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JP4045848B2 - 高分子蛍光体およびそれを用いた高分子発光素子 - Google Patents

高分子蛍光体およびそれを用いた高分子発光素子 Download PDF

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JP4045848B2
JP4045848B2 JP2002126178A JP2002126178A JP4045848B2 JP 4045848 B2 JP4045848 B2 JP 4045848B2 JP 2002126178 A JP2002126178 A JP 2002126178A JP 2002126178 A JP2002126178 A JP 2002126178A JP 4045848 B2 JP4045848 B2 JP 4045848B2
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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子蛍光体およびそれを用いた高分子発光素子(以下、高分子LEDということがある。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子量の蛍光材料(高分子蛍光体)は低分子系のそれとは異なり溶媒に可溶で塗布法により発光素子における発光層等を形成できることから種々検討されている。高分子蛍光体の1つとして、ポリフェニレン系重合体(繰り返し単位として置換または無置換のフェニレンを有する重合体)が知られている。ポリフェニレン系重合体としては、例えば、特表平11―502248号公報には、オリゴフェニレンビニレンが開示されている。また、特開平11―246660には、無置換ターフェニレン繰り返し単位とトリフェニルアミン二量体繰り返し単位とからなるポリフェニレン系重合体が例示されている。さらに、シンセティック メタルズ〔(Syntehtic Metals)第102巻、1060頁(1999年)〕には、2,5−ジアルコキシフェニレンと、無置換フェニレンとからなる共重合体が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら公知の重合体からなる高分子蛍光体は、蛍光の強さまたは電荷輸送性の点で、不十分であった。
本発明の目的は、強い蛍光および/または優れた電荷輸送性を有する高分子蛍光体と、該高分子蛍光体を用いて、低電圧、高効率で駆動できる高性能の高分子LEDを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を解決すべく、鋭意検討した結果、固体状態で蛍光を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が103〜108であり、下記式(1)および式(2)で示される繰り返し単位を含む高分子蛍光体が強い蛍光および/または優れた電荷輸送性を有し、該高分子蛍光体を用いて、低電圧、高効率で駆動できる高性能の高分子LEDが得られることを見出し、本発明に至った。
【0005】
Figure 0004045848
Figure 0004045848
ここで、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または置換基を示す。ただし、R、R、RおよびRのうち少なくとも1つは、アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基およびアリールアルコキシ基からなる群から選ばれる基である。
【0006】
−Ar− (2)
ここで、Arは、式(1)で示される基とは異なる基であり、置換フェニレン基(アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、およびアリールアルコキシ基以外の置換基を1個以上有する)、置換スチルベン基(アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、およびアリールアルコキシ基からなる群から選ばれる基を1個または2個ベンゼン環上に有する)、ジスチルベン基、縮合多環芳香族基、縮合多環複素環基、芳香族アミン基および下記式(3)で示される基からなる群から選ばれた基である。
Figure 0004045848
(ここで、Ar、Ar、Arは、すべて式(1)で示される基とは異なる基であり、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基である。)〕
【0007】
【発明の実施の形態】
【0008】
上記式(1)におけるR、R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子または置換基を示す。但し R、R、RおよびRの少なくとも1つは、アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、アリールアルコキシ基からなる群から選ばれる基である。これらの酸素原子を含む置換基を有することにより、本発明の高分子蛍光体は、強い蛍光および/または電荷輸送性を有するとともに、適度な溶解性を有し得る。
【0009】
ここに、アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ベンチルオキシ基、イソアミルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、イソアミルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
【0010】
アルコキシ基で置換されたアリール基において、アリール基の炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アントリル基などが例示される。アルコキシ基で置換されたアリール基としては、通常は、上記アルコキシ基を置換基として有する上記アリール基であり、具体的な例としては、C〜C12アルコキシフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、ジーC〜C12アルコキシフェニル基、トリ−C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルコキシナフチル基、ジーC〜C12アルコキシナフチル基、C〜C12アルコキシアントリル基などが例示される。
【0011】
アリールオキシ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1―ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが例示され、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
【0012】
アリールアルコキシ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基が好ましい。
【0013】
式(1)のR、R、RおよびRは、アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、アリールアルコキシ基以外の置換基を有していてもよい。その置換基の例としては、アルキル基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基(アルコキシ基で置換されていない)、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、シアノ基などが例示される。式(1)で示される繰り返し単位が複数の置換基を有する場合、それらは同一であってもよいし、それぞれ異なっていてもよい。溶媒への溶解性を高めるためには、置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。
【0014】
ここにアルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、 i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
【0015】
アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、 i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、 i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
【0016】
アルキルシリル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜60程度であり、具体的には、メチルシリル基、エチルシリル基、プロピルシリル基、 i−プロピルシリル基、ブチルシリル基、i−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、シクロヘキシルシリル基、ヘプチルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、ノニルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ラウリルシリル基、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、 i−プロピルジメチルシリル基、ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基などが挙げられ、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基が好ましい。
【0017】
アルキルアミノ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、モノアルキルアミノ基でもジアルキルアミノ基でもよく、炭素数は通常1〜40程度であり、具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、 i−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、 i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基などが挙げられ、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基が好ましい。
【0018】
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、炭素数は通常6〜60程度であり、アルコキシ基で置換されていないアリール基としては、具体的には、フェニル基、C〜C12アルキルフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され、フェニル基、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。アリール基には、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものが含まれる。
【0019】
アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が好ましい。
アリールアミノ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基などが例示され、C〜C12アルキルフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基が好ましい。
【0020】
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度であり、好ましくは4〜20である。なお、複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。具体的には、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0021】
置換基の例のうち、アルキル鎖を含む置換基においては、それらは直鎖、分岐または環状のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよく、直鎖でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例示される。高分子蛍光体の溶媒への溶解性を高めるためには、式(1)で示される繰り返し単位の置換基のうちの1つ以上に環状または分岐のあるアルキル鎖が含まれることが好ましい。また、2つのアルキル鎖の先端が連結されて環を形成していてもよい。さらに、アルキル鎖の一部の炭素原子がヘテロ原子で置き換えられていてもよく、それらのヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが例示される。
さらに、置換基の例のうち、アリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
【0022】
式(1)で示される繰り返し単位の中で、下記式(4)または式(5)で示される繰り返し単位が好ましい。
【0023】
Figure 0004045848
Figure 0004045848
ここで、Rは、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基および炭素数4〜60の1価の複素環基からなる群から選ばれる基を示す。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。nは1〜4の整数を示す。nが2以上の場合、複数あるORは同一でも異なっていてもよい。
【0024】
Figure 0004045848
Figure 0004045848
ここで、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、および炭素数4〜60の1価の複素環基からなる群から選ばれる基を示す。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。
lは1〜5の整数を示す。mは1〜3の整数を示す。lが2以上の場合、複数あるORは同一でも異なっていてもよい。mが2以上の場合、複数あるORは同一でも異なっていてもよい。〕
【0025】
式(4)または式(5)で示される繰り返し単位は、さらに、アルキル基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、1価の複素環基、シアノ基などの置換基を有していてもよい。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。
【0026】
次に、式(2)で示される繰り返し単位について説明する。
式(2)におけるArは、上記式(1)で示される基とは異なる基であり、置換フェニレン基(アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、およびアリールアルコキシ基以外の置換基を1個以上有する)、置換スチルベン基(アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、およびアリールアルコキシ基からなる群から選ばれる基を1個または2個ベンゼン環上に有する)、ジスチルベン基、縮合多環芳香族基、縮合多環複素環基、芳香族アミン基、または下記式(3)で示される基からなる群から選ばれた基である。
Figure 0004045848
(ここで、Ar、Ar、Arは、すべて式(1)で示される基とは異なる基であり、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基である。
【0027】
ここで、置換フェニレン基は、アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、およびアリールアルコキシ基以外の置換基を1個以上有する。該置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基(アルコキシ基で置換されていない)、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基およびシアノ基などが例示される。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。
置換フェニレン基としては、例えば、2−アルキルフェニレン基、2,3−ジアルキルフェニレン基、2,5−ジアルキルフェニレン基、2−アルキルチオフェニレン基、2,3−ジアルキルチオフェニレン基、2,5−ジアルキルチオフェニレン基、2−アルキルシリルフェニレン基、2,3−ジアルキルシリルフェニレン基、2,5−ジアルキルシリルフェニレン基、2−アルキルアミノフェニレン基、2,3−ジアルキルアミノフェニレン基、2,5−ジアルキルアミノフェニレン基、2−フェニル−フェニレン基、2,3−ジフェニル−フェニレン基、2,5−ジフェニル−フェニレン基、2−トリフェニルシリル−フェニレン基、2,3−ジ(トリフェニルシリル)−フェニレン基、2,5−ジ(トリフェニルシリル)−フェニレン基、2−トリフェニルアミノ−フェニレン基、2,3−ジ(トリフェニルアミノ)−フェニレン基、2,5−ジ(トリフェニルアミノ)−フェニレン基、2−フェニルアルキルフェニレン基、2,3−ジ(フェニルアルキル)フェニレン基、2,5−ジ(フェニルアルキル)フェニレン基、2−フェニルアルキルシリルフェニレン基、2,3−ジ(フェニルアルキルシリル)フェニレン基、2,5−ジ(フェニルアルキルシリル)フェニレン基、2−フェニルエテニルフェニレン基、2,3−ジ(フェニルエテニル)フェニレン基、2,5−ジ(フェニルエテニル)フェニレン基、2−チエニルフェニレン基、2,3−ジチエニルフェニレン基、2,5−ジチエニルフェニレン基、2−シアノフェニレン基、2,5−ジシアノフェニレン基などが挙げられる。
【0028】
置換スチルベン基は、ベンゼン環上に、アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、およびアリールアルコキシ基からなる群から選ばれる基を1個または2個有する。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。
置換スチルベン基としては、下記式(8)または(9)で示される基が好ましい。
【0029】
Figure 0004045848
Figure 0004045848
ここで、R13およびR16は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。cおよびdは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。c+dは1以上である。cが2以上の場合、複数あるR13は同一でも異なっていてもよい。dが2以上の場合、複数あるR16は同一でも異なっていてもよい。
さらに、R13およびR16のうち1個または2個は、アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、およびアリールアルコキシ基からなる群から選ばれる基である。
14およびR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数4〜60の1価の複素環基、およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。R13〜R16のいずれか2個が連結して環を形成していてもよい。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。さらに、R13〜R16がアルキル鎖を含む基の場合は、該アルキル鎖を構成するメチル基、メチレン基またはメチン基の1つ以上がヘテロ原子で置き換えられていてもよい。
【0030】
Figure 0004045848
Figure 0004045848
ここで、R17およびR20は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。eは、0〜5の整数を示す。fは、0〜3の整数を示す。eが2以上の場合、複数あるR17は同一でも異なっていてもよい。fが2以上の場合、複数あるR20は同一でも異なっていてもよい。R18およびR19は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数4〜60の1価の複素環基、およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。R17〜R20のいずれか2個が連結して環を形成していてもよい。さらに、R17〜R20がアルキル鎖を含む基の場合は、該アルキル鎖を構成するメチル基、メチレン基またはメチン基の1つ以上がヘテロ原子で置き換えられていてもよい。〕
【0031】
ジスチルベン基は、中央にアリーレン基または2価の複素環基を有し、2個のフェニレン基との間に、ビニレン基を有する基である。アリーレン基は、芳香族炭化水素化合物から、水素原子2個を除いた原子団である。また、2価の複素環基は、複素環化合物から、水素原子2個を除いた原子団である。
ジスチルベン基としては、式(12)で示される基が好ましい。
【0032】
Figure 0004045848
Figure 0004045848
ここで、Arは、アリーレン基または2価の複素環基である。R28およびR33は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基またはシアノ基を示す。これらの基の具体的な例は、前記のAr〜Arの例と同様である。qおよびrは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。qが2以上の場合、複数あるR24は同一でも異なっていてもよい。rが2以上の場合、複数あるR29は同一でも異なっていてもよい。R29、R30、R31およびR32は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数4〜60の1価の複素環基またはシアノ基を示す。R28〜R33のいずれか2個が連結して環を形成していてもよい。さらに、R28〜R33のいずれか2個がアルキル鎖を含む基の場合は、該アルキル鎖を構成するメチル基、メチレン基またはメチン基の1つ以上がヘテロ原子で置き換えられていてもよい。
【0033】
縮合多環芳香族基は、縮合多環芳香族化合物から、水素原子2個を除いた原子団である。ここで、Arで示される縮合多環芳香族化合物は、環に含まれる炭素原子数が通常6〜60程度であり、ベンゼン環が2個から5個縮合した芳香族化合物が好ましい。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナンスレン、ピレン、ペリレン、ナフタセン、ペンタセン、クリセン、コロネンなどであり、ナフタレン、アントラセンが好ましい。溶解性の観点からは、少なくとも1つの置換基を有していることが好ましい。
縮合多環芳香族基の中では、下記式(7)で示される基が好ましい。
【0034】
Figure 0004045848
Figure 0004045848
ここで、R11およびR12は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。aおよびbは、それぞれ独立に0〜3の整数を示す。aが2以上の場合、複数あるR11は同一でも異なっていてもよい。bが2以上の場合、複数あるR12は同一でも異なっていてもよい。R11〜R12の2個以上が連結して環を形成していてもよい。さらに、R11〜R12がアルキル鎖を含む基の場合は、該アルキル鎖を構成するメチル基、メチレン基またはメチン基の1つ以上がヘテロ原子で置き換えられていてもよい。
【0035】
溶解性の観点からは、a、bのいずれかが0でないことが好ましい。
【0036】
縮合多環複素環基は、縮合多環複素環化合物から、水素原子2個を除いた原子団である。ここで、Arで示される縮合多環複素環化合物は、2つ以上の環が縮合した環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、燐、硼素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。環に含まれる炭素原子数は、6〜60程度が好ましく、より好ましくは6〜30である。具体的には、キノリン、キノキサリン、アクリジン、フェナントロリン、ベンゾキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、カルバゾールなどであり、キノリン、ベンゾキサジアゾール、ベンゾチアジアゾール、カルバゾールが好ましい。溶解性の観点からは、少なくとも1つの置換基を有していることが好ましい。
【0037】
縮合多環複素環基の中では、下記式(10)で示される基が好ましい。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
ここで、R21は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。gは、0〜2の整数を示す。gが2の場合、複数あるR21は同一でも異なっていてもよい。複数のR21が連結して環を形成していてもよい。さらに、R21がアルキル鎖を含む基の場合は、該アルキル鎖を構成するメチル基、メチレン基またはメチン基の1つ以上がヘテロ原子で置き換えられていてもよい。Xは、OまたはSを示す。
【0038】
芳香族アミン基は、アリール基が2個以上置換したアミン化合物から、水素原子2個を除いた原子団である。ここで、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナンスレニル基などが例示される。これらアリール基は、1つ以上の置換基を有していてもよい。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。
芳香族アミン基の中では、下記式(6)で示される基が好ましい。
【0039】
Figure 0004045848
Figure 0004045848
ここで、R、RおよびR10は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。iおよびjは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。kは0〜5の整数を示す。hは、1〜2の整数を示す。iが2以上の場合、複数あるRは同一でも異なっていてもよい。hが1の場合は、トリフェニルアミン誘導体の構造であり、hが2の場合は、N,N’−テトラフェニル−フェニレンジアミン誘導体の構造となる。また、hが1で式(6)の構造が2つ隣接している場合は、N,N’−テトラフェニル−ベンジジン誘導体の構造となる。jが2以上の場合、複数あるRは同一でも異なっていてもよい。kが2以上の場合、複数あるR10は同一でも異なっていてもよい。R〜R10が連結して環を形成していてもよい。さらに、R〜R10がアルキル鎖を含む基の場合は、該アルキル鎖を構成するメチル基、メチレン基またはメチン基の1つ以上がヘテロ原子で置き換えられていてもよい。
【0040】
中でも、iまたはjのうちいずれか、または両方が0でないことがより好ましい。
【0041】
式(3)で示される基は、式(1)で示される基とは異なる基が、3個結合してなる基である。式(3)のAr、Ar、Arは、それぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基である。Ar、Ar、Arがすべてアリーレン基、または2価の複素環基のいずれかであるよりは、1つまたは2つがアリーレン基で残りが2価の複素環基である方が好ましい。ここで、アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団である。また、2価の複素環基とは、複素環化合物から、水素原子2個を除いた原子団である。具体的には、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、チエニレン基、フランジイル基、ピリジンジイル基、キノリンジイル基、キノキサリンジイル基などが例示され、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、チエニレン基が好ましい。
【0042】
式(3)で示される基としては、好ましくは、式(10)の繰り返し単位の両隣に例えば、チエニレン基、ナフタレンジイル基、式(1)で示される以外のフェニル基等の繰り返し単位が連結してなる基が挙げられる。また、これら両隣の繰り返し単位は、前記した各種置換基を有していてもよい。隣接する繰り返し単位を含めた構造として、より具体的には、下記の構造が例示される。
【0043】
Figure 0004045848
【0044】
また、式(3)で示される基としては、好ましくは、式(11)の繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
ここで、R22およびR23は、それぞれ独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基およびシアノ基からなる群から選ばれる基を示す。これらの置換基の具体的な例は、前記のとおりである。oおよびpは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。oが2の場合、複数あるR22は同一でも異なっていてもよい。pが2の場合、複数あるR23は同一でも異なっていてもよい。R22、R23が連結して環を形成していてもよい。さらに、R22またはR23がアルキル鎖を含む基の場合は、該アルキル鎖を構成するメチル基、メチレン基またはメチン基の1つ以上がヘテロ原子で置き換えられていてもよい。Xは、O、SまたはN−R24、SiR2526からなる群から選ばれる基を示す。X、Xは、それぞれ独立にNまたはC−R27から選ばれる基を示す。R24〜R27は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基および炭素数4〜60の1価の複素環基からなる群から選ばれる基を示す。
【0045】
式(11)で示される繰り返し単位の中央の5員環の例としては、オキサジアゾール、トリアゾール、チオフェン、フラン、シロールなどが挙げられる。
【0046】
式(2)で示される繰り返し単位の中で、上記式(6)〜式(12)で示される繰り返し単位が好ましく、材料の耐久性の観点からは、式(6)、(7)、(8)、(10)、(12)で示される繰り返し単位がより好ましく、電荷輸送特性の優れたものが得やすいという観点からは、式(6)、(10)で示される繰り返し単位が特に好ましい。
【0047】
本発明の高分子蛍光体において、式(1)で示される繰り返し単位の合計は通常、式(1)および式(2)で示される繰り返し単位の合計の10モル%以上90モル%以下であり、20モル%以上90モル%以下であることがより好ましく、30モル%以上90モル%以下であることがさらに好ましい。
また、式(1)および式(2)で示される繰り返し単位の合計が本発明の高分子蛍光体が有する全繰り返し単位の50モル%以上であることが、溶解性と蛍光特性の観点から好ましく、60モル%以上がより好ましく、70モル%以上がさらに好ましい。
【0048】
本発明の高分子蛍光体は、蛍光特性や電荷輸送特性を損なわない範囲で、式(1)および(2)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、式(1)および(2)で示される繰り返し単位や他の繰り返し単位が、非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。結合構造としては、以下に示すもの、以下示すものとビニレン基を組み合わせたもの、および以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、Rは前記のものと同じ置換基から選ばれる基であり、Arは炭素数6〜60個の炭化水素基を示す。
Figure 0004045848
【0049】
本発明の高分子蛍光体は、数平均分子量がポリスチレン換算で103〜108であり、より好ましくは、10〜10であり、さらに好ましくは、2×10〜10である。それらの重合度は、繰り返し構造やその割合によっても変わる。成膜性の点から一般には繰り返し構造の合計数が、好ましくは20〜10000、さらに好ましくは30〜10000、特に好ましくは50〜5000である。
【0050】
また、薄膜からの発光を利用するので該高分子蛍光体は、固体状態で蛍光を有するものが好適に用いられる。
【0051】
また、本発明の高分子蛍光体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収率の高い高分子蛍光体を得る観点からは繰り返しの規則性は低い方が好ましく、例えば、交互共重合体よりもランダム共重合体が好ましい。交互共重合体を得るためには、通常2種類の重合活性基をそれぞれ有するモノマーを同時に用いなくてはならないのに対し、ランダム共重合体においては、1種類の重合活性基を有する複数のモノマーを所望の比率で仕込んで重合させればよく、合成も容易である。さらに完全なランダム共重合体よりも、ブロック性を帯びたランダム共重合体や不均一なサイズのブロックからなるブロック共重合体、あるいはグラフト共重合体がより好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合も含まれる。また、規則正しく成長したデンドリマーや、ランダムな分岐が起こっている構造も含まれる。
【0052】
本発明の高分子蛍光体の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてもよい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素―炭素単結合やビニレン基を介してアリール基または複素環基と結合している構造が例示される。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
【0053】
該高分子蛍光体に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、n−ブチルベンゼンなどが例示される。高分子蛍光体の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
【0054】
これらの高分子蛍光体を高分子LEDの発光材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましく、また合成後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
なお、本発明の高分子蛍光体は、発光材料として用いることができるだけでなく、有機半導体材料、光学材料、あるいはドーピングにより導電性材料として用いることもできる。
【0055】
次に、本発明の高分子蛍光体の製造方法について説明する。
本発明の高分子蛍光体の製造方法としては、主鎖にビニレン基を有する場合には、例えば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、アルデヒド基を有する化合物とホスホニウム塩基を有する化合物との、もしくはアルデヒド基とホスホニウム塩基とを有する化合物のWittig反応による重合、ビニル基を有する化合物とハロゲン基を有する化合物との、もしくはビニル基とハロゲン基とを有する化合物のHeck反応による重合、アルデヒド基を有する化合物とアルキルホスホネート基を有する化合物との、もしくはアルデヒド基とアルキルホスホネート基とを有する化合物のHorner−Wadsworth−Emmons法による重合、ハロゲン化メチル基を2つあるいは2つ以上有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮合、スルホニウム塩基を2つあるいは2つ以上有する化合物のスルホニウム塩分解法による重縮合、アルデヒド基を有する化合物とアセトニトリル基を有する化合物との、もしくはアルデヒド基とアセトニトリル基とを有する化合物のKnoevenagel反応による重合などの方法、アルデヒド基を2つあるいは2つ以上有する化合物のMcMurry反応による重合などの方法が例示される。
【0056】
また、主鎖にビニレン基を有しない場合には、例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、あるいは適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
これらのうち、 Wittig反応による重合、Heck反応による重合、Horner−Wadsworth−Emmons法による重合、Knoevenagel反応による重合、およびSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法が、構造制御がしやすいので好ましい。
具体的には、モノマーとなる、反応性置換基を複数有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下で、反応させることができる。例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第27巻,345−390頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1982年、“オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、ジャーナル オブ プラクティカル ケミストリー(J.Prakt.Chem.),第336巻,247頁(1994年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
【0057】
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい。(但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。)
【0058】
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリまたは触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリまたは触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリまたは触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリまたは触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
【0059】
より具体的に、反応条件について述べると、Wittig反応、Horner反応、Knoevengel反応などの場合は、モノマーの官能基に対して当量以上、好ましくは1〜3当量のアルカリを用いて反応させる。アルカリとしては、特に限定されないが、例えば、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、ナトリウムエチラート、リチウムメチラートなどの金属アルコラートや、水素化ナトリウムなどのハイドライド試薬、ナトリウムアミド等のアミド類等を用いることができる。溶媒としては、 N、N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン等が用いられる。反応の温度は、通常は室温から150℃程度で反応を進行させることができる。反応時間は、例えば、5分間〜40時間であるが、十分に重合が進行する時間であればよく、また反応が終了した後に長時間放置する必要はないので、好ましくは10分間〜24時間である。反応の際の濃度は、希薄すぎると反応の効率が悪く、濃すぎると反応の制御が難しくなるので、約0.01wt%〜溶解する最大濃度の範囲で適宜選択すればよく、通常は、0.1wt%〜20wt%の範囲である。Heck反応の場合は、パラジウム触媒を用い、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、モノマーを反応させる。N、N−ジメチルホルムアミドやN−メチルピロリドンなどの比較的沸点の高い溶媒を用い、反応温度は、80〜160℃程度、反応時間は、1時間から100時間程度である。
【0060】
Suzukiカップリング反応の場合は、触媒として、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などを用い、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基、フッ化セシウムなどの無機塩をモノマーに対して当量以上、好ましくは1〜10当量加えて反応させる。無機塩を水溶液として、2相系で反応させてもよい。溶媒としては、 N、N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが例示される。溶媒にもよるが50〜160℃程度の温度が好適に用いられる。溶媒の沸点近くまで昇温し、環流させてもよい。反応時間は1時間から200時間程度である。
【0061】
Grignard反応の場合は、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンなどのエーテル系溶媒中でハロゲン化物と金属Mgとを反応させてGrignard試薬溶液とし、これと別に用意したモノマー溶液とを混合し、ニッケルまたはパラジウム触媒を過剰反応に注意しながら添加した後に昇温して環流させながら反応させる方法が例示される。Grignard試薬はモノマーに対して当量以上、好ましくは1〜1.5当量、より好ましくは1〜1.2当量用いる。これら以外の方法で重合する場合も、公知の方法に従って反応させることができる。
【0062】
次に、本発明の高分子LEDについて説明する。本発明の高分子LEDは陽極および陰極からなる電極間に発光層を有する高分子LEDであり、該発光層中が本発明の高分子蛍光体を含むものである。
また、本発明の高分子LEDとしては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
さらに本発明の高分子LEDとしては、少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して導電性高分子を含む層を設けたもの、少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けたものも挙げられる。
【0063】
本発明の高分子LEDとして、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
【0064】
ここで、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。
発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
【0065】
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
【0066】
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
【0067】
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
【0068】
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
【0069】
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102S/cm以下がより好ましく、10-5S/cm以上101S/cm以下がさらに好ましい。
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10-5S/cm以上103S/cm以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
【0070】
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
【0071】
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
【0072】
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0073】
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
【0074】
高分子LED作成の際に、これらの有機溶媒可溶性の高分子蛍光体を用いることにより、溶液から成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去するだけでよく、また電荷輸送材料や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用でき、製造上非常に有利である。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0075】
発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0076】
本発明の高分子LEDにおいては、発光層に上記高分子蛍光体以外の発光材料を混合して使用してもよい。また、本願発明の高分子LEDにおいては、上記高分子蛍光体以外の発光材料を含む発光層が、上記高分子蛍光体を含む発光層と積層されていてもよい。
【0077】
該発光材料としては、公知のものが使用できる。低分子化合物では、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などを用いることができる。
【0078】
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
なお、発光層は、本発明の高分子蛍光体を含んでいればよく、公知の高分子または低分子の電荷輸送材料と混合されていてもよい。電荷輸送材料としては、以下の正孔輸送層や電子輸送層に用いられるものを用いてもよい。さらに、発光機能を損なわない範囲で、発光層に、発光や電荷輸送機能を有していない有機材料または無機材料が混合されていてもよい。
【0079】
本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
【0080】
具体的には、該正孔輸送材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0081】
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0082】
ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によって得られる。
【0083】
ポリシランもしくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
【0084】
ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
【0085】
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
【0086】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
【0087】
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0088】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
【0089】
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0090】
本発明の高分子LEDが電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
【0091】
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0092】
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
【0093】
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよい。
【0094】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
【0095】
溶液または溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0096】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリシロキサンなどが例示される。
【0097】
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0098】
本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明または半透明であることが好ましい。
【0099】
本発明の高分子LEDにおいて、通常、陽極および陰極からなる電極の少なくとも一方が透明または半透明であり、陽極側が透明または半透明であることが好ましい。
陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
【0100】
本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あるいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0101】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層および/または保護カバーを装着することが好ましい。
【0102】
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
【0103】
本発明の高分子LEDは、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライト等として用いることができる。
【0104】
本発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にOn/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
【0105】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、重量平均分子量、数平均分子量については、クロロホルムを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算の平均分子量を求めた。
【0106】
実施例1
<高分子蛍光体1の合成>
1,4−ジブロモー2,5−ジ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン0.62g(1.13mmol)とN,N’―ジフェニル−N,N’―ジ(3−メチルー4−ブロムフェニル)ベンジジン0.25g(0.37mmol)と2,2’−ビピリジル0.55gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したトルエン(脱水溶媒)40mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を0.96g加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で7時間反応した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水10ml/メタノール150ml/イオン交換水50ml混合溶液中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、この混合溶液を静置したところ、二層に分離した。上層を回収し、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を乾燥した後、クロロホルムに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.22gを得た。得られた重合体を高分子蛍光体1と呼ぶ。
高分子蛍光体1のポリスチレン換算数平均分子量は、1.7x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は1.3x10であった。仕込みモノマーから推定されるポリマーの構造はランダム共重合体で、繰り返し単位のモル比は、下式のとおりである。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
【0107】
実施例2
<高分子蛍光体2の合成>
1,4−ジブロモー2,5−ジ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼンとN,N’―ジフェニル−N,N’―ジ(3−メチルー4−ブロムフェニル)ベンジジンの仕込み比を1:1にした以外は、実施例1と同様にして、重合体を得た。該重合体を高分子蛍光体2と呼ぶ。
高分子蛍光体2のポリスチレン換算数平均分子量は、1.6x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は4.2x10であった。仕込みモノマーから推定されるポリマーの構造はランダム共重合体で、繰り返し単位のモル比は、下式のとおりである。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
【0108】
実施例3
<高分子蛍光体3の合成>
1,4−ジブロモー2,5−ジ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼンの代わりに1,4−ジブロモー2−(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼンを用いた以外は、実施例2と同様にして、重合体を得た。該重合体を高分子蛍光体3と呼ぶ。
高分子蛍光体3のポリスチレン換算数平均分子量は、1.6x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は3.5x10であった。仕込みモノマーから推定されるポリマーの構造はランダム共重合体で、繰り返し単位のモル比は、下式のとおりである。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
【0109】
実施例4
<高分子蛍光体4の合成>
1,4−ジブロモー2,5−ジ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン0.41g(0.75mmol)と2,5−ビス(4−ブロムフェニル)−1−オキサ−3,4−ジアゾール0.285g(0.75mmol)と2,2’−ビピリジル0.55gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)40mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を0.96g加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で7時間反応した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水10ml/メタノール150ml/イオン交換水50ml混合溶液中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、この混合溶液を静置したところ、二層に分離した。上層を回収し、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を乾燥した後、クロロホルムに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.19gを得た。該重合体を高分子蛍光体4と呼ぶ。
高分子蛍光体4のポリスチレン換算数平均分子量は、1.8x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は4.5x10であった。仕込みモノマーから推定されるポリマーの構造はランダム共重合体で、繰り返し単位のモル比は、下式のとおりである。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
【0110】
実施例5
<高分子蛍光体5の合成>
1,4−ジブロモー2,5−ジ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン0.41g(0.75mmol)と4,4’−ジブロモー2,5−ジ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)スチルベン0.488g(0.75mmol)と2,2’−ビピリジル0.55gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)40mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を0.96g加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で7時間反応した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水10ml/メタノール150ml/イオン交換水50ml混合溶液中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、この混合溶液を静置したところ、二層に分離した。上層を回収し、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を乾燥した後、クロロホルムに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.24gを得た。該重合体を高分子蛍光体5と呼ぶ。
高分子蛍光体5のポリスチレン換算数平均分子量は、7.3x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は2.1x10であった。仕込みモノマーから推定されるポリマーの構造はランダム共重合体で、繰り返し単位のモル比は、下式のとおりである。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
【0111】
実施例6
<高分子蛍光体6の合成>
1,4−ジブロモー2,5−ジ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン0.41g(0.75mmol)と1,4−ジブロモ−2−(2−(4−ジフェニルアミノフェニル)エテニル) ベンゼン0.379g(0.75mmol)と2,2’−ビピリジル0.55gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)40mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を0.96g加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で7時間反応した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水10ml/メタノール150ml/イオン交換水50ml混合溶液中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、この混合溶液を静置したところ、二層に分離した。上層を回収し、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を乾燥した後、クロロホルムに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.05gを得た。該重合体を高分子蛍光体6と呼ぶ。
高分子蛍光体6のポリスチレン換算数平均分子量は、1.1x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は4.6x10であった。仕込みモノマーから推定されるポリマーの構造はランダム共重合体で、繰り返し単位のモル比は、下式のとおりである。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
【0112】
実施例7
<高分子蛍光体7の合成>
1,4−ジブロモー2,5−ジ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン0.41g(0.75mmol)と2,6−ジブロモ−1,5−ジ(3、7−ジメチルオクチルオキシ)ナフタレン0.365g(0.75mmol)と2,2’−ビピリジル0.55gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)40mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を0.96g加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で7時間反応した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水10ml/メタノール150ml/イオン交換水50ml混合溶液中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、この混合溶液を静置したところ、二層に分離した。上層を回収し、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を乾燥した後、クロロホルムに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.12gを得た。該重合体を高分子蛍光体7と呼ぶ。
高分子蛍光体7のポリスチレン換算数平均分子量は、1.1x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は5.3x10であった。仕込みモノマーから推定されるポリマーの構造はランダム共重合体で、繰り返し単位のモル比は、下式のとおりである。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
【0113】
実施例8
<高分子蛍光体8の合成>
1,4−ジブロモー2,5−ジ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン1.65g(3.0mmol)と4,4’−ジ(トリフルオロメチルスルホオキシ)−3,3’−ジエトキシスチルベン1.69g(3.00mmol)と2,2’−ビピリジル2.2gとを反応容器に仕込んだ後、反応系内をアルゴンガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)160mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を3.84g加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で7時間反応した。なお、反応は、アルゴンガス雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水40ml/メタノール600ml/イオン交換水200ml混合溶液中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、この混合溶液を静置したところ、二層に分離した。上層を回収し、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を乾燥した後、クロロホルムに溶解した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.14gを得た。該重合体を高分子蛍光体8と呼ぶ。
高分子蛍光体8のポリスチレン換算数平均分子量は、1.8x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は1.0x10であった。仕込みモノマーから推定されるポリマーの構造はランダム共重合体で、繰り返し単位のモル比は、下式のとおりである。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
【0114】
実施例9
<高分子蛍光体9の合成>
アルゴンガス雰囲気下にて、1,4−ビス(プロピレンボロネート)−2,5−ジ(3、7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼン(321mg、0.575mmol)、4,7−ジブロモ−ベンゾチアジアゾール(161mg、0.547mmol)、およびaliquat336(221mg)をトルエン(30ml)に溶解させ、これに炭酸カリウム(238mg、1.73mmol)の水溶液(30ml)を加えた。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)バラジウム(1.27mg、1.09×10-6mmol)を加え、20時間加熱環流した。放冷後分液し、有機層を水洗した。この有機層をメタノール(300ml)に滴下し、析出した沈殿を濾別した。シリカゲルクロマトグラフィー(トルエン)にて精製し、重合体を得た。
次に、得られた重合体をトルエンに溶解させて溶液とした。この溶液と25%アンモニア水とを密閉容器中で混合し、室温で3時間攪拌した。静置してトルエンと水に分離した後、分液してトルエン部分を回収した。この溶液をメタノール中へ添加して攪拌し、生じた沈殿を濾別した。これをメタノールで洗浄した後、減圧下、50℃で2時間乾燥して、重合体231mgを得た。該重合体を高分子蛍光体9と呼ぶ。該高分子蛍光体9のポリスチレン換算の数平均分子量は、2.6×10であった。ポリスチレン換算重量平均分子量は7.6x10であった。仕込みモノマーから推定されるポリマーの構造は交互共重合体で、繰り返し単位のモル比は、下式のとおりである。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
【0115】
実施例10
<蛍光特性の評価>
高分子蛍光体1の0.2wt%クロロホルム溶液を石英上にスピンコートして高分子蛍光体1の薄膜を作成した。この薄膜の蛍光スペクトルを、蛍光分光光度計(日立製作所850)を用いて測定した。同様にして、高分子蛍光体2〜9の蛍光スペクトルを測定した。
高分子蛍光体1〜9は、いずれも強い蛍光を有しており、以下の表1の蛍光ピーク波長を示した。
【表1】
Figure 0004045848
【0116】
比較例1
<高分子蛍光体10の合成>
1,4−ジブロモー2,5−ジ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)ベンゼンの代わりに、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチル−フルオレンを用いた以外は、実施例5と同様にして、重合体を得た。該重合体を高分子蛍光体10と呼ぶ。
高分子蛍光体10のポリスチレン換算数平均分子量は、1.3x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は4.5x10であった。仕込みモノマーから推定されるポリマーの構造はランダム共重合体で、繰り返し単位のモル比は、下式のとおりである。
Figure 0004045848
Figure 0004045848
【0117】
実施例11
<蛍光強度の比較>
高分子蛍光体5または10の0.2wt%クロロホルム溶液を石英上にスピンコートして高分子蛍光体5または10の薄膜をそれぞれ作成した。これらの薄膜の紫外可視吸収スペクトルと蛍光スペクトルとを、それぞれ紫外可視吸収分光光度計(日立製作所UV3500)および蛍光分光光度計(日立製作所850)を用いて測定した。蛍光強度の算出には、350nmで励起した時の蛍光スペクトルを用いた。横軸に波数をとってプロットした蛍光スペクトルの面積を、350nmでの吸光度で割ることにより蛍光強度の相対値を求めた。
実施例5で得た高分子蛍光体5の蛍光強度の相対値は8.8であったが、比較例1で得た高分子蛍光体10の蛍光強度の相対値は6.0であった。
【0118】
実施例12
<ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)の合成>
モノマーとして、2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチル−フルオレンのみを用いた以外は、実施例5と同様にして、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)を得た。得られたポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)のポリスチレン換算数平均分子量は、4.3x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は1.1x10であった。
<素子の作成および評価>
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(バイエル社、Baytron)を用いてスピンコートにより50nmの厚みで成膜し、ホットプレート上で120℃で10分間乾燥した。次に、上記で得たポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)と、高分子蛍光体1を50:50の重量比で混合し、合計1.5wt%となるように調製したトルエン溶液を用いてスピンコートにより約100nmの厚みで成膜した。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、陰極バッファー層として、フッ化リチウムを0.4nm、陰極として、カルシウムを25nm、次いでアルミニウムを40nm蒸着して、高分子LEDを作製した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜8×10-6Torrであった。得られた素子に電圧を引加することにより、高分子蛍光体1からのEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。
該素子は、約3.1Vで輝度が1cd/mを越え、発光効率は最高0.94cd/A、最高輝度は6920cd/mを示した。
【0119】
実施例13
<素子の作成および評価>
ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)と高分子蛍光体1を用いる代わりに、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)、高分子蛍光体10、高分子蛍光体5を63:27:10の重量比で混合して用いた以外は、実施例12と同様にして高分子LEDを作製した。得られた素子に電圧を引加することにより、高分子蛍光体3からのEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。該素子は、約4.2Vで輝度が1cd/mを越え、発光効率は最高1.71cd/A、最高輝度は6087cd/mを示した。
【0120】
実施例14
<ポリ(9,9−ジイソアミルフルオレン−co−9,9−ジオクチルフルオレン)の合成>
モノマーとして、2,7−ジブロモ−9,9−ジイソアミル−フルオレンと2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチル−フルオレンを1:1のモル比で用いた以外は、実施例5と同様にして、ポリ(9,9−ジイソアミルフルオレン−co−9,9−ジオクチルフルオレン)を得た。得られたポリ(9,9−ジイソアミルフルオレン−co−9,9−ジオクチルフルオレン)のポリスチレン換算数平均分子量は、1.7x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は6.5x10であった。
<素子の作成および評価>
ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)と高分子蛍光体1を用いる代わりに、ポリ(9,9−ジイソアミルフルオレン−co−9,9−ジオクチルフルオレン)、高分子蛍光体2、高分子蛍光体8を63:27:10の重量比で混合して用いた以外は、実施例12と同様にして高分子LEDを作製した。得られた素子に電圧を引加することにより、高分子蛍光体8からのEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。
該素子は、約3.9Vで輝度が1cd/mを越え、発光効率は最高0.93cd/A、最高輝度は6234cd/mを示した。
【0121】
比較例2
<素子の作成および評価>
ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)と高分子蛍光体1を用いる代わりに、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)のみを用いた以外は、実施例12と同様にして高分子LEDを作製した。得られた素子に電圧を引加することにより、ポリ(9,9−ジオクチルフルオレン)からのEL発光が得られた。EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。
該素子は、約4.6Vで輝度が1cd/mを越え、発光効率は最高0.09cd/A、最高輝度は749cd/mを示した。
【0122】
【発明の効果】
本発明の高分子蛍光体は、強い蛍光および/または優れた電荷輸送能を有しており、高分子LED用発光材料や電荷輸送材料として好適に用いることができる。また、本発明の高分子蛍光体は、レーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜用材料として用いることもできる。
さらに、該高分子蛍光体を用いた高分子LEDは、低電圧、高効率で駆動できる高性能の高分子LEDである。従って、該高分子LEDは、液晶ディスプレイのバックライトまたは照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイ等の装置に好ましく使用できる。

Claims (13)

  1. 固体状態で蛍光を有し、ポリスチレン換算の数平均分子量が103〜108であり、下記式(1)で示される繰り返し単位と、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)、式(10)または式(12)で示される繰り返し単位を含むことを特徴とする高分子蛍光体。
    Figure 0004045848
    (1)
    〔ここで、R1、R2、R3およびR4は、それぞれ独立に水素原子または置換基を示す。ただし、R1、R2、R3およびR4のうち少なくとも1つは、アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基およびアリールアルコキシ基からなる群から選ばれる基である。
    Figure 0004045848
    (6)
    〔ここで、R 8 、R 9 およびR 10 は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基またはシアノ基を示す。iおよびjは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。kは0〜5の整数を示す。hは、1〜2の整数を示す。iが2以上の場合、複数あるR 8 は同一でも異なっていてもよい。jが2以上の場合、複数あるR 9 は同一でも異なっていてもよい。kが2以上の場合、複数あるR 10 は同一でも異なっていてもよい。〕
    Figure 0004045848
    (7)
    〔ここで、R 11 およびR 12 は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルア ミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基またはシアノ基を示す。aおよびbは、それぞれ独立に0〜3の整数を示す。aが2以上の場合、複数あるR 11 は同一でも異なっていてもよい。bが2以上の場合、複数あるR 12 は同一でも異なっていてもよい。〕
    Figure 0004045848
    (8)
    〔ここで、R 13 およびR 16 は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基またはシアノ基を示す。cおよびdは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。c+dは1以上である。cが2以上の場合、複数あるR 13 は同一でも異なっていてもよい。dが2以上の場合、複数あるR 16 は同一でも異なっていてもよい。さらに、R 13 およびR 16 のうち1個または2個は、アルコキシ基、アルコキシ基で置換されたアリール基、アリールオキシ基、およびアリールアルコキシ基からなる群から選ばれる基である。R 14 およびR 15 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数4〜60の 1 価の複素環基またはシアノ基を示す。〕
    Figure 0004045848
    (9)
    〔ここで、R 17 およびR 20 は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基またはシアノ基を示す。eは、0〜5の整数を示す。fは、0〜3の整数を示す。eが2以上の場合、複数あるR 17 は同一でも異なっていてもよい。fが2以上の場合、複数あるR 20 は同一でも異なっていてもよい。R 18 およびR 19 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数4〜60の1価の複素環基またはシアノ基を示す。〕
    Figure 0004045848
    (10)
    〔ここで、R 21 は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の 1 価の複素環基またはシアノ基を示す。gは、0〜2の整数を示す。gが2の場合、複数あるR 21 は同一でも異なっていてもよい。X 1 は、OまたはSを示す。〕
    Figure 0004045848
    (12)
    〔ここで、Ar 5 は、アリーレン基または2価の複素環基である。R 28 およびR 33 は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数6〜60のアリールオキシ基、炭素数6〜60のアリールシリル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数7〜60のアリールアルキルシリル基、炭素数7〜60のアリールアルキルアミノ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数8〜60のアリールアルキニル基、炭素数4〜60の1価の複素環基またはシアノ基を示す。qおよびrは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。qが2以上の場合、複数あるR 28 は同一でも異なっていてもよい。rが2以上の場合、複数あるR 33 は同一でも異なっていてもよい。R 29 、R 30 、R 31 およびR 32 は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数4〜60の1価の複素環基またはシアノ基を示す。〕
  2. 上記式(1)で示される繰り返し単位の合計が、上記式(1)で示される繰り返し単位と、式(6)、式(7)、式(8)、式(9)、式(10)または式(12)で示される繰り返し単位の合計の10モル%以上90モル%以下であることを特徴とする請求項1記載の高分子蛍光体。
  3. 式(1)で示される繰り返し単位が、下記式(4)または式(5)で示される繰り返し単位であることを特徴とする請求項1または2記載の高分子蛍光体。
    Figure 0004045848
    (4)
    〔ここで、R5は、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基または炭素数4〜60の1価の複素環基を示す。nは1〜4の整数を示す。nが2以上の場合、複数あるOR5は同一でも異なっていてもよい。〕
    Figure 0004045848
    (5)
    〔ここで、R6およびR7は、それぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル基、炭素数4〜60の1価の複素環基からなる群から選ばれる基を示す。lは1〜5の整数を示す。mは1〜3の整数を示す。lが2以上の場合、複数あるOR6は同一でも異なっていてもよい。mが2以上の場合、複数あるOR7は同一でも異なっていてもよい。〕
  4. 陽極および陰極からなる電極間に、発光層を有する高分子発光素子であって、該発光層が請求項1〜のいずれかに記載の高分子蛍光体を含むことを特徴とする高分子発光素子。
  5. 少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して導電性高分子を含む層を設けたことを特徴とする請求項記載の高分子発光素子。
  6. 少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けたことを特徴とする請求項記載の高分子発光素子。
  7. 陰極と発光層との間に、該発光層に隣接して電子輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とする請求項のいずれかに記載の高分子発光素子。
  8. 陽極と発光層との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とする請求項のいずれかに記載の高分子発光素子。
  9. 陰極と発光層との間に、該発光層に隣接して電子輸送性化合物からなる層、および陽極と発光層との間に、該発光層に隣接して正孔輸送性化合物からなる層を設けたことを特徴とする請求項のいずれかに記載の高分子発光素子。
  10. 請求項のいずれかに記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
  11. 請求項のいずれかに記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
  12. 請求項のいずれかに記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
  13. 請求項のいずれかに記載の高分子発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
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