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JP3917028B2 - 調理器の防水構造 - Google Patents

調理器の防水構造 Download PDF

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JP3917028B2 JP2002205798A JP2002205798A JP3917028B2 JP 3917028 B2 JP3917028 B2 JP 3917028B2 JP 2002205798 A JP2002205798 A JP 2002205798A JP 2002205798 A JP2002205798 A JP 2002205798A JP 3917028 B2 JP3917028 B2 JP 3917028B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、炊飯器(炊飯ジャーを含む。)、ホットプレート等の調理器に関し、特にこれらの各種制御、表示等に使用される各種基板の防水構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような調理器においては、使用者が手入れをする際等において、内部に浸入した水が基板に触れると、該基板の腐食・故障の原因となるため、従来から、調理器内部に基板を収納した基板カバー部を設け、その基板カバー部の周縁部と、その周縁部を押し当てる相手部材との間にシール部材を介在し、調理器内部に浸入した水から上記基板を保護する防水構造が採られている(例えば、特開2000−41837号公報、特開2000−237043号公報参照)。
【0003】
上記のシール部材としては、これを挟着する基板カバー部の周縁部上端面に合致する無端状のゴム製パッキンにより形成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の防水構造によると、ゴム製パッキンを成形する特別の金型が必要となるため、製品のコストアップの原因になる問題があった。成形品のゴム製パッキンの代わりに、低コストのシール手段として、シール材ポリマー(シーラント)を充填することが行われるが、シーラントにより基板カバー部と相手部材が接合されるため、手入れ時又はリサイクル処理時の分解が不可能になる問題があった。
【0005】
そこで、この発明は、調理器において、分解可能、かつ低コストで実現できる各種基板のシール構造を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、この発明は、基板を収納した基板カバー部の周縁部とその周縁部を押し当てる相手部材との間にシール部材を介在し、調理器内部に浸入した水から上記基板を保護する調理器の防水構造において、上記シール部材として柔軟な有端チューブを用い、上記周縁部の相手部材に対する押し当て面に環状のシール溝を設け、上記チューブをその両端部を突き合せて環状に形成し上記シール溝に収納した構成を採用した。
【0007】
上記の構成によると、シール部材としてのチューブは、その外周面がシール溝上から部分的に露出するように装着され、その露出した部分を相手部材に押し当てることにより、該チューブが弾性変形してシール作用が行われる。このチューブは、市販品の長尺な樹脂製チューブを適当な長さに切断して使用することができるので、低コストである。また、基板カバー部と相手部材とが接着されることはないので、分解可能である。
【0008】
なお、上記の基板が液晶表示部を有し、また、上記基板カバー部を押し当てる相手部材が調理器の表示パネルである構成を採ることができる。
【0009】
さらに、上記チューブの両端部を突き合せ接合した構成を採ると、チューブの突き合せ部分におけるシールを確実に行うことができる。接合手段は、接着剤によるもの、熱溶着によるもの等がある。
【0010】
また、上記基板カバー部にケーブル、リード線等の通電線の挿通穴を設け、その挿通穴にシール材ポリマーを充填してシールした構成を採ることができる。
【0011】
さらに、上記挿通穴を上記基板カバー部の底面に設け、該挿通穴より外方の基板カバー部外側に通電線押さえ部を設け、該通電線押さえ部を該挿通穴下方に折り返し可能に形成するとともに、該通電線押さえ部に開放部を設け、折り返した上記通電線押さえ部を係合する係合部を該基板カバー部に設け、上記挿通穴から基板カバー部の下方に引き出した通電線を該通電線押さえ部の開放部に挿通して外方に引き出し、外方に引き出した通電線を該通電線押さえ部を内側に折り返して保持するようにした構成を採ることができる。
【0012】
このような通電線押さえ部を設けると、基板カバー部の底面から下方に引き出した通電線を、該通電線押さえ部により基板カバー部の底面に押し当てて保持することにより、通電線に作用する荷重を支持し、基板に当該荷重が及ぶことを防止することができる。
【0013】
また、前述の課題を達成するその他の手段として、調理器の内部に基板を収納した基板カバー部を設け、該基板カバー部の周壁とその周壁を押し当てる相手部材との間をシールしてなる調理器の防水構造において、上記基板カバー部の周壁を上記蓋のヒンジ軸に平行な一辺を有する四角形に形成するとともに、その周壁上に嵌合される防水カバーを設け、その防水カバーに上記周壁に対応したつば辺を設け、上記相手部材にそのつば辺のうちヒンジ軸に近い方のつば辺を除く三辺のつば辺を該周壁との間で挟持するリブを設け、該ヒンジ軸に近い方のつば辺とこれに対応した周壁との間に通電線通過用のすき間を設けた構成を採用することができる。
【0014】
この構成は、炊飯器の蓋のように、ヒンジ軸を中心に回転させて開閉する構造の調理器に適用される簡易なシール構造であり、中継基板等のシール構造に用いられる。この場合は、パッキンを用いることなく、防水カバーのつば辺を周壁と相手部材のリブとの間で挟着する構造の簡易的なシール構造が採られる。また、通電線の通過すき間をヒンジ軸に近い方に設けることにより、そのすき間から蓋開放時に下降する水が浸入しないようにし、すき間部分のシール手段を省略している。
【0015】
なお、上記リブと周壁により挟着される三辺のつば辺からそれぞれ下方に延びるスカート部を設け、該スカート部を上記周壁の内面に密着させた構成を採用すると、簡易シール構造のシール性が一層向上する。
【0016】
【発明の実施形態】
以下、添付図面に基づいてこの発明の実施形態を説明する。図1に示した炊飯ジャーは、器具外郭としてのジャー本体1と、これに対しヒンジ軸2(図2参照)により開閉自在に取付けられた蓋3を有する。ジャー本体1の前端部に蓋3の前縁と同じ高さに立ち上がった操作部4が設けられる。
【0017】
蓋3は、図2、図3に示すように、蓋部材5、蓋パネル6、基板カバー7、蓋リング8、蒸気穴セット9等を主要な構成部材としている。
【0018】
上記の基板カバー7は浅い皿形をなし(図4参照)、その内部に表示用の基板10が取付けられ、さらに、その基板10上に液晶ホルダー11を介して液晶12が搭載される。また、その液晶12に対応した表示窓13が蓋パネル6に設けられる。さらに、液晶ホルダー11の両側に、所要数のスイッチ21が設けられ(図10参照)、そのスイッチ21に対応した設定キー14が蓋パネル6に設けられる(図3参照)。蓋パネル6は、蓋部材5の開放部15の内側から嵌合され、基板10を搭載した基板カバー7が蓋パネル6下面の所定位置に押し当てられる。そして、共通のビス16を基板ホルダー7の取付け足17、蓋パネル6の取付け足18に挿通し、蓋部材5内面のボス部20に締結固定される(図5参照)。
【0019】
上記の基板カバー7の詳細は、図7から図10に示すように、平面形状が概略「D」字形をなし(図7(a)参照)、その外周縁に全周に渡るシール溝19が設けられ、さらにそのシール溝19の外側に前述した所要数の取付け足17が設けられる。このシール溝19に装着されるシール部材は、柔軟な合成樹脂(例えば、シリコーン樹脂)からなるチューブ22により形成される。このチューブ22は、シール溝19の長さに相当する寸法に切断された有端状のものであり、その両端部23(図7(c)参照)相互を突き合せ、接着、溶着等により接合一体化されるか、又は単に付き合わされた状態でシール溝19に装着される。チューブ22は、図7(b)に示すように、その外周面がシール溝19から若干上方に露出し、その露出部分が相手部材、即ち蓋パネル6の下面に押し当てられることにより弾性変形し(図11参照)、全周にわたりシールする。
【0020】
前記の基板10は、上記基板カバー7のねじ穴24’にビス24によりねじ止めされる。その基板10に接続されたフラットケーブル25(図10参照)を基板カバー7の外部に引き出すためのスリット状の挿通穴26が、前記シール溝19の直線部分の内側に沿って設けられる。上記の挿通穴26の下面側は、基板カバー7に設けられたシール材充填溝30の底面に開放される(図8(a)(b)参照)。また、そのシール材充填溝30の長さ方向に沿った内側部分には、図8、図9に示すように、該挿通穴26の両端部に係合爪27、27が設けられ、これと対向した外側部分にリブ39が設けられる。
【0021】
さらに、シール溝19の下面において、上記の各係合爪27、27に対向した位置から、該シール溝19と直交する方向に外方に突き出した2本のアーム28、28と、各アーム28の先端部相互間にブリッジ状に渡された押さえ板29とからなるケーブル押さえ部31が設けられる。その押さえ板29の下面には押さえリブ32が設けられるとともに、その押さえ板29の両端部にねじ穴33,33が設けられる。また、前記挿通穴26の両端部に上記のねじ穴33,33と同一間隔のねじ穴35、35が設けられる。上記のアーム28の中間部に薄肉部34が設けられ、その薄肉部34において各アーム28を基板カバー7の下面側に折り返し可能となっている(図11(b)参照)。
【0022】
図11(a)に示すように、基板10上のコネクタ36に接続されたフラットケーブル25が、基板カバー7の前記の挿通穴26に挿通される。さらに、そのフラットケーブル25をケーブル押さえ部31の開放部38(アーム28と押さえ板29で囲まれた部分、図8参照)に挿通したのち、ケーブル押さえ部31をアーム28の薄肉部34で折り返し、その押さえ板29の先端を係合爪27に係合させる。また、前記のねじ穴33とねじ穴35とを合致させ、ビス37(図9参照)により締結固定する。そうすると、図11(b)に示すように、フラットケーブル25が、押さえ板29のリブ32と、挿通穴26に沿って設けられたリブ39との間で挟着保持される。これにより、フラットケーブル25に外部から作用する荷重が受け止められ、基板10に影響することを防ぐ。また、図11(b)に示すように、シール材充填溝30にシール材ポリマー41が充填される。
【0023】
なお、上記のフラットケーブル25の他に、リード線等の通電線を同様に挿通穴26に挿通し、これをケーブル押さえ部31により挟着保持することができる。
【0024】
基板10の防水構造は以上のようなものであり、基板10を取付けた基板カバー7のシール溝19内に装着されたチューブ22を蓋パネル6の下面に押し当てることにより、基板10の取付け部の全周がシールされる。このシールはチューブ22を相手部材である蓋パネル6に押し当てるだけであるので、両部材の分解に支障を来たすことはない。
【0025】
また、フラットケーブル25等の通電線の挿通穴26は、シール材ポリマー41によりシールされる。このシールは、基板カバー7と蓋パネル6の分解には関係しない。
【0026】
なお、蓋3の内部に蓄積される熱を逃がすため、図12に示すように、蓋3の蓋部材5と蓋パネル6との嵌合部分に、蓋3の内外を通じるすき間42を全周にわたり設けた構成を採った場合、そのすき間42から蓋3の内部に浸入する水を阻止するため、すき間42に臨んだ蓋パネル6の周囲に集水溝43を設けることが望ましい。集水溝43の排水口はヒンジ軸2の近傍に設けられる。
【0027】
次に、前記の基板カバー7の下方において蓋リング8に取付けられる中継基板44の防水構造について、主として図13に基づいて説明する。中継基板44は、蓋3の内部に取付けられるソレノイド45(図6参照)、モーター46、センサー47等の電気部品のリード線48(図13参照)をまとめ、フラットケーブル49に置き換えてジャー本体1側に通電するために設けられるものである。この中継基板44の防水は比較的簡易に行われる。
【0028】
即ち、図13に示すように、中継基板44の収納部51(図13(b)参照)は、蓋リング8に設けた四辺形の周壁52の内部に設けられる。その周壁52は、ヒンジ軸2に平行な2辺52a、52bとこれらに直角の2辺52c、52dを有し、そのうち辺52aがヒンジ軸2から遠い方、即ち、蓋3が開放された際に上位となる位置に形成される。中継基板44は上記の収納部51内に収納され、ビス50により蓋リング8に固定される。なお、この場合の蓋リング8は、「特許請求の範囲」にいう「基板カバー部」を構成する。
【0029】
蓋3の内部に浸入した水から上記の中継基板44を保護する防水カバー53は、図13(a)に示すように、下向きに開放された四角形のケース状をなし、前記4辺52a〜52dに対応したつば54が設けられる。つば54は前記の4辺52a〜52dに対応して、つば辺54a〜54dを有し、そのうち、辺52bに対応したつば辺54bが若干高く形成される。また、3辺のつば辺54a、54c、54dに対応してスカート部55が設けられる。
【0030】
上記のスカート部55が周壁52の3辺52a、52c、52dの内側に嵌合密着され、同時につば54のうちつば辺54a、54c、54dが3辺52a、52c、52d上に載る。辺52bとつば辺54bとの間には所要のすき間56が形成される、そのすき間56にフラットケーブル49、リード線48が挿通される。
【0031】
上記の防水カバー53の3辺のつば辺54a、54c、54dに対応したコの字形の押さえリブ57が相手部材である前述の基板カバー7の下面に設けられる(図3、図7参照)。この押さえリブ57と、周壁52の3辺52a、52c、52dにより、つば辺54a、54c、54dを挟着する。各つば辺54a、54c、54dは柔軟性に劣るため、完全なシールとはならないが、シール専用のパッキンを用いなくても、ある程度のシールは可能である。
【0032】
上記のスカート部55を、周壁52の3辺52a、52c、52dの内面に密着させることにより、上記のシールが一層確実になる。すき間56の部分は開放されているが、この部分は蓋3を開放したとき、周壁52の最も下位に位置するので、上位側から流れ落ちる水がこのすき間から浸入する機会はほとんどなく、中継基板44のような、電子部品が搭載されない基板のシール構造としては、この程度の簡易なシールで十分である。
【0033】
【発明の効果】
以上のように、この発明は、蓋内部に収納された各種基板を成形品のパッキンを用いることなく、既成のチューブを用いたり、また、簡易な防水ですむ場合は防水カバーを嵌合する等の手段によりシールするようにしたので、製品コストの低減を図ることができるとともに、手入れ時或いはリサイクル処理時の分解が容易に行える等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の斜視図
【図2】同上の断面図
【図3】同上の一部分解斜視図
【図4】同上の一部拡大断面図
【図5】同上の一部拡大断面図
【図6】同上の横断平面図
【図7】(a)同上の基板カバーの平面図
(b)(a)図のb−b線の断面図
(c)同上のチューブの縮小した斜視図
【図8】(a)同上の基板カバーの一部底面図
(b)(a)図のb−b線の断面図
【図9】図8(a)の部分の一部切欠斜視図
【図10】同上の基板カバーに基板を取付けた状態の斜視図
【図11】(a)同上のフラットケーブル挿通時の一部断面図
(b)同上のフラットケーブル挿通後の一部断面図
【図12】同上の一部拡大断面図
【図13】(a)他の実施形態の一部分解斜視図
(b)(a)図の場合の断面図
【符号の説明】
1 ジャー本体
2 ヒンジ軸
3 蓋
4 操作部
5 蓋部材
6 蓋パネル
7 基板カバー
8 蓋リング
9 蒸気穴セット
10 基板
11 液晶ホルダー
12 液晶
13 表示窓
14 設定キー
16 ビス
17 取付け足
18 取付け足
19 シール溝
20 ボス部
21 スイッチ
22 チューブ
23 両端部
24 ビス
24’ ねじ穴
25 フラットケーブル
26 挿通穴
27 係合爪
28 アーム
29 押さえ板
30 シール充填溝
31 ケーブル押さえ部
32 押さえリブ
33 ねじ穴
34 薄肉部
35 ねじ穴
36 コネクタ
37 ビス
38 開放部
39 リブ
41 シール材ポリマー
42 すき間
43 集水溝
44 中継基板
45 ソレノイド
46 モーター
47 センサー
48 リード線
49 フラットケーブル
50 ビス
51 収納部
52 周壁
52a〜52d 辺
53 防水カバー
54a〜54d つば辺
55 スカート部
56 すき間
57 押さえリブ

Claims (3)

  1. 基板を収納した基板カバー部の周縁部とその周縁部を押し当てる相手部材との間にシール部材を介在し、調理器内部に浸入した水から上記基板を保護する調理器の防水構造において、上記シール部材として柔軟な有端チューブを用い、上記周縁部の相手部材に対する押し当て面に環状のシール溝を設け、上記チューブをその両端部を突き合せて環状に形成し上記シール溝に収納し、上記基板カバー部の底面にケーブル、リード線等の通電線の挿通穴を設け、その挿通穴にシール材ポリマーを充填してシールし、該挿通穴より外方の基板カバー部外側に通電線押さえ部を設け、該通電線押さえ部を該挿通穴下方に折り返し可能に形成するとともに、該通電線押さえ部に開放部を設け、折り返した上記通電線押さえ部を係合する係合部を該基板カバー部に設け、上記挿通穴から基板カバー部の下方に引き出した通電線を該通電線押さえ部の開放部に挿通して外方に引き出し、外方に引き出した通電線を該通電線押さえ部を内側に折り返して保持するようにしたことを特徴とする調理器の防水構造。
  2. 調理器の内部に基板を収納した基板カバー部を設け、該基板カバー部の周壁とその周壁を押し当てる相手部材との間をシールしてなる調理器の防水構造において、上記基板カバー部の周壁を上記調理器の蓋のヒンジ軸に平行な一辺を有する四角形に形成するとともに、その周壁上に嵌合される防水カバーを設け、その防水カバーに上記周壁に対応したつば辺を設け、上記相手部材にそのつば辺のうちヒンジ軸に近い方のつば辺を除く三辺のつば辺を該周壁との間で挟持するリブを設け、該ヒンジ軸に近い方のつば辺とこれに対応した周壁との間に通電線通過用のすき間を設けたことを特徴とする調理器の防水構造。
  3. 上記リブと周壁により挟着される三辺のつば辺からそれぞれ下方に延びるスカート部を設け、該スカート部を上記周壁の内面に密着させたことを特徴とする請求項に記載の調理器の防水構造。
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