JP3923035B2 - 生体状態分析装置及び生体状態分析方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の状態を計測して得られたデータを分析する生体状態分析装置及び生体状態分析方法に関し、さらに詳しくは、生体の状態を計測して得られたデータから生体の状態を認識する生体状態分析装置及び生体状態分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
生体の状態を計測して得られた時系列データから生体の行動や状況を自動的に認識することは、人体の健康管理や、異常の発生を即座に察知する人体監視などの分野において重要な技術である。この技術は、例えば、食事や運動を管理することにより健康維持や適切な治療を実現する場合や、健康状態の急変を察知する場合などへ適用され得る。また、生体の状態に応じたきめ細やかなサービスの提供などへこの技術を応用することも考えられる。
【0003】
そこで、身体に装着した加速度センサを用いて生体の行動を認識する技術が、特開平10-113343号公報(特許文献1)に開示されている。
【0004】
この技術では、計測された加速度データから当該データに含まれている周波数成分を抽出し、別途記憶してある基準値との相関の高さに応じて行動を認識する。
【0005】
また、特開平8-292939号公報(特許文献2)では、時系列データの分析方法として、特に時間的な収集間隔が一定でないような時系列データの分析方法として、時間変化や個体差を補正した後に統計処理を行なう技術が開示されている。
【0006】
また、特開平9-294727号公報(特許文献3)では、脈拍数と、加速度による体動とから、安静時や運動時の消費カロリーを計測する装置が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10-113343号公報
【特許文献2】
特開平8-292939号公報
【特許文献3】
特開平9-294727号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
1番目の従来技術に代表される、加速度データを用いた行動の認識技術では、データに含まれる周波数成分を抽出している。周波数成分を抽出するには、フーリエ変換またはウェーブレット変換を用いる。これらフーリエ変換及びウェーブレット変換は、周波数成分ごとのスペクトル強度を得ることができ、行動を周波数特性で特徴づけるために有効であるが、計算量が大きい。従って、処理時間が多くかかり、行動の認識がリアルタイムにはできないという問題があった。また、フーリエ変換やウェーブレット変換を行なう際に多くのメモリ容量を要することになるため、小型の機器での実現には適さないという問題があった。
【0009】
2番目の従来技術においても、時間的変化を表すのに周波数成分を用いるため、やはり処理速度が遅くなる問題や多くのメモリ容量を必要とする問題があり、小型の機器でのリアルタイムの認識には適さなかった。また、本技術では、時間変化が特定の関数で近似できる場合にはその関数の特徴を表すパラメータを用いることにしているが、近似すべき関数が未知である場合には適用できなかった。
【0010】
3番目の従来技術では、主に健康管理を目的として人体の消費カロリーを算出するための技術であるため、人体が歩行中なのか食事中なのか、あるいはデスクワーク中なのか、などの行動等を認識することはできなかった。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体の行動や状況等の状態を、少ない計算量で、高精度に認識できる生体状態分析装置及び生体状態分析方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様としての生体状態分析装置は、
生体の状態を計測して、時系列の加速度データ及び時系列の生体データを取得する生体状態計測部と、
前記加速度データおよび前記生体データをそれぞれ複数の区間に分割し、区間ごとに特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
前記加速度データの各区間から抽出された特徴量及び前記生体データの各区間から抽出された特徴量を用いて、前記生体の状態を認識する生体状態認識部と、
を備え、
前記特徴量抽出部は、前記生体データに対する区間の長さを、前記加速度データに対する区間の長さよりも長く設定することを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様としての方法は、
生体の状態を計測して取得された、時系列の加速度データ及び時系列の生体データを生体状態分析装置において処理する方法であって、
特徴量抽出部において前記加速度データおよび前記生体データをそれぞれ複数の区間に分割し区間ごとに特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
前記加速度データの各区間から抽出された特徴量、及び前記生体データの各区間から抽出された特徴量を用いて、生体状態認識部において前記生体の状態を認識する生体状態認識ステップと、
を備え、
前記特徴量抽出ステップは、前記特徴量抽出部により前記生体データに対する区間の長さを前記加速度データに対する区間の長さよりも長く設定することを含むことを特徴とする方法。
【0014】
本発明で用いる生体データとは、例えば脈波、皮膚温度、GSR(Galvanic Skin Response/皮膚電気反射)、心拍数、筋電、心電、呼吸、脳波、血流、血圧等のデータである。
【0015】
特徴量としては、フーリエ(Fourier)変換やウェーブレット(wavelet)変換を必要とする周波数成分を用いず、計算量を小さく抑えることのできる統計量を用いることが好ましい。
【0016】
本発明において用いる統計量とは、例えば、平均、分散、最大値、最小値、階差、区間の最初の値と最後の値の差、区間内の変動の和、などの他これらの組み合わせが考えられる。
【0017】
特徴量抽出の際の区間の長さは、生体データに対する区間の長さが加速度データに対する区間の長さよりも長いことが好ましい。また、その区間の長さは処理中に動的に変化させることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態について説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態としての生体状態分析装置(行動認識装置)の構成図を示す。
【0020】
本実施の形態による行動認識装置は、信号計測部1、前処理部(ノイズ除去部)2、特徴量抽出部3、行動認識部4を備える。特徴量抽出部3は、区間サイズ決定部5と特徴量算出部6から成る。
【0021】
信号計測部1は、生体に装着させたセンサから、時系列の加速度データと、時系列の生体データとを計測するものである。
【0022】
ここで、生体データとは、例えば脈波、皮膚温度、GSR(Galvanic Skin Response)(皮膚電気反射)、心拍数、筋電、心電、呼吸、脳波、血流、血圧等のデータである。これらのデータを計測する各種センサを生体の複数箇所に装着することも可能であり、その場合にはより多様な行動(例えば食事中、音楽鑑賞中等)や状況(例えばストレス度等)等の状態の認識を実現できる。生体に関するデータの他、生体が存在する環境の温度や湿度なども同時に計測してもよい。
【0023】
前処理部(ノイズ除去部)2は、極端な外れ値が計測データにあった場合にそれらを除去する。また、前処理部2は、データ信号の通信エラーなどにより、値が欠損している場合には欠損していることを示す値を欠損部分に付加する。
【0024】
特徴量抽出部3は、前処理後のデータ(前処理後データ)から種々の統計量を特徴量として抽出する。
【0025】
より詳しくは、区間サイズ決定部5が、前処理後データにおいて、特徴量を抽出する区間の長さを決定し、特徴量算出部6が、決定された各区間ごとに統計量等の特徴量を抽出する。
【0026】
統計量は、平均値、分散、最大値、最小値、階差、区間の最初の値と最後の値の差、区間内の変動の和、などのほか、これらの組み合わせも考えられる。
【0027】
特徴量としては、生体データと、他の系から得られたデータとの演算による特徴量も考えられる。例えば、生体が存在する環境温度と生体の皮膚温度のデータが得られている場合にはそれらの差を特徴量としてもよい。
【0028】
行動認識部4は、算出された特徴量を用いて生体の行動や状況を認識する。認識には、特徴量に基づき行動等を出力するモデルを予め用意しておき、特徴量をモデルへの入力として、行動を分類する。モデルには、決定木、分類木、ニューラルネットワーク、回帰式、などを用いることが可能である。
【0029】
その他、行動毎に特徴量のパターンを用意しておいて、算出された特徴量と各パターンとの相関度や類似性を求め、最も相関度や類似性の高い行動を認識結果として求めてもよい。
【0030】
次に、上述のように構成された行動認識装置の処理動作について、具体例を用いて、説明する。
【0031】
以下では、人体の手首1つにセンサを装着し、このセンサにより、2軸の加速度、皮膚温度、脈波、GSR(皮膚電気反射)のデータを計測する。
【0032】
図2は、行動認識装置による処理ステップを示すフローチャートである。
【0033】
まず、信号計測部1が、上述のセンサを用いて、2軸の加速度データ、皮膚温度、脈波、GSRのデータを取得する(ステップS1)。
【0034】
図3は、計測された2軸の加速度(加速度1及び加速度2)のデータ例、図4は、計測された皮膚温度のデータ例、図5は、計測された脈波のデータ例、図6は、GSRのデータ例を示す図である。図3〜図6は、例えば50ms−1のサンプリング期間により取得された各データをそれぞれ直線で結んだものである。
【0035】
次に、前処理部2が、計測されたデータから、ノイズ除去、欠損値検知などの処理を行う(ステップS2)。ノイズは、計測の段階や、信号の通信の段階で、例えばミスや外乱などによって発生する。
【0036】
図7は、データ欠損及びノイズを説明するための図である。
【0037】
図7の部分Aに示すように、極端に基準値からはずれた値はノイズとし、前処理部2は、このような値をノイズとして除去する。
【0038】
また、部分Bに示すように、値が計測されずに欠損している場合には、欠損が分かるように、前処理部2は、例えば「−1」など、正常データと区別可能な、欠損を識別する値をいれておく。ここで、計測された信号を単に記録しているだけであると欠損を見逃す恐れがあるので、信号の計測と同時に、通し番号やデータの計測時刻などを所定の間隔で付加していき、それらの付加情報が連続していない場合には欠損があったと見なすようにしてもよい。
【0039】
次に、図2に示すように、特徴量抽出部3が、前処理後のデータから特徴量を抽出する(ステップS3)。
【0040】
この特徴量抽出処理(ステップS3)は、区間サイズ決定処理(ステップS3−A)と特徴量算出処理(ステップS3−B)とから成る。
【0041】
区間サイズ決定処理(ステップS3−A)は、区間サイズ決定部5が、特徴量を算出する連続した区間の長さを決定する処理である。特徴量算出処理(ステップS3−B)は、特徴量算出部6が、決定された各区間内での特徴量を求める処理である。
【0042】
区間サイズ決定処理(ステップS3−A)において、区間サイズは、基本的には、加速度データの場合は10秒以下、特に初期値としては10秒程度を用いることとする(後述するように区間サイズは動的に変化する)。一方、生体データ(皮膚温度、脈波、GSRのデータ)の場合は40秒〜2分、特に初期値としては40秒程度を用いることとする。これは、加速度データは動作に直結してすぐに変動するのに対し、生体データは一般的に変化が緩やかなためである。
【0043】
例えばジョギングの場合、加速度はジョギングを始めた瞬間から変化が表れるが、脈拍(脈波)や皮膚温度が上昇(変化)するのはジョギングを開始してしばらく続けてからである。
【0044】
また、特に生体データの場合の区間サイズを加速度よりも長く、40秒程度としたのは、実験結果に基づくものである。これについてもう少し詳しく説明する。
【0045】
図8は、生体データの区間サイズをさまざまに変更して特徴量を算出し、その特徴量を用いて人体の食事動作を認識する実験を行った結果に基づく誤分類率(誤認識率)を示すグラフ図である。
【0046】
実験状況によって若干の変動があるが、同図によれば、区間の長さが60秒を超えたところで誤りが減ることが確認できる。従って、60秒以上にすることが精度の面からは望ましいが、区間サイズを長く設定すると、認識対象の行動によってはデータの変化を抽出できずに精度に悪影響を与える場合があると思われる。そこで、本実施の形態では、上述のように、区間サイズを40秒以上にすることとした。
【0047】
ただし、対象となる生体や認識したい行動の特徴によっては、より適切な区間サイズを定めるよう配慮することが好ましい。例えば、行動の認識の目的が、行動における動作と瞬間的な心拍数の変化との関連を調査することである場合には、心拍数データの特徴量を抽出する区間を短く、例えば15秒程度とすることも考えられる。
【0048】
また、区間サイズは固定ではなく、状況に応じて区間サイズを動的に変更可能とする。特に生体データの場合にはデータの変化が緩やかなため、ある程度区間サイズを長くした方が特徴を抽出しやすいが、長過ぎる場合には状況の短い変化を見逃す恐れがある。他方、区間サイズを短くし過ぎた場合には、状況の長い変化を見逃す恐れもある。例えば睡眠時と日中に活動している時とでは生体データの変化の周期が異なる。そこで、例えば睡眠時には、一般的に変化の周期が長いため、区間サイズを長くすることとする。
【0049】
図9は、特徴量抽出処理(ステップS3)の詳細な処理ステップを示すフローチャートである。
【0050】
まず、特徴量算出部6(図1参照)は、1つ前と同じ区間サイズで区間内の特徴量を算出する(ステップS11)。ここでは、特徴量として、加速度の平均、加速度の分散、脈波から変換された脈拍、皮膚温度の差(区間内の最初の値と最後の値の差)、を求めることとする。
【0051】
次に、区間サイズ決定部6は、算出された特徴量について、1つ前の区間の特徴量と比較して所定の幅以上の変化があるかどうかを調べる(ステップS12)。ここで「前の区間」とは、直前の区間、5区間前や10区間前、1時間前の区間などが考えられるが、通常は、直前の区間〜5分程度前の区間のいずれか、あるいはこれらの組み合わせが適当な場合が多い。
【0052】
区間サイズ決定部6は、特徴量に変化があったと判断した場合には(ステップS12のYes)、生体の様子が変化していると判断し、生体の変化を捉えやすくするため、前の区間サイズよりも区間サイズを短くする(ステップS13)。そして、特徴量算出部6は、新たな区間サイズ内での特徴量を算出し、区間サイズ決定部6は、上述のステップS11で得られた特徴量に代えて、この特徴量を採用し、行動認識部4に送出する(ステップS14)。
【0053】
一方、区間サイズ決定部6は、特徴量に変化がなかったと判断した場合には(ステップS12のNo)、現在の特徴量が所定の範囲(異常範囲)内の値であるかどうかをチェックする(ステップS15)。これは、前の区間との変化がない場合でも生体が異状な場合には長期的に見て生体データに変化が起こる可能性が高いと考えられるからである。
【0054】
区間サイズ決定部6は、特徴量が所定の範囲内であったと判断した場合には(ステップS15のYes)、生体の変化が緩やかであると考えることができるので、区間サイズを長く変更する(ステップS16)。そして、特徴量算出部6は、新たな区間サイズ内での特徴量を算出し、区間サイズ決定部6は、上述のステップS11で算出された特徴量に代えて、この特徴量を採択し、行動認識部4に送出する(ステップS14)。
【0055】
一方、区間サイズ決定部6は、特徴量が所定の範囲外であったと判断した場合には(ステップS15のNo)、ステップS11で算出した特徴量を利用することとする。
【0056】
上述のステップS13及びステップ16における区間の長さの変更処理は、例えば±10%程度の幅で行なうことが考えられる。
【0057】
上では、区間サイズを動的に変更する処理を含んだ特徴量抽出処理について説明したが、区間サイズの変更方法については、上で説明したものに限られない。例えば、計測した時刻や生体の行動に関する知識が得られている場合には、これらのデータを補助的に用いて区間サイズを変更してもよい。例えば、明らかに睡眠中と思われる時刻には区間を長くすることなども可能である。
【0058】
以上に説明した特徴量抽出処理(図2のステップS3)によって、前処理後のデータから特徴量が算出される。
【0059】
図10は、算出された特徴量の一部例を示す図表である。
【0060】
上述したように、区間サイズは、動的に変化するので、図10に示すように、特徴量は、例えば単位時間(例えば1分)当たりの時間に変換されて用いられる。
【0061】
次に、図2に示すように、行動認識部4が、抽出された特徴量に基づいて、行動認識を行ない、認識結果を出力する(ステップS4)。
【0062】
本実施の形態では、行動認識のために分類木型のモデルを用いることとする。表形式のデータから分類木または決定木を構築する方法はさまざまな提案がされているが、例えば本実施の形態では、CARTと呼ばれる2進分類木を用いる。CARTについては「CARTによる応用2進木解析法」(大滝厚、堀江宥、Dan Steinberg著、日科技連出版社、1997年発行)などの書籍に詳しい。
【0063】
分類木による行動認識では、根本から順に、特徴量の値によって決まる枝を、最後の末端(葉)までたどる。末端には行動の種別が割り当てられている。従って、この特徴量を持つデータは、この行動や認識であるとの解釈をすることができる。
【0064】
図11は、本実施の形態において用いる分類木の例を示した図である。
【0065】
例えば、図10の表における1行目の特徴量データは、図11の分類木によると、音楽鑑賞という行動の際に得られたデータであると解釈することができる。ただし、図11の分類木は、本実施の形態を説明するために抜粋したものであり、実際に用いる値や用語はこれに限るものではない。
【0066】
行動等の認識処理に用いる手法として、分類木は、構築されたモデルを用いてデータを分類するタイプの中で、計算量が小さく、また、利用者にとって構成を理解しやすいという利点がある。しかし、本発明による行動等の認識の実現は分類木に限るものではない。図10に示すような表形式のデータからモデルを構築し、それを用いて分類を行なう手法は多く提案されており、例えばニューラルネットワークや回帰式などを行動等の認識処理に用いることも当然に考えられる。また、算出された特徴量を、各行動の典型的な特徴量と比較することによって類似度や相関度を算出し、類似度や相関度の高い行動を認識結果とする方法も可能である。
【0067】
このように生体の行動や状況を認識することは、さまざまな応用が考えられる。特に、本実施の形態では計算量の削減と高精度な認識を両立させているため、小型の機器を生体に装着することができる。それ故、生体への負担を最小限にし、多くの場面で利用することが可能となっている。一つには、健康管理の面での利用が有効であると考えられる。例えば食事や運動、睡眠時等の状態を知ることにより、生体の健康維持または治療やリハビリテーションのためのアドバイスを発することが実現できる。また、生体の監視装置という面では、生体の状況の急な変化を感知して他者に警告を発したり、ネットワークを介して遠方の関係者に連絡を送ったりすることが実現できる。特に、本実施の形態によればリアルタイムに生体の状況を判断することができるので、監視装置には適しているといえる。その他、生体の行動に依存したきめ細やかなサービスへの応用も考えられる。例えば、外出先において生体が疲れていることを認識した場合に、座れる場所やなにか飲み物を取れる場所を示すなどのサービスが考えられる。また、本発明では生体の精神的な状況(例えばストレス度等)の認識も対象としているので、例えば生体の興味の方向を知り、生体が望むコンテンツを提供するなどのサービスも考えられる。
【0068】
以上のように、本実施の形態によれば、加速度データと生体データの両方を用いるようにしたので、高精度に、さまざまな生体の行動や状況を認識することができる。即ち、加速度データのみを用いて行動や状況を認識する場合に比べ、生体データと合わせて用いる場合には、食事などの生体の変化を伴う状況を正しく認識することが可能となる。また、加速度データのみからは精神的な状況、例えば緊張しているとかリラックスしているなどの状況を認識することは困難であったが、生体データも用いることにより、精神的な状況も認識することが可能である。一方、生体データのみを用いた場合には、認識できる行動や状況が少なく、例えば発汗が計測された場合に、それが運動によるものか緊張によるものかを区別することが困難であったが、加速度データと合わせて分析することにより、日常生活におけるさまざまな行動や状況を認識できる。
【0069】
また、本実施の形態によれば、区間ごとの統計量を特徴量として用いるようにしたので、計算量の少ない、ノイズや欠損値による影響を少なくした処理をすることができる。
【0070】
さらに、本実施の形態によれば、生体データに対する区間の長さを、加速度データに対する区間よりも長く設定するようにしたので高精度な生体の認識が可能となる。
【0071】
また、本実施の形態によれば、区間の長さを動的に変化させるようにしたので高精度な生体の認識が可能となる。
【0072】
【発明の効果】
本発明によれば、加速度データと生体データの両方を用いるようにしたので、高精度に、さまざまな行動や状況を容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態としての行動認識装置の一例を示すブロック図である。
【図2】行動認識装置による処理ステップを示すフローチャートである。
【図3】加速度データの例を示すグラフ図である。
【図4】皮膚温度のデータの例を示すグラフ図である。
【図5】脈波のデータの例を示すグラフ図である。
【図6】GSR(皮膚電気反射)のデータの例を示すグラフ図である。
【図7】ノイズや欠損値を説明するための図である。
【図8】区間サイズと誤認識率との関係を説明するための図である。
【図9】特徴量抽出部による処理ステップを示すフローチャートである。
【図10】本実施の形態において算出された特徴量の一例を示す図表である。
【図11】行動認識部において用いる分類木の一例である。
【符号の説明】
1 信号計測部
2 前処理部(ノイズ除去部)
3 特徴量算出部
4 行動認識部
5 区間サイズ決定部
6 特徴量算出部
Claims (6)
- 生体の状態を計測して、時系列の加速度データ及び時系列の生体データを取得する生体状態計測部と、
前記加速度データおよび前記生体データをそれぞれ複数の区間に分割し、区間ごとに特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
前記加速度データの各区間から抽出された特徴量及び前記生体データの各区間から抽出された特徴量を用いて、前記生体の状態を認識する生体状態認識部と、
を備え、
前記特徴量抽出部は、前記生体データに対する区間の長さを、前記加速度データに対する区間の長さよりも長く設定することを特徴とする生体状態分析装置。 - 前記特徴量抽出部は、前記生体データに対する区間の長さと、前記加速度データに対する区間の長さの少なくとも一方を動的に変化させることを特徴とする請求項1に記載の生体状態分析装置。
- 前記特徴量抽出部は、前記生体データに対する区間の長さを、前記区間の前方における区間から抽出された特徴量に基づいて変化させ、また、前記加速度データに対する区間の長さを、前記区間の前方における区間から抽出された特徴量に基づいて変化させることを特徴とする請求項2に記載の生体状態分析装置。
- 生体の状態を計測して取得された、時系列の加速度データ及び時系列の生体データを生体状態分析装置において処理する方法であって、
特徴量抽出部において前記加速度データおよび前記生体データをそれぞれ複数の区間に分割し区間ごとに特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
前記加速度データの各区間から抽出された特徴量、及び前記生体データの各区間から抽出された特徴量を用いて、生体状態認識部において前記生体の状態を認識する生体状態認識ステップと、
を備え、
前記特徴量抽出ステップは、前記特徴量抽出部により前記生体データに対する区間の長さを前記加速度データに対する区間の長さよりも長く設定することを含むことを特徴とする方法。 - 前記特徴量抽出ステップは、前記特徴量抽出部により前記生体データに対する区間の長さと、前記加速度データに対する区間の長さの少なくとも一方を動的に変化させることを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
- 前記特徴量抽出ステップは、前記特徴量抽出部により、前記生体データに対する区間の長さを、前記区間の前方における区間から抽出された特徴量に基づいて変化させ、また、前記加速度データに対する区間の長さを、前記区間の前方における区間から抽出された特徴量に基づいて変化させることを含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
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