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JP4062612B2 - 疲労強度および耐へたり性に優れた硬引きばね用鋼線並びに硬引きばね - Google Patents

疲労強度および耐へたり性に優れた硬引きばね用鋼線並びに硬引きばね Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、強い冷間引き抜き加工を施して使用されるばね(加工ばね)の素材として有用なばね用鋼線、およびこうしたばね用鋼線を使用したばねに関するものであり、殊に伸線ままで焼入れ焼戻し処理せずとも優れた疲労強度と耐へたり性を発揮するばねを得ることのできる硬引きばね用鋼線、およびこうした特性を発揮することのできる硬引きばねに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車等の軽量化や高出力化に伴い、エンジンやサスペンション等に使用される弁ばねや懸架ばねにおいても高応力化が指向されている。また、ばねへの負荷応力の増大に伴い、疲労強度および耐へたり性に優れたばねが要求されている。
【0003】
近年、弁ばねや懸架ばね等の大部分は、オイルテンパー線と呼ばれる焼入れ・焼戻しの施された鋼線を、常温でばね巻き加工して製造されているのが一般的である。
【0004】
上記の様なオイルテンパー線では、焼戻しマルテンサイト組織であるので、高強度を得るのに都合が良く、また疲労強度や耐へたり性に優れるという利点があるものの、焼入れ・焼戻し等の熱処理に大掛かりな設備と処理コストを要するという欠点がある。
【0005】
一方、負荷応力が比較的低く設計された一部のばねには、(フェライト+パーライト)組織またはパーライト組織の炭素鋼を伸線加工して強度を高めた線材(「硬引き線」と呼ばれている)を、常温でばね巻き加工したものが使用されている。こうしたばねとして、JIS規格にはピアノ線(JIS G3522)の中で、特に「弁ばねまたはこれに準ずるばね用」として、「ピアノ線SWP−V種」を定めている(例えば、非特許文献1参照)。
【0006】
上記の様な硬引き線によって製造されるばね(以下では、このばねを「硬引きばね」と呼ぶ)は、熱処理を必要としないので低コストになるという利点がある。しかしながら、こうした硬引き線で製造されたばねでは、疲労強度や耐へたり性が低いという欠点があり、近年要望の高まっている様な高応力ばねは実現できない。
【0007】
低コストに製造できるという利点のある硬引きばねにおいて、より高応力化を図る技術も様々検討されており、こうした技術として、「オイルテンパー線と同等の特性を備えたピアノ線」を実現するという観点から、共析〜過共析鋼パーライトの伸線加工方法を工夫することによって、特定のセメンタイト形状を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながらこうした方法においても、伸線方向を入れ替えるなど、工程の複雑化による製造コストの上昇は避けられない。
【0008】
【非特許文献1】
「JISハンドブック2 鉄鋼II」、財団法人日本規格協会2001年1月31日発行、第789〜792頁
【特許文献1】
特開平11−199981号公報 特許請求の範囲等
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこうした状況の下になされたものであって、その目的は、オイルテンパー線を用いたばねと同等以上の疲労強度と耐へたり性を発揮する硬引きばねを製造する為のばね用鋼線、およびこの様な硬引きばねを提供することにある。
【0010】
【課題を解決する為の手段】
上記の目的を達成し得た本発明の硬引きばね用鋼線とは、C:0.5〜0.7%、Si:1.0〜1.95%、Mn:0.5〜1.5%およびCr:0.5〜1.5%を夫々含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、且つ円相当直径で0.1μm以上の炭化物が5個/100μm2以下である点に要旨を有するものである。
【0011】
このばね用鋼線においては、更に(a)Ni:0.05〜0.5%、(b)Mo:0.3%以下(0%を含まない)等を含有させることも有効である。また、上記の様なばね用鋼線を用いて製造することによって、優れた疲労強度および耐へたり性を発揮することができる硬引きばねが得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成することのできる硬引きばね用鋼線の実現を目指して様々な角度から検討した。その結果、鋼線の化学成分組成を厳密に規定すると共に、鋼線中の炭化物の形態を適切に制御すれば、疲労強度と耐へたり性が改善できるとの着想が得られた。即ち、パテンティング後に比較的大きな析出物(炭化物)が析出していると、伸線加工が思ったように得られないだけでなく、疲労強度と耐へたり性が低下することが判明したのである。具体的には、円相当直径で0.1μm以上の炭化物の個数を、断面視野100μm2当たりで5個以下となるように制御すれば、疲労強度および耐へたり性が格段に向上できることを見出し、本発明を完成した。
【0013】
ここで、本発明で対象とする炭化物は、析出物として存在する粒状のものを意味し、セメンタイト相は含まないものである。尚、上記「円相当直径」とは、炭化物の大きさに着目して、その面積が等しくなるように想定した円の直径を求めたものである。
【0014】
本発明のばね用鋼線は、化学成分組成も適切に調整する必要があるが、その範囲限定理由は下記の通りである。
【0015】
C:0.5〜0.7%
Cは、伸線材の引張強度を高め、疲労強度や耐へたり性を確保するために有用な元素であり、通常のピアノ線では0.8%前後含有されているが、本発明で目的としている様な高強度の伸線材においては、Cの含有量が0.7%を超えると加工の際に折れ易くなり、また表面疵や介在物からの亀裂を発生して疲労寿命が劣化するので、0.7%以下とした。しかしながら、C含有量が少なくなり過ぎると、高応力ばねとして必要な引張強さが確保できないばかりか、疲労強度および耐へたり性を劣化させるので、C含有量は0.5%以上とする必要がある。尚、C含有量の好ましい下限は0.63%であり、好ましい上限は0.68%である。
【0016】
Si:1.0〜1.95%
Siは、製鋼時の脱酸剤として必要な元素であり、またフェライト中に固溶して焼戻し軟化抵抗を上げ、耐へたり性を向上させる効果を発揮する。こうした効果を発揮させるためには、1.0%以上含有させる必要がある。しかしながら、Siの含有量が1.95%を超えて過剰になると、靭性や延性が悪くなるばかりでなく、表面の脱炭や疵等が増加して耐疲労性が悪くなる。尚、Si含有量の好ましい下限は1.2%程度であり、好ましい上限は1.6%程度である。
【0017】
Mn:0.5〜1.5%
Mnは製鋼時の脱酸に有効な元素であり、またパーライト組織を緻密且つ整然化させ、疲労特性の改善に貢献する元素である。こうした効果を発揮させる為には、Mnは少なくとも0.5%含有させる必要がある。しかし、過剰に含有させると、熱間圧延時やパテンティング処理時にベイナイト等の過冷組織が生成し易くなり、伸線性を著しく悪化するので、1.5%以下とすべきである。尚、Mn含有量の好ましい下限は0.6%程度であり、好ましい上限は1.0%程度である。
【0018】
Cr:0.5〜1.5%
Crは、パーライトラメラ間隔を小さくして、圧延後または熱処理後の強度を上昇させ、耐へたり性を向上させるのに有用な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Cr含有量は0.5%以上とする必要がある。しかしながら、Cr含有量が過剰になると、パテンティング中にベイナイト組織が生成し易くなり、また粗大な炭化物を析出し易くなり、疲労強度および耐へたり性が劣化するので、1.5%以下とする必要がある。尚、Cr含有量の好ましい下限は0.7%程度であり、好ましい上限は1.0%程度である。
【0019】
本発明のばね用鋼線材における基本的な化学成分組成は上記の通りであり、残部は実質的にFeからなるものであるが、必要により所定量のNiやMoを含有させることも有効である。これらを含有させるときの範囲限定理由は、下記の通りである。
【0020】
Ni:0.05〜0.5%
Niは焼入れ性を高めると共に靭性を高め、ばね加工時の折損トラブルを抑制すると共に疲労強度を向上させるのに有効な元素である。こうした効果を発揮させるためには、Ni含有量は0.05%以上とするのが好ましい。しかしながら、過剰に含有させると熱間圧延時やパテンティング時にベイナイト組織が生成し、伸線加工性を著しく悪化させるのでその上限は0.5%とするのが好ましい。
【0021】
Mo:0.3%以下(0%を含まない)
Moは焼入れ性を確保すると共に軟化抵抗を向上させることによって耐へたり性を向上させるのに有効な元素である。こうした効果は、その含有量が多くなるにつれて大きくなるが、過剰に含有させるとパテンティングの処理時間が長くなり過ぎ、また延性も劣化するのでその上限は0.3%とするのが好ましい。
【0022】
上記の各種成分以外にもばね用鋼の特性を阻害しない程度の微量成分を含み得るものであり、こうした鋼線材も本発明の範囲に含まれものである。上記微量成分としては不純物、特にP,S,As,Sb,Sn等の不可避不純物が挙げられる。
【0023】
本発明のばね用鋼線においては、上述の如く円相当直径で0.1μm以上の炭化物が100μm2当たり5個以下とすることも重要な要件である。パテンティング後に観察される炭化物(Fe3C等)のうち、比較的サイズの小さなものでは、析出硬化によって強度を上昇させることになる。しかしながら、大きなサイズの析出物が析出している場合には、マトリックス中の炭素がこの炭化物によって奪われ、その量が元々含まれているよりも少なくなる。パテンティング後の強度や伸線加工後の強度の上昇は炭素量によって影響される部分が大きく、マトリックス中のC量が少なくなると、パテンティング後や伸線後に思うほどの強度が得られず、疲労強度や耐へたり性が低下することが判明した。
【0024】
そこで、本発明者らが、炭化物の形態が疲労強度や耐へたり性に与える影響について検討したところ、特にその大きさ(円相当直径)が0.1μm以上となるような大きな炭化物が、観察視野100μm2当たり5個を超えて存在すると疲労強度と耐へたり性が極端に低下することが判明したのである。
【0025】
本発明のばね用鋼線で炭化物を上記のような形態に制御するには、熱間圧延の加熱温度を1100℃以上にして炭化物の溶け込みを促進すると共に、圧延後に炭化物の析出温度域である400〜600℃の温度範囲を5℃/sec以上の冷却速度でできるだけ速やかに冷却することが有効である。但し、このときの冷却速度が速すぎるとベイナイトが生成して加工性が劣化するので、冷却速度は10℃/sec以下とすることが好ましい。
【0026】
また、パテンティング時には、その加熱温度を880〜950℃(好ましくは900〜940℃程度)に制御することによって炭化物の析出を低減することができる。このときの加熱温度を950℃よりも高くすると、オーステナイト結晶粒度が粗大化し、靭性および延性が却って低下する他、焼入れ性が増大して過冷組織が生じることになる。また、未固溶の炭化物の溶け込みを促進するには、所定の加熱温度での保持時間を50秒以上とすることが推奨される。
【0027】
上記の様なばね用鋼線を用いて伸線加工およびばね巻き加工を施すことによって、希望する特性を発揮するばね(硬引きばね)が得られるのであるが、こうした効果をより有効に発揮させるためには、2回以上のショットピーニングを施すことが有効である。またその際には、ショットピーニング条件を適切に制御することによって、表面粗さRy(最大高さ:JIS B 0601)を10μm以下にすることが好ましい。
【0028】
弁ばねやそれに準ずる高応力ばねは、ショットピーニングによって表層に圧縮残留応力が付与された状態で使用されるのが通常である。このショットピーニングは、高硬度の硬球(ショット粒)を高速で被処理材表面に投射して圧縮の残留応力を付与し、表面亀裂の発生を抑え、疲労強度を向上させるのに有効な手段である。特に、高応力で使用されるような部品においては、2回以上のショットピーニングを行うことが有効である。
【0029】
しかしながら、2回以上の高強度のショットピーニングを行うと、表面が変形して表面粗さが大きくなる場合がある。特に、硬引き線のような材料においては、最弱部のフェライトがより大きく変形し、表面粗度が大きくなることがある。表面粗度が大きいと、これを起点として疲労破壊が発生し易くなり、疲労強度が低下することになる。こうした事態を防止するためには、ショットピーニングを行った後の表面粗さRyが10μm以下となるように抑えることが有効である。また、こうした表面粗さRyを達成するには、最終のショットピーニングを直径:0.3mm以下のショット粒による投射を行うようにすれば良い。
【0030】
本発明の硬引きばねには、特に過酷な応力条件で使用されることが予想される場合には、その表面に窒化処理を施すことも有効である。こうした窒化処理を施すことによって、疲労強度を更に改善することができる。こうした窒化処理に関しては、オイルテンパー線によって製造された弁ばねについては従来からその処理が行なわれているが、硬引きばねについては、全く行われていなかった。これは、通常の硬引き線の化学成分では窒化処理を施しても効果があまり期待できないと考えられていたことや、窒化の際に伸線時に導入された歪が開放されて強度が極端に低下すると考えられていたこと等が原因である。
【0031】
これに対して、本発明で規定する化学成分組成を有する線材を硬引きした後、窒化処理を施すと、疲労寿命が改善されることになる。こうした効果が発揮される理由は、次の様に考えることができた。即ち、本発明のばね用鋼線では、フェライトをSi,Cr等の合金元素で強化することによって線材の強度がフェライト自身の強度に依存する状態になっているので、窒化によってフェライトの強度を高めることが疲労強度の直接的な改善に繋がるものと考えられる。
【0032】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0033】
【実施例】
下記表1に示す化学成分組成の鋼(A〜K)を溶製し、熱間圧延して直径(線径):8.0mmの線材を作製した。このときの熱間圧延の条件は、加熱温度:1150℃、圧延後冷却速度:6.3℃/secとした。その後、皮削り、パテンティング処理および伸線処理を行って線径:3.1mmの鋼線とした。このときのパテンティングは、下記表2に示した加熱温度でオーステナイト化した後、各鋼種に応じて550〜650℃の鉛浴中で恒温変態させた。また、パテンティング時の保持時間については、下記表2のNo.2については、130秒、No.3については100秒、それ以外については240秒として、炭化物量を調整した。
【0034】
【表1】
Figure 0004062612
【0035】
得られた鋼線(伸線材)について、炭化物の大きさと個数を測定した。このときの測定は、鋼線の横断面でサンプリングし、走査型顕微鏡(SEM)にてD/4の位置(Dは直径)を5000倍の倍率で写真撮影し、得られた写真100μm2中で円相当直径が0.1μm以上の炭化物の個数を測定した。また、伸線後の引張強度TSについて測定した。
【0036】
上記伸線材を常温にてばね成形し、歪取り焼鈍(400℃×20分)、座研磨、二段ショットピーニング、低温焼鈍(230℃×20分)および冷間セッチングを行った。このとき、歪取り焼鈍後の引張強度TSについて測定した。また、一部のもの(下記表2のNo.3)については、NH380%+N220%、400℃×2時間の条件でガス窒化処理を施した。
【0037】
得られた各ばねに588±441MPaの負荷応力下で疲労試験を行ない、破断寿命を測定した。また、120℃、1000MPaの応力下で、48時間締め付けた後、残留せん断歪を測定し、耐へたり性の指標(残留せん断歪が小さいほど耐へたり性は良好)とした。
【0038】
これらの結果を、各製造条件(パテンティングの加熱温度)、鋼線の引張強度TS(伸線後および歪取り焼鈍後)、炭化物の個数、表面粗さRy、窒化の有無等と共に下記表2に示す。また、これらの結果に基づき、炭化物個数と引張強度(伸線後)の関係を図1に、炭化物個数と残留せん断歪の関係を図2に、炭化物個数と疲労寿命の関係を図3に夫々示す。
【0039】
【表2】
Figure 0004062612
【0040】
これらの結果から、次の様に考察できる。まず、No.1〜7、14および15のものは、本発明で規定する要件のいずれをも満足するものであり、疲労強度および耐へたり性のいずれも優れたものとなっている。特に、所定大きさの炭化物の個数を5個/100μm2以下とすることによって優れた特性が発揮されていることが分かる。
【0041】
これに対してNo.8〜12のものでは、本発明で規定する要件のいずれかを欠くものであり、いずれかの特性が劣化したものとなっている。即ち、No.8のものでは、化学成分組成はNo.1〜4のものと同じものであるが、パテンティング時の加熱温度が低くなることによって炭化物の析出量が多くなっているので、伸線後に十分な強度が確保できず、疲労寿命が短く、且つ残留せん断歪も大きくなっている。
【0042】
No.9のものは、JIS−SWP−V相当鋼(ピアノ線)であるが、C含有量が多くなっているので、介在物を起点とした早期折損が発生しており、疲労寿命が短くなっている。また、Si含有量が少ないので焼戻し軟化抵抗が小さくなっており、しかもCrが含有されていないので残留せん断歪が大きくなっている。
【0043】
No.10のものは、No.9よりも更にC含有量が多いものであるが、No.9と同様に介在物を起点とした早期折損が発生しており、疲労寿命が更に短くなっている。また、Si含有量が少ないので焼戻し軟化抵抗が小さくなっており、しかもCrが含有されていないので残留せん断歪が大きくなっている。
【0044】
No.11のものでは、C含有量が多くなっているので、介在物を起点とした早期折損が発生しており、疲労寿命が短くなっている。
【0045】
No.12のものは、C含有量が少ないものであり、パテンティング後の強度が低くなっており、伸線後に十分な強度が得られず、疲労寿命が短く且つ残留せん断歪も大きくなっている。
【0046】
No.13のものは、Cr含有量が多くなっているので、パテンティング時に炭化物が十分に固溶せず、伸線後に十分な強度が確保できず、疲労寿命が短く、また耐へたり性が非常に劣っている。
【0047】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、伸線ままでオイルテンパー線を用いたばねと同等以上の疲労強度および耐へたり性を発揮する硬引きばねを製造する為のばね用鋼線、およびこの様な硬引きばねが実現できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】炭化物個数と引張強度(伸線後)の関係を示したグラフである。
【図2】炭化物個数と残留せん断歪の関係を示したグラフである。
【図3】炭化物個数と疲労寿命の関係を示したグラフである。

Claims (4)

  1. C:0.5〜0.7%(質量%の意味、以下同じ)、Si:1.0〜1.95%、Mn:0.5〜1.5%およびCr:0.5〜1.5%を夫々含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、且つ円相当直径で0.1μm以上の炭化物が5個/100μm2以下であることを特徴とする疲労強度および耐へたり性に優れた硬引きばね用鋼線。
  2. 更に、Ni:0.05〜0.5%を含有するものである請求項1に記載の硬引きばね用鋼線。
  3. 更に、Mo:0.3%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1または2に記載の硬引きばね用鋼線。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のばね用鋼線を用いて製造されたものである硬引きばね。
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