JP4089481B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、公衆回線やLAN等、ネットワークを介して画像データを伝送する際に、当該画像データに対して所定処理を実行する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、事務機器の多くがディジタル化され、パーソナルコンピュータ等の制御装置と相互にディジタルデータを通信し、当該ディジタルデータを利用した処理を行うようになってきている。例えばディジタル化された複写機(ディジタル複写機)は、原稿を読み取るスキャナ部や、複写原稿を生成するプリンタ部を有し、さらにネットワークカードを備えて、パーソナルコンピュータとディジタルデータを送受し、パーソナルコンピュータのスキャナ(Scan to PC機能)や、プリンタとしての動作を行う。また、このディジタル複写機には、モデム部を内蔵して、ファクシミリとして機能するようになっているものもある。
【0003】
そしてこのディジタル複写機は、ネットワークを介して、他のディジタル複写機とディジタルデータを送受し、例えば、一方のディジタル複写機で読み取った画像データを他方のディジタル複写機に送信して印刷するといった、いわゆるネットワークコピー機能を実現することも可能である。
【0004】
こうしたディジタル複写機に代表される事務機器は、相互に、又はパーソナルコンピュータ等との間で画像データを送受するものが多いが、画像データは一般にサイズが大きいので、ネットワークの負荷を軽減するために、送信側で圧縮処理されてから送信され、受信側で当該圧縮処理された画像データを伸長し、元の画像データ(非可逆圧縮の場合は、元の画像データに近い画像データであるが、ここでは元の画像データと呼ぶこととする)を得て処理する。
【0005】
この圧縮処理においては、例えば文字部分のような線画部分と、写真画像の部分とにそれぞれ異なる圧縮方式による圧縮処理を行うことで、より圧縮効率を高めることができることが知られている。
【0006】
すなわち、処理対象となった画像データについて、当該画像データを線画部分と写真部分とに分離する、いわゆるT/I分離を行い、線画部分画像データ(文字画像プレーン)と、写真部分画像データ(絵柄画像プレーン)とをそれぞれ生成する。そして、線画部分画像データと、写真部分画像データとで、それぞれの部分画像データについて圧縮率の比較的高い圧縮方式による圧縮処理を行う。
【0007】
受信側では、互いに異なる圧縮方式で圧縮された各部分画像データを受信し、各部分画像データについて、それぞれの圧縮方式に対応する伸長処理を行って線画部分画像データと、写真部分画像データとを得、これらを合成して元の画像データを生成する。
【0008】
さらに線画部分画像データについては、各線画の色情報を含んだ線画色プレーンと、各線画の形状情報を含んだ選択プレーンとを生成し、それぞれに対して互いに異なる圧縮方式による圧縮を行ってもよい。具体的に図8(a)に示すように、赤色で「ABC」の文字が、青色で「123」の文字がそれぞれ表された画像データにおいては、線画部分画像データのうち、線画色プレーンは、「ABC」の文字の領域を内包する赤色矩形と、「123」の文字の領域を内包する青色矩形とを含み(図8(b))、選択データには、「ABC」の文字の形状と、「123」の文字の形状とが白黒2値の画像として含まれる(図8(c))。この図8(b)の部分画像データのうち、図8(c)の部分画像データで黒色となっているピクセルに対応するピクセルを選択的に取り出せば、図8(a)の部分画像データ(線画部分画像データ)が再現されることになっている。
【0009】
なお、ここでは線画色プレーンに含まれる図形は矩形のみであるが、他のプリミティブ(円や他の多角形などといった基本的図形)であってもよい。
【0010】
このように線画色プレーンと、選択プレーンと、写真部分画像データ(絵柄画像プレーン)とに分離してそれぞれ圧縮処理する方法では、各プレーンに含まれる部分画像に適した解像度変換処理や圧縮処理等の画像処理をそれぞれ適用できるので、画質の劣化を抑えながら、圧縮率を向上できる。
【0011】
一方、スキャナ等で読み取った原稿は、光学的読み取りに特有の画像劣化を伴うものである。例えば、いわゆるアーティファクトとしてのノイズ(周囲の画像から孤立したドット群等、以下「孤立点」と呼ぶ)が含まれたり、原稿がスキャナの走査方向に対して傾いていたことによって、画像データ全体が傾いているなど、ノイズ除去や傾き補正の処理が要求される場合がある。また、原稿の縦置き・横置きの関係から90度回転等の処理(正立処理)が望まれる場合もある。
【0012】
従来、カラーの画像データを含む、種々の画像データに対してノイズ除去等の処理を行うものとして、例えば、RGB表現されたフルカラー画像データのうちG(緑)の画素値のデータに基づいて孤立点を検出し、孤立点が検出された場合、その孤立点についてのRGBの各画素値を所定の濃度レベルに置換するというものがある(特許文献1)。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−325180号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の画像処理方法では、一般にカラーの画像データについてノイズ除去処理等の補正処理を行うと処理負荷が大きいという問題点があった。
【0015】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、圧縮処理を行う画像データについて、ノイズ除去などの補正処理の処理負荷を軽減できる画像処理装置を提供することをその目的の一つとする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、画像処理装置であって、処理対象となった画像データから、文字線画画像データと、絵柄画像データとを分離する手段と、前記文字線画画像データを、前記文字線画画像データに含まれる色情報を含む文字線画色画像データと、文字線画部分に相当する形状を表す選択画像データとに分離する手段と、前記選択画像データに基づいて、画像の傾きを抽出し、補正に係る補正パラメータとして傾きの角度を検出する手段と、前記検出された傾きの角度に基づいて、前記文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとに、回転補正の処理を行う手段と、前記補正処理後に、文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとをそれぞれ個別に圧縮処理する手段と、を含むことを特徴としている。
【0017】
このように本発明では、傾きの角度を選択プレーンに基づいて検出するようにしたことで、処理負荷を軽減できる。
【0018】
請求項2記載の発明は、画像処理装置であって、処理対象となった画像データから、文字線画画像データと、絵柄画像データとを分離し、前記文字線画画像データを、前記文字線画画像データに含まれる色情報を含む文字線画色画像データと、文字線画部分に相当する形状を表す選択画像データとに分離して圧縮処理する装置から受信されるデータから、前記文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとのそれぞれ個別の圧縮処理結果を取得する手段と、前記選択画像データに基づいて、画像の傾きを抽出し、補正に係る補正パラメータとして傾きの角度を検出する手段と、前記検出された傾きの角度に基づいて、前記文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとに、回転補正の処理を行う手段と、を含むことを特徴とする。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像処理装置であって、前記回転補正の処理を行う手段は、回転補正した後の前記文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとに対して、それぞれの回転補正後の横方向及び縦方向の画素数が、回転処理前の横方向及び縦方向の画素数に等しくなるよう調整することとしたものである。
【0020】
請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、前記選択画像データ上で孤立点となっているノイズ画素を検出し、当該ノイズ画素を前記選択画像データから除去する手段と、前記選択画像データ上で、文字線画部分に相当するとして設定される画素に対応する、前記絵柄画像データ上の画素値のうち、前記除去された画素に対応する画素値を変更する画素値変更手段と、をさらに含む、こととしたものである。
【0021】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の画像処理装置であって、前記画素値変更手段は、画素値の変更の対象となる画素に隣接する画素の画素値に基づいて、前記変更の対象となる画素値を変更することとしたものである。
【0022】
請求項6記載の発明は、プログラムであって、コンピュータを、処理対象となった画像データから、文字線画画像データと、絵柄画像データとを分離する手段と、前記文字線画画像データを、前記文字線画画像データに含まれる色情報を含む文字線画色画像データと、文字線画部分に相当する形状を表す選択画像データとに分離する手段と、前記選択画像データに基づいて、画像の傾きを抽出し、補正に係る補正パラメータとして傾きの角度を検出する手段と、前記検出された傾きの角度に基づいて、前記文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとに、回転補正の処理を行う手段と、前記補正処理後に、文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとをそれぞれ個別に圧縮処理する手段と、として機能させることとしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本発明の実施の形態に係る画像処理装置は、図1に示すように、制御部1と、記憶部2と、インタフェース部3とを含んで構成されており、一般的なコンピュータによって実現される。
【0024】
制御部1は、記憶部2に格納されたプログラムに従って動作しており、インタフェース部3を介して入力される画像データに対する予備補正処理、プレーン分離処理、補正処理、圧縮処理、ラッピング処理を行って、インタフェース部3を介して上記各処理後の画像データを出力する。この制御部1の具体的な処理の内容については後に詳しく述べる。
【0025】
記憶部2は、制御部1により実行されるプログラム等を格納したハードディスク装置などのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体、及びその記憶媒体からプログラム等を読み出して制御部1に出力するドライバを含む。また、この記憶部2は、RAM(Random Access Memory)等の記憶素子を含み、制御部1の処理の過程で生成される種々のデータを保持するワークメモリとしても動作する。
【0026】
インタフェース部3は、外部から入力される画像データを制御部1に出力する。またこのインタフェース部3は、制御部1から入力される指示に従って画像データを外部の装置に出力する。
【0027】
具体的に本実施の形態の画像処理装置は、ディジタル複写機に内蔵され、ディジタル複写機内部の制御装置から入力される画像データに対して所定の画像処理を行い、当該制御装置側に画像処理後の画像データを出力する。なお、以下の説明では、補正処理として孤立点のノイズを除去する処理を行う例を説明する。
【0028】
ここで制御部1の処理の具体的内容について説明する。図2は、制御部1における処理例を表す機能ブロック図である。制御部1によって行われる処理は、図2に示すように、画像入力部10と、予備補正部11と、選択プレーン抽出部12と、線画色プレーン生成部13と、絵柄画像プレーン生成部14と、線画色プレーン解像度変換部15と、絵柄画像プレーン解像度変換部16と、ノイズ除去部17と、線画色プレーン圧縮部18と、絵柄画像プレーン圧縮部19と、選択プレーン圧縮部20と、ラッピング処理部21と、画像出力部22とを含んで構成される。
【0029】
画像入力部10は、インタフェース部3から入力される画像データを、処理対象画像データとして記憶部2に格納する。予備補正部11は、処理対象画像データに対して、外部装置(例えばスキャナなどの入力デバイス)の色空間表現から内部色空間表現(例えばRGBからL*a*bへ等)への変換処理を行い、また、エッジ強調処理等、所定のフィルタ処理等を行う。
【0030】
選択プレーン抽出部12は、予備補正後の画像データから文字や線画などの画像部分(文字線画画像データ)を抽出し、それを2値化して選択プレーンの画像データとして生成する。すなわち、この選択プレーンの画像データには、文字や線画等の部分の形状を表す画像データが含まれる。ここで選択プレーン抽出部12が画像データから線画等の部分を抽出する方法としては、例えばエッジ検出などによるものが利用できる。ここで孤立点のノイズは、文字等と同様に周辺画素から独立した画素値を有するものであるので、線画等として選択プレーンの画像データに含められることになる。本実施の形態における、選択プレーン抽出部12は、文字や線画などの画像部分を2値の白黒画像として抽出する。
【0031】
線画色プレーン生成部13は、予備補正処理された画像データと、選択プレーンの画像データとに基づいて、線画等の部分を内包し、その部分の線画の色に塗りつぶされた図形を含んでなる線画色プレーンの画像データ(文字線画色画像データ)を生成する。すなわち、この線画色プレーンには、線画部分の画像データで利用される色情報を含む。
【0032】
絵柄画像プレーン生成部14は、予備補正処理された画像データから、選択プレーンの画像データにより表される部分を除いた画像データを、絵柄画像プレーンの画像データとして生成する。
【0033】
これら選択プレーン抽出部12と、線画色プレーン生成部13と、絵柄画像プレーン生成部14とによって生成される各プレーンの画像データは、具体的に図8に示したようなものとなる。すなわち、図8(a)に示したように、背景画の上に、赤色で「ABC」の文字列を記述した画像と、青色で「123」の文字列を記述した画像と、写真画像とを含んでなる処理対象画像データから選択プレーン抽出部12が選択プレーン(図8(c))を生成する。この選択プレーンの画像データは、処理対象の画像データと同じサイズの画像を表す画像データであり、処理対象の画像データ上で「ABC」や「123」の文字列の画像があった部分に対応する位置に、「ABC」、「123」の文字列の白黒の画像を含んでなる。
【0034】
線画色プレーン生成部13は、処理対象の画像データと選択プレーンの画像データとに基づき、例えば処理対象の画像データのうち、選択プレーン上に画像がある部分を抽出し、抽出された画像データ上の各画素のうち、互いの色が共通する部分を内包する図形であって、当該色で内部を塗りつぶした図形を、抽出して得た画像データに上書きして描画する。そして、この線画色プレーン生成部13は、図8(b)に示したような線画色プレーンの画像データを生成する。この線画色プレーンの画像データも、処理対象の画像データの画像と同じサイズの画像を表す画像データである。この線画色プレーン生成部13の処理も、広く知られた処理を用いることができる。
【0035】
絵柄画像プレーン生成部14は、処理対象の画像データから選択プレーンの画像データ部分を除いて、図8(d)に示すような絵柄画像プレーンの画像データとして生成する。このため、絵柄画像プレーンの画像データには、背景画と写真画像とが含まれることとなる。
【0036】
線画色プレーン解像度変換部15は、選択プレーンの画像データに対し、その解像度を変換する処理を行う。絵柄画像プレーン解像度変換部16も同様に、絵柄画像プレーンの画像データの解像度を変換処理する。これら解像度の変換処理は、必ずしも必要なものではないが、一般にデータサイズの低減のために、解像度を低下させる目的で採用されるものである。
【0037】
ノイズ除去部17は、選択プレーンの画像データに含まれるノイズを検出して、当該検出したノイズ部分を選択プレーンの画像データから除去する。このノイズ除去部17としては、2値白黒の画像データから孤立点を除去する処理を行うものであれば、いかなるものでもよいが、その処理の一例をここで説明すると、次のようになる。
【0038】
選択プレーンの画像データの各画素を注目画素として、ラスタスキャン方向に順次選択し、当該注目画素を中心とする、図3(a)に示すような、3×3画素のウィンドウマトリクスについて、このウィンドウマトリクスが、図3(b)に示すように、注目画素のみが黒色であり、他の画素がすべて白画素である場合、当該注目画素を孤立点と判定し、この注目画素を白画素に置き換える。この例では、この注目画素の位置および3×3ウィンドウマトリクス内の画素のパターンが、補正パラメータに相当し、孤立点として判定された画素を置き換える処理が補正処理に相当する。
【0039】
この処理により、図4(a)に示すように文字「F」の右下にノイズが発生している場合に、このノイズが孤立点として処理され、除去される。なおここではノイズ部分の検出に3×3画素のウィンドウマトリクスを用いたが、ウィンドウサイズはこれに限定されるものではなく、例えば5×5ウィンドウマトリクスを用いてもよい。この場合は、注目画素を中心とする3×3画素より小さいサイズの画像をノイズ画像として判定してもよい。さらにユーザが、この検出のためのウィンドウマトリクスのサイズを指定するようにしてもよい。
【0040】
線画色プレーン圧縮部18は、線画色プレーン解像度変換部15が出力する画像データに対して、予め定められた第1の圧縮方式での圧縮処理を行い、圧縮処理後の画像データを出力する。絵柄画像プレーン圧縮部19は、絵柄画像プレーン解像度変換部16が出力する画像データに対して、予め定められた第2の圧縮方式での圧縮処理を行い、圧縮処理後の画像データを出力する。選択プレーン圧縮部20は、ノイズ除去部17が出力する、ノイズ除去後の選択プレーンの画像データに対し、予め定められた第3の圧縮方式での圧縮処理を行い、圧縮処理後の画像データを出力する。
【0041】
ラッピング処理部21は、線画色プレーン圧縮部18と、絵柄画像プレーン圧縮部19と、選択プレーン圧縮部20とがそれぞれ出力する画像データを所定の画像フォーマットにラッピングする。このラッピングは、例えばインターネットファクシミリ用の画像フォーマットであるTIFF−FXフォーマットの画像データとして、各画像データを含めた1つのデータファイルを生成することによって行うことができる。画像出力部22は、ラッピング処理部21によりラッピング処理された画像データをインタフェース部3を介して外部装置に出力する。
【0042】
また、複数の画像データが処理対象となっているときには、ラッピング処理部21は、各画像データに対する、線画色プレーンと絵柄画像プレーンと選択プレーンとの圧縮処理結果を含むデータを生成して出力する。
【0043】
なお、選択プレーンに対する第3の圧縮方式としては、1ビット画像用の可逆圧縮であるMH(Modified Huffman)やMR(Modified Read)やMMR(Modified Modified Read)等の圧縮方式を採用すればよい。また、線画色プレーンや絵柄画像プレーンに対する第1、第2の圧縮方式は、それぞれがカラーのデータであることから、汎用の画像処理チップを用いて、リアルタイム処理を容易に実現可能な、多値画像用の非可逆圧縮であるJPEG方式等を適用すればよい。尤も、これらは一例に過ぎず、例えば第1,第2の圧縮方式としては、カラーの画像データに適用できる圧縮方式であればいかなるものでも構わない。
【0044】
本実施の形態の画像処理装置は、以上のように構成され、次のように動作する。インタフェース部3から入力された処理対象の画像データに図4(a)に示すように、孤立点となっているノイズ部分(N)が含まれている場合、線画色プレーンと、選択プレーンと、絵柄画像プレーンとが、図4(b)〜図4(d)に示すようにそれぞれ抽出される。本実施の形態において特徴的なことは、選択プレーンにノイズ画像が含まれるように選択プレーンの分離を行い、また、その選択プレーンの画像データが白黒2値の画像データとなっていることである。制御部1は、この選択プレーンの画像データに対してノイズ除去処理を行う(図4(e))。このノイズ除去処理は、白黒2値の画像データに関する処理のみを行えば済むため、処理負荷が軽減される。
【0045】
このように本実施の形態では、カラー画像に含められたノイズ画像部分の分離が、圧縮処理のための線画部分の分離処理とともに行われ、その分離後の白黒2値のノイズ画像が除去されることで全体の処理の効率化が図られているのである。
【0046】
ちなみに、これら各プレーンの画像データを合成するときには、選択プレーン上の画素値をラスタスキャン順に選択する選択部と、選択した画素値が「白」であれば、その選択した画素に対応する、絵柄画像プレーンの画像データ上の画素値を出力し、選択した画素値が「黒」であれば、その選択した画素に対応する線画色プレーンの画像データ上の画素値を出力する再生部と、再生部が順次出力する画素値を、選択プレーンの画像データと同一サイズの画像データ記憶領域にスキャンライン順に配列する画像生成部とを用いて、元の画像データを生成することとなる(図4(f))。ここで選択プレーンの画像データからは、ノイズが除去されているので、これら各プレーンの画像データの合成結果は、図4(f)に示したように、ノイズが除かれたものとなる。
【0047】
なお、ここまでに説明した処理によっては、図4(f)に示したように、ノイズ除去後の部分が空白(デフォルトの画素値、例えば白画素)として残ってしまう。そこで図5(a)に示すように、絵柄画像プレーン生成部14が、絵柄画像プレーンの画像データを生成する際に、選択プレーンの画像データ上で黒色の画素値となっている部分に対応する、絵柄画像プレーンの画像データ上の画素の画素値を、それに隣接する画素値に基づく値に変更して設定する。例えば、隣接する画素値のいずれかの画素値に選択的に設定してもよいし、隣接する複数の画素値の平均画素値に設定してもよい。
【0048】
さらに、この処理は、図5(b)に示すように、ノイズ除去部17により、ノイズとして除去された画素の位置に対応する、絵柄画像プレーンの画像データ上の画素の画素値についてのみ変更を行うようにしてもよい。この場合は、ノイズ除去部17が、ノイズとして除去した画素の位置を特定する情報を出力する。
【0049】
このように絵柄画像プレーン生成部14が、絵柄画像プレーンの画像データのうち、空白となっている部分の画素値を、それに隣接する画素の画素値に基づいて設定することで、図4(d)に示した絵柄画像プレーンの画像データが、図5(a)の右側、又は図5(b)に示されるようなものとなり、図4(f)に対応する合成の結果は、図6に示すようなものとなる。
【0050】
またここまでに説明した例では、補正処理として孤立点となっているノイズを除去する場合を例としていたが、本実施の形態の画像処理装置における補正処理は、これに限られない。例えば、画像の傾きを補正する処理を行ってもよい。この場合も、選択プレーンの画像データに対してハフ変換などの広く知られた方法を適用して傾きを検出し、その傾き検出結果を用いて、線画色プレーンの画像データと、絵柄画像プレーンの画像データと、選択プレーンの画像データとをそれぞれ回転補正する。
【0051】
具体的に制御部1の処理としては、図7に示すように、画像入力部10と、予備補正部11と、選択プレーン抽出部12と、線画色プレーン生成部13と、絵柄画像プレーン生成部14と、傾き検出部31と、選択プレーン補正部32と、線画色プレーン補正部33と、絵柄画像プレーン補正部34と、線画色プレーン解像度変換部15と、絵柄画像プレーン解像度変換部16と、線画色プレーン圧縮部18と、絵柄画像プレーン圧縮部19と、選択プレーン圧縮部20と、ラッピング処理部21と、画像出力部22とを含む。傾き検出部31は、選択プレーン抽出部12が出力する選択プレーンの画像データに基づき、ハフ変換などを利用した方法で、補正パラメータとしての傾きの角度値θを演算する。選択プレーン補正部32は、傾き検出部31が出力する傾きの角度値θを参照し、選択プレーン抽出部12が出力する選択プレーンの画像データに対して、(−θ)だけ回転する処理を行って、選択プレーンの画像データを正立させる。線画色プレーン補正部33と絵柄画像プレーン補正部34と、も同様の処理により、線画色プレーンの画像データと、絵柄画像プレーンの画像データとを正立させる。なお、これらの回転処理においては、必要に応じて、回転処理後の各プレーンの横方向や縦方向の画素数を調整する。すなわち、回転処理の前後において、各プレーンの横方向や縦方向の画素数が等しくなるように調整しておく。
【0052】
他の各部については、既に説明したノイズ除去の補正を行う例と同様の処理を行うものであるので、詳しい説明を省略する。
【0053】
この場合にも、通常エッジ検出などの処理を行ってから適用する必要のあるハフ変換処理を、圧縮処理の過程で生成される選択プレーンに対して行うことで、圧縮処理の中間生成物である選択プレーンの画像データを有効に利用して、補正の処理効率を向上している。
【0054】
さらに、補正の処理の別の例として、ここまでに説明したノイズ除去と傾き補正のほか、向きの補正(縦横置きの調整)や、これらノイズ除去、傾き補正の組み合わせ等でも同様の処理を行うことができる。
【0055】
さらに、本発明の画像処理装置は、ここまでで説明した実施の形態に限られるものではない。ここまでの説明では、例えば画像データを送信する際に、圧縮処理の前に補正処理を行う例を示してきたが、送信側においては従来と同様に各プレーンに分割してから圧縮処理を行って送信しておき、受信側で、各プレーンの画像データを伸張して取り出してから、補正処理を行うようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る画像処理装置の構成ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る画像処理装置の機能ブロック図である。
【図3】 孤立点の検出処理の例を表す説明図である。
【図4】 ノイズ除去の処理の状態の例を表す説明図である。
【図5】 ノイズ除去の処理の際に行われる絵柄画像プレーンの画素値の変更処理の例を表す説明図である。
【図6】 ノイズ除去処理の結果の例を表す説明図である。
【図7】 本発明の実施の形態に係る画像処理装置の他の例を表す機能ブロック図である。
【図8】 画像データを各プレーンのデータに分離した状態例を表す説明図である。
【符号の説明】
1 制御部、2 記憶部、3 インタフェース部、10 画像入力部、11 予備補正部、12 選択プレーン抽出部、13 線画色プレーン生成部、14 絵柄画像プレーン生成部、15 線画色プレーン解像度変換部、16 絵柄画像プレーン解像度変換部、17 ノイズ除去部、18 線画色プレーン圧縮部、19 絵柄画像プレーン圧縮部、20 選択プレーン圧縮部、21 ラッピング処理部、22 画像出力部、31 傾き検出部、32 選択プレーン補正部、33線画色プレーン補正部、34 絵柄画像プレーン補正部。
Claims (6)
- 処理対象となった画像データから、文字線画画像データと、絵柄画像データとを分離する手段と、
前記文字線画画像データを、前記文字線画画像データに含まれる色情報を含む文字線画色画像データと、文字線画部分に相当する形状を表す選択画像データとに分離する手段と、
前記選択画像データに基づいて、画像の傾きを抽出し、補正に係る補正パラメータとして傾きの角度を検出する手段と、
前記検出された傾きの角度に基づいて、前記文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとに、回転補正の処理を行う手段と、
前記補正処理後に、文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとをそれぞれ個別に圧縮処理する手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。 - 処理対象となった画像データから、文字線画画像データと、絵柄画像データとを分離し、前記文字線画画像データを、前記文字線画画像データに含まれる色情報を含む文字線画色画像データと、文字線画部分に相当する形状を表す選択画像データとに分離して圧縮処理する装置から受信されるデータから、
前記文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとのそれぞれ個別の圧縮処理結果を取得する手段と、
前記取得した選択画像データに基づいて、画像の傾きを抽出し、補正に係る補正パラメータとして傾きの角度を検出する手段と、
前記検出された傾きの角度に基づいて、前記文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとに、回転補正の処理を行う手段と、
を含むことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1又は2に記載の画像処理装置であって、
前記回転補正の処理を行う手段は、
回転補正した後の前記文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとに対して、それぞれの回転補正後の横方向及び縦方向の画素数が、回転処理前の横方向及び縦方向の画素数に等しくなるよう調整する
ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の画像処理装置であって、
前記選択画像データ上で孤立点となっているノイズ画素を検出し、当該ノイズ画素を前記選択画像データから除去する手段と、
前記選択画像データ上で、文字線画部分に相当するとして設定される画素に対応する、前記絵柄画像データ上の画素値のうち、前記除去された画素に対応する画素値を変更する画素値変更手段と、
をさらに含む、ことを特徴とする画像処理装置。 - 請求項4に記載の画像処理装置であって、
前記画素値変更手段は、画素値の変更の対象となる画素に隣接する画素の画素値に基づいて、前記変更の対象となる画素値を変更することを特徴とする画像処理装置。 - コンピュータを、
処理対象となった画像データから、文字線画画像データと、絵柄画像データとを分離する手段と、
前記文字線画画像データを、前記文字線画画像データに含まれる色情報を含む文字線画色画像データと、文字線画部分に相当する形状を表す選択画像データとに分離する手段と、
前記選択画像データに基づいて、画像の傾きを抽出し、補正に係る補正パラメータとして傾きの角度を検出する手段と、
前記検出された傾きの角度に基づいて、前記文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとに、回転補正の処理を行う手段と、
前記補正処理後に、文字線画色画像データと選択画像データと絵柄画像データとをそれぞれ個別に圧縮処理する手段と、
として機能させることを特徴とする画像処理プログラム。
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