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JP4094030B2 - 超高強度Ni基金属ガラス合金 - Google Patents

超高強度Ni基金属ガラス合金 Download PDF

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JP4094030B2 JP2006075820A JP2006075820A JP4094030B2 JP 4094030 B2 JP4094030 B2 JP 4094030B2 JP 2006075820 A JP2006075820 A JP 2006075820A JP 2006075820 A JP2006075820 A JP 2006075820A JP 4094030 B2 JP4094030 B2 JP 4094030B2
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Description

本発明は、大きな非晶質形成能を有し、超高強度を有するNi基金属ガラス合金に関す
る。
アモルファス合金をバルク状で作るという夢を実現したのが「金属ガラス」である。す
なわち、ガラス形成能が非常に高い合金が1980年代にPd-Si-Cu合金で見出され
た。さらに、1990年になってから、実用的な合金組成でガラス形成能が非常に高い合
金が見出された。一般に、「アモルファス合金」では加熱によりガラス転移点に到達する
前に結晶化が進行してしまい、ガラス転移は実験的には観察できない。これに対して、「
金属ガラス」は加熱によって明瞭なガラス転移が観察され、結晶化温度までの過冷却液体
領域の温度範囲が数十Kにも達する。
この物性を備えることにより初めて、冷却速度の遅い銅金型に鋳込む方法によってバル
ク状のアモルファス合金を作ることができるようになった。このようなアモルファス合金
が、特に、「金属ガラス」と呼ばれているのは、金属でありながら、酸化物ガラスのよう
に安定な非晶質で、高温で容易に塑性変形(粘性流動)できるためである。
「金属ガラス」は、非晶質形成能が高い、すなわち、ガラス相からなる、より寸法の大
きな、いわゆるバルクの金属鋳造体を銅金型鋳造等により溶湯から冷却凝固して製造でき
る特性を有するものである。また、過冷却液体状態に加熱すると合金の粘性が低下するた
めに閉塞鍛造などの方法により任意形状に塑性加工できる特性を有するものである。「金
属ガラス」は、これらの特性を有しない、従来のアモルファス合金薄帯やファイバーなど
の「アモルファス合金」とは本質的に異なる材料であり、各種工業製品の材料としての有
用性は非常に大きい。
本発明者らは、先に、非晶質形成能、加工性、機械的強度に優れたNi−P−M(Mは
、Ti,Zr,Hf,Nb,又はTaの1種以上)系Ni基金属ガラス合金(特許文献1)を
開発した。また、Ni−Nb系金属ガラス合金(特許文献2、3、非特許文献1)を開し
た。これらのNi−Nb系金属ガラス合金の圧縮試験結果を図7に示す。また、Ni−T
i−Zr系金属ガラス合金(特許文献4)を開発した。さらに、2003年に高いガラス
安定性及び非晶質形成能に優れたNi−Nb−Sn基金属ガラス合金が開発された(非特
許文献2)が、このNi基金属ガラス合金は非常に脆くて、優れた機械的性質と結晶化に
対する高い熱安定性を備えていると言えない。
さらに、本発明者らは、Ni−Si−B系合金においては、直径0.5mmのバルク金
属ガラス合金を製作できることを報告した(非特許文献3)。さらに、本発明者らは、
Ni−Ta−Ti−(Zr,Hf)系の室温で、圧縮強度が2800〜3180MPaの高
強度のNi基金属ガラス合金を開発した(特許文献5)。最近、直径5mmのNi−Cu
−Ti−Zr−Al金属ガラス合金が報告された(非特許文献4)が、圧縮強度(σf)
は2300〜2400MPa程度と小さい。
特開2000-87197号公報 特開2000-345309号公報 特開2001-49407号公報 特開2002-105608号公報 特開2005-298858号公報 Mater.Trans.43(2002)708 APPL. PHYS. LETT. 82 (7): 1030-1032,FEB. 17(2003) Mater.Trans.44(2003)1425 Acta Mater.52,3493(2004)
上記のように、これまで、幾つかのNi基バルク金属ガラス合金を製作できたが、寸法
が大きく(すなわちガラス形成能が大きい)、かつ強度も大きいバルク金属ガラス合金の
製作は困難であった。そこで、本発明は、大きなガラス形成能と高強度を兼ね備えたNi
基金属ガラス合金を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の課題を解決するために、最適組成について研究した結果、30K
以上の過冷却液体領域△Txを示し、かつ従来にない高強度を有し、上述の課題を解決で
きるNi基金属ガラス合金が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、下記の組成式で示されるNi基金属ガラス合金である。
式:[(Ni1−xFe0.750.25−aSi100ーyNb(式中、
0.1≦x≦0.5,0.04≦a≦0.06、3.0≦y≦4.5(原子%)である)
本発明のNi基金属ガラス合金は、ΔTx=Tx−Tg(ただし、Txは結晶化開始温
度、Tgはガラス遷移温度)の式で表される過冷却液体の温度間隔が30K以上で、換算
ガラス化温度Tg/Tl(Tlは液相線温度)が0.54以上である。本発明のNi基金
属ガラス合金は、金型鋳造法により直径又は厚さ1.0mm以上で、非晶質相の体積比率
100%の棒材又は板材が得られる。
本発明のNi基金属ガラス合金は、室温で、圧縮強度が3500MPa以上、ビッカー
ス硬さ(荷重:0.98N、保持時間:15秒)が1000Hv以上であり、機械的性質に
優れている。また、本発明のNi基金属ガラス合金を用いて金型鋳造法によりガラス相の
体積分率が100%である高強度鋳造製品を製造することができる。さらに、この合金を
用いて、過冷却液体状態で塑性加工することによりガラス相の体積分率が100%である
高強度加工製品を製造することができる。
なお、本明細書中の「過冷却液体領域」とは、毎分40Kの加熱速度で示差走査熱量分
析を行うことにより得られるガラス遷移温度Tgと結晶化開始温度Txの温度間隔で定義
されるものである。「過冷却液体領域」は結晶化に対する抵抗力、すなわち非晶質の安定
性及び加工性を示す数値である。本合金は40K以上の過冷却液体領域△Txを有する。
また、本明細書中の「換算ガラス化温度」とは、ガラス遷移温度(Tg)と毎分5Kの加
熱速度で示差熱量分析(DTA)を行うことにより得られる合金液相線温度(Tl)の比
で定義されるものである。「換算ガラス化温度」は非晶質形成能力を示す数値である。
合金は非晶質化することにより一般にその機械的性質が向上するが、本発明のNi基金
属ガラス合金において、塊状試料で、室温で、3500MPaを超える圧縮強度を持つも
のが容易に得られた。この3500MPa以上という値はこれまでに報告されたNi基ガ
ラス合金のどれよりも大きい。
このように、高強度が得られる機構は下記のとおりであろうと推定される。金属ガラス
の強度は主に元素間の結合力によるものであることが知られている。FeとNiの原子番
号はそれぞれ26と28であり、核外電子の配置は、それぞれ、1s2 2s22p63s23p63d6 4s2と1
s2 2s22p63s23p63d8 4s2である。FeとNiの3dバンドにある電子は、それぞれ6と8であ
る。3dバンドには最大10個の電子が受け入れられる。つまり、Feの方はNiより、3dバ
ンドがまだ空いている。したがって、BとSiからの核外電子(s電子)はFe含有量の
増加によって、3dバンドに入りやすく、強いs−d混合結合が形成される。その結果、強
度はX=0.4程度まではFe含有量の増加に従って増加する。特に、[(Ni0.6
0.40.750.2Si0.0596Nbの組成の金属ガラス合金は383
6MPaという超高強度を示し、これは各種Ni基金属ガラス合金の中で最高の値である
。X=0.5を超えると脆化して塑性変形し難くなるので好ましくない。
Fe含有量の増加によるガラス形成能の増加は、Ni−Fe基合金組成はより接近した
共晶組成に位置するからと考えられる。Feの添加は図2に示すように合金組成を共晶点
に近づける。共晶組成付近では、液相線温度が低く、Tg/Tlが大きくなり、ガラス形
成能が向上する。
本発明のNi基合金組成は、30K以上の過冷却液体領域を示すことから大きな非晶質
形成能を有し、金型鋳造法により厚さ1mm以上の板状材料又は直径1mm以上の棒状材
料を容易に作製することができる。また、高強度、高硬度を有する。これらのことから、
本発明は、優れた塑性加工性、優れた機械的性質を兼備した実用上有用なNi基金属ガラ
ス合金を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。本発明の合金組成は、式:[(Ni1−xFe
0.750.25−aSi100ーyNb(式中、0.1≦x≦0.5,0
.04≦a≦0.06、3.0≦y≦4.5(原子%)である)で示される。この合金は
、Ni:ニッケル、Fe:鉄、B:ホウ素、Si:けい素、Nb:ニオブの5成分を基本
とする。
本発明のNi−Fe系金属ガラス合金において、主成分であるNiとFeは、本発明の
超高強度バルク金属ガラス合金の基となる元素である。これらの5種の元素の内、Niと
Feの合計含有量は、上記の式に基づく計算により約71.6〜72.8at%であり、N
iとFeの割合は、Ni、Fe元素の原子数の合計を1とするときのFeの原子数比を示
すxの値を0.1≦x≦0.5、より好ましくは、0.20≦x≦0.40とする。
上記の式において、Feの含有量を定めるxが0.1未満では、ΔTx、Tg/Tlが
減少し、ガラス形成能が低下し、機械的強度も十分ではない。xが0.5を超えると、脆
化して塑性加工性が劣化する。
本発明の上記合金組成において、半金属元素B、Siは、アモルファス相の形成を担う
元素であり、安定なアモルファス構造を得るために重要である。BとSiはともに含有さ
れる必要があり、一方が上記組成範囲から外れると、ガラス形成能が劣り、バルクガラス
合金の形成が困難である。本発明合金の組成では、B+Siの量が合計で約23.9〜2
4.3at%であり、共晶点に近い組成となる。
本発明の上記合金組成式において、Nbの添加はガラス形成能の向上に有効である。本
発明の合金組成においては、Nbは3.0原子%以上4.5原子%以下の範囲で添加する
。この範囲を外れて、Nbが3.0原子%未満であると過冷却液体の温度間隔ΔTxが消
滅するために好ましくなく、4.5原子%よりも大きくなるとガラス形成能が減少するた
めに好ましくない。
本発明の上記合金組成において、組成域からのずれにより、ガラス形成能が劣り、溶湯
から凝固過程にかけて、結晶核が生成・成長し、ガラス相に結晶相が混在した組織になる
。また、この組成範囲から大きく離れると、ガラス相が得られず、結晶相となる。
本発明の上記合金組成において、ガラス形成能が高いため、銅鋳型鋳造すると直径最大
3mmのガラス相100%の金属ガラス丸棒が作製できるが、同様な冷却速度で、回転水
中紡糸法により、直径0.55mmまでの細線、アトマイズ法により、直径0.6mmま
での粒子の金属ガラス合金を作製できる。
本発明のNi基ガラス合金は、溶融状態から公知の単ロール法、双ロール法、回転液中
紡糸法、アトマイズ法などの種々の方法で冷却凝固させ、薄帯状、フィラメント状、粉粒
体状の非晶質固体を得ることができる。また、本発明のNi基金属ガラス合金は大きな非
晶質形成能を有するため、上述の公知の製造方法のみならず、冷却条件や製品肉厚などを
調整することによりガラス相の体積分率が100%である種々の形状のバルクの高強度鋳
造製品を製造することができる。
すなわち、溶融金属を銅金型などの金型に充填鋳造することにより任意の形状の金属ガ
ラス合金製品を得ることもできる。例えば、代表的な金型鋳造法においては、合金を石英
管中でアルゴン雰囲気中において溶融した後、溶融金属を0.5〜1.5kg・f/cm
程度の噴出圧で銅製の金型内に充填凝固させることにより金属ガラス合金塊を得ることが
できる。更に、ダイカストキャスティング法及びスクイズキャスティング法などの製造方
法を適用することもできる。また、本発明の合金を用いて、過冷却液体状態でプレス、鍛
造、圧延などの塑性加工することによりガラス相の体積分率が100%である種々の形状
の高強度加工製品を製造することができる。
図1に、メルトスピニング法で作製した[(Ni1−xFe)B0.2Si0.05
96Nb組成のガラス合金(式中、x=0、0.1、0.2、0.3、0.4)のD
SC曲線を示す。そして、試料のガラス遷移温度(Tg)、結晶化開始温度(Tx)を示差走
査熱量計(DSC)によって測定した。これらの値より過冷却液体領域(Tx−Tg)を算
出した。液相線温度(Tl)の測定は、示査熱分析(DTA)によって測定した。これら
の値より換算ガラス化温度(Tg/Tl)を算出した。
TgはFe含有量の増加と共に770Kから745Kに徐々に減少するが、Txはほぼ
一定の値の795Kを維持しており、ΔTxは25K〜50Kの範囲である。加えて、x
=0.3及び0.4の合金の結晶化は大部分単一の発熱反応を経て生じることが分かる。
それゆえ、過冷却液体の結晶化に対する熱安定性は、Fe含有量の増加とともに増加する
ことが理解される。
図2は、本発明合金のDTA曲線を示す。Feを含まない(Ni0.750.2Si0.05)96
Nb4合金はTm(融点)とTlがそれぞれ1275Kと1446Kであり、またTmと
Tlの間の最大の温度範囲が171Kであることが分かる。加えて、この合金は 幾つか
の吸熱ピークを示す。それゆえ、本合金の組成は共晶点から離れていることが示唆される
。NiをFeでx=0.1の値だけ置換することによって、TmとTlは1275Kから
1243Kへ、1446Kから1408Kへそれぞれ大きく低下し、DTA曲線は二つの
吸熱ピークを示し、本発明の合金の[(Ni0.9Fe0.1)B0.2Si0.05
96Nb合金がFeを含まない合金のそれよりも単純であることを示唆している。
Fe含有量をx=0.2,0.3、および0.4へさらに増加させても、Tmは約12
32Kのほとんど一定の値を維持する。しかし、Feの添加がx=0.3の合金はわずか
に高い1237KのTmを示す。したがって、Fe含有量がx=0.2,0.3及び0.
4の合金は、共晶点に近く、約1232KのTmをもつことが理解される。他方、Tlは
1381Kから徐々に低下し、x=0.4のFe添加量の合金は、最低のTl=1348
Kを示し、Tm〜Tl間の温度間隔は118Kと最も小さくなる。
さらに、DTA曲線における2つの吸熱ピークがx=0.4でほとんどただ一つの吸熱
ピークに変化するのを見ることができる。 これらのすべての変化が、合金組成がFe含
有量の増加と共に共晶点に接近し、そして、x=0.4のFe含有量の合金組成はその他
の合金組成と比べて共晶点により近いことを意味する。
<比較例1、実施例1〜4>
以下、本発明の実施例について説明する。表1に示す合金組成からなる材料(比較例1
、実施例1〜4)について、アーク溶解法により原料合金を溶製した。図6に、銅鋳型鋳
造法により棒状試料を作製するのに用いた装置を側面から見た概略構成を示す。
まず、アーク溶解により所定の成分組成を有する溶融合金を作り、溶融合金を石英管中
でアルゴン雰囲気中に1600K〜1800Kの温度で再溶融した後、銅金型鋳造法によ
って直径0.5〜3mm、長さ約40mmの棒状試料を作製した。鋳造は、溶融合金を先
端に小孔(孔径0.5〜4mm)を有する石英管3に充填し、高周波発生コイル4により
加熱溶融した。その後、その石英管3を垂直な孔5を鋳込み空間として設けた銅製鋳型6
の直上に設置した。
次いで、石英管3内の溶融金属1をアルゴンガスの加圧(0.1〜1.0Kg/cm2
により石英管3の小孔2から噴出し、銅製鋳型6の孔に注入してそのまま放置して凝固さ
せて鋳造棒を得た。比較例1は、Feを含まない合金である。 ガラス質単相を形成する
臨界直径は実施例1(x=0.2)で1mm、実施例2(x=0.2)で2mm、実施例
3(x=0.3)で2.5mm、実施例4(x=0.4)で3mmであった。
図3は、実施例2(2mm)、実施例3(2.5mm)、および実施例4(3mm)の
直径を有する鋳造合金棒材のXRDパターンを示す。これらの全てのバルクの試料につい
て結晶のピークのないブロードなピークのみが見られ、3mmまでの直径範囲内でガラス
相の形成が示される。
試料の非晶質化の確認はX線回折法により行った。また、試料中に含まれる非晶質相の
体積比率(Vf−amo.)は、DSCを用いて結晶化の際の発熱量を完全非晶質化した
厚さ約20μmの薄帯との比較により評価した。表1に示すように、換算ガラス化温度(
Tg/Tl)とγパラメータ(Tx/(Tg+Tl))はそれぞれ0.541〜0.553及び
0.366〜0.380であった。
直径2mmの合金棒材を使用して圧縮試験片を作製し、インストロン型試験機を用いて
室温で圧縮試験を行い圧縮強度(σf)を測定した。また、ビッカース硬さHv(荷重、時
間はそれぞれ0.98N、15秒である)を測定した。
図4に、実施例4の組成の直径2mm、長さ40mmの合金棒材の歪み速度5×10
−1における圧縮試験の真応力―真歪曲線を示す。図4に示されるように、各合金棒
材は、同様の特徴、すなわち、約0.02の歪みまで弾性変形し、約0.001の小さい
塑性変形が続き、ついで最終破断する、という特徴を示す。ヤング率(E), 降伏強度(
σy), 圧縮強度(σf), 弾性伸び(εe) 及び塑性伸び(εp) はそれぞれ186GP
a,3778MPa,3836MPa,0.02及び0.001である。
Figure 0004094030
図5に、実施例4の金属ガラス合金材の圧縮試験による破断面を示す光学組織写真を示
す。写真に見られるように、破断面に脈状模様(ベインパターン;vein pattern)が発達
しており、破断中に破断部の粘性率が減少して液体状態が再現し、破断は滑るように進行
してある程度の塑性変形を示す。一方、脈状模様がない試料は、破断は一気に発生してし
まい、塑性変形を示さない。Fe基金属ガラス合金やCo基金属ガラス合金では、ほとん
ど塑性変形を示さずに破断する。
表1に、比較例1、実施例1〜4の合金の臨界直径、熱安定性、機械的性質をまとめて
示す。比較例1の合金のHvは972であるが、実施例1〜4の合金はHv1053〜1
130の範囲内にある。実施例2〜4の金属ガラス合金の機械的性質は、それぞれΕ=1
72〜186GPa, σy=3598〜3778MPa、σf =3683〜3836MP
aである。
<比較例2〜7>
本発明の合金組成を外れる表2に示す各合金組成について実施例と同様に金型鋳造した
。各試料は表2に示す直径では結晶質であった。
Figure 0004094030
本発明のNi基金属ガラス合金は、高強度であるとともにガラス形成能が高くより大寸
法の箔の作製が可能であり大型の部品の接合用のロウ材や、例えば、圧力センサ、トルク
センサ、マイクロモータ歯車などの小型化、高強度を必要とする構造材や機能材として特
に有用である。
本発明の金属ガラス合金材のDSC曲線図である。 発明の金属ガラス合金材のDTA曲線である。 実施例2〜4の棒状試料のXRDパターンを示す。 実施例4の金属ガラス合金材の圧縮試験による真応力−真歪曲線図である。 実施例4の金属ガラス合金材の圧縮試験による破断面を示す図面代用光学組織写真である。 金型鋳造法により鋳造棒の合金試料を作製するのに用いる装置を側面から見た概略図である。 従来例のNi−Nb−Ti−(Zr,Hf)系金属ガラス合金材の圧縮試験による応力−歪曲線図である。

Claims (6)

  1. 式:[(Ni1−xFe0.750.25−aSi100ーyNb(式中、
    0.1≦x≦0.5,0.04≦a≦0.06、3.0≦y≦4.5(原子%)である)
    で示される組成を有することを特徴とする超高強度Ni基金属ガラス合金。
  2. ΔTx=Tx−Tg(ただし、Txは結晶化開始温度、Tgはガラス遷移温度)の式で表
    される過冷却液体の温度間隔が30K以上で、換算ガラス化温度Tg/Tl(Tlは液相
    線温度)が0.54以上であることを特徴とする請求項1記載の超高強度Ni基金属ガラ
    ス合金。
  3. 厚さ又は直径2mm〜3mmの範囲でガラス相の体積分率が100%であることを特徴と
    する請求項1記載の超高強度Ni基金属ガラス合金。
  4. 室温で、圧縮強度が3500MPa以上、ビッカース硬さ(荷重:0.98N、保持時間
    :15秒)が1000Hv以上であることを特徴とする請求項1記載の超高強度Ni基金
    属ガラス合金。
  5. 金型鋳造法により鋳造された請求項1ないし4のいずれかに記載の金属ガラス合金からな
    るガラス相の体積分率が100%であることを特徴とする鋳造製品。
  6. 請求項1ないし4のいずれかに記載の金属ガラス合金を過冷却液体状態で塑性加工したガ
    ラス相の体積分率が100%であることを特徴とする加工製品。
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