JP3931321B2 - ウエハ搬送装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造プロセスなどで使用されるウエハ搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ウエハ搬送装置は、例えば図7(a)平面図、(b)側断面図に示すように構成されているものが開示されている(例えば、特開平8−335620号公報)。
図において、10は中空状の胴体部で、上面に貫通穴110を設けてある。20は胴体部10の中に収納した駆動モータ、210は駆動モータ20のモータ軸に連結された減速機、220は減速機の出力軸で、貫通穴110から上方に突出してある。30は水平方向に伸びる第1のアームで、一方端を出力軸220に固定してある。40は第1のアーム30の上面に設けたリニアモータ、410は固定子で、長手方向に長いコア420に配列した複数個のスロット430と、スロット430の中に装着した複数の電機子巻線440から構成されている。450は固定子410に空隙を介して対向する永久磁石からなる可動子である。50は第1のアーム30の長手方向に沿って伸びる第2のアームで、一方端付近に可動子450を取り付けてある。60は半導体ウエハなどのワークWを把持する把持装置である。
このような構成で、駆動モータ20により第1のアーム30を旋回し、かつリニアモータ40により第2のアーム50を直線移動することにより、ワークWを第2のアーム50の動作範囲内の任意の位置に搬送することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術では、ワークWの搬送ストロークを長くしたい場合、リニアモータ40のコア420および電機子巻線440をストローク方向に長くする必要があり、第2アーム50を胴体部10に最も近寄せたときに、ウエハ搬送装置全体の長さが大きくなるという問題があった。
本発明は、リニアモータを2段に形成し、安価でコンパクトなウエハ搬送装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、中空状の胴体部の中に収納した駆動モータと、前記駆動モータによって駆動される出力軸と、一方端を前記出力軸に固定した水平方向に伸びる第1のアームと、前記第1のアームに沿って直線移動し、先端部に把持装置を設けた第2のアームとを備えたウエハ搬送装置において、前記第1のアームと前記第2のアームの間に前記第1のアームの長手方向に沿って伸びる中間アームを設け、前記第1のアームに設けた第1の永久磁石と前記中間アームに設けたシート状の電機子巻線とにより前記中間アームを駆動する第1のリニアモータを形成し、前記電機子巻線と前記第2のアームに設けた第2の永久磁石により前記第2のアームを駆動する第2のリニアモータを形成したものである。
また、前記第1の永久磁石は、前記第1の永久磁石は、前記第1のアームの他方端の上面に前記第1のアームの幅方向の片側に寄せて長手方向に所定のピッチで異極を形成し、前記第2の永久磁石は、前記第2のアームの下面に前記第1の永久磁石と幅方向に所定の間隔をあけて反対側の片側に寄せて長手方向に前記第1の永久磁石と同じピッチで異極を形成し、前記電機子巻線は、前記第1のアームの幅とほぼ同じ幅で巻回し、前記第1の永久磁石と同じピッチで長手方向に配列して前記第1の永久磁石と空隙を介して対向するようにシート状に形成し、前記電機子巻線の一方の面に前記第1の永久磁石を空隙を介して対向させ、他方の面に前記第2の永久磁石を空隙を介して対向させたものである。
前記中間アームは、複数の前記電機子巻線を一体に固着した絶縁樹脂部と、前記絶縁樹脂部の両側を補強し、前記第1のアームに沿って摺動し得る非磁性材料からなる両縁部とを設けたものである。
したがって、第1および第2アームの長手方向の長さを従来構成のほぼ2/3に短くすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は本発明の実施例を示す平面図、図2はその側断面図、図3は正面図である。
図において、1は中空状の胴体部で、上面に貫通穴11を設けてある。2は胴体部1の中に収納した駆動モータ、21は駆動モータ2のモータ軸に連結された減速機、22は減速機の出力軸で、貫通穴11から上方に突出してある。3は水平方向に伸びる第1のアームで、一方端を出力軸22に固定してある。31は第1のアーム3の他方端の上面に異極(N極、S極)が長手方向に所定のピッチで形成された第1の永久磁石で、第1のアーム3の幅方向の一方の片側に寄せて固定している。
4は第1のアーム3の上方に第1のアーム3の長手方向に沿って伸びる中間アーム、41は第1のアーム3の幅とほぼ同じ幅で巻回した3相の電機子巻線で、第1の永久磁石31のピッチと同じピッチで長手方向に配列し、電機子巻線41の下面は第1の永久磁石31と空隙を介して対向している。42は複数の電機子巻線41を一体に固着した絶縁樹脂部、43は絶縁樹脂部42を補強する非磁性材料からなる両縁部で、第1のアーム3に沿って摺動し得るようにしてある。
5は中間アーム4の上方に中間アーム4の長手方向に沿って伸びる第2のアーム、51は第2のアーム5の一方端の下面に第1の永久磁石31と間隔Lをあけて反対側の片側に寄せて形成した第2の永久磁石で、第2のアーム5の電機子巻線41の上面に空隙を介して対向している。
すなわち、第1の永久磁石31と電機子巻線41とで中間アーム4を直線移動させる第1のリニアモータ7Aを構成し、第2の永久磁石51と電機子巻線41とで第2のアームを直線移動させる第2のリニアモータ7Bを構成している。
6は半導体ウエハなどのワークWを把持する把持装置である。
【0006】
ここで、本実施例の動作を説明する。
図4に示すように、電機子巻線41を励磁すると、第1の永久磁石31と第2の永久磁石51が電機子巻線41の互いに反対側に対向しているため、電機子巻線41の電流の方向に対して、それぞれ第1の永久磁石31と第2の永久磁石51が受ける推力は逆方向になり、第1の永久磁石は31は図の右方向に移動し、第2の永久磁石51は左方向に移動する。
その結果、第1の永久磁石31を固定した第1のアーム3は出力軸22に固定してあるので移動せず、相対的に電機子巻線41を設けた中間アーム4が左方向に移動し、更に第2のアームも左方向に移動し、図6に示すように、第1のアーム3と第2のアーム5が重なった状態ではアームの長さ方向の大きさが小さくなる。
【0007】
また、第1の永久磁石31と第2の永久磁石51は、電機子巻線41の上と下にそれぞれ別れて配置され、かつ、互いに幅方向の反対側に間隔Lを開けて形成されているため、図5に示すように、第1の永久磁石31と第2の永久磁石51が幅方向に並んだ位置に来ても、第1の永久磁石31と第2の永久磁石51の漏洩磁束の干渉が相互に生じることなく、中間アーム4、第2のアーム5は円滑に移動することができる。
さらに、電機子巻線41はシート状に形成され、第1のリニアモータ7Aと第2のリニアモータ7Bの両方の電機子巻線の役割を果たしているので、アームの駆動機構が簡単となり、コストを低減できる。
このような構成により、駆動モータ2により第1のアーム3を旋回し、かつ第1のリニアモータ7Aにより中間アーム4を直線移動し、更に第2のリニアモータ7Bにより第2のアームを直線移動することにより、ワークWを第2のアームの動作範囲内の任意の位置に搬送することができる。
【0008】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、固定した第1のアームと把持装置を設けた第2のアームの間に、2段のリニアモータの電機子巻線を設けた中間アームを設け、電機子巻線を二つのリニアモータに共通に使用し、それぞれのリニアモータの永久磁石の漏洩磁束の干渉をなくした構成により、アームの長手方向の長さを従来構成のほぼ2/3にすることができ、かつコストを低減できるので、動作が安定した極めてコンパクトなウエハ搬送装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す平面図である。
【図2】 本発明の実施例を示す側断面図である。
【図3】 本発明の実施例を示す正面図である。
【図4】 本発明の実施例の電機子巻線と永久磁石との関係を示す(a)平面図および(b)側面図である。
【図5】 本発明の実施例の動作後の電機子巻線と永久磁石との関係を示す(a)平面図および(b)側面図である。
【図6】 本発明の実施例の動作後の状態を示す側断面図である。
【図7】 従来例を示す(a)平面図および(b)側断面図である。
【符号の説明】
1:胴体部、11:貫通穴、2:駆動モータ、21:減速機、22:出力軸、3:第1のアーム、31:第1の永久磁石、4:中間軸、41:電機子巻線、42:絶縁樹脂部、43:両縁部、5:第2のアーム、51:第2の永久磁石、6:把持装置、7A:第1のリニアモータ、7B:第2のリニアモータ
Claims (3)
- 中空状の胴体部1の中に収納した駆動モータ2と、前記駆動モータ2によって駆動される出力軸22と、一方端を前記出力軸22に固定した水平方向に伸びる第1のアーム3と、前記第1のアーム3に沿って直線移動し、先端部に把持装置6を設けた第2のアーム5とを備えたウエハ搬送装置において、
前記第1のアーム3と前記第2のアーム5の間に前記第1のアーム3の長手方向に沿って伸びる中間アーム4を設け、
前記第1のアーム3に設けた第1の永久磁石31と前記中間アーム4に設けたシート状の電機子巻線41とにより前記中間アーム4を駆動する第1のリニアモータ7Aを形成し、
前記シート状の電機子巻線41と前記第2のアーム5に設けた第2の永久磁石51により前記第2のアーム5を駆動する第2のリニアモータ7Bを形成し、
前記シート状の電機子巻線41が、前記第1のリニアモータ7Aと前記第2のリニアモータ7Bの両方の電機子巻線を構成していることを特徴とするウエハ搬送装置。 - 前記第1の永久磁石31は、前記第1のアーム3の他方端の上面に前記第1のアーム3の幅方向の片側に寄せて長手方向に所定のピッチで異極を形成し、前記第2の永久磁石51は、前記第2のアーム5の下面に前記第1の永久磁石31と幅方向に所定の間隔をあけて反対側の片側に寄せて長手方向に前記第1の永久磁石31と同じピッチで異極を形成し、前記電機子巻線41は、前記第1のアーム3の幅とほぼ同じ幅で巻回し、前記第1の永久磁石31と同じピッチで長手方向に配列して前記第1の永久磁石31と空隙を介して対向するようにシート状に形成し、前記電機子巻線41の一方の面に前記第1の永久磁石31を空隙を介して対向させ、他方の面に前記第2の永久磁石51を空隙を介して対向させたことを特徴とする請求項1記載のウエハ搬送装置。
- 前記中間アーム4は、複数の前記電機子巻線41を一体に固着した絶縁樹脂部42と、前記絶縁樹脂部42の両側を補強し、前記第1のアーム3に沿って摺動し得る非磁性材料からなる両縁部43とを設けたことを特徴とする請求項1記載のウエハ搬送装置。
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1997
- 1997-10-31 JP JP31600397A patent/JP3931321B2/ja not_active Expired - Fee Related
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