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JP4085295B2 - ペン入力タッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法、ペン入力透明タッチパネルおよび液晶表示素子 - Google Patents

ペン入力タッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法、ペン入力透明タッチパネルおよび液晶表示素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示素子の上側偏光板と液晶パネルの間に配置する使い方をするプラスチックフィルムを用いた透明導電性フィルム、およびこれを用いた透明タッチパネルに関するものであり、殊に、タッチパネルに用いた際のペン入力耐久性に優れたものである。
【0002】
【従来の技術】
プラスチックフィルム上に透明かつ低抵抗な化合物薄膜を形成した透明導電性フィルムは、従来、その導電性を利用した用途、例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイなどの表示素子の電極、太陽電池などの光電変換素子の窓電極、電磁波シールドの電磁波遮蔽膜、あるいは透明タッチパネルなどの入力装置の電極として広く使用される。
【0003】
従来公知の透明導電層としては、金、銀、白金、パラジウムなどの貴金属薄膜と、酸化インジウム、酸化スズ、酸化インジウム−スズ、酸化亜鉛などの酸化物半導体薄膜とが知られている。
【0004】
近年、携帯情報端末の普及により、入力や操作性の簡便さが要求され、表示画面上の任意の点を押圧することにより入力できるペン入力タイプが広く用いられるようになってきている。ペン入力の方式としては、静電容量方式や光センサー方式、タッチパネル方式が知られている。特に、タッチパネル方式は、位置検出がアナログ的であり、高分解能であることや、周辺装置がコンパクトにできることなどの特徴があり、ワープロ、パソコン、電子手帳等、携帯用や個人用の情報端末に多く使われてきている。
【0005】
上記のタッチパネルの用途に用いられる透明導電性フィルムは、基本的には導電層(殊にITO層)/高分子フィルムの層構成を有し、透明タッチパネルとして使用するときは、2枚の透明導電性フィルムの導電層側をスペーサを介いて対向配置して用いる。
【0006】
ところで、通常の透明タッチパネルは、液晶表示素子の最上面に重ね合わせて用いる使い方をするため、透明性、機械的性質、表面平滑性、耐溶剤性、耐スクラッチ性、非透湿性、コストなどの総合性能を考慮して二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いるのが一般的である。
【0007】
この透明タッチパネルにおいては、通常、液晶表示素子の最上面に重ね合わせて用いられるため、光の反射を少なくすることによる視認性の向上、表示装置全体の軽量化やペン入力により導電性が劣化しないなどの耐久特性が求められている。
【0008】
光の反射を少なくすることによる視認性の向上を目的としては、透明タッチパネルの上面に更に反射防止フィルムを設置する方法や、透明導電性フィルムの導電層の反対側の面に、反射防止層をドライコート法やウェットコート法により設ける方法が、提案されている。
【0009】
また、同様に視認性を向上させるために、例えば、特開平8−155988号、特開平8−161116号等で提案されているような、光等方性を有する透明導電性フィルムを用い、透明タッチパネルを液晶表示素子の偏光板の下に設置する方法が提案されている。
【0010】
また、ペン入力により導電性が劣化しないなどの耐久特性の向上としては、例えば、120μm以下の厚さの透明プラスチック上に透明導電性薄膜を形成し、粘着剤層で他の透明基体と貼りあわせた透明導電性フィルム(特開平2−66809号)が提案されている。
【0011】
また、透明なプラスチックフィルム上に有機ケイ素化合物の加水分解により生成された層を設け、さらに透明導電性薄膜を積層した透明導電性フィルム(特開昭60−131711号)が提案されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
最近、透明タッチパネルを配設した液晶表示機器において、光の反射を少なくすることによる視認性の向上、表示装置全体の軽量化、また、ペン入力により導電性が劣化しないなどの耐久性の向上が要求されるようになってきている。そのため、通常の液晶表示素子の最上面に重ね合わせて用いる方法では、光の反射を少なくすることによる視認性の向上には、自ずと限界があり、また、部品点数、層数の増加による、表示面の輝度の低下、重量増といった問題がある。
【0013】
前述の視認性を向上させるため方法として提案されている、光等方性を有する透明導電性フィルムを用い、透明タッチパネルを液晶表示素子の偏光板の下に設置する方法では、光等方性を有するベースフィルムに用いる必要があるため、通常の二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムは用いることができず、製造コストが高くなる問題がある。
【0014】
また、前述のペン入力により導電性が劣化しないなどの耐久性を向上させるため方法として提案されている、透明プラスチック上に透明導電性薄膜を形成し、粘着剤層で他の透明基体と貼りあわせた透明導電性フィルムを用いる方法では、ペン入力に対する耐久性は十分ではない。また、粘着剤を用いて貼り合わせるため、貼り合わせ時にゴミなどの異物が混入し、光学欠点の多い透明導電性フィルムとなってしまう。
【0015】
また、透明なプラスチックフィルム上に有機ケイ素化合物の加水分解により生成された層を設け、さらに透明導電性薄膜を積層した透明導電性フィルムを用いる方法では、この透明導電性フィルムは、耐久性を得るために透明導電性薄膜を製膜した後に150℃程度の熱処理を行い、結晶質の透明導電性薄膜としている。このため、タッチパネル作製時の透明導電性薄膜のエッチング特性が極めて悪く、透明タッチパネルの製造コストが高いものになる。
【0016】
従って、本発明は、上記課題を解決しようとするものであり、透明タッチパネル用の透明導電性フィルムにおいて、視認性を低下させることがなく、しかも、ペン入力耐久性を兼ね備えた透明タッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法の提供目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、リターデーション値が15nm以下で、かつ厚みが10μmを超え、300μm以下の範囲にある光等方性のフィルム(11)の片方の面に、非晶質で、かつ膜厚が40〜8000Åである透明導電性薄膜(12)を形成してなる透明導電性フィルム(1)の製造方法であって、光等方性フィルムが環状ポリオレフィンフィルムであり、洗浄剤の水溶液中にフィルムを浸漬させてフィルムの表面を洗浄し、次いで光等方性フィルムの製膜時の温度を100℃以下にして、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法を用いて透明導電性薄膜を製膜して、光等方性フィルム(11)と非晶質である透明導電性薄膜(12)との付着力を15g/15mm以上にすることを特徴とするペン入力タッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法である。また、フィルム表面を洗浄後、さらに酸性またはアルカリ性水溶液でフィルム表面を処理することを特徴とする前記のペン入力タッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法である。
【0019】
また、透明導電性薄膜(12)を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜(12)が対向するようにスペーサーを介して配置してなる透明タッチパネルにおいて、少なくとも片方のパネル板が前記の方法で製造された透明導電性フィルム(1)からなることを特徴とするペン入力透明タッチパネルであるまた、透明導電性薄膜(12)を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜(12)が対向するようにスペーサーを介して配置してなる透明タッチパネルが、上側偏光板(4)と液晶パネル(5)の間に配設してなり、かつ少なくとも片方のパネル板が上記透明導電性フィルム(1)からなる液晶表示素子である
【0020】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0021】
本発明における透明導電性フィルムは、構成する基材フィルムが光等方性フィルムであることを特徴とする透明導電性フィルムであり、また、基材フィルムの片面に透明導電性薄膜が形成されていることを特徴とする透明導電性フィルムであり、更には、上記透明導電性フィルムを用いることを特徴とする透明タッチパネルであり、次の方法によって製造することができる。但し、この方法に限定されるものではない。
【0022】
本発明における光等方性フィルムとしては、有機高分子を溶融押出し又は溶液押出しをして、必要に応じ、冷却、熱固定を施したフィルムであり、有機高分子としては、環状ポリオレフィン用いられる。
【0023】
また、光等方性フィルムは、リタデーション値が15nm以下、殊に10nm以下のフィルムが好ましい。15nmを越える場合には、着色や可視光領域において干渉縞が表れて、表示品位が低下し好ましくない。また可視光線透過率は、75%以上のものが用いられる。ここで、リタデーション値とは、フィルム上の直交する二軸の屈折率の異方性(△N=|Nx−Ny|)とフィルム厚dとの積(△N ×d )である。光等方性フィルムとしては、単層のみならず、複層であってもよい。
【0024】
本発明における光等方性フィルムの厚みは、10μmを越え、300μmの範囲にあるとくに好適には50〜200μmの範囲にあるのがよい。10μm以下では機械的強度が不足し、特にタッチパネルに用いた際のペン入力に対する変形が大きくなり過ぎ、耐久性が十分でなくなる。一方、300μmを越えると、タッチパネルに用いた際のペン入力時の荷重を大きくする必要があり、好ましくない。
【0025】
本発明における透明導電性薄膜としては、透明性、及び導電性をあわせもつ材料であれば特に制限はないが、代表的なものとしては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウム−スズ複合酸化物、スズ−アンチモン複合酸化物、亜鉛−アルミニウム複合酸化物、インジウム−亜鉛複合酸化物等の薄膜がある。これらの化合物薄膜は、適当な作成条件とすることで、透明性と導電性をあわせもつ透明導電性薄膜となることが知られている。
【0026】
透明導電性薄膜の膜厚、40〜8000Åの範囲であり、好ましくは50〜5000Åである。透明導電性薄膜の膜厚が40Åよりも薄い場合、連続した薄膜になりにくく良好な導電性を示さない。また、8000Åよりも厚い場合、透明性の低下をきたす。
【0027】
透明導電性薄膜の作成方法としては、材料の種類および必要膜厚に応じて、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法を用いる
【0028】
例えばスパッタリング法の場合、化合物を用いた通常のスパッタリング法、あるいは、金属ターゲットを用いた反応性スパッタリング法等が用いられる。この時、反応性ガスとして、酸素、窒素、水蒸気等を導入したり、オゾン添加、イオンアシスト等の手段を併用してもよい。また、本発明の目的を損なわない範囲で、基板に直流、交流、高周波などのバイアスを印加してもよい。
【0029】
非晶質の透明導電性膜を製膜するためには、基板である光等方性フィルムの製膜時の温度を100℃以下にする必要が有る。また、蒸着法、CVD法などの他の作成方法においても同様である。
【0030】
光等方性フィルムと透明導電性薄膜との接着性をさらに向上させるために、透明導電性薄膜を製膜する前に光等方性フィルム上を表面処理することが有効である。具体的な手法としては光等方性フィルムと透明導電性薄膜との接着性への寄与、経時安定性、処理コストの点から、酸性またはアルカリ性水溶液による光等方性フィルムの表面処理法が適している。
【0031】
酸性水溶液としては、重クロム酸ナトリウムと硫酸の混合水溶液であるクロム酸混液や塩酸水溶液などが用いられ、アルカリ性水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などが用いられる。
【0032】
また、透明導電性フィルムの透明導電性薄膜を設けた面の反対側の面に、タッチパネルに用いた際に可視光線の透過率をさらに向上させるために、反射防止処理層(AR)を設けてもよい。この反射防止処理層(AR)には、基材フィルムの屈折率とは異なる屈折率を有する材料を単層もしくは2層以上の積層するのが好ましい。単層構造の場合、基材フィルムよりも小さな屈折率を有する材料を用いるのがよい。また、2層以上の多層構造とする場合は、基材フィルムと隣接する層は、基材フィルムよりも大きな屈折率を有する材料を用い、この上の層にはこれよりも小さな屈折率を有する材料を選ぶのがよい。このような反射防止処理層(AR)を構成する材料としては、有機材料でも無機材料でも上記の屈折率の関係を満足すれば特に限定されないが、例えば、CaF2, MgF2, NaAiF4, SiO2, SiO2, ThF4, ZrO2, Nd2O3, SnO2, TiO2, CeO2, ZnS, In2O3 などの誘電体が好ましく用いられる。
【0033】
この反射防止処理層(AR)を積層する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法などのドライコーティングプロセスでも、グラビア方式、リバース方式、ダイ方式などのウェットコーティングプロセスでもよい。
【0034】
さらに、この反射防止処理層(AR)の積層に先立って、前処理として、コロナ放電処理、プラズマ処理、スパッタエッチング処理、電子線照射処理、紫外線照射処理、プライマ処理、易接着処理などの公知の処理を施してもよい。
【0035】
また、本発明の目的を損なわない範囲で、透明導電性フィルムの傷付きを防止する目的で、透明導電性フィルムの透明導電性薄膜を設けた面の反対側の面に、ハードコート処理層を設けてもよい。
【0036】
図2に、本発明の透明タッチパネルを組み込んだ液晶表示素子の1例を示す。透明導電性薄膜を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜が対向するようにスペーサーを介して配置してなる透明タッチパネルにおいて、一方のパネル板に本発明の透明導電性フィルムを用いたものである。この透明タッチパネルは、透明導電性フィルム側より、ペンにより文字入力したときに、ペンからの押圧により、対向した透明導電性薄膜同士が接触し、電気的にONになり、ペンのタッチパネル上での位置を検出できる。このペン位置を連続的かつ正確に検出することで、ペンの軌跡から文字を入力できる。この際、ペン接触側のパネル板が本発明の透明導電性フィルムであるため、ペン入力耐久性に優れるため、長期にわたって安定なタッチパネルとなる。
【0037】
なお、図2において、もう一方のパネル板は、ガラス板の透明基板の上に透明導電性薄膜を積層したものであるが、本発明の透明導電性フィルムを使用してもよい。また、液晶ガラス基板の配向膜設置面の反対側の面上に透明導電性薄膜を積層したものでもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明で得られる透明導電性フィルムは、光等方性フィルムを用いることによって、推測ではあるが、通常の延伸フィルムに比較して、フィルム表面近傍のポリマーの結晶性が低い、あるいは非晶性であるために、透明導電性薄膜を製膜後に加熱処理をすることなく、光等方性フィルムと非晶質である透明導電性薄膜との積層体としての層間付着力が極めて高い値を示すと考えられる。また、その付着力は15g/15mm以上あるため、ペン入力用タッチパネルに用いた際に、ペンの押圧で対向の透明導電性薄同士が強く接触しても透明導電性薄膜に剥離、クラックが生じることがなく、ペン入力耐久性に極めて優れた透明導電性フィルムとなる。さらには、非晶質である透明導電性薄膜を形成した透明導電性フィルムであるため、導電性、透明性およびエッチング特性に極めて優れた透明導電性フィルムとなる。
【0039】
また、該透明導電性フィルムを用いた透明タッチパネルは、透明タッチパネルとして液晶パネルと上偏光板の間に配設できることにより、表面反射が低く抑えられ、更に、液晶表示部と位置検出部の間隔が狭められることにより、位置検出精度の向上もできる。
【0040】
【実施例】
次に実施例をあげて本説明をさらに説明する。以下「部」とあるのは重量部である。
【0041】
実施例1
図1は本発明の透明導電性フィルムの一例を模式的に示した断面図であり、また、図2はその透明導電性フィルムを用いて作製した液晶表示素子の一例を模式的に示した断面図である。
【0042】
光等方性フィルムとして、 100μmの環状ポリオレフィンフィルム(商品名:ARTON、JSR(株)社製)を準備した。以下、ARTONフィルムと略す。このARTONフィルムのリターデーション値は8nm、全光線透過率は92%であった。
【0043】
このARTONフィルムを表面の汚れを除去するために洗浄剤(商品名:スキャット20-X、第一工業製薬(株)社製)の10vol %水溶液中に2分間浸漬し、さらに表面に残存している洗浄剤を洗浄するために純水の流水中に2分間浸漬した。純水中から引き上げたARTONフィルムに窒素ガスを吹き付け、水分を乾燥させた。このARTONフィルム上に、インジウム−スズ複合酸化物をターゲットに用いて、高周波マグネトロンスパッタリング法で、300 Å厚、酸化スズ含有率20重量%のインジウム−スズ複合酸化物薄膜を透明導電性薄膜として製膜した。この時、真空度は1×10-3 Torr とし、ガスとしてAr 60sccm, O2 2sccm 流した。また製膜中、ARTONフィルムの温度は20℃とした。
【0044】
得られた透明導電性フィルムを一方のパネル板として用い、他方のパネル板として、ガラス基板上に上記と同等の方法で 400Å厚の透明導電性薄膜を形成したものを用いた。この2枚のパネル板を透明導電性薄膜が対向するように、直径30μmのエポキシビーズを介して、配置し透明タッチパネルを作製した。
【0045】
次に得られた透明タッチパネルを、図2の様に液晶表示素子の液晶パネルと上側偏光板の間に組み込んで液晶表示素子を作製した。
【0046】
実施例2
実施例1と同様のARTONフィルムを、洗浄後、40℃、0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液中に2分間浸漬し、さらに表面に残存している水酸化ナトリウムを洗浄するために純水の流水中に2分間浸漬した。純水中から引き上げたARTONフィルムに窒素ガスを吹き付け、水分を乾燥させた。このARTONフィルム上に、実施例1と同様にして、透明導電性薄膜を製膜し、透明導電性フィルムを作製した。また、この透明導電性フィルムを用い、実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0047】
実施例3
実施例1と同様のARTONフィルムを、洗浄後、重クロム酸ナトリウム1部、硫酸10部、水30部からなるクロム酸混液中を40℃に保ち、2分間浸漬し、さらに表面の残存物を洗浄するために純水の流水中に2分間浸漬した。純水中から引き上げたフィルムに窒素ガスを吹き付け、水分を乾燥させた。このフィルム上に、インジウム−スズ複合酸化物をターゲットに用いて、高周波マグネトロンスパッタリング法で、300 Å厚、酸化スズ含有率35重量%のインジウム−スズ複合酸化物薄膜を透明導電性薄膜として製膜した。この時、真空度は1×10-3 Torr とし、ガスとしてAr 60sccm, O2 3sccm 流した。また製膜中、ARTONフィルムの温度は20℃とした。また、この透明導電性フィルムを用い、実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0048】
実施例4
実施例1と同様にして作製したARTONフィルム/インジウム−スズ複合酸化物薄膜からなる積層体のインジウム−スズ複合酸化物薄膜を形成した面と反対側の面上に厚さ 730Åで屈折率1.89のY2O3を設け、さらに厚さ1200Åで屈折率2.3 のTiO2を設け、さらに厚さ 940Åで屈折率1.46のSiO2を、それぞれ高周波スパッタリング法で製膜し、反射防止処理層(AR)とした。このそれぞれの誘電体薄膜を製膜する時、いずれも真空度は1×10-3 Torr とし、ガスとしてAr 55sccm, O2 5sccm 流した。また、基板は製膜中、加熱もしくは冷却せず、室温のままとした。また、この透明導電性フィルムを用い、実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0049】
実施例5
ARTONフィルムの代わりに、環状ポリオレフィン樹脂(商品名:ZEONEX、日本ゼオン(株)社製)を流延製膜により得た。厚さ 100μm、リターデーション値は10nm、全光線透過率は92%のZEONEXフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施した。
【0050】
比較例1
ARTONフィルムの代わりに、ポリエチレンテレフタレートを水冷却した回転急冷ドラム上にフィルム形成ダイを通して押出し、未延伸フィルムを作製し、この未延伸フィルムを長手方向に 3.2倍延伸した後、幅方向に 3.5倍延伸し、230 ℃で熱固定した 120μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例1と同様にして、実施した。ここで、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムのリターデーション値は3100nmであった。
【0051】
比較例2
ARTONフィルムの代わりに、比較例1と同様にして得られた 120μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は、実施例2と同様にして、実施した。
【0052】
比較例3
透明タッチパネルを、液晶表示素子の最上面(上側偏光板の上)に組み込んで液晶表示素子を作製した以外は、実施例1と同様に実施した。
【0053】
比較例4
ARTONフィルムの一方の面に有機ケイ素化合物のブタノール、イソプロパノール混合アルコール系溶液(濃度1重量%)を塗工した後、 100℃、1分で乾燥した。この後、有機ケイ素化合物上に実施例1同様にして、インジウム−スズ複合酸化物薄膜からなる透明導電性薄膜を基板温度 120℃で製膜した。この積層体をさらに 150℃、10時間、加熱処理を行った。また、この透明導電性フィルムを用い、実施例1と同様にして液晶表示素子を作製した。
【0054】
以上の実施例1〜5および比較例1〜3の透明導電性フィルムについて、光線透過率、表面抵抗率、エッチング時間、透明導電性薄膜の電子線回折像、基材フィルム/透明導電性薄膜の付着力を下記の方法で測定した。また、実施例1〜5および比較例1〜3の透明導電性フィルムを用いて作製した透明タッチパネルについて、ペン入力耐久試験を実施した。
【0055】
<表面抵抗率>
JIS K 7194に準拠した4端子法にて測定した。測定機としては、三菱化学(株)製:Lotest AMCP-T400を用いた。
【0056】
<光線透過率>
JIS K 7105に準拠した積分球式光線透過率法にて測定した。測定機としては、日本電色工業(株)製:NDH-1001DPを用いた。
【0057】
<付着力測定>
40μm厚のアイオノマーフィルムをポリエステル系接着剤を用いて、75μm厚のポリエチレンテレフタレートフィルムにラミネートした付着力測定用積層体を作製した。この付着力測定用積層体のアイオノマー面と透明導電性フィルムの透明導電性薄膜面を対向させ、 130℃でヒートシールした。この積層体を付着力測定用積層体と透明導電性フィルムとを 180度剥離法で剥離し、この剥離力を付着力とした。この時の剥離速度は1000mm/分とした。
【0058】
<エッチング時間>
10cm×1cm のサイズに切り出した透明導電性フィルムの両端にテスターを接続し、抵抗を測定しながら、40℃、20%硫酸水溶液中に浸漬し、抵抗が10MΩ以上となる時間をエッチング時間とした。
【0059】
<電子線回折>
プラスチックフィルムおよび硬化性高分子硬化層を溶解し、透明導電性薄膜の単独膜を得るために、透明導電性フィルムを1,1,1,3,3,3 −ヘキサフルオロイソプロパノール中に2日間浸漬する。溶液中の透明導電性薄膜をマイクログリッドに乗せ、溶液を乾燥させるために1日間風乾した。この試料の電子線回折像を透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製:JEM-2010)にて測定した。電子線の条件は、加速電圧200kV 、波長0.0025nmで行った。この回折像から透明導電性薄膜が結晶質であるか、非晶質であるかを測定した。
【0060】
<ペン入力耐久性試験>
まず、ペン入力試験前のリニアリティ測定を以下のようにして実施した。
本発明の透明導電性フィルムを 100mm×100mm に切り出し、透明導電性薄膜形成面の両端辺に幅5mmの電極を銀ペーストを塗布して作成した。この電極間に定電圧電源により5Vを印加し、サンプルの中心部50mm×50mmの範囲を縦横1mm間隔で(x1, y1)〜(x50, y50) の2500点について電圧Vi,j(i,j=1 〜50)を測定した。
各電圧測定点での理論電圧Ui,j=V1,1+(V50,50-V1,1)/50×(j-1) からのズレをΔi,j=(Vi,j-Ui,j)/Ui,jで定義し、このΔi,j の絶対値の最大値をリニアリティと定義した。
【0061】
ペン入力試験前のリニアリティを測定した透明導電性フィルムを用い、実施例および比較例に記載されているようにしてタッチパネルを作製した。透明導電性フィルムで構成されたパネル板側から、ポリアセタール樹脂からなるペン先半径0.8mm のタッチペンを用いて、リニアリティ測定を行った部位に、プロッタ(ローランド(株)製:DXY-1150)により、2cm角サイズのカタカナのア〜ンまでの文字を 200,000字の筆記を行い、ペン入力試験を行った。この時、ペン荷重250 gf、文字筆記速度 2,000字/時間とした。
【0062】
ペン入力試験後の透明導電性フィルムのリニアリティを前述と同様の手法で測定し、リニアリティが3%を越えた筆記字数をペン入力耐久性とした。
【0063】
実施例1〜7、および比較例1〜4についての測定結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
Figure 0004085295

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の透明導電性フィルムの一例を模式的に示した断面図である。
【図2】 図1の透明導電性フィルムを用いて作製した液晶表示素子の一例を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1 透明導電性フィルム
2 ガラス板
3 ビーズ
4 偏光板
5 液晶パネル
11 光等方性フィルム
12 透明導電性薄膜

Claims (4)

  1. リターデーション値が15nm以下で、かつ厚みが10μmを超え、300μm以下の範囲にある光等方性のフィルム(11)の片方の面に、非晶質で、かつ膜厚が40〜8000Åである透明導電性薄膜(12)を形成してなる透明導電性フィルム(1)の製造方法であって、光等方性フィルムが環状ポリオレフィンフィルムであり、洗剤の水溶液中にフィルムを浸漬させてフィルムの表面を洗浄次いで光等方性フィルムの製膜時の温度を100℃以下にして、スパッタリング法、蒸着法、またはCVD法を用いて透明導電性薄膜を製膜して、光等方性フィルム(11)と非晶質である透明導電性薄膜(12)との付着力を15g/15mm以上することを特徴とするペン入力タッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法。
  2. フィルム表面を洗浄後、さらに酸性またはアルカリ性水溶液でフィルム表面を処理することを特徴とする請求項記載のペン入力タッチパネル用透明導電性フィルムの製造方法。
  3. 透明導電性薄膜(12)を有する一対のパネル板を、透明導電性薄膜(12)が対向するようにスペーサーを介して配置してなる透明タッチパネルにおいて、少なくとも片方のパネル板が請求項1または2記載の方法で製造された透明導電性フィルム(1)からなることを特徴とするペン入力透明タッチパネル。
  4. 上側偏光板(4)と液晶パネル(5)の間に、請求項3記載のペン入力透明タッチパネルを配設してなることを特徴とする液晶表示素子。
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