JP3919915B2 - 耐擦り傷性に優れた電着塗料組成物およびその電着塗装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムや鉄等の金属製品の塗装を行う陽極析出型電着塗料およびその電着塗装方法に関するものであり、優れた耐擦り傷性能を有する塗膜を形成する、電着塗料組成物およびその電着塗装方法を提供できる。
【0002】
【従来の技術】
従来、アルミニウムや鉄等の金属製品の腐食防止と表面保護及び美観付与の目的で種々の塗装が行われている。その中でも特に優れた膜厚均一性、高塗装効率、無人塗装適性、低有機溶剤含有による低公害性、優れた耐食性及び耐候性等を有することから、陽極析出型電着塗装が多く行われている。
しかし、昨今これらの塗装製品のうち、アルミサッシや鋼製家具等のように表面の美観を重要視する分野で、擦り傷による美観の低下が問題視されるようになってきた。
【0003】
これに対し、塗膜の主な形成成分の一つである有機樹脂は金属粉や砂や研磨剤等の、擦り傷の原因と成り得る無機物に比べ硬度が著しく低いことから、十分な塗膜強度の改良がなされないまま今日に至っている。特に無機顔料を含まない塗膜において、この擦り傷性改良が強く望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなことから、本発明者らは有機塗膜に高硬度な無機成分を導入することを鋭意検討した結果、アクリル樹脂とコロイダルシリカを複合することにより、アクリル樹脂単独の場合より、擦り傷性が著しく低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、アルコキシシリル基、およびカルボキシル基を含有するアクリル樹脂と、コロイダルシリカを反応させた有機/無機複合樹脂を塩基性物質で中和して得られる水性樹脂分散体とアミノ樹脂を含有する耐擦り傷性に優れた電着塗料組成物およびその電着塗装方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明において使用するアクリル樹脂は、(a)α,βエチレン性不飽和カルボン酸単量体、(b)アルコキシリル基含有α,βエチレン性不飽和単量体および(c)その他のα,βエチレン性不飽和単量体を共重合して得られる。単量体(a)由来の酸価は20〜150、好ましくは30〜100で、単量体(b)の含量は全単量体100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましい。
【0007】
上記単量体(a)は、主としてアクリル樹脂に水分散性、電気泳動性、焼き付け時の触媒作用等を付与するものであり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸等が挙げられる。これらの1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0008】
単量体(a)の使用量は、樹脂の酸価が20〜150、好しくは30〜100となるような範囲で使用される。アクリル樹脂の酸価が20未満では、十分な水分散安定性が得られず、また150を超えると、電着塗装を行う際電気泳動性が劣り、また耐水性及び耐候性が低下するので好ましくない。
【0009】
また単量体(b)は、無機成分であるコロイダルシリカの表面に存在する−SiOH基と反応する単量体であるが、例示するとジビニルジメトキシシラン、ジビニル−β−ジメトキシエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス−β−メトキシエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン等がある。これらの1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0010】
使用量は全単量体100重量部に対し、0.1〜10重量部が好ましく、この範囲より少ない場合は、コロイダルシリカとの反応が十分でなく、また多い場合は反応が行き過ぎる結果、目的とする水性樹脂分散体が得られなくなるか、また得られたとしても、水性樹脂分散体から得られる電着塗料の安定性が悪くなる。
【0011】
またアミノ樹脂と効率よく架橋させるためには、単量体(c)としてOH基含有単量体を共重合することが好ましく、例示すると2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等および、これらのラクトン変性物、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート、トリエチレンゴリコールモノアクリレート、トリエチレンゴリコールモノメタクリレート、テトラエチレングリコールモノアクリレート、テトラエチレングリコールモノメタクリレート等が挙げらる。これらの1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0012】
OH基含有単量体はアクリル樹脂中の水酸基価が40〜100となるような範囲で使用されるのが好ましい。水酸基価が30未満では硬化性が不十分であり、また150を超えると塗膜が脆化し、耐水性が低下して十分な性能が得られないので好ましくない。
【0013】
さらにアクリル樹脂の骨格を形成する成分である単量体(c)については、アクリル酸、メタクリル酸のアルキルエステル、あるいはその他のビニル単量体を用いることができる。具体的な化合物を例示すると、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ヘプチルアクリレート、ヘプチルメタクリレート、ジエチレングリコールモノアクリレート、ジエチレングリコールモノメタクリレート等のアクリル酸、メタクリル酸のエステル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニル単量体、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、メトキシメチルアクリルアミド、n−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、ジアセトンメアクリルアミド等のアミド系単量体が挙げられる。これらは1種あるいは2種以上を混合して用いることができる。
【0014】
このようなアクリル樹脂の好ましい数平均分子量は3000〜60000である。数平均分子量が3000以下の場合は、塗膜耐久性が十分に得られず、また60000以上の場合は、水分散性が低下し、塗料の取り扱い性が不良になる。特に良好な塗膜外観と塗装安定性の点で、数平均分子量が5000〜40000であるのが好ましい。またアクリル樹脂の好ましいガラス転移温度は−10〜60℃であり、特に10〜40℃が好ましい。
【0015】
上述したようなアクリル樹脂は、前記各単量体(a)、(b)および(c)を溶液重合、非水性分散重合、塊状重合、エマルジョン重合、懸濁重合等の公知の方法で重合することによって得られるが、特に溶液重合が好ましく、反応温度としては通常40〜170℃が選ばれる。反応溶剤としては、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等の親水性溶剤を用るのが好ましい。また、重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾ系化合物、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、公知のものを用いることができる。
【0016】
一方本発明に使用される無機成分であるコロイダルシリカとは、SiO2 を基本単位とする成分を水中あるいは有機溶剤中に分散したコロイド溶液である。粒径は1〜200nmが好ましく、より好ましくは4〜100nmである。コロイダルシリカの粒子の表面には−SiOH基が存在し、アルコキシシリル基を有する単量体(b)と反応して化学結合が形成され、その結果として、有機/無機の複合化が達成される。
【0017】
上記の反応方法については特に限定はなく、単量体(a)、(b)および(c)をあらかじめ共重合してアクリル樹脂を得た後、コロイダルシリカを反応させる方法、単量体(b)とコロイダルシリカを反応させた後、単量体(a)、(c)と共重合する方法、コロイダルシリカ存在下に単量体(a)、(b)および(c)を共重合する方法がある。いずれの反応方法においても反応温度20〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。反応溶剤としては水系、有機溶剤系の両方が使用可能であり、それぞれに応じて水系のコロイダルシリカ、有機溶剤系のコロイダルシリカが用いられる。
【0018】
本発明で使用するコロイダルシリカについては、日産化学工業社製品、触媒化成工業社品、旭電化工業社品がその代表的なものであり、水系あるいは有機溶剤系で提供される。例示すると、スノーテックス20,30,40,N,O、UP、スノーテックスMA−ST−M、I PA−ST、EG−ST、MEK−ST、カタロイドS−20L、S−30L、SI−30、SI−40、SI−350、SI−550、SN、オスカル1132、1332、1432、1632、アデライトAT−20、AT−40、AT−50、AT−30A、AT−20Q等がある。
【0019】
本発明の有機/無機複合樹脂を水分散化するために、アクリル樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一部を塩基性物質、例えば有機アミンあるいは無機塩基で中和する。かかる塩基性物質としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン等のアルキルアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等のアルカノールアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のアルキレンポリアミン、アンモニア、エチレンイミン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられる。このような塩基性物質による中和率は30〜100%が適当であるが、特に50〜80%であると水分散性が良好で、塗装ムラを生じないので好ましい。
【0020】
水分散に使用される水は、脱イオン水であることが望ましい。また水分散化の具体的な方法としては、塩基性物質をあらかじめ混合した水中に樹脂液を投入する方法、塩基性物質で中和された樹脂を水中に投入する方法等、適宜使用することができる。
【0021】
上記の有機/無機複合樹脂の架橋剤として使用されるアミノ樹脂としては、従来から公知のメラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂等が例示されるが、中でも好適なものは、メチロール基の少なくとも一部を低級アルコールでアルコキシ化したアルコキシメチル化メラミン樹脂であって、低級アルコールとしては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の一種または二種以上が使用できる。またアミノ樹脂と有機/無機複合樹脂の混合については、有機/無機複合樹脂を水分散化する前に行うのが好ましいが、分散安定性が確保され、電着塗装に支障がない限りこの方法に限定されない。
【0022】
更に、本発明により得られた電着塗料を、必要に応じて脱イオン水、あるいは親水性溶剤を一部含有する脱イオン水で希釈し、電着塗装に供せられる。電着塗装については、被塗装物を陽極として、所定の電圧を負荷することにより電着析出膜を得、必要な場合常法により洗浄した後、焼き付け工程を経て、耐擦り傷性、耐摩耗性に優れた塗膜を得ることができる。
【0023】
また要求される性能、作業性、コスト等により、必要ならば、例えば、キシレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を併用することが可能である。この場合、アミノ樹脂と同様な方法で使用される。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。部は特別な表示のない場合は重量部を表している。
【0025】
アクリル樹脂の製造
(製造例1)
撹拌装置、温度計、モノマー滴下装置、還流冷却装置を有する反応装置を準備する。
(1) エチレングリコールモノブチルエーテル 10.2部
(2) イソプロピルアルコール 40.7部
(3) 2−エチルヘキシルメタアクリレート 3.1部
(4) n−ブチルアクリレート 26.8部
(5) メチルメタクリレート 29.4部
(6) スチレン 13.5部
(7) 2−ヒドロキシエチルアクリレート 17.6部
(8) γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン 2.5部
(9) アクリル酸 7.1部
(10) アゾビスイソブチロニトリル 1.0部
(11) アゾビスイソブチロニトリル 0.5部
(1)、(2)を反応装置に仕込み、撹拌下に還流温度まで上昇させ、(3)〜(10)を予め均一に混合した後、3時間かけて滴下した。温度は90±3℃を維持した。滴下終了後、1.5時間後に(11)を仕込み、更に90±3℃で1.5時間反応を継続した後冷却した。
樹脂固形分=65%、酸価=55mgKOH/g樹脂固形分の透明で粘調な樹脂液を得た。
【0026】
(製造例2)
撹拌装置、温度計、モノマー滴下装置、還流冷却装置を有する反応装置を準備する。
(1) エチレングリコールモノブチルエーテル 10.2部
(2) イソプロピルアルコール 40.7部
(3) 2−エチルヘキシルメタアクリレート 9.3部
(4) n−ブチルアクリレート 21.5部
(5) メチルメタクリレート 23.1部
(6) スチレン 16.2部
(7) 2−ヒドロキシエチルアクリレート 15.6部
(8) γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン 2.5部
(9) アクリル酸 11.8部
(10) アゾビスイソブチロニトリル 1.0部
(11) アゾビスイソブチロニトリル 0.5部
(1)、(2)を反応装置に仕込み、撹拌下に還流温度まで上昇させ、(3)〜(10)を予め均一に混合した後、3時間かけて滴下した。温度は90±3℃を維持した。滴下終了後、1.5時間後に(11)を仕込み、更に90±3℃で1.5時間反応を継続した後冷却した。
樹脂固形分=65%、酸価=91mgKOH/g樹脂固形分の透明で粘調な樹脂液を得た。
【0027】
有機/無機複合樹脂の製造
(製造例3)
撹拌装置、温度計、還流冷却装置を有する反応装置に、製造例1の樹脂液152.4部、スミマールM−66B(住友化学社製)78.0部、コロイダルシリカA(日産化学社製 スノーテックス IPA−ST)100.0部を温度60℃で1時間混合後、別途準備した同様の反応装置にトリエチルアミン4.9部、脱イオン水358.0部を仕込み、上記混合液を60℃を保持しながらゆっくりと滴下して、固形分30%の樹脂水分散液を得た。この分散液を70℃まで昇温し、同温度で6時間保持して複合樹脂液Aを得た。
【0028】
(製造例4)
撹拌装置、温度計、還流冷却装置を有する反応装置に、製造例2の樹脂液152.4部、スミマールM−66B(住友化学社製)78.0部、コロイダルシリカA(日産化学社製 スノーテックス IPA−ST)333.0部を温度60℃で1時間混合後、別途準備した同様の反応装置にトリエチルアミン8.3部、脱イオン水355.0部を仕込み、上記混合液を60℃を保持しながらゆっくりと滴下して、固形分30%の樹脂水分散液を得た。この分散液を70℃まで昇温し、同温度で6時間保持して複合樹脂液Bを得た。
【0029】
(製造例5)
撹拌装置、温度計、還流冷却装置を有する反応装置に、トリエチルアミン4.9部、コロイダルシリカB(日産化学社製 スノーテックス−30)100.0部、脱イオン水358.0部を仕込み、あらかじめ60℃で1時間混合した製造例1の樹脂液152.4部とニカラックMX−40(三和ケミカル社製)78.0部をゆっくりと滴下して、固形分30%の樹脂分散液を得た。この分散液を70℃まで昇温し、同温度で6時間保持して複合樹脂液Cを得た。
【0030】
(製造例6)
撹拌装置、温度計、還流冷却装置を有する反応装置に、トリエチルアミン8.3部、コロイダルシリカB(日産化学社製 スノーテックス−30)333.0部、脱イオン水355.0部を仕込み、あらかじめ60℃で1時間混合した製造例2の樹脂液152.4部とニカラックMX−40(三和ケミカル社製)78.0部をゆっくりと滴下して、固形分30%の樹脂分散液を得た。この分散液を70℃まで昇温し、同温度で6時間保持して複合樹脂液Dを得た。
【0031】
(製造例7)
撹拌装置、温度計、還流冷却装置を有する反応装置に、製造例1の樹脂液152.4部、スミマールM−66B(住友化学社製)78.0部を温度60℃で1時間混合後、別途準備した同様の反応装置にトリエチルアミン4.9部、脱イオン水358.0部を仕込み、上記混合液を60℃を保持しながらゆっくりと滴下して、固形分30%の樹脂水分散液を得た。この分散液を70℃まで昇温し、同温度で6時間保持して複合樹脂液Eを得た。
【0032】
(製造例8)
撹拌装置、温度計、還流冷却装置を有する反応装置に、製造例2の樹脂液152.4部、スミマールM−66B(住友化学社製)78.0部を温度60℃で1時間混合後、別途準備した同様の反応装置にトリエチルアミン8.3部、脱イオン水354.6部を仕込み、上記混合液を60℃を保持しながらゆっくりと滴下して、固形分30%の樹脂水分散液を得た。この分散液を70℃まで昇温し、同温度で6時間保持して複合樹脂液Fを得た。
【0033】
電着塗料の調製および電着塗装
実施例1、2、3、4 比較例1、2
製造例3〜8で得られた複合樹脂液を使用して、表1、表2に示す配合で電着浴液を得た。この電着浴液を塩ビ性の槽に入れ、陰極をSUS304鋼板とし、6063Sアルミ合金板にアルマイト処理(アルマイト膜厚=9μm)を施し、更に黒色に電解着色した後、定法により湯洗されたアルミ材を陽極(被塗物)として電着塗装を行った。
【0034】
電着塗装の具体的条件は浴温22℃、極間距離12cm、極比(+/−)2/1として、常法により、150Vで10μmとなる様に通電し、電着終了後洗浄し、引き続いて185℃で30分間焼き付けを行った後、塗膜性能の評価を行った。結果を表3に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
(注)評価方法
(1)光沢:グロスメーターで60°グロスを測定。
(2)耐擦り傷性:段ボール紙に10g/平方cmの加重をかけて、5cmストロークで50往復塗装板を摩擦した後の傷の付き具合を目視で評した。
○=傷が見えない。
△=傷は見えるが、面状に白く見える程ではない。
×=傷跡が白い面状に見える。
(3)鉛筆硬度:JIS−K−5400 破れ判定。
(4)ビッカース硬度:フィッシャースコープH100Vを使用し、加重50mNにおける硬度を測定。
(5)耐アルカリ性:20℃の1%NaOHに48H浸漬後塗面状態を観察。
(6)耐酸性:20℃の5%硫酸に48H浸漬後塗面状態を観察。
【0039】
【発明の効果】
本発明の電着塗料組成物を、アルミサッシ、鋼製家具、家電製品等の金属部分に塗装することで、耐擦り傷性に優れ、かつ良好な塗膜外観、機械物性、耐薬品性、耐溶剤性を有する塗膜を得ることができる。
Claims (2)
- アルコキシシリル基、およびカルボキシル基を含有するアクリル樹脂と、コロイダルシリカを反応させた有機/無機複合樹脂を塩基性物質で中和して得られる水性樹脂分散体とアミノ樹脂を含有する耐擦り傷性に優れた電着塗料組成物。
- アルコキシシリル基、およびカルボキシル基を含有するアクリル樹脂と、コロイダルシリカを反応させた有機/無機複合樹脂を塩基性物質で中和して得られる水性樹脂分散体とアミノ樹脂を含有する耐擦り傷性に優れた組成物を用いる電着塗装方法。
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