JP4063981B2 - 1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モルタル、アルミ等に対する接着性および硬化後の物性に優れ、シーラント、接着剤、防水材等に好適に用いられる1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタン組成物は、シーラント、接着剤等として広く利用されている。これらの中でも、建築用シーラントや土木用シーラントに用いられるポリウレタン組成物には、モルタル、アルミ等に対する接着性が要求される。
従来より、ポリウレタン組成物にモルタル、アルミ等に対する接着性を付与するために、エポキシ基を有するシランカップリング剤を添加する手法が知られているが、十分な接着性を発現させるためには、添加量を多くせざるを得ない。しかし、添加量を多くすると、シランカップリング剤がモルタル、アルミ等と接着する際に発生するアルコールが、ウレタンプレポリマーのイソシアネート基と反応するので、硬化不良を起こすという問題がある。
【0003】
一方、米国特許第5,623,044号明細書には、ポリウレタン組成物に、種々のイソシアネートの縮合物に第二級アミノシランを反応させた化合物を含有させることにより、接着性を改良する手法が記載されている。しかし、前記化合物は接着性改良効果が小さいので、接着性を発現させるためにはシーラントに対して0.5%以上含有させる必要があり、それによりシーラントの物性等が悪化する。逆に、前記化合物の含有量が0.5%未満であると、モルタル、アルミ等に対する接着性が十分でない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、モルタル、アルミ等に対する接着性および硬化後の物性に優れる1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)末端にイソシアネート基を0.7〜10重量%有するウレタンプレポリマー、
(2)炭酸カルシウムおよび
(3)1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)と第二級アミノ基を有するシラン化合物(b)とを、NCO/NH=1.2〜4.0となる割合で反応させた化合物(A)
を含有する1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物であって、(2)の含有量が(1)100重量部に対して20〜200重量部であり、(3)の含有量がウレタン樹脂組成物全体に対して0.05重量%以上0.5重量%未満であり、
前記1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)が、トリメチロールプロパンと脂肪族ポリイソシアネートとの付加体またはリジントリイソシアネートである1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物を提供する。
【0006】
前記リジントリイソシアネートが、下記式2で表される化合物であるのが好ましい。
【化2】
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物(以下「本発明の組成物」という。)は、ウレタンプレポリマー、炭酸カルシウムおよび化合物(A)を含有する。
【0008】
本発明に用いられるウレタンプレポリマーは、通常の1液ウレタン樹脂組成物に使用されるものであればよく、ポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物との反応生成物である。ここで、過剰とは、ポリオール化合物の有するOH基の当量より、ポリイソシアネート化合物の有するNCO基の当量の方が多いことを意味する。
【0009】
ウレタンプレポリマーを生成するポリオール化合物は、通常の1液ウレタン樹脂組成物に用いられるものを使用することができる。例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールその他のポリオールおよびこれらの混合ポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン、1,2,5−ヘキサントリオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、4,4´−ジヒドロキシフェニルプロパン、4,4´−ジヒドロキシフェニルメタン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールの1種または2種以上に、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等の1種または2種以上を付加して得られるポリエーテルポリオール;ポリオキシテトラメチレンオキサイドが挙げられる。具体的には、例えば、ポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリオキシプロピレントリオールが挙げられる。
【0010】
ポリエステルポリオールは、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパンその他の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸その他の低分子カルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合体;プロピオンラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等の開環重合体が挙げられる。
【0011】
上記以外のポリオールとしては、ポリマーポリオール;ポリカーボネートポリオール;ポリブタジエンポリオール;水素添加されたポリブタジエンポリオール;アクリルポリオール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール等の低分子ポリオールが挙げられる。
【0012】
これらの中でも、数平均分子量が1000〜15000、特に1000〜10000であるポリエーテルポリオールが、ガラス転移温度、硬化後の組成物のシーラントとしての物性の点で好ましい。
【0013】
ウレタンプレポリマーを生成するポリイソシアネート化合物は、通常の1液ウレタン樹脂組成物に用いられる芳香族ポリイソシアネートおよび脂肪族ポリイソシアネートのいずれも使用することができる。本発明において、芳香族ポリイソシアネートとは、全てのイソシアネート基が芳香環に直接結合しているイソシアネート化合物をいい、脂肪族ポリイソシアネートとは、該芳香族ポリイソシアネート以外のポリイソシアネート化合物をいう。
芳香族ポリイソシアネートは、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオホスフェートが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートは、例えば、エチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、下記式1で表されるリジンジイソシアネート等のリジンジイソシアネート、下記式2で表されるリジントリイソシアネート等のリジントリイソシアネート、上述した各芳香族ポリイソシアネートの水素添加化合物が挙げられる。
【0014】
【化3】
【0015】
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0016】
本発明に用いられるウレタンプレポリマーは、上述のポリオール化合物と過剰のポリイソシアネート化合物とを反応させて製造することができる。ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との混合比は、ポリオール化合物中の水酸基の当量に対するポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基の当量の比(NCO/OH)が、NCO/OH=1.2〜2.5であるのが好ましく、1.5〜2.4であるのがより好ましい。上記範囲であると、ウレタンプレポリマーの粘度が適切となる。
【0017】
また、本発明に用いられるウレタンプレポリマーの製造方法は、通常のウレタンプレポリマーと同様の方法を用いることができ、例えば、上述の量比のポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を、50〜100℃で加熱かくはんすることによって行うことができる。また、必要に応じて、有機錫化合物、有機ビスマス、アミン等のウレタン化触媒を用いることもできる。
【0018】
このようにして得られるウレタンプレポリマーは、イソシアネート基数が、1分子当たり平均で2.0以上であるのが好ましく、2.2以上であるのがより好ましく、また、重量%でいうと0.4重量%以上であるのが好ましく、0.5重量%以上であるのがより好ましい。平均分子量は2000〜20000であるのが好ましく、2000〜15000であるのがより好ましい。上記範囲であると、得られる本発明の組成物の粘度が好適になり、接着性および硬化後のシーラントとしての特性(例えば、硬度、モジュラス)が優れたものになる。
【0019】
本発明に用いられる炭酸カルシウムは、特に限定されず、例えば、重質炭酸カルシウム、沈降製炭酸カルシウム(軽質炭酸カルシウム)、およびこれらを脂肪酸、脂肪酸エステル、アミン/脂肪酸エステル混合液、樹脂酸等により表面処理したものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物における炭酸カルシウムの含有量は、ウレタンプレポリマー100重量部に対して20〜200重量部であり、好ましくは50〜150重量部である。上記範囲であると、建築用シーラントや土木用シーラントとして用いる場合に要求される硬化後の物性が優れ、かつ、コスト低下を図ることもできる。
【0020】
本発明に用いられる化合物(A)は、ポリイソシアネート化合物(a)と第二級アミノ基を有するシラン化合物(b)とを反応させたものである。
前記ポリイソシアネート化合物(a)は、上記式2で表されるリジントリイソシアネート等のリジントリイソシアネート、トリメチロールプロパンと脂肪族ポリイソシアネートとの付加体が挙げられる。
【0021】
中でも、ポリイソシアネート化合物(a)が、トリメチロールプロパンと脂肪族ポリイソシアネートとの付加体であるのが好ましい。
前記付加体に用いられる脂肪族ポリイソシアネートは、ウレタンプレポリマーを生成する脂肪族ポリイソシアネートとして列挙したものの1種または2種以上を用いることができる。中でも、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートが好ましい。
前記付加体は、1分子のトリメチロールプロパンの3個の水酸基に、3分子の脂肪族ポリイソシアネートのイソシアネート基1個ずつを反応させて得られる。トリメチロールプロパン1分子に付加する脂肪族ポリイソシアネート3分子は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
前記付加体の具体例としては、日本ポリウレタン社製のコロネートHL;武田薬品工業社製のD−120N、D−110Nが挙げられる。
【0022】
ポリイソシアネート化合物(a)と後述する第二級アミノ基を有するシラン化合物(b)との反応物である化合物(A)は、芳香族ポリイソシアネート化合物に比べてウレタンプレポリマーとの相溶性が低いので、ブリードアウトが起こる。本発明の組成物が、化合物(A)を僅かに含有するだけで優れた接着性を発現するのは、そのためと考えられる。
【0023】
第二級アミノ基を有するシラン化合物(b)は、第二級アミノ基(−NHR)とケイ素原子に結合した加水分解可能なアルコキシ基を含む化合物である。例えば、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミンが挙げられる。
【0024】
本発明に用いられる化合物(A)は、上記ポリイソシアネート化合物(a)と上記第二級アミノ基を有するシラン化合物(b)とをNCO/NH=1.2〜4.0となる割合で反応させたものである。ここで、NCO/NHは、第二級アミノ基を有するシラン化合物(b)の有する第二級アミノ基の当量に対するポリイソシアネート化合物(a)の有するイソシアネート基の当量の比を表す。この比が上記範囲にあると、接着性に優れる。
化合物(A)の合成反応は室温下で行うが、発熱を伴うため、ポリイソシアネート化合物(a)に第二級アミノ基を有するシラン化合物(b)をゆっくり滴下することにより行う。また、粘度調節のために、必要に応じて、トルエン等の溶媒を加えて反応を行ってもよい。
【0025】
上述のようにして得られる化合物(A)は、イソシアネート基を好ましくは平均1.5個以上、より好ましくは平均1.5〜2.5個、ケイ素に結合した加水分解可能なアルコキシ基を好ましくは平均1.5個以上、より好ましくは平均1.5〜9.0個有する。上記範囲であると、本発明の組成物の接着性および硬化後の物性に優れる。
【0026】
本発明の組成物における化合物(A)の含有量は、本発明の組成物全体に対して0.05重量%以上0.5重量%未満である。0.05重量%未満であると、十分な接着性が発現しない。0.5重量%以上であると、接着性は十分に発現するが、硬化後の物性、例えば伸びが十分なものとならない。
【0027】
本発明の組成物は、上述の各成分に加え、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加剤を含有することができる。
その他の添加剤は、例えば、カーボンブラック、クレー、タルク、ホワイトカーボン、無水ケイ酸等の充填剤;ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、テトラヒドロフタル酸、アゼライン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、アジピン酸、セバチン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クエン酸およびこれらの誘導体、ポリエステル、ポリエーテル、エポキシ系、パラフィン系、ナフテン系および芳香族系のプロセスオイル等の可塑剤;トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の溶剤;ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ラウレート、オクチル酸錫、オクチル酸鉛、3級アミン等の硬化促進剤が挙げられる。
【0028】
本発明の組成物の製造方法は、特に限定されず、通常の1液ウレタン樹脂組成物と同様の方法を用いることができるが、化合物中の含水率が低い状態で、更には無水状態で行うのが好ましい。製造系内の水分により、製造時の粘度が高くなり、また、化合物(A)が加水分解を起こし、得られる本発明の組成物の接着性が損なわれるからである。具体的には、例えば、ウレタンプレポリマー、炭酸カルシウム、化合物(A)および必要に応じてその他の添加剤を、無水状態で十分に混練し、均一に分散させることによって製造する。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0030】
1.ウレタンプレポリマーの合成
平均分子量2000のポリプロピレンジオール500g、平均分子量5000のポリプロピレントリオール750gおよび4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート214gを混合し(NCO/OH=1.8)、更にフタル酸ジオクチル1460gを加えて、N2 気流中、80℃でかくはんし、反応させて、イソシアネート基を1.1重量%含有するウレタンプレポリマーを合成した。
【0031】
2.化合物(A)等の合成
(1)化合物(A)−1の合成
トリメチロールプロパン(TMP)のヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)3モル付加体(コロネートHL、日本ポリウレタン社製、NCO基含有量=12.8重量%)168.0gおよびトルエン142.0gを4口フラスコに入れ、N2 気流中でかくはんしながら、N,N−ビス〔(3−トリメトキシシリル)プロピル〕アミン(A−1170、日本ユニカー社製)58.2gを滴下して反応させ(NCO/NH=3.0)、化合物(A)−1を得た。反応液中の化合物(A)−1の含有量は50.0重量%、反応液中のイソシアネート基の含有量は3.9重量%であった。
【0032】
(2)化合物(A)−2の合成
TMPのHDI3モル付加体(コロネートHL)336.0gおよびトルエン168.0gを4口フラスコに入れ、N2 気流中でかくはんしながら、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(Y−9669、日本ユニカー社製)87.0gを滴下して反応させ(NCO/NH=3.0)、化合物(A)−2を得た。反応液中の化合物(A)−2の含有量は57.4重量%、反応液中のイソシアネート基の含有量は4.9重量%であった。
【0033】
(3)化合物(A)−3の合成
上記式2で表されるリジントリイソシアネート(協和発酵社製、NCO含有量=47.1重量%)100.0gを4口フラスコに入れ、N2 気流中でかくはんしながら、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(Y−9669)95.32gを滴下して反応させ(NCO/NH=3.0)、化合物(A)−3を得た。
【0034】
(4)化合物(A)−4の合成
TMPのXDI3モル付加体(D−110N)100.0gを4口フラスコに入れ、N2 気流中でかくはんしながら、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン(Y−9669)23.6gを滴下して反応させ(NCO/NH=3.0)、化合物(A)−4を得た。反応液中の化合物(A)−4の含有量は75.5重量%、反応液中のイソシアネート基の含有量は6.3重量%であった。
【0035】
(5)HDIイソシアヌレート体と第二級アミノ基を有するシラン化合物(b)との反応物の合成
HDIイソシアヌレート体(スミジュールN−3500(=デスモジュールN−3300)、住友バイエルウレタン社製、NCO含有量=23.2重量%)95.6gおよびトルエン45.0gを4口フラスコに入れ、N2 気流中でかくはんしながら、N,N−ビス〔(3−トリメトキシシリル)プロピル〕アミン(A−1170)90.0gを滴下して反応させ(NCO/NH=3.0)、反応物を得た。反応液中の反応物の含有量は80.5重量%、反応液中のイソシアネート基の含有量は6.4重量%であった。
【0036】
上記(1)〜(5)で得られた反応液の固形分を80.0重量%に調整し、接着性付与剤1〜5として、以下のウレタン樹脂組成物の調製に用いた。
【0037】
3.ウレタン樹脂組成物の調製
以下に示される材料を第1表に示される量比でドライブレンドして、各1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物を得た。
(1)上記で得られたウレタンプレポリマー
(2)充填剤
▲1▼炭酸カルシウム:シーレッツ200、丸尾カルシウム社製
▲2▼酸化チタン:R820、石原産業社製
(3)可塑剤(ジオクチルフタレート)
(4)溶剤(キシレン)
(5)オイル(ステアリン酸変性シリコーンオイル):メチルハイドロジェンポリシロキサンとステアリン酸の反応物
(6)接着性付与剤
▲1▼接着性付与剤1〜4:上記で得られた化合物(A)−1〜(A)−4(80.0重量%含有)
▲2▼接着性付与剤5:上記で得られたHDIイソシアヌレート体とN,N−ビス〔(3−トリメトキシシリル)プロピル〕アミンとの反応物(80.0重量%含有)
▲3▼接着性付与剤6:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
【0038】
4.1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物の評価
得られた各1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物について、以下の試験を行い、接着性および硬化物の伸びを評価した。
(1)接着性試験
各1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物をアルミニウム板および塗装鋼板に3mm厚で塗布し、試験体とした。試験体を20℃、55%RHの雰囲気下で5日間または9日間放置した後、ナイフカットによる手剥離試験を行い、接着界面の状態を観察した。
接着性は、破壊の状態(CF:組成物の凝集破壊、AF:アルミニウム板−組成物界面破壊)およびその面積の塗布面積に対する割合(%)で評価した。CF100は、塗布面積全てで組成物が凝集破壊し、組成物とアルミニウム板の界面でのはく離がなかったことを示し、AF100は、塗布面積全てで組成物とアルミニウム板の界面で剥離し、組成物の凝集破壊がなかったことを示し、CF20は、塗布面積の20%が組成物の凝集破壊、80%がアルミニウム板−組成物界面破壊であることを示す。
(2)引張試験
各1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物を20℃、65%RHの雰囲気下で7日間硬化させた硬化物について、JIS K6251の規定に準拠して引張試験を行い、伸び(Eb )を測定した。
【0039】
結果を第1表に示す。第1表から明らかなように、本発明の組成物(実施例1〜5)は、アルミニウム板に対する接着性および硬化後の物性に優れる。
これに対して、接着性付与剤として、化合物(A)の代わりに、エポキシ基を有するシランカップリング剤(比較例1)または米国特許第5,623,044号明細書に記載されているHDIイソシアヌレート体とN,N−ビス〔(3−トリメトキシシリル)プロピル〕アミンとの反応物(比較例2)を用いる場合は、接着性付与剤を用いない場合(比較例4)よりはよいものの、接着性に劣る。また、化合物(A)の含有量が多い場合(比較例3)は、接着性に優れるが、硬化後の伸びが小さい。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】
本発明の1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物は、モルタル、アルミ等に対する接着性および硬化後の物性に優れる。従って、建築用シーラント、土木用シーラント等のシーラント、接着剤、防水材等に好適に用いられる。
Claims (3)
- (1)末端にイソシアネート基を0.7〜10重量%有するウレタンプレポリマー、
(2)炭酸カルシウムおよび
(3)1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)と第二級アミノ基を有するシラン化合物(b)とを、NCO/NH=1.2〜4.0となる割合で反応させた化合物(A)
を含有する1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物であって、(2)の含有量が(1)100重量部に対して20〜200重量部であり、(3)の含有量がウレタン樹脂組成物全体に対して0.05重量%以上0.5重量%未満であり、
前記1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)が、トリメチロールプロパンと脂肪族ポリイソシアネートとの付加体である1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。 - (1)末端にイソシアネート基を0.7〜10重量%有するウレタンプレポリマー、
(2)炭酸カルシウムおよび
(3)1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)と第二級アミノ基を有するシラン化合物(b)とを、NCO/NH=1.2〜4.0となる割合で反応させた化合物(A)
を含有する1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物であって、(2)の含有量が(1)100重量部に対して20〜200重量部であり、(3)の含有量がウレタン樹脂組成物全体に対して0.05重量%以上0.5重量%未満であり、
前記1分子中に3個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(a)が、リジントリイソシアネートである1液湿気硬化性ウレタン樹脂組成物。
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