JP3928191B2 - 摩擦が低減された複写機原稿台用ガラスおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、原稿自動供給機能付き複写機の原稿供給中に、原稿つまりが生じないよう摩擦抵抗が十分に低減された原稿台用ガラスおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原稿自動供給機能を有する複写機の原稿台用ガラスには、通常酸化錫膜等の透明導電膜を設けた板ガラスが、原稿紙との機械的摩擦で発生する静電気を防止するため使用される。さらに、この機械的摩擦を低減するため、特開昭62−293236号公報にはポリフルオロアルキル基を含有する化合物を被覆した複写機原稿台用ガラスが、そして特開昭63−233027号公報には珪素にイソシアネート基を結合させた化合物を被覆した複写機原稿台用ガラスがそれぞれ記載されている。しかし、これらの摩擦低減膜では、十分な摩擦低減効果が得られず、原稿自動供給機能付き複写機の原稿供給中に原稿つまりが生じる一つの原因となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決して、良好な潤滑性を有する摩擦低減膜が被覆された摩擦の極めて小さい複写機原稿台用ガラスおよびその製造方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく本発明は、摩擦を低減しようとする基材表面を、特定の珪素含有高分子被膜で被覆することにより該基材表面の凹凸を覆い隠し、滑らかな塗膜面を形成すると同時に、該珪素含有高分子中に添加された潤滑剤分子が塗膜面の外表面に並び、良好な潤滑層をワンコートで得られる組成物を設計し、その組成物の塗工方法について鋭意研究の結果本発明に至った。
【0005】
すなわち、本発明は、導電膜が被覆された透明ガラス板上に、(1)シリコンアルコキシドの加水分解物と、(2)変性ポリジメチルシロキサンとの混合溶液を、塗布し加熱してなる変性ポリジメチルシロキサン含有のシリカ膜が形成され、摩擦が低減された複写機原稿台用ガラスであって、
前記シリコンアルコキシドが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシトリエトキシシラン、グリシジロキシエチルトリエトキシシランから選ばれる1種または2種以上のシリコンアルコキシドであり、
前記変性ポリジメチルシロキサンが、片末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン、両末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン、側鎖アミノ変性ポリジメチルシロキサン、側鎖カルビノール変性ポリシロキサン、側鎖カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン、両末端カルボキシル変性ポリジメチルシロキサンから選ばれる変性ポリジメチルシロキサンである、摩擦が低減された複写機原稿台用ガラスである。
【0006】
本発明の摩擦が低減された複写機原稿台用ガラスは、以下の手順で調製される。まず、シリコンアルコキシドの加水分解物を次のように調製する。1種または2種以上のシリコンアルコキシドを容器に測り取り、溶剤を加え、加水分解のための水と酸触媒を添加して、加温しながら還流し、加水分解を行う。環流に代えて溶剤の気化消失を防ぐ他の手段、例えば密封容器内で反応させるようにしてもよい。ここで、シリコンアルコキシドとは、下記(1)式に示す化合物を言う。
【0007】
(化1)
Rk−Si−(OR’)4-k (1)
但し、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ビニル基、アクリロキシル基、メタクリロキシル基、ヒドロキシアルキルメタクリロキシル基、またはグリシジロキシル基(エポキシ基)を表し、OR’はメトキシ基、エトキシ基、またはイソプロポキシ基を表す。kは0または1である。
【0008】
このような薬剤としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシトリエトキシシラン、グリシジロキシエチルトリエトキシシランなどが例示できる。これらの中でテトラアルコキシシラン、特にテトラエトキシシランが最も入手し易いのでよく使われる。
【0009】
シリコンアルコキシドとしてテトラアルコキシシランを単独使用することにより、緻密な高硬度の膜が得られる。膜の硬度が高くなると製造時の加熱工程で膜にクラックが生じ易くなるので、クラック発生を防止するために、テトラアルコキシシランとメチルトリアルコキシシシランを混合使用して、膜に可撓性を持たせることが有効である。また使用時の膜の磨耗による耐久性の劣化を防止し、かつ、下地の導電膜の表面粗度の影響を受ける摩擦低減膜の表面粗度をより小さくするために、膜の厚みは大きいほど良い。しかし厚膜化すると上記加熱時のクラックが更に発生し易くなるので、上記混合使用が好ましい。テトラエトキシシランとメチルトリエトキシシランの好ましい混合比(質量比)は、95:5〜50:50、より好ましくは80:20〜60:40である。その他に、シリコンアルコキシドへのコロイダルシリカの添加も、同様に膜に可撓性を持たせるので、クラック発生防止および厚膜化のために有効な手段であり、好ましいコロイダルシリカの添加量は、シリコンアルコキシドに対して2〜20質量%である。
【0010】
上記の溶剤としてはシリコンアルコキシドおよび水のいずれとも相溶性のあるメタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類、エチレングリコールなどのポリオール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、エチルセロソルブなどのセロソルブ類、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドのうちから1種または2種以上を選択して使用でき、使用量としてはシリコンアルコキシド1モルに対し3モルから40モルが望ましい。これは、3モル以上では加水分解速度が大きくなり過ぎて反応制御が難しく、40モル以上では逆に反応終了に時間がかかりすぎるためである。
【0011】
また、酸触媒としては塩酸、硝酸などの鉱酸、酢酸、酪酸などの有機酸を使用することができ、添加量はシリコンアルコキシド1モルに対し0.001モルから0.3モルが望ましい。加水分解のための水は、シリコンアルコキシド1モルに対し、1〜10モル、望ましくは2〜8モル添加される。
【0012】
還流温度は、室温から80℃の範囲で、溶剤、水分、触媒量に応じて選択される。場合によっては、還流中に減圧し、発生する水分やアルコールをトラップして系を濃縮しても構わない。還流時間は還流温度によって異なるが、30分〜8時間の範囲内である。
【0013】
上記環流により加水分解を終了した溶液は、そのままあるいは溶剤により希釈される。その後、基材表面粗度あるいは後述する湿式法によるコーティング方法に応じて、不揮発分の質量が3%から15%となるように調製される。
【0014】
潤滑剤成分は、コーティング直前に、加水分解を終了した上記溶液に添加しよく混合する。潤滑剤成分であるポリジメチルシロキサンまたは変性ポリジメチルシロキサンの添加量は、シリコンアルコキシドに対して0.1乃至1.2モル%とすることが好ましい。これは、0.1モル%未満では潤滑性が不十分となり易く、1.2モル%より高くなると表面に余剰潤滑剤が滴状に浮きだし易くなり、外観が悪くなるためである。
【0015】
潤滑剤成分として使用される変性ポリジメチルシロキサンとは、ポリジメチルシロキサンの両末端、片末端、または側鎖のメチル基を他の官能基で置換したものであり、以下に下記(3)式、(4)式、および(5)式で表される変性ポリジメチルシロキサンを例示する。変性ポリジメチルシロキサンは単独で使用してもよく、またこれらを2種以上混合して使用してもよい。
【0016】
【0017】
【化3】
(ただし、nは整数を表し、R1はそれぞれ単独に水酸基、カルボキシアルキル基、そのアルキルエステル、アミノアルキル基、ジアミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはジヒドロキシアルキル基を表す)
【0018】
【化4】
(ただし、nは整数を表し、R2は水酸基、カルボキシアルキル基、そのアルキルエステル、アミノアルキル基、ジアミノアルキル基、ヒドロキシアルキル基またはジヒドロキシアルキル基を表す)
【0019】
【化5】
(ただし、mはゼロまたは整数を表し、nは整数を表し、R3はアミノアルキル基、ジアミノアルキル基、カルボキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、またはジヒドロキシアルキル基を表す)
【0020】
このような潤滑剤成分の例としては、片末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン、両末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン(分子量3200、チッソ製PS340.5およびPS−341)、側鎖アミノ変性ポリジメチルシロキサン(信越シリコーン製 KF−859、KF−865)、側鎖カルビノール変性ポリシロキサン(東レシリコーン製 SF8428)、側鎖カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン(信越シリコーン、X−22−3710)、両末端カルボキシル変性ポリジメチルシロキサン(東レシリコーン製、BY16−750)などが挙げられる。
【0021】
これら潤滑剤成分の分子量は、粘度範囲で表して、動粘度で50×10-6m2/s(50cSt)から1500×10-6m2/s(1500cSt)の範囲内になるようなものが望ましく、通常は1000〜8000(×10-6m2/s)である。これは、50×10-6m2/s(50cSt)未満では潤滑性能が不十分であり、1500×10-6m2/s(1500cSt)より大きくなると作業性が不良になるとともに、被膜の厚みが不均一となって外観が悪くなるためである。
【0022】
このようにして得た混合溶液をガラス板、例えば酸化錫導電膜を表面に形成したソーダ石灰珪酸塩ガラス板、その他の基材の表面に塗布(コーティング)する。コーティング方法は、スピンコータ、ロールコータ、カーテンコータなどのコーティング装置を用いる方法のほか、流し塗り法、浸漬引き上げ法、各種印刷法などを用いることができる。
【0023】
風乾後のコーティング膜は、電気乾燥機その他の加熱機を用いて、150℃から290℃望ましくは200℃から290℃で加熱される。これは、加熱温度が150℃よりも低いとシリカ膜の脱水縮合が進まず十分な硬度が得られず、290℃よりも高いと潤滑性成分が分解するためである。塗布厚みは、加熱後の膜の厚みが10〜200nm(100〜2000オングストローム)の範囲になるように調節される。厚みがあまり小さいと耐久性が低く、逆に大きすぎると膜にクラックが生じやすくなる。
【0024】
これらの手順により、導電膜付きガラス膜面に、ポリジメチルシロキサン含有シリカ膜からなる摩擦低減膜を設けた、紙つまり等の起こりにくい複写機用天板ガラスが得られる。
【0025】
本発明によって、ガラス板表面の摩擦係数が低く、かつ帯電防止性を損なわない摩擦が低減された複写機原稿台用ガラスが得られる。特に酸化錫膜等の透明導電膜を設けた複写機用天板ガラスでは、一般に透明導電膜の表面粗度が高くなって、原子間力顕微鏡(AFM)による測定で表面粗度Raは2nmを越える。このような導電膜面に対して摩擦低減膜を設けることにより、摩擦低減膜の表面粗度は2nm未満となり、摩擦係数の減少に寄与する。
【0026】
摩擦低減膜は、シリカを主成分とするのでその表面導電率は著しく小さいが、シリコンアルコキシドから湿式法により作製されたシリカ質の摩擦低減膜は細孔をもつ多孔質であり、摩擦低減膜の表面に発生した荷電粒子はこの細孔を通じて導電膜に移動するため、帯電防止機能が失われることはない。従って、紙つまり等の起こりにくい摩擦低減膜を有する原稿自動供給機能付き複写機用天板ガラスが提供される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を説明する。
複写機原稿台用ガラスは、ガラス板上に導電膜、およびポリジメチルシロキサン含有シリカ膜がその順に積層されてなるものである。そしてポリジメチルシロキサン含有シリカ膜の外側表面層は、ポリジメチルシロキサンを高い濃度で含む層である。導電膜は帯電防止を目的とするものであり、例えば酸化錫、酸化インジウム、錫ドープインジウム(ITO)等の被膜をスパッタリング法、化学的気相成長法(CVD法)等によって形成したものである。
【0028】
実施例1
CVD法により酸化錫導電膜を表面に形成した30cm×45cm、厚み5mmのソーダ石灰珪酸塩ガラス板を用意した。原子間力顕微鏡(AFM)により導電膜の表面粗度を測定したところ、Ra値が約6nmであった。
【0029】
テトラエトキシシラン1モルに対し、酢酸0.1モル、純水11モル、エタノール36モルを加えて、環流により50℃で2時間攪拌した。室温下で約30時間静置した後、これに両末端シラノール変性ジメチルポリシロキサン(チッソ製PS340.5、分子量3200)を、テトラエトキシシラン1モルに対して0.0012モル加えてよく攪拌後、この溶液を直ちにスピンコート法により、前記の酸化錫導電膜付きガラスの膜面上にコーティングし、風乾後250℃で100分間熱処理した。厚みが約50nm(約500オングストローム)のポリジメチルシロキサン含有シリカ膜を形成した。AFMによるシリカ膜のRa値は約1nmであり、シリカ膜の表面凹凸が導電膜の表面凹凸よりも小さくなっていた。またポリジメチルシロキサン含有シリカ膜の外側表面では、ポリジメチルシロキサンの濃度が高くなっていることが確かめられた。また帯電防止性は保たれていた。
【0030】
実施例2
両末端シラノール変性ジメチルポリシロキサンの添加量を0.003モルとした以外は、実施例1と同じ操作法により酸化錫膜上に厚みが約50nm(約500オングストローム)のポリジメチルシロキサン含有シリカ膜を形成した。
【0031】
実施例3
両末端シラノール変性ジメチルポリシロキサンの添加量を0.006モルとした以外は、実施例1と同じ操作法により酸化錫膜上に約50nm(約500オングストローム)のポリジメチルシロキサン含有シリカ膜を形成した。
【0032】
実施例1〜3で得られた酸化錫膜上のシリカ膜を目視により外観検査し、さらに、紙と膜面の動摩擦係数を測定した。この測定には、新東科学製の表面測定機「HEIDON−14」を用い、摩擦測定用圧子に20mm×100mmの大きさのコピー用紙を取り付けて平面圧子とし(ただし、実際の接触部分は20mm×19mmの大きさである)、この圧子に100gの垂直荷重を掛けて走査速度50mm/分で測定した。この結果を表1に示す。因に未処理の導電膜の摩擦係数は0.6であった。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例4
膜厚を100nm(1000オングストローム)とした以外は、実施例1と同じ操作法により酸化錫膜上にポリジメチルシロキサン含有シリカ膜を形成した。
【0035】
この膜の動摩擦係数を、実施例1〜3と同様な方法により測定したところ、摩擦係数が0.1以下であった。
【0036】
実施例5
コーティング装置としてロールコータを用いた以外は、実施例1と同じ操作法により酸化錫膜上にポリジメチルシロキサン含有シリカ膜を形成した。外観、摩擦係数とも実施例1と差がなかった。
【0037】
実施例6
酸触媒として酢酸に代えて、塩酸をテトラエトキシシラン1モルに対し0.01モル添加した以外は、実施例1と同じ操作法により酸化錫膜上にポリジメチルシロキサン含有シリカ膜を形成した。外観、摩擦係数とも実施例1と差がなかった。
【0038】
実施例7
酸触媒として酢酸に代えて、硝酸をテトラエトキシシラン1モルに対し0.01モル添加した以外は、実施例1と同じ操作法により酸化錫膜上にポリジメチルシロキサン含有シリカ膜を形成した。外観、摩擦係数とも実施例1と差がなかった。
【0039】
実施例8
実施例1において調製したコーティング液に、さらにエタノールをテトラエトキシシラン1モルに対し167モルを加え、コーティング方法を流し塗り法として酸化錫膜上にポリジメチルシロキサン含有シリカ膜を形成した。外観、摩擦係数とも実施例1と差がなかった。
【0040】
実施例9
潤滑剤成分として、カルビノール変性ポリシロキサン(東レシリコーン製 SF8428)をテトラエトキシシラン1gに対して0.04g添加した以外は、実施例1と同じ操作法により酸化錫膜上にポリジメチルシロキサン含有シリカ膜を形成した。外観良好、摩擦係数は0.08と実施例1よりも低かった。
【0041】
実施例10
潤滑剤成分として、アミノ変性ポリシロキサン(信越シリコーン製 KF859)をテトラエトキシシラン1gに対して0.04g添加した以外は、実施例1と同じ操作法により酸化錫膜上にポリジメチルシロキサン含有シリカ膜を形成した。外観良好、摩擦係数は0.05と実施例1よりも低かった。
【0042】
比較例
シリコンアルコキシドを使用せずに、潤滑剤成分として両末端シラノール変性ジメチルポリシロキサン(チッソ製 PS340.5)のみを使用し、これをエタノールで500倍(質量比)に希釈して潤滑層形成溶液を調製した。そして、この溶液をベンコットクリーンルーム用ワイピングクロスに含ませて酸化錫膜上にむらなく塗布し、同じワイピングクロスを巻いたスポンジブロックで仕上げの空拭きを行って、厚みが約5nm(約50オングストローム)の潤滑層を形成した。外観は良好であったが、摩擦係数は0.52と非常に高かった。潤滑層の厚みが小さいので、その表面凹凸は導電膜の表面凹凸よりもそれ程小さくならず、従って殆ど摩擦低減効果がなかった。
【0043】
【発明の効果】
本発明により、表面の摩擦抵抗が大きくて原稿の滑りがわるい導電膜付複写機原稿台ガラスの摩擦係数を、帯電防止性能を損なうことなく低減できるため、従来同目的に使用できなかった、表面粗度の高い透明導電膜付きガラスであっても良好な潤滑性が得られ、摩擦の極めて小さい複写機原稿台ガラスを提供できる。
Claims (3)
- 導電膜が被覆された透明ガラス板上に、シリコンアルコキシドの加水分解物と、変性ポリジメチルシロキサンとの混合溶液を、塗布し加熱してなる変性ポリジメチルシロキサン含有のシリカ膜が形成され、摩擦が低減された複写機原稿台用ガラスであって、
前記シリコンアルコキシドが、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシトリエトキシシラン、グリシジロキシエチルトリエトキシシランから選ばれる1種または2種以上のシリコンアルコキシドであり、
前記変性ポリジメチルシロキサンが、片末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン、両末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン、側鎖アミノ変性ポリジメチルシロキサン、側鎖カルビノール変性ポリシロキサン、側鎖カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン、両末端カルボキシル変性ポリジメチルシロキサンから選ばれる変性ポリジメチルシロキサンである、摩擦が低減された複写機原稿台用ガラス。 - 前記混合溶液中に、前記変性ポリジメチルシロキサンが前記シリコンアルコキシドに対して0.1〜1.2モル%含有されている請求項1記載の摩擦が低減された複写機原稿台用ガラス。
- 導電膜が被覆された透明ガラス板上に、
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシトリエトキシシラン、グリシジロキシエチルトリエトキシシランから選ばれる1種または2種以上のシリコンアルコキシドの加水分解物と、
片末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン、両末端シラノール変性ポリジメチルシロキサン、側鎖アミノ変性ポリジメチルシロキサン、側鎖カルビノール変性ポリシロキサン、側鎖カルボキシ変性ポリジメチルシロキサン、両末端カルボキシル変性ポリジメチルシロキサンから選ばれる変性ポリジメチルシロキサンとの混合溶液を塗布し加熱することで、
変性ポリジメチルシロキサン含有のシリカ膜を形成することを特徴とする、摩擦が低減された複写機原稿台用ガラスの製造方法。
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