JP3940874B2 - 光検索方法、光再生方法、光検索再生装置および光記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ホログラムとして記録された画像からマッチトフィルタリングによって画像を検索する方法および装置、ホログラムとして記録された画像を再生する方法および装置、および画像をホログラムとして記録する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代のコンピュータファイルメモリとして、3次元的記録領域に由来する大容量性と2次元一括記録再生方式に由来する高速性とを兼ね備えたホログラムメモリが注目されている。
【0003】
ホログラムメモリでは、同一体積内に多重させて複数のデータページを記録することができ、かつ各ページごとにデータを一括して読み出すことができる。アナログ画像ではなく、二値のデジタルデータ「0,1」を「明、暗」としてデジタル画像化し、ホログラムとして記録再生することによって、デジタルデータの記録再生も可能となる。最近では、このデジタルホログラムメモリシステムの具体的な光学系や、体積多重記録方式に基づくSN比やビット誤り率の評価、または2次元符号化についての提案がなされ、光学系の収差の影響など、より光学的な観点からの研究も進展している。
【0004】
文献「D.Psaltis,M.Levene,A.Pu,G.Barbastathis and K.Curtis;Opt.Lett.20(1995)782」には、体積多重記録方式の一例であるシフト多重記録方式が示されている。
【0005】
このシフト多重記録方式では、ホログラム記録媒体をディスク形状とし、空間光変調器を介して得られた物体光を、レンズによってフーリエ変換して、ホログラム記録媒体に照射すると同時に、対物レンズを介して得られた球面波の参照光を、ホログラム記録媒体に照射して、ホログラム記録媒体の回転によって同じ領域に複数のホログラムを重ね書きする。例えば、ビーム径を1.5mmφとすると、ホログラム記録媒体を数十μm移動させるだけで、ほぼ同じ領域に別のホログラムを、クロストークを生じることなく記録することができる。これは、参照光が球面波であるため、ホログラム記録媒体の移動によって参照光の角度が変化したのと等価になることを利用したものである。
【0006】
ホログラムメモリでは、記録密度を向上させるために、またはホログラムにシフトインバリアントな特性を持たせるために、上述したようにレンズによってデータ画像(物体光)のフーリエ変換像(フラウンフォーファ回折像)を記録する。これは、データ画像の振幅分布のフーリエ変換に比例することから、フーリエ変換ホログラムと呼ばれる。
【0007】
このように記録されたフーリエ変換ホログラムに記録時と同じ参照光を照射することによって、ホログラム回折光が得られ、その回折光をレンズにより逆フーリエ変換し、変換後の回折光をCCDなどの光検出器により検出することによって、記録されたデータを再生することができる。
【0008】
さらに、ホログラムメモリでは、単に画像を記録再生するだけでなく、マッチトフィルタリングとして知られているように、ある画像のホログラムが記録されている領域に、同じ画像または別の画像の物体光を照射することによって、2つの画像の間で光学的コリレーション演算を行うことができ、ある画像中に特定の画像(パターン)が存在するか否か、および存在する場合には存在する位置を、検出することができる。
【0009】
このように、ホログラムメモリは、画像を記録再生するメモリとしてだけでなく、マッチトフィルタリング相関器としての機能をも有し、多数の画像を記録再生できるだけでなく、画像を高速で検索することができる。
【0010】
図8〜図10を用いて、従来のホログラム記録再生方法およびマッチトフィルタリングによる画像検索方法を示す。
【0011】
ホログラム記録時には、図8に示すように、平行光1によって記録画像(記録すべき画像)91を照明して物体光2aを得、この物体光2aをレンズ92によってフーリエ変換し、その変換後の物体光3aを光記録媒体93に照射すると同時に、参照光5を光記録媒体93に照射して、光記録媒体93中にホログラムを記録する。
【0012】
ホログラム再生時には、図9に示すように、上記のようにホログラムが記録された光記録媒体93に記録時と同じ参照光5を照射して、そのホログラムから物体光の光路上に回折光8を得、その回折光8をレンズ94によって逆フーリエ変換し、その変換後の回折光9を光検出器95上に結像させる。
【0013】
マッチトフィルタリングによって画像を検索する場合には、図10に示すように、平行光1によって検索画像96を照明して物体光2bを得、この物体光2bをレンズ97によってフーリエ変換し、その変換後の物体光3bを読み出し光として、図8の方法によって記録画像91がホログラムとして記録されている光記録媒体93に照射して、そのホログラムから参照光の光路上に回折光6を得、その回折光6をレンズ98によって逆フーリエ変換し、その変換後の回折光7を光検出器99上に結像させる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マッチトフィルタリングによって画像を高SN比で検索するには、ホログラムに記録されている画像の角度と検索画像の角度とが一致している必要がある。
【0015】
例えば、ホログラムに記録されている画像が、図7に記録画像として示すように、星形、四角形、三角形および円形の図形からなり、検索画像が、同図に検索画像として示すように、三角形の図形からなる場合、記録画像(ホログラムに記録されている画像)の角度と検索画像の角度とが一致していれば、マッチトフィルタリングによって得られる相関像は、同図に相関像として示す7つの画像中のθ=0°とした画像に示すように、記録画像中の三角形の図形の位置で相関ピークを生じ、自己相関値と相互相関値を容易に識別できるものとなる。
【0016】
しかし、記録画像が検索画像に対して傾いている場合には、マッチトフィルタリングによって得られる相関像は、同図に相関像として示す7つの画像中のθ=+6°,θ=+4°,θ=+2°,θ=−2°,θ=−4°,θ=−6°とした画像に示すように、記録画像の検索画像に対する傾き角θが大きくなるほど、ノイズが増加し、自己相関値と相互相関値のコントラストも低くなって、自己相関値と相互相関値の識別が困難となる。傾き角θは、反時計回り方向をプラス、時計回り方向をマイナスとしたものである。
【0017】
一般に、記録画像中に検索画像の回転相似形またはそれに酷似した形状の画像が存在する場合には、記録画像が検索画像に対して傾いていると、相関像のSN比が低下して、画像検索が難しくなる。
【0018】
検索画像が文字列などのように、あらかじめ形状がわかっているものの羅列からなる場合には、コンピュータに記憶させたデータを参照して光記録媒体の傾きを推定し、補正することも可能であるが、いちいちそのためのデータを用意しておかなければならないとともに、処理に時間がかかり、特に検索画像が指紋などのような複雑な画像である場合には、膨大なメモリ容量と処理時間を必要とする。
【0019】
そこで、この発明は、マッチトフィルタリングによって画像を検索する方法において、簡便な方法によって画像を高SN比で高速に検索することができるようにしたものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明の光検索方法は、
記録されるべき画像に、自己相関によって明確な相関強度が得られ、かつ相関強度に角度依存性のある単位図形からなる角度検出補正用記録画像が付加された画像の物体光がホログラムとして記録されている光記録媒体に、前記角度検出補正用記録画像を構成する単位図形と相似形の単位図形からなる角度検出補正用検索画像の物体光を照射して、前記角度検出補正用記録画像と前記角度検出補正用検索画像との相関像を得る第1工程と、
前記相関像中の相関強度に基づいて、前記ホログラムとして記録されている画像の角度が検索画像の角度と一致するように前記光記録媒体の傾きを補正した状態で、前記光記録媒体に本来の検索画像の物体光を読み出し光として照射して、前記ホログラムとして記録されている画像を検索する第2工程と、
を備えるものである。
【0021】
この発明の光再生方法は、
記録されるべき画像に、自己相関によって明確な相関強度が得られ、かつ相関強度に角度依存性のある単位図形からなる角度検出補正用記録画像が付加された画像の物体光がホログラムとして記録されている光記録媒体に、前記角度検出補正用記録画像を構成する単位図形と相似形の単位図形からなる角度検出補正用検索画像の物体光を照射して、前記角度検出補正用記録画像と前記角度検出補正用検索画像との相関像を得る第1工程と、
前記相関像中の相関強度に基づいて、前記ホログラムとして記録されている画像への読み出し光の照射位置が記録時のホログラムとして記録される画像への参照光の照射位置と一致するように前記光記録媒体の傾きを補正した状態で、前記光記録媒体に記録時の参照光と同じ光を読み出し光として照射して、前記ホログラムとして記録されている画像を再生する第2工程と、
を備えるものである。
【0022】
【作用】
上記の方法による、この発明の光検索方法では、ホログラムに記録されている画像の角度と検索画像の角度とが一致した状態で、ホログラムに記録されている画像を検索することができ、簡便な方法によって画像を高SN比で高速に検索することができる。同様に、上記の方法による、この発明の光再生方法では、簡便な方法によって、ホログラムに記録されている画像を高SN比で再生することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔装置の一例…図1〜図3〕
図1は、この発明の光検索装置の一例を示し、光記録装置および光再生装置を兼ねる場合である。
【0024】
光記録媒体10としては、ホログラムを記録できるものであれば、どのようなものでもよいが、一例として、光記録層として、図3に示す化学式で表される、側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを形成したものを用いる。この材料は、特開平10−340479号に詳細に記載されているように、側鎖のシアノアゾベンゼンの光異性化による光誘起異方性によって、ホログラムの記録、再生、消去が可能である。
【0025】
光記録層の厚さは、ホログラムを効率よく記録できれば、特に制限されない。光記録媒体10は、この例では、ディスク形状とする。
【0026】
光学ヘッド20の光源21としては、光記録媒体10に感度のあるコヒーレント光を発するものを用いる。例えば、光記録媒体10の光記録層として、図3に示した側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを用いる場合には、これに感度のある波長515nmのアルゴンイオンレーザを用いる。
【0027】
この光源21からの光を、ビームスプリッタ22に入射させ、記録時、または後述の角度検出補正時を含む画像検索時(相関演算時)には、シャッタ23を開いて、ビームスプリッタ22を透過した光を、レンズ24および25によって口径の広い平行光1にして、物体光形成用の空間光変調器26に入射させる。
【0028】
コンピュータ50によって、空間光変調器26には、記録時には記録すべき画像に後述の角度検出補正用記録画像を付加した画像を、角度検出補正時(角度検出補正のための相関演算時)には後述の角度検出補正用検索画像を、角度検出補正後の画像検索時には本来の検索画像を、それぞれ表示して、空間光変調器26を透過した光2として、記録時には物体光2aを、角度検出補正時を含む画像検索時には物体光2bを、それぞれ得る。空間光変調器26としては、透過型の液晶パネルなどを用いることができる。
【0029】
この空間光変調器26からの物体光2(2aまたは2b)を、レンズ27によってフーリエ変換し、その変換後の物体光3(3aまたは3b)を、光記録媒体10に照射する。
【0030】
記録時には、シャッタ31を開いて、ビームスプリッタ22で反射した光を、ミラー32および33で反射させて、参照光5として、光記録媒体10の記録画像のフーリエ変換された物体光3aが照射される領域に、物体光3aと同時に照射する。
【0031】
これによって、光記録媒体10中に、記録画像のフーリエ変換された物体光3aが、ホログラムとして記録される。
【0032】
角度検出補正時を含む画像検索時には、シャッタ31を閉じて参照光5を遮断し、検索画像(角度検出補正用検索画像または本来の検索画像)のフーリエ変換された物体光3bを、読み出し光として、光記録媒体10に記録されているホログラムに照射して、そのホログラムから参照光5の光路上に、ホログラム回折光6を得る。
【0033】
その回折光6を、レンズ41によって逆フーリエ変換し、その変換後の回折光7を、2次元アレイ状の光検出器42上に結像させる。
【0034】
再生時には、シャッタ23を閉じて物体光3を遮断し、シャッタ31を開いて、記録時と同じ参照光5を、読み出し光として、光記録媒体10に記録されているホログラムに照射して、そのホログラムから物体光3の光路上に、ホログラム回折光8を得る。
【0035】
その回折光8を、レンズ45によって逆フーリエ変換し、その変換後の回折光9を、2次元アレイ状の光検出器46上に結像させる。
【0036】
この例では、モータ60により光記録媒体10を、図2の矢印19で示すように回転させることによって、光記録媒体10の周方向に場所を変えて複数のホログラムを記録することができるとともに、光記録媒体10の周方向の異なる場所に記録されている複数のホログラムから画像を検索し、再生することができる。
【0037】
さらに、ヘッド移動機構70により光学ヘッド20を、図2の矢印71で示すように光記録媒体10の径方向に移動させることによって、光記録媒体10中に同心円状の記録トラックを形成するようにホログラムを記録することができるとともに、その同心円状の記録トラックに記録されているホログラムから画像を検索し、再生することができる。
【0038】
〔記録方法…図4〕
上述したように、記録時には、記録すべき画像に角度検出補正用記録画像を付加した画像を、空間光変調器26に表示して、角度検出補正用記録画像が付加された画像のフーリエ変換された物体光を、参照光5によって、ホログラムとして光記録媒体10に記録する。
【0039】
この場合の角度検出補正用記録画像は、角度検出補正用検索画像との相関像から、光記録媒体10の傾き、この例では光記録媒体10の回転角度を検出し、補正できるものであれば、どのようなものでもよいが、互いに傾きを変えた複数の単位図形からなる画像とすることが望ましい。
【0040】
その単位図形は、自己相関によって明確な相関強度が得られ、かつ相関強度に角度依存性のあるものであればよい。
【0041】
自己相関によって明確な相関強度が得られる図形としては、フーリエ変換後の0次光または低次光の強度が低くなるものが適し、輪郭成分や線分によって構成される図形が適する。ただし、内部が塗りつぶされた図形で、フーリエ変換後の0次光または低次光の強度が高くなるものでも、フーリエ変換後にマスクなどによって0次光または低次光の強度を低くすれば、単位図形として用いることができる。
【0042】
相関強度に角度依存性のある図形としては、例えば直線によって構成される図形が適する。ただし、1本の直線だけでは相関強度の強い位置を特定しにくいので、2本以上の直線からなる図形が望ましい。
【0043】
以上の点から、角度検出補正用記録画像は、一例として、図4に示すように、互いに交差する線分からなる単位図形、例えば、互いに直交する2本の線分からなる十字の図形を、α=−6°,α=−4°,α=−2°,α=0°,α=+2°,α=+4°,α=+6°として示すように、互いに傾きを変えて複数、配列したものとする。傾き角αは、時計回り方向をマイナス、反時計回り方向をプラスとしたものである。ただし、その配列方向は、横方向に限らず、縦方向など、任意の方向とすることができる。
【0044】
図5に記録画像として示すように、このような角度検出補正用記録画像を記録すべき画像に付加して、記録する画像とする。図5は、星形、四角形、三角形および円形の図形からなる記録すべき画像の下側に角度検出補正用記録画像を配置する場合であるが、記録すべき画像の上側に配置してもよい。また、単位図形を縦方向に配列する場合には、記録すべき画像の左側または右側に配置するなど、角度検出補正用記録画像は、記録すべき画像と重ならない限り、任意の位置に配置することができる。
【0045】
〔角度検出補正方法…図5、図6〕
上述したように、角度検出補正時(角度検出補正のための画像検索時)には、角度検出補正用検索画像を空間光変調器26に表示して、角度検出補正用検索画像のフーリエ変換された物体光を、読み出し光として、光記録媒体10に記録されているホログラムに照射する。
【0046】
この場合の角度検出補正用検索画像は、角度検出補正用記録画像の単位図形の一つからなるものとする。すなわち、図4に示したように、角度検出補正用記録画像の単位図形を十字の図形とする場合には、図5に検索画像として示すように、角度検出補正用検索画像は十字の図形とする。ただし、後述するように、その大きさは、必ずしも角度検出補正用記録画像の単位図形と同じでなくてもよい。
【0047】
この角度検出補正用検索画像のフーリエ変換された物体光を、図5に記録画像として示す、角度検出補正用記録画像が付加された画像が記録されたホログラムに照射すると、そのホログラムはマッチトフィルタとして機能して、フーリエ変換後の回折光7として、記録画像(ホログラムに記録されている画像)と角度検出補正用検索画像との相関像が得られる。
【0048】
この場合、その得られる相関像は、記録画像の角度と角度検出補正用検索画像の角度とが一致しているときには、図5に相関像として示す7つの画像中のθ=0°とした画像に示すように、角度検出補正用記録画像中の図4でα=0°として示した中央の十字図形の位置で相関ピークを生じ、記録画像が角度検出補正用検索画像に対して傾いているときには、図5に相関像として示す7つの画像中のθ=+6°,θ=+4°,θ=+2°,θ=−2°,θ=−4°,θ=−6°とした画像に示すように、角度検出補正用記録画像中の角度検出補正用検索画像の十字図形と同じ傾きになる十字図形の位置で相関ピークを生じる。
【0049】
例えば、記録画像が角度検出補正用検索画像に対して+6°傾いているときには、角度検出補正用記録画像中の一番左側の十字図形が角度検出補正用検索画像の十字図形と同じ傾きになって、その位置で相関ピークを生じ、記録画像が角度検出補正用検索画像に対して−6°傾いているときには、角度検出補正用記録画像中の一番右側の十字図形が角度検出補正用検索画像の十字図形と同じ傾きになって、その位置で相関ピークを生じる。
【0050】
したがって、回折光7として得られる相関像中の相関ピーク位置から、記録画像の角度検出補正用検索画像に対する傾きの方向および大きさを検出することができる。
【0051】
そこで、この例では、光検出器42から得られる画像データをコンピュータ50に取り込み、コンピュータ50で、その画像データを処理することによって、相関像中の相関ピーク位置を検出し、その相関ピーク位置が角度検出補正用記録画像中の中央の十字図形の位置に一致するように、すなわち記録画像の角度が検索画像の角度と一致するように、コンピュータ50によってモータ60を駆動制御し、光記録媒体10の回転角度を補正する。
【0052】
図6に検索画像として示す3つの画像のように、角度検出補正用検索画像の十字図形の大きさを、角度検出補正用記録画像の十字図形の100%(角度検出補正用記録画像の十字図形と同じ大きさ)、50%、150%というように変えた場合、同図にそれぞれの場合の相関像を示すように、相関像の状態はほとんど変わらない。
【0053】
〔検索および再生の方法…図7〕
本来の画像検索を行うには、上述したように記録画像(ホログラムに記録されている画像)の角度が検索画像の角度と一致するように光記録媒体10の回転角度を補正した状態で、本来の検索画像を空間光変調器26に表示して、本来の検索画像のフーリエ変換された物体光を、読み出し光として、光記録媒体10に記録されているホログラムに照射する。
【0054】
このとき、記録画像の角度が検索画像の角度と一致するように光記録媒体10の回転角度が補正されているので、例えば、ホログラムに記録されている画像が、図7に記録画像として示すように、星形、四角形、三角形および円形の図形からなり、本来の検索画像が、同図に検索画像として示すように、三角形の図形からなる場合、マッチトフィルタリングによって回折光7として得られる相関像は、同図に相関像として示す7つの画像中のθ=0°とした画像に示すように、記録画像中の三角形の図形の位置で相関ピークを生じ、自己相関値と相互相関値を容易に識別できるものとなって、記録画像中に本来の検索画像が存在するか否か、および存在する場合には存在する位置を、確実に検出することができる。
【0055】
検索の結果、さらに記録されている画像を再生するには、上述したように、記録時と同じ参照光5を、読み出し光として、光記録媒体10に記録されているホログラムに照射し、逆フーリエ変換後の回折光9を、光検出器46上に結像させる。これによって、記録されている画像を再生することができる。
【0056】
このとき、光記録媒体10に記録されている画像への読み出し光5の照射位置が、記録時の光記録媒体10に記録される画像への参照光5の照射位置と一致するように、光記録媒体10の回転角度が補正されているので、記録されている画像を高SN比で再生することができる。
【0057】
この場合、コンピュータ50において、再生された画像データを検索の結果と照らし合わせて、再生された画像データから検索画像の部分のみを抽出することができる。
【0058】
〔実験による検証〕
上述した方法および装置で、実際に記録、角度検出補正、検索および再生を試みた。光記録媒体10としては、光記録層として、図3に示した側鎖にシアノアゾベンゼンを有するポリエステルを形成したものを用いた。光源21としては、上述した波長515nmのアルゴンイオンレーザを用いた。
【0059】
空間光変調器26としては、一画素の大きさが42μm×42μmで、640×480画素のプロジェクタ用液晶パネル1.3型を用いた。フーリエ変換用のレンズ27および逆フーリエ変換用のレンズ45としては、焦点距離が55mmのものを用いた。
【0060】
最初に、図4に示した角度検出補正用記録画像を付加した、図5に記録画像として示した画像を、フーリエ変換ホログラムとして光記録媒体10中に記録した。
【0061】
次に、まず、光記録媒体10を記録時に対して+6°回転させ、図7に検索画像として示した三角形の図形の画像の物体光を、光記録媒体10のホログラムが記録されている領域に照射して、回折光7を光検出器42によって検出した。その結果、得られた相関像は、図7に相関像として示す7つの画像中のθ=+6°とした画像に示すように、ノイズの多い画像となった。
【0062】
次に、光記録媒体10を記録時に対して+6°回転させたまま、図5に検索画像として示した十字図形の画像の物体光を、光記録媒体10のホログラムが記録されている領域に照射して、回折光7を光検出器42によって検出した。その結果、得られた相関像中には、図5に相関像として示す7つの画像中のθ=+6°とした画像に示すように、角度検出補正用記録画像中の一番左側の十字図形の位置で相関ピークを観察することができた。これは、光記録媒体10を記録時に対して+6°回転させた結果、ホログラムに記録されている角度検出補正用記録画像中の図4でα=−6°として示した一番左側の十字図形が図5の検索画像の十字図形と同じ傾きになったからである。これから、このとき、光記録媒体10が記録時に対して+6°回転していることがわかる。
【0063】
次に、図5の検索画像の物体光を照射しながら、光記録媒体10を+6°の位置からマイナス方向(時計回り方向)に回転させたところ、相関ピーク位置は角度検出補正用記録画像中の左側から右側に移動し、光記録媒体10を0°の位置に回転させたときには、相関ピーク位置が角度検出補正用記録画像中の中央になった。これは、ホログラムに記録されている角度検出補正用記録画像中の図4でα=0°として示した中央の十字図形が図5の検索画像の十字図形と同じ傾きになったことを示している。
【0064】
このように光記録媒体10を記録時と同じ回転角度にした状態で、再び、図7に検索画像として示した三角形の図形の画像の物体光を、光記録媒体10のホログラムが記録されている領域に照射して、回折光7を光検出器42によって検出した。その結果、得られた相関像は、図7中のθ=0°とした相関像に示すように、ノイズの少ない、高SN比のものとなった。その相関ピーク位置は、ホログラムに記録されている画像中の、検索画像と同じ三角形の図形の位置を正確に示している。
【0065】
以上の結果は、この発明の効果を十分に示すものである。
【0066】
【発明の効果】
上述したように、この発明の光検索方法によれば、簡便な方法によって画像を高SN比で高速に検索することができ、検索画像が指紋などのような複雑な画像であるときでも確実かつ高速に検索することができる。
【0067】
また、この発明の光再生方法によれば、簡便な方法によって、記録されている画像を高SN比で再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の光検索装置の一例を示す図である。
【図2】光記録媒体の回転と光学ヘッドの移動を示す図である。
【図3】光記録媒体の光記録層の材料の一例の化学式を示す図である。
【図4】角度検出補正用記録画像の一例を示す図である。
【図5】記録画像、角度検出補正用検索画像および相関像の関係を示す図である。
【図6】角度検出補正用検索画像の大きさを変えたときの相関像の様子を示す図である。
【図7】記録画像、本来の検索画像および相関像の関係を示す図である。
【図8】従来のホログラム記録方法を示す図である。
【図9】従来のホログラム再生方法を示す図である。
【図10】従来のマッチトフィルタリング方法を示す図である。
【符号の説明】
2,3…物体光
5…参照光
6,7,8,9…回折光
10…光記録媒体
20…光学ヘッド
21…光源
22…ビームスプリッタ
23,31…シャッタ
26…空間光変調器
42,46…光検出器
43…相関像光学系
47…再生像光学系
50…コンピュータ
60…モータ
70…ヘッド移動機構
Claims (9)
- 記録されるべき画像に、自己相関によって明確な相関強度が得られ、かつ相関強度に角度依存性のある単位図形からなる角度検出補正用記録画像が付加された画像の物体光がホログラムとして記録されている光記録媒体に、前記角度検出補正用記録画像を構成する単位図形と相似形の単位図形からなる角度検出補正用検索画像の物体光を照射して、前記角度検出補正用記録画像と前記角度検出補正用検索画像との相関像を得る第1工程と、
前記相関像中の相関強度に基づいて、前記ホログラムとして記録されている画像の角度が検索画像の角度と一致するように前記光記録媒体の傾きを補正した状態で、前記光記録媒体に本来の検索画像の物体光を読み出し光として照射して、前記ホログラムとして記録されている画像を検索する第2工程と、
を備える光検索方法。 - 請求項1の光検索方法において、
前記角度検出補正用記録画像は、互いに相似形の、かつ互いに傾きが変えられた複数の単位図形からなるものである光検索方法。 - 請求項1または2の光検索方法において、
前記光記録媒体は、回転駆動されるディスク形状のものであり、前記傾きは、その光記録媒体の回転角度である光検索方法。 - 記録されるべき画像に、自己相関によって明確な相関強度が得られ、かつ相関強度に角度依存性のある単位図形からなる角度検出補正用記録画像が付加された画像の物体光がホログラムとして記録されている光記録媒体に、前記角度検出補正用記録画像を構成する単位図形と相似形の単位図形からなる角度検出補正用検索画像の物体光を照射して、前記角度検出補正用記録画像と前記角度検出補正用検索画像との相関像を得る第1工程と、
前記相関像中の相関強度に基づいて、前記ホログラムとして記録されている画像への読み出し光の照射位置が記録時のホログラムとして記録される画像への参照光の照射位置と一致するように前記光記録媒体の傾きを補正した状態で、前記光記録媒体に記録時の参照光と同じ光を読み出し光として照射して、前記ホログラムとして記録されている画像を再生する第2工程と、
を備える光再生方法。 - 請求項4の光再生方法において、
前記角度検出補正用記録画像は、互いに相似形の、かつ互いに傾きが変えられた複数の単位図形からなるものである光再生方法。 - 請求項4または5の光再生方法において、
前記光記録媒体は、回転駆動されるディスク形状のものであり、前記傾きは、その光記録媒体の回転角度である光再生方法。 - 記録されるべき画像に、自己相関によって明確な相関強度が得られ、かつ相関強度に角度依存性のある単位図形からなる角度検出補正用記録画像が付加された画像の物体光がホログラムとして記録されている光記録媒体から、前記ホログラムとして記録されている画像を検索再生する装置であって、
コヒーレント光を発する光源と、
それぞれ、前記角度検出補正用記録画像を構成する単位図形と相似形の単位図形からなる角度検出補正用検索画像、および本来の検索画像に応じて、前記光源からの光を変調して、前記角度検出補正用検索画像の物体光、および前記本来の検索画像の物体光を生成する空間光変調器と、
前記角度検出補正用検索画像の物体光、および前記本来の検索画像の物体光を、前記光記録媒体に記録されているホログラムに照射する結像光学系と、
前記光源からの光から参照光を得て、前記ホログラムに照射する参照光光学系と、
前記角度検出補正用検索画像の物体光、または前記本来の検索画像の物体光が、前記ホログラムに照射されることによって、前記ホログラムから前記参照光の光路上に読み出された回折光を検出する第1の光検出器と、
前記角度検出補正用検索画像の物体光が前記ホログラムに照射されたときに前記第1の光検出器で検出された回折光中の、前記角度検出補正用記録画像と前記角度検出補正用検索画像との相関強度に基づいて、前記ホログラムとして記録されている画像の角度が検索画像の角度と一致するように前記光記録媒体の傾きを補正する制御手段と、
前記参照光が前記ホログラムに照射されることによって、前記ホログラムから前記物体光の光路上に読み出された回折光を検出する第2の光検出器と、
を備える光検索再生装置。 - 請求項7の光検索再生装置において、
前記光記録媒体がディスク形状であり、当該光検索再生装置が、その光記録媒体を回転させる媒体駆動機構と、前記光源、空間光変調器、結像光学系、参照光光学系、第1の光検出器および第2の光検出器を含む光学ヘッドを前記光記録媒体の径方向に移動させるヘッド移動機構とを備え、前記制御手段が前記媒体駆動機構を制御する光検索再生装置。 - 記録されるべき画像に、それぞれは自己相関によって明確な相関強度が得られ、かつ相関強度に角度依存性のある、互いに相似形の、かつ互いに傾きが変えられた複数の単位図形からなる角度検出補正用記録画像を付加した画像の物体光を、ホログラムとして光記録媒体に記録する光記録方法。
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