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JP4089759B2 - Ac型pdpの駆動方法 - Google Patents

Ac型pdpの駆動方法 Download PDF

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仁 平川
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  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Control Of Gas Discharge Display Tubes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、AC型のPDP(Plasma Display Panel:プラズマディスプレイパネル)の駆動方法に関し、消去形式のアドレッシングによる表示に適用される。
【0002】
PDPは、基板対を支持体とする自己発光型の薄型表示デバイスであり、カラー画面の実用化を機にテレビジョン映像やコンピュータのモニターなどの用途で広く用いられるようになってきた。ハイビジョン用の大画面フラット型デバイスとしても注目されている。
【0003】
【従来の技術】
マトリクス表示方式のPDPにおいて、表示素子であるセルの点灯状態の維持(サステイン)にメモリ効果が利用されている。AC型PDPは、電極を誘電体で被覆することにより構造的にメモリ機能を有するように構成されている。AC型PDPによる表示に際しては、点灯(発光)すべきセルのみが帯電した状態を形成するライン順次のアドレッシングを行い、その後に全てのセルに対して一斉に交番極性の点灯維持電圧Vsを印加する。点灯維持電圧Vsは(1)式を満たす。
【0004】
Vf−Vwall<Vs<Vf …(1)
Vf :放電開始電圧
Vwall:壁電圧
壁電荷の存在するセルでは、壁電圧Vwallが点灯維持電圧Vsに重畳するので、セルに加わる実効電圧(セル電圧ともいう)Veff が放電開始電圧Vfを越えて放電が生じる。放電によって以前と反対の極性の壁電荷が再形成されるので、前回と反対の極性の点灯維持電圧Vsを印加すると再び放電が生じる。点灯維持電圧Vsの印加周期を短くすれば、視覚の上で連続した点灯状態が得られる。表示の輝度は、点灯維持期間における発光量の総和(積分発光強度)に依存する。
【0005】
一般には、点灯維持電圧Vsに相当する波高値のサステインパルスが一対の電極に交互に印加される。サステインパルスの極性は一定であるが、電極間の相対電圧の極性は印加毎に反転する。サステインパルスの周波数は一定とされ、輝度に応じてサステインパルス数(すなわち放電回数)が設定される。必然的に輝度が高いほど点灯維持期間は長くなる。なお、一対の電極に極性の異なるサステインパルス(各波高値の和が点灯維持電圧Vs)を同時に印加する形態もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、画面全体を一旦均一に帯電させた後に点灯不要のセルのみで電荷消去のための放電を生じさせる選択消去形式のアドレッシング(消去アドレッシング)を行う場合に、点灯不要のセルであるにも係わらずサステインパルスを印加したときに点灯してしまうセルがあるという問題があった。すなわち、消去アドレッシングによって点灯不要のセルの壁電荷が正常に消去されたとしても、消去のための放電で生じた空間電荷が過剰に残留した場合に、プライミング効果によって点灯不要のセルで放電が起こり、壁電荷が再形成されることがあった。
【0007】
本発明は、点灯維持期間の誤点灯を防止し、ちらつきの無い高品位の表示を実現することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、点灯維持期間における開始段階の放電確率を点灯漏れが発生しない範囲内で後続の段階より低くする。これにより、適正量の壁電荷の存在しない点灯不要のセルでは放電が起こらず、起こったとしても弱いので、壁電荷は再形成されない。
【0009】
請求項1の発明の方法は、画面を構成する全てのセルに壁電荷を帯電させ、点灯不要のセルのみについて壁電荷を消去した後の点灯維持期間に、全てのセルに対して共通に点灯維持のための電圧パルスを周期的に印加するAC型PDPの駆動方法であって、前記点灯維持期間の開始段階に印加する一定個数の前記電圧パルスのパルス幅を他の電圧パルスよりも短くするものである。
【0010】
請求項2の発明の方法は、前記点灯維持期間の開始段階に印加する一定個数の前記電圧パルスの波高値を他の電圧パルスよりも低くするものである。
請求項3の発明の駆動方法において、前記一定個数は1,2,又は3である。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係るプラズマ表示装置100の構成図である。
プラズマ表示装置100は、マトリクス形式のカラー表示デバイスであるAC型のPDP1と、画面(スクリーン)SCを構成する多数のセルCを選択的に点灯させるための駆動ユニット80とから構成されており、壁掛け式テレビジョン受像機、コンピュータシステムのモニターなどとして利用される。
【0012】
PDP1は、対をなす第1及び第2の主電極としてのサステイン電極X,Yが平行配置され、第3の電極としてのアドレス電極Aがサステイン電極X,Yと交差するように配置された3電極面放電構造のPDPである。サステイン電極X,Yは画面SCの行方向(水平方向)に延び、一方のサステイン電極Yはアドレッシングに際して行単位にセルを選択するためのスキャン電極として用いられる。アドレス電極Aは列方向(垂直方向)に延びており、列単位にセルを選択するためのデータ電極として用いられる。サステイン電極群とアドレス電極群とが交差する領域が表示領域、すなわち画面SCである。
【0013】
駆動ユニット80は、コントローラ81、フレームメモリ82、データ処理回路83、サブフィールドメモリ84、電源回路85、Xドライバ87、Yドライバ88、及びアドレスドライバ89を有している。駆動ユニット80には、TVチューナ、コンピュータなどの外部装置からR,G,Bの各色の輝度レベル(階調レベル)を示す画素単位のフィールドデータDfが各種の同期信号とともに入力される。
【0014】
フィールドデータDfは、フレームメモリ82に一旦格納された後、データ処理回路83へ送られる。データ処理回路83は、点灯させるサブフィールドの組合せを設定するデータ変換手段であり、フィールドデータDfに応じたサブフィールドデータDsfを出力する。サブフィールドデータDsfはサブフィールドメモリ84に格納される。サブフィールドデータDsfの各ビットの値は、サブフィールドにおけるセルの点灯の要否を示す情報である。
【0015】
Xドライバ回路87はサステイン電極Xに駆動電圧を印加し、Yドライバ回路88はサステイン電極Yに駆動電圧を印加する。アドレスドライバ回路89は、サブフィールドデータDsfに応じてアドレス電極Aに駆動電圧を印加する。これらドライバ回路には電源回路85から所定の電力が供給される。
【0016】
図2はPDP1の内部構造を示す斜視図である。
PDP1では、前面側のガラス基板11の内面に、行L毎に一対ずつサステイン電極X,Yが配列されている。行Lは画面における水平方向のセル列である。サステイン電極X,Yは、それぞれが透明導電膜41と金属膜(バス導体)42とからなり、低融点ガラスからなる厚さ30μm程度の誘電体層17で被覆されている。誘電体層17の表面にはマグネシア(MgO)からなる厚さ数千オングストロームの保護膜18が設けられている。アドレス電極Aは、背面側のガラス基板21の内面を覆う下地層22の上に配列されており、厚さ10μm程度の誘電体層24によって被覆されている。誘電体層24の上には、高さ150μmの平面視直線帯状の隔壁29が、各アドレス電極Aの間に1つずつ設けられている。これらの隔壁29によって放電空間30が行方向にサブピクセル(単位発光領域)毎に区画され、且つ放電空間30の間隙寸法が規定されている。そして、アドレス電極Aの上方及び隔壁29の側面を含めて背面側の内面を被覆するように、カラー表示のためのR,G,Bの3色の蛍光体層28R,28G,28Bが設けられている。3色の配置パターンは、1列のセルの発光色が同一で且つ隣接する列どうしの発光色が異なるストライプパターンである。
【0017】
放電空間30には主成分のネオンにキセノンを混合した放電ガスが充填されており(封入圧力は500Torr)、蛍光体層28R,28G,28Bは放電時にキセノンが放つ紫外線によって局部的に励起されて発光する。表示の1ピクセル(画素)は行方向に並ぶ3個のサブピクセルで構成される。各サブピクセル内の構造体がセル(表示素子)である。隔壁29の配置パターンがストライプパターンであることから、放電空間30のうちの各列に対応した部分は全ての行Lに跨がって列方向に連続している。そのため、隣接する行Lどうしの電極間隙(逆スリットと呼称されている)の寸法は各行Lの面放電ギャップ(例えば80〜140μmの範囲内の値)より十分に大きく、列方向の放電結合を防ぐことのできる値(例えば400〜500μmの範囲内の値)に選定されている。
【0018】
次に、プラズマ表示装置100における駆動方法を説明する。
図3はフィールド構成と駆動シーケンスとを示す図である。
例えばテレビジョン映像の表示においては、2値の点灯制御によって階調再現を行うために、入力画像である時系列の各フィールドf(符号の添字は表示順位を表す)を例えば8個のサブフレームsf1,sf2,sf3,sf4,sf5,sf6,sf7,sf8に分割する。言い換えれば、フレームFを構成する各フィールドfを8個のサブフレームsf1〜sf8の集合に置き換える。ただし、コンピュータ出力などのノンインタレース形式の画像を再生する場合には、各フレームを8分割する。そして、これらサブフィールドsf1〜sf8における輝度の相対比率が1:2:4:8:16:32:64:128となるように重み付けをして各サブフィールドsf1〜sf8のサステインの最大発光回数を設定する。サブフィールド単位の点灯/非点灯の組合せでRGBの各色毎に256段階の輝度設定を行うことができるので、表示可能な色の数は2563 となる。なお、サブフィールドsf1〜sf8を輝度の重みの順に表示する必要はない。例えば重みの大きいサブフィールドsf8を表示期間の中間に配置するといった最適化を行うことができる。
【0019】
各サブフィールドsf1〜sf8に割り当てるサブフィールド期間Tsfは、画面全体の帯電状態を均一化するリセット期間TR、消去アドレッシングを行うアドレス期間TA、及び階調レベルに応じた輝度を確保するために本発明に特有の電圧印加によって点灯状態を維持するサステイン期間TSからなる。各サブフィールド期間Tsfにおいて、リセット期間TR及びアドレス期間TAの長さは輝度の重みに係わらず一定であるが、サステイン期間TSの長さは輝度の重みが大きいほど長い。
【0020】
リセット期間TRにおいては、サステイン電極Xに正極性の電圧パルスPrを印加する第1過程と、サステイン電極Xに正極性の電圧パルスPrxを印加し且つサステイン電極Yに負極性の電圧パルスPryを印加する第2過程とによって、1つ前のサブフィールドにおいて点灯した“前回点灯セル”及び点灯しなかった“前回非点灯セル”に所定の極性の壁電荷が形成される。すなわち、前回点灯セルの壁電荷の極性を反転させた後、前回非点灯セルに点灯維持電圧の2倍程度の電圧を印加して強制的に放電を生じさせる2段階のプロセスで全てのセルを均等に帯電させる。電圧パルスPrx,Pryを印加したとき、前回点灯セルでは壁電荷が印加電圧を引き下げるので放電は生じない。なお、第1過程ではアドレス電極Aを50〜120V程度の正電位にバイアスし、アドレス電極Aとサステイン電極Xとの間の不要の放電を防止する。
【0021】
第2過程に続いて、帯電の均一性を高めるため、サステイン電極Yに正極性の電圧パルスPrsを印加して全てのセルで面放電を生じさせる。この面放電によって帯電極性は反転する。その後、電荷の消失を避けるため、サステイン電極Yの電位を所定値まで緩やかに低減させる。
【0022】
アドレス期間TAにおいては、先頭の行から1行ずつ順に各行を選択し、該当するサステイン電極Yに負極性のスキャンパルスPyを印加する。行の選択と同時に、点灯不要のセル(今回非点灯セル)に対応したアドレス電極Aに対して正極性のアドレスパルスPaを印加する。選択された行におけるアドレスパルスPaの印加されたセルでは、サステイン電極Yとアドレス電極Aとの間で対向放電が起こって誘電体層17の壁電荷が消失する。アドレスパルスPaの印加時点ではサステイン電極Xの近傍には正極性の壁電荷が存在するので、その壁電圧でアドレスパルスPaが打ち消され、サステイン電極Xとアドレス電極Aとの間では放電は起きない。このような消去アドレッシングは、書込み形式と違って電荷の再形成が不要であるので、高速化に適している。1行当たりのアドレス時間は1.3μs程度である。
【0023】
そして、サステイン期間TSにおいては、不要の放電を防止するためにアドレス電極Aを正極性の電位にバイアスし、最初に全てのサステイン電極Xに正極性のサステインパルスPs1を印加する。続いて、サステイン電極Yとサステイン電極Xとに対して順にサステインパルスPs1を印加する。その後、サステイン電極Yとサステイン電極Xとに対して交互にサステインパルスPsを印加する。
【0024】
本実施形態では、サステイン期間TSの開始段階に印加する第1番目から第3番目までのサステインパルスPs1のパルス幅w1が、他の第4番目以降のサステインパルスPsのパルス幅wよりも短い。これにより、今回非点灯セルでの面放電が起こりにくくなり、起こったとしても電圧印加時間が短いので壁電荷は再形成されない。一方、今回点灯セルでは、アドレッシング終了時点で適正量の壁電荷が存在するので、面放電が起こる。今回点灯セルにその後の点灯維持に十分な壁電荷が残るようにパルス幅w1を選定すればよい。
【0025】
図4は第2実施形態に係るサステイン期間TSの駆動電圧波形図である。
本実施形態では、今回非点灯セルの誤点灯を防止するため、サステイン期間TSの開始段階の所定数のサステインパルスPs2の波高値Vs’を後続段階のサステインパルスPsの波高値Vsよりも低くする。波高値の差異の実用範囲は5〜20Vである。
【0026】
図4(A)の例では、サステイン電極Xに印加する第1番目のサステインパルスPs2の波高値のみが低い。図4(B)の例では、第1番目〜第3番目までののサステインパルスPs2の波高値が他より低い。波高値の低いサステインパルスPs2の印加回数が多いほど、より確実に誤点灯を防止できるが、今回点灯セルの輝度の確保の点では不利になる。輝度の重みの小さいサブフィールドでは誤点灯の影響は小さいが、輝度の低下は目立つので、例えば輝度の重みの小さいサブフィールドでは第1番目のみ、輝度の重みの大きいサブフィールドでは第1番目から第5番目まで、というように、サブフィールド毎に波高値の低いサステインパルスPs2の印加数を選定することができる。全てのサブフィールドのサステインパルスPs2の印加数を共通にしてもよい。なお、このような印加数の選定は、上述のパルス幅を変える場合にも同様に行うことができる。
【0027】
上述の実施形態においては、アドレス放電による蛍光体の劣化を軽減するためにアドレスパルスPaを正極性と定めて他のパルスの極性を設定し、また、片方のサステイン電極のみに正極性のサステインパルスを印加するようにして駆動回路を簡単化した例を挙げたが、これに限定されるものではない。つまり、印加電圧の極性の変更は可能である。
【0028】
【発明の効果】
請求項1乃至請求項3の発明によれば、点灯維持期間の誤点灯を防止し、ちらつきの無い高品位の表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプラズマ表示装置の構成図である。
【図2】PDPの内部構造を示す斜視図である。
【図3】フィールド構成と駆動シーケンスとを示す図である。
【図4】第2実施形態に係るサステイン期間TSの駆動電圧波形図である。
【符号の説明】
1 PDP
C セル
SC 画面
Ps,Ps1,Ps2 サステインパルス(電圧パルス)
TS サステイン期間(点灯維持期間)
w,w1 パルス幅
Vs,Vs’ 波高値

Claims (3)

  1. 画面を構成する全てのセルに壁電荷を帯電させ、点灯不要のセルのみについて壁電荷を消去した後の点灯維持期間に、全てのセルに対して共通に点灯維持のための電圧パルスを周期的に印加するAC型PDPの駆動方法であって、
    前記点灯維持期間の開始段階に印加する一定個数の前記電圧パルスのパルス幅を他の電圧パルスよりも短くする
    ことを特徴とするAC型PDPの駆動方法。
  2. 画面を構成する全てのセルに壁電荷を帯電させ、点灯不要のセルのみについて壁電荷を消去した後の点灯維持期間に、全てのセルに対して共通に点灯維持のための電圧パルスを周期的に印加するAC型PDPの駆動方法であって、
    前記点灯維持期間の開始段階に印加する一定個数の前記電圧パルスの波高値を他の電圧パルスよりも低くする
    ことを特徴とするAC型PDPの駆動方法。
  3. 前記一定個数は1,2,又は3である
    請求項1又は請求項2記載のAC型PDPの駆動方法。
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