JP4040477B2 - 照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、携帯電話、カーオーディオ、パチンコ台、スロット台、車両室内、犬の首輪、キッチンの足元、交通標識、洗面台、シャワー、浴槽の湯温表示機、OA機器のバックライト等の照明用として好適な照明装置に係り、特に、柔軟性に優れることから容易に任意の形状に配設することが可能であるとともに、配設した形状を確実且つ容易に固定保持することが可能になることから、光源と光伝送体の端面の距離が再現性の良いものとなるため、個々の出射光量のバラツキが減少して品質を安定させることができ、且つ、生産性にも優れた照明装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、コア及びクラッドからなり、長さ方向の少なくとも一端から入射された光を他端又は周方向(側面)から出射させる光伝送体と、光源とを組み合わせた、線状の照明装置が種々提案されている。
【0003】
この種の照明装置に用いられる光伝送体としては、例えば、透明なコア材と、このコア材よりも屈折率の小さなクラッド材とからなり、コア材中に散乱性粒子が分散された構成のものがある。ここで、コア材としては、メチルメタクリレート(MMA)等の(メタ)アクリル系ポリマー、クラッド材としては、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系ポリマーが、好ましい材料として挙げられている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
又、別の光伝送体としては、樹脂製コア材と、このコア材よりも低屈折率の樹脂製クラッド材とからなり、コア材中に微粒子が混合された構成のものがある。ここで、コア材としては、シリコーンゴム、クラッド材としては、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素系樹脂が、好ましい材料として挙げられている(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
又、別の光伝送体としては、チューブ状クラッド材とチューブ状クラッド材内に収容されチューブ状クラッド材よりも屈折率の高い非晶質コア材から構成されたものが、当該出願人から出願されている。ここで、コア材としては、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物からなる重合体が、好ましい材料として挙げられている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
ここで、照明装置としての使用用途を更に広げるためには、光伝送体の配設の自由度等が必要になる。そのため、従来の光伝送体の中でも、例えば、曲げ弾性率が2000MPa以下程度の柔軟性を有する光伝送体を使用することによって、照明装置としての使用用途を更に広げる試みがなされている。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−131529号公報
【0008】
【特許文献2】
特開2000−321444号公報
【0009】
【特許文献3】
国際出願PCT/JP02/08563
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、柔軟性を有する光伝送体は、容易に配設することはできるが、弾性変形するため、屈曲させた部分が元の形状に戻ってしまうという問題があった。このような場合、光伝送体は当初に配設した位置とは別の位置に移動してしまっているため、所望とする部分への照明ができなってしまう。更に、光源と光伝送体の端面の距離は再現性の悪いものとなることから、光伝送体への入射光量が均一でなくなるため、大量生産した際、個々の出射光量のバラツキが増加し、品質を安定させることができなくなってしまう。このような問題に対しては、例えば、加熱処理による型付けなどが対策として考えられるが、この場合には、型付けの形状が安定せず、再加熱や時間の経過により元の形状に戻ってしまうなどの問題があった。更に、型付けのための設備が必要であるとともに加熱処理に長時間が掛かることから生産性が悪いものとなってしまった。
【0011】
本発明はこのような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、柔軟性に優れることから容易に任意の形状に配設することが可能であるとともに、配設した形状を確実且つ容易に固定保持することが可能になることから、光源と光伝送体の端面の距離が再現性の良いものとなるため、個々の出射光量のバラツキが減少して品質を安定させることができ、且つ、生産性にも優れた照明装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するべく、本発明の請求項1による照明装置は、弾性を有し、曲げ弾性率が2000MPa以下である光伝送体と、該光伝送体の少なくとも一端に配設された光源と、該光伝送体を屈曲した状態で固定保持する固定手段とを備えており、上記光伝送体の少なくとも1つの端面が、上記固定手段の外面を構成する平面の一部と、同一平面上に保持されていることを特徴とするものである。
又、請求項2による照明装置は、上記光伝送体は、クラッド材と、該クラッド材よりも屈折率の高い非晶質コア材とからなり、該非晶質コア材は、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物からなる重合体を少なくとも構成成分として有した非流動化物から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項3による照明装置は、上記光伝送体は、クラッド材と、該クラッド材よりも屈折率の高い非晶質コア材とからなり、該非晶質コア材は、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物との重合のみによって非流動化した重合体を少なくなくとも構成成分として有しているものであることを特徴とするものである。
又、請求項4による照明装置は、上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物はイソシアネート基を持つ化合物から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項5による照明装置は、上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物はイソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物から構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項6による照明装置は、上記ポリマーポリオールはポリオキシプロピレンポリオールから構成されていることを特徴とするものである。
又、請求項7による照明装置は、上記非晶質コア材中に微粒子が分散されていることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明における光伝送体は、曲げ弾性率が2000MPa以下である必要がある。曲げ弾性率が2000MPa以下でないと、屈曲したまま固定保持することが困難になってしまう。曲げ弾性率はJIS K6911−1995に準拠した3点曲げ試験で求めた。クロスヘッドスピードは2.0mm/minで行った。曲げ弾性率は次式によって計算した。
E=(4L3/3πd4)×(F/Y)
E:曲げ弾性率(MPa)
L:支点間距離(mm)
d:試験片の外径(mm)
F/Y:荷重−たわみ曲線の直線部分の勾配(N/mm)
【0014】
本発明における照明装置において使用される光伝送体は、クラッド材と、該クラッド材よりも屈折率の高い非晶質コア材とからなることが好ましい。このような光伝送体であれば、クラッド材とコア材の界面において光の全反射が起こりやすくなるとともに、コア材の透明度をより向上させることができるため、光伝送損失を低減させることが可能となる。
【0015】
クラッド材の構成材料としては、プラスチックやエラストマーなどのように可とう性があり、成形が容易なものであれば何でも良く特に限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、シリコーン樹脂、天然ゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン(PFA)、ポリクロルトリフルオロエチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレンプロピレンゴム、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV)、ポリパーフルオロブテニルビニルエーテル、TFE−パーフルオロジメチルジオキソラン共重合体、フッ素化アルキルメタクリレート系共重合体、フッ素系熱可塑性エラストマーなどのフッ素系ポリマーが挙げられる。これらは、単独、又は、2種以上をブレンドして用いることができる。これらの中でも、PTFE、FEP、PFA、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、THV、ポリパーフルオロブテニルビニルエーテル、TFE−パーフルオロジメチルジオキソラン共重合体、フッ素系熱可塑性エラストマーなどは、透明性と機械的特性に優れることから好ましい。
【0016】
コア材の構成材料としては、上記のクラッド材よりも屈折率の高い材料を使用するのが好ましい。コア材としては、(メタ)アクリル系ポリマー、シリコーン系ポリマー、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物からなる重合体などが考えられる。これらのうち柔軟性と高温高湿下での経時特性を考えると、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物の重合体を構成成分の一つとして使用するのが好ましい。ポリマーポリオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリオキシアルキレンポリオール、ウレタン変性ポリエーテルポリオール、シリコーン変性ポリエーテルポリオール等の変性ポリオキシアルキレンポリオール、ポリエーテルエステルコポリマーポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、又は、これらの共重合体又は混合物などが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシプロピレンポリオールは、高温高湿度の条件や温水中でも優れた出射特性を示すことから好ましい。
【0017】
上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物としては、N−カルボニルラクタム基を持つ化合物、ハロゲン化物、イソシアネート基を持つ化合物、イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物などが挙げられる。イソシアネート基を持つ化合物としては、例えば、脂肪族系ポリイソシアネート、脂環族系ポリイソシアネート、芳香族系ポリイソシアネートなどが挙げられる。イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物としては、例えば、イソシアネートをラクタム等公知の方法でブロックしたブロックイソシアネート、イソシアネート基を公知の方法で多量化したイソシアヌレートを持つ化合物などが挙げられる。これらは、単独、又は、2種以上をブレンドして用いることができる。これらの中でも、イソシアネート基を持つ化合物、又は、イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物は、高温高湿の条件下や温水中でも優れた側面出射特性を示すことから好ましい。イソシアネート基を持つ化合物の中でも脂環族ポリイソシアネートは更に好ましい。イソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物の中でもイソシアヌレート結合を有するものは更に好ましい。
【0018】
上記コア材に微粒子を分散させることにより、光散乱機能を付与し、入射された光を周方向(側面)から出射させる側面出射型光伝送体としても良い。
微粒子としては、まず、無機材料として、石英ガラス、多成分ガラスなどのガラス微粒子、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウムなどの金属酸化物粒子、硫酸バリウムなどの硫酸塩粒子、炭酸カルシウムなどの炭酸塩粒子などが挙げられる。次に、有機材料として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子、ポリスチレン粒子、ポリカーボネート粒子などやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、四フッ化エチレン−パーフロロアルコキシエチレン(PFA)、ポリクロルトリフルオロエチレン(PCTFE)、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレンプロピレンゴム、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体(THV)、ポリパーフルオロブテニルビニルエーテル、TFE−パーフルオロジメチルジオキソラン共重合体、フッ素化アルキルメタクリレート系共重合体、フッ素系熱可塑性エラストマーなどのフッ素系ポリマーの粒子などが挙げられる。これらは、使用するコア材の構成材料や非流動化処理条件、光伝送体の長さ、側面出射光量、使用条件、又は、微粒子の真比重、形状、粒径、濃度、屈折率などを考慮して適宜に選択すれば良い。
【0019】
微粒子の粒径としては、50μm以下のものが、非流動化処理時に微粒子が均一な分散状態を保持することができ、ムラのない側面出射特性が得られることから好ましい。但し、粒径は上記の数値に限定されることはなく、例えば、使用するコア材の構成材料や非流動化処理条件、光伝送体の長さ、側面出射光量、使用条件、又は、微粒子の真比重、形状、濃度、屈折率などを考慮して適宜に選択すれば良い。要は、非流動化処理時に、微粒子が均一な分散状態を保持することができるような条件を吟味して選択すれば良い。
【0020】
本発明における光伝送体は、上記の構成材料を使用して、例えば、以下に示すような方法によって製造する。まず、チューブ状に成形したクラッド材の内部に流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物と、微粒子の混合物を少なくとも充填する。ここで「少なくとも」とは、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物の重合体と微粒子を構成成分として有しているものであれば良く、その他の第三成分を含む場合も当然のことながら想定されるものである。次いでポリマーポリオールとヒドロキシ基多官能化合物を、微粒子の分散状態を保持したまま、例えば、加熱などにより反応させ非流動化処理を施す。ここで、流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物と、微粒子の混合物を、クラッド材の内部に充填する前に、ポリマーポリオールとヒドロキシ基多官能化合物に加熱などの前処理を行い、粘度を高めておくことも考えられる。こうすることにより、微粒子の分散状態をより均一なものとすることが可能である。
【0021】
流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物と、微粒子の混合物をクラッド材の内部に充填する方法としては、例えば、真空ポンプやチューブポンプを使用する方法や、加圧充填する方法が挙げられる。又、別の方法として、例えば、クラッド材を押出成形法によりチューブ状に成形する際に、同時に流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基多官能性化合物と、微粒子の混合物を充填する方法も考えられる。こうすることにより、長尺の光伝送体を連続して製造することが可能である。
【0022】
本発明における光源としては、従来公知の発光素子、例えば、LED(発光ダイオード)やLD(レーザダイオード)などが使用可能である。又、光源の発光色や設置個数については、特に限定されることはなく、例えば、発光色が赤、青、緑、黄、橙、白等のLEDから適宜選択したり、複数個のLEDを組み合わせたりすることにより、様々な発色を得ることや、光量を増大させることができる。
【0023】
本発明における固定手段の材質は、セラミックス、鉄系合金、ニッケル合金、アルミニウム合金、真鍮、エポキシ系樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ABS樹脂、ポリ塩化ビニリデンなど、注型加工、射出加工、切削加工、塑性加工が可能なものであれば何でも良い。又、固定手段の形態は、光伝送体を屈曲した状態で固定保持できるものであれば特に限定されない。例えば、図2及び図3に示すように、固定手段4として溝加工を施したパーツを2個用意し、片方のパーツの溝に光伝送体2を沿わせた後、パーツを適当な方法で嵌合した形態などが考えられる。又、他の形態としては、例えば、一枚又は複数枚の板状の固定手段を光伝送体に沿わせ、この板状の固定手段を板金プレス等で塑性加工して、光伝送体を屈曲した状態で固定保持する形態が考えられる。更に、他の形態としては、例えば、屈曲させた状態の光伝送体の形状に対応した貫通孔が設けられた固定手段を用意し、この固定手段の貫通孔に光伝送体を通す形態などが考えられる。
【0024】
尚、図3に示すように、光伝送体2の少なくとも1つの端面が、固定手段4の少なくとも一部の平面と同一平面上に保持されていれば、光伝送体2の端部において、変形や位置のずれが生じることはないことから、以下のような効果が得られるため好ましい。まず、光伝送体2の光源3側の端面を固定した場合、光源3と光伝送体2の端面の距離は再現性の良いものが得られることから、光伝送体2への入射光量は均一なものとなる。そのため、大量生産した際、個々の出射光量のバラツキが減り、品質を安定させることができる。又、光伝送体2の光源3側とは他方の端面を固定した場合、端面から光を出射させる際に出射方向を安定させることができるため、被照射物への光量が均一になるとともに、美しい装飾が可能になる。
【0025】
上記のようにして得られた光伝送体と光源と固定手段を、例えば、図1に示すように接続することによって、本発明の照明装置が得られる。ここで、符号1は照明装置を、符号2は光伝送体を、符号3は光源、符号4は固定手段を示す。この際の接続手順は、これらの部品を組み合わせるだけの非常に簡便なものであり、例えば、加熱処理による型付けのように、特別な設備や長時間の処理は必要ないため、生産性を大幅に向上させることができる。又、屈曲した状態が固定手段4により確実に固定保持されているため、光伝送体2が元の形状に戻ってしまうようなこともない。
【0026】
尚、図1では、光伝送体2の片端のみに光源3を接続した照明装置1を示したが、光伝送体2として入射された光を周方向(側面)から出射させる側面出射型光伝送体を使用した場合、光伝送体2の両端に光源3を接続することも考えられる。こうすることにより、より高輝度な発光を得ることが可能となるとともに、夫々の端で異なる発光色の光源を用いることによって、照明装置の長さ方向で徐々に変色しながら発光させることもでき、多彩な装飾表現が可能となる。
【0027】
【実施例】
以下に図面を参照して本発明の実施例と比較例を説明する。
【0028】
実施例1
コア材2bを構成するポリマーポリオールとしては、ポリオキシプロピレントリオール10gとポリオキシプロピレンジオール10gを使用する。ヒドロキシ基反応性多官能化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート20gを使用する。又、クラッド材2aとしては、外径1.4mmのFEPチューブを使用する。又、微粒子としては、平均粒径5μmのガラスビーズ0.01gを使用する。そして、流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物と、微粒子の混合物を上記のチューブ内に充填し、100℃で加熱して非流動化処理を施し、光伝送体2を得た。又、この光伝送体2とは別に、ABS樹脂を図2に示す形状に切削加工した固定手段4を用意した。この固定手段4と光伝送体2を、図2に示すように屈曲させた状態で嵌合した後、図3に示すように固定手段4の平面と同一平面上で光伝送体2の端面を切断した。これと光源3としての白色LEDとを接続して、図1に示すような照明装置1を得た。
【0029】
実施例2
コア材2bを構成するポリマーポリオールとしては、ポリオキシプロピレントリオール12gとポリオキシプロピレンジオール12gを使用する。ヒドロキシ基反応性多官能化合物としては、コスモネートNBDI(三井武田ケミカル社製)13gを使用する。又、クラッド材2aとしては、外径1.4mmのFEPチューブを使用する。又、微粒子としては、平均粒径5μmのガラスビーズ0.01gを使用する。そして、流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物と、微粒子の混合物を上記のチューブ内に充填し、100℃で加熱して非流動化処理を施し、光伝送体2を得た。又、この光伝送体2とは別に、ABS樹脂を図2に示す形状に切削加工した固定手段4を用意した。この固定手段4と光伝送体2を、図2に示すように屈曲させた状態で嵌合した後、図3に示すように固定手段4の平面と同一平面上で光伝送体2の端面を切断した。これと光源3としての白色LEDとを接続して、図1に示すような照明装置1を得た。
【0030】
実施例3
コア材2bを構成するポリマーポリオールとしては、ポリオキシプロピレントリオール10gとポリオキシプロピレンジオール10gを使用する。イソシアヌレート結合を有するヒドロキシ基反応性多官能化合物としては、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)20gを使用する。又、クラッド材2aとしては、外径1.4mmのFEPチューブを使用する。又、微粒子としては、平均粒径5μmのガラスビーズ0.01gを使用する。そして、流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物と、微粒子の混合物を上記のチューブ内に充填し、100℃で加熱して非流動化処理を施し、光伝送体2を得た。又、この光伝送体2とは別に、ABS樹脂を図2に示す形状に切削加工した固定手段4を用意した。この固定手段4と光伝送体2を、図2に示すように屈曲させた状態で嵌合した後、図3に示すように固定手段4の平面と同一平面上で光伝送体2の端面を切断した。これと光源3としての白色LEDとを接続して、図1に示すような照明装置1を得た。
【0031】
実施例4
コア材2bを構成するポリマーポリオールとしては、ポリオキシプロピレントリオール20gを使用し、イソシアヌレート結合を有するヒドロキシ基反応性多官能化合物としては、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)20gを使用する。又、クラッド材2aとしては、外径1.4mmのFEPチューブを使用する。又、微粒子としては、平均粒径5μmのガラスビーズ0.01gを使用する。そして、流動状態のポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物と、微粒子の混合物を上記のチューブ内に充填し、100℃で加熱して非流動化処理を施し、光伝送体2を得た。又、この光伝送体2とは別に、ABS樹脂を図2に示す形状に切削加工した固定手段4を用意した。この固定手段4と光伝送体2を、図2に示すように屈曲させた状態で嵌合した後、図3に示すように固定手段4の平面と同一平面上で光伝送体2の端面を切断した。これと光源3としての白色LEDとを接続して、図1に示すような照明装置1を得た。
【0032】
実施例5
微粒子として平均粒径70μmのガラスビーズ0.01gを使用した他は、実施例3と同様にして光伝送体2を得た。又、この光伝送体2とは別に、ABS樹脂を図2に示す形状に切削加工した固定手段4を用意した。この固定手段4と光伝送体2を、図2に示すように屈曲させた状態で嵌合した後、図3に示すように固定手段4の平面と同一平面上で光伝送体2の端面を切断した。これと光源3としての白色LEDとを接続して、図1に示すような照明装置1を得た。
【0033】
実施例6
コア材2bとしては、市販の2液混合タイプのポリオルガノシロキサンを使用する。又、クラッド材2aとしては、外径1.4mmのFEPチューブを使用する。又、微粒子としては、平均粒径5μmのガラスビーズ0.01gを使用する。そして、流動状態のポリオルガノシロキサンと、微粒子の混合物を上記のチューブ内に充填し、100℃で加熱して非流動化処理を施し、光伝送体2を得た。又、この光伝送体2とは別に、ABS樹脂を図2に示す形状に切削加工した固定手段4を用意した。この固定手段4と光伝送体2を、図2に示すように屈曲させた状態で嵌合した後、図3に示すように固定手段4の平面と同一平面上で光伝送体2の端面を切断した。これと光源3としての白色LEDとを接続して、図1に示すような照明装置1を得た。
【0034】
比較例1
コア材2bとしては、PMMA系のプラスチック材料を使用する。又、クラッド材2aとしては、外径1.4mmのFEPチューブを使用する。又、微粒子としては、平均粒径5μmのガラスビーズ0.01gを使用する。そして、上記のコア材と微粒子を混合したものを上記のチューブ内に充填し、加熱硬化させ、光伝送体2を得た。又、この光伝送体2とは別に、ABS樹脂を図2に示す形状に切削加工した固定手段4を用意した。この固定手段4と光伝送体2を、図2に示すように屈曲させた状態で嵌合した後、図3に示すように固定手段4の平面と同一平面上で光伝送体2の端面を切断した。これと光源3としての白色LEDとを接続して、図1に示すような照明装置1を得た。
【0035】
比較例2
実施例3で得た外径1.4mmの光伝送体2を金型に嵌合させた状態で熱処理を行って屈曲した状態に変形させた後、固定手段を用いずに、光源3としての白色LEDと接続し、照明装置1を得た。尚、熱処理には100℃で30分の時間を必要とした。
【0036】
ここで、本実施例による照明装置の特性を評価するために、以下に示すような試験を実施した。
【0037】
曲げ弾性率:
照明装置1の光伝送体2部分について、JIS K6911−1995に準拠した3点曲げ試験により曲げ弾性率を求めた。試料の形状は長さ200mmとし、クロスヘッドスピードは2.0mm/minで行った。尚、本試験については、外径が1.4mmの光伝送体2では試験が困難であったため、外径が7.0mmの光伝送体2を作製し、これにより試験を行った。結果は表1に示した。
側面出射特性:
(A)初期特性
照明装置1の光伝送体2部分の長さを約200mmとして、直線状態に配設し、側面出射光量の測定を行った。側面出射光量は、光源3としての白色LEDを原点とし、そこから100mmの位置での側面出射光量を100とし照度計で変化率を200mmの位置まで測定した。結果は図4に示した。
(B)バラツキ
照明装置1の光伝送体2部分の長さを約200mmとして、直線状態に配設し、側面出射光量の測定を行った。側面出射光量は、光源3としての白色LEDを原点とし、そこから100mmの位置での側面出射光量をn=20について測定し、各試料のバラツキを測定した。結果は表1に示した。
(C)均一性
照明装置1の光伝送体2部分の長さを約200mmとして、直線状態に配設し、側面出射光量の測定を行った。側面出射光量は、光源3としての白色LEDを原点とし、そこから100mmの位置において、同一円周上の側面出射光量を0°〜270°の範囲で90°おきに照度計で測定した。結果は、表2に示した。
(D)経時特性
照明装置1の光伝送体2部分約150mmを60℃の温水中に所定時間放置した後取出し、室温で30分間放置する。そして、直線状に配設した状態で側面出射光量の初期値からの出射光量変化率を測定した。出射光量変化率は、光源3としての白色LEDを原点とし、そこから100mmの位置における側面出射光量を照度計で測定し、算出した。結果は図5に示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
これらの試験結果から次のことが判明した。まず、曲げ弾性率であるが、光伝送体の曲げ弾性率が2000MPa以下である本実施例によるものは何れも、比較例1に比べて配設の容易さや自由度が著しく優れていた。
【0041】
次に、側面出射特性(初期特性)であるが、実施例1〜6によるものは何れも、光源3からの距離に係わらず安定した側面出射光量が得られており、優れた側面出射特性を示している。しかし、比較例1で使用した光伝送体は配設時にコア材が折れてしまい、配設後は光伝送体としての機能を失ってしまった。又、比較例2によるものは、配設は容易で自由度は高いものの、個々の試料に出射光量のバラツキが見られ、品質が安定していなかった。
又、コア材2bを構成するヒドロキシ基反応性多官能化合物として、脂環族ポリイソシアネートを使用した実施例2及び、ヒドロキシ基反応性多官能化合物として、イソシアヌレート結合を有するものを使用した実施例3及び実施例4は、特に優れた側面出射特性を示している。これに対して、使用した微粒子の粒径が本発明の好ましい範囲の上限値(50μm)を超える実施例5は、実使用上問題はないものの、光源3からの距離が離れるに従って、次第に側面出射光量が減少していることが確認された。
【0042】
次に、均一性であるが、使用した微粒子の粒径が本発明の好ましい範囲の上限値(50μm)以下の実施例1〜4及び6は、何れも同一円周上で均一な側面出射光量が得られている。これに対して、使用した微粒子の粒径が本発明の好ましい範囲の上限値(50μm)を超える実施例5は、実使用上問題はないものの、同一円周上での側面出射光量に若干のバラツキが見られた。
【0043】
次に、側面出射特性(経時特性)であるが、本実施例によるものは何れも温水中における側面出射光量の低下が殆どなく、優れた側面出射特性を長期間安定して維持している。コア材2bを構成するヒドロキシ基反応性多官能化合物として、脂環族ポリイソシアネートを使用した実施例2及び、ヒドロキシ基反応性多官能化合物として、イソシアヌレート結合を有するものを使用した実施例3及び実施例4は、特に優れた経時特性を示している。又、コア材2bとしてポリオルガノシロキサンを使用した実施例6は、温水の影響により50時間経過後に白濁してしまったが、短時間の使用には十分に耐え得るものであった。尚、比較例2については、24時間を経過した段階で屈曲した状態から戻ってしまったため、測定をすることができなかった。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、特に、柔軟性に優れることから容易に任意の形状に配設することが可能であるとともに、配設した形状を確実且つ容易に固定保持することが可能になることから、光源と光伝送体の端面の距離が再現性の良いものとなるため、個々の出射光量のバラツキが減少して品質を安定させることができ、且つ、生産性にも優れた照明装置を提供することが可能である。そのため、この照明装置は、例えば、携帯電話、カーオーディオ、パチンコ台、スロット台、車両室内、犬の首輪、キッチンの足元、交通標識、洗面台、シャワー、浴槽の湯温表示機、OA機器のバックライト等の照明用として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施の形態の一例を示す図で、照明装置の概略断面図である。
【図2】本発明による実施の形態の一例を示す図で、照明装置の分解斜視図である。
【図3】本発明による実施の形態の一例を示す図で、照明装置のうちの光伝送体と固定手段とを嵌合させた状態を示す斜視図である。
【図4】本実施例による照明装置の側面出射特性(初期特性)を示す図である。
【図5】本実施例による照明装置の側面出射特性(経時特性)を示す図である。
【符号の説明】
1 照明装置
2 光伝送体
2a クラッド材
2b コア材
3 光源
4 固定手段
Claims (7)
- 弾性を有し、曲げ弾性率が2000MPa以下である光伝送体と、該光伝送体の少なくとも一端に配設された光源と、該光伝送体を屈曲した状態で固定保持する固定手段とを備えており、上記光伝送体の少なくとも1つの端面が、上記固定手段の外面を構成する平面の一部と、同一平面上に保持されていることを特徴とする照明装置。
- 請求項1記載の照明装置において、上記光伝送体は、クラッド材と、該クラッド材よりも屈折率の高い非晶質コア材とからなり、該非晶質コア材は、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物からなる重合体を少なくとも構成成分として有した非流動化物から構成されていることを特徴とする照明装置。
- 請求項1記載の照明装置において、上記光伝送体は、クラッド材と、該クラッド材よりも屈折率の高い非晶質コア材とからなり、該非晶質コア材は、ポリマーポリオールとヒドロキシ基反応性多官能化合物との重合のみによって非流動化した重合体を少なくなくとも構成成分として有しているものであることを特徴とする照明装置。
- 請求項2又は請求項3記載の照明装置において、上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物はイソシアネート基を持つ化合物から構成されていることを特徴とする照明装置。
- 請求項2又は請求項3記載の照明装置において、上記ヒドロキシ基反応性多官能化合物はイソシアネート基から誘導される官能基を持つ化合物から構成されていることを特徴とする照明装置。
- 請求項2乃至5記載の照明装置において、上記ポリマーポリオールはポリオキシプロピレンポリオールから構成されていることを特徴とする照明装置。
- 請求項2乃至6記載の照明装置において、上記非晶質コア材中に微粒子が分散されていることを特徴とする照明装置。
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