JP4049185B2 - 携帯無線機 - Google Patents
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Description
本発明は携帯電話などの携帯無線機に関する。
近年、無線通信機、特に携帯無線機の分野では内蔵アンテナがよく用いられている。
従来の開閉可能な携帯無線機の斜視図を図9に示す。
内蔵アンテナ１０３は、ヒンジ部１０２の付近に配置され接続部１０４に近接している。第１の回路基板であるキーボード側基板１０５は、接続部１０４を介して第２の回路基板である液晶側基板１０６と接続されている。キーボード側基板１０５は、表面に入力部を有する第１の筐体１０７に覆われている。液晶側基板１０６は、表示部を有する第２の筐体１０８に覆われている。
このような構成を有する携帯無線機の例が、特開２００３−８３２０号公報に開示されている。
図９に示すようなヒンジ部１０２付近に配置される内蔵アンテナ１０３の場合では、携帯無線機１０１を開閉すると、内蔵アンテナ１０３の入力インピーダンスが変化する。
特に、携帯無線機１０１を閉じた場合には、内蔵アンテナ１０３と接続部１０４が近接しているため、電流分布が集中し入力インピーダンス特性が劣化する。そのために、広帯域化が困難であった。
本発明は、アンテナ特性の広帯域化を実現し性能を向上させた携帯無線機を提供する。
本発明は、内部に第１の回路基板を有し表面に入力部を有する第１の筐体と、内部に第２の回路基板を有し表面に表示部を有する第２の筐体と、前記第１の回路基板と前記第２の回路基板を電気的に接続する接続部と、前記第１の筐体と前記第２の筐体とを接続し折り畳み可能とするヒンジ部とを有する携帯無線機であって、前記第１と第２の回路基板のうちいずれか一方の回路基板には、給電部を備えたアンテナ部と、前記回路基板のグランドと接続されるとともに所望周波数で共振を起こすエレメント部とが配置され、前記アンテナ部と前記エレメント部とは前記回路基板の相対する辺の近傍にそれぞれを配置されるとともに、前記アンテナ部は、前記エレメント部より前記接続部に近接したことを特徴とする携帯無線機を提供する。
本発明は、接続部の近傍に配置されたアンテナ部と、対向する基板端部にグランドと接続されたエレメント部とを構成することで、広帯域化が可能となる。これは、アンテナ部と接続部とに集中した電流分布を、エレメント部側に分散させて、アンテナ部の入力インピーダンスを高インピーダンスにすることができるためである。
本発明の一実施の形態を、図面を用いて説明する。
なお、図面は模式図であり各寸法位置を正しく示したものではない。また、同一の構成部品には同じ参照符号を付与し、詳細な説明は省略する。
（実施の形態１）
図１を用いて本発明の実施の形態１を説明する。
図１を用いて本発明の実施の形態１を説明する。
開閉可能な携帯無線機１のアンテナ部３は、ヒンジ部２の付近に配置され接続部４に近接する。
第１の回路基板であるキーボード側基板５は、接続部４を介して、第２の回路基板である液晶側基板６と接続されている。
キーボード側基板５は、表面に入力部を有する第１の筐体７に覆われている。そして、液晶側基板６は、表示部を有する第２の筐体８に覆われている。エレメント部９は、キーボード側基板５のアンテナ部３と対向する基板端部側のグランドと接続されていて、メアンダ状の金属板で形成される。
次に、本実施の形態の携帯無線機１の特性を説明する。
図２に、エレメント部９を付加した本構成による電圧定在波比特性（以下ＶＳＷＲ特性）を示す。 そして、エレメント部９を付加しない場合のＶＳＷＲ特性を図３に示す。
図２と図3における符号Ａ，Ｂ、Ｃ，Ｄはそれぞれ周波数が０．８３０ＧＨｚ、０．８８５ＧＨｚ、１．９２ＧＨｚ、２．１７ＧＨｚにおけるそれぞれのＶＳＷＲを示している。例えば、図２におけるＣ点（１．９２ＧＨｚ）では、ＶＳＷＲは２．４６１３である。図２からわかるように、２ＧＨｚ帯でＶＳＷＲ特性が１に近づく。そして、ＶＳＷＲ特性が３より大きくない周波数帯域は３００ＭＨｚ程度（つまり、ＣとＤの範囲）となる。
これは回路側からの高周波電力が効率よくアンテナ側に供給されていることを示している。
つまり、この構成により２ＧＨｚ帯で広帯域化が実現できている。一方、図３に示すようにエレメント部９を付加していない場合は、２ＧＨｚ帯においてＶＳＷＲ特性が３より大きくない周波数帯域は得られない。すなわち、広帯域化は実現できていない。
このように、接続部４の近傍に配置されたアンテナ部３と、対向する基板端部にグランドと接続されたエレメント部９とを構成することで、広帯域化が可能となる。これは、アンテナ部３と接続部４とに集中した電流分布を、エレメント部９側に分散させて、アンテナ部３の入力インピーダンスを高インピーダンスにすることができるためである。このとき、エレメント部９は共振を起こすように、所望の周波数における１／２波長程度の長さとする。
すなわち、エレメント部９の長さは、電気長がλ／２となるように構成する。なお、λは共振を起こす所望の周波数の波長を表している。
（実施の形態２）
図４を用いて本発明の実施の形態２を説明する。
図４を用いて本発明の実施の形態２を説明する。
アンテナ部３はヒンジ部２の付近に配置され、接続部４に近接する。第１の回路基板であるキーボード側基板５は、接続部４を介して、第２の回路基板である液晶側基板６と接続されている。
キーボード側基板５は、表面に入力部を有する第１の筐体７に覆われている。液晶側基板６は表示部を有する第２の筐体８に覆われている。エレメント部９は、キーボード側基板５のグランドパターンから延長された基板上のパターンで形成される。
このように基板上のパターンを用いた場合でも、金属板で構成した場合と同様の効果を有することが可能となる。
さらに基板上のパターンで形成することができるため、コストを抑制することも可能となる。
（実施の形態３）
図５を用いて本発明の実施の形態３を説明する。
図５を用いて本発明の実施の形態３を説明する。
図５は、図１のアンテナ部３の一例を拡大して示している。
アンテナ部３は、給電されたヘリカル素子２１と、樹脂基材２０上の給電端子に接続される給電部２２と、ヘリカル素子２１と絶縁して配置されたメアンダ素子２３とから構成される。
このようにアンテナ部３を、ヘリカル素子２１とメアンダ素子２３とからなる複数の素子で構成する。
その結果、各素子の対応する複数の周波数帯に対応できる。
つまり、上記各素子のいずれかに対応した周波数帯において、広帯域な特性を実現する携帯無線機を提供することが可能となる。
（実施の形態４）
図６を用いて本発明の実施の形態４を説明する。
図６を用いて本発明の実施の形態４を説明する。
図６は、図１のアンテナ部３の、他の例を拡大して示している。
アンテナ部３は、給電された第１の折り曲げ状素子２４と、樹脂基材２０上の給電端子に接続される給電部２２と、第１の折り曲げ状素子２４に接続された第２の素子２５とから構成される。
このようにアンテナ部３を、第１の折り曲げ状素子２４と第２の折り曲げ状素子２５とからなる複数の素子で構成する。
その結果、各素子の対応する複数の周波数帯に対応できる。
つまり、上記各素子のいずれかに対応した周波数帯において、広帯域な特性を実現する携帯無線機を提供することが可能となる。
（実施の形態５）
図７を用いて本発明の実施の形態５を説明する。
図７を用いて本発明の実施の形態５を説明する。
図７のアンテナ部３は、図６に示すような給電された第１の折り曲げ状素子２４とこれに接続された第２の素子２５とで形成されている。そして、アンテナ部３は、ヒンジ部２の付近に配置され、接続部４に近接している。
第１の回路基板であるキーボード側基板５は、接続部４を介して、第２の回路基板である液晶側基板６と接続されている。
キーボード側基板５は、表面に入力部を有する第１の筐体７に覆われている。液晶側基板６は、表示部を有する第２の筐体８に覆われている。第１のエレメント部９と第２のエレメント部２６は、各々メアンダ状の金属板で形成され、それらはキーボード側基板５のアンテナ部３と対向する基板端部側のグランドと接続されている。
このように第１のエレメント部９が第１の周波数帯、第２のエレメント部２６が第２の周波数帯に対応して、それぞれ電流分布を集中させることで、複数の周波数帯において広帯域化を実現することができる。そしてこのような特性を有する携帯無線機を提供することが可能となる。
（実施の形態６）
図８を用いて本発明の実施の形態６を説明する。
図８を用いて本発明の実施の形態６を説明する。
エレメント部９はメアンダ状の金属板で形成され、キーボード側基板５のアンテナ部３と対向する基板端部側のグランドとインダクタンス部２７を介して接続されている。
このようにインダクタンス部２７を介して接続することで、エレメント部の長さを短くすることができるので、エレメント部を小型に構成することが可能となる。インダクタンス部としてははチップコイル等を用いることができる。
本発明は、内部に第１の回路基板を有し表面に入力部を有する第１の筐体と、内部に第２の回路基板を有し表面に表示部を有する第２の筐体と、前記第１の回路基板と前記第２の回路基板を電気的に接続する接続部と、前記第１と第２の回路基板のいずれか一方の回路基板にアンテナ部とエレメント部を配置し、前記第１の筐体と前記第２の筐体とをヒンジ部を介して接続し折り畳み可能とした構成の携帯無線機であり、この構成とすることで、エレメント部に電流を集中させて、アンテナの入力インピーダンスを広帯域化することが可能となる。
さらに、本発明はアンテナ部とエレメント部は回路基板の相対する辺の近傍にそれぞれを配置することで、エレメント部に電流を集中させて、アンテナの入力インピーダンスを広帯域化することが可能となる。
また、本発明では、エレメント部を回路基板上のパターンで形成することで、エレメント部に電流を集中させて、アンテナの入力インピーダンスを広帯域化することが可能となる。
さらに、本発明ではエレメント部を金属板で形成することで、エレメント部に電流を集中させて、アンテナの入力インピーダンスを広帯域化することが可能となる。
また、本発明は、エレメント部の長さは電気長λ／２とすることで、エレメント部に電流を集中させて、アンテナの入力インピーダンスを広帯域化することが可能となる。
本発明では、アンテナ部をヘリカル素子とメアンダ素子とから構成することで、エレメント部に電流を集中させて、アンテナの入力インピーダンスを広帯域化することが可能となる。
本発明では、アンテナ部を給電された複数の折り曲げ状素子で構成とすることで、エレメント部に電流を集中させて、アンテナの入力インピーダンスを広帯域化することが可能となる。
本発明では、エレメント部を複数構成することで、複数のエレメント部に電流を集中させて、複数の周波数帯でアンテナの入力インピーダンスを広帯域化することが可能となる。
本発明では、エレメント部と回路基板との接続部を、インダクタンス部を介して接続する構成とすることで、エレメント部に電流を集中させて、アンテナの入力インピーダンスを広帯域化することが可能となる。
以上のように本発明は、２枚の回路基板と、これらを電気的に接続する接続部と、いずれか一方の回路基板に給電部を備えたアンテナ部と、前記回路基板のグランドと接続されるとともに所望周波数で共振を起こすエレメント部とを配置し、前記アンテナ部と前記エレメント部とは回路基板の相対する辺の近傍にそれぞれを配置されるとともに、アンテナ部は、エレメント部より接続部に近接していることを特徴とし、アンテナ部とエレメント部２つの筐体をヒンジ部を介して接続し折り畳み可能とした構成とする。このようにして、広帯域な特性を持つ携帯無線機を提供することができる。
本発明のアンテナは、広帯域化が必要な携帯無線機に内蔵して広く適用することができる。
１、１０１ 携帯無線機
２、１０２ ヒンジ部
３、１０３ アンテナ部
４、１０４ 接続部
５、１０５ キーボード側基板
６、１０６ 液晶側基板
７、１０７ 第１の筐体
８、１０８ 第２の筐体
９ エレメント部
１１ 第１の回路基板のグランドパターン
２０ 樹脂基材
２１ ヘリカル素子
２２ 給電部
２３ メアンダ素子
２４ 第１の折り曲げ状素子
２５ 第２の折り曲げ状素子
２６ 第２のエレメント部
２７ インダクタンス部
２、１０２ ヒンジ部
３、１０３ アンテナ部
４、１０４ 接続部
５、１０５ キーボード側基板
６、１０６ 液晶側基板
７、１０７ 第１の筐体
８、１０８ 第２の筐体
９ エレメント部
１１ 第１の回路基板のグランドパターン
２０ 樹脂基材
２１ ヘリカル素子
２２ 給電部
２３ メアンダ素子
２４ 第１の折り曲げ状素子
２５ 第２の折り曲げ状素子
２６ 第２のエレメント部
２７ インダクタンス部
Claims (2)
- 内部に第１の回路基板を有し表面に入力部を有する第１の筐体と、
内部に第２の回路基板を有し表面に表示部を有する第２の筐体と、
前記第１の回路基板と前記第２の回路基板を電気的に接続する接続部と、
前記第１の筐体と前記第２の筐体とを接続し折り畳み可能とするヒンジ部とを有する携帯無線機であって、
前記第１と第２の回路基板のうちいずれか一方の回路基板には、
給電部を備えたアンテナ部と、
前記回路基板のグランドと接続されるとともに所望周波数で共振を起こすエレメント部とが配置され、
前記アンテナ部と前記エレメント部とは前記回路基板の相対する辺の近傍にそれぞれを配置されるとともに、
前記アンテナ部は、前記エレメント部より前記接続部に近接した携帯無線機。 - 前記エレメント部の長さは、電気長がλ／２となるように構成した請求項１に記載の携帯無線機。
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