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JP4054422B2 - カメラ及び交換レンズ装置 - Google Patents

カメラ及び交換レンズ装置 Download PDF

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JP4054422B2
JP4054422B2 JP32723597A JP32723597A JP4054422B2 JP 4054422 B2 JP4054422 B2 JP 4054422B2 JP 32723597 A JP32723597 A JP 32723597A JP 32723597 A JP32723597 A JP 32723597A JP 4054422 B2 JP4054422 B2 JP 4054422B2
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    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals
    • G02B7/34Systems for automatic generation of focusing signals using different areas in a pupil plane

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Focusing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電変換素子からの出力を用いることにより焦点検出を可能とする焦点検出視野を撮像画面内に複数持つ焦点検出装置を有するカメラや、交換レンズ装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりカメラ用の焦点検出装置として、TTL(Through The Lens)位相差検出方式の焦点検出装置が用いられている。TTL位相差検出方式とは、撮影レンズの瞳の異なる部分を通過した2光束を用いて物体像をそれぞれ形成し、二つの物体像間の位置の位相を検出して、これを撮影レンズのデフォーカス量に換算するものである。
【0003】
この焦点検出方式は撮影レンズの焦点距離に関わらずデフォーカス検出が可能であることや、焦点検出視野の大きさが撮影レンズの焦点距離に関わらず固定されていることから、撮影レンズ交換式のカメラシステムに好適である。また近年、TTL位相差検出方式の焦点検出装置であって複数の焦点検出視野を有するものも製品化されている。
【0004】
ところで、TTL位相差検出方式の焦点検出装置では焦点検出光束の一部にケラレが生じると焦点検出精度が著しく低下するため、装着される撮影レンズは各焦点検出視野についてケラレが発生しない瞳の大きさを持っていなければならない。このため、各種の撮影レンズを自動焦点調節カメラシステムに含めるに際し、二つの方向性が考えられる。第一は、カメラ本体が持っているすべての焦点検出視野が機能するように対象となる撮影レンズの範囲を制限するものであり、第二は、焦点検出視野毎にその動作を許可するか不許可とするか、あるいは、その検出結果を採用するかしないかを、撮影レンズ等の状態に応じて決定するものである。
【0005】
上記第一のシステム構成では、カメラとしては、装着される全ての撮影レンズの全てのズーム位置,距離環位置において、各焦点検出視野に入射する焦点検出光束のケラレがなく、逆に撮影レンズは、全てのズーム位置,距離環位置で、カメラのすべての焦点検出光束を制限することがない。
【0006】
また、上記第二のシステム構成では、カメラから見れば、装着される撮影レンズのズーム位置,距離環位置によって、各焦点検出視野に入射する焦点検出光束のケラレが発生し、逆に撮影レンズは、ズーム位置,距離環位置次第で、焦点検出光束を制限することがある。
【0007】
第一のシステム構成で自動焦点調節の対象となる撮影レンズは例えば次のようなものである。
【0008】
1)開放FナンバーがF5.6 を越えないような、ある程度以上の明るさを持った撮影レンズ
2)さらにやや暗くても特殊な射出窓を持つ撮影レンズ
ここで、特殊な射出窓を持つ撮影レンズとは、射出窓の位置と形状が撮影レンズ群全体の中央値にあるような撮影レンズであって、例えば反射型光学系をその一つとすることもできる。
【0009】
この自動焦点検出カメラシステムでは、少なくともF5.6 よりも暗くない撮影レンズであればどんなレンズでもカメラに装着して自動焦点調節が行える。
【0010】
第二のシステム構成では、もっと撮影レンズの範囲を拡大することも可能である。また、逆に焦点検出光束側の自由度を高くして、より広範囲に焦点検出視野を配置することも可能である。
【0011】
特公平6−90349号に開示されているように、撮影レンズのズーム範囲の中から最も大きい開放Fナンバーを出力し、カメラの焦点検出動作の可否を判定する様にすれば、出来るだけ多くの焦点検出視野での焦点検出動作を行わせつつ、撮影レンズのズーミングによって焦点検出光束のケラレが現れるような場合にも前もって焦点検出を不作動にすることができる。
【0012】
また、特公平7−62731号に開示されているところの、測距基線長の異なる二つのTTL焦点検出系を備えたカメラで、対となる像信号の相似性を検出してどちらの焦点検出系を用いるかを切り換える技術も、複数の焦点検出視野の検出結果を選択的に採用するために応用可能なものとして挙げることができる。
【0013】
このように装着された撮影レンズの性質や像信号の状態によって複数の焦点検出視野での焦点検出動作を選択的に行わせれば、光学的に焦点検出精度が保証された焦点検出視野のみからの焦点検出情報に基づいて撮影レンズの結像位置を制御することが可能になるため、よりピントの正確な写真を得ることができて有効である。
【0014】
さて、以上のようなシステム構成が知られている中で、次に、撮影レンズの焦点距離を拡大するテレコンバージョンレンズを追加装着したときについて考えてみる。一例として、マスターレンズとしては焦点距離300mm/開放Fナンバー4の撮影レンズを、テレコンバージョンレンズとしては焦点距離を2倍にするリアコンバータ光学系を、そして、カメラとしては画面中央と左右に合計5箇所の焦点検出視野を備えたものを取り上げる。
【0015】
このとき、マスターレンズとテレコンバージョンレンズとを合成して得られる撮影レンズ系は「焦点距離600mm/開放Fナンバー8」である。特公平6−19488号に開示されているところの、撮影レンズの焦点距離を大きくするためのテレコンバージョンレンズ内にレンズ駆動手段を備え、マニュアルフォーカス専用のマスターレンズを用いた場合についてもこの一例と考えることが出来る。
【0016】
まず、マスターレンズについて言えば、「300mm/F4」は開放FナンバーがF5.6 よりも明るいため、第一のシステム構成でも第二のシステム構成でも問題なく自動焦点調節システムの対象レンズである。
【0017】
ところが、テレコンバージョンレンズを含んだ撮影レンズ系としての開放Fナンバーは上記のようにF8であり、F5.6 よりも暗くなる。特殊な射出窓を持つ撮影レンズにも該当しないので、第一のシステム構成ではこの撮影レンズ系は自動焦点調節システムの対象外となる。すなわち、このときピント合わせは手動で行うしかない。
【0018】
一方、第二のシステム構成は焦点検出視野毎にその動作を許可するか不許可とするか、あるいは、その検出結果を採用するかしないかを、撮影レンズ等の状態に応じて決定するものであるので、撮影レンズの光軸に近い3箇所の焦点検出視野が動作可能と言うこともあり得る。
【0019】
すなわち、特開平5−323182号に説明されているように、光軸から外れた位置の焦点検出視野で焦点検出光束にケラレが生じるかどうかは、その焦点検出視野と焦点検出視野位置に対応した撮影レンズ系の射出窓との関係で決定される。ケラレがあれば、多くの場合対となる像信号の相似性が低く、この焦点検出結果は採用できないし、予めケラレが発生することが分かれば、その焦点検出視野を動作させないようにする必要がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの先行技術には次のような欠点があって、十分に満足できるものではなかった。
【0021】
(1)第一のシステム構成では、カメラ本体が持っているすべての焦点検出視野が機能するように対象となる撮影レンズの範囲を制限するため、前述のような5点の焦点検出領域を備えたカメラ等と開放Fナンバーの大きい暗い撮影レンズとの組み合わせでは、画面中央付近の焦点検出視野に焦点検出光束のケラレが発生しないにも関わらず、画面周辺の焦点検出視野に焦点検出光束のケラレが発生するために対象レンズから外されてしまうといったことがある。したがって、焦点検出システムの対象となるレンズはかなり制限され、システムを構成するレンズ群は小さくなる。
【0022】
(2)第二のシステム構成で予め焦点検出視野毎にその動作を許可するか不許可とするかを決定するものでは、特公平6−90349号,特開平5−323182号に開示されるように、判定処理が非常に複雑で、かなりの高速処理が可能なマイクロンピュータが必要となってしまう。したがって、コスト的に高価にならざるを得ない。しかも、使用可能な焦点検出視野を決定する撮影レンズの性質が難解であり、どの焦点検出視野が使用可能になるのかが撮影者には分かりにくいという重大な欠点がある。
【0023】
また、焦点検出視野毎の検出結果を採用するかしないかを演算処理によって決定するものでは、例えば特公平7−62731号に開示されるように、判定以前に焦点検出センサの駆動と像信号の信号処理が必要であるわけで、結果的に使用しない焦点検出視野までも含んだ処理時間が焦点検出の度に必要となる。したがって、ピント調節の応答性が悪く、迅速な撮影には適さない。
【0024】
特に、特公平6−19488号に開示されるテレコンバージョンレンズに関する技術では、焦点検出装置が取り込む焦点検出光束のケラレを判定するためにこのような処理が必須となる。
【0025】
(発明の目的)
本発明の目的は、焦点検出動作を可能とする撮影光学系を出来るだけ制限せず、カメラに装着して使用できる撮影光学系の数を増やすことができ、迅速な焦点調節を行うことを可能にするカメラ及び交換レンズ装置を提供しようとするものである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、装着された撮影光学系とデータの授受を行う通信手段と、前記撮影光学系による物体像を複数の画素を持つ光電変換素子上に再結像する一対の再結像光学系、及び、該再結像光学系の入射瞳を前記撮影光学系の定められた位置に投影する瞳投影手段を具備し、前記光電変換素子からの出力を用いることにより焦点検出を可能とする焦点検出視野を撮像画面内に複数持つ焦点検出装置とを有するカメラにおいて、前記複数の焦点検出視野が、前記撮影光学系の第1の開放Fナンバーに対応し、該第1の開放Fナンバーを越えない場合には焦点検出が対応可能であって、かつ該第1の開放Fナンバーよりも大きい場合にはケラレにより焦点検出が対応不可能な場合のある第1の焦点検出視野群と、前記第1の開放Fナンバーよりも小さい第2の開放Fナンバーに対応し、該第2の開放Fナンバーを越えない場合に前記第1の焦点検出視野群での焦点検出より高精度の焦点検出が対応可能であって、かつ前記第1の開放Fナンバーを越えず、該第2の開放Fナンバーよりも大きい場合にはケラレにより焦点検出が対応不可能な場合のある第2の焦点検出視野群とを有し、当該カメラに装着される撮影光学系の現在の開放Fナンバーが、前記第1の開放Fナンバーよりも大きい場合には前記第1の焦点検出視野群のうちの特定の視野で焦点検出動作を許可するか否かを判断し、前記第1の開放Fナンバーを越えず、かつ前記第2の開放Fナンバーよりも大きい場合には前記第2の焦点検出視野群のうちの特定の視野で焦点検出動作を許可するか否かを判断する判断手段を有するカメラとするものである。
【0036】
同じく上記目的を達成するために、本発明は、装着された交換レンズ装置とデータの授受を行う通信手段と、前記交換レンズ装置による物体像を複数の画素を持つ光電変換素子上に再結像する一対の再結像光学系、及び、該再結像光学系の入射瞳を前記撮影光学系の定められた位置に投影する瞳投影手段を具備し、前記光電変換素子からの出力を用いることにより焦点検出を可能とする焦点検出視野を撮像画面内に複数持つ焦点検出装置とを備え、前記複数の焦点検出視野が、前記撮影光学系の第1の開放Fナンバーに対応し、該第1の開放Fナンバーを越えない場合には焦点検出が対応可能であって、かつ該第1の開放Fナンバーよりも大きい場合にはケラレにより焦点検出が対応不可能な場合のある第1の焦点検出視野群と、前記第1の開放Fナンバーよりも小さい第2の開放Fナンバーに対応し、該第2の開放Fナンバーを越えない場合に前記第1の焦点検出視野群での焦点検出より高精度の焦点検出が対応可能であって、かつ前記第1の開放Fナンバーを越えず、該第2の開放Fナンバーよりも大きい場合にはケラレにより焦点検出が対応不可能な場合のある第2の焦点検出視野群とを有し、当該カメラに装着される撮影光学系の現在の開放Fナンバーが、前記第1の開放Fナンバーよりも大きい場合には前記第1の焦点検出視野群のうちの特定の視野で焦点検出動作を許可するか否かを判断し、前記第1の開放Fナンバーを越えず、かつ前記第2の開放Fナンバーよりも大きい場合には前記第2の焦点検出視野群のうちの特定の視野で焦点検出動作を許可するか否かを判断する判断手段を有するカメラに装着される交換レンズ装置において、前記判断手段が特定の焦点検出視野で焦点検出動作を行えるか否かの許可情報を記憶する記憶手段を有する交換レンズ装置とするものである。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0040】
図4は本発明のカメラシステムを構成するカメラの要部を示す構成図、図5及び図6は焦点検出装置の主要部分を示す図である。
【0041】
焦点検出装置は撮影レンズの瞳を縦方向に分離する検出系と、横方向に分離する検出系とを持ち、図5は前者の、図6は後者の、それぞれ光路を撮影レンズの光軸を含む平面上に投影して示したものである。
【0042】
これらの図において、406はカメラボディー、401は撮影レンズ、401aは絞り、401bは撮影レンズ401の前側開口、401cは撮影レンズ401の後側開口、407はレンズ駆動装置、101は撮影レンズの光軸、102は撮像面であって、写真フィルムあるいはCCDといった撮像手段が置かれている。103は撮影レンズの光軸101上に配置され、中央部に半透過性の領域を有する主ミラー、403はフォーカシングスクリーン、404はペンタプリズム、405は接眼レンズ、104は撮影レンズの光軸101上に斜めに配置された第一の反射鏡、105は第一の反射鏡104によって折り返された、撮像面102に共役な近軸的結像面、106は第二の反射鏡、107は赤外線カットフィルタ、108は4つの開口部を有する絞り、109は絞りの開口部に対応して4つのレンズ部を有する再結像レンズブロック、110は第三の反射鏡、111は二対の二次元型受光エリア111−1,111−2を有するエリアセンサ(光電変換素子)である。
【0043】
各受光エリアは同一の受光開口を持った多数の画素より成る複数のセンサ列で構成され、センサ列同士も対を成している。ここで、第一の反射鏡104は楕円鏡であって、楕円を定義する二つの焦点は、撮影レンズの光軸101上の光線が主ミラー103で屈折した後の光路を逆に撮影レンズ401側に延長した線上と、その光線が第一の反射鏡104によって反射した後の光路を延長した線上にそれぞれ位置する。また、第一の反射鏡104は焦点検出領域を制限する視野マスクの役割を兼ねるため、必要な領域のみが光を反射するようになっている。第二の反射鏡106と第三の反射鏡110は平面鏡である。なお、これらの構成要素のうちの光学的に機能する部分は何れも紙面に対して対称に構成されている。
【0044】
図7は絞り108の平面図であり、該絞り108は金属製あるいは樹脂製の遮光性薄板よりなる。
【0045】
同図において、108e〜108hは絞り開口部、108i,108jは位置決め穴である。絞り108は位置決め穴108i,108jを介して再結像レンズブロック109に固定される。再結像レンズブロック109の光入射側は、第一の反射鏡104によって偏向した撮影レンズ401の光軸上に中心を持つ単一の凹状球面となっており、射出側は互いに反対方向に偏心した二対の凸レンズ109e〜109hとなっている。さらに、凹状球面の中心は第一の反射鏡104によって形成される撮影レンズ401の近軸的結像面105に、また、前記二対のレンズ部109e〜109hの中心は前記絞り開口中心の近傍に位置している。このような形にレンズのパワーを配置する事によって、広い光の波長域に渡っての高精度な焦点検出が可能である。
【0046】
絞り108と再結像レンズブロック109との位置関係は、図7に破線で示した如く、絞り108の背後に二対のレンズ109e〜109hが位置するように設定してある。したがって、絞り開口そのものが再結像光学系の入射瞳である。絞り開口108e,108gの開口重心は、撮影レンズ401の光軸近傍の光路に平行であってレンズ部109e,109gの曲率中心P6,P7を含む第一の平面PL1上にあり、また、絞り開口108f,108hの開口重心とレンズ部109f,109hの曲率中心は撮影レンズ401の光軸近傍の光路を含み第一の平面PL1と直交する第二の平面PL2上にある。
【0047】
焦点検出光束の光路としては、絞り開口部とレンズ部とで同一の添え字で示したもの同士が対応し、各開口部を通過した光束は第三の反射鏡110を介してエリアセンサ111上に二次物体像を形成する。なお、異なる添え字の要素を通過した光束はエリアセンサ111上の所望の位置に到達しないため、焦点検出には寄与しない。添え字e,gで示した要素を通過する光束を用いる検出系は、撮影レンズ401の射出瞳を縦方向に分離し、一方、添え字f,hで示した要素を通過する光束を用いる検出系は、撮影レンズ401の射出瞳を横方向に分離する。以降、瞳を縦方向に分離する検出系を第一の焦点検出系と、瞳を横方向に分離する検出系を第二の焦点検出系と、それぞれ呼ぶことにする。
【0048】
図8は焦点検出装置の回路構成を示すブロック図であり、エリアセンサ111にはインターフェイス回路160が接続され、さらにインターフェイス回路160は処理装置であるマイクロコンピュータ165に接続されている。マイクロコンピュータ165により、焦点検出に用いるエリアセンサ111の受光エリア内の領域指定や、光電荷の蓄積制御が行われる。マイクロコンピュータ165はCPU(中央処理部)161,ROM162,RAM163,EEPROM(電気的消去可能プログラマブルROM)164を有し、ROM162に格納されているプログラムに従って焦点検出処理動作を実行する。EEPROM164には焦点検出光学系の光学情報が調整行程などによって予め格納されている。167は液晶表示器500を駆動するための液晶駆動回路である。また、166はカメラに装着された撮影レンズ側のマイクロコンピュータである。
【0049】
以上の構成における光学作用を説明する。
【0050】
図5及び図6に示した112e,112g,112f(112h)は絞り108を通過して焦点検出に使われる画面中央への光束である。これらの光線の進む順に説明を加える。
【0051】
まず、撮影レンズ401からの光束の一部は主ミラー103を透過した後、第一の反射鏡104によってほぼ主ミラー103の傾きに沿った方向に反射される。第一の反射鏡104は前述のように楕円鏡であって、二つの焦点の近傍同士を実質的に投影関係におくことができる。ここでは一方の焦点を撮影レンズ401の代表射出瞳位置の光学的な等価点に、他方の焦点を再結像光学系の入射瞳となる絞り108の光学的な等価点に設定し、フィールドレンズとしての機能を持たせている。すなわち第一の反射鏡104は再結像光学系の入射瞳を撮影レンズ401の代表射出瞳位置に投影する瞳投影手段である。
【0052】
この撮影レンズ401の代表射出瞳位置とは、カメラに装着される種々の撮影レンズの射出窓の条件を勘案し総合的に決定される焦点検出系固有の仮定瞳位置である。
【0053】
射出窓は撮影レンズ401の前側開口401bと後側開口401cをそれぞれそれ以降のレンズ系を通してみた虚像であり、図4に示したような簡単な撮影レンズでは、前側開口401bを撮影レンズを通して見たときの虚像と後側開口401cそのものになる。但し、ズームレンズにおいては多くのレンズが口径蝕に関与することからも分かるように、一般には前側開口と後側開口は像が投影される撮像面上の位置に応じて変化する。
【0054】
第一の反射鏡104で反射した光束は第二の反射鏡106で再び反射し、赤外線カットフィルタ107に入射する。焦点検出の精度を低下させる要因となる赤外線がここで除去され、撮影レンズ401の収差補正が十分に成されている波長域の光のみが背後に置かれた絞り108や再結像レンズブロック109まで到達する。再結像レンズブロック109の作用で収斂した光束は第三の反射鏡110を介して二次物体像をエリアセンサ111上に形成する。
【0055】
図9はエリアセンサ111上の二次物体像の様子を示す図であって、格子状の物体についての例である。再結像レンズブロック109の4つのレンズによって4つの二次物体像が形成され、122g,122e及び122f,122hがそれぞれ相対的位置関係を検出するための対の像となる。ここで、絞り108の開口部108e,108gの間隔と、開口部108f,108hの間隔とは異なり、間隔の広い第二の焦点検出系の方が二次物体像の移動が敏感になるため、より高精度な焦点検出が可能である。
【0056】
物体が投影される範囲は、第一の焦点検出系の二次物体像122g,122eと第二の焦点検出系の二次物体像122f,122hとでは異なり、二次物体像122g,122eでは第一反射鏡104の大きさで決定される領域に、二次物体像122f,122hではその絞り開口部の間隔の差異から、主ミラー103や第二の反射鏡106上で光線が通れるだけの領域となって、二次物体像122g,122eよりも狭くなる。また、第一の反射鏡104が斜設されていることに起因して、各像には一種の偏心ディストーションである軸対称性の無いかなり大きな歪みが生じる。
【0057】
但し、このような歪みが存在する場合であっても、次の二つの条件を満たせば特に速やかなピント合わせが必要なカメラ用の焦点検出装置としても問題はない。その条件とは、正確な合焦判定を得るために、▲1▼少なくとも撮影レンズが合焦しているとき、検出対象となる一対のセンサ列上には物体上で同一位置に対応する二次物体像が投影されていること、つまり、センサ列に直交する方向において二像の倍率差が小さいことである。また、正確なデフォーカス検出を得るために、▲2▼撮影レンズのデフォーカスが生じた際、検出対象となる一対のセンサ列上には物体上で同一位置に対応する二次物体像が位置的な位相差を持って投影されていることである。
【0058】
さて、このような観点からこの焦点検出系の像とセンサについて説明する。
【0059】
まず、瞳を縦方向に分離する第一の焦点検出系については、第一の反射鏡104の傾きが瞳の分離方向と一致した図5の紙面内であるために、図9に示した二次物体像122g,122eの何れについても歪みはこの紙面に対称な扇形状となり、歪み自体はかなり大きい。しかし、二像間での歪みの差に注目すればそれは僅かであって、特に瞳の分離と直交する方向に相当する図9の横方向の像倍率差はほとんど無い。したがって、例えば図10の如く受光エリアとセンサ列を配置すれば、一方の受光エリア上の任意のセンサ列上に投影された物体像と対になる物体像は、他方の受光エリア上の対応するセンサ列上に投影されることになる。つまり、上記の条件▲1▼を満たす。
【0060】
図11は二次像の移動方向を説明するために位相差検出方式の焦点検出系全体の役割を一般的に示した要部ブロック図である。
【0061】
同図において、510は物体、511は対物レンズ、514は焦点検出光学系、515はエリアセンサである。焦点検出光学系514にはフィールドレンズとかフィールドミラーといった光学素子からなる瞳投影光学系512と、一対の結像レンズ等で構成される再結像光学系513が含まれている。516はエリアセンサの出力を処理するMPU(マイクロプロセッシングユニット)である。
【0062】
ここでエリアセンサ515に投影される物体の二次像に歪が生じる要因は、瞳投影光学系512と再結像光学系513にあり得る。詳細にはこれらの光学系について別個に光線トレースを行うことによって歪曲についてのそれぞれ性質を求めている。
【0063】
仮に二次像の歪が再結像光学系に起因している場合について、撮影レンズのデフォーカスに伴う二次像の移動を一次像面に置き換えて考えれば、一次像面に於いては再結像光学系の絞り開口の並び方向に正確に移動している物体像が再結像光学系によって歪めてエリアセンサ上に投影されていると理解できるわけで、二次像の移動は歪に沿った方向となることがわかる。逆に瞳投影光学系に起因している場合には、一次像面上にすでに歪んだ像があってこれを視差を持った再結像光学系が歪みなくエリアセンサ上に投影していると理解できるため、撮影レンズのデフォーカスに伴う二次像の移動方向は再結像光学系の絞り開口の並び方向となることが判る。
【0064】
図9に戻って、この焦点検出光学系による歪曲の主な要因を考える。
【0065】
まず、簡単な光学的考察よりこのうちの再結像光学系のみを通して逆投影したエリアセンサ上の格子はかなり歪みが少ないことが判る。つまり、二次物体像の歪みの要因は第一の反射鏡104、すなわち瞳投影光学系にあり、第一反射鏡104の近軸的結像面105に生じた歪が、再結像レンズブロック109によってそのままエリアセンサ111上に投影されていると言える。したがって、二次物体像の移動方向は絞り開口部108e,108gの並び方向であって、像倍率の変化分を取り除けばエリアセンサ上で図12に示す矢印の方向である。
【0066】
上記のようにセンサ列を設定することによって同時に▲2▼の条件をも満たし、これをもって二次物体像の相対的位置関係を比較し、撮影レンズのデフォーカス量を求めることが可能である。
【0067】
特に、撮影レンズにテレコンバージョンレンズが装着されたときには、マスターレンズだけで生じるデフォーカス量よりも大きなデフォーカスが生じることが多くなるが、条件▲2▼を満たすことによって、問題なく焦点調節を行うことができる。
【0068】
図13はこのように配置した受光エリアによる撮像面上での焦点検出領域を示す。歪みのある二次物体像を矩形に整列した受光エリア111g,111e(図10参照)で光電変換するために、焦点検出領域131は撮像面130内で図のように歪んだ形状となる。なお、第一の反射鏡104が撮影レンズの光軸101に対して斜設されているため、絞り108と第一の反射鏡104との距離は焦点検出視野上の位置によって異なる。先に説明したように第一の反射鏡104にはフィールドレンズとしての作用があり、絞り108が撮影レンズ側に投影される際に、この距離差が原因となって、図14に示す様に、その像180,181は図のように斜めになる。これを換言すれば、撮像面102上に図示の如く点PA,PB,PCを定義したときに、これらの点から絞りの像180,181の重心を見込む角θ1,θ2,θ3の間には
θ1<θ2<θ3
なる大小関係があるということである。
【0069】
すなわち、撮影レンズの瞳を二つに分割したときの視差θ1,θ2,θ3が焦点検出視野上の位置によって異なり、撮影レンズのデフォーカスで二つの像が互いに近づいたり遠ざかったりする速度は一律でない。
【0070】
また、二つの像の歪曲は厳密には同じではなく、図10の上下方向、つまりセンサ列の方向について言えば、二次物体像122gの方が二次物体像122eよりも大きく投影されている。
【0071】
このように像同士の大きさが異なって二像の相似性が低い状態では、検出された像間隔が意味を持たず、無論これを合焦判定に用いることはできない。そこで焦点検出を有効にするためには、像の歪曲と像ズレ敏感度の補正を演算処理上で行い、修正された像信号上で二像の大きさを揃え、さらに像の移動速度を一律にすればよい。この演算処理は、具体的には二つの像の一次像面上での仮想のサンプリング点を同一とし、しかもこのとき仮想サンプリング点のピッチが像ズレ敏感度の分布に応じて変化するように演算上で像信号を変換することである。
【0072】
以上に示した焦点検出領域を分割して複数の縦型焦点検出視野を設定し、より細分化された焦点情報を得られるようにすれば、撮像面上のデフォーカスマップから、主となる被写体の中で最も適切な位置に撮影レンズのピントを自動制御することが可能である。
【0073】
次に、瞳を横方向に分離する第二の焦点検出系について説明する。
【0074】
第二の焦点検出系では、二像間での像倍率差が瞳の分離と直交する方向で小さくなるのが撮像面の中央部に近い領域だけに限定される。そこで、この部分だけに受光エリアを設ければ、一方の受光エリア上の任意のセンサ列上に投影された物体像と対になる物体像は、他方の受光エリア上の対応するセンサ列上に投影され、上記の条件▲1▼を満たすことになる。
【0075】
図15は図10に示した第一の焦点検出系の受光エリア111g,111eに加えて、第二の焦点検出系のための受光エリア111f,111hを描いたエリアセンサの平面図である。対となる二次物体像112f,122hの移動方向は第一の焦点検出系と同様の理由から絞り開口部108f,108hの並び方向であって、センサ列を図のように設定することにより既に▲2▼の条件も満たすことができている。このような受光エリアによる撮像面上での焦点検出領域は図16に示す通りであり、焦点検出領域134は撮像面130内の中央部で、これらは複数の横型焦点検出視野である。
【0076】
次に、焦点検出領域の分割と焦点検出視野の配置について詳述する。
【0077】
図17は焦点検出視野の分布の様子をカメラのファインダから見た状態として示した図である。図18に以後説明に用いる焦点検出視野の名称を示した。
【0078】
撮影画面201の中央部に、千鳥状に配置された合計45個の焦点検出視野を表す矩形の表示部があり、各行はそれぞれ7,10,11,10,7個の焦点検出視野よりなっている。第一の焦点検出系は45個の焦点検出視野のすべてを、また、第二の焦点検出系は焦点検出視野T0,UL1,UR1,C0,DL1,DR1,B0を構成している。このように焦点検出視野を整列させると、視覚的に好ましいうえ、焦点検出視野を任意に選択する際にも上下左右方向の移動だけに整理されることで都合がよい。なお、焦点検出視野T0,UL1,UR1,C0,DL1,DR1,B0は第一の焦点検出系と第二の焦点検出系の両方によって焦点検出が行われるため、被写体上の縦方向の輝度分布と横方向の輝度分布のどちらに対しても良好な感度を持たせることが出来る。
【0079】
前述のように扇形状の二次物体像の歪みがあるために、より広い焦点検出領域を持つ第一の焦点検出系では焦点検出視野を整列させるためにかなりの工夫を必要とする。第二の焦点検出系ではエリアセンサをラインセンサの集合体として考え、先ずこれらを連続する5グループに分けてその内の中央と上下のグループを使うことで、T0,C0,B0の焦点検出視野を作ることが出来る。さらに、残りのグループをライン方向にそれぞれ二分割して用いれば、UL1,UR1とDL1,DR1の焦点検出視野を簡単に得ることが出来る。第一の焦点検出系の焦点検出領域の分割方法については以下に詳述する。
【0080】
図19は第一の焦点検出系の受光エリアを示した図である。
【0081】
受光エリア202,203は、図20に示した3タイプのセンサ列タイプA,B,Cを組み合わせることによって構成されている。各センサ列は焦点検出回路によって蓄積時間が同一に制御される複数の隣接した画素から成る固定された画素領域を有し、図ではこのような画素領域をハッチングで示している。センサ列タイプAには3つの画素領域が、センサ列タイプB,Cには2つの画素領域がそれぞれ充てられている。焦点検出光学系を通してこれらの画素領域に入射する光の強さに応じて、画素領域毎の蓄積時間は独立に制御され、各々適切なレベルの像信号を得る事が可能である。
【0082】
図21はエリアセンサ蓄積制御回路の要部である。
【0083】
各画素領域の対毎に最大値検出回路と差動アンプを持ち、各差動アンプの出力が共通の所定レベルVR に到達するまで蓄積を行い、到達した時点で蓄積動作を終了し、読みだし信号φR を各画素領域毎に送る。
【0084】
回路規模の縮小のため、制御回路51は基準クロック信号ICLKに基づいて各画素領域毎に設けられたアナログスイッチAS1a,AS1b〜ASna、ASnb(nは一つの受光エリアにおける画素領域の数)を順次走査し、共通のコンパレータC0Mで全領域の蓄積終了判断を行う様に構成されている。
【0085】
図22は図17に示した45個の焦点検出視野の中心を受光エリア202上に投影した状態を示す図である。なお、受光エリア203上への投影もディストーション状態がほぼ等しいので、同等と考えてよい。図中、円の中心が各焦点検出視野の中心の投影位置であって、第一の反射鏡104による像の歪曲の為に千鳥状に整列していた焦点検出視野がここでは円弧に添った形に配列される。
【0086】
図11を用いて先に説明したように、撮影レンズのデフォーカスに伴って、物体像が移動する方向は、像倍率の変化分を取り除けば図12の矢印方向となる為、センサ列を像の歪曲に合わせて配置するのは適切でない。
【0087】
一般に、エリアセンサの画素間には配線を通すスペースを必要とする為に比較的大きな不感帯が生じ、リニアセンサの場合よりも像の移動がセンサ出力に反映されにくく、エリアセンサを焦点検出に用いると焦点検出精度の低下がしばしば起こる。図22に示したエリアセンサでは、焦点検出の精度をできるだけ上げる為に、殆どの焦点検出視野に対して、歪曲した像に関して互いの位相差が1/2画素相当となる並列した二つの画素領域を用意し、各画素領域での焦点検出結果の平均値を出力するようにしている。この場合、最終的な焦点検出結果では像の位相検出誤差が打ち消され、特に高周波成分の多い物体パターンで検出精度の向上が期待できる。
【0088】
各焦点検出視野を構成するセンサ列タイプを、図23に示す。
【0089】
複数のセンサ列タイプを用い、さらに、例えば焦点検出視野TL6,CL6,BL6の列のように、使用するセンサ列タイプをA/C,A/A,A/Aという具合に乗り移らせることによって、扇形状の像の歪曲を許容しながらも千鳥状の焦点検出視野配置が可能となっている。
【0090】
前述のように、TTL位相差検出方式の焦点検出装置では焦点検出光束の一部にケラレが生じると焦点検出精度が著しく低下するため、装着される撮影レンズは各焦点検出視野についてケラレが発生しない瞳の大きさを持っていなければならない。
【0091】
次に、瞳を縦方向に分離する第一の焦点検出系と瞳を横方向に分離する第二の焦点検出系のそれぞれの焦点検出視野について、ケラレの起こり易さの観点で説明を加える。
【0092】
第一の焦点検出系の各焦点検出視野は全て再結像レンズブロック109の凸レンズ109e,109gを通る光束によって形成された二次物体像を用いている。前述の図14は第一の焦点検出系の光路を説明するための図であり、第一の焦点検出系の焦点検出視野の端部に達する光束のうち、凸レンズ109e,109gの前に置かれた絞り開口部108e,108gの重心を通る光線を描いてあり、簡単のために主ミラー103と第二の反射鏡106を省略し、一部の光路を展開してある。
【0093】
焦点検出光束を絞り108の側から逆に撮影レンズ側に辿って考えると、各焦点検出視野からの焦点検出光束は楕円鏡である第一の反射鏡104 の焦点近傍に一旦収束し、その後周辺の焦点検出視野の光束ほど撮影レンズの光軸から離れるように再び発散していくことが分かる。
【0094】
この焦点位置は撮影レンズの代表射出瞳位置であるため、多くの撮影レンズに対して、焦点検出光束にケラレが生じ難い。しかしながら、一般にカメラ用撮影レンズの場合、画面周辺での口径蝕に起因して、ケラレの発生の有無は射出窓の位置と大きさで決定される。したがって、撮影レンズと焦点検出視野の組み合わせによってはケラレが発生することも考え得る。この際、射出窓が小さくしかも代表射出瞳位置から離れている撮影レンズでは、周辺の焦点検出視野ほどケラレが発生しやすい。逆に、光軸上の焦点検出視野は最もケラレ難いと言える。
【0095】
第一の焦点検出系では、このカメラシステムに含まれる開放Fナンバーが 5.6を越えない明るさを持つ撮影レンズの全ての状態に対して、前述した45点の焦点検出視野で光束のケラレがないように設定してある。
【0096】
さて、この第一の焦点検出系と、前述したテレコンバージョンレンズ装着との関係について考えてみる。マスターレンズとしては焦点距離300mm/開放Fナンバー4の撮影レンズを、テレコンバージョンレンズとしては焦点距離を2倍にする光学系を取り上げる。
【0097】
図24はカメラボディーと撮影レンズの間にテレコンバージョンレンズを装着した状態を示す図である。
【0098】
同図において、402はテレコンバージョンレンズであり、カメラボディー406と撮影レンズ401の中間に不図示のレンズマウントを介して機械的および電気的に接続されている。テレコンバージョンレンズ402は全体として凹レンズを構成し、マスターレンズとテレコンバージョンレンズとを合成して得られる撮影レンズ系は焦点距離600mm/開放Fナンバー8になり、F5.6 を越える。また、射出窓はマスターレンズよりも小さく、フィルム面からは遠くなる。
【0099】
この状態で焦点検出光束のケラレについて調べてみると、例えば無限遠において、図18に示した焦点検出視野UL1,UR1,CL2,C0,CR2,DL1,DR1ではケラレは発生せず、さらに光軸から離れた位置にあるこれ以外の焦点検出視野ではケラレが発生するために高精度な焦点検出は不可能といったことになる。
【0100】
図25は焦点検出光束のケラレが発生する焦点検出視野CL8に入射する光束の説明図である。
【0101】
同図において、101は撮影レンズの光軸、70は写真フィルムによる撮像面、71は焦点検出視野CL8に相当する撮像面上の位置、73と74はこの位置についての撮像レンズ系600mm/F8の射出窓、75と76は絞り開口108eと108gの第一の反射鏡104による投影像である。
【0102】
焦点検出視野71と絞り開口の投影像75,76の外周を結ぶ曲面が何れも射出窓73,74の内側を通っていれば、焦点検出光束にケラレはない。ところが、この図25では焦点検出光束が射出窓73を斜めに横切るときに、この曲面が射出窓73と交差し、一部の光束がここで蹴られていることを表している。
【0103】
次に、第二の焦点検出系について説明する。
【0104】
第二の焦点検出系の各焦点検出視野は全て再結像レンズブロック109の凸レンズ109f,109hを通る光束によって形成された二次物体像を用いている。第一の焦点検出系と同様に、各焦点検出視野からの焦点検出光束は楕円鏡である第一の反射鏡104の焦点の近傍に一旦収束し、その後周辺の焦点検出視野の光束ほど撮影レンズの光軸から離れるように再び発散していく。したがって、第二の焦点検出系においても、射出窓が小さくしかも代表射出瞳位置から離れている撮影レンズでは周辺の焦点検出視野ほどケラレが発生しやすく、逆に、光軸上の焦点検出視野は最もケラレ難いと言える。
【0105】
第二の焦点検出系では、このカメラシステムに含まれる開放Fナンバーが 2.8を越えない明るさを持つ撮影レンズの全ての状態に対して、前述した7点の焦点検出視野で光束のケラレがないように設定してある。
【0106】
この第二の焦点検出系と、前述した焦点距離300mm/開放Fナンバー4の撮影レンズとの関係について考えてみる。
【0107】
焦点検出光束のケラレについて調べると、例えば無限遠において、図18に示した焦点検出視野UL1,UR1,C0,DL1,DR1ではケラレは発生せず、さらに光軸から離れた位置にあるT0,B0ではケラレが発生するために高精度な焦点検出は不可能といったことになる。さらに、前述のテレコンバージョンレンズを装着した状態では、全ての焦点検出視野でケラレが発生するために高精度な焦点検出は不可能である。
【0108】
これらの撮影レンズ系の場合、距離環位置が無限遠での焦点検出光束のケラレのない焦点検出視野を、第一の焦点検出系と第二の焦点検出系のそれぞれについてまとめると、図26(a)のようになる。
【0109】
図26(a)は距離環が無限遠の状態についての結果であるが、近距離にピントを合わせようとすると、射出窓の状態が変化するために、ケラレのない焦点検出視野はもっと少なくなる。すなわち、300mm/F4、2倍のテレコンバージョンレンズ、距離環位置固定といったように条件を固定すれば、ケラレのない焦点検出視野は一通りに定まるが、距離環位置やズームレンズに於けるズーム位置が変化するような実際の使用状態では、ケラレのない焦点検出視野は常に変動することになる。したがって、ケラレのない焦点検出視野は開放Fナンバーによって、図26(b)のように分類される。
【0110】
すなわち、第一の焦点検出系でF5.6 を越えるとき、射出窓の状態に応じてケラレのない焦点検出視野が変化し、第二の焦点検出系でF2.8 を越えるとき、射出窓の状態に応じてケラレのない焦点検出視野が変化する。この射出窓の状態は撮影レンズの光学データを用いることにより光線トレース等の手法によって求められるが、前述のように、撮影レンズの距離環位置やズーム位置で変化し、撮影レンズ毎に固定されるものでもない。したがって、ケラレのない全ての焦点検出視野に対して焦点検出動作を許可すると、距離環の繰り出しやズーム動作に伴って、直前に使用していた焦点検出視野が突然動作不許可状態に変わってしまうこともあり得る。
【0111】
そこで、本実施の形態においては、開放FナンバーがF5.6 を越える撮影レンズ系に対しては、撮影レンズ系のいかなる状態においても第一の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0に光束のケラレがなければ、この焦点検出動作を許可し、仮に中央以外の焦点検出視野にケラレがなく動作可能であっても、焦点検出動作を許可しないようにする。また、開放FナンバーがF2.8 を越える撮影レンズ系に対しては、撮影レンズ系のいかなる状態においても第二の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0に光束のケラレがなければ、この焦点検出動作を許可し、仮に中央以外の焦点検出視野にケラレがなく動作可能であっても、基本的には焦点検出動作を許可しないようにする。
【0112】
こうすることによって、後述する図3(c)の表示を確認することと相まって、撮影者にとってどの焦点検出視野が使用可能であるのかが大変理解しやすくなる。しかも、予め動作させても焦点検出精度が保証できない焦点検出視野が分かっているため、無駄な焦点検出演算をすることがなく、焦点調節の高速化に結びつく。
【0113】
図27はこのようなカメラの動作をまとめた図である。また、動作許可の出る焦点検出視野が変化することを撮影者に知らせるための表示態様(詳細は図3を用いて以下に述べる)についても記している。焦点検出視野選択方法が任意選択モードであるかそれとも自動選択モードであるかで異なる表示態様が用意されている。
【0114】
図3はカメラの外部表示を示す図である。
【0115】
同図において、500は液晶表示器、501は焦点調節動作がワンショットモードであることを表すマーク、502は高速連続撮影モードであることを表すマーク、503は撮影枚数カウンタ、504は撮影枚数カウンタ503が逆算表示であることを表すマーク、505は焦点検出視野の選択モードが任意選択モードに設定されていることを表すマーク、506は焦点検出視野の選択モードが自動選択モードに設定されていることを表すマーク、507は第一の焦点検出系の中央の焦点検出視野のみが動作するモードであることを表すマークである。全ての焦点検出視野の動作許可が下りないときには、図3(d)の様に、焦点調節に関係する表示は行われない。
【0116】
また、開放FナンバーがF5.6 を越える撮影レンズ系には超望遠レンズにテレコンバージョンレンズが装着された状態が多く含まれるが、一般にこのような撮影レンズ系では被写体の初期デフォーカスが大きいケースが多い。その際には初回の焦点検出ではデフォーカス量の検出が困難である場合がある。こういった場合、無限端や至近端への撮影レンズのサーチ駆動を行いながら焦点検出を繰り返し、デフォーカスの検出がうまく行った時点で所定位置への高速駆動に切り換える。したがって、焦点検出のサイクルを短くできれば、撮影レンズのサーチ駆動スピードを早くできるので、合焦に至るまでの時間を短縮することが出来る。中央の焦点検出視野に限定した動作を行うことで焦点検出のサイクルが短くなり、超望遠レンズにテレコンバージョンレンズが装着された状態でも迅速な焦点調節が可能である。
【0117】
図1及び図2は、図8のROM162に格納されている焦点検出処理等に関するプログラムのフローチャートである。
【0118】
マイクロコンピュータ165は、先ずステップ#101でレリーズ釦に連動したスイッチSW1の状態を判定する。レリーズ釦が半押しされてSW1がONしていれば次のステップに移行し、ONしていなければ、ステップ#101を繰り返す。次のステップ#102では、装着されている撮影レンズ側のマイクロコンピュータ166との通信を行い、撮影レンズの種類毎に固有の値(図27参照)を有するレンズIDを取得する。続くステップ#103では、取得したレンズIDがROM162に用意されたIDリストにあるかどうかを調べる。この結果、リストに有る場合はステップ#104に移行し、無い場合はステップ#105に移行する。
【0119】
尚、IDリストに記載されているレンズIDを有するレンズに関して、焦点検出視野を中央にするかの視野許可情報はカメラ内のROM162にレンズに対応して記載されている。
【0120】
ステップ#104では、図18に示した45個の焦点検出視野の中央、すなわちC0の焦点検出視野の動作を許可するかどうかの情報の取得先をカメラ内のROM162に設定する。これは、このカメラ以前に製造された撮影レンズをもこのカメラシステムに加えることで、対象となる撮影レンズの数を出来るだけ増やすための措置である。
【0121】
ステップ#105では、C0の焦点検出視野の動作を許可するかどうかの情報の取得先を撮影レンズ内のROMに設定する。これは、このカメラ以降にこのカメラシステムの構成レンズとして製造される撮影レンズのための措置である。即ち、ステップ#103でIDリストに無いと判定された場合は、このカメラがそのレンズに関して認識していないということであり、例えばこのカメラが製造された以後に開発されたレンズ等であるので、この場合にはカメラ内のROMにそのレンズに関して上記視野許可情報は記載されていない。従って、この場合はレンズ内ROMに上記視野許可情報記載しておき、ステップ#105にて、レンズ内のROMからこの情報を読み取ることで、上記の場合に対応出来るようにしている。尚、ステップ#104,#105における情報の取得先は、ROMに限定されず、EEPROMやフラッシュメモリであっても良い。
【0122】
ステップ#106では、撮影レンズとの通信を行って、開放Fナンバーを取得する。続くステップ#107では、開放Fナンバーの値がF5.6 以下、つまりF5.6 よりも明るいかどうかを判定する。F5.6 以下であればステップ#108に移行し、ここでは、第一の焦点検出系について45点全ての焦点検出視野を動作対象に設定する。そして、次のステップ#109では、開放Fナンバーの値がF2.8 以下であるかどうかを判定する。以下であればステップ#110に移行し、第二の焦点検出系について7点全ての焦点検出視野を動作対象に設定する。また、開放Fナンバーの値がF2.8 以下でなければステップ#109からステップ#111に移行し、先のステップ#104あるいは#105で設定された取得先から第二の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0の許可情報を取得する。
【0123】
尚、装着されたレンズがF4までのレンズの場合は上記ステップ#104,#105でのROMには、このレンズは第二の焦点検出系では中央の視野を許可する情報が記憶されているものとする。
【0124】
ステップ#112では、第二の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0の許可情報を判定し、許可されていればステップ#114に移行し、第二の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0を動作対象に設定する。一方、許可されていなければステップ#113に移行し、被写体輝度が低い状況等で、焦点検出を補助するための不図示の補助光投光装置が作動するモードであるかどうかを判定する。補助光モードであれば、上記のステップ#114に移行して第二の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0を動作対象に設定し、補助光モードでなければ、図2のステップ#118に移行する。
【0125】
補助光投光装置はカメラの付属品としてのスピードライト等に一体に設けられており、閃光発光用のコンデンサの充電が完了すると共に作動モードに入る。焦点検出の精度を上げるために焦点検出視野に直交した多数の線状パターンを投光する。従来一般的であった中央の横型焦点検出視野に対応するため、この線状パターンは縦縞である。縦縞に良好な感度を有する焦点検出系は第二の焦点検出系であるので、補助光モードの時には第2の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0を動作可能とする。このとき焦点検出光束にケラレが発生するが、第二の焦点検出視野にとって有利なパターンが投光されるために検出精度の低下は極僅かで無視できる。
【0126】
また、上記ステップ#107にて開放Fナンバーの値が 5.6以下でなければステップ#115へ移行し、ここでは先のステップ#104あるいは#105で設定された取得先から第一の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0の許可情報を取得する。マスターレンズのみの時とマスターレンズにテレコンバージョンレンズが付加されている時とで、それぞれ独立に許可情報が出力される。すなわち、マスターレンズのみの時の図27に対応する情報と、テレコンバージョンレンズが装着された時の図27に対応する情報がそれぞれROM内に記憶されており、この種の情報が、本発明で云う「撮影光学系別の動作可否情報」に相当する。又、ROMに記憶されている許可情報としては、第一の焦点検出系ではF8までのレンズの場合、中央の焦点検出視野を許可する情報が記憶されているものとする。
【0127】
尚、ステップ#107等で判定される開放Fナンバー値としては、マスターレンズにテレコンバージョンレンズが付加されている時は、これらの組み合わせの撮影光学系でのトータルな開放Fナンバーを示すものとする。
【0128】
次のステップ#116では、第一の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0の許可情報を判定し、許可されていればステップ#117に移行し、第一の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0を動作対象に設定する。また、許可されていなければマニュアルフォーカスとなるので、図2のステップ#126にスキップする。
【0129】
図2のステップ#118では、カメラの操作スイッチ等で設定されている焦点検出視野の選択方法について調べる。焦点検出視野の選択方法には二通りあり、その一つは任意選択であって、撮影者が動作許可された焦点検出視野の内の任意の一つまたは数個を選択するものである。それからもう一つは自動選択であり、動作許可された全焦点検出視野を使ってカメラが自動的に焦点調節を行うものである。任意選択が選ばれていればステップ#119に移行し、自動選択が選ばれていればステップ#121までスキップする。上記ステップ#119では、撮影者の視線位置を検出する不図示の視線入力手段の出力や、不図示のトラックボール等で構成された焦点検出視野設定手段の出力に基づいて、一つまたは数個の焦点検出視野を決定する。そして、次のステップ#120では、選択された焦点検出視野をファインダ内にスーパーインポーズ表示する。
【0130】
ステップ121では、補助光モードであるかどうかを判定する。補助光モードであればステップ#121に移行し、補助光の発光指示を出し、ステップ#123へ移行する。また、補助光モードでなければ直ちにステップ#123に移行する。ステップ#123では、光電荷の蓄積をエリアセンサ 111に対して指示する。光電荷が所定量になるように画素領域毎に蓄積時間が制御され、後のステップで取り出される像信号の大きさは物体の輝度に関わらずほぼ一定となる。二次物体像の光量分布に応じて蓄積された電荷を像信号として読み出してRAMに格納する。
【0131】
続くステップ#124では、所定の受光エリアからの像信号の読み出しが完了した後、先ずEEPROM164に格納されている焦点検出光学系の情報に従って、その像信号を焦点検出処理に適した形に変換する。具体的には、瞳を縦方向に分離する第一の焦点検出系について、演算上で歪曲を整える処理と、デフォーカスに伴う像の移動速度を一定に変換する補正処理を行う。次に、第一及び第二の焦点検出系の像信号に対して低周波成分を取り除くフィルタ処理を施し、処理された像信号を用いて公知の像間隔検出処理により焦点検出視野の焦点状態が検出される。焦点検出視野選択方法が任意選択であればこの一連の処理を選択された焦点検出視野に対して行い、自動選択であれば、動作可能な全ての焦点検出視野に対して行う。さらに、全ての焦点検出結果のうち信頼性のある検出結果だけを選択し、更にこれらの情報から一つのデフォーカス量を導き出す。
【0132】
ステップ#125では、先のステップで算出されたデフォーカス量に基づいて撮影レンズの駆動量を算出し、これを撮影レンズ側に通信する。撮影レンズ側のマイクロコンピュータ166はこの量に基づいて、図1に示したレンズ駆動回路407を駆動し、ピント調節を行う。次のステップ#126では、レリーズ釦が完全に押し込まれたことを検知するスイッチSW2の状態を調べる。この結果、該スイッチSW2がONしていなければこのステップ#126を繰り返す。その後、スイッチSW2がONするとステップ#127に移行し、シャッタを走行させて写真フィルムに被写体像を露光させる。続くステップ#128では、写真フィルムを巻き上げて次の撮影に備え、一連のシーケンスをリターンする。
【0133】
以上の実施の形態によれば、カメラのROM内に、該カメラに装着可能な撮影レンズ(これに装着されるテレコンバージョンレンズを含む)別の動作可否情報(図27の第一及び第二の焦点検出系に対応する、開放Fナンバーと焦点検出視野との関係を示す情報)を記憶しておき、その時の撮影レンズの開放FナンバーがF5.6 を越える場合には、前記ROM内の情報より画面中央の焦点検出視野C0による動作を許可する情報が記憶されているか否かを判別し、許可情報が記憶されている場合には、この時の撮影レンズにより撮影を可能にするべく、前記焦点検出視野C0により焦点検出動作を行うようにしている。
【0134】
更に詳しくは、開放FナンバーがF5.6 を越える撮影レンズ系に対しては、撮影レンズ系のいかなる状態においても第一の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0に光束のケラレがなければ、この焦点検出動作を許可し、また、開放FナンバーがF2.8 を越える撮影レンズ系に対しては、撮影レンズ系のいかなる状態においても第二の焦点検出系の中央の焦点検出視野C0に光束のケラレがなければ、この焦点検出動作を許可するようにしている。
【0135】
これにより、従来であれば、自動焦点調節システムの対象外となるような場合であっても、最も光束のケラレが少ない焦点検出視野C0を基準にして、自動焦点調節システムの対象とするか対象外とするかを決定するようにしている為、焦点検出システムの対象となる撮影レンズの制限を緩和することができ、システムを構成するレンズの数を増すことが可能となった。
【0136】
また、開放FナンバーがF5.6 を越える場合には、中央の焦点検出視野C0に限定して焦点検出動作を行わせるようにしている為、従来の様に無限端や至近端への撮影レンズのサーチ駆動を行いながら焦点検出を繰り返し、デフォーカスの検出がうまく行った時点で所定位置への高速駆動に切り換えるといった処理が不要になり、合焦に至るまでの時間を短縮することが可能となる。
【0137】
さらに、中央の焦点検出視野C0に限定した動作を行う場合には、図3(c)に示す様に、その旨の表示を行うようにしている為、どの焦点検出視野が使用可能になるのかを撮影者に理解し易くすることができた。
【0138】
尚、本発明は、一眼レフカメラに適用した例を述べているが、ビデオカメラや電子スチルカメラ等の種々の形態のカメラ、さらにはカメラ以外の焦点検出機能を備えた光学機器やその他の装置に対しても適用できるものである。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、焦点検出動作を可能とする撮影光学系を出来るだけ制限せず、カメラに装着して使用できる撮影光学系の数を増やすことができ、迅速な焦点調節を行うことを可能にするカメラ又は交換レンズ装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るカメラシステムの一連の動作の一部を示すフローチャートである。
【図2】図1の動作の続きを示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の一形態においてカメラの外部表示について説明する為の図である。
【図4】本発明の実施の一形態に係るカメラシステムの光学系の配置を示す図である。
【図5】本発明の実施の一形態に係る焦点検出装置の光学系の主要部分を示す図である。
【図6】本発明の実施の一形態に係る焦点検出装置の光学系の主要部分を図5とは異なる方向より見て示す図である。
【図7】本発明の実施の一形態に係る焦点検出装置の光学系の構成要素の一つである絞りを示す平面図である。
【図8】本発明の実施の一形態に係る焦点検出装置の回路構成の概略を示すブロック図である。
【図9】図3等に示したエリアセンサ上の二次物体像の様子を示す図である。
【図10】図3等に示した一部のエリアセンサの平面図である。
【図11】本発明の実施の一形態に係る位相差検出方式の焦点検出系全体の役割を一般的に示した要部ブロック図である。
【図12】本発明の実施の一形態において撮影レンズのデフォーカスに伴って、物体像が移動する方向を示す図である。
【図13】本発明の実施の一形態において撮像面上での焦点検出領域を示す図である。
【図14】本発明の実施の一形態において第一の焦点検出系の光路を説明するための図である。
【図15】図3等に示したエリアセンサの平面図である。
【図16】本発明の実施の一形態において撮像面上での一部の焦点検出領域を示す図である。
【図17】本発明の実施の一形態において焦点検出視野の分布の様子をカメラのファインダから見た状態として示した図である。
【図18】本発明の実施の一形態において焦点検出視野の名称を示す図である。
【図19】本発明の実施の一形態において第一の焦点検出系の受光エリアを示した図である。
【図20】本発明の実施の一形態においてセンサ列のタイプを示す図である。
【図21】本発明の実施の一形態においてエリアセンサ蓄積制御回路の要部である。
【図22】本発明の実施の一形態において焦点検出視野の中心を受光エリア上に投影した状態を示す図である。
【図23】本発明の実施の一形態において各焦点検出視野におけるセンサ列のタイプを示す図である。
【図24】本発明の実施の一形態においてカメラ本体と撮影レンズの間にテレコンバージョンレンズを装着した状態を示す光学系の配置図である。
【図25】本発明の実施の一形態において焦点検出光束のケラレが発生する焦点検出視野に入射する光束を説明する為の図である。
【図26】焦点検出光束のケラレのない焦点検出視野を、第一と第二の焦点検出系のそれぞれについて、更に開放Fナンバーとの関係について示す図である。
【図27】図26に対応する本発明の実施の一形態での状態及びそれぞれおける表示形態について示す図である。
【符号の説明】
104 第一の反射鏡
108 絞り
109 再結像レンズブロック
111 エリアセンサ
165 マイクロコンピュータ
162 ROM
401 撮影レンズ
406 カメラボディー
500 液晶表示器

Claims (6)

  1. 装着された撮影光学系とデータの授受を行う通信手段と、前記撮影光学系による物体像を複数の画素を持つ光電変換素子上に再結像する一対の再結像光学系、及び、該再結像光学系の入射瞳を前記撮影光学系の定められた位置に投影する瞳投影手段を具備し、前記光電変換素子からの出力を用いることにより焦点検出を可能とする焦点検出視野を撮像画面内に複数持つ焦点検出装置とを有するカメラにおいて、
    前記複数の焦点検出視野は、前記撮影光学系の第1の開放Fナンバーに対応し、該第1の開放Fナンバーを越えない場合には焦点検出が対応可能であって、かつ該第1の開放Fナンバーよりも大きい場合にはケラレにより焦点検出が対応不可能な場合のある第1の焦点検出視野群と、前記第1の開放Fナンバーよりも小さい第2の開放Fナンバーに対応し、該第2の開放Fナンバーを越えない場合に前記第1の焦点検出視野群での焦点検出より高精度の焦点検出が対応可能であって、かつ前記第1の開放Fナンバーを越えず、該第2の開放Fナンバーよりも大きい場合にはケラレにより焦点検出が対応不可能な場合のある第2の焦点検出視野群とを有し、
    当該カメラに装着される撮影光学系の現在の開放Fナンバーが、前記第1の開放Fナンバーよりも大きい場合には前記第1の焦点検出視野群のうちの特定の視野で焦点検出動作を許可するか否かを判断し、前記第1の開放Fナンバーを越えず、かつ前記第2の開放Fナンバーよりも大きい場合には前記第2の焦点検出視野群のうちの特定の視野で焦点検出動作を許可するか否かを判断する判断手段を有することを特徴とするカメラ。
  2. 前記特定の焦点検出視野は、撮影画面内の中央の焦点検出視野であることを特徴とする請求項1記載のカメラ。
  3. 焦点検出動作を行う焦点検出視野の位置を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1又は2記載のカメラ。
  4. 前記撮影光学系は、撮影レンズ、又は、撮影レンズとカメラとの間に装着され、前記撮影レンズとは異なる焦点距離と開放Fナンバーを得る為のレンズ系と前記撮影レンズとにより構成されることを特徴とする請求項1,2又は3記載のカメラ。
  5. 前記撮影レンズとは異なる焦点距離と開放Fナンバーを得る為のレンズ系とは、テレコンバージョンレンズであることを特徴とする請求項4記載のカメラ。
  6. 装着された交換レンズ装置とデータの授受を行う通信手段と、前記交換レンズ装置による物体像を複数の画素を持つ光電変換素子上に再結像する一対の再結像光学系、及び、該再結像光学系の入射瞳を前記撮影光学系の定められた位置に投影する瞳投影手段を具備し、前記光電変換素子からの出力を用いることにより焦点検出を可能とする焦点検出視野を撮像画面内に複数持つ焦点検出装置とを備え、前記複数の焦点検出視野は、前記撮影光学系の第1の開放Fナンバーに対応し、該第1の開放Fナンバーを越えない場合には焦点検出が対応可能であって、かつ該第1の開放Fナンバーよりも大きい場合にはケラレにより焦点検出が対応不可能な場合のある第1の焦点検出視野群と、前記第1の開放Fナンバーよりも小さい第2の開放Fナンバーに対応し、該第2の開放Fナンバーを越えない場合に前記第1の焦点検出視野群での焦点検出より高精度の焦点検出が対応可能であって、かつ前記第1の開放Fナンバーを越えず、該第2の開放Fナンバーよりも大きい場合にはケラレにより焦点検出が対応不可能な場合のある第2の焦点検出視野群とを有し、当該カメラに装着される撮影光学系の現在の開放Fナンバーが、前記第1の開放Fナンバーよりも大きい場合には前記第1の焦点検出視野群のうちの特定の視野で焦点検出動作を許可するか否かを判断し、前記第1の開放Fナンバーを越えず、かつ前記第2の開放Fナンバーよりも大きい場合には前記第2の焦点検出視野群のうちの特定の視野で焦点検出動作を許可するか否かを判断する判断手段を有するカメラに装着される交換レンズ装置において、
    前記判断手段が特定の焦点検出視野で焦点検出動作を行えるか否かの許可情報を記憶する記憶手段を有することを特徴とする交換レンズ装置。
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