JP4081955B2 - 情報記録システム及び情報記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報の記録・複製・印刷出力等のサービスを有料で提供するためのシステム及び方法に係り、特に、遠隔地から配信・送信・流通・搬送されてきた情報を有料で記録サービスを行うための情報記録サービスを行うシステム及び方法に関する。
【0002】
更に詳しくは、本発明は、通信媒体経由で接続された複数のクライアントのから発行された1以上のプリント・ジョブに対して有料で記録サービスを行うための情報記録サービスを行うシステム及び方法に係り、特に、各クライアントが複数のプリント・ジョブを発行してシステムに蓄積している場合であっても、ユーザが所望のプリント・ジョブのみを選択して情報記録を要求することができる情報記録サービスを行うシステム及び方法に関する。
【0003】
【従来の技術】
各種のOA(Office Automation)機器は、従来から盛んに開発・製作され、企業や研究機関のオフィスなどに広範に普及してきている。特にドキュメンテーションが最重要視される現代社会においては、画像を高解像度且つ高品位に複製することができる画像形成装置がオフィス内に深く浸透している。ここで言う「画像形成装置」には、原稿画像を読み取って印刷用紙上に再現する「複写機」の他、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network)などの公衆電話回線経由で受信した画像データを画像出力する「ファクシミリ」、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク経由で受信したコンピュータ可読形式のデータやコンテンツを印刷する「プリンタ」、あるいは、これらのうち2以上の画像出力機能を備えた「複合機」などが含まれる。
【0004】
画像形成装置は、一般に、原稿を光学的にスキャンして画像を読み取る画像入力部と、入力した画像データに対して色座標変換やデジタル・フィルタリング、T/I分離などの所定の処理を施す画像処理部と、画像処理済みの画像データに基づいて入力画像を印刷用紙上に再現する画像出力部とで構成される。画像出力部は、例えば、電子写真プロセス方式が採用される。電子写真プロセスは、電子写真感光体に対する帯電、現像、クリーニングの繰り返しで実現される。すなわち、感光体の表面を帯電器によって一様に帯電させた後、画像データに従って感光体表面を露光して静電潜像を形成し、現像器によって静電潜像をトナー像とした後、所定の印刷用紙上にトナー像を転写する。その後、加熱溶融・圧着作用によりトナー像を印刷用紙上に定着して、画像形成装置の外に排紙する。転写後の感光体表面は、残留トナーがクリーナによって除去された後、次の現像プロセスに利用される。
【0005】
ドキュメンテーションのニーズは拡大する一方である。その反面、高印字品位の画像形成装置は高価で且つ床面積が大きいので、一般消費者毎に自費で購入することは未だ困難である。このため、大学生協やコンビニエンス・ストアなどのオープン・スペースに複写機やファクシミリを設置して、有料の複写サービスやファクシミリ送信サービスを提供しているケースが散見される。複写サービスにおいては、料金を予めコインキットに投入しておき、投入料金に応じた枚数のコピー出力が顧客に許容される(あるいは、プリペイド・カードをカード・リーダに挿入し、プリペイド・カードの残金に応じた枚数のコピー出力が許容される)。また、ファクシミリ送信サービスにおいては、ファクシミリ送信後に、送信量に応じた使用代金を同一店舗内のレジにて精算するのが一般的である。
【0006】
このような複写機やファクシミリの有料サービスは、サービスを利用する一般消費者にとっては装置購入コストなしに高機能・高品位な装置の恩恵を享受することができる。また、サービスを提供する店舗経営者にとっては、このような装置を設置しておくだけで顧客が勝手に機器を操作し、使用料金が自ずと蓄積されるとともに、店舗への顧客吸引力になるなどのメリットがある。例えば、前述したような「複合機」を店舗内に設置すれば、複写、ファクシミリ、コンピュータ・データのプリント・アウトなど、情報記録に関する多種多様な有料サービスを1台の装置のみで実現することができる。
【0007】
しかしながら、ファクシミリ受信サービスや、ネットワーク経由で受信したプリント・ジョブや各種コンテンツのプリント・サービスなど、受信情報のプリント・アウトに関する有料サービスは未だ商業ベースでは展開されていない。
【0008】
コピーやファクシミリ送信は、利用者自らがコピー原稿又は送信原稿を装置にセットして、画像出力操作を直接その場で行うようになっている。このような場合、ジョブ発行とジョブ実行の時間と場所がほぼ完全に一致するので、サービス提供する店舗にとっては課金の対象者を容易に特定できるとともに、利用者にとっては原稿のセキュリティを管理する必要が全くないので、運営が非常に容易である。
【0009】
これに対し、ファクシミリ受信やネットワーク経由でのプリント・アウトは、ジョブ発生とジョブ実行とでは、時間的及び空間的にかなりの隔たりがある。例えば、ファクシミリ受信のタイミングは送信者側によって決定されるため、受信サービスの利用者は受信時刻を必ずしも特定できない。また、プリント・サービスの場合、1台のプリンタをネットワーク経由で多数の利用者が共用する構成となるため、複数のプリント・ジョブが同時・並列的に発生する可能性があり、サービス提供者は課金対象者を特定することが難しくなる。また、各利用者毎の受信データをセキュリティ管理しなければならない。
【0010】
ファクシミリ受信やプリント・アウトの有料サービスを実現するためには、料金管理やセキュリティ管理などの点で大きな障壁がある。
【0011】
また、有料でプリント・サービスを行うプリント・サーバ(例えば、店舗内に設置された複合機など)に対して、あるクライアント・ユーザは自宅から複数のプリント・ジョブを発行することがある。このような場合、ユーザはジョブ発行後に店舗内に出向いて、課金額を見て、実際にプリント・アウトしたいジョブを取捨選択したくなることがあるであろう。
【0012】
また、コンビニエンス・ストアその他の公共の場に機器が設置されているような環境下では、各ユーザは自分が機器を占有する時間をできる限り短くしたいという要求又は心理が働く。したがって、プリント・ジョブの取捨選択に要する操作時間を少しでも短くできるように、操作画面のユーザビリティを考慮する必要がある。
【0013】
従来のプリント・サーバ・システムでも、複数の送信ジョブの中から特定ユーザのジョブだけを選択するために、ファイル名や送信元端末名、ジョブ発行日時などを表示することができるものがある。しかしながら、対象とするジョブ数が多くなると、正確にジョブを選択するためにはある程度以上の時間を要してしまう。この結果、操作を素早く済ませ自分が機器を占有する時間を短くしたいというユーザの心理に反してしまう。
【0014】
また、メールビン機能を有するプリンタの場合、ユーザ又はグループなど所定の人員単位毎に出力ジョブを仕分けすることができる。しかしながら、1つのビンに同一グループの他人のジョブが混ざって出力されたり、自分が受け取る前に出力結果を他人に見られてしまう危険がある。
【0015】
また、プリンタによっては、パスワード入力などの認証機能を備えたものもある。このような場合、出力可能状態となったジョブを一旦停止して、ユーザによるパスワード入力及び照合処理の完了を待って実際に出力することができる。しかしながら、1回の認証処理で対象とするジョブは1つに限定されていたので、複数のジョブに対して一括して指示を行うことができなかった。
【0016】
また、有料プリント・サービスを行う場合、郵便物や電子メールを送信する代わりに、他人宛てのプリント・ジョブを店舗内の複合機に発行するという運用も考えられる。しかしながら、プリント・ジョブに送信者の意思や意図を伝達するような仕組みは提供されていない。
【0017】
例えば、特開平10−336375号公報には、1つのジョブに蓄積指示と暗証番号による制御指示を付けてプリンタに送信することで、印刷物のセキュリティや任意の時間で印刷物を得ることを可能にした複合端末装置について開示されている。しかしながら、該複合端末装置上では、1回のジョブ選択・認証処理で対象とするジョブは1つの限定されている。このため、1人のユーザが多数のプリント・ジョブを複合端末上に蓄積しておいた場合には、所望のジョブを逐次的に選択及び印刷実行しなければならず、複数のプリント・ジョブを一括して選択して印刷出力したり、さらに課金するということはできない。
【0018】
また、特開平10−24640号公報には、プリンタ側の環境とジョブの実行環境とを比較して、両者に差異がある場合にはジョブの実行をキャンセルするなど処理の一時中断を可能にした画像形成システムについて開示されている。しかしながら、同公報に記載の画像形成システムでは、キャンセル対象となるジョブはただ1つである。このため、画像形成システムに複数のジョブが発行されたり、蓄積された複数のジョブを一度の操作で実行するような場合には、対処することができない。
【0019】
また、特開平1−88821号公報には、印刷データ本体に対してメッセージ・データを付加して送信すること、及び、メッセージ・データ付きの印刷データを受信した場合にはこれを表示することができるオンラインプリンタ装置について開示されている。しかしながら、同公報で言うメッセージ・データは、ホスト・システムが発行する指令を意味するものであり、他人宛てに発行したジョブにその送信者が送信の理由や目的を記述するなどのために利用することができない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、情報の記録・複製・印刷出力等のサービスを有料で提供することができる、優れたシステム及び方法を提供することにある。
【0021】
本発明の更なる目的は、遠隔地から送信されてきた多数の情報を有料で記録サービスを行うことができる、優れた情報記録サービスを行うシステム及び方法を提供することにある。
【0022】
本発明の更なる目的は、ジョブ発生とは隔たった時間及び場所であっても、セキュリティを維持しながらジョブ実行すなわち情報を記録・複製・印刷出力するとともに、記録等のサービスの対価を正確に課金することができる、優れた情報記録サービスを行うシステム及び方法を提供することにある。
【0023】
本発明の更なる目的は、各ユーザが遠隔地から複数のジョブを発行することができるとともに、短い操作時間で自分のジョブを取捨選択したり、複数のジョブに対する印刷の属性又は実行環境を一括して設定することができる、優れた情報記録サービスを行うためのシステム及び方法を提供することにある。
【0024】
本発明の更なる目的は、他人宛てにジョブを送信したり、ジョブを送信する理由などを記述したメッセージを併せて送信することができる、優れた情報記録サービスを行うシステム及び方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、通信媒体経由で接続された1以上のホスト装置から各ユーザ宛てに送信される情報を記録する情報記録システムであって、
受信した情報を蓄積する蓄積手段と、
情報を記録する記録手段と、
画面を介して対話入力可能なユーザ・インターフェースと、
ユーザを認証するユーザ認証手段と、
前記記録手段による情報の記録動作を制御する制御手段とを具備し、
前記制御手段は、前記ユーザ認証手段によるユーザ認証が成功したことに応答して、前記蓄積手段に蓄積された情報のうち前記認証されたユーザ宛てに送信された情報を前記ユーザ・インターフェースの画面上に一覧表示して、各情報について記録すべきか否かを取捨選択するユーザ操作を受容し、選択された情報の記録動作を実行せしめることを特徴とする情報記録システムである。
【0026】
本発明の第1の側面に係る情報記録システムは、さらに、前記記録手段による記録処理に応じた料金をユーザに課金する課金手段を備えてもよい。
【0027】
また、前記制御手段は、選択状態と選択解除状態とで前記ユーザ・インターフェース画面上での各情報の表示形態を区別するようにしてもよい。このような場合、蓄積手段から取り出された各情報のデフォルト状態を選択状態に設定するようにしてもよい。
【0028】
また、前記ホスト装置から送信される情報は、記録手段による記録動作を規定する属性値を含んでいてもよい。このような場合、前記制御手段は、前記ユーザ・インターフェースにおける前記一覧表示画面上に各情報が持つ属性値を併せて表示するようにしてもよい。
【0029】
また、前記制御手段は、蓄積手段から取り出された各情報が持つ属性値と前記記録手段の現在の状態とを比較して、属性値が許容されない情報を選択解除状態に設定するようにしてもよい。さらに、前記制御手段は、前記ユーザ・インターフェース画面を介した属性値の変更を受容するとともに、変更後の属性値が許容された情報を選択状態に戻すようにしてもよい。
【0030】
また、前記ホスト装置から送信される情報には送信元によるメッセージを添付するようにしてもよい。このような場合、前記制御手段は、前記一覧表示画面上にメッセージの添付の有無を表示するようにしてもよいし、さらに、前記一覧表示画面上にメッセージを起動するボタンを配設してもよい。
【0031】
また、前記記録手段は、情報を印刷用紙上に可視的に印刷出力してもよいし、あるいは、情報を記録メディア上にコンピュータ可読形式で記録してもよい。
【0032】
また、本発明の第2の側面は、通信媒体経由で接続された1以上のホスト装置から各ユーザ宛てに送信される情報を記録する情報記録方法であって、
(a)受信した情報を蓄積するステップと、
(b)ユーザを認証するステップと、
(c)前記ステップ(b)によるユーザ認証が成功したことに応答して、前記ステップ(a)において蓄積された情報の中から該認証されたユーザ宛てに送信された情報を画面上に一覧表示するステップと、
(d)各情報を記録すべきか否かを取捨選択するユーザ操作を受容するステップと、
(e)該選択された情報を記録するステップと、
を具備することを特徴とする情報記録方法である。
【0033】
本発明の第2の側面に係る情報記録方法は、さらに、前記ステップ(e)における記録処理に応じた料金をユーザに課金するステップを備えてもよい。
【0034】
また、前記ステップ(c)では、選択状態と選択解除状態とで前記一覧表示画面上での各情報の表示形態を区別するようにしてもよい。このような場合、取り出された各情報のデフォルト状態を選択状態に設定するようにしてもよい。
【0035】
また、前記ホスト装置から送信される情報は、前記ステップ(e)における記録動作を規定する属性値を含んでもよい。このような場合、前記ステップ(c)では、前記一覧表示画面上に各情報が持つ属性値を併せて表示するようにしてもよい。
【0036】
また、前記ステップ(c)では、取り出された各情報が持つ属性値と前記ステップ(e)における現在の状態とを比較して、属性値が許容されない情報を選択解除状態に設定するようにしてもよいし、さらに、属性値の変更を受容するとともに、変更後の属性値が許容された情報を選択状態に戻すようにしてもよい。
【0037】
また、前記ホスト装置から送信される情報に送信元によるメッセージを添付するようにしてもよい。このような場合、前記ステップ(c)では、前記一覧表示画面上にメッセージの添付の有無を表示するようにしてもよいし、さらに、前記一覧表示画面上にメッセージを起動するボタンを配設するようにしてもよい。
【0038】
また、前記ステップ(e)では、情報を印刷用紙上に可視的に印刷出力してもよいし、あるいは、情報を記録メディア上にコンピュータ可読形式で記録するようにしてもよい。
【0039】
【作用】
本発明に係る情報記録システムは、ユーザを認証する認証機能を備えている。情報記録システムに送信された各ユーザ宛てのジョブは、一旦蓄積され、ユーザ認証に成功しなければ該システムから取り出すことはできない。
【0040】
そして、ユーザ認証を通じて特定されたユーザ(又はユーザ・グループ)によってジョブのみがフィルタリングされ、印刷その他の記録サービスの対象として画面上に一覧表示される。このような一覧表示画面上で、ユーザは実際に記録サービスを要求するジョブをさらに取捨選択することができる。
【0041】
また、個人認証を経由してジョブ・フィルタリングすることにより、ジョブ発行元であるユーザ本人(又は本人から正当に権限が委譲された他人)に対して、該当するジョブのみを一覧表示することができる。したがって、他人に無断でジョブの内容を覗き見られたりする危険はない。また、本人のジョブしか一覧表示しないので、他人のジョブをうっかり印刷したり他のメディアに保存したりしてしまうような誤操作を排除することができる。
【0042】
一覧表示画面上では、例えば、各ジョブをそのサムネイルによって表示される。また、一覧表示画面上で選択状態のジョブをハイライト表示するとともに、未選択又は選択解除状態のジョブをグレー表示するなど、コントラストを与えることにより、ユーザは現在の選択状況を一目で把握することができる。
【0043】
一覧表示画面上では、各ジョブは選択状態すなわちハイライト表示をデフォルト状態として設定してもよい。このようにすれば、全てのジョブの実行を要求したいときには、ジョブを逐次選択する手間を省くことができ、ユーザによる機器操作時間を短くすることができる。
【0044】
また、ジョブ送信先に指定された情報記録システムが持つ環境や記録メディアの装備状況によっては、そもそも実行することができないジョブもある。このようなジョブは、上記の一覧表示画面上では、選択解除状態として表示するようにしてもよい。実行に不具合のあるジョブを選択解除状態に設定することにより、ユーザが不本意なジョブ出力を行い、無駄な料金の請求を受けるような不都合を回避することができる。また、ユーザに対して、ジョブ実行環境の適切な変更や印刷用紙やトナー、記録メディアなどの消耗品の補充などのメンテナンス作業を促すことができる。
【0045】
また、本発明に係る情報記録システムに対しては、ユーザ本人がジョブを発行するだけでなく、他人宛てのジョブを送信することができる。さらに、後者の場合には、ジョブを送信する理由や目的(例えば、「親展送信」など)などを記述したメッセージを併せて送信することができる。したがって、送信先となるユーザは、メッセージを確認することによって、ジョブの内容を理解したり、料金を支払ってまでしてジョブを実際に実行すべきか否かを判断することができる。
【0046】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
【0048】
図1には、本発明の実施に供される、情報の記録サービス及び記録サービスに関する料金請求を行うことができるネットワークの全体構成を模式的に示している。
【0049】
本実施例で言う「情報の記録」とは、基本的には、コンピュータ可読データのようなデジタイズされた情報コンテンツを可視的な画像情報として印刷用紙上にプリント・アウトすることであるが、デジタル・コンテンツすなわちコンピュータ可読形式のまま記録メディア上に保存することを含んでもよい。また、本発明に係る情報記録サービス及び記録サービスに関する料金請求は、図示の情報記録システム100によって具現化される。この情報記録システム100は、例えば、コンビニエンス・ストア、あるいは大学生協のような、情報の記録・複製・印刷出力を求める人々が多数集まるオープンなスペース(言い換えれば、記録サービスの提供者が各利用者のセキュリティを管理し得ないサービス空間)に設置して用いられる。
【0050】
本実施例の情報記録システム100は、可視的な画像を印刷用紙上に形成する画像形成装置であり、より好ましくは、原稿画像をスキャンして印刷用紙上に略同一画像を複製する複写機の機能や、外部のホスト装置からのプリント要求に応じてコンピュータ・データをプリント・アウトするプリンタ機能、公衆電話回線経由で画像情報を交換するファクシミリ機能など、複数の画像形成機能を備えた「複合機」であることが好ましい。
【0051】
情報記録システム100は、店舗内でスタンドアロン環境に置かれた状態であっても複写などの情報記録サービス及び料金請求を行うことができるが、好ましくは、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network)などの交換接続型の公衆電話回線や、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの分散コンピューティング・ネットワークに接続されて用いられる。
【0052】
情報記録システム100は、LANやインターネットなどのコンピュータ・ネットワークを介して、複数のホスト装置200,500…と相互接続される。ここで言う「ホスト装置」とは、ネットワーク上でサーバ又はクライアントとして稼動するコンピュータ・システムの総称を意味するものとする。また、情報記録システム100も、ネットワーク上で稼動するホスト装置の1つである。したがって、情報記録システム100は、ネットワーク上のプリント・サーバとして動作することができる。
【0053】
各ホスト装置500は、ワープロやスプレッドシートなどのアプリケーションを用いて所定フォーマットのドキュメント・ファイルを作成・編集することができる。さらに、ネットワーク上では、各ホスト装置500は、ファイル・サーバとして稼動する情報記録システム100に対してドキュメント・ファイルその他のデジタル・コンテンツのプリント要求を発行することができる。この場合、プリント要求元のホスト装置500は、ドキュメントにユーザ情報等を付加してカプセル化したファイル(後述)を、情報記録システム100に送信する。ここで言うユーザ情報は、ユーザIDやパスワードなど、ユーザ・アカウント(利用者資格)を一意に特定できる情報であれば何でもよい。
【0054】
本実施例では、ホスト装置500のユーザは、自分宛てだけでなく、他人宛てにプリント・ジョブを発行することができる。特に後者の場合、ジョブにメッセージを添付することができ、ユーザは送信者宛てに送信の目的や理由などをメッセージとして記述することができる。但し、メッセージ送信に関しては、後に詳解する。
【0055】
情報記録システム100側では、カプセル化されたファイルを受信すると、プリント・ジョブとして一旦スプール(SPOOL:simultaneous peripheral operation online)される。
【0056】
また、ネットワークがインターネットである場合、情報記録システム100と各ホスト装置200,500…は、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)プロトコルに従って相互接続される。当業界において既に周知のように、インターネット上では、WWW(World Wide Web)を代表とする各種の広域的な情報コンテンツ提供サービスが展開されている。WWW情報空間上では、URL(Uniform Resource Locator)によって識別可能な無数の情報コンテンツが散在している。WWW情報空間上の各サーバ及びクライアントは、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)プロトコルに従って各情報コンテンツのサービス要求及びサービス提供を行うことができる。
【0057】
図1に示す例では、ホスト装置200は、WWW情報空間上で情報コンテンツを提供する「Webサーバ」として稼動するコンピュータ・システムである。また、他のホスト装置500は情報コンテンツへのアクセスを要求するWebクライアントとして稼動する一般ユーザ向けのPC(Personal Computer)である。Webサーバ200は、情報コンテンツを有償又は無償で公開している。また、コンテンツが有償である場合、その情報利用料は一律・定額であっても各情報コンテンツ毎に区々であってもよい。
【0058】
また、本実施例に係る情報記録システム100は、ネットワークに接続されたWebクライアントとしての側面を有し、Webサーバ200に対して情報コンテンツの提供を要求することができる。勿論、情報記録システム100は、Webサーバとして機能し、インターネット上で情報コンテンツの提供サービスを行ってもよい。
【0059】
本実施例では、ホスト装置500などのWebクライアントは、情報記録システム100に対して、WWW空間上の情報コンテンツのプリント要求を発行することができる。この場合、情報コンテンツの配信元であるWebサーバ200は、情報コンテンツにユーザ情報を付加してカプセル化したファイルを、情報記録システム100に転送すればよい。ユーザ情報は、ユーザ・アカウントを一意に特定できる情報である(同上)。情報記録システム100側では、カプセル化されたファイルを受信すると、プリントジョブとして一旦スプールされる。
【0060】
また、情報記録システム100は、交換接続型の公衆電話回線経由で他のファクシミリ装置300と接続されており、記録対象となるファクシミリ・データを受信することができる。本実施例では、送信元のファクシミリ装置300は、ファクシミリ・データにユーザ情報を付加してカプセル化したファイルの形式で、情報記録システム100にファクシミリ送信する。情報記録システム100側では、カプセル化されたファイルを受信すると一旦スプールされる。ユーザ情報はユーザ・アカウントを一意に特定できる情報である(同上)。ファクシミリ受信時には、例えば送信元の電話番号をユーザ情報として使用することができる。
【0061】
また、情報記録システム100は、CD−ROMドライブやMOドライブのような可搬型記憶メディアに対してデータの記録・再生を行う外部記憶装置を備えている(後述)。ユーザ、すなわち記録サービスの利用者は、記憶メディアを情報記録システム100に装填して、該記憶メディアに格納されたデータのプリント要求を行うことができる。この場合、情報記録システム100は、記憶メディアからデータ・ファイルを読み出し、これにユーザ情報を付加してカプセル化した後に、プリント・ジョブとして一旦スプールする。ユーザ情報はユーザ・アカウントを一意に特定できる情報である(同上)。
【0062】
図1に示すように、情報記録システム100はネットワークや公衆電話回線に接続されており、多種多様な形態で、複数のユーザから次々とプリント・ジョブを受信してスプールし、さらに印刷出力などの記録サービスを有料で提供することができる仕組みになっているという訳である。
【0063】
また、情報記録システム100は、各ユーザに対して該当するジョブのみ実行を許可するとともに、印刷出力やその他の記録サービスを有料で提供する。このため、情報記録システム100は、ユーザ認証のためのユーザ情報入力装置と、利用料を徴収するための課金装置とをさらに備えている。
【0064】
課金装置は、「コインキット」又は「ディスペンサ」と呼ばれる装置に類似する機能を備えている。本実施例の課金装置は、情報記録システム100が情報をプリント・アウトなどの記録サービスを提供する対価としての料金額を演算して、サービス要求元のユーザに課金し、ユーザが支払った現金を蓄積したりするための装置である。課金装置は、コインや紙幣などの現金の投入によるユーザの料金支払いを受け付ける以外に、プリペイド・カードによる決済、クレジット・カードによる銀行口座からの引き落とし、デビット・カードによる銀行口座からの即時決済など、様々な料金支払い形態をサポートしていてもよい。また、課金装置は、課金情報とユーザが支払った料金情報をユーザ毎に管理してもよい。あるいは、ユーザは、課金装置で課金を決済するのではなく、情報記録システム100が設置されている同一店舗内のレジ(POS端末)にて料金を精算してもよい。
【0065】
また、ユーザ情報入力装置は、ユーザ認証に必要なユーザ情報の入力を受け付けてユーザ認証、すなわちサービス要求元であるユーザ・アカウントの特定とその真正性の検証を行うための装置である。例えばICカードを用いてユーザ認証情報の入力を行うことができる。この場合のユーザ情報入力装置はICカード・リーダでよい。ユーザ認証には、例えばDDSA(デジタル・ドキュメント・セキュリティ・アーキテクチャ)/*/を利用することができる。あるいは、英数文字列からなるユーザIDやパスワード、電話番号などをユーザ認証情報として用いることができる。この場合のユーザ情報入力装置は、キーボードとディスプレイからなるコンピュータ・コンソールで代用することができる。
【0066】
情報記録システム100にスプールされるデータ・コンテンツは、ユーザ情報を付加してカプセル化されている。図2には、カプセル化されたファイルのデータ構造を模式的に図解している。
【0067】
このデータ構造のうちドキュメント・フィールドには、記録対象となるドキュメント本体が格納される。ここで言う「記録」とは、印刷用紙上に複製すなわち画像出力することの他に、CD−RやMO、DVDなどにデジタル情報のまま記録することを意味する。ドキュメント本体は、PDL(Page Description Language)やPDF(Portable Document Format)などの印刷可能なフォーマット/**/であっても、静止画(GIF,JPEG,BMP)や動画(MPEG)、音声(AIFF,WAV,ACC)などの各モノメディア・データ用のフォーマットのままであってもよい。また、ドキュメントは、情報記録システム100において復号化処理をサポートする暗号化方式で暗号化されたデータであってもよい。
【0068】
また、ドキュメント名フィールドには、ドキュメント本体の名前が書き込まれる。ドキュメント名は、例えば、ユーザ情報に従ってフィルタリングされたプリント・ジョブを表示するときに利用される。ドキュメント名の代わりに、情報記録システム100がドキュメントを受信した日時を用いることもできる。
【0069】
また、ドキュメント提供者情報フィールドには、ドキュメント本体の提供者が書き込まれる。ドキュメント本体が、Webサーバ200から送られてきた情報コンテンツであれば、サーバ名若しくはコンテンツ提供者やコンテンツ作成者が当該フィールドに書き込まれる。例えば、ドキュメント本体に対して情報利用料(若しくはこれと等価な料金)が課される場合には、情報記録システム100に接続された課金装置は、記録サービス料と情報利用料を合計した額を各ユーザから徴収しておき、後日改めて各ドキュメント提供者に情報使用料を分配することができる。
【0070】
また、料金情報フィールドには、ドキュメント本体を記録サービスするために必要な料金を演算するための情報(例えば料金体系のようなもの)が書き込まれる。例えば、情報記録システム100による「記録」がプリント・アウトである場合には、ドキュメントのページ数やカラー情報などが料金演算に必要となる(ページがモノクロとカラーとでページ単価が異なる可能性がある)。また、ドキュメント本体に関し情報利用料が課されている場合には、利用料金も料金演算に必要である。
【0071】
また、ユーザ情報フィールドには、情報記録システム100にスプールされたジョブをユーザ毎に識別すなわちフィルタリングしたり、ユーザ認証を行うための情報が書き込まれる。ユーザ情報としては、例えば、ユーザIDやパスワード、電話番号(特にファクシミリ受信の場合)を用いることができる。
【0072】
但し、図2に示したデータ構造中で、タイトルに(Optional)と付されたデータ・フィールドは、ファイル内での定義が任意である。これらのフィールドは、ファイルを使用するユーザの特定や、ユーザ認証、料金の演算、料金の分配などに利用されるが、不要であればフィールドを省略することにより、ファイルの通信負荷を軽減することができる。
【0073】
なお、本実施例では、後述するようにジョブにメッセージを添付することができる。このメッセージは、他人宛ての送信ジョブに対して送信理由や目的を記述するために利用することができる。復号化又は料金徴収前にユーザがメッセージを閲覧することを許容するために、メッセージはカプセルの外に置かれることが好ましい。
【0074】
図3には、本実施例に係る情報記録システム100の外観構成を模式的に示している。同図に示すように、情報記録システム100は、表示装置11と、メディア・ボックス12と、ユーザ情報入力装置13と、制御装置14と、課金装置15と、複合機16とで構成される。
【0075】
制御装置14は、情報記録システム100への記録要求の入力から出力までを統括的に制御するための装置である。本実施例の制御装置14は、各ユーザから記録要求されたドキュンメント等(通常は、図2に示すようにカプセル化されている)を一時的に蓄積するスプール機能を有する。制御装置14は、例えば、「ワークステーション」や「パーソナル・コンピュータ」と呼ばれる一般的なコンピュータ・システムを用いて構成することができる。
【0076】
表示装置11は、制御装置14としてのコンピュータ・システムの周辺機器として装備することができ、その表示画面にはビットマップ表示形式をサポートしたGUI(Graphical User Interface)環境が提供されている。
【0077】
本実施例に係る表示装置11は、例えば、スプール内のジョブをユーザ情報に従ってフィルタリングした結果の一覧表示、課金装置15において計算された記録サービスの料金や投入金額の表示などに利用することができる。ジョブ選択等のユーザによるコマンド入力は、キーボードや、マウス等のポインティング・デバイスを利用するのが一般的である。さらに、表示装置11の表示画面上に透明型のタッチパネルを貼設することによって、ユーザは簡易且つ直感的に入力操作を行うことができる。但し、ユーザによるジョブ選択時その他の操作画面の詳細については後述に譲る。
【0078】
メディア・ボックス12は、CD−ROMやCD−R、MO(magneto Optical disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬型記録メディアを装填して、該記録メディアに対してコンピュータ可読形式データの読み出し及び/又は書き込みを行う1以上のドライブ・ユニットで構成される。メディア・ボックス12は、制御装置14としてのコンピュータ・システムの周辺機器として接続される。コンピュータ・システムにメディア・ドライブを接続するインターフェース規格は、例えばSCSI(Small Computer System Interface)である。
【0079】
例えば、制御装置14上で実行するアプリケーション等のコンピュータ・プログラムを、これら可搬型記録メディアを媒介として、複数のコンピュータ・システム間で流通・移動させることができる。また、記録用のドキュメントが書き込まれたCD−ROMやMOなどをメディア・ボックス12中のドライブ・ユニットに装填することによって、記録用の情報コンテンツを情報記録システム100に供給することができる。あるいは、情報記録システム100においてスプールされているジョブの出力先として、メディア・ボックス12に装填された書き込み可能メディアを指定することができる。この意味において、メディア・ボックス12は、[特許請求の範囲]の欄に記載の各請求項で言う「記録手段」を構成する。
【0080】
ユーザ情報入力装置13はユーザー情報を入力するための装置である。本実施例では、ユーザ情報入力装置13はICカード上に記録されたユーザ情報にアクセス可能なICカード・リーダである。ユーザ情報としては、例えばユーザIDやパスワード、電話番号を利用することができる。但し、ユーザ情報の入力は、必ずしもICカードを媒介とする必要はなく、例えば、ユーザ情報を表示装置11の表示画面上でキーボード入力してもよい。
【0081】
ユーザ情報入力装置13において取得されたユーザ情報は、課金装置15におけるユーザ毎の課金情報や料金支払い情報の管理や、情報記録システム100にスプールされたジョブのフィルタリングのために利用される。
【0082】
課金装置15は、記録サービスの対価としての料金の演算と、ユーザに対する料金の提示及び課金、ユーザの料金支払いの受け付けなどを行う装置である(前述)。本実施例の課金装置15は、各ユーザ毎に課金情報及び料金支払い情報を管理できるものとする。
【0083】
課金装置15が行う料金の「提示」とは、例えば、LEDパネル(図示しない)を用いた料金のデジタル表示や、表示装置11の表示画面上でのダイアログ表示、あるいは音声出力による教示である。あるいは、課金額を所定フォーマットの勘定書(又は請求書)フォームに印刷出力してもよい。
【0084】
また、課金装置15は、コインや紙幣などの現金の投入の他に、プリペイド・カードによる決済、クレジット・カードによる銀行口座からの引き落とし、デビット・カードによる銀行口座からの即時決済など、様々な料金支払い形態をサポートしていてもよい。あるいは、ユーザは、課金装置15で料金を支払う以外に、印刷出力された勘定書に従い、同一店舗内のレジ(POS端末)にて料金を精算してもよい。あるいは、課金装置15や制御装置14内の不揮発性記憶装置(例えばハード・ディスクやフラッシュ・メモリ、SDRAM(Static DRAM)など)にログ(ユーザ情報、料金情報、コンテンツ提供者情報)を記録しておくことにより、信用に基づく後払い清算も可能となる。
【0085】
複合機16は、原稿画像を読み取って印刷用紙上に再現する「複写機」や、PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network)などの公衆電話回線経由で受信した画像データを画像出力する「ファクシミリ」、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク経由で受信したコンピュータ・データを印刷する「プリンタ」、あるいは、これらのうち2以上の画像出力機能を備えた多機能型の装置である。
【0086】
本実施例では、複合機16は、Webサーバ200やホスト装置500から送信されたプリント・ジョブを印刷出力するプリンタ、及び/又は、ファクシミリ装置300から送信されたファクシミリ・データを画像出力するファクシミリ装置として稼動する。この意味において、複合機16は、[特許請求の範囲]の欄に記載の各請求項で言う「記録手段」を構成する。
【0087】
また、複合機16は、制御装置14経由でLANに接続されている(後述)だけでなく、自身が装備するNIC(ネットワーク・インターフェース・カード:図示しない)を介して直接LANに接続されていてもよい。後者の場合、複合機16は、PDLやPDFのような印刷可能なフォーマットのドキュメントを、制御装置14の介在なしLAN経由で直接受信してそのまま印刷出力することができる。
【0088】
複合機16における画像出力機能は、原稿画像を光学的に読み取る画像読取部と、読取画像を印刷可能な形式に画像変換する画像処理部と、変換画像を印刷用紙上に複製する画像出力部と、機器内部で印刷用紙を順次搬送する搬送部とで構成される。また、複合機16は、印刷前後の用紙を蓄積する給紙トレイ及び排紙トレイや、読取原稿を順送りする自動原稿フィーダ(ADF)など、その他の装置を備えていてもよい。但し、既存の複合機製品を適用することができ、また、機器内部の構造自体は本発明の要旨に直接関連しないので、本明細書ではこれ以上説明しない
【0089】
図4には、情報記録システム100の動作を制御する制御装置14の内部ハードウェア構成を模式的に示している。既に述べたように、制御装置14は、一般的なコンピュータ・システムのアーキテクチャをベースにデザインされている。すなわち、制御装置14は、「マザーボード」(図示しない)と呼ばれる主要回路部品を搭載した印刷配線基板に対して、該基板上に設けられたコネクタ(図示しない)に周辺装置をケーブル接続したり、該基板上に設けられた1基以上のバス・スロット(図示しない)に各種のアダプタ・カード(インターフェース・カード)を装着することで構成される。コンピュータ・システムの一例は、米IBM社のPC/AT(Personal Computer/Advanced Technology)互換機又はその後継機である。以下、制御装置14内の各部について説明する。
【0090】
CPU(Central Processing Unit)51は、制御装置14及び記録サービス・システム100全体の動作を統括的に制御するメイン・コントローラであり、オペレーティング・システム(OS)が提供する動作環境下で、各種のアプリケーション・プログラムを実行する。
【0091】
OSは、例えばUNIXや、米マイクロソフト社の"WindowsNT"などでよいが、ビットマップ表示形式及びGUI(Graphical User Interface)環境をサポートしたウィンドウ・システムを備えていることがより好ましい。
【0092】
また、CPU51において起動するアプリケーションは、例えば以下の処理を実行する。すなわち、
【0093】
(1)他のホスト装置からネットワーク経由で受信した情報コンテンツや、ファクシミリ装置300から受信したファクシミリ・データなどの複数のジョブをスプールする。
(2)ユーザ情報入力装置13から入力されたユーザ情報を基に、ユーザ認証等の処理を行う。
(3)課金装置15による各ユーザの課金情報及び料金支払い情報の管理や、複合機16による印刷出力の制御を行う(例えば、記録サービスの料金体系や、情報コンテンツの利用料金、ページ数、カラーページ情報などを取得し、情報利用料とプリント・サービスなどからなる合計料金の算出を行い、表示若しくは印刷という形式で演算結果を外部出力する)。
【0094】
メイン・メモリ52は、CPU51の実行プログラム・コードをロードしたり、実行プログラムの作業データを書き込むために使用される書き込み可能な揮発性メモリであり、通常は複数個のDRAM(Dynamic RAM)チップで構成される。また、ROM(Read Only Memory)53は、制御装置14の電源投入時に実行する自己診断プログラム(POST)や、ハードウェア操作用の基本入出力システム(BIOS)を恒久的に格納する読み出し専用メモリである。ROM53は、例えば電気的な消去及び再書き込み動作が可能なEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)で構成されていてもよい。
【0095】
CPU51は、バス65を介して装置14内の各部と相互接続されている。バス65は、アドレス・バス、データ・バス、コントロール・バスなどを含んだ共通信号伝送路であり、例えばPCI(Peripheral Component Interconnect)バスがこれに相当する。
【0096】
ディスプレイ・インターフェース54は、CPU51からの描画命令に従って表示装置11の画面表示を制御するインターフェース・コントローラであり、描画情報を一時格納するためのフレーム・メモリ(図示しない)を備えている。なお、本発明を好適に具現するためには、ディスプレイ・インターフェース54は、VGA(Video Graphics Array)以上のビットマップ描画能力(例えば、SVGA(Super video Graphics Array)やXGA(eXtended Graphics Array))を有することが好ましい。
【0097】
ハード・ディスク・ドライブ(HDD)55は、プログラムやデータなどを所定フォーマットのファイル形式で蓄積するための外部記憶装置であり、数十GB程度又はそれ以上の記憶容量を持つ。本実施例では、ハード・ディスク・ドライブ55は、スプール、すなわち受信したジョブを一時的に蓄積するためにも使用される。
【0098】
HDD55は、ハード・ディスク・インターフェース56を介してバス65に接続されている。ハード・ディスク・ドライブをコンピュータ・システム14に接続するインターフェース規格は、例えばIDE(Integrated Drive Electronics)である。
【0099】
キーボード/マウス・コントローラ(KMC)57は、キーボード72からのキー入力やマウス73などのポインティング・デバイスからの座標指示入力などのユーザ入力を処理するための専用コントローラである。
【0100】
本実施例では、マウス73以外のポインティング・デバイスとして、タッチパネル71を備えている。このタッチパネル71は表示装置11の表示画面上に貼設されており、ユーザは、表示画面上に提供されたGUI形式の操作画面を目で追いながら直感的にコマンド入力することができる。タッチパネル71は、シリアル入出力インターフェース63経由で制御装置14に装着されている。
【0101】
既に述べたように、本実施例に係る情報記録システム100は、課金や料金支払いの受付などの処理を行う課金装置15と、記録手段としての複合機16を備えている。これら課金装置15や複合機16は、RS422インターフェース58を介して、コンピュータ・システム14に接続される。なお、"RS422"は、EIA(Electronic Industries Alliance:米国電子工業会)によって規定されたデータ通信の高速インターフェースの電気的特性に関する規格である。
【0102】
また、情報記録システム100は、記録サービスを行う情報コンテンツの供給源の1つとして、あるいは、他の記録手段としてのメディア・ボックス12(前述)を備えている。本実施例では、メディア・ボックス12は、CD−ROM(CD−R)ドライブ81、MO(Magneto Optical disc)ドライブ82、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ83のような、可搬型記録メディアを装填してデータの記録及び/又は再生を行う1以上のメディア・ドライブ・ユニットで構成される。SCSI(Small Computer System Interface)インターフェース59は、この種の複数のメディア・ドライブ81,82…をデイジー・チェーン方式で接続することができる。
【0103】
可搬型記録メディアを媒介として配布された情報コンテンツを記録サービスするとき、メディアから読み出された情報コンテンツはカプセル化されて(図2を参照のこと)、ジョブとしてHDD55にスプールされる。
【0104】
ネットワーク・インターフェース・カード(NIC)60は、コンピュータ・システム14を、外部のネットワークに接続するための装置である。図4に示す例では、NIC60は、制御装置14をある1つのLAN(Local Area Network)セグメントに接続している。このLANセグメント上では、制御装置14はプリント・サーバとして稼動することができる。但し、前述したように、複合機16も、自らNICを装備することによって、LANセグメントに直接接続することもできる。後者の場合、複合機16は、PDLやPDFのような印刷可能フォーマットのドキュメントを、制御装置14の介在なしにLAN経由で受信してそのまま印刷出力することができる。
【0105】
また、LANセグメント上のホスト装置の1つはルータであり、このルータ経由でインターネットにも接続されている。
【0106】
LAN及びインターネット上には、複数のホスト装置が散在している。ホスト装置の一部は、情報コンテンツを有償又は無償で公開するWebサーバ200である。インターネット上の情報コンテンツの各々はURLで指定可能であり、HTTPプロトコルに従ってアクセス可能である。なお、Webサーバ200は、提供する情報コンテンツを自らのローカル・ディスクに蓄積する必要は必ずしもなく、ネットワーク上の他のサーバ(コンテンツ・サーバ)から適宜取り出した情報コンテンツの提供を行ってもよい。
【0107】
Webサーバ200は、カプセル化して情報コンテンツを記録サービス・システム100に転送する(図2を参照のこと)。制御装置14は、受信した情報コンテンツを、ジョブとしてHDD55内にスプールする。
【0108】
また、他のホスト装置500A,500B…は、クライアントとして動作する。これらクライアント500A…は、例えばWebクライアントとして、Webサーバ200に対してHTML(Hyper Text Markup Language)コンテンツその他の情報コンテンツの提供を要求する。また、クライアント500A…は、制御装置14に対してドキュメントなどのプリント・ジョブを発行する。この場合、クライアント500…は、カプセル化して情報コンテンツを記録サービス・システム100に転送する(図2を参照のこと)。また、これらホスト装置500A,500B…は、他人宛てにプリント・ジョブを発行することができる。プリント・ジョブにはメッセージを添付することができるが、その詳細は後述に譲る。制御装置14は、受信したプリント・ジョブをHDD55内にスプールする。
【0109】
モデム61は、アナログ電話回線上の伝送データを変復調するための装置であり、公衆電話回線を介してファクシミリ装置300と交換接続が可能である。制御装置14は、受信したファクシミリ・データを、ジョブとしてHDD55内にスプールする。
【0110】
拡張装置インターフェース62は、ユーザ情報入力装置としてのICカード・リーダをコンピュータ・システム14に接続するための装置である。ICカード・リーダが取得したユーザ情報は、CPU51に転送されて、ユーザ認証処理やスプールされたジョブのフィルタリングに用いられる。ユーザ認証処理には、例えばDDSA(前述)を適用することができる。
【0111】
また、図5には、課金装置15の内部構成を模式的に示している。課金装置15は、ユーザに対する課金や支払われた現金の貯蔵などを扱う装置であり、「コインキット」又は「ディスペンサ」とも呼ばれる。同図に示すように、課金装置15は、RS422インターフェース58(前述)経由で制御装置14と相互接続している。
【0112】
料金演算部32は、プリント・サービスのページ単価など、本記録サービスに関する料金体系を保持している。そして、情報コンテンツの利用料金やページ数、ページカラー情報を取得すると、情報利用料とプリント・サービス料などからなる合計料金を算出し、算出された料金を表示部31と料金支払い管理部38に出力する。
【0113】
表示部31は、ユーザに対して料金の提示を行なう装置であり、例えばLEDなどの表示パネルで構成される。あるいは、料金を可視的に表示する以外に、音声出力によりユーザに料金の通知を行ってもよい。あるいは、勘定書など所定フォームの印刷用紙に料金を印刷出力してもよい。
【0114】
ユーザは、課された料金に対して、例えばコインや紙幣などの現金を現金投入部35に投入して、料金の支払いを行ってもよい。この場合、現金計数部36は、投入された金額をカウントして、総投入金額を料金支払い管理部38に出力するとともに、投入された現金を現金貯蔵部37に貯める。
【0115】
あるいは、ユーザは、プリペイド・カードによる決済、クレジット・カードによる銀行口座からの引き落とし、デビット・カードによる銀行口座からの即時決済など他の形式で、信用に基づいて料金を支払うことができる。プリペイド・カードを用いる場合、プリペイド・カード・リーダ34にカードを挿入し、また、クレジット・カードやデビット・カードを用いる場合は、クレジット/デビット・カード・リーダ33にカードを挿入する。プリペイド・カード・リーダ34及びクレジット/デビット・カード・リーダ33は、各カードによる料金支払い情報を、料金支払い管理部38に通知する。
【0116】
料金支払い管理部38は、料金演算部32により算出された課金情報や、現金投入部35やカード・リーダ33/34による料金支払い情報を、ユーザ毎に管理することができる。各ユーザ毎の料金支払い情報は、RS422インターフェース58経由で制御装置14に伝達される。
【0117】
なお、料金演算部32と料金支払い管理部38のような複雑な演算は、必ずしも課金装置15に配設される必要はなく、制御装置14内の計算機資源、すなわちCPU51の演算処理能力を利用することによって同等の機能を提供することができる。また、表示部31も、必ずしも課金装置15が備える必要はなく、表示装置12のGUI画面を用いて料金を表示することができる。このような場合、表示部31は、単に投入金額をデジタル表示するだけでも充分である。
【0118】
図6には、本実施例に係る情報記録システム100が、ネットワーク上でプリント・サーバとして稼動する場合における印刷処理の概略を示している。同図に示す例では、ネットワーク上には複数のクライアントが散在し、サーバとしての情報記録システム100は各クライアントからプリント・ジョブを受け取ることができる。
【0119】
ここで言うクライアントは、図1で示したホスト装置500などのPCに相当する。クライアントは、アプリケーションと、印刷制御部と、プリンタ接続制御部で構成される。
【0120】
アプリケーションは、例えば米マイクロソフト社の"Word"のような文書作成ツールであり、特に、文書の印刷を指示する印刷機能を備えていることが好ましい。
【0121】
印刷制御部は、アプリケーションから送られてくる印刷文書をプリンタ(この場合は情報記録システム100内の複合機16に相当する)が解釈可能なフォーマットに変換して、プリンタ接続部に渡してプリント・ジョブを発行する。
【0122】
印刷制御部は、例えば、GDI(Graphics Display Interface)と、プリンタ・ドライバと、スプーラの組み合わせで構成される。すなわち、アプリケーションが発行する「文字を描く」、「直線を引く」などの抽象的なGDIコマンドが、プリンタ・ドライバによってプリンタの制御コマンドに変換され、スプーラで一旦保持された後に、プリンタ側に送信される。
【0123】
本実施例に係る印刷制御部は、アプリケーションからの印刷指示に応答して、ユーザに対して「印刷ダイアログ」なる対話画面(図6には図示しない)を表示する。これに対し、ユーザは、該ダイアログ中のプリンタ名の欄で情報記録システム100を選択してOKボタンをクリックすることにより、ジョブ発行先を情報記録システム100に指定することができる。情報記録システム100は、各クライアントから要求されたプリント・ジョブに対して、他人にジョブの内容が漏れたり無断使用されない「セキュア・プリント」機能を提供することができる。なお、クライアントによるプリンタの指定操作については後に詳解する。
【0124】
プリンタ接続制御部は、例えばポート・モニタのような、印刷制御部の構成要素の1つであり、プリンタの接続に関する制御を行う。接続先はURL(Uniform Resource Locator)のような資源識別子で指定することができる。
【0125】
情報記録システム100のようなセキュア・プリント機能をサポートするプリンタが指定されたときには、プリンタ接続制御部は、「セキュア・プリント」用のダイアログ(図6には図示しない)を画面表示する。ユーザは、このセキュア・プリント用ダイアログ上において、証明書選択やメッセージ指定などのセキュア・プリントに関する各種設定を行うことができる。また、該ダイアログ上での設定に従って、印刷文書がカプセル化される。プリンタ接続制御部は、このカプセル化されたファイルを接続先である情報記録システム100に送信する。
【0126】
他方の情報記録システム100は、印刷ジョブ受信部と、印刷ジョブ管理部と、GUIとで構成される。
【0127】
印刷ジョブ受信部は、各クライアントからネットワーク経由でプリント・ジョブを受信すると、これらを印刷ジョブ管理部に登録する。
【0128】
印刷ジョブ管理部は、受信した各プリント・ジョブを蓄積し、各ジョブに対してジョブIDのような識別情報を割り当てて、ジョブやこれに付随するメッセージなどの情報を一元的に管理する。
【0129】
GUIは、ユーザに対して蓄積中のプリント・ジョブのリストを一覧表示する。この際、ジョブ・リストの表示は、ユーザが認証に成功した場合に限定するとともに、蓄積中のジョブをユーザ情報でフィルタリングして一覧表示することにより、ジョブの内容が他人に漏れることがない「セキュア・プリント」機能を提供することができる。ユーザは、このようなジョブ一覧表示画面を見て、必要なジョブを的確に選択することができる。また、GUIは、指定されたジョブに関するメッセージなどの情報をジョブ管理部から取得して表示するようになっている。情報記録システム100におけるGUIの構成や動作特性については後に詳解する。
【0130】
図7には、ネットワークを介したプリント・ジョブの流れを模式的に示している。
【0131】
各ユーザA,B…がクライアント上で発行したプリント・ジョブは、自身のユーザ情報とともにカプセル化された形式で、情報記録システム100に送信される。クライアント・マシンは通常、ユーザの自宅など、情報記録システム100から隔たった場所に設置されている。
【0132】
情報記録システム100側では、複数のユーザA,B…から受信した多数のプリント・ジョブを蓄積することができる。
【0133】
ユーザは、都合のよい時間に情報記録システム100の設置場所まで出向き、自分のユーザ情報を入力してユーザ認証を行う。ユーザ認証には、ユーザ情報を担持したICカードなどを利用することができる。
【0134】
情報記録システム100は、ユーザ認証に成功すると、そのユーザ情報を用いて蓄積中のプリント・ジョブをフィルタリングする。そして、認証したユーザに該当するジョブのみをGUI画面に一覧表示する。ユーザは、このような一覧表示画面を見て、所望のジョブを的確に選択することができる。
【0135】
情報記録システム100は、選択されたジョブを印刷出力などの記録サービスの対価に相当する料金を計算して、ユーザに対して課金する。
【0136】
そして、課金処理が完了すると、情報記録システム100は、選択されたジョブをプリンタ(本実施例では複合機16)に転送して、印刷出力を実行する。
【0137】
図8には、あるクライアント側によるプリント・ジョブの発行から情報記録システム100上でのジョブ実行に至るまでの処理手順を、フローチャートの形式で概略的に示している。以下、このフローチャートの各ステップについて説明する。
【0138】
ユーザは、自宅のPC端末500などを介して、情報記録システム100に対して1以上のプリント・ジョブを発行し(ステップS1)、情報記録システム100は各ジョブを蓄積しておく(ステップS2)。
【0139】
ユーザは、自分の都合のよい時間に、ジョブ発行先である情報記録システム100が設置された店舗などを訪れ、ジョブの実行を要求することができる。これに対し、情報記録システム100はユーザに対して認証処理を要求する(ステップS3)。すなわち、ユーザ情報入力装置にICカードなどを介してユーザ情報が入力され、且つ、その認証に成功すると、スプール内のプリント・ジョブをユーザ情報でフィルタリングして、当該ユーザに対応するプリント・ジョブを抽出する(ステップS4)。前述したように、情報記録システム100が受信するファイルはユーザ情報を付加したカプセル形式なので、カプセルを開いてユーザ情報を取り出すことによってフィルタリングを行うことができる。
【0140】
フィルタリングにより抽出された各プリント・ジョブは、GUI画面上で一覧表示される(ステップS5)。例えば、各ジョブをサムネイルなどを用いてアイコン化して表示してもよい。ユーザは、キーボード、あるいはマウスやタッチパネルのような座標指示装置を用いて、実際にプリント・アウトしたいプリント・ジョブを対話式で選択することができる(ステップS6)。
【0141】
図11には、ジョブ・フィルタリング後に、情報記録システム100のGUI画面に表示されるジョブ一覧表示ウィンドウの一例を模式的に示している。同図に示すように、該ウィンドウ内には、認証済みのユーザに属するジョブのみが、チェック・ボックスとともにリストアップされている。
【0142】
チェック・ボックスのチェックは該当するジョブの印刷出力を指定していることを意味する。ジョブ・フィルタリング直後では、図示の通り、すべてのチェック・ボックスがチェックされているようにデフォルト値が設定されている。したがって、ユーザがすべてのジョブの印刷出力を希望又は予定している場合には、ユーザは該ウィンドウ上で「OK」ボタンをクリックするだけでよく、GUI操作が簡素化される。また、そもそもユーザは印刷出力することを前提して情報記録システム100にプリント・ジョブを送信するので、このようなデフォルト値の設定は、ほとんどのユーザの意に反しないものと思料する。
【0143】
なお、各ジョブの表示は、図11に示すようにテキスト形式のジョブ名(例えばドキュメント名など)の表示であっても、あるいはアイコン又はサムネイルを用いた表示であってもよい。
【0144】
また、図12には、ジョブ・フィルタリング後に情報記録システム100のGUI画面に表示されるジョブ一覧表示ウィンドウの他の例を模式的に示している。同図は、図11の場合と相違し、メッセージが添付されているジョブに対して「コメントあり」ボタンを用意するようになっている。ユーザがこのボタンをクリックすると、該当するメッセージが印刷ジョブ管理部から取り出され、メッセージ表示ウィンドウ(後述)がポップアップするようになっている。
【0145】
再び図8に戻って説明する。課金装置15は、プリント・ジョブの選択に応じて、プリント・サービスの対価としての料金を演算し、その演算結果をユーザに提示する(ステップS7)。ここで言う提示は、例えば、LEDパネルを用いた料金のデジタル表示や、コンピュータ(GUI:Graphical User Interface)画面上でのダイアログ表示、あるいは音声出力による教示であってもよい。あるいは課金額を所定フォームの印刷用紙(例えば勘定書など)に印刷出力してもよい。
【0146】
ユーザは、課金装置15に対して直接料金の支払いを行うことができる。上述したように、課金装置15は、コインや紙幣などの現金の投入の他に、プリペイド・カードによる決済、クレジット・カードによる銀行口座からの引き落とし、デビット・カードによる銀行口座からの即時決済など、様々な料金支払い形態をサポートしていてもよい。あるいは、ユーザは、課金装置15において印刷出力された勘定書に従い、同一店舗内のレジ(POS端末)にて料金を精算してもよい(ステップS8)。
【0147】
課金が決済されるか、又は、課金相当額の料金の支払いが確定すると、選択されたプリント・ジョブのプリント・アウトが実行される(ステップS9)。また、ユーザが支払った料金が不足する場合には、支払い料金に相当する分だけのプリント・アウトにとどめてもよい。
【0148】
なお、情報記録システム100による「記録」は、基本的には印刷用紙上へのプリント・アウトであるが、それ以外の記録形態であってもよい。例えば、CD−R(Compact Disc-Recordable)やMO(Magneto Optical disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型記憶メディア、あるいは要求元ホスト装置のハード・ディスクなどにデジタル情報すなわちコンピュータ可読データとして書き込みを行うような記録の形態であってもよい。
【0149】
図9には、クライアントすなわちホスト装置500上においてユーザがプリント・ジョブを発行するための処理手順をフローチャートの形式で示している。該処理手順は、図8のステップS1をさらにブレイク・ダウンしたものに相当する。以下、このフローチャートの各ステップについて説明する。
【0150】
アプリケーションから印刷指示が発行されたことに応答して(ステップS11)、印刷制御部は「印刷ダイアログ」(図示しない)を画面上に表示する(ステップS12)。
【0151】
ユーザは、印刷ダイアログ上で所望のプリンタを選択するとともに、各種の設定を行うことができる(ステップS13)。以下では、プリンタとして、セキュア・プリント機能をサポートする情報記録システム100が指定されているものとして説明する。
【0152】
なお、プリンタに対する設定項目としては、以下のようなものが挙げられる。すなわち、
【0153】
【数1】
● カラー/モノクロ印刷
● 用紙サイズ
● 用紙方向
● 用紙種類(紙質)、又は記録メディアの指定
● 印刷部数
● 片面/両面印刷
● フィニッシャの指定(ステープル、パンチなど)
【0154】
この印刷ダイアログ上で「キャンセル」ボタンをクリックすると、該ダイアログがクローズし、本処理ルーチン全体が中止となる。これに対し、該ダイアログ上で「OK」ボタンをクリックすると、次ステップに進行する(ステップS14)。
【0155】
次ステップS15では、プリンタ接続制御部が「セキュア・プリント用ダイアログ」を表示し、ユーザは該ダイアログ上で各種設定を実施することができる。ここで言う設定項目には、例えば使用する公開鍵/***/の選択などセキュリティに関する項目が含まれる。
【0156】
このセキュア・プリント用ダイアログ上で「キャンセル」ボタンをクリックすると、該ダイアログがクローズするとともに、ステップS13に戻ってプリンタの指定からやり直す。これに対し、該ダイアログ上で「OK」ボタンをクリックすると、次ステップに進行する(ステップS17)。
【0157】
続くステップS18では、メッセージを付けるか否かを判断する。
【0158】
図10には、プリント・ジョブ発行時にユーザに提示されるダイアログの一例を示している。該ダイアログ・ボックスは、ジョブ送信先となるプリンタを指定するためのプリンタ指定領域と、各種項目の設定を行う項目設定領域と、メッセージ文を入力するためのコメント入力領域を含んでいる。
【0159】
プリンタ指定領域には、あらかじめプリンタ接続制御部に登録されたプリンタ名がラジオ・ボタンとともにリストアップされ、所望のプリンタのラジオ・ボタンをクリックすることにより1つのプリンタが排他的に指定される。
【0160】
また、コメント入力領域には、メッセージすなわちコメントをジョブに付けるか否かを指定するためのチェック・ボックス「コメントを付ける」と、メッセージ本文をキー入力するためのテキスト入力領域が用意されている。
【0161】
メッセージを付けない、すなわちコメント入力領域のチェック・ボックスがチェックされていない場合には、そのまま次ステップS19に進む。これに対し、該チェック・ボックスがチェックされている場合には、ステップS22にジャンプして、ユーザはテキスト入力領域にメッセージ本文をキー入力する。メッセージには、例えば他人宛てにジョブを送信する場合に送信の目的や理由を書き込むことができる。勿論、これ以外の用途にメッセージを利用してもよいし、自分宛てのジョブにメッセージを添付することもできる。
【0162】
このダイアログ上で「キャンセル」ボタンをクリックすると、メッセージ添付不要と判断して、該ダイアログがクローズするとともに、ステップS16に戻って、セキュア・プリント用ダイアログ上での設定を再び行う。また、該ダイアログ上で「OK」ボタンをクリックすると、ステップS19に進行する(ステップS23)。
【0163】
ステップS19では、印刷制御部が、アプリケーションから渡された印刷文書を、指定したプリンタが解釈可能な形式のデータに変換する。
【0164】
次いで、印刷制御部が、プリンタ解釈可能形式に変換された文書ファイルと、先行ステップにおいて設定された設定情報やユーザ情報などとともにカプセル化する(ステップS20)。カプセル化ファイルのデータ構造は図2を参照しながら既に説明した通りである。なお、メッセージは、送信先のプリンタにおいてユーザ認証処理の前に見る必要があることから、カプセルの外に置くことが好ましい。
【0165】
次いで、印刷制御部は、接続先に指定されたプリンタ(本実施例では情報記録システム100)に対して、カプセル化されたファイルを送信することで、プリント・ジョブを発行する(ステップS21)。
【0166】
図13には、情報記録システム100上でプリント・ジョブをGUI画面上に一覧表示するための処理手順をフローチャートの形式で示している。該処理手順は、図8のステップS5をさらにブレイク・ダウンしたものに相当する。以下、このフローチャートの各ステップについて説明する。
【0167】
ユーザ認証により得たユーザ情報に従い、ジョブ・フィルタリングを終えた後、まず、プリンタに電源が投入されているか否かを判断する(ステップS31)。本実施例では、プリンタは例えば複合機16に相当する。電源が未投入の場合には、出力不能である旨のメッセージ又は警告をGUI画面上に表示する(ステップS32)。
【0168】
次いで、印字処理そのものを不能にするような消耗品不足があるか否かを判断する(ステップS33)。例えば印刷用紙や記録メディアが装填されていない場合や、すべての色のトナーが不足している(若しくは、プロセス・カートリッジが寿命に到達している)場合には、印字動作が不能になる。このような場合には、消耗品交換のメッセージをGUI画面上に表示する(ステップS34)。
【0169】
次いで、それ以外の(印字処理自体は実行可能な)消耗品不足があるか否かを判断する(ステップS35)。例えば、カラー印刷指定時でカラー・トナーは消耗しているが黒トナーは未だ残っている場合や、指定されたサイズ以外の用紙が未だ残っている(又は指定された以外の記録メディアが未だ残っている)場合などがこれに相当する。
【0170】
判断ブロックS35の結果が肯定的な場合には、さらに消耗品不足がジョブ実行に影響があるか否かを判断する(ステップS36)。ジョブ実行に影響しない場合には、すべてのジョブをデフォルト値すなわち選択状態に設定して、ジョブ一覧表示ウィンドウをオープンする。
【0171】
消耗品不足がジョブ実行に影響するジョブがある場合には、ジョブに関する属性すなわち各種設定内容を変更することが可能か否かを判断する(ステップS39)。より具体的には、変更可能な属性があるか否かを、GUI画面上でユーザに問い合わせる。ジョブの属性変更が効かない場合には、消耗品不足により出力不能なジョブを選択解除状態に変更してジョブ一覧表示ウィンドウをオープンする(ステップS40)。このとき、消耗品交換メッセージ又は警告を同時に表示してもよい。
【0172】
判断ブロックS39において、ジョブの属性変更が可能と判断された場合には、変更後の属性がジョブ実行に影響するか否かを判断する(ステップS41)。ジョブ実行に影響がある場合には、ステップS39に戻って、上述と同様の処理を繰り返す。また、ジョブ実行に影響がないと判断された場合には、属性の変更により実行可能になったジョブを選択状態にして、ジョブ一覧表示ウィンドウをオープンする(ステップS42)。
【0173】
他方、判断ブロックS35において、消耗品不足が検出されなかった場合には、すべてのジョブをデフォルト値である選択状態のままにして、ジョブ一覧表示ウィンドウをオープンする(ステップS38)。
【0174】
図14には、情報記録システム100のGUI画面に表示されるジョブ一覧表示ウィンドウの例を模式的に示している。同図に示すGUI画面は、ジョブ名及びチェック・ボックスの他に、各ジョブ毎の属性を示すインジケータをリストアップしている点で、図11及び図12に示した例とは相違する。
【0175】
図14に示す例では、カラー印刷の有無、用紙サイズ、片面/両面印刷の指定の各々をインジケータ表示している。同一覧表示ウィンドウ内では、上から1番目及び4番目のジョブは、デフォルト値の選択状態となり、チェック・ボックスにチェックが記入されている。これに対して、2番目及び3番目のジョブは、トナー不足(イエロー・トナー不足)又は指定サイズの用紙不足(B5サイズなし)のため、選択解除状態に変更され、チェック・ボックスからチェックが外されている。また、選択解除状態のジョブをグレー表示して、選択状態のジョブとのコントラストを与えることにより、選択されていないことをより明確に表現することができる。
【0176】
このように実行に不具合のあるジョブを選択解除状態に自動的に設定変更することにより、ユーザが不本意なジョブ出力を行い、無駄な料金の請求を受けるような不都合を回避することができる。また、ユーザに対して、ジョブ実行環境の適切な変更、用紙や記録メディア、トナーなどの消耗品補充などのメンテナンス作業を促すことができる。
【0177】
また、ジョブ一覧表示ウィンドウの最下段には、消耗品の不足状況を表すメッセージを記してもよい。同画面の例では、「イエロー・トナーがありません」、及び、「B5用紙がありません」という2種類のメッセージが表示されている。
【0178】
なお、5番目のジョブは、初期状態では選択されていたが、ユーザ操作によりチェックが外されているものと理解されたい。
【0179】
図13に示したフローチャートのステップ39において、ユーザが属性を変更することにより、消耗品不足により選択解除されたジョブを選択状態に復帰させることができる。図14に示した例では、2番目のジョブの属性をカラー印刷からモノクロ印刷に切り替えることにより、図15に示すように選択状態に戻される。
【0180】
《注釈》
*:DDSA(デジタル・ドキュメント・セキュリティ・アーキテクチャ)は、"利用権"という概念を取り入れたデジタルコンテンツの流通技術でり、コンテンツをRSAやDSAなどの公開鍵暗号により暗号化して配信し、利用権の購入者として認証された場合にのみデータを復号化する。
DDSAは、基本的には、コンテンツ自体は複製可能な状態で流通させ、これを復号化するための秘密鍵を利用権として販売するという方法を採用する。但し、ユーザが秘密鍵(利用権)を不正に横流しする危険を排除するために、利用権の購入者に発行する「アクセス・チケット」とユーザにあらかじめ配布しておく身分証明書「トークン」からその都度、秘密鍵を生成するようにしている。各アクセス・チケットは特定のトークンだけに対応するとともに、トークンは複製不可能なICカードなどの形態で提供されるので、正規の購入者でなければ復号化に必要な秘密鍵を入手できない仕組みになる。
【0181】
**:PDL(Page Description Language)は、ページ・プリンタに対して印刷イメージを指示するための記述言語である。また、PDF(Portable Document Format)は、米Adobe Systems社が開発したドキュメント・ビューワ"Acrobat"上で表示及び印刷が可能なファイル・フォーマットである。
【0182】
***:公開鍵とは、一方の鍵で暗号化した暗号化情報は他方の鍵でしか復号化できないという性質を持つ2個の鍵の組み合わせて暗号化する方式において、第3者に公開して用いる鍵のことを指す。他方の鍵はユーザ個人が秘密裏に保持する「秘密鍵」として用いる。例えば、公開鍵で暗号化することによって秘密鍵の所有者に秘密文書を安全に送信することができるし、秘密鍵で暗号化した署名を送信することにより、受信者は公開鍵を用いて署名を認証することができる。
【0183】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0184】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、ジョブ発行とは隔たった時間及び場所であっても、セキュリティを維持しながら情報を記録・複製・印刷出力するとともに、記録等のサービスの対価を正確に課金することができる、優れた情報記録サービスを行うシステム及び方法を提供することができる。
【0185】
また、本発明によれば、各ユーザが遠隔地から複数のジョブを発行することができるとともに、短い操作時間で自分のジョブを取捨選択したり、複数のジョブに対する印刷の属性又は実行環境を一括して設定することができる、優れた情報記録サービスを行うシステム及び方法を提供することができる。
【0186】
本発明に係る情報記録システムは、ユーザを認証する認証機能を備えている。情報記録システムに送信された各ユーザ宛てのジョブは、一旦蓄積される。そして、ユーザ認証を通じて特定されたユーザ(又はユーザ・グループ)によってジョブがフィルタリングされ、印刷その他の記録サービスの対象として画面上に一覧表示される。このような一覧表示画面上で、ユーザは実際に記録サービスを要求するジョブをさらに取捨選択することができる。
【0187】
一覧表示画面上では、例えば、各ジョブをそのサムネイルによって表示される。また、一覧表示画面上で選択状態のジョブをハイライト表示するとともに、未選択又は選択解除状態のジョブをグレー表示するなど、コントラストを与えることにより、ユーザは現在の選択状況を一目で把握することができる。
【0188】
また、ジョブ送信先に指定された情報記録システムが持つ環境や記録メディアの装備状況によっては、そもそも実行することができないジョブもある。このようなジョブは、上記の一覧表示画面上では、選択解除状態として表示することにより、ユーザに選択を禁止したり、あるいはジョブ実行環境の変更や記録メディアの補充などの作業を促すことができる。
【0189】
また、本発明に係る情報記録システムに対しては、ユーザ本人がジョブを発行するだけでなく、他人宛てのジョブを送信することができる。さらに、後者の場合には、ジョブを送信する理由などを記述したメッセージを併せて送信することができる。したがって、送信先となるユーザは、メッセージを確認することによって、ジョブの内容を理解したり、ジョブを実際に実行すべきか否かを印刷出力前に判断することができる。
【0190】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に供される情報の記録サービス及び記録サービスに関する料金を請求するシステムの構成を模式的に示した図である。
【図2】カプセル化されたファイルのデータ構造を模式的に示した図である。
【図3】本実施例に係る情報記録システム100の外観構成を模式的に示した図である。
【図4】本実施例に係る情報記録システム100の内部ハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図5】課金装置15の内部構成を模式的に示した図である。
【図6】本実施例に係る情報記録システム100が、ネットワーク上でプリント・サーバとして稼動する場合における印刷処理の概略を示した機能ブロック図である。
【図7】ネットワークを介したプリント・ジョブの流れを模式的に示した図である。
【図8】クライアント側によるプリント・ジョブの発行から情報記録システム100上でのジョブ実行に至るまでの処理手順を概略的に示したフローチャートである。
【図9】クライアントすなわちホスト装置500上においてユーザがプリント・ジョブを発行するための処理手順を示したフローチャートである。
【図10】クライアントすなわちホスト装置500上においてユーザに提示されるセキュア・プリント用ダイアログを描写した図である。
【図11】情報記録システム100におけるGUI画面表示例を示した図である。
【図12】情報記録システム100におけるGUI画面表示例を示した図である。
【図13】情報記録システム100上でプリント・ジョブをGUI画面上に一覧表示するための処理手順を示したフローチャートである。
【図14】情報記録システム100におけるGUI画面表示例を示した図である。
【図15】情報記録システム100におけるGUI画面表示例を示した図である。
【符号の説明】
11…表示装置,12…メディア・ボックス
13…ユーザ情報入力装置,14…制御装置
15…課金装置,16…複合機
31…表示部,32…料金演算部
33…クレジット/デビット・カード・リーダ
34…プリペイド・カード・リーダ
35…現金投入部,36…現金計数部
37…現金貯蔵部,38…料金支払い管理部
51…CPU,52…メイン・メモリ,53…ROM
54…ディスプレイ・インターフェース
55…ハード・ディスク・ドライブ(HDD),56…HDDインターフェース
57…キーボード/マウス・コントローラ
58…RS422インターフェース,59…SCSIインターフェース
60…ネットワーク・インターフェース・カード,61…モデム
62…拡張装置インターフェース,63…シリアル入出力インターフェース
71…タッチパネル,72…キーボード,73…マウス
81…CD−ROMドライブ,82…MOドライブ,83…DVDドライブ
100…情報記録システム
200…ホスト装置(Webサーバ)
300…ファクシミリ装置
500…ホスト装置(クライアント)
Claims (17)
- 通信媒体経由で接続された1以上のホスト装置から各ユーザ宛てに送信される情報を記録する情報記録システムであって、
受信した情報を蓄積する蓄積手段と、
情報を記録する記録手段と、
画面を介して対話入力可能なユーザ・インターフェースと、
ユーザを認証するユーザ認証手段と、
前記記録手段による情報の記録動作を制御する制御手段とを具備し、
前記ホスト装置から送信される情報は、記録手段による記録動作を規定する属性値を含み、
前記制御手段は、前記ユーザ認証手段によるユーザ認証が成功したことに応答して、前記蓄積手段に蓄積された情報のうち前記認証されたユーザ宛てに送信された情報を前記ユーザ・インターフェースの画面上に一覧表示する際に、選択状態と選択解除状態とで前記ユーザ・インターフェース画面上での各情報の表示形態を区別するとともに、蓄積手段から取り出された各情報が持つ属性値と前記記録手段の現在の状態とを比較して、属性値が許容されない情報を選択解除状態に設定し、各情報について記録すべきか否かを取捨選択するユーザ操作を受容し、選択された情報の記録動作を実行せしめる、
ことを特徴とする情報記録システム。 - さらに、前記記録手段による記録処理に応じた料金をユーザに課金する課金手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の情報記録システム。
- 前記制御手段は、蓄積手段から取り出された各情報のデフォルト状態を選択状態に設定することを特徴とする請求項1に記載の情報記録システム。
- 前記制御手段は、前記ユーザ・インターフェースにおける前記一覧表示画面上に各情報が持つ属性値を併せて表示することを特徴とする請求項1に記載の情報記録システム。
- 前記制御手段は、前記ユーザ・インターフェース画面を介した属性値の変更を受容するとともに、変更後の属性値が許容された情報を選択状態に戻すことを特徴とする請求項1に記載の情報記録システム。
- 前記ホスト装置から送信される情報には送信元によるメッセージを添付することができ、
前記制御手段は、前記一覧表示画面上にメッセージの添付の有無を表示することを特徴とする請求項1に記載の情報記録システム。 - 前記制御手段は、前記一覧表示画面上にメッセージを起動するボタンを配設することを特徴とする請求項6に記載の情報記録システム。
- 前記記録手段は、情報を印刷用紙上に可視的に印刷出力するか、又は、情報を記録メディア上にコンピュータ可読形式で記録することを特徴とする請求項1に記載の情報記録システム。
- コンピュータを用いて構築される情報処理システム上で、通信媒体経由で接続された1以上のホスト装置から各ユーザ宛てに送信される情報を記録する情報記録方法であって、
(a)前記コンピュータが備える蓄積手段が、受信した情報を蓄積するステップと、
(b)前記コンピュータが備えるユーザ認証手段が、ユーザを認証するステップと、
(c)前記コンピュータが備える一覧表示手段が、前記ステップ(b)によるユーザ認証 が成功したことに応答して、前記ステップ(a)において蓄積された情報の中から該認証されたユーザ宛てに送信された情報を画面上に一覧表示するステップと、
(d)前記コンピュータが備えるユーザ操作受容手段が、各情報を記録すべきか否かを取捨選択するユーザ操作を受容するステップと、
(e)前記コンピュータが備える記録手段が、該選択された情報を記録するステップと、
を具備し、
前記ホスト装置から送信される情報は、記録手段による記録動作を規定する属性値を含み、
前記の一覧表示するステップ(c)では、前記蓄積手段に蓄積された情報のうち前記認証されたユーザ宛てに送信された情報を前記ユーザ・インターフェースの画面上に一覧表示する際に、選択状態と選択解除状態とで前記ユーザ・インターフェース画面上での各情報の表示形態を区別するとともに、蓄積手段から取り出された各情報が持つ属性値と前記記録手段の現在の状態とを比較して、属性値が許容されない情報を選択解除状態に設定する、
ことを特徴とする情報記録方法。 - さらに、前記ステップ(e)における記録処理に応じた料金をユーザに課金するステップを具備することを特徴とする請求項9に記載の情報記録方法。
- 前記ステップ(c)では、取り出された各情報のデフォルト状態を選択状態に設定することを特徴とする請求項9に記載の情報記録方法。
- 前記ステップ(c)では、前記一覧表示画面上に各情報が持つ属性値を併せて表示することを特徴とする請求項9に記載の情報記録方法。
- 前記ステップ(c)では、属性値の変更を受容するとともに、変更後の属性値が許容された情報を選択状態に戻すことを特徴とする請求項9に記載の情報記録方法。
- 前記ホスト装置から送信される情報には送信元によるメッセージを添付することができ、
前記ステップ(c)では、前記一覧表示画面上にメッセージの添付の有無を表示することを特徴とする請求項9に記載の情報記録方法。 - 前記ステップ(c)では、前記一覧表示画面上にメッセージを起動するボタンを配設することを特徴とする請求項14に記載の情報記録方法。
- 前記ステップ(e)では、情報を印刷用紙上に可視的に印刷出力するか、又は、情報を記録メディア上にコンピュータ可読形式で記録することを特徴とする請求項9に記載の情報記録方法。
- 通信媒体経由で接続された1以上のホスト装置から各ユーザ宛てに送信される情報を記録するための処理をコンピュータ上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、前記コンピュータを、
受信した情報を蓄積する蓄積手段と、
情報を記録する記録手段と、
画面を介して対話入力可能なユーザ・インターフェースと、
ユーザを認証するユーザ認証手段と、
前記記録手段による情報の記録動作を制御する制御手段と、
として機能させ、
前記ホスト装置から送信される情報は、記録手段による記録動作を規定する属性値を含 み、
前記制御手段は、前記ユーザ認証手段によるユーザ認証が成功したことに応答して、前記蓄積手段に蓄積された情報のうち前記認証されたユーザ宛てに送信された情報を前記ユーザ・インターフェースの画面上に一覧表示する際に、選択状態と選択解除状態とで前記ユーザ・インターフェース画面上での各情報の表示形態を区別するとともに、蓄積手段から取り出された各情報が持つ属性値と前記記録手段の現在の状態とを比較して、属性値が許容されない情報を選択解除状態に設定し、各情報について記録すべきか否かを取捨選択するユーザ操作を受容し、選択された情報の記録動作を実行せしめる、
ことを特徴とするコンピュータ・プログラム。
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