーシングの内壁面に形成された案内溝によって受容することがなく、ボデイの内部に着脱自在に設けられた反力受容部材を介して前記反力を受容しているため、ガタが発生することを防止しアームを安定して回動させることができる。この結果、前記ガタに起因してワークに対するアームのクランプ力が低下することを阻止することができる。
【0056】
また、本発明では、ボデイを分割せずに一体的に形成することにより、組み付け工程を簡略化するとともに、前記ボデイの開口部にねじ締結されたカバー部材を取り外すことにより、メンテナンスを簡便に遂行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るシリンダ装置の斜視図である。
【図2】 図1に示すシリンダ装置の部分分解斜視図である。
【図3】 図1に示すシリンダ装置を構成するボデイの分解斜視図である。
【図4】 図1に示すシリンダ装置を構成するシリンダ部の分解斜視図である。
【図5】 図1に示すシリンダ装置の動作説明図である。
【図6】 図5に示すアームが所定角度回動した状態を示す動作説明図である。
【図7】 図7A〜図7Cは、それぞれアームの変形例を示す説明図である。
【図8】 図8A並びに図8Bは、それぞれコネクタの取付方向を示す説明図である。
【図9】 トグルリンク機構に付与される反力の説明図である。
【図10】 本発明の他の実施の形態に係るシリンダ装置の斜視図である。
【図11】 本発明のさらに他の実施の形態に係るシリンダ装置の斜視図である。
【図12】 図11に示すシリンダ装置を構成するボデイの分解斜視図である。
【図13】 図11に示すシリンダ装置に組み込まれた支持レバーの拡大斜視図である。
【図14】 図14A〜図14Cは、それぞれ、ライトアームタイプのシリンダ装置をレフトアームタイプのシリンダ装置に組み付け直す手順を示す説明図である。
【図15】 図15Aおよび図15Bは、軸受部のねじ穴に螺入されるねじプラグによってアームを保持する動作説明図である。
【図16】 図11に示すライトアームタイプのシリンダ装置をレフトアームタイプのシリンダ装置に組み付け直した状態の斜視図である。
【符号の説明】
10、10a、110…シリンダ装置 12a、12b…開口部
14…ボデイ 16a、16b…カバー部材
18…シリンダ部 22、22a…アーム
24…孔部 28…ピストン
36…シリンダチューブ 40…ピストンロッド
50、52…圧力流体出入ポート 60…トグルリンク機構
64、68、76、114…ピン部材 66a、66b…ローラ
70、112…支持レバー 72…リンクプレート
106a、106b…反力板
Claims (8)
- 扁平な直方体形状を呈するボデイと、
ワークをクランプ可能なアームと、
前記ボデイの一端部に連結され、シリンダ室に沿って往復動作するピストンが収装されたシリンダ部と、
前記ボデイの内部に設けられ、前記ピストンに連結されたピストンロッドの直線運動を前記アームの回動運動に変換するトグルリンク機構と、
を備え、
前記アームは、前記トグルリンク機構に連結され、前記シリンダ部の駆動作用下に所定角度回動し、
前記ボデイの内部には、前記ワークのクランプ時に前記トグルリンク機構から付与される反力を受容する二つの反力受容部材が設けられ、
前記二つの反力受容部材は、二つの反力板で構成され、
前記トグルリンク機構は、前記ピストンロッドの自由端の両側に連結され且つ前記二つの反力板にそれぞれ係合する二つのローラを含み、
前記反力板と前記ローラと前記トグルリンク機構は、前記ボデイに形成された密閉空間内に配置され、
前記密閉空間の内部において前記ボデイの内壁には、前記反力板のそれぞれを収容する二つの凹部が形成され、前記反力板のそれぞれが、締結部材により着脱自在に締結されることを特徴とするシリンダ装置。 - 請求項1記載の装置において、相互に対向する一組の開口部がボデイに形成され、前記ボデイには、前記開口部をそれぞれ閉塞する一組のカバー部材が着脱自在に設けられることを特徴とするシリンダ装置。
- 請求項1又は2記載の装置において、トグルリンク機構は、第1ピン部材を介してピストンロッドの自由端に連結された前記二つのローラと、第2ピン部材を介してボデイに対して回動自在に軸着された支持レバーと、前記ピストンロッドの自由端と支持レバーとをリンクするリンクプレートとを有することを特徴とするシリンダ装置。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の装置において、シリンダ部は、断面楕円形状の筒体からなるシリンダチューブと、前記シリンダチューブの断面形状に対応するピストンと、前記シリンダチューブの一端部を閉塞するエンドブロックとを有することを特徴とするシリンダ装置。
- 請求項3記載の装置において、アームは、ボデイの一方の側面または前記側面とは反対側の他方の側面から外方に向かって突出する支持レバーの軸受部に保持され、前記ボデイに対する前記支持レバーの組み付け方向を変えることにより、前記アームを該ボデイの一方の側面と他方の側面とで交換可能に配設することを特徴とするシリンダ装置。
- 請求項3記載の装置において、アームは、ボデイの一方の側面および前記側面とは反対側の他方の側面から外方に向かって突出する支持レバーの一組の軸受部にそれぞれ保持されるアーム本体と、ワークに当接して該ワークを押圧するクランプ部とからなり、前記クランプ部は、アーム本体の中央部またはアーム本体の中央部から偏位したいずれか一方の側に設けられることを特徴とするシリンダ装置。
- 請求項1記載の装置において、
前記ボデイには、開口部が形成されると共に、前記開口部を閉塞する着脱自在なカバー部材によって前記密閉空間が形成され、
前記反力板は、前記カバー部材が取り外されたときに交換可能である
ことを特徴とするシリンダ装置。 - 請求項5記載の装置において、
前記支持レバーは、前記軸受部の位置を、前記ボデイの一方の側面から前記他方の側面に又は前記他方の側面から前記一方の側面に変更するようにその向きを変更可能に構成され、
前記アームは、前記軸受部が、前記ボデイの一方の側面又は前記他方の側面のいずれに配置された場合でも前記軸受部に保持可能に構成される
ことを特徴とするシリンダ装置。
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