JP4098331B2 - 車両用電動駆動装置及びエンジン・モータ複合型の四輪駆動装置 - Google Patents
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Description
前記昇降圧装置は、運転条件に応じて、前記バッテリの電力を昇圧して前記モータに供給し、前記発電機の電力を降圧して前記バッテリ及び補機に供給するようにした。この場合、前記昇降圧装置は、前記バッテリの電力を昇圧して、前記発電機から出力される電力と合わせて前記モータに供給するか、或いは、前記バッテリの電力を昇圧して前記発電機に代わって前記モータに単独で昇圧電力を供給する。
〔実施例1〕
図1は、本発明の一実施例に係る車両用電動駆動装置が適用されるエンジン・モータ複合型の車両駆動装置の構成図である。
モータ5には、発電電圧がオルタネータ13からの出力電力だけで確保できる場合には、図6に示す切替えスイッチSw動作が行われる。
昇降圧回路16のスイッチング素子S1,S2をオン・オフ制御することによりバッテリ17の電力がモータ駆動電圧まで昇圧されてインバータ9に供給される
。この場合には、オルタネータ13からの出力とバッテリ17からの昇圧電力がいずれもモータ駆動電圧にあり、これらの電力を合わせてインバータ9に供給されてACモータ5が駆動される。
運転モード判定部51aは、入力される4WDモード信号Sdmに応じて、運転者の選択した駆動モードを判定する。この場合、運転モード判定部51aは4WDモード信号Sdmの入力の有無によって、運転者の選択した駆動モードを判定する。ここで、4WDモード信号Sdmの入力が有り(4WDSW60がオン)の場合、運転モード判定部51aは、運転者の選択した駆動モードが4WDモードであると判定する。4WDモード信号Sdmの入力が無い(4WDSW60がオフ)の場合、運転モード判定部51aは、運転者の選択した駆動モードが2WDモードであると判定する。
運転モード判定部51aは、入力されたスロット開度信号Stoに応じて、運転者のアクセルの踏み込み状態(アクセルのオン・オフ)を判定する。この場合、運転モード判定部51aは、スロット開度の割合(スロット全開度に対するスロット開度の割合)と、予め設定した所定のスロット開度割合To1(例えば2%)との比較によってアクセルの踏み込み状態(アクセルのオン・オフ)を判定する。ここで、スロット開度信号Stoによって入力されたスロット開度To の割合がスロット開度割合To1未満の場合、運転モード判定部51aは、運転者がアクセルを踏み込んでいない(アクセルオフ)と判定する。スロット開度信号Stoによって入力されたスロット開度To の割合がスロット開度割合To1以上の場合、運転モード判定部51aは、運転者がアクセルを踏み込んだ(アクセルオン)と判定する。
運転モード判定部51aは、入力されたシフト位置信号Sspに応じてシフトのオン・オフを判定する。この場合、シフト位置信号Sspによって入力されたシフト位置Sp がドライブレンジに対応しているか否かによってシフトのオン・オフを判定する。ここで、シフト位置信号Sspによって入力されたシフト位置Sp がドライブレンジに対応する場合、運転モード判定部51aは、シフトがオンしたと判定する。それ以外の場合、運転モード判定部51aは、シフトがオフしたと判定する。
運転モード判定部51aは、入力された左前輪速信号Svflw、右前輪速信号Svfrw、左後輪速信号Svrlw及び右後輪速信号Svrrwに応じて車速Vv を判定する。この場合、運転モード判定部51aは、左前輪速信号Svflwによって入力された左前輪速Vflw と、右前輪速信号Svfrwによって入力された右前輪速Vfrw との平均から平均前輪速と、左後輪速信号Svrlwによって入力された左後輪速Vrlw と、右後輪速信号Svrrwによって入力された右後輪速Vrrw との平均から平均後輪速とを求めると共に、求められた平均前輪速と平均後輪速との平均から車輪速Vw を求め、かつ求められた車輪速Vwから車速Vvを判定する。ここで、求められた車輪速Vw が0km/hの場合、運転モード判定部51aは、車速Vv を0km/hと判定する。また、求められた車輪速Vw が所定の車輪速Vw1(例えば20Km/h)以上の場合、運転モード判定部51aは、車速Vv を所定の車輪速Vw1以上と判定する。さらに、求められた車輪速Vw がそれらの中間、すなわち0km/hよりも大きく所定の車輪速Vw1よりも小さい場合、運転モード判定部51aは、車速Vv を0km/hよりも大きく所定の車輪速Vw1よりも小さいと判定する。さらにまた、求められた車輪速Vw が所定の車輪速Vw2、すなわち回生可能な最小速度(0km/hよりも大きく所定の車輪速Vw1よりも小さい速度)以上の場合、運転モード判定部51aは、車速Vv を車輪速Vw2以上と判定する。
運転モード判定部51aは、入力された左前輪速信号Svflw、右前輪速信号Svfrw、左後輪速信号Svrlw及び右後輪速信号Svrrwに応じて車輪がスリップしているか否か(スリップの有無)を判定する。この場合、前述のように求められた平均前輪速と平均後輪速との差から車輪速差ΔVw を求め、求められた車輪速差ΔVw から車輪がスリップしているか否か(スリップの有無)を判定する。ここで、求められた車輪速差ΔVw が所定の車輪速差ΔVw1(例えば5km/h)以下にある場合、運転モード判定部51aは、車輪がスリップしていない(スリップ無し)と判定する。求められた車輪速差ΔVw が所定の車輪速差ΔVw1を超えた場合、運転モード判定部51aは、車輪がスリップしている(スリップ有り)と判定する。
運転モード判定部51aは、クラッチ制御部52に出力したクラッチ制御指令信号Sc*を記憶しており、クラッチ6の状態(オン・オフ)を認識している。従って、運転モード判定部51aは、記憶されたクラッチ制御指令信号Sc*に応じてクラッチ6のオン・オフを判定する。ここで、記憶されたクラッチ制御指令信号Sc*がクラッチ6のオンに関する信号の場合、運転モード判定部51aは、クラッチ6がオン状態にあると判定する。記憶されたクラッチ制御指令信号Sc*がクラッチ6のオフに関する信号の場合には、クラッチ6がオフ状態にあると判定する。
4WDSW60がオン、車速が0km/h、スリップが無し、アクセルがオフ、シフトがオフ、クラッチがオン
・運転モードii:4WD発進時待機モード
4WDSW60がオン、車速が0km/h、スリップが無し、アクセルがオフ、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードiii:4WDクリープモード
4WDSW60がオン、車速が0km/hよりも大きくVw1よりも小さく、スリップが無し、アクセルがオフ、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードiv:4WD通常走行制御モード
4WDSW60がオン、車速が0km/hよりも大きくVw1よりも小さく、スリップが無し、アクセルがオン、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードv:4WD制御停止モード
4WDSW60がオン、車速がVw1以上、スリップが無し、アクセルがオン、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードvi:4WD走行時待機モード
4WDSW60がオン、車速がVw1以上、スリップが無し、アクセルがオン、シフトがオン、クラッチがオフ
・運転モードvii:4WD回生モード
4WDSW60がオン、車速がVw2より大きく、スリップが無し、アクセルがオフ、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードviii:4WDスリップ走行制御モード
4WDSW60がオン、車速が0km/hよりも大きくVw1よりも小さく、スリップが有り、アクセルがオン、シフトがオン、クラッチがオン
・運転モードix:4WD停止モード
4WDSW60がオフ、車速が0km/h、スリップが無し、アクセルがオフ、シフトがオフ、クラッチがオフ
運転モード判定部51aは、4WDの運転モードを判定した結果、判定した運転モードに関する信号を運転モード判定信号Sdmj としてモータ目標トルク算出部51bに出力する。また、運転モード判定信号Sdmj は、モータ目標界磁電流算出部51c、オルタネータ目標界磁電流算出部51d、インバータ制御部51e及びDC/DCコンバータ制御部51fのそれぞれにも入力される。さらに、運転モード判定部51aは、運転モード判定結果に基づいて、クラッチ6のオン・オフを制御するためのクラッチ制御指令信号Sc*をクラッチ制御部52に出力すると共に、リレー20の接続を制御するためのリレー制御指令信号Sr*をリレー制御部51gに出力する。
モータ目標トルクτmt0 は0Nmである。
モータ目標トルクτmt1 は一定のトルクであり、例えば0.5Nmである。
モータ目標トルクτmt2 は一定のトルクであって、モータ目標トルクτmt1よりも大きいトルクであり、例えば1.0Nmである。
モータ目標トルクτmt3 は、アクセルがオンになった時、車速Vv とモータ目標トルクτmt3との関係を示す特性マップから車速Vv に応じて算出される。
モータ目標トルクτmt4 は一定のトルクであり、例えば0.5Nmである。
モータ目標トルクτmt0 は0Nmである。
モータ目標トルクτmt5 は、アクセルがオフになった時、車速Vv とモータ目標トルクτmt5 との関係を示す特性マップから車速Vv に応じて算出されるものであり、負のトルクである。
モータ目標トルクτm6は、車輪速差ΔVw が所定の車輪速差ΔVw1を超えた時、車輪速差ΔVw とモータ目標トルクτm6との関係を示す特性マップから車輪速差ΔVwに応じて算出される。
モータ目標トルクτmt0 は0Nmである。
キースイッチがオンされる。これにより、ECU90から出力された制御指令信号に基づいて、エンジン3に供給される空気量及び燃料量、スタータによるエンジン3の回転駆動、点火プラグによる点火などが制御され、エンジン3が始動される。この時点で車両の運転モードは2WDモードである。
4WDSW60がオンされる。この時点で車両の運転モードは2WDモードから4WDモードに切り替わる。
・リレー20:接続モードI(インバータ9とオルタネータ13とを電気的に接続)
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オフ
・4WDCU50;
4WDCU50は、クラッチ6のガタ詰処理を(1)制御系の電源をオン、(2)クラッチ6をオン、(3)モータ5の界磁制御を開始、(4)リレー20を接続モードI、(5)オルタネータの界磁制御を開始、(6)インバータ9のPWM制御を開始という順序に従って実施するように制御を行う。
オルタネータ13は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流(バッテリ17から供給された電力の電流或いは自己で得られた電力の電流)を制御する。
インバータ9は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
当該運転モードでは動作しない。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、クラッチ6のガタ詰めに必要なモータトルクを出力する。このモータトルクは、クラッチ6の締結機構のモータ側機構を回転駆動させるために必要なトルクである。モータ5は一定時間、クラッチ6のガタ詰めに必要なモータトルクを出力する。
シフトがオンされる。これにより、車両は発進体勢に入る。
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードでもDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* は出力されない。
オルタネータ13は、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
インバータ9は、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
当該運転モードでは動作しない。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm1を出力する。このモータトルクτm1は、後輪2を回転駆動させるまでに至らないトルクである。モータ5は、シフトがオンになった時点で一定のモータトルクτm1を出力し、ブレーキの踏み込みが解除される時間t4までモータトルクτm1の出力を継続する。
ブレーキが解除される。車両はエンジン3のクリープトルクとモータ5のクリープトルクによって平坦ドライ(高μ)路上で発進する。
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードでもDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* は出力されない。
オルタネータ13は、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
インバータ9は、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
当該運転モードでは動作しない。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm2を出力する。このモータトルクτm2は、エンジン3のクリープトルクをアシストするための一定のトルクである。モータ5は、ブレーキの踏み込みが解除された時点で一定のモータトルクτm2を出力し、アクセルがオンになる時間t5までモータトルクτm2の出力を継続する。
アクセルがオンされる。車両はエンジン3のトルクとモータ5のトルクによって平坦ドライ(高μ)路で加速走行する。
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードでもDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* は出力されない。
オルタネータ13は、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
インバータ9は、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
当該運転モードでは動作しない。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm3を出力する。このモータトルクτm3は車速Vv に応じて変化するものであり、車速Vv の低い時に大きく、車速Vv が大きくなるに従って小さくなる。モータ5は、アクセルがオンになった時点でモータトルクτm3を出力し、車速Vv が所定の車輪速Vw1以上になる時間t6まで、車速Vv に応じたモータトルクτm3を出力する。
車速Vv がVw1以上になる。車両はエンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードでもDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* は出力されない。
オルタネータ13は、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
インバータ9は、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
当該運転モードでは動作しない。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm4を出力する。このモータトルクτm4は、エンジン3のトルクをアシストするための一定のトルクである。モータ5は、車速Vv が所定の車輪速Vw1以上になった時点で一定のモータトルクτm4を出力し、所定時間(時間t7まで)、モータトルクτm4の出力を継続し、所定時間後、モータトルクτm4の出力を停止する。
4WD制御停止モードが一定時間継続した後、クラッチ6がオフされる。車両はエンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。
・リレー20:接続モードII(オルタネータ13とDC/DCコンバータ16とを電気的に接続)
・クラッチ6:オフ
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、リレー20を接続モードIIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*と、一定のオルタネータ出力電力を出力するために必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、オルタネータ出力電力を降圧するために必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* とを出力する。また、4WDCU50は、クラッチ6をオフさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオフするように、バッテリ17からクラッチ6の励磁コイルへの電力の供給を停止する。尚、当該運転モードではモータ5の駆動が不要であるので、4WDCU50はモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* 及びインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* を出力しない。
オルタネータ13は、一定のオルタネータ出力電力、例えば42vの電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
当該運転モードでは動作しない。
DC/DCコンバータ16は、オルタネータ出力電力を所定の電力、例えば14v(バッテリ17の充電電圧)の電力に降圧するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて降圧回路16bのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
当該運転モードでは動作しない。
アクセルがオフされ、ブレーキがオンされ、クラッチ6がオンされる。車両は平坦ドライ(高μ)路を減速走行する。
・リレー20:接続モードIII(インバータ9とDC/DCコンバータ16とを電気的に接続)
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、リレー20を接続モードIIIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*と、モータ5から出力された発電電力を制御するために必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* と、インバータ出力電力を降圧するために必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* とを出力する。尚、当該運転モードではオルタネータ13の駆動が不要であるので、4WDCU50はオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* を出力しない。
当該運転モードでは動作しない。
インバータ9は、モータ5の発電電力を制御するために、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
DC/DCコンバータ16は、インバータ出力電力を所定の電圧の電力、例えばバッテリ17の充電電圧である14vの電力に降圧するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて降圧回路16bのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
モータ5には、後輪2の回転駆動力がデファレンシャルギア7、クラッチ6を介して伝達される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5はジェネレータとして動作し、電機子巻線から発電力が得られる。モータ5は、アクセルがオフになった時点でジェネレータとしての動作し、車速Vv が車輪速Vw2以下になった時点で発電を停止する。
車速Vv が0km/hになり、車両が停止する。運転モードが4WD発進時待機モードとなり、車両は発進体勢を維持する。ここでの動作は、前述した(3)時間t3と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ブレーキが解除される。運転モードが4WDクリープモードになり、車両はエンジン3のクリープトルクとモータ5のクリープトルクによって平坦低μ路上で発進する。ここでの動作は、前述した(4)時間t4と同様であるので、詳細な説明は省略する。
アクセルがオンされる。運転モードが4WD通常走行制御モードになり、車両はエンジン3のトルクとモータ5のトルクによって登坂低μ路で加速走行する。このでの動作は、前述した(5)時間t5と同様であるで、詳細な説明は省略する。
登坂低μ路で加速走行中、前輪速と後輪速との間に車輪速差、すなわちスリップが生じる。ここでは、前輪1にスリップが生じる場合を例にとり説明する。
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なオルタネータ目標界磁電流Iaft に関するオルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* と、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。尚、当該運転モードでもDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* は出力されない。
オルタネータ13は、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なオルタネータ出力電力を出力するように、オルタネータ目標界磁電流制御指令信号Siaft* に基づいて、界磁巻線に供給される界磁電流を制御する。
インバータ9は、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
当該運転モードでは動作しない。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm6を出力する。このモータトルクτm6は車輪速差ΔVw に応じて変化するものであって、所定の車輪速差ΔVw1から車輪速差ΔVw が大きくなるに従って0Nmから漸次大きくなり、所定の車輪速差ΔVw2で最大モータトルクτm6max を出力するようになっている。最大モータトルクτm6max は4WD通常走行制御モードの最大モータトルクτm3max よりも大きく設定されている。モータ5は、車輪速差ΔVw が車輪速差ΔVw1を超えた時点でモータトルクτm6を出力し、車輪速差ΔVw が車輪速差ΔVw1以下になるまで、車輪速差ΔVw に応じたモータトルクτm6を出力する。
スリップが収束し、再び4WD通常走行制御モードになる。ここでの動作は、前述した(5)時間t5と同様であるで、詳細な説明は省略する。
車速Vv がVw1以上になる。運転モードが4WD停止制御モードになり、車両はエンジン3のトルクによって登坂低μ路を加速走行する。ここでの動作は、前述した(6)時間t6と同様であるで、詳細な説明は省略する。
4WD制御停止モードが一定時間継続した後、クラッチ6がオフになり、運転モードが4WD走行中待機モードになる。車両は登坂低μ路を上りきり、エンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。ここでの動作は、前述した(7)時間t7と同様であるで、詳細な説明は省略する。
アクセルがオフされ、ブレーキがオンされ、クラッチ6がオンされる。運転モードが4WD回生モードとなり、車両は平坦ドライ(高μ)路を減速走行する。ここでの動作は、前述した(8)時間t8と同様であるで、詳細な説明は省略する。
車速Vv が0km/hになり、車両が停止する。運転モードが4WD発進時待機モードとなり、車両は発進体勢を維持する。ここでの動作は、前述した(3)時間t3と同様であるので、詳細な説明は省略する。
シフトがオフされる。運転モードが4WD準備モードになり、クラッチ6がオンされた状態となる。
4WDSW60がオフされる。運転モードが4WD停止モードとなり、クラッチ6がオフ、4WD制御系電源がオフになる。この時点で車両の運転モードは2WDモードから4WDモードに切り替わる。
キースイッチがオフされる。これにより、エンジン3が停止する。
〔実施例2〕
本発明の第2実施例を図18乃至図21に基づいて説明する。
キースイッチがオンされる。これにより、ECU90から出力された制御指令信号に基づいて、エンジン3に供給される空気量及び燃料量、スタータによるエンジン3の回転駆動、点火プラグによる点火などが制御され、エンジン3が始動される。この時点で車両の運転モードは2WDモードである。
4WDSW60がオンされる。この時点で車両の運転モードは2WDモードから4WDモードに切り替わる。
・リレー20:接続モードI(オルタネータ13とDC/DCコンバータ16を電気的に接続)
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オフ
・4WDCU50;
4WDCU50は、クラッチ6のガタ詰処理を(1)制御系の電源をオン、(2)クラッチ6をオン、(3)モータ5の界磁制御を開始、(4)リレー20を接続モードI、(5)DC/DCコンバータ16のオルタネータのPWM制御を開始、(6)インバータ9のPWM制御を開始という順序に従って実施するように制御を行う。
DC/DCコンバータ16は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
インバータ9は、クラッチガタ詰用のモータ目標トルクτmtの出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、クラッチ6のガタ詰めに必要なモータトルクを出力する。このモータトルクは、クラッチ6の締結機構のモータ側機構を回転駆動させるために必要なトルクである。モータ5は一定時間、クラッチ6のガタ詰めに必要なモータトルクを出力する。
シフトがオンされる。これにより、車両は発進体勢に入る。
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
DC/DCコンバータ16は、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
インバータ9は、モータ目標トルクτmt1 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm1を出力する。このモータトルクτm1は、後輪2を回転駆動させるまでに至らないトルクである。モータ5は、シフトがオンになった時点で一定のモータトルクτm1を出力し、ブレーキの踏み込みが解除される時間t4までモータトルクτm1の出力を継続する。
ブレーキが解除される。車両はエンジン3のクリープトルクとモータ5のクリープトルクによって平坦ドライ(高μ)路上で発進する。
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
DC/DCコンバータ16は、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
インバータ9は、モータ目標トルクτmt2 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm2を出力する。このモータトルクτm2は、エンジン3のクリープトルクをアシストするための一定のトルクである。モータ5は、ブレーキの踏み込みが解除された時点で一定のモータトルクτm2を出力し、アクセルがオンになる時間t5までモータトルクτm2の出力を継続する。
アクセルがオンされる。車両はエンジン3のトルクとモータ5のトルクによって平坦ドライ(高μ)路で加速走行する。
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
DC/DCコンバータ16は、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
インバータ9は、モータ目標トルクτmt3 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm3を出力する。このモータトルクτm3は車速Vv に応じて変化するものであり、車速Vv の低い時に大きく、車速Vv が大きくなるに従って小さくなる。モータ5は、アクセルがオンになった時点でモータトルクτm3を出力し、車速Vv が所定の車輪速Vw1以上になる時間t6まで、車速Vv に応じたモータトルクτm3を出力する。
車速Vv がVw1以上になる。車両はエンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
DC/DCコンバータ16は、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
インバータ9は、モータ目標トルクτmt4 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm4を出力する。このモータトルクτm4は、エンジン3のトルクをアシストするための一定のトルクである。モータ5は、車速Vv が所定の車輪速Vw1以上になった時点で一定のモータトルクτm4を出力し、所定時間(時間t7まで)、モータトルクτm4の出力を継続し、所定時間後、モータトルクτm4の出力を停止する。
4WD制御停止モードが一定時間継続した後、クラッチ6がオフされる。車両はエンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。
・リレー20:接続モードII(オルタネータ13とバッテリ17とを電気的に接続)
・クラッチ6:オフ
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、リレー20を接続モードIIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*出力する。また、4WDCU50は、クラッチ6をオフさせるために必要なクラッチ制御指令信号Sc*に基づいてクラッチ6がオフするように、バッテリ17からクラッチ6の励磁コイルへの電力の供給を停止する。尚、当該運転モードではモータ5の駆動が不要であるので、4WDCU50はインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* 、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* 及びモータ目標界磁電流制御指令信号Simft* を出力しない。
当該運転モードでは動作しない。
当該運転モードでは動作しない。
当該運転モードでは動作しない。
アクセルがオフされ、ブレーキがオンされ、クラッチ6がオンされる。車両は平坦ドライ(高μ)路を減速走行する。
・リレー20:接続モードIII(DC/DCコンバータ16とバッテリ17を電気的に接続)
・クラッチ6:オン
・アクセル :オフ
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、リレー20を接続モードIIIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*と、モータ5から出力された発電電力を制御するために必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipwm* と、インバータ出力電力を降圧するために必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* とを出力する。
DC/DCコンバータ16は、インバータ出力電力を所定の電圧の電力、例えばバッテリ17の充電電圧である14vの電力に降圧するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて降圧回路16bのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
インバータ9は、モータ5の発電電力を制御するために、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
モータ5には、後輪2の回転駆動力がデファレンシャルギア7、クラッチ6を介して伝達される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5はジェネレータとして動作し、電機子巻線から発電力が得られる。モータ5は、アクセルがオフになった時点でジェネレータとしての動作し、車速Vv が車輪速Vw2以下になった時点で発電を停止する。
車速Vv が0km/hになり、車両が停止する。運転モードが4WD発進時待機モードとなり、車両は発進体勢を維持する。ここでの動作は、前述した(3)時間t3と同様であるので、詳細な説明は省略する。
ブレーキが解除される。運転モードが4WDクリープモードになり、車両はエンジン3のクリープトルクとモータ5のクリープトルクによって平坦低μ路上で発進する。ここでの動作は、前述した(4)時間t4と同様であるので、詳細な説明は省略する。
アクセルがオンされる。運転モードが4WD通常走行制御モードになり、車両はエンジン3のトルクとモータ5のトルクによって登坂低μ路で加速走行する。このでの動作は、前述した(5)時間t5と同様であるで、詳細な説明は省略する。
登坂低μ路で加速走行中、前輪速と後輪速との間に車輪速差、すなわちスリップが生じる。ここでは、前輪1にスリップが生じる場合を例にとり説明する。
・リレー20:接続モードI
・クラッチ6:オン
・アクセル :オン
・シフト :オン
・4WDCU50;
4WDCU50は、引き続きリレー20を接続モードIとするために必要なリレー制御指令信号Sr*を出力すると共に、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なDC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* と、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なインバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* とを出力する。
DC/DCコンバータ16は、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なインバータ入力電力を出力するように、DC/DCコンバータ駆動用PWM制御指令信号Sdpwm* に基づいて昇圧回路16aのスイッチング素子のオン・オフ動作を制御する。
インバータ9は、モータ目標トルクτmt6 の出力に必要なモータ入力電力を出力するように、インバータ駆動用PWM制御指令信号Sipmw* に基づいて三相ブリッジ回路9aの動作を制御する。
モータ5の電機子巻線には、インバータ9によって制御されたモータ入力電力が供給される。モータ5の界磁巻線には、4WDCU50によって制御された界磁電流が供給される。これにより、モータ5は駆動され、モータトルクτm6を出力する。このモータトルクτm6は車輪速差ΔVw に応じて変化するものであって、所定の車輪速差ΔVw1から車輪速差ΔVw が大きくなるに従って0Nmから漸次大きくなり、所定の車輪速差ΔVw2で最大モータトルクτm6max を出力するようになっている。最大モータトルクτm6max は4WD通常走行制御モードの最大モータトルクτm3max よりも大きく設定されている。モータ5は、車輪速差ΔVw が車輪速差ΔVw1を超えた時点でモータトルクτm6を出力し、車輪速差ΔVw が車輪速差ΔVw1以下になるまで、車輪速差ΔVw に応じたモータトルクτm6を出力する。
スリップが収束し、再び4WD通常走行制御モードになる。ここでの動作は、前述した(5)時間t5と同様であるで、詳細な説明は省略する。
車速Vv がVw1以上になる。運転モードが4WD停止制御モードになり、車両はエンジン3のトルクによって登坂低μ路を加速走行する。ここでの動作は、前述した(6)時間t6と同様であるで、詳細な説明は省略する。
4WD制御停止モードが一定時間継続した後、クラッチ6がオフになり、運転モードが4WD走行中待機モードになる。車両は登坂低μ路を上りきり、エンジン3のトルクによって平坦ドライ(高μ)路を加速走行する。ここでの動作は、前述した(7)時間t7と同様であるで、詳細な説明は省略する。
アクセルがオフされ、ブレーキがオンされ、クラッチ6がオンされる。運転モードが4WD回生モードとなり、車両は平坦ドライ(高μ)路を減速走行する。ここでの動作は、前述した(8)時間t8と同様であるで、詳細な説明は省略する。
車速Vv が0km/hになり、車両が停止する。運転モードが4WD発進時待機モードとなり、車両は発進体勢を維持する。ここでの動作は、前述した(3)時間t3と同様であるので、詳細な説明は省略する。
シフトがオフされる。運転モードが4WD準備モードになり、クラッチ6がオンされた状態となる。
4WDSW60がオフされる。運転モードが4WD停止モードとなり、クラッチ6がオフ、4WD制御系電源がオフになる。この時点で車両の運転モードは2WDモードから4WDモードに切り替わる。
キースイッチがオフされる。これにより、エンジン3が停止する。
Claims (6)
- 前輪及び後輪の一方がエンジンにより駆動され他方がモータにより駆動される車両に用いられ、車両に搭載される補機類の電源となる補機用電圧レベルのバッテリと、前記エンジンの動力によって駆動され前記モータの駆動電源となる発電機とを備えた車両用電動駆動装置において、
前記発電機から前記モータに単独で駆動電力を供給する第1の電力供給回路と、前記発電機から供給される駆動電力と合わせて前記バッテリから昇圧された駆動電力を前記モータに供給する第2の電力供給回路とが、車両の運転条件に応じて切り換え可能に形成されるように構成したことを特徴とする車両用電動駆動装置。 - 前輪及び後輪の一方がエンジンにより駆動され他方がモータにより駆動される車両に用いられ、車両に搭載される補機類の電源となる補機用電圧レベルのバッテリと、前記エンジンの動力によって駆動され前記モータの駆動電源となる発電機とを備えた車両用電動駆動装置において、
前記発電機から前記モータに単独で駆動電力を供給する第1の電力供給回路と、前記発電機から供給される駆動電力と合わせて前記バッテリから昇圧された駆動電力を前記モータに供給する第2の電力供給回路と、前記バッテリから前記モータに対して昇圧された駆動電力を単独で供給する第3の電力供給回路と、前記発電機から前記バッテリ及び補機類に対して降圧された充電電力を供給する第4の電力供給回路とが、車両の運転条件に応じて切り換え可能に形成されるように構成したことを特徴とする車両用電動駆動装置。 - 前輪及び後輪の一方がエンジンにより駆動され他方が交流モータにより駆動される車両に用いられ、車両に搭載される補機類の電源となる補機用電圧レベルのバッテリと、前記エンジンの動力によって駆動され前記モータの駆動電源となるオルタネータとを備えた車両用電動駆動装置において、
前記オルタネータから前記モータにインバータを介して単独で駆動電力を供給する第1の電力供給回路と、前記オルタネータから供給される駆動電力と合わせて前記バッテリからDC−DC回路を介して昇圧された駆動電力を前記モータに供給する第2の電力供給回路とが、車両の運転条件に応じて切り換え可能に形成されるように構成したことを特徴とする車両用電動駆動装置。 - 前輪及び後輪の一方がエンジンにより駆動され他方が交流モータにより駆動される車両に用いられ、車両に搭載される補機類の電源となる補機用電圧レベルのバッテリと、前記エンジンの動力によって駆動され前記モータの駆動電源となるオルタネータとを備えた車両用電動駆動装置において、
前記オルタネータから前記モータにインバータを介して単独で駆動電力を供給する第1の電力供給回路と、前記オルタネータから供給される駆動電力と合わせて前記バッテリからDC−DC回路を介して昇圧された駆動電力を前記モータに供給する第2の電力供給回路と、前記バッテリから前記モータに対してDC−DC回路を介して昇圧された駆動電力を単独で供給する第3の電力供給回路と、前記オルタネータから前記バッテリ及び補機類に対してDC−DCコンバータを介して降圧された充電電力を供給する第4の電力供給回路とが、車両の運転条件に応じて切り換え可能に形成されるように構成したことを特徴とする車両用電動駆動装置。 - 請求項3又は4において、前記オルタネータは界磁電流制御で出力電圧を可変とする車両用電動駆動装置。
- 前輪及び後輪の一方がエンジンにより駆動され他方が交流モータにより駆動される車両に用いられ、車両に搭載される補機類の電源となる補機用電圧レベルのバッテリと、前記エンジンの動力によって駆動され前記補機用電圧レベルを出力する整流器付きオルタネータと、前記オルタネータからの整流された出力をDC−DCコンバータにより昇圧した後インバータにより交流変換して前記モータの駆動電源を供給する電源供給回路とを備えた車両用電動駆動装置において、
前記オルタネータとDC−DCコンバータの間に切り換えスイッチを設けて、前記モータの力行時は前記オルタネータから前記DC−DCコンバータを介して前記インバータに昇圧されたモータ駆動電力を供給し、前記モータの回生時は該モータの発電電力を前記DC−DCコンバータを介して降圧して前記バッテリに供給する回路を形成したことを特徴とする車両用電動駆動装置。
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