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JP4057987B2 - 動釣合試験機 - Google Patents

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JP4057987B2
JP4057987B2 JP2003328890A JP2003328890A JP4057987B2 JP 4057987 B2 JP4057987 B2 JP 4057987B2 JP 2003328890 A JP2003328890 A JP 2003328890A JP 2003328890 A JP2003328890 A JP 2003328890A JP 4057987 B2 JP4057987 B2 JP 4057987B2
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博志 辻
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湘南島津 株式会社
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Description

本発明は、回転する供試体の不釣合いを測定する動釣合試験機に関し、さらに詳細には、測定を終えた供試体の回転を停止するときに、回転体の釣合調整を容易にするために動釣合試験の結果に基づいて釣合の取れていない位置(方向)を自動的に一定方向に向けて回転を停止する自動位置決め機構を備えた動釣合試験機に関する。
動釣合試験では、回転方向の位置を特定するため、回転体自体が有する局所的な突起、反射面などの特徴部分(人為的に回転面に形成したマークなども含む)を基準として回転や停止位置の制御が行われる。
自動位置決め機構を備えた動釣合試験機は、動釣合試験を終了し回転体を停止する際に、この特徴部分を利用して回転方向の位置を検出し、例えば不釣合が生じている偏心方向を自動的に上方に向けて停止するようにしているので、その後のバランス調整において、調整位置をすぐに見つけることができ、利便性に優れている。
特に、モータロータ、歯車のように円周方向に同形状の突起部分(特徴部分)が複数形成されている回転体では、停止させてから目視で偏心方向を探そうとすると、複数の同形状の特徴部分から偏心方向を探さなければならないので、偏心方向を誤りやすい。そのため、自動位置決め機構を備えた動釣合試験機が利用されている(例えば特許文献1参照)。
図4は、従来からの動釣合試験機の構成を示す図である。図において、供試体Wは回転体であり、供試体Wの円周面には特徴部分15である突出部が周方向に沿って等間隔で並んでいる(例えば歯車の場合、歯先が特徴部分となる)。
供試体Wの両端の軸部2、3は、ばね4、5で弾性支持された軸受6、7により支持されており、供試体1はベルト8を介してサーボモータ9により回転駆動されるようにしてある。
左右の軸受6、7には、供試体1の不釣合に伴う軸受6,7の振動を測定するピックアップ(ムービングコイル式振動検出センサ)10、11が取り付けられている。
ピックアップ10、11により測定されたデータは、増幅部12、13を介してコンピュータからなる制御部14に送られる。
また、供試体Wの円周面のすぐ外側で、特徴部分15に対向する位置には、回転位置センサ16が設けてある。回転位置センサ15は、供試体Wの回転により特徴部分15が通過するとこれを検出し、回転基準信号(特徴部分15の検出信号)として増幅部17を介して制御部14に送る。回転基準信号には、回転位置センサ15の前を通過する特徴部分15の情報がパルス列の形で含まれており、このパルス列は供試体の回転周波数に比例する。そして、このパルスのカウント数から現在の供試体Wの回転方向の位置情報を得ることができる。
制御部14は、種々の機能を実行する。制御部14の機能をそれぞれ説明すると、演算部21が測定データおよび回転基準信号に基づいて供試体Wの不釣合量、不釣合角度を算出する。また、回転位置制御部22が回転位置センサ16からの回転基準信号に基づいて回転体の回転方向の位置を制御し、供試体Wを自動的に位置決めして停止するときの位置を制御する。また、モータ駆動パルス制御部23は、サーボモータ9に送り出すパルス数を制御してサーボアンプ28を介してサーボモータ9の回転を制御することにより、モータ駆動される供試体Wを回転するときの回転数を制御する。
特開平9−257622号公報
従来の自動位置決め機能を搭載した動釣合試験機は、上述したように回転位置センサで検出した回転基準信号により供試体の停止位置を求めるようにしている。この回転基準センサは、供試体を数1000rev/minの高速で回転しているときから1rev/min以下の低速で回転(停止直前)しているときまでのすべての回転数領域において、正確に供試体の特徴部分を検出する必要がある。従来は、この広範囲の回転数領域での測定を回転位置センサの増幅器の感度調整により対応していた。
しかしながら、回転位置センサの増幅器の感度を上げすぎると供試体の特徴部分以外も検出してしまうし、逆に感度を下げすぎると特徴部分を拾わずに飛ばしてしまうことになる。また、特徴部分も回転面の表面状態などの個体差によって最適感度が異なるため、実際には増幅器の調整幅は大変狭く、調整作業が非常に困難であり、すべての供試体の個体差を許容しうる感度調整はできない場合があった。
特に、供試体の回転面の特徴部分の状態が一定ではない場合は、感度調整だけでは対応できない場合がある。例えば特徴部分の表面が鏡面に仕上げられている供試体の一部が錆びていている場合には、回転位置センサに供試体の回転面からの反射光を検出する反射型センサを用いた場合に、錆びている特徴部分を検出できない場合があった。
供試体の特徴部分の検出を誤り正しい位置が検出できないと、自動位置決め機構で正しい位置に自動停止できなくなる。
そこで、本発明は、回転位置センサの増幅器の調整を容易にし、しかも、供試体の固体差の影響を受けにくくして、供試体の特徴部分の通過数を正確に把握することができ、その結果、停止位置を正確に位置決めすることができるようにした動釣合試験機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明の動釣合試験機は、サーボモータを用いた駆動機構により供試体を回転させて供試体の不釣合を測定する動釣合試験機であって、サーボモータの回転を制御するためのモータ駆動パルス信号を発生してサーボモータに送るモータ駆動用パルス制御部と、回転する供試体の回転方向の特徴部分を検出して回転方向の位置決めの基準となる回転基準信号を生成する回転位置センサと、モータ駆動パルス制御部からのモータ駆動パルス信号に基づいて回転基準信号の概略波形を予測した予測信号を生成する予測信号生成部と、前記回転基準信号に対して前記予測信号に基づいて波形の補正を行うことにより補正回転基準信号を生成する回転基準信号補正部と、前記補正回転基準信号に基づいて供試体の回転方向の位置決めを行う回転位置制御部とを備えるようにしている。
この動釣合試験機によれば、サーボモータ駆動パルス制御部で発生したモータ駆動パルス信号がサーボモータに送られる。サーボモータはモータ駆動パルス信号の周波数に比例した回転速度で回転し、供試体はサーボモータに駆動されて回転する。したがってモータ駆動パルス周波数は供試体の回転周波数に比例する。そのためモータ駆動パルス信号を利用すると、回転位置センサが供試体の特徴部分を読み取る時期(タイミング)を予測することができる。そこで、予測信号生成部がモータ駆動パルス信号に基づいて(回転位置センサによる検出信号とは独立して)、特徴部分が通過すると予測される時刻と特徴部分が通過しないと予測される時刻とに対応したパルス波形を有する予測信号を生成する。
一方、回転位置センサは実際に回転する供試体の特徴部分を検出することにより回転基準信号を出力する。
回転基準信号補正部は、予測信号を参照し、予測信号から回転基準信号が供試体の特徴部分を読み飛ばしていると判断される場合には、読み飛ばしたと推定される位置に新たにパルスを追加し、予測信号から回転基準信号が供試体の特徴部分以外を誤って検出してしまっていると判断される場合には、対応するパルスを削除する。
上記発明によれば、モータ駆動パルス信号に基づいて生成した予測信号を利用して回転基準信号を補正することで、たとえ、回転位置センサが特徴部分を読み飛ばしたり、誤認識したりしても特徴部分を正確に捉えた補正回転基準信号を生成することができる。
そして、回転位置制御部は補正回転基準信号に基づいて供試体の回転方向の位置決めをすることにより自動位置決めの際に供試体を正確に位置決めしつつ停止させることができる。
以下、本発明の動釣合試験機について図面を用いて説明する。
図1は本発明の一実施形態である動釣合試験機の構成を示すブロック図である。図1において図4と同じ部分については同符号を付すことにより説明を省略する。
図1に示した本発明の動釣合試験機1は、図4に示した従来の動釣合試験機の構成を基本とし、さらに制御部14において予測信号生成部24と回転基準信号補正部25を設けている。
予測信号生成部24は、モータ駆動パルス制御部23が生成するモータ駆動パルス信号を元にして、回転位置センサ16が特徴部分15を検出すると予測される時刻ごとにパルスを有する予測信号を生成する。
回転基準信号補正部24は、回転位置センサ15で検出した回転基準信号と予測信号とを比較し、回転基準信号に欠陥があれば補正して補正回転基準信号を生成する。
そして、回転位置制御部22は、補正回転基準信号に基づいて供試体Wの回転の停止位置を制御する。
図2は図1の動釣合試験機の信号の流れを説明する図である。図3は、各信号のタイムチャートである。上記動釣合試験機1における信号の流れを図2および図3により説明する。
図2に示すように、例えば8つの同一形状の特徴部分が形成された供試体Wはベルトを介してサーボモータ9により駆動される。
サーボモータ9はモータ駆動パルス制御部23からサーボアンプ24を介して送られてくるモータ駆動用信号D(図3(a)参照)により回転が制御される。
供試体Wの側面に近接配置された回転位置センサ16は、8つの特徴部分15を検出できるように取り付けてあり、検出信号は実測された回転基準信号S(図3(c)参照)として増幅部17を介して予測信号生成部25に送られる。
一方、モータ駆動用パルス制御部23からは別に、モータ駆動パルス信号Dが予測信号生成部24に送られる。予測信号生成部24には、あらかじめ回転基準信号の1間隔あたりのモータ駆動パルス信号のパルス数(N)、回転基準信号検出領域の幅(L)(予測信号のパルス幅)を設定できるようにしてある。 Nの値は1パルスあたりのサーボモータの回転角度から逆算して決定される。ここではNとして1200パルスが設定してあり、予測信号生成部24は1200パルスごとに特徴部分が通過するものと判断する。またLとして20パルスが設定してあり、予測信号生成部24は特徴部分が通過する可能性があるばらつき幅として20パルス間を許容するように設定してある。
そして予測信号生成部24は、設定したNとLの値に基づいて1200パルスごとに20パルス間だけON状態になる予測信号P(図3(b)参照)を生成する。この予測信号PはON状態のときにゲートが開く信号として捉えることができる(なお、図3(b)では本来モータ駆動パルスDが1200パルスごとに20パルス間だけゲートが開いた図になるが、紙面の都合上、パルス数は正確に記載していない。ここではモータ駆動パルス信号4パルス分が1200パルスとして記載し、1.5パルス分が20パルスとして便宜的に表現してある)。
回転基準信号補正部25は、予測信号Pと回転基準信号Sとを比較する。もしも予測信号Pのゲートが閉じた区間(OFF状態)内に、回転基準信号Sのパルスがある場合、このパルスは誤検出されたものと判断する。また、予測信号Pのゲートが開いた区間(ON状態)内に、回転基準信号Sのパルスがない場合、その区間のパルスが読み飛ばされたものと判断する。
そして、前者の場合には、回転基準信号から該当するパルスを削除し、後者の場合には該当する位置にパルスを追加して補正回転基準信号A(図3(d)参照)を生成する。
このようにして生成された補正回転基準信号Aは、回転位置センサ16が特徴部分15を読み誤ったとしても、それを補償することができるので正確に回転位置を把握することができる。
この補正回転基準信号Aの回転位置制御部22に送ることにより、特徴部分15を正確にカウントして供試体Wを停止させることができるので、正確な自動位置決めが可能になる。
本発明によれば、回転位置センサが検出する回転基準信号を、モータ駆動パルス信号に基づく予測信号により補正するようにしたので、回転位置センサが特徴部分を読み誤ったとしても補正により正確に特徴部分を把握することができるので、自動位置決め機構に本制御を適用することで、正確な自動位置決めを行うことができる動釣合試験機を製作することができる。
本発明の一実施形態である動釣合試験機の全体構成を示すブロック図。 図1の動釣合試験機の信号の流れを説明する図。 図1の動釣合試験機の信号状態を示すタイムチャート。 従来からの動釣合試験機の全体構成を示すブロック図。
符号の説明
1 動釣合試験機
6、7 軸受
9 サーボモータ
10、11 ピックアップ
14 制御部
15 特徴部分
16 回転位置センサ
21 演算部
22 回転位置制御部
23 モータ駆動パルス制御部
24 予測信号生成部
25 回転基準信号補正部
D モータ駆動パルス信号
P 予測信号
S 回転基準信号
A 補正回転基準信号

Claims (1)

  1. サーボモータを用いた駆動機構により供試体を回転させて供試体の不釣合を測定する動釣合試験機であって、
    サーボモータの回転を制御するためのモータ駆動パルス信号を発生してサーボモータに送るモータ駆動用パルス制御部と、
    回転する供試体の回転方向の特徴部分を検出し、回転方向の位置決めの基準となる回転基準信号を生成する回転位置センサと、
    モータ駆動パルス制御部からのモータ駆動パルス信号に基づいて回転基準信号の概略波形を予測した予測信号を生成する予測信号生成部と、
    前記回転基準信号に対して前記予測信号に基づいて波形の補正を行うことにより補正回転基準信号を生成する回転基準信号補正部と、
    前記補正回転基準信号に基づいて供試体の回転方向の位置決めを行う回転位置制御部とを備えたことを特徴とする動釣合試験機。
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