JP4090714B2 - 車輪用軸受装置及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の駆動車輪(FF車の前輪、FR車の後輪、4WD車の全輪)を車体に対して回転自在に支持する車輪用軸受装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の駆動車輪用軸受装置には、その用途に応じて種々の形式のものが提案されている。例えば図9に示す駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の軸受2とをユニット化し、そのハブ輪1の内周に等速自在継手3の外側継手部材4をトルク伝達可能に圧入した構造を具備する。
【0003】
軸受2は、複列のアウタレース5およびインナレース7と、アウタレース6とインナレース8間に組み込まれた複列の転動体9,10とで主要部が構成された複列アンギュラ玉軸受である。この軸受装置では、複列のインナレース7,8のうち、一方のインナレース7がハブ輪1の外周面に直接形成され、他方のインナレース8がハブ輪1の小径端部11に嵌合した内輪12の外周面に形成されている。複列のアウタレース5,6は外輪13の内周面に形成されている。
【0004】
ハブ輪1は、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ14を有し、その車輪取付フランジ14の円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するためのハブボルト15が植設されている。外輪13は、車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ16を有し、この車体取付フランジ16は車体の懸架装置から延びるナックルにボルトで固定されている。
【0005】
なお、軸受2の両端開口部には、外輪13とハブ輪1および内輪12との環状空間を密封する一対のシール17,18が外輪13の端部内径に嵌合され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
【0006】
この軸受装置では、内輪12をハブ輪1の小径端部11の外周に嵌合させた上で、そのハブ輪1の小径端部11を塑性変形により加締めることでハブ輪1と複列の軸受2とをユニット化し、その加締め部19と内輪12のインボード側端面20とを係合させて内輪12の抜け止めおよび軸受2の予圧管理を行っている。このハブ輪1の小径端部11の加締めは、図10(a)(b)に示す要領で行われる。図10(a)は加締前、同図(b)は加締後の状態を示す。図10(a)に示すように内輪12がハブ輪1に圧入された状態で、図10(b)に示すようにハブ輪1の小径端部11を揺動式ポンチ21で加締めるようにしている。
【0007】
等速自在継手3は、図9に示すように内側継手部材、ボールおよび保持器を収容したマウス部22と、そのマウス部22から軸方向に一体的に延び、外周面にセレーション部24が形成された軸部23とからなる外側継手部材4を有する。この外側継手部材4の軸部23をハブ輪1の貫通孔26に挿入し、軸部23の外周面および貫通孔26の内周面に形成されたセレーション部24,25により両者を嵌合させてトルク伝達可能とし、その軸端をナット27により締め付けることにより、等速自在継手4をハブ輪1に固定している。
【0008】
この軸受装置では、ハブ輪1の加締め部19と内輪12のインボード側端面20とを係合させて内輪12の抜け止めおよび軸受2の予圧管理を行っているが、特に、軸受2の予圧管理をハブ輪1の小径端部11の加締めにより行っていることから、ナット27による外側継手部材4の締め付け力で軸受2の予圧管理を行う必要がなく、外側継手部材4はハブ輪1から抜脱しない程度でナット27により固定されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記軸受装置では、ユニット化されたハブ輪1と軸受2に対して、外側継手部材4の軸部23をハブ輪1の貫通穴26に圧入してセレーション部24,25で嵌合させ、その外側継手部材4をハブ輪1にナット27で締め付け固定した構造を具備する。この構造では、ハブ輪1の小径端部11に形成された加締め部19を外側継手部材4の肩部28に当接させているが、このとき、加締め部19の外側継手部材4の肩部28との当接面が平坦面になっていないため、外側継手部材4の軸部23をハブ輪1にナット27で締め付けると、外側継手部材4の肩部28とハブ輪1の加締め部19に摩耗が発生する可能性が大きく、ガタツキが発生する虞がある。
【0010】
また、ハブ輪1の小径端部11を揺動加締めにより塑性変形させ、加締め部19を形成することによりハブ輪1と軸受2とをユニット化した構造では、その加締め部19の分だけハブ輪1の軸方向寸法が必要であり、軸受装置全体の軸方向寸法が大きくなってコンパクト化が困難となっている。
【0011】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、ハブ輪と等速自在継手との結合でガタツキをなくして軸受装置の剛性を高め、コンパクトな軸受装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明に係る軸受装置は、ハブ輪と複列の軸受とをユニット化し、そのハブ輪にトルク伝達手段を介して等速自在継手の外側継手部材を内嵌した車輪用軸受装置において、前記複列の軸受のインナレースのうちインボード側のインナレースを前記ハブ輪の小径端部の外周に嵌合した別体の内輪に形成し、前記ハブ輪の小径端部の外周のインボード側に位置する塑性変形部をそのアウトボード側に位置する部位よりも小径とし、前記内輪の内周のインボード側に位置する部位に凹凸を形成すると共に、前記ハブ輪の塑性変形部を径方向外径側に折り曲げることなく、内径側からの拡径により、内輪の内周の凹凸にハブ輪の外周の塑性変形部を食い込ませて前記ハブ輪と内輪とを拡径加締めにより結合させ、前記ハブ輪の塑性変形部の径方向内径側に切削によるインロウを形成したことを特徴とする。
【0013】
このように複列の軸受のインナレースのうちインボード側のインナレースをハブ輪の小径端部の外周に嵌合した別体の内輪に形成し、そのハブ輪の小径端部の外周または内輪の内周のいずれか一方の塑性変形部に凹凸を形成すると共に、前記ハブ輪の塑性変形部を径方向外径側に折り曲げることなく、内径側からの拡径により、その凹凸に他方の塑性変形部を食い込ませて前記ハブ輪と内輪とを拡径加締めにより結合させたことにより、内輪のインボード側端面を外側継手部材の肩部に当接させた状態で、等速自在継手の外側継手部材をナット等によりハブ輪に固定することができる。外側継手部材の肩部が当接する内輪のインボード側端面が平坦面となっているため、外側継手部材をハブ輪にナットで締め付けても、外側継手部材の肩部と内輪のインボード側端面に摩耗が発生することはない。また、外側継手部材の肩部と内輪のインボード側端面との間に従来の揺動加締めによる加締め部が存在しないことから、軸受装置の軸方向寸法を短縮化することができる。また、ハブ輪の塑性変形部の径方向内径側に切削によるインロウを形成したことにより、モーメント荷重に対して剛性の高い軸受装置を実現することが容易となる。
【0014】
なお、前述したようにハブ輪の小径端部の外周または内輪の内周のいずれか一方の塑性変形部に形成された凹凸に他方の塑性変形部を食い込ませて拡径加締めにより結合させた構造としたことにより、ハブ輪と内輪とをユニット化することができ、その拡径加締め部により内輪の抜け止めと軸受の予圧管理が行われる。
【0016】
また、本発明に係る軸受装置の製造方法は、ハブ輪と複列の軸受とをユニット化し、そのハブ輪にトルク伝達手段を介して等速自在継手の外側継手部材を内嵌し、前記複列の軸受のインナレースのうちインボード側のインナレースを前記ハブ輪の小径端部の外周に嵌合した別体の内輪に形成し、前記ハブ輪の小径端部の外周のインボード側に位置する塑性変形部をそのアウトボード側に位置する部位よりも小径とし、前記内輪の内周のインボード側に位置する部位に凹凸を形成すると共に、前記ハブ輪の塑性変形部を径方向外径側に折り曲げることなく、内径側からの拡径により、内輪の内周の凹凸にハブ輪の外周の塑性変形部を食い込ませて前記ハブ輪と内輪とを拡径加締めにより結合させた後、そのハブ輪の小径端部の結合部の内径を所定の寸法に切削し、前記ハブ輪の塑性変形部の径方向内径側にインロウを形成するようにしたことを特徴とする。
【0017】
このようにハブ輪と内輪とを拡径加締めにより結合させた後、ハブ輪の小径端部の結合部の内径を所定の寸法に切削し、前記外側継手部材との間でインロウを形成すれば、インロウの形成が容易となる。
【0018】
前記方法において、ハブ輪と内輪とを拡径加締めにより結合させた後、前記ハブ輪の内径にセレーション部を形成し、前記外側継手部材を内嵌させることが望ましい。これは、ハブ輪と内輪とを拡径加締めにより結合させる場合、拡径加締め前の結合部直下の内径を他の部位より小径にしておく必要があり、ハブ輪の内径にセレーション部を予め形成しておくことが困難であることによる。ここで、セレーション部は、セレーション以外のスプラインも含むものとする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1に示す実施形態の駆動車輪用軸受装置は、ハブ輪101と複列の軸受2と等速自在継手3とを主要な構成要素としている。ここで、車両に組み付けた状態で車両の外側寄りとなる側をアウトボード側(図示左側)、車両の中央寄りとなる側をインボード側(図示右側)となる。
【0020】
軸受2は、複列のアウタレース5およびインナレース7と、アウタレース6とインナレース8間に組み込まれた複列の転動体9,10とで主要部が構成された複列アンギュラ玉軸受である。この軸受装置では、複列のインナレース7,8のうち、一方のインナレース7がハブ輪101の外周面に直接形成され、他方のインナレース8がハブ輪101の小径端部111に嵌合した内輪112の外周面に形成されている。複列のアウタレース5,6は外輪13の内周面に形成されている。
【0021】
ハブ輪101は、車輪(図示せず)を取り付けるための車輪取付フランジ14を有し、その車輪取付フランジ14の円周方向等間隔に、ホイールディスクを固定するためのハブボルト15が植設されている。外輪13は、車体(図示せず)に取り付けるための車体取付フランジ16を有し、この車体取付フランジ16は車体の懸架装置から延びるナックルにボルトで固定されている。
【0022】
なお、軸受2の両端開口部には、外輪13とハブ輪101および内輪112との環状空間を密封する一対のシール17,18が外輪13の端部内径に嵌合され、内部に充填されたグリースの漏洩ならびに外部からの水や異物の侵入を防止するようになっている。
【0023】
この軸受装置では、内輪112をハブ輪101の小径端部111の外周に嵌合させた上で、そのハブ輪101の小径端部111を拡径加締めにより塑性変形させ、そのハブ輪101の小径端部111と内輪112との間に形成された塑性変形部130で両者を結合させる。この拡径加締めによる塑性変形部130によりハブ輪101と複列の軸受2とをユニット化し、その塑性変形部130で内輪112の抜け止めおよび軸受2の予圧管理を行っている。
【0024】
このハブ輪101の小径端部111の拡径加締めは、ハブ輪101の小径端部111の外周面に例えばローレット加工などの凹凸131(凹凸131の形成範囲を×印で表す)を形成し、その小径端部111の内径側からの拡径により前記凹凸131を内輪112の内周面に食い込ませてハブ輪101と内輪112とを塑性変形により結合させることにより行われる。
【0025】
なお、この凹凸131の形状は任意であり、ローレット状以外に軸方向の歯を円周方向の複数個所に形成したもの(セレーションやスプライン)等を採用することもできる。また、凹凸は内輪112の内周面に形成し、ハブ輪101の小径端部111の内径側からの拡径により前記凹凸を小径端部111の外周面に食い込ませてハブ輪101と内輪112とを塑性変形により結合させるようにしてもよい。
【0026】
この拡径加締めのためには、図2に示すようにハブ輪101の小径端部111と内輪112とを塑性変形により結合させた結合部132の内径φd2をアウトボード側部分(セレーション形成予定部分)の内径φd1よりも小さく設定しておく必要がある。
【0027】
このようにハブ輪101と内輪112の結合部132の内径φd2がアウトボード側部分(セレーション形成予定部分)の内径φd1よりも小さいため、ハブ輪101の内周面にセレーション部を予め形成しておくことが困難である。このことから、図3に示すようにハブ輪101と内輪112とを塑性変形により結合させた拡径加締め後、ハブ輪101の内径部分(図中クロスハッチング部分)を旋削した上で、図4に示すようにブローチ加工によりハブ輪101の内周面にセレーション部25を形成する。
【0028】
等速自在継手3は、内側継手部材、ボールおよび保持器を収容したマウス部22と、そのマウス部22から軸方向に一体的に延び、外周面にセレーション部24が形成された軸部23とからなる外側継手部材4を有する。この外側継手部材4の軸部23をハブ輪101の貫通孔26に挿入し、軸部23の外周面および貫通孔26の内周面に形成されたセレーション部24,25により両者を嵌合させてトルク伝達可能とし、その軸端をナット27により締め付けることにより、等速自在継手3をハブ輪101に固定している。
【0029】
この軸受装置では、ハブ輪101と内輪112との塑性変形部130で内輪112の抜け止めおよび軸受2の予圧管理を行っているが、特に、軸受2の予圧管理をハブ輪101の拡径加締めによる塑性変形部130で行っていることから、ナット27による外側継手部材3の締め付け力で軸受2の予圧管理を行う必要がなく、外側継手部材4はハブ輪101から抜脱しない程度でナット27により固定されている。
【0030】
このようにハブ輪101と内輪112とを拡径加締めによる塑性変形部130で結合させたことにより、ハブ輪101の小径端部111に嵌合された内輪112のインボード側端面120を外側継手部材4の肩部28に当接させた状態で、外側継手部材4の軸部23をナット27によりハブ輪101に固定することができる。外側継手部材4の肩部28が当接する内輪112のインボード側端面120が平坦面となっているため、外側継手部材4の軸部23をハブ輪101にナット27で締め付けても、外側継手部材4の肩部28と内輪112のインボード側端面120に摩耗が発生することはない。また、内輪112のインボード側端面120と外側継手部材4の肩部28との間に従来の揺動加締めによる加締め部が存在しないことから、軸受装置の軸方向寸法を短縮化することができる。
【0031】
また、外側継手部材4の肩部28とセレーション部24との間では、ハブ輪101の拡径加締め後にハブ輪101の内径を旋削することにより、ハブ輪101の内径と外側継手部材4の外径との間でインロウ133を形成する。このようにハブ輪101と外側継手部材4とでインロウ133を形成したことにより、モーメント荷重に対して剛性の高い軸受装置を実現することが容易となる。
【0032】
図5は本発明の他の実施形態を示すもので、拡径加締めによるハブ輪201と内輪212との塑性変形部230の形成位置が図1の実施形態と異なる。つまり、図1の実施形態では、ハブ輪101の小径端部111の外周面に内輪112を嵌合させ、その内輪112の内径側に配設されたハブ輪101の小径端部111を拡径加締めすることによりハブ輪101と内輪112との塑性変形部130をインボード側位置に形成した場合である。
【0033】
これに対して、図5の実施形態は、内輪212のアウトボード側を延設し、その延設した小径端部211の外周面にハブ輪201を嵌合させ、そのハブ輪201の内径側に配設された内輪212の小径端部211を拡径加締めすることによりハブ輪201と内輪212との塑性変形部230をアウトボード側位置に形成した構造を具備する。
【0034】
この図5の実施形態においても図1の実施形態と同様、内輪212の小径端部211を拡径加締めにより塑性変形させ、その内輪212の小径端部211とハブ輪201との間に形成された塑性変形部230で両者を結合させる。この拡径加締めによる塑性変形部230によりハブ輪201と複列の軸受2とをユニット化し、その塑性変形部230で内輪212の抜け止めおよび軸受2の予圧管理を行っている。
【0035】
この内輪212の小径端部211の拡径加締めは、内輪212の小径端部211の外周面に例えばローレット加工などの凹凸231(凹凸231の形成範囲を×印で表す)を形成し、その小径端部211の内径側からの拡径により前記凹凸231をハブ輪201の内径面に食い込ませてハブ輪201と内輪212とを塑性変形により結合させることにより行われる。この拡径加締めのためには、図6に示すようにハブ輪201と内輪212の小径端部211とを塑性変形により結合させた結合部232の内径φd2をインボード側部分の内径φd1よりも小さく設定しておく必要がある。
【0036】
このようにハブ輪201と内輪212の結合部232の内径φd2がインボード側部分の内径φd1よりも小さいため、内輪212の内周面にセレーション部25を予め形成しておくことが困難であることから、図7に示すようにハブ輪201と内輪212とを塑性変形により結合させた拡径加締め後、内輪212の内径(図中クロスハッチング部分)を旋削した上で、図8に示すようにブローチ加工により内輪212の内周面にセレーション部25を形成する。
【0037】
この実施形態においても、ハブ輪201と内輪212とを拡径加締めによる塑性変形部230で結合させたことにより、内輪212のインボード側端面220を外側継手部材4の肩部28に当接させた状態で、等速自在継手3の外側継手部材4の軸部23をナット27によりハブ輪201に固定することができる。外側継手部材4の肩部28が当接する内輪212のインボード側端面220が平坦面となっているため、外側継手部材4の軸部23をハブ輪201にナット27で締め付けても、外側継手部材4の肩部28と内輪212のインボード側端面220に摩耗が発生することはない。また、内輪212のインボード側端面220と外側継手部材4の肩部28との間に従来の揺動加締めによる加締め部が存在しないことから、軸受装置の軸方向寸法を短縮化することができる。
【0038】
また、外側継手部材4の肩部28とセレーション部24との間では、内輪212の内径と外側継手部材4の軸部23の外径との間でインロウ233を形成する。このように内輪212と外側継手部材4とでインロウ233を形成したことにより、モーメント荷重に対して剛性の高い軸受装置を実現することが容易となる。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、複列の軸受のインナレースのうちインボード側のインナレースをハブ輪の小径端部の外周に嵌合した別体の内輪に形成し、そのハブ輪の小径端部の外周または内輪の内周のいずれか一方の塑性変形部に凹凸を形成すると共に、前記ハブ輪の塑性変形部を径方向外径側に折り曲げることなく、内径側からの拡径により、その凹凸に他方の塑性変形部を食い込ませて前記ハブ輪と内輪とを拡径加締めにより結合させたことにより、内輪のインボード側端面を外側継手部材の肩部に当接させた状態で、等速自在継手の外側継手部材をナット等によりハブ輪に固定することができる。
【0040】
その結果、外側継手部材の肩部が当接する内輪のインボード側端面が平坦面となっているため、外側継手部材の軸部をハブ輪にナットで締め付けても、外側継手部材の肩部と内輪のインボード側端面に摩耗が発生することはない。また、内輪のインボード側端面と外側継手部材の肩部との間に従来の揺動加締めによる加締め部が存在しないことから、軸受装置の軸方向寸法を短縮化することができる。以上のことから、ハブ輪と等速自在継手との結合でガタツキをなくして軸受装置の剛性を高め、コンパクトな軸受装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車輪用軸受装置の実施形態で、駆動車輪用軸受装置の一部省略部分を含む断面図である。
【図2】図1のハブ輪と内輪との拡径加締め部分を示す要部拡大断面図である。
【図3】図2のハブ輪の内径を旋削する要領を説明するための要部拡大断面図である。
【図4】図3のハブ輪の内周面にセレーション部を形成した状態を示す要部拡大断面図である。
【図5】本発明に係る車輪用軸受装置の他の実施形態で、駆動車輪用軸受装置の一部省略部分を含む断面図である。
【図6】図5のハブ輪と内輪との拡径加締め部分を示す要部拡大断面図である。
【図7】図6のハブ輪の内径を旋削する要領を説明するための要部拡大断面図である。
【図8】図7のハブ輪の内周面にセレーション部を形成した状態を示す要部拡大断面図である。
【図9】従来の車輪用軸受装置で、駆動車輪用軸受装置を示す断面図である。
【図10】図9の軸受装置の製造において、(a)はハブ輪の小径端部の揺動加締め前の状態を示す断面図、(b)はハブ輪の小径端部の揺動加締め後の状態を示す断面図である。
【符号の説明】
2 複列の軸受
3 等速自在継手
4 外側継手部材
7,8 インナレース
101,201 ハブ輪
112,212 内輪
130,230 塑性変形部
131,231 凹凸
133,233 インロウ
Claims (3)
- ハブ輪と複列の軸受とをユニット化し、そのハブ輪にトルク伝達手段を介して等速自在継手の外側継手部材を内嵌した車輪用軸受装置において、前記複列の軸受のインナレースのうちインボード側のインナレースを前記ハブ輪の小径端部の外周に嵌合した別体の内輪に形成し、前記ハブ輪の小径端部の外周のインボード側に位置する塑性変形部をそのアウトボード側に位置する部位よりも小径とし、前記内輪の内周のインボード側に位置する部位に凹凸を形成すると共に、前記ハブ輪の塑性変形部を径方向外径側に折り曲げることなく、内径側からの拡径により、内輪の内周の凹凸にハブ輪の外周の塑性変形部を食い込ませて前記ハブ輪と内輪とを拡径加締めにより結合させ、前記ハブ輪の塑性変形部の径方向内径側に切削によるインロウを形成したことを特徴とする車輪用軸受装置。
- ハブ輪と複列の軸受とをユニット化し、そのハブ輪にトルク伝達手段を介して等速自在継手の外側継手部材を内嵌し、前記複列の軸受のインナレースのうちインボード側のインナレースを前記ハブ輪の小径端部の外周に嵌合した別体の内輪に形成し、前記ハブ輪の小径端部の外周のインボード側に位置する塑性変形部をそのアウトボード側に位置する部位よりも小径とし、前記内輪の内周のインボード側に位置する部位に凹凸を形成すると共に、前記ハブ輪の塑性変形部を径方向外径側に折り曲げることなく、内径側からの拡径により、内輪の内周の凹凸にハブ輪の外周の塑性変形部を食い込ませて前記ハブ輪と内輪とを拡径加締めにより結合させた後、そのハブ輪の小径端部の結合部の内径を所定の寸法に切削し、前記ハブ輪の塑性変形部の径方向内径側にインロウを形成するようにしたことを特徴とする車輪用軸受装置の製造方法。
- 前記ハブ輪と内輪とを拡径加締めにより結合させた後、前記ハブ輪の内径にセレーション部を形成し、前記外側継手部材を内嵌させることを特徴とする請求項2に記載の車輪用軸受装置の製造方法。
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