JP4070513B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、陸部にサイプが備えられた空気入りタイヤに関し、サイプ端部のクラック及び偏摩耗の防止に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤにおいて、性能向上のため、ブロックやリブなどの陸部にサイプが設けられることがある。サイプの端部は、陸部縁部で陸部を形成する溝に開口して終端する端部(開口端)、又は、陸部内部で閉塞して終端する端部(閉塞端)のいずれかである。両端が開口端であるサイプが多いと、陸部の剛性が必要以上に低下する。そのため、サイプの全部又は一部は、少なくとも一端が閉塞端であるサイプとすることが多い。
【0003】
サイプの閉塞端においては、路面と陸部の摩擦による応力により、閉塞端を広げようとする力が働き、クラックが発生するおそれがある。そのため、サイプの厚さを越える丸みなどの膨大部をサイプ閉塞端に連ねて終端させる構造が採られていた。かかる膨大部により、応力集中が緩和され、クラックを防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、膨大部が小さいとクラック防止効果が低いため、膨大部を大きくする必要がある。それに伴ない、陸部において膨大部が占める割合が大きくなる。その結果、サイプ間の領域が狭くなり、当該領域の強度が低下し、当該領域が欠け落ちたり、ちぎれたりするおそれがあった。
【0005】
たとえ、膨大部を設けたとしても、閉塞端への応力集中により、外力に対する追従性が悪くなる。その結果、摩擦エネルギーが増大するので、摩耗量が増大し、偏摩耗が発生することもあった。
【0006】
本発明の目的は、サイプ閉塞端にかかる応力を緩和し、クラックの発生を防止すると共に、サイプ端部近傍の動きを容易とし、外力に対する追従性を高め偏摩耗を防止することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、本発明は、トレッド表面に刻まれた溝で形成された陸部を有し、前記陸部に、少なくとも一端が前記陸部内部で終端するサイプが備えられた空気入りタイヤにおいて、
前記サイプの陸部内部で終端する端部から離間して小孔が設けられ、前記小孔の大きさが前記サイプの幅の1〜5倍である空気入りタイヤを採用した。
【0008】
サイプ閉塞端から離間して設けられた小孔が、サイプ閉塞端にかかる応力を緩和し、繰り返し応力にする疲労寿命を長くする。これは、外力により小孔も変形し、しかもサイプ閉塞端から離間しているため、サイプ閉塞端周辺の応力分布が変化し、結果的にサイプ閉塞端にかかる応力が小さくなるためと考えられる。
【0009】
小孔の形状は、円形のほか、楕円、四角形などの多角形などでもよいが、クラック防止の観点から、円形や楕円が好ましい。小孔の大きさは、サイプの幅の1〜5倍が好ましい。小孔が小さいと、小孔の製作が困難であり、応力緩和の効果が低く、小孔が大きいと、小孔が占める割合が高くなり、陸部の剛性が低下するおそれもあるためである。なお、小孔の大きさは、円形であれば、直径であり、他の形状であれば、最も広い間隔である。
【0010】
サイプ閉塞端からの小孔までの最短離間距離は、1〜5mmが好ましい。1mm未満であると、間隔が狭いため、欠落やちぎれなどが発生するおそれがある。また、5mmを越えると、サイプ閉塞端の応力分布の変化が小さく、また、小孔が占める割合が高くなり、陸部の剛性が低下するおそれもある。なお、小孔はサイプの延長線上に設けることが好ましい。
【0011】
さらに、小孔の大きさを1〜4mmとすることもできる。小孔の大きさが1mm未満であると、小孔の製作が困難であり、応力緩和の効果が低い。小孔の大きさが4mmを越えると、小孔が占める割合が高くなり、陸部の剛性が低下するおそれもあるからである。なお、小孔の大きさは、2mm前後がより好ましい。
【0012】
前記サイプが、一端が陸部縁部で開口し、かつ、他端が陸部内部で終端するサイプであり、前記小孔が前記サイプの延長線上に設けられた空気入りタイヤとすることもできる。
【0013】
一端が陸部縁部で開口し、かつ、他端が陸部内部で終端するサイプでは、リバーウェアと呼ばれる偏摩耗が問題となる。小孔により、サイプ閉塞端におけるタイヤ周方向の変形が容易となるので、外力に対する追従性が良好となる。その結果、摩擦エネルギーが減少するので、摩耗量が減少し、偏摩耗を抑制することができる。
【0014】
前記小孔の深さが、前記サイプの深さの0.5倍以上である空気入りタイヤとすることもできる。
【0015】
応力は深さ方向内部でも発生するので、小孔の深さが浅いと、応力緩和の効果が低くなる。そのため、小孔の深さは、サイプの深さの0.5倍以上あることが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る空気入りタイヤの一実施形態を、図面を用いて説明する。図1はパターン概略展開図である。周方向溝1は、タイヤ回転方向Rに連なる溝である。横溝2は、周方向溝1を相互に連通する実質的にタイヤ幅方向に連なる溝である。そして、周方向溝1、横溝2により陸部であるリブ3及びブロック4が形成されている。
【0017】
サイプ5は、一端がリブ3又はブロック4の縁部で開口し、他端がリブ3又はブロック4の内部で閉塞して終端したサイプである。サイプ6は、両端がブロック4の内部で終端したサイプである。サイプ5、6の閉塞端5a、6aから離間して、サイプ5、6の延長線上に円形である小孔7が設けられている。
【0018】
図2(a)は、図1に示したA−A’線断面図である。図において、サイプ5の閉塞端5aよりDsだけ離間して、サイプ5の延長線上に小孔7が配置されている。同様に、図2(b)は、図1に示したB−B’線断面図であり、サイプ6の閉塞端6aよりDsだけ離間して、サイプ6の延長線上に小孔7が配置されている。いずれの場合においても、離間距離Dsは1〜5mmが好ましく、小孔7の大きさDhは、1〜4mmが好ましく、2mm前後がより好ましい。
【0019】
サイプ閉塞端5aにおいて、外力に対して変形が容易でないことにより応力が発生し、応力が繰り返されることにより、クラックが発生すると考えられる。しかし、本発明においては、サイプ閉塞端5aの近傍にある小孔7も外力により変形する。そして、小孔7の変形により、サイプ閉塞端5aの変形が容易となるので、サイプ閉塞端5aにかかる応力が緩和されたり、応力分布が変化したりする。その結果、サイプ閉塞端5aのクラックの防止が可能となる。サイプ閉塞端6aにおいても、同様の作用効果が生じる。
【0020】
本発明は、クラック防止のみならず、偏摩耗(リバーウェア)防止の効果もある。一般に、一端が開口端で、他端が閉塞端であるサイプにおいては、開口端付近は、外力に対する追従性が高く変形しやすいが、閉塞端に近いほど、外力に対する追従性が低くなり、あまり変形しない。そのため、閉塞端付近の摩擦エネルギーは、他の部分より大きくなるので、摩耗量が増大し、偏摩耗が発生する。
【0021】
本発明においては、サイプ閉塞端5a、6aから離間して設けられた小孔7が外力により変形すると共に、サイプ閉塞端5a、6a近傍の変形も容易となる。特に、サイプ5のように、サイプの方向がタイヤ回転軸方向である場合、タイヤの転動による周方向の外力が絶えず加わっても、サイプ閉塞端5aの外力に対する追従性が良くなるので、変形しやすくなり、偏摩耗が防止できる。
【0022】
応力は、トレッド表面だけでなく深さ方向内部でも発生する。したがって、小孔の深さが浅いと、応力緩和の効果が低くなり、上述した効果を十分得ることができないことがある。そのため、図2に示すように、小孔の深さdhは、サイプの深さdsの0.5倍以上あることが好ましい。
【0023】
なお、一例として、小孔7が円形であるとして説明をしたが、他の形状、例えば、楕円、四角形や六角形などの多角形であっても構わない。
【0024】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の空気入りタイヤにおいて、サイプ閉塞端から離間して小孔を設けたことにより、サイプ閉塞端近傍の応力集中を緩和できる。その結果、サイプ閉塞端のクラックを防止でき、偏摩耗を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空気入りタイヤのパターン概略展開図である。
【図2】本発明に係る空気入りタイヤのサイプ及び小孔の断面図で、(a)はA−A’断面図、(b)はB−B’断面図である。
【符号の説明】
1 周方向溝
2 横溝
3 リブ
4 ブロック
5、6 サイプ
7 小孔
Claims (4)
- トレッド表面に刻まれた溝で形成された陸部を有し、前記陸部に、少なくとも一端が前記陸部内部で終端するサイプが備えられた空気入りタイヤにおいて、
前記サイプの陸部内部で終端する端部から離間して小孔が設けられ、前記小孔の大きさが前記サイプの幅の1〜5倍であって、前記サイプが、一端が陸部縁部で開口し、かつ、他端が陸部内部で終端するサイプであり、前記小孔が前記サイプの延長線上に設けられた空気入りタイヤ。 - 前記サイプの陸部内部で終端する端部から前記小孔までの離間距離が1〜5mmである請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記小孔の大きさが1〜4mmである請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記小孔の深さが、前記サイプの深さの0.5倍以上である請求項1乃至3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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