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JP3913995B2 - 静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及び画像形成方法 Download PDF

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JP3913995B2 JP2001044292A JP2001044292A JP3913995B2 JP 3913995 B2 JP3913995 B2 JP 3913995B2 JP 2001044292 A JP2001044292 A JP 2001044292A JP 2001044292 A JP2001044292 A JP 2001044292A JP 3913995 B2 JP3913995 B2 JP 3913995B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成方法に関し、電子写真静電記録分野において、トナー像をベルトを介して加熱定着させる定着法を用いる場合の画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンター等の定着方法は、いわゆる装置構成が簡易で取扱いが容易な熱ローラー定着方式が採用されている例が多い。
しかしながら、上述の従来多用されてきた熱ローラ定着では、
(1)熱ローラーが所定温度に達するまでのウエイト時間がある。
(2)記録材の通過あるいは他の外的要因で加熱ローラーの温度が変動することによる定着不良やオフセツト現象を防止するために加熱ローラーを最適な温度に維持する必要があり、このためには加熱ローラーあるいは加熱体の熱容量を大きくしなければならない。
などの問題があった。
また、一般的に粘性の低いフルカラートナーにおいては、
(3)ローラーの曲率のため、オフセットや排紙時のローラーへの巻き付きの問題もあり、離型オイルを塗布することと、そのオイルタンクを備えることが必要であった。
【0003】
これらの問題に対して、ベルト加熱定着方式が提案され、さらにベルト定着でオイルを塗布しない方式(オイルレス方式)や微量塗布の方式が提案されている。
一方、近年は以前の高光沢画像に比べやや光沢を抑えた中光沢タイプの画像が望まれている。
【0004】
しかし、上述のような熱容量の小さいベルト加熱定着の方式を生かすために、ベルトは薄く、定着時の圧力はローラー定着方式に比較すると小さい。そのためベルト加熱定着方式で中光沢を得るためには、ローラー定着方式で中光沢画像を得ようとする場合よりも、溶融粘度などを低いトナーにする必要があり、その結果オフセットが発生しやすい。
【0005】
特開平7−287414、特開平9−062031、特開平10−171154などは低粘度のトナーのオフセット発生を防止するために、主にワックスについて規定をしている。また低圧定着を達成するために、特開平3−188648では樹脂の酸価や水酸基価と分子量分布について規定している。これらは定着性を考慮したものであるが、混色や光沢が必要なカラートナーにおいては、これらで述べられている樹脂特性では不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の問題点を解決し、トナーのレオロジー特性を特定の範囲に限定することにより、ベルト加熱定着方式においてオフセット発生のない中光沢画像を得ることができる画像形成方法を提供することである。
【0007】
本発明の目的は、さらに、外的要因変化や記録材の種類によらずオフセットの発生のないフルカラー画像を得ることができる画像形成方法を提供し、また、外的要因変化や記録材の種類による光沢の差が小さい中光沢定着画像を得ることができる画像形成方法、ワックスを含有することによる粒子の流動性の悪化がなく、良好な中光沢画像を得ることができる画像形成方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記の手段により達成される。
本発明によれば、請求項1では感光体上の静電潜像をトナーで顕像化し得られたトナー像を転写媒体に転写した後、該トナー像を有端もしくは無端ベルトと接触させながらトナー像を定着する画像形成方法において、本発明の静電荷像現像用トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有し、トナーのレオロジー特性が、温度120 ℃、応力200 〜600Pa において、G'が7 ×103Pa以下でありtan δが2〜8であることを主要な特徴とする。
【0009】
第二に、請求項1の静電荷像現像用トナーのレオロジー特性において、温度150 ℃、応力200 〜600Pa におけるtan δが8以下であることを特徴とする。
【0010】
第三に、請求項1、2の画像形成方法において、温度120℃、応力200Pa〜600Paの範囲でtanδの大小差が0.3未満であることを特徴とする。
【0011】
第四に、請求項1〜3の画像形成方法において、少なくとも2種以上の結着樹脂で海島構造を形成し、島を構成する樹脂中に離型剤が分散していることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
ベルト加熱定着では従来のローラー定着に比べて加圧が小さいことに注目し、比較的小さい応力での粘弾性特性を比較した結果から本発明に至った。
すなわち、本発明のトナーは、感光体上の静電潜像をトナーで顕像化し得られたトナー像を転写媒体に転写した後、該トナー像を有端もしくは無端ベルトと接触させながらトナー像を定着する画像形成方法に使用されるトナーにおいて、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナーであり、トナーのレオロジー特性が、温度120 ℃、応力200 〜600Pa において、G'が5 ×103 Pa以下でありtan δが2〜8であり、さらに温度150 ℃、応力200 〜600Pa におけるtan δが8以下であり、さらに応力200Pa 〜600Pa の範囲でtan δの大小差が0.3 未満であり、さらに少なくとも2種以上の結着樹脂で海島構造を形成し、島を構成する樹脂中に離型剤が分散しているものである。
【0014】
また、本発明の画像形成方法は、感光体上の静電潜像を上記のトナーで顕像化し得られたトナー像を転写媒体に転写した後、該トナー像を有端もしくは無端ベルトと接触させながらトナー像を定着するものである。
【0015】
レオロジー特性の貯蔵弾性率(G')は被検物質の変形しやすさを示す値であり、トナーにおいては定着性と関係のある値である。G'が小さいほど定着時に変形しやすく記録材に接着しやすくなる。本発明においてはトナーのG'は7 ×103Pa以下であることが好ましい。この値より大きいと定着が不十分な場合がある。また定着はしていても発色に必要なトナーの溶融混色が不十分な場合がある。
【0016】
さらに、カラートナーに必要な光沢を得るためには、弾性成分に対してどれだけ粘性成分があるかが重要となる。その特性を示すtan δは定着画像の光沢と関係深いものである。このtan δが大きいほどトナーの粘性成分の比率が大きくなり、光沢が得られるようになる。そこで、本発明においては上記の特性に加えてさらにtan δが2以上であることが必要である。しかし、粘性成分と弾性成分のバランスが崩れ、tan δが大きくなりすぎるとオフセットが発生しやすいトナーとなる。したがって、オフセット発生のない中光沢画像を得るためには、tan δが2〜8であることが必要である。
【0017】
トナーによっては温度次第で、この範囲のG'およびtan δを得ることが可能であるが、ローラー定着に比べて低い温度で定着可能なベルト加熱定着の良さを発揮するために、本発明においては温度120 ℃でのtan δの値がこの範囲にあることが好ましい。
【0018】
通常使用する定着温度でオフセットが発生しないことはもちろんであるが、何らかの外的要因によるベルト表面温度の変化でオフセットが発生しないためには、トナーにオフセット発生に対する余裕度が十分にあることが必要である。一般的に温度の上昇にともない光沢は上昇するが、これはtan δが上昇し弾性と粘性のバランスが崩れる方向となる。離型性は定着部材に塗布される離型オイルや離型剤の染み出しで得られるが、結着樹脂の特性による部分もある。したがって、温度150 ℃においてもtan δが8以下であることが好ましい。
【0019】
温度によって光沢が変化するということは、トナーに与えられるエネルギー量が変化するということである。一方で定着圧力の変化によっても光沢は変化する。これまでの検討結果からTan δの変化は圧力変化によってよりもエネルギー変化によってのほうが大きい。ということは圧力変化でtan δが変わるようなトナーでは、エネルギー変化ではさらに大きな変化になるということである。
【0020】
ベルト加熱定着ではベルト表面温度を希望温度にするまでの時間が短くてすむため、連続通紙での温度変化は少ないが、蓄熱量が小さいため、記録材の厚さによる吸熱量の違いから、同じ定着温度に対してトナー温度が高くなったり低くなったりする。また、気温などの外部環境によってもトナーに与えられるエネルギー量はわずかであるが変わる。このような場合でも中光沢画像が得られまたオフセット発生のない画像を得るためには、トナーに与えられるエネルギー量の変化によって定着状態が変化しにくいこと、すなわちtan δ変化が大きすぎないことが必要である。そのためには少なくとも圧力変化によるtan δ変化が小さいことが必要である。したがって本発明においては温度120 ℃、応力200 〜600Pa におけるtan δ変化量が0.3 未満であることが好ましい。0.3 未満にすることにより記録材による光沢変化を小さく抑えやすい。
【0021】
本発明のトナーのレオロジー特性は以下のように測定される。
ハーケ社製RS50システムを使用し、直径20mmのパラレルプレートを用い、ギャップ2mm、周波数1Hzとし、一定温度の応力50Pa〜1000Paの範囲で測定を行なった。トナーは直径20mm厚さ2mmのペレットとしたものを使用した。
【0022】
このようなレオロジー特性のトナーを得るためには、例えばTHF不溶分を含有する樹脂を使用する、THF不溶分はないが架橋部分を持つ樹脂を使用する、などの方法がある。また2種類以上の樹脂をブレンドすることも可能である。例えば分子量の異なる非架橋樹脂同士のブレンド、非架橋樹脂とTHF不溶分のない架橋樹脂のブレンド、THF不溶分のない架橋樹脂同士のブレンド、THF不溶分を含有する樹脂とのブレンドなど、あらゆる組み合わせで使用できる。2種類以上の樹脂のブレンドではトナーのレオロジー特性を調整しやすい。
【0023】
なお、THF不溶分を含有する樹脂を使用する場合は、その架橋の程度や、組み合わせる樹脂のTgや分子量分布などによるが、トナーとした時に狙いとする光沢を得るのを阻害しないような量にすることが好ましい。また、トナーとしたときの結着樹脂中のTHF不溶分は1%未満であることが好ましい。
【0024】
結着樹脂のTHF不溶分は以下のように測定される。
結着樹脂約1.0gを秤量し、これにTHF約50gを加えて20℃で24時間静置する。これをまず、遠心分離でわけJIS規格(P3801)5種Cの定量ろ紙を用いて常温でろ過する。続いてろ紙残渣が不溶分であり、用いたトナーとろ紙残渣の比(重量%)で表わす。なお、トナーとした時の結着樹脂中のTHF不溶分を測定する場合には、トナー約1.0gを秤量して結着樹脂と同様の方法で行なうが、ろ紙残渣の中には顔料などの固形物が存在するので、熱分析により別途求める。
【0025】
本発明のトナーは上述以外の特性において、トナーの1/2流出開始温度は110〜130℃が好ましい。より好ましくは115〜125℃である。これより高い場合には中光沢画像を得にくく、これより低い場合には、オフセットに対する余裕度の少ないものとなりやすい。また同じ理由からトナーのTHF可溶分のGPCによる重量平均分子量Mwは、8000〜40000であることが好ましい。より好ましくは12000〜30000である。またトナーのガラス転移点Tgは55〜75℃であることが好ましい。これより低いと保存性の面で十分なものが得にくく、これより高いと標準設定温度での中光沢画像が得にくい。
【0026】
1/2流出開始温度は、高架式フローテスター(CTF−500:島津製作所製)を用い、ダイス細孔の径0.5mm、加圧10kg/cm2 、昇温速度3℃/minの条件で1cm3 の試料を溶融流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さの1/2に相当する温度である。
【0027】
重量平均分子量MwはGPCにより以下のように測定される。
40℃のヒートチャンバー内でカラムを安定させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6 重量%に調整したトナー母体のTHF試料溶液を200 μl注入して測定する。THF試料溶液は注入前に0.45μmの液クロ用フィルターで、THF不溶成分を除去する。トナーの試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、プレシャーケミカル社あるいは、東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102、2.1×103、4×103、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0028】
結着樹脂のTgは、理学電機社製のRigakuTHRMOFLEXTG8110により、昇温速度10℃/minの条件にて測定される。
【0029】
本発明のトナーの母体粒子の体積平均粒径は4〜10μmであることが好ましい。これより小さい粒径の場合は、現像時に地汚れの原因となったり、流動性を悪化させトナー補給やクリーニング性を阻害する場合がある。また、現像ローラーや現像剤塗布ブレードなどへのトナーの融着を起こす場合がある。逆にこれより大きい粒径の場合は、現像中のチリや、解像性の悪化などが問題となる場合がある。体積平均粒径は、コールターエレクトロニクス社製のコールターカウンターモデルTA−IIにより計測した値である。
【0030】
本発明のトナーの離型剤は結着樹脂中に分散していることが好ましく、そのためには結着樹脂と離型剤は非相溶であることが好ましい。離型剤が分散していることにより、定着時に離型剤が染み出しやすく、オイルレス定着装置において、あるいは微量オイル塗布定着装置でオイル塗布効果が少なくなってきた場合においても、トナーのベルト側への転移を抑制することができる。
【0031】
さらに、トナー中で結着樹脂は2種以上の結着樹脂で海島構造を形成し、島を構成する樹脂に離型剤が分散していることが好ましい。このような構成にすることにより、粉砕界面が離型剤と結着樹脂との界面になりにくく、離型剤が粒子表面に存在しにくくなる。そのため離型剤が粒子表面に存在することによる、流動性低下、外添剤の埋没などの副作用を抑制することができる。したがって、このような構成にすることにより、海島構造を形成しない場合よりも多い量の離型剤を含有することができ、十分なオフセット余裕度を確保できる。
【0032】
結着樹脂の海島構造、離型剤の分散状態は、トナーの薄膜切片をTEMで観察することにより判断できる。離型剤の分散径は小さいほうが好ましいが、小さすぎると定着時の染み出しが不十分な場合がある。したがって、倍率1万倍で離型剤が確認できれば、離型剤が分散した状態で存在していると判断する。
【0033】
本発明では、感光体の静電潜像を上述のような特性と構成のトナーで顕像化し、得られたトナー像を転写媒体に転写した後、該トナー像を有端もしくは無端ベルトと接触させながらトナー像を定着することが好ましい。この方法以外では目的の中光沢画像を得られない場合がある。特に定着圧の高い従来の熱ローラー方式による定着では、高光沢画像となりやすい。
【0034】
本発明で使用されるトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤、離型剤を含有するものである。
結着樹脂としては従来より公知の熱可塑性樹脂である、ポリエステル、ポリオール、スチレンとビニル系モノマーの共重合体があげられ、これらは結着性,コスト面等から、特に好ましいものであるが、これら以外にもロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、石油系樹脂などがあげられる。本発明で用いられるポリエステル系樹脂としては、一般公知のアルコールと酸との重縮合反応によって得られるもの全てが用いられる。例えばアルコールとしては、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロピレングリコール、1 、3−プロピレングリコール、1、4−プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオールなどのジオール類、1、4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールAなどのエーテル化ビスフェノール類、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価のアルコール単位体、その他の二価のアルコール単位体、ソルビトール、1、2、3、6−ヘキサンテトロール、1、4−サルビタン、ペンタエスリトールジペンタエスリトール、トリペンタエスリトール、蔗糖、1、2、4−ブタントリオール、1、2、5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1、2、4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1 、3、5−トリヒドロキシメチルベンゼン等の三価以上の高アルコール単量体などがある。
【0035】
また、ポリエステル樹脂を得るために用いられるカルボン酸としては、例えばパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などのモノカルボン酸、マレイン酸、フマール酸、メサコン酸、シトラコン酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらを炭素数3〜22の飽和もしくは不飽和の炭化水素基で置換した二価の有機酸単量体、これらの酸の無水物、低級アルキルエステルとリノレイン酸の二量体、1、2、4−ベンゼントリカルボン酸、1、2、5−ベンゼントリカルボン酸、2、5、7−ナフタレントリカルボン酸、1、2、4−ナフタレントリカルボン酸、1、2、4−ブタントリカルボン酸、1、2、5−ヘキサントリカルボン酸、1、3−ジカルボキシル−2−メチル−2−2メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1、2、7、8−オクタンテトラカルボン酸エンボール三量体酸、これらの酸の無水物等の三価以上の多価カルボン酸単量体などである。
【0036】
ポリオール樹脂としては、各種のタイプのものが使用できるが、本発明に用いられるものとして、以下のものが特に好ましい。特にポリオール樹脂として、エポキシ樹脂と、2価フェノールのアルキレンオキサイド付加物もしくはそのグリシジルエーテルと、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に1固有する化合物と、エポキシ基と反応する活性水素を分子中に2個以上有する化合物を反応してなるポリオールを用いることが好ましい。
【0037】
スチレンとビニル系モノマーの共重合体としては従来公知のすべてのモノマーからなるポリマーが用いられる。
具体例として、次の各モノマーが挙げられる。
即ち、スチレンおよびその誘導体、たとえば、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレンの如きアルキルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレンのごときハロゲン化スチレン、更にニトロスチレン、アセチルスチレン、メトキシスチレンなどが挙げられる。
【0038】
また、付加重合性不飽和カルボン酸、即ち、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸のごとき付加重合性不飽和脂肪族モノカルボン酸、または、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸のごとき付加重合性不飽和脂肪族ジカルボン酸が挙げられる。また、カルボン酸の金属塩化したものも用いることができ、この金属塩化は重合終了後に行うことが出来る。
【0039】
また、前記付加重合性不飽和カルボン酸とアルキルアルコール、ハロゲン化アルキルアルコール、アルコキシアルキルアルコール、アラルキルアルコール、アルケニルアルコールのごときアルコールとのエステル化物などが挙げられる。そして、上記アルコールの具体例としてメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、ドデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ヘキサデシルアルコールのごときアルキルアルコール;これらアルキルアルコールを一部ハロゲン化したハロゲン化アルキルアルコール、;メトキシエチルアルコール、エトキシエチルアルコール、メトキシプロピルアルコール、エトキシプロピルアルコールの如きアルコキシアルキルアルコール;ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコールの如きアラルキルアルコール;アリルアルコール、クロトニルアルコールの如きアルケニルアルコールが挙げられる。
【0040】
また、前記付加重合性不飽和カルボン酸より誘導されるアミドおよびニトリル;エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレンのごとき脂肪族モノオレフィン;塩化ビニル、臭化ビニル、よう化ビニル、1、2−ジクロルエチレン、1、2−ジブロムエチレン、1、2−ジヨードエチレン、塩化イソプロペニル、臭化イソプロペニル、塩化アリル、臭化アリル、塩化ビニリデン、弗化ビニル、弗化ビニリデンのごときハロゲン化脂肪族オレフィン、;1、3−ブタジエン、1、3−ペンタジエン、2−メチル−1、3−ブタジエン、2、3−ジメチル−1、3−ブタジエン、2、4−ヘキサジエン3−メチル−2、4−ヘキサジエンのごとき共役ジエン系脂肪族ジオレフィンが挙げられる。
更に酢酸ビニル類、ビニルエーテル類、;ビニルカルバゾール、ビニルピリジン、ビニルピロリドンなどの含窒素ビニル化合物が挙げられる。
この本発明に使用する樹脂は、これらのモノマーを1種または、2種以上を重合したものを用いることが出来る。
【0041】
離型剤として、低分子量ポリプロピレン,低分子量ポリエチレン,カルナウバワックス,マイクロクリスタリンワックス,ホホバワックス,ライスワックス,モンタン酸ワックス等を単独または混合して用いることができるがこれらに限定されるものではない。
【0042】
着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレトVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。使用量は一般にバインダー樹脂100重量部に対し0.1〜50重量部である。
【0043】
本発明においてトナーに必要に応じて帯電制御剤を含有してもよい。帯電制御剤としては、具体的には、モノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸およびその塩、四級アンモニウム塩類、イミダゾール金属錯体や塩類などが用いられ、サリチル酸、ナフトエ塩、ジカルボン酸のCo、Cr、Feなどの金属錯体アミノ化合物、有機ホウ素塩類、カリックスアレン系化合物、有機染料などが使用できるが、これらの中から、カラートナーの色調を損なうことない透明色から白色の物質を添加し、負極性もしくは正極性にトナーを安定化付与することが好ましい。本発明において荷電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、2〜5重量部の範囲がよい。0.1重量部未満では、トナーの帯電が不足し実用的でない。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、キャリアとの静電的吸引力の増大のため、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
【0044】
さらに、トナー粒子中への磁性材料の導入には、フェライト,マグネタイト,マグヘマタイト等の酸化鉄類,鉄,コバルト,ニッケル等の金属あるいは、これらと他の金属との合金等の磁性成分を単独または混合して使用する事ができる。この場合もカラートナーの色調を損なうことない透明色から白色の物質を選択することが好ましい。
【0045】
トナーの製造方法としては,従来一般的に用いられている,結着樹脂、着色剤、離型剤と必要に応じてその他の添加剤を溶融混練し,粉砕,分級する方法,もしくは,懸濁重合,分散重合,乳化重合などの所謂重合法を使用することもできる.造粒法は,これら公知のものに限定されるものではない.
【0046】
本発明のトナーには,好適な流動性を付与するために,無機微粒子を含有することが好ましい.特に,0.01μm 以上0.1 μm 以下の粒径を持つ無機微粒子は好ましい.無機微粒子としては、従来公知の表面を疎水化したシリカ粒子、などが挙げられる。シリカに他の金属をドープした、複合金属酸化物や、他の金属、金属酸化物により被覆された微粒子の類もこれに含まれる。シリカの他には,酸化チタン,酸化アルミニウム,炭化珪素これらの微粒子はその表面が疎水化された粒子であることは、特に好ましく、表面処理剤としては、たとえば、シロキサン、ハロゲン化珪素を含む化合物、アルコキシシランを含む化合物、シラザンなどのシリル化剤、シリコーンオイルなど、シリル化剤、表面吸着剤、を使用して、任意の疎水化がなされた微粒子使用できる.具体的には、ヘキサメチルジシラザンに代表されるシラザン類,メチルトリメトキシシラン,イソブチルトリメトキシシラン、トリメトキシフルオロプロピルシラン,などに代表されるアルキルアルコキシシランの類などであり,そららの1 種から複数種を使用して表面処理されたものが使用できる。これらは混合機などにより、母体粒子に混合されたり表面改質が行なわれる。
【0047】
本発明においてはトナー単独で現像剤とし、一成分現像法で現像しても良いし、トナーとキャリアを混合して現像剤とし、二成分現像法で現像しても良い。
二成分現像法で使用されるキャリヤとしては鉄粉、フェライト、ガラスビーズ等、従来と同様である。なおこれらキャリヤは樹脂を被覆したものでもよい。この場合使用される樹脂はポリ弗化炭素、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フェノール樹脂、ポリビニルアセタール、シリコーン樹脂等である。いずれにしてもトナーとキャリヤとの混合割合は、一般にキャリヤ100重量部に対しトナー0.5〜6.0重量部程度が適当である。
【0048】
本発明の定着方式に使用する定着装置の一例を図1に示す。ここでR1 は金属製(アルミニウム、鉄等)芯金に弾性体(シリコンゴムなど)を被覆した定着ローラーであり、R3 は金属性(アルミニウム、鉄、銅、ステンレス等からなるパイプ)中空筒状芯金からなり内部等に加熱源Hを有する加熱ローラーである。Sは加熱ローラーR3 部分に接する定着ベルトBの表面温度を測定する為の温度センサーである。定着ローラーR1 と加熱ローラーR3 との間に定着ベルトBが張設されている。定着ベルトBは熱容量の小さい構成であり、基体(ニッケルやポリイミドなどの30から150μm程度の厚さ)上に、離型層(シリコンゴムで50から300μmの厚さや、フッ素系樹脂で10から50μm程度の厚さなど)が設けられたものである。また、R2 は金属製芯金に弾性体を被覆した加圧ローラーであり、定着ベルトBを介して定着ローラーR1 を下方から押圧することにより、定着ベルトBと加圧ローラーR2 との間にニップ部を形成している。また、R4 は定着ベルトにオイル(シリコーン系のオイル等)を塗布する為の、オイルを含浸したオイル塗布ローラーである。そしてGは、未定着トナー画像Tを担持したプリントシートP(ペーパー等)を支持するガイドである。また、それぞれの部材の寸法は、必要とされる各種の条件により設定される。
なお、これらは一例であり、例えば定着ローラーR1 や、加圧ローラーR2 の内部に加熱源を設けることも可能であり、本発明では、この例以外の構成で定着ベルトを使用した定着装置も適用される。
【0049】
(実施例)
次に実施例をあげて本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
実施例
なお、本発明の実施例においてトナーの評価は以下の定着装置を用いて、次のような方法で行なった。
定着装置
図1に示す定着装置を以下の条件に設定したもの。定着ベルトの標準定着設定温度は140℃であるが、定着温度は変更できるものである。
ベルト張力…1.5kg/片
ベルト速度…180mm/sec
定着ニップ幅…10mm
定着ローラー…ローラー径:Φ38、表面材質と硬度:シリコン発砲体で約30度(アスカー C 硬度)
加圧ローラー…ローラー径:Φ50、表面材質と硬度:PFAチューブ+シリコンゴム 厚み1mmで約75度(アスカー C 硬度) 、芯金径:Φ48( 鉄、肉厚1mm)
加熱ローラー…ローラー径:Φ30、( アルミ、肉厚2mm)
定着ベルト…ベルト径:Φ60、基体:約40μm厚のニッケル、離型層:約150μmのシリコンゴム、表面粗さRz4.1μm、ベルト幅:310mm、
オイル塗布ローラー…オイル塗布量:0.5mg/A4サイズ当たり
【0050】
定着画像の評価
平均粒径50μmのフェライト粒子にシリコン樹脂を表面コートしたキャリア100重量部に対して、トナーを5重量部の割合とし、ターブラーミキサーで混合して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの2成分現像剤とする。
これら現像剤をリコー製複写機プリテール550の現像部に装填して記録材上にフルカラー画像を得るが、定着部は本来の定着装置を取り外して、別の定着装置を取り付けられるように改造されている。ここで得られる画像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの単色べた画像、および中間色としてグリーン、ブルー、レッドのべた画像である。なおこの複写機は、単色のべた部で0.8±0.1 mg/cm2 のトナーが現像されるように調整がされている。
【0051】
画像光沢およびその他の評価
定着設定温度140 ℃で、記録材としてフルカラー複写機で通常使用されるリコー製タイプ6000−70W(厚さ96μm、標準紙)、およびリコー製タイプ6000−58W(厚さ88μm)、リコー製タイプ6000−90W(厚さ121μm)を用いて場合のフルカラー画像を得る。
光沢度は得られた画像の単色べた部のうち、任意の場所の光沢度を、日本電色工業株式会社製のグロスメーターにより、入射角度60°により計測する。
この画像の目視観察により、画像濃度、地汚れ、発色、オフセットの有無などを観察する。
【0052】
オフセット発生温度
定着ベルトの定着設定温度を5 ℃毎上げていき、オフセットが発生する温度を調べる。
【0053】
実施例1
上記トナー構成材料を各色毎にブレンダーで十分混合した後、2軸押し出し機で混練した。この時の混練機の設定温度は90〜100℃とし、比較的低温で大きい剪断力がかかるようににした。この混練物を放冷後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて母体トナーの体積平均粒径が7±1μmになるようにし、各色母体着色粒子を得た。
さらに、母体着色粒子100重量部に対して、疎水性シリカ0.5重量部と酸化チタン0.5重量部をヘンシェルミキサーにて混合し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得た。
以降のトナー測定は各色を代表して、マゼンタトナーについての値である。
このトナーの薄膜切片のTEM画像を調べたところ、離型剤が分散していることが確認できた。このトナーのTg、1/2流出開始温度、重量平均分子量は以下の通りとなった。
Tg:63℃ 1/2 流出開始温度:116 ℃ 重量平均分子量:17800
このトナーのレオロジー特性を測定した結果、120℃、応力200 〜600Pa でのG'範囲は8 ×103 以下であり、tan δ範囲は2 〜8 の範囲内であった。
このトナーを用いて、標準紙に定着された画像は、転写むらや地汚れなどなく、単色、中間色ともに鮮明なフルカラー画像であった。この画像は光沢度21の中光沢画像であり、オフセットの発生はなかった。次に定着温度を上げてオフセットの発生の有無を調べたところ、175℃でオフセットが発生した。このトナーがオフセットに対して余裕度があることがわかる、高い温度であった。
次に厚さの異なる紙を用いて、標準定着温度で定着した場合の定着画像を評価したところ、光沢に差はあるがオフセットの発生はなかった。
結果の詳細を表1に示す。
【0054】
実施例2
着色剤、帯電制御剤…実施例1と同様
上記トナー構成材料を各色毎にブレンダーで十分混合した後、2軸押し出し機で混練した。この時の混練機の設定温度は100 〜110 ℃とし、実施例1 ほどには剪断力が大きくない状態で混練した。この混練物を放冷後カッターミルで粗粉砕し、ジェット気流を用いた微粉砕機で粉砕後、風力分級装置を用いて母体トナーの体積平均粒径が7±1μmになるようにし、各色母体着色粒子を得た。
さらに実施例1と同様の工程を経てイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得た。
以降のトナー測定は実施例1と同様、マゼンタトナーについての値である。
このトナーの薄膜切片のTEM画像を調べたところ、離型剤が分散していることが確認できた。このトナーのTg、1/2流出開始温度、重量平均分子量は以下の通りとなった。
Tg:65℃ 1/2 流出開始温度:119 ℃ 重量平均分子量:18000
このトナーのレオロジー特性を測定した結果、120 ℃、応力200 〜600Pa でのG'範囲は8 ×103 以下であり、tan δ範囲は2〜8の範囲内であった。またこのトナーは、150 ℃における測定においてもtan δは8を超えなかった。
このトナーを用いて、標準紙に定着された画像は、転写むらや地汚れなどなく、単色、中間色ともに鮮明なフルカラー画像であった。この画像は光沢度25の中光沢画像であり、オフセットの発生はなかった。実施例1の場合よりも離型剤が少ないがオフセットの発生がなかったのは、架橋樹脂を使用したことにより弾性成分と粘性成分のバランスが崩れにくく、tan δの上昇を抑えられたためと考えられる。
次に定着温度を上げてオフセットの発生の有無を調べたところ、175 ℃でオフセットが発生した。このトナーがオフセットに対して余裕度があることがわかる、高い温度であった。
次に厚さの異なる紙を用いて、標準定着温度で定着した場合の定着画像を評価したところ、光沢に差はあるがオフセットの発生はなかった。
結果の詳細を表1に示す。
【0055】
実施例3
着色剤、帯電制御剤…実施例1と同様
上記トナー構成材料を実施例2と同様の工程を経てイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得た。
以降のトナー測定は実施例1と同様、マゼンタトナーについての値である。
このトナーの薄膜切片のTEM画像を調べたところ、離型剤が分散していることが確認できた。また混練前にTHF不溶分を含有する樹脂を使用しているが、混練後のトナー中の結着樹脂にTHF不溶分はなかった。このトナーのTg、1/2流出開始温度、重量平均分量は以下の通りとなった。
Tg:60℃ 1/2 流出開始温度:124 ℃ 重量平均分子量:20500
このトナーのレオロジー特性を測定した結果、120 ℃、応力200 〜600Pa でのG'範囲は8 ×103 以下であり、tan δ範囲は2〜8の範囲内であった。さらにtan δは応力200 〜600Pa の範囲でほとんど変化することなく、その差は0.1 であった。またこのトナーは、150 ℃における測定においてもtan δが8を超えなかった。
このトナーを用いて、標準紙に定着された画像は、転写むらや地汚れなどなく、単色、中間色ともに鮮明なフルカラー画像であった。この画像は光沢度20の中光沢画像であり、オフセットの発生はなかった。
次に定着温度を上げてオフセットの発生の有無を調べたところ、オフセットの発生温度は185 ℃であった。十分に高い温度であった。
次に厚さの異なる紙を用いて、標準定着温度で定着した場合の定着画像を評価したところ、目視ではほとんど差がなく、光沢度でも小さい差であった。
結果の詳細を表1に示す。
【0056】
実施例4
着色剤、帯電制御剤…実施例1と同様
上記トナー構成材料を実施例2と同様の工程を経てイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得た。
以降のトナー測定は実施例1と同様、マゼンタトナーについての値である。
このトナー中には実施例1と同量の6重量部の離型剤が含有されている。しかも混練時に低温で大きい剪断力をかけることはなかった。それでもトナー粒子の流動性はこれまでとトナーに比べて劣るものではなかった。このトナーの薄膜切片のTEM画像を調べたところ、海島構造確認でき、その島形成部分に離型剤が分散していることが確認できた。このような構成から、粒子表面に存在する離型剤量が含有量の割には少なくなったと考えられる。
このトナーのTg、1/2流出開始温度、重量平均分量は以下の通りとなった。
Tg:65℃ 1/2 流出開始温度:120 ℃ 重量平均分子量:15700
このトナーのレオロジー特性を測定した結果、120 ℃、応力200 〜600Pa でのG'範囲は8 ×103 以下であり、tan δ範囲は2〜8の範囲内であり、tan δ差は0.4 であった。またこのトナーの150 ℃における測定において、tan δは8を超えなかった。
このトナーを用いて、標準紙に定着された画像は、転写むらや地汚れなどなく、単色、中間色ともに鮮明なフルカラー画像であった。この画像は光沢度21の中光沢画像であり、オフセットの発生はなかった。
次に定着温度を上げてオフセットの発生の有無を調べたところ、オフセットの発生温度は180 ℃であり、十分に高い温度であった。分子量がこれまでのトナーに比べて低いにもかかわらず、180 ℃というオフセット発生温度となったのは、架橋樹脂のブレンドと離型剤量の効果によるものであり、特に離型剤量の効果が大きいと考えられる。
次に厚さの異なる紙を用いて、標準定着温度で定着した場合の定着画像を評価したところ、光沢にやや差はあるが、どれもオフセット発生のない中程度の光沢画像であった。
結果の詳細を表1に示す。
【0057】
実施例5
着色剤、帯電制御剤…実施例1と同様
上記トナー構成材料を実施例2と同様の工程を経てイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック各色のトナーを得た。
以降のトナー測定は実施例1と同様、マゼンタトナーについての値である。
このトナー中には5重量部の離型剤が含有され、しかも混練時に低温で大きい剪断力をかけることはなかった。それでもトナー粒子の流動性は離型剤含有量が少ない実施例2、3のトナーに比べて劣るものではなかった。このトナーの薄膜切片のTEM画像を調べたところ、海島構造確認でき、その島形成部分に離型剤が分散していることが確認できた。このような構成から、粒子表面に存在する離型剤量が含有量の割には少なくなったと考えられる。
このトナーのTg、1/2流出開始温度、重量平均分量は以下の通りとなった。
Tg:63℃ 1/2 流出開始温度:127 ℃ 重量平均分子量:18600
このトナーのレオロジー特性を測定した結果、120 ℃、応力200 〜600Pa でのG'範囲は8 ×103 以下であり、tan δ範囲は2〜8の範囲内であり、tan δ差は0.1 とほとんど差のないものであった。またこのトナーの150 ℃における測定において、tan δは8を超えなかった。
このトナーを用いて、標準紙に定着された画像は、転写むらや地汚れなどなく、単色、中間色ともに鮮明なフルカラー画像であった。この画像は光沢度18の中光沢画像であり、オフセットの発生はなかった。
次に定着温度を上げてオフセットの発生の有無を調べたところ、オフセットの発生温度は190 ℃であり、これまでのトナーよりもさらにオフセット余裕度のあるものであった。
次に厚さの異なる紙を用いて、標準定着温度で定着した場合の定着画像を評価したところ、目視での光沢差は確認できないほどであり、測定されたそれぞれの光沢度差は非常に小さいものであった。結果の詳細を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】
請求項1の、感光体上の静電潜像をトナーで顕像化し得られたトナー像を転写媒体に転写した後、該トナー像を有端もしくは無端ベルトと接触させながらトナー像を定着する画像形成方法において、トナーは少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有し、トナーのレオロジー特性が、温度120 ℃、応力200 〜600Pa において、G'が7 ×103Pa以下でありtan δが2〜8であることを特徴とする静電荷像現像用トナーによれば、温度120 ℃でのtan δの値がこの範囲にあることにより、ローラー定着に比べて低い温度で定着可能なベルト加熱定着の良さを発揮でき、オフセット発生のない、記録材の種類によらず光沢に大きな違いのないフルカラー中光沢画像が得られる。
【0062】
請求項2の、トナーのレオロジー特性において、温度150℃、応力200〜600Paにおけるtanδが8以下であることを特徴とする請求項1の画像形成方法によれば、温度150℃においてもtanδが8以下であることにより、ベルト表面温度の変化があっても、トナーにオフセットが発生しないオフセット発生に対する余裕度が十分にできる。
【0063】
請求項3の、トナーのレオロジー特性において、温度120℃、応力200Pa〜600Paの範囲でtanδの大小差が0.3未満であることを特徴とする請求項1、2の画像形成方法によれば、tanδの大小差が0.3未満であることより、記録材による光沢変化を抑えやすくでき、ベルトを希望温度にする時間を少なくでき、環境温度の変動に対しても影響が少なく中光沢画像が得られる。
【0064】
請求項4の、少なくとも2種以上の結着樹脂で海島構造を形成し、島を構成する樹脂中に離型剤が分散していることを特徴とする請求項1〜3の画像形成方法によれば、粉砕界面が離型剤と結着樹脂との界面になりにくく、離型剤が粒子表面に存在しにくくなり、離型剤が粒子表面に存在することによる、流動性低下、外添剤の埋没などの副作用を抑制することができる。このような構成にすることにより、海島構造を形成しない場合よりも多い量の離型剤を含有することができ、十分なオフセット余裕度を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のベルト定着の模式図の一例である。
【符号の説明】
R1 定着ローラー
R2 加圧ローラー
R3 加熱ローラー
R4 オイル塗布ローラー
B 定着ベルト
T 未定着トナー画像
P プリントシート
S 温度センサー
G ガイド
H 加熱源

Claims (4)

  1. 感光体上の静電潜像をトナーで顕像化し得られたトナー像を転写媒体に転写した後、該トナー像を有端もしくは無端ベルトと接触させながら定着する画像形成方法であって、前記トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有し、トナーのレオロジー特性が、温度120℃、応力200〜600Paにおいて、G’が7×10P以下であり、tanδが2〜8であることを特徴とする画像形成方法
  2. 前記トナーのレオロジー特性において、温度150℃、応力200〜600Paにおけるtanδが8以下であることを特徴とする請求項1項に記載の画像形成方法
  3. 前記トナーのレオロジー特性において、温度120℃、応力200Pa〜600Paの範囲でtanδの大小差が0.3未満であることを特徴とする請求項1または2項に記載の画像形成方法
  4. 前記トナーが、少なくとも2種以上の結着樹脂で海島構造を形成し、島を構成する樹脂中に離型剤が分散していることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成方法
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