JP4043666B2 - 混練用ノズル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、混練用ノズルに関し、特に詳細には、シリコン系2液性樹脂からなる歯科用印象材などを混練するのに好適な混練用ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
歯科医で歯形を採る際に印象材と呼ばれる材料が使用されている。我が国では一般にアルギン酸系の素材に水を混ぜて練り込んだものを多用しているが、欧米ではシリコン系の2液性樹脂を練り混ぜたものを使用するのが主流である。このシリコン系樹脂は値段が高いという欠点はあるものの、印象精度の高さや表面の美しさから我が国でも徐々に採用されてきている。
【0003】
従来、この2液性の樹脂を混ぜる際には、2本並んだシリンジ(2液収納容器)にそれぞれの樹脂を詰め、2本の押し出しピストンを備えた銃のような押し出し装置を使って、そのピストンでシリンジの後部側を押圧することによりシリンジ内の樹脂を前方へ押し出し、これをシリンジの前方に取り付けたミキシングチップと呼ばれる混練装置を通過させることにより混合する方法が最も一般的であった。また、従来のミキシングチップには、いわゆるスタティックミキサーと呼ばれるように、材料を2分割しながら練り混ぜる方式が採用されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のスタティックミキサー方式のミキシングチップには、以下のような問題があった。
【0005】
第1に、従来のミキシングチップは、材料の混合には適するもののミキシングチップ自体の無駄が多くなるという問題があった。すなわち、従来のミキシングチップは、一度使用するとその先端部分に硬化した印象材が付着して通路が塞がれてしまうため、次に使用するときには別のミキシングチップと交換しなければならないので、ミキシングチップ自体の無駄が多くなり、コストアップになるのである。
【0006】
第2に、被混練材料の無駄が多くなるという問題があった。上述のように、従来のミキシングチップは、一度使用するとその先端部分に硬化した印象材が付着して通路が塞がれてしまうため、次に使用するときには別のミキシングチップと交換するが、このとき、ミキシングチップの根元側には未だ混練されていない液状の被混練材料が残っており、ミキシングチップを交換するときにこの未使用の被混練材料まで捨てられてしまうため、被混練材料が無駄になるのである。
【0007】
第3に、このミキシングチップは、2本並んだシリンジ(2液収納容器)に装着するものであるが、このシリンジは押し出し装置のピストンで後端部を押圧できるように、ある程度の剛性を有する円筒形に成形されているので、使用後に空になった状態でも円筒形を保持しており、廃棄時に簡単に潰すことができないため、産業廃棄物や医療廃棄物の量が増大し、環境的にも問題があった。
【0008】
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、混練用ノズルを一部を除いて繰り返して使用することによりコスト低減が可能であり、また、被混練材料の無駄を省くことができ、更に、使用済みの容器を小さく潰した状態で廃棄することができて、産業廃棄物や医療廃棄物を減少することが可能な混練用ノズルを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は混練装置であり、前述の技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明は、流動性のある2種類の被混練材料を別々に収容する第1及び第2の容器に装着し、前記第1及び第2の容器から押し出された前記2種類の被混練材料を同一の吐出口から吐出するための混練用ノズルであって、前記2種類の被混練材料が通過する混練用通路の片半分ずつを有すると共に、前記第1及び第2の容器のそれぞれの材料出口に装着する一対のノズルと、前記一対のノズルの間に配置され、前記混練用通路内における前記2種類の被混練材料の流れ方向を規制する仕切板と、前記一対のノズルを前記仕切板を挟んだ状態で結合する結合部材とを備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記2種類の被混練材料に圧縮作用とこの圧縮作用に基づく変形作用とを与える機能と、前記2種類の被混練材料に合流と分割とを起こさせる機能とを有すること、前記仕切板は、前記2種類の被混練材料を混練するように、その流れ方向を規制すること、前記仕切板は、前記2種類の被混練材料を混練しないように、その流れ方向を規制すること、前記第1及び第2の容器はチューブ状であること、前記一対のノズルは、ネジによって前記第1及び第2の容器に装着すること、前記2種類の被混練材料は、シリコン系2液性樹脂からなる歯科用印象材であること、を特徴とする。
【0011】
(作用)
本発明においては、混練用ノズルを一度使用した後、次に使用するときには、一対のノズルを分解して混練用通路を露出し、仕切板のみを交換して他の部品は再使用する。このとき、一対のノズルの混練用通路の先端側に付着している被混練材料は、十分に混練されて硬化しているので廃棄するが、根元側に付着している被混練材料は、未だ混練されておらず硬化していないので、これを次回の混練に使用することができる。
【0012】
また、仕切板によって材料の流れ方向を規制することにより、2種類の被混練材料を混練して吐出するか、または混練しないでそのまま吐出することもできる。更に、容器をチューブ状にすることにより、使用済みの容器を小さく潰して廃棄することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る混練用ノズルの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の混練用ノズル1を示す。この混練用ノズル1は、後述の混練用通路10(図3)の片半分ずつを有する一対のノズル11、12と、これらの一対のノズル11、12の間に配置される仕切板13と、一対のノズル11、12の間に仕切板13を挟んだ状態で結合する結合部材14とを備えている。
【0015】
一対のノズル11、12は樹脂でほぼ半円錐形に成形されており、それぞれ流動性のある被混練材料A,Bを収容した第1容器17と第2容器18に着脱可能になっている。仕切板13には、所定の位置に複数の孔35a、35bが設けられており、片方のノズル11又は12内を流れる被混練材料A又はBの一部を、反対側のノズル12又は11側にも流すことにより、これらの被混練材料A,Bを混練するようになっている。
【0016】
また、結合部材14はキャップ状であり、図2に示すように一対のノズル11、12の間に仕切板13を挟んだ状態で、その上から被せることによりこれらを一体に結合し、混練用ノズル1を形成するようになっている。この混練用ノズル1内には、混練用通路10が形成される。
【0017】
第1容器17及び第2容器18は、変形自在なチューブ状のものを使用することができる。これらの第1容器17及び第2容器18の材料出口には、図1に示すようにネジ17A,18Aが設けられており、保管時にはここに蓋17A,18Aが取り付けられている。本実施の形態では、第1容器17及び第2容器18に、被混練材料A,Bであるシリコン系2液性樹脂からなる歯科用印象材が収容されている。
【0018】
これらの第1及び第2容器17、18は、図2に示すように、その下端部に例えば市販の絞り器19などを取り付けて回転させることにより、内部に収容されている被混練材料A,Bを同時に押し出すことができる。ここで押し出された被混練材料A,Bは、混練用ノズル1の混練用通路10を通って先端から吐出される。
【0019】
次に、この混練用ノズル1の混練用通路10の構造について説明する。この混練用通路10は、基本的には特開平10−286448号公報の混練装置の内部通路と同様である。
【0020】
この混練用ノズル1の混練用通路10は、図3に示すように基本的には2種類の通路群20、21を交互に接続して構成されている。なお、1段目の通路群20Aは、2段目以降の通路群20とほぼ同じであるが、第1及び第2容器17、18の材料出口17A,18Aに装着するために、その入口部分を広くして装着用のネジ11A,12Aを設けたものである。
【0021】
通路群20、21は、被混練材料A,Bの要求される混練度に応じて適宜な段数だけ設けられている。すなわち、通路群20、21の段数を多くするほど混練回数が多くなり、混練度が高くなる。
【0022】
ここで、各通路群20、21について具体的に説明する。各通路群20、21は、図4に示すように交互に接続されており、それぞれ2個の変形通路22、23及び24、25を有している。なお、これらの変形通路22、23及び24、25の境界は、図中にハッチングで示した仕切板13と、界壁29(図10)とによって仕切られているが、ここでは図を簡略化するために界壁29を省略した。また、図4中の符号P1〜P3は、一方の通路群20における入口部、中間部、出口部の材料通過位置を示し、符号Q1〜Q3は他方の通路群21の入口部、中間部、出口部の材料通過位置を示している。
【0023】
一方の通路群20は、図5にも示すようにその変形通路22、23が同じ方向に並んで配置されている。これらの変形通路22、23の一方の端部には、縦長の入口部22a、23aが左右に並んで設けられている。また、他方の端部には、横長の出口部22b,23bが上下に重ねて設けられている。すなわち、出口部22b,23bは、入口部22a,23aを90°回転させた状態になっている。
【0024】
これらの変形通路22、23は、その断面形状が入口部22a,23aから出口部22b,23bに向かって連続的に変化している。その変化の態様については、各変形通路22、23とも、任意の位置での断面積は入口部22a,23aから出口部22b,23bまで同じであり、断面の形状のみが連続的に変化している。
【0025】
つまり、入口部22a,23aはX方向に長い長方形であり、入口部22a,23aと出口部22b,23bの中間部P2においてはその断面形状が正方形となり、出口部22b,23bはX方向に対して直交するY方向に長い長方形となる。変形通路22、23の長さは同じである。従って、各変形通路22、23を通る被混練材料A,Bは、その断面形状がX方向に長い長方形から徐々に正方形に変化し、そこから、更にY方向に長い長方形に徐々に変化することになる。
【0026】
この通路群20は、図6にも示すように図中の左側に位置する入口部22aと、上方に位置する出口部22bとが変形通路22で連通し、図中の右側に位置する入口部23aと下方に位置する出口部23bとが変形通路23で連通している。
【0027】
もう一方の通路群21は、図7に示すように基本的には上述した通路群20と同様であるが、この通路群21では、図8にも示すように、図中の左側に位置する入口部24aと下方に位置する出口部24bとが変形通路24で連通し、図中の右側に位置する入口部25aと、上方に位置する出口部25bとが変形通路25で連通している。すなわち、この通路群21は、他方の通路群20に対して各変形通路24、25の入口部24a,25aと出口部24b,25bとの位置関係を反対にしている。
【0028】
そして、2種類の通路群20、21の接続部では、上流側の通路群20における変形通路22、23の出口部22b、23bが、それぞれ下流側の通路群21における両方の変形通路24、25の入口部24a、25aの上半分と下半分とに連通している。
【0029】
そのため、一方の通路群20における各変形通路22、23を通過した被混練材料A,Bの半分ずつが、他方の通路群21の各変形通路24、25内に入ることにより実質的に合流することになる。また、1つの例えば変形通路24を通った被混練材料A,Bについてみると、2つの通路群20、21の接続部でそれぞれ半分ずつに分割されることになる。
【0030】
従って、2つの通路群20、21の接続部である出口側端部と入口側端部とに形成されている各変形通路22〜25の各出口部22b〜25bと各入口部22a〜25aとが、被混練材料A,Bの合流分割手段を構成することになる。このような通路群20、21を、図3に示したように交互に且つ直列に複数個接続すれば、それぞれの接続部に被混練材料A,Bの合流分割手段が構成されることになる。
【0031】
このような通路群20、21を被混練材料A,Bが通過する際には、図9に示すような形態を示す。なお、図中の符号P1〜P3、Q1〜Q3は、図4における各通路群20、21の材料通過位置を示している。また、符号A、Bは被混練材料を示している。
【0032】
同図から分かるように、通路群20の入口部P1では、被混練材料A,Bが縦長に2分割されており、中間部P2では被混練材料A,Bがそれぞれ正方形に変化し、出口部P3では横長の正方形に変化して上下に配置されている。
【0033】
そして、次の通路群21の入口部Q1においては、前の通路群20の出口部P3で上下に分割されていた横長の被混練材料A,Bが重畳されると共に、仕切板13によって縦に2分割されて縦長の長方形となる。これが、中間部Q2において正方形となり、出口部Q3では2種類の被混練材料A,Bが横長の状態で上下に重畳され、これが2段にわたって積層された状態になっている。
【0034】
すなわち、上流側の通路群20の各変形通路22、23の出口22b,23bにおいて、上下に分かれて流れてきた被混練材料A,Bが、下流側の通路群21の各変形通路24、25に入るときに、上下に重畳されると共に、左右に2分割されることになる。これにより、2種類の被混練材料A,Bが、実質的に合流及び分割される。したがって、通路群20、21の数が多くなるほど、被混練材料A,Bの分割と合流の回数が多くなるので、その混練度が高くなる。
【0035】
次に、一対のノズル11、12の具体的な構成について説明する。上述した混練用通路10の各通路群20、21は、図3に示すように一対のノズル11、12と仕切板13とを一体化したときに、その内部空間によって形成されるものであり、一対のノズル11、12には、通路群20、21を仕切板13のところで分割して、その片半分ずつが形成されている。
【0036】
ここで、一方の通路群20の変形通路22、23は、図5に示すように入口部22a、23aが並列に配置され、出口部22b,23bにかけて上下に分かれていくようになっている。つまり、変形通路22、23は、互いに反転した関係になっている。したがって、一対のノズル11、12は全く同じものであり、その一方を反転して他方と組み合わせることにより、混練用通路10を形成することができる。
【0037】
そこで、ここでは一方のノズル11について説明する。ノズル11は、図10に示すようにその結合面26が長方形になっている。そして、この結合面26には、混練用通路10の2種類の通路群20,21(図3)の片半分を構成する2種類の溝27,28が交互に設けられている。なお、1段目の溝27Aは3段目以降の溝27と基本的に同じであり、ネジ11Aを設けるために入口側だけ広げたものである。
【0038】
ここで、各溝27、28について説明する。まず、溝27は、図10に示すように入口部P1において結合面26の水平中心線CLの両側に広がっており、ここから中間部P2にかけての溝部分30の幅が狭くなると同時に水平中心線CLより片側に偏っていく。この溝部分30は、図11に示すように深さが徐々に浅くなっている。但し、一段目の入口部P1から中間部P2にかけての溝部分30aは、ネジ孔11Aを設ける必要から他より深くなっている。
【0039】
図11の入口部P1の溝30の断面は、図12(A)に示すように縦長の長方形になっている。なお、図12(B)はノズル11、12を組み合わせたときの全体の溝形状を示すものであり、これについては後で説明する。
【0040】
図10において、溝27の中間部P2から出口部P3にかけての溝部分31a,31bは、水平中心線CL上に設けられた界壁29の両側に広がっている。その片方の溝部分31aは、その前の溝部分30に連続している。他方の溝部分31bは中間部P2から始まっている。
【0041】
界壁29より上の溝部分31aは、図11に示すように深さが徐々に浅くなり、界壁29より下の溝部分31bは、深さが0から徐々に深くなっている。そして、出口部P3では両方の溝部分31a、31bの深さが同一になっている。
【0042】
中間部P2の溝の断面は、図13(A)に示すように溝部分31aが正方形であり、溝部分31bはまだ表れていない。また、出口部P3の溝の断面は、図14(A)に示すように、両方の溝部分31a、31bとも界壁29を挟んで長方形になっている。
【0043】
次に、溝28について説明すると、図10に示すように入口部Q1から中間部Q2にかけての溝部分32は、上流側の溝27の出口部P3から連続しており、その幅は水平中心線CLの両側に広がっている。この溝部分32には界壁29がなく、その深さは、図11に示すように徐々に深くなっている。また、溝の断面は、図15(A)に示すように縦長の長方形となっている。
【0044】
図10に示すように、溝28の中間部Q2から出口部Q32にかけては、界壁29を挟んで両側に溝部分33a,33bが設けられている。図中下側の溝部分33bは、前の溝部分32に連続している。また、上側の溝部分33aは、中間部Q2から始まっている。
【0045】
一方の溝部分33aは、図11に示すようにその深さが0から徐々に深くなり、もう一方の溝部分33bは徐々に浅くなっている。そして、出口部Q3で両方の溝部分33a、33bの深さが同じになっている。
【0046】
中間部Q2の溝の断面は、図16(A)に示すように一方の溝部分33bが正方形であり、他方の溝部分33aはここではまだ表れていない。また、出口部Q3の溝の断面は、図17(A)に示すように両方の溝部分33a,33bが界壁29を挟んで横長の長方形になっている。
【0047】
次に、仕切板13について説明する。この仕切板13は、図18にも示すように細長い長方形であり、所定の位置に台形の孔35a,35bがリブ35cを挟んで設けられている。この孔35a,35bは、ノズル11、12の溝27、28の中間部P2、Q2から出口部P3、Q3にかけての溝部分31a、31b、33a、33bに整合配置され、リブ35cは界壁29に整合配置される。
【0048】
上述の溝27、28が設けられたノズル11、12を、間に仕切板13を挟んで組み立てると、その全体の溝形状は図12(B)〜図17(B)のようになる。すなわち、溝27の入口部P1では、図12(B)に示すように仕切板13の両側に変形通路22、23の入口部22a,23a(図6)が形成される。
【0049】
溝27の中間部P2では、図13(B)に示すように、水平中心線の上下に正方形の通路が互いに反対側に位置して形成される。そして、溝27の出口部P3では、図14(B)に示すように界壁29の上下に、変形通路22、23の出口部22b,23bが形成される。
【0050】
次の溝28の入口部Q1では、図15(B)に示すように仕切板13の両側に縦長の入口部24a、25bが形成され、中間部Q2では、図16(B)に示すように、正方形の通路が仕切板13の両側に形成される。そして、出口部Q3では、図17(B)に示すように界壁29の上下両側に、変形通路24、25の出口部24b、25bが形成される。なお、上述した図12(B)〜図17(B)の溝形状は、図8の通路の形状に対応している。
【0051】
この混練用ノズル1を使用する場合には、図2に示すように第1容器17及び第1容器18に、混練用ノズル11、12を装着し、これらの混練用ノズル11、12の間に仕切板13を挟んで、結合部材14を被せることにより、混練用ノズル1を組み立てる。
【0052】
この場合、第1容器17と第2容器18が並列配置されるので、その下端部に絞り器19を取り付けてこれを回すことにより、第1容器17及び第2容器18の側面が押圧されて、それぞれの内部に収容されている被混練材料A,Bが押し出される。
【0053】
この被混練材料A,Bは、混練用ノズル1の混練用通路10を通過して吐出される。このとき、上述のように変形通路22〜25によって、被混練材料A,Bの分割と合流が繰り返されると共に、変形通路22〜25の断面形状が変化するのに伴ってその壁面から圧縮力を受けて変形するので、被混練材料A,Bが十分に混練されるようになる。
【0054】
このようにして、混練用ノズル1を使用した後、次に混練用ノズル1を使用する場合には、図19に示すように混練用ノズル1を分解して、ノズル11、12の結合面26を露出する。そうすると、結合面26に設けられた溝27、28内に残留している被混練材料A,Bが露出される。
【0055】
ここで、ノズル11、12の先端側にある被混練材料A,Bは、十分に混練されて硬化しているので、仕切板13と一緒に取り出して廃棄する。仕切板13は、構成が簡単なので洗浄して再使用することもできる。また、ノズル11、12の根元側では、被混練材料A,Bが未だ混練されていないので、液状のまま残留している。そこで、この混練されていない部分はそのまま残しておいて次回の混練に使用することができる。
【0056】
このように、本発明に係る混練用ノズル1は、ノズル11、12の溝27、28が露出されるので、成形が容易である。また、使用者が有している第1及び第2容器17、18にノズル11、12などを取り付けることになるので、製品の出荷時には混練用ノズル1の各部を分解した状態で送ることができるため、組み立てが不要になる。
【0057】
更に、使用後に根元側に残留している未混練状態の被混練材料A,Bを、次回の混練時に使用することができるので、被混練材料A,Bの無駄を省くことができる。また、1回使用後に交換するのは構成が簡単で非常に安価な仕切板13だけであり、構成が比較的複雑なノズル11、12及び結合部材14は、繰り返して使用することができるので、消耗品が少なくなる。
【0058】
更に、ノズル11、12はネジによって第1及び第2容器17、18に確実に装着できるので、取り付け作業が容易であると共に、その接合部から被混練材料A,Bが漏れ出ることもない。また、被混練材料A,Bを押し出すために、従来のようなミキシングガン等を使用する必要が無く、一般に市販されている簡単な絞り器などを使用できる。以上のことから、使用者の大幅なコスト低減が可能になる。
【0059】
また、第1容器17及び第2容器18は、各種の製品に一般的に使用されているチューブ状のものを使用できるので、被混練材料A,Bを第1容器及び第2容器18に充填するときに、従来から行われている一般的な充填方法を採用することができる。更に、第1及び第2容器17、18は、図20に示すように、使用後には小さく潰して廃棄することができるので、産業廃棄物や医療廃棄物などの廃棄量を低減することができ、環境保護の上からも有利である。
【0060】
(第2実施形態)
上述の第1実施形態では、仕切板13に孔35a、35bを開けることにより、ノズル11、12内を流れる被混練材料A,Bの流れ方向を規制して、反対側のノズル12、11側にも流すことにより、被混練材料A,Bを混練するようにしたが、図21に示すように孔のない仕切板36を用いることにより、図22に示すように第1及び第2容器17、18から押し出された被混練材料A,Bを混練することなく、そのまま混練ノズル1から吐出することもできる。この場合には、別々に吐出された比混練材料A,Bを手作業などで任意の割合で混練するようなことが可能になる。
【0061】
また、上述の実施の形態では、各通路群20、21の変形通路22、23及び24、25を2連にしたが、この変形通路を3連以上にすることができる。こうすることにより、被混練材料A,Bの混練度を高くすることが可能になる。さらに、被混練材料A,Bとしては、適度な流動性を有しチューブ状の容器に入ったものであれば、歯科用印象材以外の混練を必要とする種々のものに適用することが可能である。また、第1及び第2容器17、18の押圧は、絞り器19に限らず手作業でもでき、又モータなどを使用して自動的に行うことができ、この場合には作業者の両手があくので、混練作業やその他の作業をし易くなる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、混練用ノズルの一対のノズルに設けられた混練用通路を露出することができるので、成形が容易になると共に、製品出荷時には混練用ノズルを分解した状態で出荷できるので、部品の成形費用及び組み立て費用の低減が可能になる。
【0063】
また、使用時には、被混練材料の硬化した部分と仕切板とを廃棄するだけで、一対のノズルと結合部材は繰り返して使用できると共に、ノズルの基部側に残留している未硬化の被混練材料は次回の混練に使用でき、更に、使用時に被混練材料が漏れ出ることがないので、被混練材料の無駄を省くことができるため、使用者のコスト低減が可能になる。
【0064】
また、仕切板によって材料の流れ方向を規制することにより、2種類の被混練材料を混練して吐出するか、または混練しないでそのまま吐出するかを選択できるので、使用者の使い勝手が良くなる。
【0065】
更に、第1及び第2容器を一般的に広く使用されているチューブ状にすることにより、被混練材料を従来の充填方法で充填できる。また、使用済みの容器を小さく潰して廃棄することができるので、産業廃棄物や医療廃棄物の廃棄量を低減でき、環境保護の上からも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る混練用ノズルの第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る混練用ノズルの使用状態を示す図である。
【図3】本発明に係る混練用ノズルの混練用通路を示す断面図である。
【図4】本発明に係る混練用ノズルの混練用通路の通路群を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る混練用ノズルの一方の通路群を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る混練用ノズルの一方の通路群の分離状態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る混練用ノズルの他方の通路群を示す斜視図である。
【図8】本発明に係る混練用ノズルの他方の通路群の分離状態を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る混練用ノズルの通路群の断面の変化を示す図である。
【図10】本発明に係る混練用ノズルの各ノズルの溝を示す図であり、図3のA−A断面図である。
【図11】図10のB−B断面図である。
【図12】本発明に係る混練用ノズルの通路位置P1における断面図である。
【図13】本発明に係る混練用ノズルの通路位置P2における断面図である。
【図14】本発明に係る混練用ノズルの通路位置P3における断面図である。
【図15】本発明に係る混練用ノズルの通路位置Q1における断面図である。
【図16】本発明に係る混練用ノズルの通路位置Q2における断面図である。
【図17】本発明に係る混練用ノズルの通路位置Q3における断面図である。
【図18】本発明に係る混練用ノズルの仕切板を示す正面図である。
【図19】本発明に係る混練用ノズルを分解した状態を示す斜視図である。
【図20】本発明に係る混練用ノズルを装着可能な容器の廃棄状態を示す斜視図である。
【図21】本発明に係る混練用ノズルの第2の実施の形態の仕切板を示す斜視図である。
【図22】本発明に係る混練用ノズルの第2の実施の形態の使用状態を示す図である。
【符号の説明】
1 混練用ノズル
10 混練用通路
11、12 ノズル
13、36 仕切板
14 結合部材
17 第1の容器
18 第2の容器
A、B 被混練材料
Claims (7)
- 流動性のある2種類の被混練材料を別々に収容する第1及び第2の容器に装着し、前記第1及び第2の容器から押し出された前記2種類の被混練材料を同一の吐出口から吐出するための混練用ノズルであって、
前記2種類の被混練材料が通過する混練用通路の片半分ずつを有すると共に、前記第1及び第2の容器のそれぞれの材料出口に装着する一対のノズルと、
前記一対のノズルの間に配置され、前記混練用通路内における前記2種類の被混練材料の流れ方向を規制する仕切板と、
前記一対のノズルを前記仕切板を挟んだ状態で結合する結合部材とを備えていることを特徴とする混練用ノズル。 - 前記2種類の被混練材料に圧縮作用とこの圧縮作用に基づく変形作用とを与える機能と、前記2種類の被混練材料に合流と分割とを起こさせる機能とを有することを特徴とする請求項1に記載の混練用ノズル。
- 前記仕切板は、前記2種類の被混練材料を混練するように、その流れ方向を規制することを特徴とする請求項1または2に記載の混練用ノズル。
- 前記仕切板は、前記2種類の被混練材料を混練しないように、その流れ方向を規制することを特徴とする請求項1または2に記載の混練用ノズル。
- 前記第1及び第2の容器はチューブ状であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の混練用ノズル。
- 前記一対のノズルは、ネジによって前記第1及び第2の容器に装着することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の混練用ノズル。
- 前記2種類の被混練材料は、シリコン系2液性樹脂からなる歯科用印象材であることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の混練用ノズル。
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