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JP4068215B2 - 昇圧回路 - Google Patents

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JP4068215B2
JP4068215B2 JP13250498A JP13250498A JP4068215B2 JP 4068215 B2 JP4068215 B2 JP 4068215B2 JP 13250498 A JP13250498 A JP 13250498A JP 13250498 A JP13250498 A JP 13250498A JP 4068215 B2 JP4068215 B2 JP 4068215B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は昇圧回路に関し、例えば、ダイナミック型RAM(ランダムアクセスメモリ)等に搭載されワード線選択電位を生成するVPP発生回路ならびにその供給効率及び信頼性の向上に利用して特に有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
直交して配置される複数のワード線及びビット線と、情報蓄積キャパシタ及びアドレス選択MOSFET(金属酸化物半導体型電界効果トランジスタ。この明細書では、MOSFETをして絶縁ゲート型電界効果トランジスタの総称とする)からなりワード線及びビット線の交点に格子配列される多数のダイナミック型メモリセルとを含むメモリアレイをその基本構成要素とするダイナミック型RAM等のメモリ集積回路装置がある。これらのダイナミック型RAM等では、ワード線の選択電位として、メモリセルに書き込まれる記憶データのハイレベルより少なくともアドレス選択MOSFETのしきい値電圧分以上高い電位の内部電圧VPPを用いることが多く、ダイナミック型RAM等には、外部供給される電源電圧をもとに内部電圧VPPを生成するVPP発生回路が設けられる。
【0003】
一方、近年における半導体集積回路の微細化・高集積化技術の進歩は著しく、ダイナミック型RAM等もその恩恵を受けて大規模化・大容量化され、その動作電源は低電圧化される傾向にある。また、動作電源の低電圧化が進むダイナミック型RAM等において、ワード線選択電位等となる内部電圧VPPを効率よく生成する一つの手段として、例えば電源電圧にプリチャージされた複数のブースト容量を選択的に直列接続し、電源電圧の数倍の電位を有する内部電圧を生成する昇圧回路が、例えば特開平5−189970号等に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明者等は、この発明に先立って、複数のバンクを備え、かつ上記記載の昇圧回路をチャージポンプ回路として含むVPP発生回路を内蔵するダイナミック型RAMを開発しようとして、次のような問題点に気付いた。すなわち、このダイナミック型RAMのVPP発生回路を構成するチャージポンプ回路は、図15に例示されるように、k個の単位昇圧回路UVB1〜UVBkとを含み、これらの単位昇圧回路のそれぞれは、容量Ca〜Cdと、プリチャージ用のNチャンネルMOSFETNa〜Ndと、インバータVb〜Vdとを含む。内部ノードnaが内部ノードnvつまり電圧BよりMOSFETNfのしきい値電圧分だけ高いハイレベルとされ、かつ内部ノードnbが電源電圧VCCのようなハイレベルとされるとき、容量Ca〜Cdの上部電極はほぼ電源電圧VCCにプリチャージされる。そして、内部ノードnaが内部ノードnvよりMOSFETNeのしきい値電圧分だけ低いロウレベルとされ、内部ノードnbが接地電位VSSのようなロウレベルとされると、容量Ca〜Cdは、インバータVb〜VdのPチャンネルMOSFETを介して直列結合され、内部ノードn1kには、
VPP≒(k+1)×VCC
なる高電位の内部電圧VPPが得られる。
【0005】
ところが、上記チャージポンプ回路では、容量Ca〜Cdが直列結合されるとき、インバータVb〜Vdを構成するPチャンネル及びNチャンネルMOSFETのゲート・ドレイン間にほぼ2×VCCないしk×VCCに相当する比較的大きな電圧が印加されるとともに、プリチャージ用のMOSFETNa〜Ndのドレイン・ソース間にもほぼVCC+Vthないしk×VCC+Vthなる比較的大きな電圧が印加される。この結果、ダイナミック型RAMの微細化・高集積化が進むにしたがって、これらのMOSFETが耐圧破壊するおそれがあり、これによってダイナミック型RAMの信頼性が低下する。また、これに対処しようとして、チャージポンプ回路に設けられる単位昇圧回路の段数を減らした場合、内部電圧VPPの供給効率が低下し、ワード線選択電位が不充分となる。
【0006】
この発明の目的は、ダイナミック型RAM等のワード線選択電位を生成するVPP発生回路の供給効率を高め、その信頼性を高めることにある。
【0007】
この発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、この明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次の通りである。すなわち、ダイナミック型RAM等に内蔵されワード線の選択電位を生成するVPP発生回路等の昇圧回路を、その一方の電極が対応するプリチャージMOSFETを介して第1の電位供給点に結合される第1の容量と、その一方の電極が第1のノードに結合されさらに対応するプリチャージMOSFETを介して第1の電位供給点に結合される第2の容量,該第2の容量の他方の電極と第2の電位供給点との間に直列形態に設けられそのゲートに第3の電位を受けるNチャンネル型の第1のMOSFET及びそのゲートに第1の内部信号を受けるNチャンネル型の第2のMOSFET,ならびに第2の容量の他方の電極と第2のノードとの間に設けられそのゲートに第3の電位を受けるPチャンネル型の第3のMOSFETとをそれぞれ含み、その第2のノードが第1の容量の一方の電極又は前段回路の第1のノードに順次結合される形で実質直列結合される1段又は複数段の単位ブースト回路とを含む内部電圧昇圧回路もとに構成するとともに、この内部電圧昇圧回路を構成する各単位ブースト回路の第1及び第3のMOSFETのゲートに、第1の電源電圧電位あるいは前段の単位ブースト回路の第1のノードにおける電位を第3の電位として供給する。
【0009】
これにより、所望の高電位とされる内部電圧を容易に生成することができ、VPP発生回路等の昇圧回路の供給効率を高めることができるとともに、第1及び第3のMOSFETのゲート・ドレイン間に印加される電圧を小さくして、その耐圧破壊を防止し、昇圧回路の信頼性を高めることができる。
【0010】
また、内部電圧昇圧回路の出力端子と内部電圧供給点との間に、Pチャンネル型又はNチャンネル型の出力トランスファMOSFETを設け、この出力トランスファMOSFETのゲートに、内部電圧昇圧回路と同様な構成とされ1段多い単位ブースト回路を含むゲート電圧昇圧回路の出力電圧を供給する。
【0011】
これにより、内部電圧昇圧回路により生成された高電位が出力トランスファMOSFETのしきい値電圧によって低下されるのを防止し、VPP発生回路等の昇圧回路の供給効率をさらに高めることができる。
【0012】
さらに、第1の電源電圧供給点と上記プリチャージMOSFETのゲートが共通結合されブースト容量が結合される第1の内部ノードとの間に、上記内部電圧昇圧回路又はゲート電圧昇圧回路の出力電圧を受けるNチャンネル型の第6のMOSFETを設ける。
【0013】
これにより、電源バンプ等により第1の内部ノードの電位が不特定となるのを防止し、昇圧回路の動作を安定化して、昇圧回路ひいてはこれを含むダイナミック型RAM等の信頼性をさらに高めることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1には、この発明が適用されたVPP発生回路VPPG(昇圧回路)を含むダイナミック型RAMの一実施例のブロック図が示されている。同図により、まずこの実施例のダイナミック型RAMならびにこれに含まれるVPP発生回路VPPGの構成及び動作の概要について説明する。なお、図1の各ブロックを構成する回路素子は、公知のMOSFET集積回路の製造技術により、単結晶シリコンのような1個の半導体基板面上に形成される。
【0015】
図1において、この実施例のダイナミック型RAMは、4個のバンクBANK0〜BANK3と、これらのバンクに共通に設けられるインターフェイス回路IFとを備える。このうち、インターフェイス回路IFは、外部のアクセス装置との間で図示されない起動制御信号,アドレス信号ならびに入力データ及び出力データ等を授受し、ダイナミック型RAMの各部を制御する。
【0016】
バンクBANK0〜BANK3は、メモリアレイARY0〜ARY3と、各メモリアレイの両側に配置される一対のセンスアンプSAとをそれぞれ含む。ダイナミック型RAMはいわゆるデペンド型とされ、両端に配置された2個を除くセンスアンプSAは、その両側のバンクによりそれぞれ共有される。
【0017】
バンクBANK0〜BANK3の下端には、共通のカラムアドレスデコーダCDが設けられ、各バンクの左側には、ロウアドレスデコーダRD0〜RD3ならびにバンクコントローラBC0〜BC3がそれぞれ設けられる。このうち、カラムアドレスデコーダCDには、インターフェイス回路IFから所定ビットのカラムアドレス信号CAが供給される。また、ロウアドレスデコーダRD0〜RD3には、インターフェイス回路IFから所定ビットのロウアドレス信号RAが供給されるとともに、後述するVPP発生回路VPPGから内部電圧VPPが供給される。さらに、バンクコントローラBC0〜BC3には、インターフェイス回路IFから所定ビットのロウバンクアドレス信号RBA及びカラムバンクアドレス信号CBAが供給されるとともに、その出力信号の一部は、ロウバンク選択信号BR0〜BR3としてVPP発生回路VPPGに供給される。
【0018】
カラムアドレスデコーダCDは、ダイナミック型RAMがカラムサイクルとされるとき、インターフェイス回路IFから供給されるカラムアドレス信号CAをデコードして、バンクBANK0〜BANK3のセンスアンプSAに対するビット線選択信号の対応するビットを択一的に有効レベルとする。また、バンクBANK0〜BANK3のロウアドレスデコーダRDは、ダイナミック型RAMがロウサイクルとされるとき、インターフェイス回路IFから供給されるロウアドレス信号RAをデコードして、メモリアレイARY0〜ARY3の対応するワード線を択一的に内部電圧VPPのような選択レベルとする。
【0019】
一方、バンクコントローラBC0〜BC3は、ダイナミック型RAMがカラムサイクル又はロウサイクルとされるとき、インターフェイス回路IFから供給されるロウバンクアドレス信号RBA又はカラムバンクアドレス信号CBAをデコードして、ロウバンク選択信号BR0〜BR3等の制御信号を選択的に形成し、バンクBANK0〜BANK3の動作を制御する。バンクコントローラBC0〜BC3は、センスアンプSAのシェアドMOSFETを選択的にオン状態とするためのシェアド制御信号を選択的に形成するが、このシェアド制御信号の有効レベルは、ワード線の選択電位と同じ内部電圧VPPとされる。
【0020】
なお、この実施例において、バンクBANK0〜BANK3を構成するメモリアレイARY0〜ARY3は、実際にはその直接周辺回路を含めて複数のサブメモリアレイに分割され、各メモリアレイを構成するワード線は、実際にはメインワード線及びサブワード線として階層化されるが、これらのことについては本発明と直線関係ないため、簡素化して示し、詳細な説明も割愛する。
【0021】
この実施例のダイナミック型RAMは、さらに、外部から供給される電源電圧VCCをもとに、上記ワード線の選択電位やシェアド制御信号の有効レベルとなる内部電圧VPPを生成するVPP発生回路VPPGを備える。このVPP発生回路VPPGは、特に制限されないが、バンクBANK0〜BANK3に共通に設けられるそれぞれ1個のレベルセンサLS及び発振回路OSCと、バンクBANK0〜BANK3に対応して設けられるそれぞれ4個のワンショットパルス発生回路OP0〜OP3,パルス合成回路ADD0〜ADD3ならびにチャージポンプ回路PC0〜PC3とを含む。このうち、レベルセンサLSの非反転入力端子+には、所定の参照電圧VRが供給され、その反転入力端子−には、VPP発生回路VPPGの出力電圧つまり内部電圧VPPが供給される。レベルセンサLSの出力信号ACTは、発振回路OSCに供給される。
【0022】
一方、ワンショットパルス発生回路OP0〜OP3には、バンクBANK0〜BANK3のバンクコントローラBC0〜BC3から対応するロウバンク選択信号BR0〜BR3がそれぞれ供給される。また、パルス合成回路ADD0〜ADD3の一方の入力端子には、発振回路OSCからその出力信号つまりパルス信号PSが共通に供給され、その他方の入力端子には、対応するワンショットパルス発生回路OP0〜OP3の出力信号OPO0〜OPO3がそれぞれ供給される。さらに、チャージポンプ回路PC0〜PC3の一方の入力端子には、所定の内部制御信号DETが共通に供給され、その他方の入力端子には、対応するパルス合成回路ADD0〜ADD3の出力信号つまりチャージポンプ制御信号PCC0〜PCC3がそれぞれ供給される。チャージポンプ回路PC0〜PC3の出力端子は共通結合され、その電位は内部電圧VPPとなる。
【0023】
VPP発生回路VPPGのレベルセンサLSは、参照電圧VRをもとに内部電圧VPPの電位をセンスし、内部電圧VPPの電位が所定電位に達しないときその出力信号ACTを選択的にハイレベルとする。また、発振回路OSCは、レベルセンサLSの出力信号ACTのハイレベルを受けて選択的に動作状態となり、所定の周波数を有するパルス信号PSを選択的に生成する。
【0024】
一方、ワンショットパルス発生回路OP0〜OP3は、バンクBANK0〜BANK3の対応するバンクコントローラBC0〜BC3から供給されるロウバンク選択信号BR0〜BR3のハイレベルへの立ち上がり及びロウレベルへの立ち下がりを起点として、所定のパルス幅を有するワンショットパルス信号OPO0〜OPO3をそれぞれ生成する。また、パルス合成回路ADD0〜ADD3は、発振回路OSCから供給されるパルス信号PSならびに対応するワンショットパルス発生回路OP0〜OP3から供給されるワンショットパルス信号OPO0〜OPO3をもとにその出力信号つまりチャージポンプ制御信号PCC0〜PCC3を選択的に形成し、対応するチャージポンプ回路PC0〜PC3に供給する。さらに、チャージポンプ回路PC0〜PC3は、内部制御信号DETならびに対応するチャージポンプ制御信号PCC0〜PCC3がともにロウレベルとされることで選択的に動作状態となり、所定の内部電圧VPPを生成する。
【0025】
なお、VPP発生回路VPPGならびにこれを構成するレベルセンサLS,発振回路OSC,ワンショットパルス発生回路OP0〜OP3,パルス合成回路ADD0〜ADD3ならびにチャージポンプ回路PC0〜PC3の具体的構成及び動作ならびにその特徴については、後で詳細に説明する。
【0026】
図2には、図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるワンショットパルス発生回路OP0の一実施例の回路図が示されている。同図をもとに、この実施例のVPP発生回路VPPGに含まれるワンショットパルス発生回路OP0の具体的構成及び動作について説明する。なお、以下の回路図において、そのチャネル(バックゲート)部に矢印が付されるMOSFETはPチャンネル型(第2導電型)であって、矢印の付されないNチャンネル型(第1導電型)のMOSFETと区別して示される。また、ワンショットパルス発生回路OP1〜OP3は、図2のワンショットパルス発生回路OP0と同一構成とされるため、これに関する以下の説明から類推されたい。
【0027】
図2において、ワンショットパルス発生回路OP0は、特に制限されないが、反転出力端子を有する排他的論理和回路EO1と、合計5個のインバータV1〜V5と、インバータV1〜V4とともに遅延回路を構成する抵抗R1〜R4ならびに容量C11〜C14とを含む。排他的論理和回路EO1の一方の入力端子には、対応するバンクBANK0のバンクコントローラBC0からインバータV5を介してロウバンク選択信号BR0が供給され、その他方の入力端子には、ロウバンク選択信号BR0の上記遅延回路による遅延信号が供給される。排他的論理和回路EO1の反転出力信号は、ワンショットパルス信号OPO0として、後段の対応するパルス合成回路ADD0の一方の入力端子に供給される。
【0028】
言うまでもなく、排他的論理和回路EO1の反転出力信号は、その一方及び他方の入力端子に供給される信号が異なる論理レベルとされるとき、選択的にロウレベルとされる。したがって、排他的論理和回路EO1の反転出力信号つまりワンショットパルス信号OPO0は、ロウバンク選択信号BR0がハイレベルとされてからその上記遅延回路による遅延信号がハイレベルとされるまでの間、ならびにロウバンク選択信号BR0がロウレベルとされてからその遅延信号がロウレベルとされるまでの間、選択的にハイレベルとされるものとなる。
【0029】
後述するように、ワンショットパルス信号OPO0は、対応するパルス合成回路ADD0を介してチャージポンプ回路PC0に供給され、そのハイレベルを受けてチャージポンプ回路PC0による単発的な昇圧動作が行われる。また、ワンショットパルス信号OPO0は、上記のように、ロウバンク選択信号BR0がハイレベルに変化され又はロウレベルに変化されたのを受けて所定期間だけハイレベルとされるが、このロウバンク選択信号BR0のハイレベルの変化は、その直後にバンクBANK0のメモリアレイARY0において指定されたワード線が択一的に選択レベルとされることを示し、ロウバンク選択信号BR0のロウレベルへの変化は、その直後に内部電圧VPPを選択レベルとして併用するシェアドMOSFETがオン状態とされることを示している。このように、内部電圧VPPに対する負荷が大きくなる時点でチャージポンプ回路PC0による単発的な昇圧動作を選択的に行わせることで、内部電圧VPPとしての電流供給能力を一時的に大きくし、その電位変動を抑制することができる。
【0030】
図3には、図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるレベルセンサLSの一実施例の回路図が示されている。同図をもとに、この実施例のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるレベルセンサLSの具体的構成及び動作について説明する。
【0031】
図3において、レベルセンサLSは、特に制限されないが、その反転入力端子−と接地電位VSS(第2の電源電圧)との間に直列形態に設けられるPチャンネルMOSFETP1及びP2ならびにNチャンネルMOSFETN1と、一対のNチャンネルMOSFETN2及びN3を中心とする差動回路とを含む。このうち、MOSFETP1は、そのゲート及びドレインが共通結合されることで、反転入力端子−側をそのアノードとすべくダイオード形態とされ、MOSFETN1は、やはりそのゲート及びドレインが共通結合されることで、反転入力端子−側をそのアノードとすべくダイオード形態とされる。MOSFETP2のゲートは、レベルセンサLSの非反転入力端子+に結合される。
【0032】
MOSFETP1のソースつまりレベルセンサLSの反転入力端子−には、前述のように、内部電圧VPPが供給され、MOSFETP2のゲートつまりレベルセンサLSの非反転入力端子+には所定の参照電圧VRが供給される。なお、参照電圧VRは内部電圧VDLとされるが、この内部電圧VDLは、前記センスアンプSAの高電位側動作電源とされるものであって、その電位は例えば+1.8V(ボルト)のような比較的低い電位とされる。内部電圧VDLの電位が、メモリセルに対する書き込みハイレベルとなることは言うまでもない。
【0033】
次に、差動回路を構成するMOSFETN2及びN3のドレインは、カレントミラー形態とされるPチャンネル型の負荷MOSFETP3及びP4を介して電源電圧VCC(第1の電源電圧)に結合され、その共通結合されたソースは、そのゲートに電源電圧VCCを受けるNチャンネルMOSFETN4を介して接地電位VSSに結合される。MOSFETN2のゲートは、MOSFETP2及びN1の共通結合されたドレインに結合され、MOSFETN3のゲートは、レベルセンサLSの非反転入力端子+に結合される。MOSFETP4及びN3の共通結合されたドレインにおける電位は、インバータV6を経た後、レベルセンサLSの出力信号ACTとして発振回路OSCに供給される。なお、電源電圧VCCは、特に制限されないが、+2.5Vの正電位とされる。
【0034】
内部電圧VPPが所定電位、つまり内部電圧VDLにMOSFETP1及びP2のしきい値電圧を加えた電位すなわちVDL+2Vthp(以下、1個のPチャンネルMOSFETのしきい値電圧をVthpとして表す)より高い電位にあるとき、レベルセンサLSでは、MOSFETP1及びP2がオン状態となり、差動回路を構成するMOSFETN2のゲート電位は、内部電圧VDLより高いハイレベルとなる。このため、差動回路のMOSFETN2がオン状態となり、MOSFETN3はオフ状態となって、レベルセンサLSの出力信号ACTは接地電位VSSのようなロウレベルとされる。
【0035】
一方、内部電圧VPPの電位が低下し、上記所定電位つまりVDL+2Vthpより低くなると、レベルセンサLSのMOSFETP1及びP2がオフ状態となり、MOSFETN2のゲート電位は内部電圧VDLより低いロウレベルとなる。このため、差動回路のMOSFETN2はオフ状態となり、代わりにMOSFETN3がオン状態となって、レベルセンサLSの出力信号ACTは電源電圧VCCのようなハイレベルとされる。
【0036】
後述するように、レベルセンサLSの出力信号ACTは発振回路OSCに供給され、発振回路OSCは、そのハイレベルを受けて選択的に発振動作を行う。また、発振回路OSCの出力信号つまりパルス信号PSは、対応するパルス合成回路ADD0を介してチャージポンプ回路PC0に供給され、そのハイレベルへの繰り返し変化を受けてチャージポンプ回路PC0による連続的な昇圧動作が行われる。これにより、内部電圧VPPの電位は上昇するが、その電位が上記所定電位つまりVDL+2Vthpに達すると、レベルセンサLSの出力信号ACTがロウレベルとされ、これを受けて発振回路OSC及びチャージポンプ回路PC0の動作が停止される。この結果、内部電圧VPPは、その中心電位が上記所定電位つまりVDL+2Vthpとなるべく制御されるものとなる。
【0037】
なお、この実施例において、レベルセンサLSを構成するPチャンネルMOSFETP6及びP7のしきい値電圧Vthpは、特に制限されないが、例えば0.8Vとされ、内部電圧VPPの中心電位は、例えば+3.4Vとされる。この電位は、センスアンプSAの高電位側動作電源となる内部電圧VDLの電位、例えば+1.8VにメモリアレイARY0〜ARY3のメモリセルを構成するアドレス選択MOSFETのしきい値電圧を加えた電位より充分に高い電位とされ、メモリセルへのハイレベル書き込みが確実に行われるものとなる。
【0038】
図4には、図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれる発振回路OSCの一実施例の回路図が示されている。同図をもとに、この実施例のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれる発振回路OSCの具体的構成及び動作について説明する。
【0039】
図4において、発振回路OSCは、特に制限されないが、PチャンネルMOSFETP6及びP7ならびにNチャンネルMOSFETN5及びN6からなるクロックドインバータと、MOSFETP6及びP7と並列形態に設けられるPチャンネルMOSFETP5とを含む。このうち、MOSFETP5及びN5のゲートには、上記レベルセンサLSの出力信号ACTが共通に供給され、MOSFETP6及びN6の共通結合されたゲートは、後述するインバータVAの出力端子に結合される。また、MOSFETP5及びP7ならびにN5の共通結合されたドレインは、それぞれ4個の抵抗R5〜R8,容量C15〜C18ならびにインバータV7〜VAからなる遅延回路を経た後、上記MOSFETP6及びN6のゲートに結合される。遅延回路を構成する最終段のインバータVAの出力信号は、インバータVBを経た後、発振回路OSCの出力信号つまりパルス信号PSとして後段のパルス合成回路ADD0〜ADD3に供給される。
【0040】
内部電圧VPPの電位が上記所定の電位に達し、レベルセンサLSの出力信号ACTがロウレベルとされるとき、発振回路OSCでは、MOSFETP5がオン状態となり、MOSFETN5はオフ状態となる。このため、MOSFETP6及びP7ならびにN5及びN6からなるクロックドインバータはいわゆる非伝達状態となり、その出力端子はMOSFETP5を介して電源電圧VCCのようなハイレベルに固定される。したがって、インバータVAの出力信号がハイレベルとなり、インバータVBの出力信号つまりパルス信号PSが接地電位VSSのようなロウレベルに固定される。また、インバータVAの出力信号のハイレベルは、クロックドインバータを構成するMOSFETP6及びN6のゲートに伝達されるため、クロックドインバータは、MOSFETP6及びN5をオフ状態としMOSFETN6をオン状態とする形で非伝達状態となる。
【0041】
次に、内部電圧VPPの電位が上記所定電位より低くなり、レベルセンサLSの出力信号ACTがハイレベルとされると、発振回路OSCでは、MOSFETP5がオフ状態となり、MOSFETN5がオン状態となる。このため、MOSFETP6及びP7ならびにN5及びN6からなるクロックドインバータは伝達状態となり、まずその出力端子が接地電位VSSのようなロウレベルとされる。また、伝達状態にあるクロックドインバータは、4個のインバータV7〜VAとともにリング状に結合されて一つのリングオシレータを構成し、発振動作を開始する。この結果、発振回路OSCの出力信号つまりパルス信号PSは、上記遅延回路の遅延時間に対応した周期を有する連続的なパルス信号となり、これを受けてチャージポンプ回路PC0の連続的な昇圧動作が行われる。
【0042】
図5には、図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるパルス合成回路ADD0の一実施例の回路図が示されている。同図をもとに、この実施例のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるパルス合成回路ADD0の具体的構成及び動作について説明する。なお、パルス合成回路ADD1〜ADD3は、パルス合成回路ADD0と同一構成とされるため、パルス合成回路ADD0に関する以下の説明から類推されたい。
【0043】
図5において、パルス合成回路ADD0は、特に制限されないが、ノア(NOR)ゲートNO1を含む。ノアゲートNO1の一方の入力端子には、対応する前記ワンショットパルス発生回路OP0からその出力信号つまりワンショットパルス信号OPO0が供給され、その他方の入力端子には、発振回路OSCからその出力信号つまりパルス信号PSが供給される。ノアゲートNO1の出力信号は、パルス合成回路ADD0の出力信号つまりチャージポンプ制御信号PCC0として対応するチャージポンプ回路PC0に供給される。
【0044】
前述のように、ワンショットパルス発生回路OP0の出力信号つまりワンショットパルス信号OPO0は、通常ロウレベルとされ、対応するバンクBANK0のバンクコントローラBC0から供給されるロウバンク選択信号BR0がハイレベル又はロウレベルに変化されるとき所定の期間だけ一時的にハイレベルとされる。また、発振回路OSCの出力信号つまりパルス信号PSは、通常つまり発振回路OSCが非動作状態とされるときロウレベルとされ、発振回路OSCが動作状態とされると所定の周期をもって繰り返しハイレベルとされる。この結果、パルス合成回路ADD0の出力信号つまりチャージポンプ制御信号PCC0は、通常つまりワンショットパルス信号OPO0及びパルス信号PSがともにロウレベルとされるとき電源電圧VCCのようなハイレベルとされ、そのいずれかがハイレベルとされると接地電位VSSのようなロウレベルとされる。
【0045】
図6には、図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるチャージポンプ回路PC0の第1の実施例の回路図が示され、図7には、その一実施例の信号波形図が示されている。これらの図をもとに、この実施例のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるチャージポンプ回路PC0の具体的構成及び動作ならびにその特徴について説明する。なお、チャージポンプ回路PC1〜PC3は、図6及び図7のチャージポンプ回路PC0と同一構成とされるため、これに関する以下の説明から類推されたい。
【0046】
図6において、チャージポンプ回路PC0は、特に制限されないが、その一方の入力端子に内部制御信号DETを受け、その他方の入力端子にパルス合成回路ADD0の出力信号つまりチャージポンプ制御信号PCC0を受けるノアゲートNO2を含む。ノアゲートNO2の出力信号つまり内部ノードn1における内部信号n1は、ノアゲートNO3及びNO4の一方の入力端子に供給されるとともに、インバータVD及びVEからなる遅延回路を介して上記ノアゲートNO3の他方の入力端子に供給される。また、内部信号n1のインバータVCによる反転信号つまり内部ノードn2における内部信号n2(第1の内部信号)は、単位ブースト回路UB1を構成するNチャンネルMOSFETNA1(第2のMOSFET。以下、各単位ブースト回路のMOSFETNA1〜NAjは第2のMOSFETとなる)のゲートに供給されるとともに、ノアゲートNO5の一方の入力端子に供給される。ノアゲートNO4の他方の入力端子には、ノアゲートNO3の出力信号のインバータVF〜VHによる反転遅延信号つまり内部ノードn3における内部信号n3が供給され、ノアゲートNO5の他方の入力端子には、そのインバータVF,VG,VIならびにVJによる遅延信号つまり内部ノードn4における内部信号n4が供給される。
【0047】
内部信号n3は、さらに、実質的な内部電圧昇圧回路を構成する容量C4(第3の容量)の他方の電極つまり下部電極に供給される。また、ノアゲートNO4の出力信号つまり内部ノードn5における内部信号n5は、容量C1(第4の容量)の他方の電極つまり下部電極に供給され、ノアゲートNO5の出力信号つまり内部ノードn6における内部信号n6は、容量C2(第1の容量)の他方の電極つまり下部電極に供給される。
【0048】
単位ブースト回路UB1のMOSFETNA1のドレインは、NチャンネルMOSFETN91(第1のMOSFET。以下、各単位ブースト回路のMOSFETN91〜N9jは第1のMOSFETとなる)を介して容量C31(第2の容量。以下、各単位ブースト回路の容量C31〜C3jは第2の容量となる)の他方の電極つまり下部電極に結合され、そのソースは、第2の電位供給点つまり接地電位VSS(第2の電源電圧供給点)に結合される。容量C31の下部電極は、さらにPチャンネル型のトランスファMOSFETP81(第3のMOSFET。以下、各単位ブースト回路のMOSFETP81〜P8jは第3のMOSFETとなる)を介して第2のノードに結合され、容量C2の一方の電極つまり上部電極に結合されるとともに、NチャンネルMOSFETN8(第6のMOSFET)のゲートに結合される。MOSFETP81及びN91のゲートには、第1の電位つまり電源電圧VCCが共通に供給される。また、MOSFETP81の基板部は、そのソースつまり容量C2の上部電極に結合される。
【0049】
容量C1の一方の電極つまり上部電極は、内部ノードb1(第1の内部ノード)に結合される。また、容量C2の上部電極は、そのゲートが内部ノードb1に結合されるNチャンネル型のプリチャージMOSFETNBを介して第1の電位供給点つまり電源電圧VCC(第1の電源電圧供給点)に結合される。さらに、単位ブースト回路UB1の容量C31の一方の電極つまり上部電極は、単位ブースト回路UB1の第1のノードに結合された後、そのゲートが内部ノードb1に結合されるNチャンネル型のプリチャージMOSFETNCを介して電源電圧VCCに結合されるとともに、内部ノードb3つまりNチャンネル型の出力トランスファMOSFETNLのゲートに結合される。容量C4の上部電極つまり内部ノードb2は、そのゲートが内部ノードb1に結合されるNチャンネル型のプリチャージMOSFETNGを介して電源電圧VCCに結合されるとともに、出力トランスファMOSFETNLを介してチャージポンプ回路PC0の出力端子つまり内部電圧供給点VPPに結合される。
【0050】
内部ノードb1は、さらに、電源電圧VCC側をアノードとする形でダイオード形態とされるNチャンネルMOSFETN7(第5のMOSFET)と、そのゲートが容量C2の上部電極に結合される上記MOSFETN8と、内部ノードb1側をアノードとする形でそれぞれダイオード形態とされる3個のNチャンネルMOSFETND〜NF(第4のMOSFET)とを介して電源電圧VCCに結合される。また、内部ノードb2は、さらに、電源電圧VCC側をアノードとする形でダイオード形態とされるNチャンネルMOSFETNHと、内部ノードb2側をアノードとする形でそれぞれダイオード形態とされる3個のNチャンネルMOSFETNI〜NKとを介して電源電圧VCCに結合される。内部電圧供給点VPPは、電源電圧VCC側をそのアノードとする形でダイオード形態とされるNチャンネルMOSFETNMを介して電源電圧VCCに結合されるとともに、所定の平滑容量C5を介して接地電位VSSに結合される。
【0051】
ここで、内部制御信号DETは、図7に示されるように、通常接地電位VSSのようなロウレベルに固定され、例えばチャージポンプ回路PC0を含むVPP発生回路VPPGの動作を試験的に停止したい場合等に選択的に電源電圧VCCのようなハイレベルとされる。また、チャージポンプ制御信号PCC0は、前述のように、通常電源電圧VCCのようなハイレベルとされ、所定の条件で選択的に接地電位VSSのようなロウレベルとされる。
【0052】
内部制御信号DET又はチャージポンプ制御信号PCC0のいずれかがハイレベルとされるとき、チャージポンプ回路PC0では、ノアゲートNO2の出力信号つまり内部信号n1が接地電位VSSのようなロウレベルとされ、そのインバータVCによる反転信号つまり内部信号n2は電源電圧VCCのようなハイレベルとされる。また、内部信号n1及びそのインバータVD及びVEによる遅延信号のロウレベルを受けてノアゲートNO3の出力信号が電源電圧VCCのようなハイレベルとされるため、内部信号n3が第2の電位つまり接地電位VSSのようなロウレベルとされ、内部信号n4は電源電圧VCCのようなハイレベルとされる。ノアゲートNO4の出力信号つまり内部信号n5は、内部信号n1及びn3がともにロウレベルとされることで、電源電圧VCCのようなハイレベルとされ、ノアゲートNO5の出力信号つまり内部信号n6は、内部信号n2及びn4のハイレベルを受けて接地電位VSSのようなロウレベルとされる。
【0053】
内部ノードb1は、内部信号n5がハイレベルとされた時点で、容量C1のブースト作用によって2×VCC(ここで、電源電圧VCCの絶対値をVCCとして表す。以下同様)に近い電位V11に押し上げられるが、その電位が何らかの理由で異常に高くなった場合、MOSFETND〜NFによりVCC+3Vthn(ここで、1個のNチャンネルMOSFETのしきい値電圧をVthnとして表す。以下同様)にクランプされる。また、内部ノードb1のハイレベルを受けてプリチャージMOSFETNB,NCならびにNGがオン状態となり、容量C2,C31ならびにC4の上部電極に電源電圧VCCが伝達される。このとき、容量C2及びC4の下部電極には、それぞれ内部信号n6及びn3のロウレベルつまり接地電位VSSが伝達される。また、単位ブースト回路UB1を構成する容量C31の下部電極には、内部信号n2のハイレベルを受けてオン状態にあるMOSFETNA1とそのゲートに電源電圧VCCを受けてオン状態にあるMOSFETN9とを介して接地電位VSSが伝達される。
【0054】
これらのことから、容量C2,C31ならびにC4は、ともにその上部電極を電源電圧VCCとし、その下部電極を接地電位VSSとすべくプリチャージされる。このとき、トランスファMOSFETNLは、内部ノードb2及びb3がともに電源電圧VCCとされるためにオフ状態となり、内部電圧供給点VPPにおける内部電圧VPPの電位は高電位のまま保持される。
【0055】
次に、内部制御信号DETがロウレベルのままチャージポンプ制御信号PCC0がロウレベルに変化されると、チャージポンプ回路PC0では、まずノアゲートNO2の出力信号つまり内部信号n1が電源電圧VCCのようなハイレベルに変化され、これを受けて内部信号n2が接地電位VSSのようなロウレベルに変化される。また、インバータVD及びVEからなる遅延回路の遅延時間t1が経過した時点で、内部信号n3が電源電圧VCCのようなハイレベルとされ、やや遅れて内部信号n4が接地電位VSSのようなロウレベルとされる。ノアゲートNO4の出力信号つまり内部信号n5は、内部信号n1のハイレベル変化を受けて接地電位VSSのようなロウレベルとされ、ノアゲートNO5の出力信号つまり内部信号n6は、内部信号n2及びn4がともにロウレベルとされた時点で電源電圧VCCのようなハイレベルとされる。
【0056】
内部ノードb1は、内部信号n5がロウレベルとされた時点で、容量C1を介してその電位が引き下げられるが、電源電圧VCCとの間にはダイオード形態のMOSFETN7が設けられるため、そのロウレベルV12はVCC−Vthnでクランプされる。したがって、内部ノードb1の前記ブースト時の電位V11は、2×VCC−Vthnとなる。また、この内部ノードb1のロウレベルを受けて、プリチャージMOSFETNB,NCならびにNGがオフ状態となり、容量C2,C31ならびにC4のプリチャージ動作が停止される。このとき、容量C2の下部電極は、内部信号n6のハイレベルによってブーストされ、これを受けてその上部電極の電位が2×VCCに押し上げられる。また、容量C2の上部電極のブースト電位を受けて、そのゲートに電源電圧VCCを受けるMOSFETP81がオン状態となるが、そのゲート電位に電源電圧VCCを受けるMOSFETN91は容量C31の下部電極のブースト電位を受けてオフ状態となり、MOSFETNA1は内部信号n2のロウレベルを受けてオフ状態となる。この結果、容量C2の上部電極のブースト電位が容量C31の下部電極に伝達され、内部ノードb3の電位が3×VCCに押し上げられる。
【0057】
一方、容量C4の上部電極つまり内部ノードb2における電位は、その下部電極が内部信号n3のハイレベルによりブーストされることで、2×VCCなる高電位に押し上げられる。この内部ノードb2の高電位は、そのゲート電位つまり内部ノードb3が3×VCCなる高電位とされることでオン状態となったトランスファMOSFETNLを介して、そのしきい値電圧による影響を受けることなく内部電圧供給点VPPに伝達される。しかし、内部電圧VPPの電位は、前述のように、レベルセンサLSによってモニタされるため、その中心電位は、実際には前記所定電位つまりVDL+2Vthpとなるべく制御される。
【0058】
なお、容量C2,C31ならびにC4の上部電極が高電位とされるとき、チャージポンプ回路PC0では、電源電圧VCC及び内部ノードb1間に設けられたMOSFETN8が容量C2の上部電極の昇圧電位を受けてオン状態となる。前述のように、電源電圧VCCと内部ノードb1との間には、ダイオード形態のMOSFETN7ならびにND〜NFが設けられ、その電位はVCC−VthnからVCC+3Vthnの範囲内に保持される。また、この間、内部ノードb1の電位は実質的なフローティング状態となるため、例えば電源バンプ等によって電源電圧VCCの電位が変動した場合、内部ノードb1の電位と電源電圧VCCの最新電位との間の関係が不特定となる。上記のように、電源電圧VCC及び内部ノードb1間にMOSFETN8が設けられ、これがチャージポンプ回路PC0の昇圧動作が行われるごとにオン状態とされることで、内部ノードb1は電源電圧VCCの最新電位に設定され、これによってチャージポンプ回路PC0ひいてはダイナミック型RAMの動作が安定化されるものとなる。
【0059】
さらに、この実施例では、上記のように、容量C2及びC31を選択的に直列結合するトランスファMOSFETP81のゲートが電源電圧VCCに結合されるとともに、このトランスファMOSFETP81と相補的な関係にあるMOSFETNA1との間に、そのゲートが電源電圧VCCに結合されるMOSFETN91が設けられ、このMOSFETN91は、単位ブースト回路UB1によるブースト動作が行われる間、自動的にオフ状態となる。これにより、トランスファMOSFETP81のゲート・ドレイン間電圧が2×VCC−VCCつまりVCCに圧縮されるとともに、昇圧電位にある容量C31の下部電極とMOSFETNA1との間の接続が断たれ、そのゲートに接地電位VSSを受けるMOSFETNA1のドレインはフローティング状態となる。この結果、単位ブースト回路UB1を構成するトランスファMOSFETP81ならびにMOSFETN91及びNA1の耐圧破壊を防止し、これによってチャージポンプ回路PC0ひいてはダイナミック型RAMの信頼性を高めることができる。
【0060】
チャージポンプ制御信号PCC0が電源電圧VCCのようなハイレベルに戻されると、チャージポンプ回路PC0では、まず内部信号n1が接地電位VSSのようなロウレベルとされ、この内部信号n1のロウレベルを受けて内部信号n2が電源電圧VCCのようなハイレベルとされる。また、内部信号n2のハイレベルを受けて内部信号n6が接地電位VSSのようなロウレベルとされ、この内部信号n6のロウレベルを受けて内部ノードb3がロウレベルとされる。さらに、内部信号n1がロウレベルとされてからインバータVD及びVEの遅延時間t2とノアゲートNO3ならびにインバータVF〜VHの遅延時間t1とが経過した時点で、内部信号n3がロウレベルとされ、この内部信号n3のロウレベルを受けて内部信号n5が電源電圧VCCのようなハイレベルとされ、内部ノードb2が電源電圧VCCのようなロウレベルとされる。内部ノードb1は、内部信号n5のハイレベルを受けて前記電位V11とされる。
【0061】
これまでの説明から明らかなように、内部ノードb1が前記電位V12のようなロウレベルとされてから内部ノードb2が2×VCCのようなハイレベルに変化されるまでの遅延時間Δt1は、内部ノードb2のブースト電位がMOSFETNGを介して電源電圧VCC側に抜けるのを防止すべく作用する。また、内部ノードb2が上記ハイレベルとされてから内部ノードb3が3×VCCのようなハイレベルとされるまでの遅延時間Δt2は、内部ノードb2のブースト電位が充分な電位に達する前にトランスファMOSFETNLがオン状態となるのを防止すべく作用し、内部ノードb3が電源電圧VCCのようなロウレベルとされてから内部ノードb1が前記V11とされるまでの遅延時間Δt3は、トランスファMOSFETNLがオフ状態となる前に容量C2,C3ならびにC4のプリチャージ動作が開始されるのを防止すべく作用するものである。
【0062】
図8には、図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるチャージポンプ回路PC0の第2の実施例の回路図が示されている。なお、この実施例のチャージポンプ回路PC0は、前記図6の実施例を基本的に踏襲するものであるため、これと異なる部分についてのみ説明を追加する。
【0063】
図8において、この実施例のチャージポンプ回路PC0は、その他方の電極つまり下部電極に内部信号n3を受ける容量C4(第3の容量)とi個つまり1個の単位ブースト回路UB3とを含む内部電圧昇圧回路と、容量C2とi+1個つまり2個の単位ブースト回路UB1〜UB2とを含むゲート電圧昇圧回路とを含む。このうち、内部電圧昇圧回路を構成する単位ブースト回路UB3は、その第2のノードつまりMOSFETP83のソースが容量C4の上部電極に結合される形で容量C4と実質直列結合され、その第1のノードつまり容量C33の上部電極は、内部電圧昇圧回路の出力端子として内部ノードb2に結合される。容量C4の上部電極は、さらにNチャンネル型のプリチャージMOSFETNGを介して電源電圧VCCに結合され、単位ブースト回路UB3を構成する容量C33の上部電極は、Nチャンネル型のプリチャージMOSFETNOを介して電源電圧VCCに結合される。内部ノードb2は、Nチャンネル型の出力トランスファMOSFETNLを介して内部電圧供給点VPPに結合される。
【0064】
一方、ゲート電圧昇圧回路を構成する単位ブースト回路UB1及びUB2は、その第2のノードが容量C2の上部電極又は前段の単位ブースト回路UB1の第1のノードに結合される形で直列結合され、単位ブースト回路UB2の第1のノードは、ゲート電圧昇圧回路の出力端子として内部ノードb3に結合される。容量C2の上部電極は、Nチャンネル型のプリチャージMOSFETNBを介して電源電圧VCCに結合され、単位ブースト回路UB1及びUB2を構成する容量C31及びC32の上部電極は、それぞれNチャンネル型のプリチャージMOSFETNC及びNNを介して電源電圧VCCに結合される。内部ノードb3は、出力トランスファMOSFETNLのゲートに結合される。
【0065】
内部制御信号DET又はチャージポンプ制御信号PCC0のいずれかがハイレベルとされるとき、内部電圧昇圧回路の単位ブースト回路UB3を構成する容量C33の下部電極には、MOSFETN93及びNA3を介して接地電位VSSが供給され、容量C4の下部電極には内部信号n3のロウレベルが供給される。また、容量C33の上部電極は、内部ノードb1のハイレベルを受けてオン状態にあるプリチャージMOSFETNOを介して電源電圧VCCにプリチャージされ、容量C4の上部電極も、やはり内部ノードb1のハイレベルを受けてオン状態にあるプリチャージMOSFETNGを介して電源電圧VCCにプリチャージされる。これにより、容量C33及びC4の上部電極はともに電源電圧VCCとされ、内部ノードb3も電源電圧VCCとされる。
【0066】
このとき、ゲート電圧昇圧回路の単位ブースト回路UB1及びUB2を構成する容量C31及びC32の下部電極には、内部制御信号DET又はチャージポンプ制御信号PCC0のいずれかがハイレベルとされるとき、対応するMOSFETN91及びNA1あるいはN92及びNA2を介して接地電位VSSが供給され、容量C2の下部電極には内部信号n6のロウレベルが供給される。また、容量C31及びC32の上部電極は、内部ノードb1のハイレベルを受けてオン状態にあるプリチャージMOSFETNC及びNNを介してそれぞれ電源電圧VCCにプリチャージされ、容量C2の上部電極も、やはり内部ノードb1のハイレベルを受けてオン状態にあるプリチャージMOSFETNBを介して電源電圧VCCにプリチャージされる。この結果、容量C2ならびにC31及びC32の上部電極はともに電源電圧VCCとされ、内部ノードb3も電源電圧VCCとなって、トランスファMOSFETNLはオフ状態とされる。
【0067】
次に、内部制御信号DET及びチャージポンプ制御信号PCC0がともにロウレベルとされると、内部電圧昇圧回路を構成する容量C4の下部電極は、内部信号n3のハイレベルを受けてブーストされ、その上部電極の電位は2×VCCに押し上げられる。また、この高電位を受けて単位ブースト回路UB3のトランスファMOSFETP83がオン状態となり、容量C33の下部電極の電位が2×VCCに押し上げられるとともに、この容量C33の下部電極の高電位を受けてMOSFETN93がオフ状態となる。これにより、容量C33の上部電極つまり内部ノードb2の電位は3×VCCに押し上げられる。
【0068】
このとき、ゲート電圧昇圧回路を構成する容量C2の下部電極は、内部信号n6のハイレベルを受けてブーストされ、その上部電極の電位は2×VCCに押し上げられる。また、この高電位を受けて単位ブースト回路UB1のトランスファMOSFETP81がオン状態となり、容量C31の下部電極の電位が2×VCCに押し上げられるとともに、この容量C31の下部電極の高電位を受けてMOSFETN91がオフ状態となる。これにより、容量C31の上部電極つまり内部ノードb2の電位が3×VCCに押し上げられる。さらに、単位ブースト回路UB2では、単位ブースト回路UB1を構成する容量C31の上部電極の高電位を受けてトランスファMOSFETP82がオン状態となり、容量C32の下部電極の電位が3×VCCに押し上げられるとともに、この容量C32の下部電極の高電位を受けてMOSFETN92がオフ状態となる。
【0069】
したがって、容量C32の上部電極つまり内部ノードb3の電位は、内部ノードb2よりさらにVCCだけ高い4×VCCに押し上げられるため、内部ノードb2の高電位は、トランスファMOSFETNLのしきい値電圧の影響を受けることなくそのまま内部電圧供給点VPPに伝達される。この結果、前記図6の実施例と同様な効果を得つつ、内部電圧VPPの源泉となる内部ノードn2の電位をさらに高め、チャージポンプ回路PC0つまりはVPP発生回路VPPGの供給効率を高めることができるものとなる。なお、チャージポンプ回路PC0すなわちVPP発生回路VPPGの供給電流及び供給効率については、第3ないし第5の実施例について説明した後、詳細に比較・検討する。
【0070】
図9には、図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるチャージポンプ回路PC0の第3の実施例の回路図が示されている。なお、この実施例のチャージポンプ回路PC0は、前記図6及び図8の実施例を基本的に踏襲するものであるため、これと異なる部分についてのみ説明を追加する。
【0071】
図9において、この実施例のチャージポンプ回路PC0は、ゲート電圧昇圧回路を含まず、容量C4(第3の容量)と、容量C33(第2の容量)を含む単位ブースト回路UB3とからなる内部電圧昇圧回路を含む。この内部電圧昇圧回路の単位ブースト回路UB3を構成する容量C33の上部電極は、内部ノードb2に結合され、さらにPチャンネル型の出力トランスファMOSFETPBを介して内部電圧供給点VPPに結合される。出力トランスファMOSFETPBのゲートは、内部電圧VPPをその高電位側動作電源とし接地電位VSSを低電位側動作電源とするレベルシフト回路LSFの出力端子つまり内部ノードb4に結合され、その基板部は内部電圧供給点VPPに結合される。
【0072】
ここで、レベルシフト回路LSFは、特に制限されないが、そのソースが内部電圧供給点VPPに結合されそのゲート及びドレインが互いに交差結合される一対のPチャンネルMOSFETP9及びPAを含む。このうち、MOSFETP9のドレインは、そのゲートに電源電圧VCCを受けるNチャンネルMOSFETNPを介してノアゲートNO6の出力端子つまり内部ノードn8に結合され、MOSFETPAのドレインは、NチャンネルMOSFETNQ及びNRを介して接地電位VSSに結合される。MOSFETQのゲートは電源電圧VCCに結合され、MOSFETNRのゲートは内部ノードn8に結合される。
【0073】
ノアゲートNO6の一方の入力端子には、前記内部信号n7のインバータVH及びVLによる遅延信号が供給され、その他方の入力端子には、内部信号n1のインバータVMによる反転信号が供給される。これにより、ノアゲートNO6の出力信号つまり内部ノードn8における内部信号n8(第2の内部信号)は、通常接地電位VSSのようなロウレベルとされ、チャージポンプ制御信号PCC0のハイレベルを受けて電源電圧VCCのようなハイレベルとされる。
【0074】
内部信号n8が接地電位VSSのようなロウレベルとされるとき、レベルシフト回路LSFでは、MOSFETNRがオフ状態となり、MOSFETNPがオン状態となる。このため、MOSFETPAがオン状態となり、MOSFETP9がオフ状態となって、レベルシフト回路LSFの出力信号つまり内部ノードb4における内部信号b4は、無効レベルつまり内部電圧VPPのような高電位のハイレベルとされる。したがって、出力トランスファMOSFETPBがオフ状態となり、内部電圧供給点VPPの電位は高電位のまま保持される。
【0075】
次に、チャージポンプ制御信号PCC0がロウレベルとされ、内部信号n8が電源電圧VCCのようなハイレベルとされると、レベルシフト回路LSFでは、MOSFETNPがオフ状態となり、MOSFETNRがオン状態となる。このため、MOSFETP9がオン状態となり、MOSFETPAはオフ状態となって、レベルシフト回路LSFの出力信号つまり内部信号b4は有効レベルつまり接地電位VSSのようなロウレベルとされる。これにより、出力トランスファMOSFETPBがオン状態となり、これを介して内部電圧昇圧回路で生成された3×VCCなる高電位が内部電圧供給点VPPに伝達される。
【0076】
つまり、この実施例のチャージポンプ回路PC0では、出力トランスファMOSFETがPチャンネルMOSFETPBに置き換えられることで、ゲート電圧昇圧回路を設ける必要がなくなった訳であり、これによってチャージポンプ回路PC0ひいてはVPP発生回路VPPGの回路構成を簡素化しつつ、前記図8の実施例と同様な効果を得ることができるものである。
【0077】
図10には、図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるチャージポンプ回路PC0の第4の実施例の回路図が示され、図11には、その第5の実施例の回路図が示されている。なお、この実施例のチャージポンプ回路PC0は、前記図6,図8ならびに図9の実施例を基本的に踏襲するものであるため、これと異なる部分についてのみ説明を追加する。
【0078】
図10において、この実施例のチャージポンプ回路PC0は、ゲート電圧昇圧回路を含まず、容量C4(第1の容量)と容量C33(第2の容量)を含む単位ブースト回路UB3とを含む内部電圧昇圧回路を含む。内部電圧昇圧回路の出力端子となる容量C33の上部電極は、Nチャンネル型の出力トランスファMOSFETNSを介して内部電圧供給点VPPに結合される。このトランスファMOSFETNSは、そのゲート及びドレインが共通結合されることで、内部ノードb2側をアノードとする形でダイオード形態とされる。
【0079】
これにより、この実施例では、内部電圧昇圧回路により生成された3×VCCなる高電位が出力トランスファMOSFETNSのしきい値電圧Vthn分だけ低くされて内部電圧供給点VPPに伝達されるものの、出力トランスファMOSFETNSのゲート電位を昇圧するためのゲート電圧昇圧回路が不要となり、前記図9の実施例に比較してさらにチャージポンプ回路PC0の回路構成を簡素化しつつ、しかも出力トランスファMOSFETがPチャンネル型であることによるラッチアップを防止しつつ、同様な効果を得ることができる。
【0080】
次に、図11の実施例では、前記図10の出力トランスファMOSFETNSがPチャンネル型の出力トランスファMOSFETPCに置き換えられる。このトランスファMOSFETPCは、やはり内部ノードb2側をアノードとする形でダイオード形態とされ、その基板部は内部電圧供給点VPPに結合される。これにより、出力トランスファMOSFETPCは、前記図10の出力トランスファMOSFETNSと同様に作用する。したがって、この実施例の場合も、内部電圧昇圧回路により生成された3×VCCなる高電位が出力トランスファMOSFETPCのしきい値電圧Vthp分だけ低くされて内部電圧供給点VPPに伝達されるものの、前記図10の実施例と同様、チャージポンプ回路PC0の回路構成を簡素化しつつ、同様な効果を得ることができるものである。
【0081】
図12には、図6ならびに図8〜図11のチャージポンプ回路PC0を含むVPP発生回路VPPGの供給効率を説明するための一実施例の特性図が示され、図13には、その供給電流を説明するための一実施例の特性図が示されている。これらの図をもとに、前記図6ならびに図8〜図11のチャージポンプ回路PC0の供給効率及び供給電流について説明し、比較検討する。なお、図12では、横軸に内部電圧VPP及び電源電圧VCCの電位比率が示され、縦軸に各実施例の供給効率が示される。また、図13では、横軸に内部電圧VPP及び電源電圧VCCの電位比率が示され、縦軸に各実施例の供給電流が示される。
【0082】
まず、図6に示される第1の実施例では、前述のように、内部電圧VPPの昇圧が1段の容量C4のみによって行われ、内部ノードb2の昇圧後の電位は2×VCCとなる。このため、チャージポンプ回路PC0の供給電流IPPは、容量C4の容量値をCとし、チャージポンプ回路PC0の電荷利用効率をηc とし、チャージポンプ制御信号PCC0の周期をTとするとき、
IPP=C×(2×VCC−VPP)×ηc /T………………………(1)
となる。また、本式から得られるチャージポンプ回路PC0の等価的なポンプ容量Ci を、
i =C×(2×VCC−VPP)×ηc /VCC……………………(2)
とし、昇圧に寄与しないその他の容量をCL とするとき、チャージポンプ回路PC0の供給効率ηは、各容量の充電時及び放電時の必要電流を考慮し、
η=Ci /(2×CL +2×Ci )………………………………………(3)
となる。
【0083】
このため、上記(3)式により得られるチャージポンプ回路PC0の供給効率ηは、図12に細い実線で示されるように、内部電圧VPPの電位が電源電圧VCCに近い領域では、昇圧に寄与しない容量CL が比較的小さいため、図8ないし図11の実施例に比較して大きくなるが、内部電圧VPPの電位が高くなるに従って小さくなり、内部電圧VPPの電位が電源電圧VCCの2倍になると、上記(2)式の実質容量Ci がゼロとなり、供給効率ηもゼロとなる。また、上記(1)式により得られるチャージポンプ回路PC0の供給電流IPPは、図13に細い実線で示されるように、供給効率ηと同様、内部電圧VPPの電位が電源電圧VCCに近い領域では図8ないし図11の実施例に比較して大きくなるが、内部電圧VPPの電位が高くなるに従ってこれらの実施例より小さくなり、内部電圧VPPの電位が電源電圧VCCの2倍になるとゼロとなる。
【0084】
次に、図8及び図9に示される第2の実施例では、内部電圧VPPの昇圧がダブルブーストつまり2段の容量C4及びC33によって行われ、内部ノードb2の昇圧後の電位は3×VCCとなる。また、内部ノードb2の高電位は、出力トランスファMOSFETNL又はPBのしきい値電圧の影響を受けることなく内部電圧供給点VPPに伝達される。このため、チャージポンプ回路PC0の供給電流IPPは、容量C4及びC33の容量値をCとするとき、
IPP=(C/2)×(3×VCC−VPP)×ηc /T……………(4)
となる。また、本式から得られるチャージポンプ回路PC0の等価的なポンプ容量Ci を、
i =(C/2)×(3×VCC−VPP)×ηc /VCC…………(5)
とし、昇圧に寄与しないその他の容量をCL とするとき、チャージポンプ回路PC0の供給効率ηは、
η=Ci /(2×CL +3×Ci )………………………………………(6)
となる。
【0085】
このため、上記(6)式により得られるチャージポンプ回路PC0の供給効率ηは、図12に太い点線で示されるように、内部電圧VPPの電位が電源電圧VCCに近い領域では、昇圧に寄与しない容量CL が比較的大きいため、図6の実施例に比較して小さくなるが、内部電圧VPPの電位が高くなるに従って図6の実施例より大きくなり、やがて内部電圧VPPの電位が電源電圧VCCの3倍になると、上記(5)式の等価容量Ci がゼロとなり、供給効率ηもゼロとなる。また、上記(4)式により得られるチャージポンプ回路PC0の供給電流IPPは、図13に太い点線で示されるように、供給効率ηと同様、内部電圧VPPの電位が電源電圧VCCに近い領域では図6の実施例に比較して小さくなるが、内部電圧VPPの電位が高くなるに従って図6の実施例より大きくなり、やがて内部電圧VPPの電位が電源電圧VCCの3倍になるとゼロとなる。
【0086】
つまり、この実施例は、特にダイナミック型RAMの低電圧化が進み、内部電圧VPPと電源電圧VCCの電位比率が大きくなりつつある現状において効果的な回路構成となり、大きな供給効率及び供給電流を得ることができる。
【0087】
次に、図10に示される第4の実施例では、内部電圧VPPの昇圧がダブルブーストつまり2段の容量C4及びC33によって行われ、内部ノードb2の昇圧後の電位は3×VCCとなるが、この内部ノードb2の高電位は、トランスファMOSFETNSのしきい値電圧Vthn分だけ低くなって内部電圧供給点VPPに伝達される。このため、チャージポンプ回路PC0の供給電流IPPは、
IPP=(C/2)×(3×VCC−Vthn−VPP)×ηc /T……………………………(7)
となる。また、本式から得られるチャージポンプ回路PC0の実質的なポンプ容量Ci を、
i =(C/2)×(3×VCC−Vthn−VPP)×ηc /VCC
とし、昇圧に寄与しないその他の容量をCL とするとき、チャージポンプ回路PC0の供給効率ηは、
η=Ci /(2×CL +3×Ci )………………………………………(8)
となる。
【0088】
このため、上記(8)式によって得られるチャージポンプ回路PC0の供給効率ηは、図12に太い実線で示されるように、図8及び図9の実施例に比較して全体的にトランスファMOSFETNSのしきい値電圧Vthn分だけ小さくなり、上記(7)式により得られる供給電流IPPも、図13に太い実線で示されるように、供給効率ηと同様、図8及び図9の実施例に比較して全体的にトランスファMOSFETNSのしきい値電圧Vthn分だけ小さくなる。
【0089】
つまり、この実施例では、前記図8及び図9の実施例に比較した場合、供給効率及び供給電流はやや小さくなるが、トランスファMOSFETNSのゲート電位を制御するゲート電圧昇圧回路やレベルシフト回路LSFが不要となり、チャージポンプ回路PC0の回路構成をさらに簡素化できる。また、トランスファMOSFETがNチャンネル型とされることで、内部電圧VPPの電位がある程度大きくなってもラッチアップを防止できるが、トランスファMOSFETの基板電圧が接地電位VSS又は所定の負電位とされることでしきい値電圧Vthnが比較的大きくなり、相応して供給効率及び供給電流が小さくなる。
【0090】
一方、図11に示される第5の実施例では、図8及び図9の実施例と同様、内部電圧VPPの昇圧がダブルブーストつまり2段の容量C4及びC33によって行われ、内部ノードb2の昇圧後の電位は3×VCCとなるが、この内部ノードb2の高電位は、トランスファMOSFETPCのしきい値電圧Vthp分だけ低くなる。このため、チャージポンプ回路PC0の供給電流IPPは、
IPP=(C/2)×(3×VCC−Vthp−VPP)×ηc /T………………………(9)
となる。また、本式から得られるチャージポンプ回路PC0の等価的なポンプ容量Ci を、
i =(C/2)×(3×VCC−Vthp−VPP)×ηc /VCC
とし、昇圧に寄与しないその他の容量をCL とするとき、チャージポンプ回路PC0の供給効率ηは、やはり、
η=Ci /(2×CL +3×Ci )……………………………………(10)
となる。
【0091】
このため、上記(10)式により得られるチャージポンプ回路PC0の供給効率ηは、図12に太い実線で示されるように、図8及び図9の実施例に比較して全体的にトランスファMOSFETPCのしきい値電圧Vthp分だけ小さくなり、上記(9)式により得られる供給電流IPPも、図13に太い実線で示されるように、供給効率ηと同様、図8及び図9の実施例に比較して全体的にトランスファMOSFETPCのしきい値電圧Vthp分だけ小さくなる。
【0092】
つまり、この実施例では、前記図8及び図9の実施例に比較した場合、供給効率及び供給電流はやや小さくなるが、トランスファMOSFETPCのゲート電位を制御するゲート電圧昇圧回路やレベルシフト回路LSFが不要となり、チャージポンプ回路PC0の回路構成をさらに簡素化することができる。ただ、内部電圧VPPの電位がある程度大きくなると、トランスファMOSFETがPチャンネル型であるため、ラッチアップのおそれが生じる。
【0093】
図14には、図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路VPPGに含まれるチャージポンプ回路PC0の第6の実施例の部分的な回路図が示されている。なお、この実施例のチャージポンプ回路PC0は、前記図6ならびに図8ないし図11の実施例を基本的に踏襲するものであるため、これと異なる部分についてのみ説明を追加する。また、図14には、チャージポンプ回路PC0のゲート電圧昇圧回路に関する部分が部分的に示されているが、前記実施例から明らかなように、チャージポンプ回路PC0がj−1個の単位ブースト回路を含む内部電圧昇圧回路やゲート電圧昇圧回路の出力電圧を受けるNチャンネル型の出力トランスファMOSFETを備えるものであることは言うまでもない。
【0094】
図14において、この実施例のチャージポンプ回路PC0は、その第2のノードつまりトランスファMOSFETP81〜P8jのソースが容量C2(第1の容量)の一方の電極つまり上部電極、又は前段回路の第1のノードつまり容量C31〜C3j−1の上部電極に順次結合される形で実質直列結合されるj段の単位ブースト回路UB1〜UBjを含む。これらの単位ブースト回路UB1〜UBjを構成する容量C31〜C3j(第1の容量)の上部電極は、対応するNチャンネル型のプリチャージMOSFETNC1〜NCjを介して電源電圧VCCに結合される。また、単位ブースト回路UB1〜UBjは、内部ノードn2がロウレベルとされ内部ノードn5がハイレベルとされることで、容量C31〜C3jに対するプリチャージ動作を行い、内部ノードn2がハイレベルとされ内部ノードn6がハイレベルとされることで、前記のようなブースト動作を行う。このとき、単位ブースト回路UB1〜UBjを構成する容量C31〜C3jは直列結合され、最終段の単位ブースト回路UBjの容量C3jの上部電極には、(j+1)×VCCなる高電位VBが得られるものとなる。
【0095】
この実施例において、単位ブースト回路UB1を構成するトランスファMOSFETP81及びMOSFETN91のゲートには、第3の電位として電源電圧VCCが供給され、他の単位ブースト回路UB2〜UBjを構成するトランスファMOSFETP82〜P8jならびにMOSFETN92〜N9jのゲートには、第3の電位として前段回路つまり単位ブースト回路UB1〜UBj−1の第1のノードつまり容量C31〜C3j−1の上部電極における電位がそれぞれ供給される。このため、単位ブースト回路UB1〜UBjのブースト動作が行われるとき、これらのトランスファMOSFETP81〜P8jならびにMOSFETN91〜N9jのゲート・ドレイン間に印加される電圧は、生成される内部電圧VPPの電位に関係なくすべてVCCとなる。この結果、これらのMOSFETの耐圧破壊をさらに防止し、チャージポンプ回路PC0ひいてはダイナミック型RAMの信頼性をさらに高めることができるものとなる。
【0096】
以上の実施例から得られる作用効果は、下記の通りである。すなわち、
(1)ダイナミック型RAM等に内蔵されワード線の選択電位を生成するVPP発生回路等の昇圧回路を、その一方の電極が対応するプリチャージMOSFETを介して第1の電位供給点に結合される第1の容量と、その一方の電極が第1のノードに結合されさらに対応するプリチャージMOSFETを介して第1の電位供給点に結合される第2の容量,該第2の容量の他方の電極と第2の電位供給点との間に直列形態に設けられそのゲートに第3の電位を受けるNチャンネル型の第1のMOSFET及びそのゲートに第1の内部信号を受けるNチャンネル型の第2のMOSFET,ならびに第2の容量の他方の電極と第2のノードとの間に設けられそのゲートに第3の電位を受けるPチャンネル型の第3のMOSFETとをそれぞれ含み、その第2のノードが第1の容量の一方の電極又は前段回路の第1のノードに順次結合される形で実質直列結合される1段又は複数段の単位ブースト回路とを含む内部電圧昇圧回路もとに構成することで、所望の高電位を有する内部電圧を容易に生成することができるという効果が得られる。
(2)上記(1)項により、動作電源の低電圧化が進むダイナミック型RAM等に含まれるVPP発生回路等の供給効率を高め、その供給電流を大きくすることができるという効果が得られる。
【0097】
(3)上記(1)項及び(2)項において、内部電圧昇圧回路を構成する各単位ブースト回路の第1及び第3のMOSFETのゲートに、第1の電源電圧電位あるいは前段の単位ブースト回路の第1のノードにおける電位を第3の電位として供給することで、第1及び第3のMOSFETのゲート・ドレイン間に印加される電圧を小さくして、その耐圧破壊を防止できるという効果が得られる。
(4)上記(3)により、VPP発生回路ひいてはこれを含むダイナミック型RAM等の信頼性を高めることができるという効果が得られる。
【0098】
(5)上記(1)項ないし(4)項において、内部電圧昇圧回路の出力端子と内部電圧供給点との間にNチャンネル型の出力トランスファMOSFETを設け、この出力トランスファMOSFETのゲートに、内部電圧昇圧回路と同様な構成とされ1段多い単位ブースト回路を含むゲート電圧昇圧回路の出力電圧を供給することで、内部電圧の電位に関係なく、内部電圧昇圧回路により生成された高電位が出力トランスファMOSFETのしきい値電圧によって低下されるのを防止することができるという効果が得られる。
(6)上記(5)項により、動作電源の低電圧化が進むダイナミック型RAM等に含まれるVPP発生回路の供給効率をさらに高め、その供給電流をさらに大きくすることができるという効果が得られる。
【0099】
(7)上記(5)項及び(6)項において、出力トランスファMOSFETをPチャンネルMOSFETに置き換え、そのゲートに、レベルシフト回路により電位変換された制御電圧を印加することで、出力トランスファMOSFETのゲート電位を昇圧するためのゲート電圧昇圧回路を削除し、VPP発生回路の回路構成を簡素化することができるという効果が得られる。
(8)上記(5)項及び(6)項において、出力トランスファMOSFETをダイオード形態とされるNチャンネル又はPチャンネルMOSFETに置き換えることで、ゲート電圧昇圧回路及びレベルシフト回路を削除し、VPP発生回路の回路構成をさらに簡素化することができるという効果が得られる。
【0100】
(9)上記(1)項ないし(8)項において、第1の電源電圧供給点とプリチャージMOSFETのゲート及び第4の容量の一方の電極が結合される第1の内部ノードとの間に、内部電圧昇圧回路又はゲート電圧昇圧回路の出力電圧を受けるNチャンネル型の第6のMOSFETを設けることで、電源バンプ等により第1の内部ノードの電位が不特定となるのを防止し、昇圧回路ひいてはダイナミック型RAM等の動作をさらに安定化できるという効果が得られる。
【0101】
以上、本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、図1において、ダイナミック型RAMは、任意数のバンクを備えることができるし、VPP発生回路VPPGも、これに対応して任意数のワンショットパルス発生回路,パルス合成回路ならびにチャージポンプ回路を備えるものとなる。ダイナミック型RAM及びそのVPP発生回路VPPGのブロック構成は、種々考えられるし、電源電圧及び各内部電圧の極性及び絶対値ならびに各信号の有効レベル等も、本実施例により制約されることなく種々の実施形態をとりうる。
【0102】
図2,図3,図4ならびに図5において、ワンショットパルス発生回路OP0〜OP3,レベルセンサLS,発振回路OSCならびにパルス合成回路ADD0〜ADD3の具体的構成は、種々の実施形態をとりうる。図6ならびに図8〜図11において、チャージポンプ回路PC0〜PC3は、任意段数の単位昇圧回路を含むことができる。また、図14において、単位ブースト回路UB1〜UBjを構成するMOSFETN91〜N9jを、直列結合される複数のNチャンネルMOSFETに置き換えることで、ブースト時にオフ状態とされるMOSFETNA1〜NAjの耐圧破壊をさらに防止することができる。各実施例として示されるチャージポンプ回路PC0の具体的回路構成やMOSFETの導電型等は、基本的論理条件が変わらない限り種々の実施形態をとりうる。
【0103】
図7において、チャージポンプ回路PC0の各内部信号の絶対的なレベル及び時間関係は、本発明の主旨に影響を与えない。
【0104】
以上の説明では、主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるダイナミック型RAMのVPP発生回路に適用した場合について説明したが、それに限定されるものではなく、例えば、ダイナミック型RAMの他の各種の昇圧回路や同様な昇圧回路を含む各種のメモリ集積回路装置及び論理集積回路装置等にも適用できる。この発明は、少なくともブースト用の容量を含む昇圧回路ならびにこれを含む装置又はシステムに広く適用できる。
【0105】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、ダイナミック型RAM等に内蔵されワード線の選択電位を生成するVPP発生回路等の昇圧回路を、その一方の電極が対応するプリチャージMOSFETを介して第1の電位供給点に結合される第1の容量と、その一方の電極が第1のノードに結合されさらに対応するプリチャージMOSFETを介して第1の電位供給点に結合される第2の容量,該第2の容量の他方の電極と第2の電位供給点との間に直列形態に設けられそのゲートに第3の電位を受けるNチャンネル型の第1のMOSFET及びそのゲートに第1の内部信号を受けるNチャンネル型の第2のMOSFET,ならびに第2の容量の他方の電極と第2のノードとの間に設けられそのゲートに第3の電位を受けるPチャンネル型の第3のMOSFETとをそれぞれ含み、その第2のノードが第1の容量の一方の電極又は前段回路の第1のノードに順次結合される形で実質直列結合される1段又は複数段の単位ブースト回路とを含む内部電圧昇圧回路もとに構成することで、所望の高電位とされる内部電圧を容易に生成することができ、動作電源の低電圧化が進むダイナミック型RAM等に含まれるVPP発生回路等の供給効率を高め、その供給電流を大きくすることができる。
【0106】
上記内部電圧昇圧回路を構成する各単位ブースト回路の第1及び第3のMOSFETのゲートに、第1の電源電圧電位あるいは前段の単位ブースト回路の第1のノードにおける電位を第3の電位として供給することで、第1及び第3のMOSFETのゲート・ドレイン間に印加される電圧を小さくして、その耐圧破壊を防止することができ、これによってVPP発生回路ひいてはこれを含むダイナミック型RAM等の信頼性を高めることができる。
【0107】
上記内部電圧昇圧回路の出力端子と内部電圧供給点との間にPチャンネル型又はNチャンネル型の出力トランスファMOSFETを設け、この出力トランスファMOSFETのゲートに、内部電圧昇圧回路と同様な構成とされ1段多い単位ブースト回路を含むゲート電圧昇圧回路の出力電圧又はレベルシフト回路により電位変換された制御電圧を供給することで、内部電圧の電位に関係なく、内部電圧昇圧回路により生成された高電位が出力トランスファMOSFETのしきい値電圧によって低下されるのを防止することができ、これによってVPP発生回路ひいてはこれを含むダイナミック型RAM等の供給効率をさらに高め、その供給電流をさらに大きくすることができる。
【0108】
第1の電源電圧供給点と上記プリチャージMOSFETのゲート及び第4の容量の一方の電極が結合される第1の内部ノードとの間に、内部電圧昇圧回路又はゲート電圧昇圧回路を構成する所定の単位ブースト回路の昇圧電圧を受けるNチャンネル型の第6のMOSFETを設けることで、電源バンプ等により第1の内部ノードの電位が不特定となるのを防止でき、VPP発生回路ひいてはダイナミック型RAM等の動作をさらに安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明が適用されたダイナミック型RAMの一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路に含まれるワンショットパルス発生回路の一実施例を示す回路図である。
【図3】図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路に含まれるレベルセンサの一実施例を示す回路図である。
【図4】図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路に含まれる発振回路の一実施例を示す回路図である。
【図5】図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路に含まれるパルス合成回路の一実施例を示す回路図である。
【図6】図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路に含まれるチャージポンプ回路の第1の実施例を示す回路図である。
【図7】図6のチャージポンプ回路の一実施例を示す信号波形図である。
【図8】図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路に含まれるチャージポンプ回路の第2の実施例を示す回路図である。
【図9】図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路に含まれるチャージポンプ回路の第3の実施例を示す回路図である。
【図10】図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路に含まれるチャージポンプ回路の第4の実施例を示す回路図である。
【図11】図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路に含まれるチャージポンプ回路の第5の実施例を示す回路図である。
【図12】図6ならびに図8ないし図11のチャージポンプ回路の供給効率を説明するための一実施例を示す特性図である。
【図13】図6ならびに図8ないし図11のチャージポンプ回路の供給電流を説明するための一実施例を示す特性図である。
【図14】図1のダイナミック型RAMのVPP発生回路に含まれるチャージポンプ回路の第6の実施例を示す部分的な回路図である。
【図15】従来のチャージポンプ回路の一例を示す回路図である。
【符号の説明】
IF……インターフェイス回路、BANK0〜BANK3……バンク、ARY0〜ARY3……メモリアレイ、BC0〜BC3……バンクコントローラ、RBA……ロウバンクアドレス信号、CBA……カラムバンクアドレス信号、BR0〜BR3……ロウバンク選択信号、RD0〜RD3……ロウアドレスデコーダ、RA……ロウアドレス信号、SA……センスアンプ、CD……カラムアドレスデコーダ、CA……カラムアドレス信号、VPPG……VPP発生回路、OP0〜OP3……ワンショットパルス発生回路、LS……レベルセンサ、VPP……ワード線選択電圧、VR……参照電圧、OSC……発振回路、ADD0〜ADD3……パルス合成回路、PC0〜PC3……チャージポンプ回路。
UB1〜UBj……単位ブースト回路、LSF……レベルシフト回路。
UVB1〜UVBk……単位昇圧回路、S1〜S2……スイッチ。
DET……内部制御信号、PCC0……チャージポンプ制御信号。
P1〜PC,P81〜P8j……PチャンネルMOSFET、N1〜NU,N91〜N9j,NA1〜NAj,NC1〜NCj,Na〜Nf……NチャンネルMOSFET、R1〜R8……抵抗、C1〜C5,C11〜C18,C31〜C3j,Ca〜Ce,Co……容量、V1〜VM,Va〜Vd……インバータ、EO1……排他的論理和回路、NO1〜NO6……ノア(NOR)ゲート、n1〜n8,b1〜b4,na〜nb,nv,n11〜n1k……内部ノード、VCC……電源電圧、VSS……接地電位、VPP,VDL……内部電圧。

Claims (6)

  1. 上部電極が対応するプリチャージMOSFETを介して第1の電位供給点に結合される第1の容量と、
    前記上部電極が出力ノードに結合され、さらに、対応するプリチャージMOSFETを介して前記第1の電位供給点に結合される第2の容量と、該第2の容量の下部電極と第2の電位供給点との間に直列形態に設けられるゲートに前記第一の電位供給点の電位を受ける第1導電型の第1のMOSFET及びそのゲートに第1の内部信号を受ける第1導電型の第2のMOSFETと、前記第2の容量の下部電極と入力ノードとの間に設けられるゲートに前記第一の電位供給点の電位を受ける第2導電型の第3のMOSFETとを含む単位ブースト回路とを含み、
    前記第2のMOSFETは前記第2の電位供給点側に設けられ、
    前記単位ブースト回路の前記入力ノードが前記第1の容量の上部電極に結合されてなり、
    前記プリチャージMOSFETのゲートは、第1の内部ノードに結合されるものであって、
    上部電極が前記第1の内部ノードに結合される第4の容量と、
    第1の電位供給点と前記第1の内部ノードとの間に設けられ前記第1の内部ノード側をアノードとする形でダイオード形態とされる所定数の第1導電型の第4のMOSFETと、
    第1の電位供給点と前記第1の内部ノードとの間に設けられ前記第1の電位供給点側をアノードとする形でダイオード形態とされる所定数の第1導電型の第5のMOSFETと、
    前記第1の電位供給点と前記第1の内部ノードとの間に設けられ、ゲートが前記第1の容量の上部電極に結合される第1導電型の第6のMOSFETを含むものであることを特徴とする昇圧回路。
  2. 請求項1記載の昇圧回路において、
    前記第1の容量及び単位ブースト回路は、ゲート電圧昇圧回路を構成するものであって、
    前記昇圧回路は、さらに、前記複数の単位ブースト回路と、上部電極が対応するプリチャージMOSFETを介して前記第1の電位供給点に結合される第3の容量(C4)と、を含む内部電圧昇圧回路と、
    前記第3の容量の上部電極と内部電圧供給点との間に設けられ、そのゲートに前記ゲート電圧昇圧回路の出力電圧を受ける第1導電型の出力トランスファMOSFETとを含み、
    前記第1のMOSFETのゲートと、前記第3のMOSFETのゲートとは、第1の電位供給点の電位を受けるものであることを特徴とする昇圧回路。
  3. 請求項2記載の昇圧回路において、
    前記内部電圧昇圧回路は、さらに、
    前記入力ノードが前記第3の容量の上部電極又は前段回路の前記出力ノードに順次結合される形で実質直列結合されるi個の前記単位ブースト回路を含むものであって、
    前記ゲート電圧昇圧回路は、
    前記入力ノードが前記第1の容量の上部電極又は前段回路の前記出力ノードに順次結合される形で実質直列結合されるi+1個の前記単位ブースト回路を含むものであることを特徴とする昇圧回路。
  4. 請求項1記載の昇圧回路において、
    前記第1の容量及び単位ブースト回路は内部電圧昇圧回路を構成するものであって、
    前記昇圧回路は、さらに、
    前記内部電圧供給点における内部電圧を高電位側動作電圧源とし、前記第2の電位を低電位側動作電圧源とし、かつ、第2の内部信号に従ってその出力信号を選択的に有効レべルとするレべルシフト回路と、
    前記第2の容量の上部電極と内部電圧供給点との間に設けられ、ゲートに前記レべルシフト回路の出力信号を受ける第2導電型の出力トランスファMOSFETとを含むものであることを特徴とする昇圧回路。
  5. 請求項1記載の昇圧回路において、
    前記第1の容量及び単位ブースト回路は内部電圧昇圧回路を構成するものであって、
    前記昇圧回路は、さらに、
    前記第2の容量の上部電極と内部電圧供給点との間に設けられ、前記第1の容量の上部電極側をアノードとする形でダイオード形態とされる第1導電型又は第2導電型の出力トランスファMOSFETを含むものであることを特徴とする昇圧回路。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の昇圧回路において、
    前記昇圧回路は、複数のバンクを具備するダイナミック型RAMに含まれ、かつ、前記バンクのそれぞれに対応して設けられるものであって、
    前記内部電圧供給点における内部電圧は、前記バンクを構成するワード線の選択電位として用いられるものであることを特徴とする昇圧回路。
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