JP4050650B2 - 光情報再生装置、ならびにその実現に利用可能でコンピュータ読み取り可能なプログラムを格納した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラフィーを利用して情報を記録した情報記録層を具備した光情報記録媒体から情報を再生する光情報再生装置、ならびにその光情報再生装置に用いられる再生像を検出するためのプログラムを格納した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ホログラフィを利用して記録媒体に情報を記録するホログラフィック記録は、一般的に、イメージ情報を持った光と参照光とを記録媒体の内部で重ね合わせ、そのときにできる干渉縞を記録媒体に書き込むことによって行われる。記録された情報の再生時には、その記録媒体に参照光を照射することにより、干渉縞による回折によりイメージ情報が再生される。
【0003】
近年では、超高密度光記録のために、ボリュームホログラフィ、特にデジタルボリュームホログラフィが実用域で開発され注目を集めている。ボリュームホログラフィとは、記録媒体の厚み方向も積極的に活用して、3次元的に干渉縞を書き込む方式であり、厚みを増すことで回折効率を高め、多重記録を用いて記録容量の増大を図ることができるという特徴がある。そして、デジタルボリュームホログラフィとは、ボリュームホログラフィと同様の記録媒体と記録方式を用いつつも、記録するイメージ情報は2値化したデジタルパターンに限定した、コンピュータ指向のホログラフィック記録方式である。このデジタルボリュームホログラフィでは、例えばアナログ的な絵のような画像情報も、一旦デジタイズして、2次元デジタルパターン情報(ページデータともいう)に展開し、これをイメージ情報として記録する。再生時は、このデジタルパターン情報を読み出してデコードすることで、元の画像情報に戻して表示する。これにより、再生時にSN比(信号対雑音比)が多少悪くても、微分検出を行ったり、2値化データをコード化しエラー訂正を行ったりすることで、極めて忠実に元の情報を再現することが可能になる。
【0004】
このような2次元デジタルパターン情報には、パターン検出の際に使用される、位置決め用のSyncコードが含まれている。このSyncコードはCCDやCMOSのような画像検出器上に設けられたSyncコードとのマッチングが取られる。そして、両Syncコードが一致するようにして位置決めがなされ、再生画像が検出される。なお、図1は2次元デジタルパターン(ページデータ)を示している。図1において、複数個ある明るい大きめのマークがSyncコードであり、これを用いてCCDやCMOSなどの画像検出器上で位置合わせが行われる。
【0005】
2つの画像のマッチングを取るための1つの方法として、テンプレートマッチングが知られている。テンプレートマッチングについては、昭和61年6月1日発行の「コンピュータ画像処理入門」(総研出版)の第149ページから151ページに掛けて開示されている。
【0006】
テンプレートマッチングは、ある画像情報の中から所望画像パターンが効率よく検知することができるものである。図2は、テンプレートマッチングの中でよく用いられる手法である、最大相関アプローチを示している。図2において、Ws×Hsはソース画像(再生像)の大きさを示し、Wt×Htはテンプレート画像(画像検出器上のSyncコード)を示している。また、W×Hはサーチウィンドウを示し、W=Ws−Wt+1、H=Hs−Ht+1である。この最大相関を取る方法では、ソース画像(再生像)とテンプレート画像(Syncコード)との間の最大相関が、式(1)を用いて計算される。
【0007】
【数5】
式(1)において、(x,y)はサーチ領域、S(x,y)はソース画像、T(x,y)はテンプレート画像を示している。
【0008】
式(1)で示される相関値は再生像の中のあるパターンとテンプレート画像との類似性を示すものであるが、この相関値は、全体のページデータを複数分割して設けられた1つの領域におけるソース画像(再生像)の中の全ての座標位置について算出される。2つの画像が一番類似性を有する場合には、式(1)の相関値は最大となるので、最大となる場合の位置がマッチングの取れた位置となるのである。
【0009】
【非特許文献1】
「コンピュータ画像処理入門」(総研出版)
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の最大相関値を算出するのに式(1)を用いるのは、計算量が膨大となり、迅速な処理による画像検出実現には問題である。つまり、式(1)によれば、全てのサーチポジション(x,y)において計算は4次元的に行われなければならない(2次元のテンプレート画像と2次元のサーチウィンドウ内での乗算と積算である)。ホログラフィック記録では、画像の転送レートをなるべく上げる必要があるため、この計算量の膨大さは致命的になりかねない。迅速な処理を行うために、一般にFFT(Fast Fourier Transform)アルゴリズムを用いることが考えられるが、FFTはホログラフィックストレージシステムにおけるSyncコード検出には適したものではない。本システムではSyncコードのサイズが小さすぎるからである。
【0010】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ホログラフィーを利用して記録媒体に記録された情報をその記録媒体から再生する光情報再生装置であって、この記録媒体に再生用参照光を照射して得られた再生像を検出する際の計算量をより少なくし、迅速な処理を行うことのできる光情報再生装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、上述のような光情報再生における再生像の検出を実現するプログラムを格納する記録媒体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の光情報再生装置は、ホログラフィーを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体から情報を再生する光情報再生装置であって、光源と、この光源から出射される光束を用いて再生用参照光を生成する再生用参照光生成手段と、再生用参照光を情報記録層に対して照射すると共に、再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を収集するための再生光学系と、再生光を検出する検出手段と、からなり、検出手段において、再生光に含まれる再生像の位置決めを行うためのシンクコードは全て同一のピクセル値を持つように設定され、XY平面からなるサーチ範囲においていずれか一方の成分を固定してもう一方向での相関値を求め、次いで固定していた方の方向での相関値を取得し、サーチ範囲において得られた全ての相関値から最大となるものをマッチングが取れた位置とするようにしたものである。
【0013】
また、サーチ範囲におけるX方向にサーチした場合の相関値は、
【0014】
【数6】
のように表される。
【0015】
さらに、サーチ範囲におけるY方向にサーチした場合の相関値は、
【0016】
【数7】
のように表される。
【0017】
一方、再生光学系は、再生用参照光の情報記録層への照射と再生光の収集とを光情報記録媒体に対して同一側で行うようにしている。
【0018】
また、再生光学系は、再生用参照光の光軸と再生光の光軸とが同一線上に配置されるように、再生用参照光の照射と再生光の収集とを行うようにしている。
【0019】
さらに、再生光学系は、再生用参照光の照射と再生光の収集を単一の対物レンズにより行うようにしている。
【0020】
請求項7記載の記録媒体は、ホログラフィーを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体から再生された再生像を検出器において検出するためのプログラムであって、再生像の位置決めを行うためのシンクコードは全て同一のピクセル値を持つように設定され、シンクコードと再生像との相関値の初期値を設定するステップと、位置決めのためのサーチ範囲のXY方向のうち、いずれか一方の固定してもう一方の方向へのサーチを行うことにより一方向のみの相関値を算出するステップと、固定した方向へのサーチを行うことによりサーチ範囲の全ての相関値を算出するステップと、サーチ範囲における全ての相関値の中から最大値を有する相関値の位置を前記シンクコードと再生像の位置決めが取れた位置とするステップと、からなる、コンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている。
【0021】
この記録媒体に記録されているプログラムにおいても、サーチ範囲におけるX方向にサーチした場合の相関値は、
【0022】
【数8】
のように表され、また、サーチ範囲におけるY方向にサーチした場合の相関値は、
【0023】
【数9】
のように表される。
【0024】
【発明の実施の形態】
図3は、本実施の形態に係る光情報再生装置におけるピックアップ装置(以下、単にピックアップと言う。)と本実施の形態における光情報記録媒体の構成を示す説明図、図4は本実施の形態に係る光情報再生装置の全体構成を示すブロック図である。なお、本実施の形態では光情報記録媒体として円盤状の光ディスクを用いているが、カード状の記録媒体を用いることができる。
【0025】
まず、図3を参照して、本実施の形態における光情報記録媒体の構成について説明する。この光情報記録媒体1は、ポリカーボネート等によって形成された円板状の透明基板2の一面に、ボリュームホログラフィを利用して情報が記録される情報記録層としてのホログラム記録層3と、保護層の機能をも有する透明基板4と、反射膜5とを、この順番で積層して構成されている。透明基板4は、例えば、インジェクションで作成されたアドレス付基板である。その基板4には、半径方向に線状に延びる複数の位置決め領域としてのアドレス・サーボエリア6が所定の角度間隔で設けられ、隣り合うアドレス・サーボエリア6間の扇形の区間がデータエリア7になっている。このアドレス・サーボエリア6の上にも反射膜5が形成されている。アドレス・サーボエリア6には、サンプルドサーボ方式によってフォーカスサーボおよびトラッキングサーボを行うための情報とアドレス情報とが、予めエンボスピット等によって記録されている(プリフォーマット)。なお、フォーカスサーボは、反射膜5の反射面を用いて行うことができる。トラッキングサーボを行うための情報としては、例えばウォブルピットを用いることができる。
【0026】
本実施の形態では、光情報記録媒体全体の厚みが1.2mmで、CDやDVDと同じ厚さとなるように構成しているので、ホログラム記録媒体としてこれらとの互換性を保つことができるようになる。なお、ホログラム記録層3は、光が照射されたときに光の強度に応じて屈折率、誘電率、反射率等の光学的特性が変化するホログラム材料によって形成されている。ホログラム材料としては、例えば、デュポン(Dupont)社製フォトポリマ(photopolymers)HRF−600(製品名)等が使用される。また、反射膜5は、例えばアルミニウムによって形成されている。
【0027】
次に、図4を参照して、本実施の形態に係る光情報再生装置の構成について説明する。この光情報再生装置10は、光情報記録媒体1が取り付けられるスピンドル81と、このスピンドル81を回転させるスピンドルモータ82と、光情報記録媒体1の回転数を所定の値に保つようにスピンドルモータ82を制御するスピンドルサーボ回路83とを備えている。光情報再生装置10は、更に、光情報記録媒体1に対して再生用参照光を照射し、再生光を検出して、光情報記録媒体1に記録されている情報を再生するためのピックアップ11と、このピックアップ11を光情報記録媒体1の半径方向に移動可能とする駆動装置84とを備えている。
【0028】
光情報再生装置10は、更に、ピックアップ11の出力信号よりフォーカスエラー信号FE,トラッキングエラー信号TEおよび再生信号RFを検出するための検出回路85と、この検出回路85によって検出されるフォーカスエラー信号FEに基づいて、ピックアップ11内のアクチュエータを駆動して対物レンズを光情報記録媒体1の厚み方向に移動させてフォーカスサーボを行うフォーカスサーボ回路86と、検出回路85によって検出されるトラッキングエラー信号TEに基づいてピックアップ11内のアクチュエータを駆動して対物レンズを光情報記録媒体1の半径方向に移動させてトラッキングサーボを行うトラッキングサーボ回路87と、トラッキングエラー信号TEおよび後述するコントローラからの指令に基づいて駆動装置84を制御してピックアップ11を光情報記録媒体1の半径方向に移動させるスライドサーボを行うスライドサーボ回路88とを備えている。
【0029】
光情報再生装置10は、更に、ピックアップ11内の後述するCMOSセンサ又はCCDアレイの出力データをデコードして、光情報記録媒体1のデータエリア7に記録されたデータを再生したり、検出回路85からの再生信号RFより基本クロックを再生したりアドレスを判別したりする信号処理回路89と、光情報記録再生装置10の全体を制御するコントローラ90と、このコントローラ90に対して種々の指示を与える操作部91とを備えている。コントローラ90は、信号処理回路89より出力される基本クロックやアドレス情報を入力すると共に、ピックアップ11、スピンドルサーボ回路83およびスライドサーボ回路88等を制御するようになっている。スピンドルサーボ回路83は、信号処理回路89より出力される基本クロックを入力するようになっている。コントローラ90は、CPU(中央処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)およびRAM(ランダム・アクセス・メモリ)を有し、CPUが、RAMを作業領域として、ROMに格納されたプログラムを実行することによって、コントローラ90の機能を実現するようになっている。
【0030】
次に、さらに図3を参照して、本実施の形態におけるピックアップ11の構成について説明する。ピックアップ11は、スピンドル81に光情報記録媒体1が固定されたときに、光情報記録媒体1の透明基板2側に対向する対物レンズ12と、この対物レンズ12を光情報記録媒体1の厚み方向および半径方向に移動可能なアクチュエータ13と、対物レンズ12における光情報記録媒体1の反対側に、対物レンズ12側から順に配設された4分の1波長板14、ミラー15、偏光ビームスプリッタ16を備えている。ここで、4分の1波長板は、P偏光やS偏光のように直線偏光の光が入射し、その直線偏光の方位が4分の1波長板における結晶の光学軸に対してなす角度が45度のとき、通過光を直線偏光から円偏光の光にするものである。4分の1波長板は直線偏光を円偏光にしたり、円偏光から直線偏光にしたりするのに用いられる。本実施例の場合、P偏光の光が4分の1波長板に入射して円偏光の光となり、光情報記録媒体1に反射して戻り光が4分の1波長板を再び出射する祭には円偏光からS偏光の光となる。
【0031】
また、ピックアップ11は、偏光ビームスプリッタ16の偏光分離面16aで光情報記録媒体1からの戻り光(再生光)が反射する側(PBS16の下側)には再生光を検出するための検出手段であるCCDまたはCMOSセンサ29が設けられ、さらに、偏光分離面16aに再生用参照光が入射してくる方向(PBSの右側)にはデフォーカス用凸レンズ17が配置されている。さらに、デフォーカス用凸レンズ17の光の入射方向にはコリメータレンズ18および光源装置19が配置されている。このデフォーカス用凸レンズによって平行光を対物レンズ12に発散して入射する再生用参照光が生成される。この再生用参照光は情報記録媒体1に今回再生すべき情報を記録する際に用いられた記録用参照光と同じものである。
【0032】
なお、その他いろいろな光学部品等が配置されるべきであるが、説明を簡単化するために本発明では必要最小限のものに限定して図示、説明することとしている。従って、本来ならサーボ用の光源も存在するが、図示を省略してある。
【0033】
続いて、本発明によるテンプレートマッチングの改良について説明する。
【0034】
まず、本発明においては、乗算演算の回数を減らすために、テンプレート画像としてホワイトSyncコードを導入する。即ち、式(1)において、T(x,y)=Constantとする。こうすることによって、式(1)は、
【0035】
【数10】
となる。
【0036】
式(2)が示すように、ページデータのSyncコードを全てホワイトSyncコードにすることによって、乗算演算回数を削減することができる。ここで、SyncコードがConstantになるように、例えば全て“1”からなるコードにする。従来はテンプレート画像T(x,y)として全て“1”からなるコードを導入することは無いので、これによって演算回数を減らすことができる要素の1つとなる。従来はテンプレート画像T(x,y)として様々なグレイスケールを持ったピクセル値が存在し、ホワイトSyncコードのようにピクセル値が全て“1”となるようなコードは用いられていなかったのである。
【0037】
式(2)のようにすると、従来では4次元での計算をしなければならなかったが、3次元まで減少させることができる。つまり、図2で示される従来の方法において、最大相関値を有するポジションを得るためには、ソース画像(再生像)の中の全ての座標位置について類似性が計算されることになるが、ホワイトSyncコードによってソース画像の全ての座標位置に対しての演算が必要なくなるのである。では、具体的にその手法について説明していくこととする。
【0038】
まず、図5で示されるように、x方向のサーチを考える。つまり、y座標の位置を固定し、x方向にソース画像を動かして相関値Cx,yを求めるのである。式(2)でConstantを無視すると、Cx,yは、
【0039】
【数11】
となる。また、次のサーチポジション(x+1,y)における相関値Cx+1,yは、式(4)のように表せる。
【0040】
【数12】
そして、図5、式(3)および(4)を参照すると、Cx,yとCx+1,yの関係は式(5)のように表せることになる。
【0041】
【数13】
ここで、SumLine(x)は、ソース画像のX番目の列におけるピクセル強度の総和を示し、SumLine(Wt+x)はソース画像の(Wt+x)番目の列におけるピクセル強度の総和を示している。従って、それぞれは式(6)のように表される。
【0042】
【数14】
続いて、図6で示されるように、y方向のサーチを考える。つまり、x座標の位置を固定し、y方向にソース画像を動かして相関値Cx,yを求めるのである。x方向の場合と同じように、式(2)でConstantを無視すると、相関値Cx,yは、
【0043】
【数15】
となる。また、次のサーチポジション(x,y+1)における相関値Cx,y+1は、式(8)のように表せる。
【0044】
【数16】
そして、図6、式(7)および(8)を参照すると、Cx,yとCx,y+1の関係は式(9)のように表せることになる。
【0045】
【数17】
ここで、SumLine(y)は、ソース画像のY番目の列におけるピクセル強度の総和を示し、SumLine(Ht+y)はソース画像の(Ht+y)番目の列におけるピクセル強度の総和を示している。従って、それぞれは式(10)のように表される。
【0046】
【数18】
また、式(5)および(9)は、全てのサーチポイントについて、テンプレートエリアの1列または1行のピクセル強度の総和を計算すればよいことを示している。従来の方法では式(1)のように総テンプレートエリアについての相関値を計算しなければならないが、本発明によれば、劇的に計算量を削減することができる。
【0047】
以上の論理を整理してフローチャーに表したのが図7である。図7を用いて、本実施の形態による画像検出の処理を説明する。
【0048】
まずステップS101において、図5や6の原点(0,0)における相関値C(0,0)が式(3)または(7)に基づいて算出される。
【0049】
続いて、ステップS102において、X方向へのサーチを行う。つまり、Y成分を固定してX方向についてのみ順々に相関値を計算する。これによって得られる相関値の集合は、(C0,0,C1,0,C2,0,C3,0・・・・・・・・,CW,0)となる。
【0050】
次に、ステップS103において、Y方向へのサーチを行う。このとき、ステップS102で得られた各相関値が初期値とされてY方向の相関値が算出される。即ち、相関値のそれぞれの集合は次のように表される。
(C0,0,C0,1,C0,2,C0,3・・・・・・・・,C0,H),
(C1,0,C1,1,C1,2,C1,3・・・・・・・・,C1,H),
(C2,0,C2,1,C2,2,C2,3・・・・・・・・,C0,H),
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・,
(CW,0,CW,1,CW,2,CW,3・・・・・・・・,CW,H)
このように、ステップS103で全ての相関値が算出されることになる。
【0051】
そして、ステップS104において、ステップS103で得られた相関値から最大となる相関値が選択される。この最大相関値を有する位置(Xmax,Ymax)がテンプレート画像とソース画像とのマッチングが取れた位置であるとみなすことができるわけである。
【0052】
なお、ここでは、まずY成分を固定してX方向へのサーチを行っているが、X成分を固定してY方向のサーチを先に行っても良い。
【0053】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、ピクセル値が全て“1”となるようなホワイトSyncコードを導入したので、相関値のための計算量を減らすことができる。また、相関値を計算する際に、まずX方向又はY方向を固定して、どちらか一方のサーチを行い、それが終了した後でもう一方のサーチを行うので、計算が簡略化でき、相関値の計算量を劇的に減少させることができる。つまり、XYのいずれかの方向の成分を固定することにより、相関値は式(5)や(9)のような数列式で表されるので、相関値の計算が簡素化されるのである。
【0054】
以上、本発明の構成および動作をその原理と実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定されず、発明の本旨を逸脱しない範囲において、様々な変形が可能である。
【0055】
尚、実施の形態における一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行させることが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどにプログラム格納媒体からインストールされる。
【0056】
また、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理は、もちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ホログラム記録に用いられるページデータおよびSyncコードを示す図である。
【図2】従来のテンプレートマッチングを示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る光情報記録再生装置におけるピックアップおよび光情報記録媒体の構成を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る光情報記録再生装置の全体構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る再生像位置決め用アルゴリズムにおけるX方向のサーチを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る再生像位置決め用アルゴリズムにおけるY方向のサーチを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る再生像位置決め用アルゴリズムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 情報記録媒体
10 光情報記録再生装置
11 光ピックアップ
19 光源装置(レーザ)
20 CCDアレイまたはCMOSセンサ
89 信号処理回路
90 コントローラ
91 駆動装置
Claims (9)
- ホログラフィーを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体から情報を再生する光情報再生装置であって、
光源と、
前記光源から出射される光束を用いて再生用参照光を生成する再生用参照光生成手段と、
前記再生用参照光を前記情報記録層に対して照射すると共に、前記再生用参照光が照射されることによって発生される再生光を収集するための再生光学系と、
前記再生光を検出する検出手段と、からなり、
前記検出手段において、前記再生光に含まれる再生像の位置決めを行うためのシンクコードは全て同一のピクセル値を持つように設定され、XY平面からなるサーチ範囲においていずれか一方の成分を固定してもう一方向での相関値を求め、次いで固定していた方の方向での相関値を取得し、前記サーチ範囲において得られた全ての相関値から最大となるものをマッチングが取れた位置とする
ことを特徴とする光情報再生装置。 - 前記再生光学系は、前記再生用参照光の前記情報記録層への照射と前記再生光の収集とを前記光情報記録媒体に対して同一側で行うことを特徴とする請求項3記載の光情報再生装置。
- 前記再生光学系は、前記再生用参照光の光軸と前記再生光の光軸とが同一線上に配置されるように、前記再生用参照光の照射と前記再生光の収集とを行うことを特徴とする請求項4記載の光情報再生装置。
- 前記再生光学系は、前記再生用参照光の照射と前記再生光の収集を単一の対物レンズにより行うことを特徴とする請求項4記載の光情報再生装置。
- ホログラフィーを利用して情報を記録した情報記録層を備えた光情報記録媒体から再生された再生像を検出器において検出するためのプログラムであって、前記再生像の位置決めを行うためのシンクコードは全て同一のピクセル値を持つように設定され、
前記シンクコードと前記再生像との相関値の初期値を設定するステップと、位置決めのためのサーチ範囲のXY方向のうち、いずれか一方の固定してもう一方の方向へのサーチを行うことにより一方向のみの相関値を算出するステップと、
前記固定した方向へのサーチを行うことにより前記サーチ範囲の全ての相関値を算出するステップと、
前記サーチ範囲における全ての相関値の中から最大値を有する相関値の位置を前記シンクコードと前記再生像の位置決めが取れた位置とするステップと、
からなることを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている記録媒体。
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