JP3909169B2 - システムクロック同期装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシステムクロック同期装置に関する。プロセッサハードウェアの開発時、部品ロッドのばらつきにより発生するクロック信号のばらつきが生じるため、初期設定時、及び工場出荷時にクロックの位相調整を工注(ディップスイッチにより所定の状態を設定すること)にて行ない、その後、出荷している。これをPWCB(プリント・ワイアリング・サーキット・ボード)毎に人手で設定しなければならないので、これを改良する必要があった。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来システムの構成例を示す図である。図では、システム0とシステム1の二重化構成を示している。システム0において、1はクロックを発生するクロック発振器、2はクロックの制御を行なうCPU、3は発振器1の出力を受けてクロックの制御を行なうクロックコントロール回路で、CPU2から制御信号を受ける。
【0003】
4はクロックコントロール回路3の出力を所定時間遅らせるディレイライン、5はディレイライン4の出力を受けて他系に出力するバッファ、6はクロックコントロール回路3の出力を所定時間遅らせるディレイライン、7はディレイライン6の出力と、他系からのクロックを受けて、何れか一方を選択するセレクタである。
【0004】
8は該セレクタ7の出力を受けてクロックを出力するバッファ、9は他系からのクロックを受けるバッファで、その出力はセレクタ7の一方の入力に入っている。そして、バッファ8の出力が被同期化装置20に与えられている。被同期化装置20としては、例えば各種のI/O装置等が考えられる。
【0005】
一方、システム1系の構成もシステム0系と同じである。即ち、クロック発振器11、CPU12、クロックコントロール回路13、ディレイライン14、バッファ15、ディレイライン16、セレクタ17、バッファ18、バッファ19から構成されている。21はバッファ18の出力を受ける被同期化装置で、非同期装置20と同様のものである。
【0006】
このように構成されたシステムにおいて、0系がアクト系(現用系)、1系がスタンバイ系(待機系)であるものとすると、セレクタ7は、ディレイライン6の出力を選択し、バッファ8を介して出力される。一方、1系では、セレクタ17は、バッファ19を介して入力される0系のクロックを選択し、バッファ18を介して出力される。この時、両系のクロックの位相が合うように、CPU2,12がディレイライン4,6,14,16の遅延量を制御する。そして、0系又は1系の何れか一方がアクト系となり、他方がスタンバイ系となる。通常動作状態においては、図に示すようにシステム0クロックとシステム1クロックとは同期がとれている。
【0007】
このようなシステムのプロセッサボードでは、設計から出荷までに、以下の工程をとっている。
▲1▼PWCB試作設計時にクロックの遅延を計算し、両系の位相が一致するようにある程度の予想を立てる。遅延のmin/max値の間で調整が可能なようにディレイラインを挿入し、工注回路にて調整できる回路にする。
【0008】
▲2▼試作評価時に、工注を設定し、二重化系装置の位相調整により、ロッドのばらつきも考慮したディレイライン値の大枠を決定する。
▲3▼量産設計時に、試作評価にて設定したライン値に固定する。
【0009】
▲4▼量産出荷品にて、最後の位相調整を行ない、工注を固定する。そして、カバーをつけてフィールドにて工注設定に変更ができないようにしてある。
ところが、上記の場合、各部品のテクノロジ変更やロッドのばらつきにより工注にて調整しきれない場合は、再度回路を変更する必要が生じる。また、部品の経年変化により微妙にタイミングがずれた場合は、工注の値を二度とフィールドにて調整できないため、工場にリペアリターンして再度調整を行わなければならなかった。
【0010】
図6は回路遅延作成部の詳細回路例を示す図である。図5と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、4a、4bはディレイライン4を構成するもので、4aが遅延部、4bがディップスイッチである。クロックコントロール回路3がCPU2の指示に従い、適当なディレイを選択する。選択されたディレイに相当するディップスイッチ4bがオンになり、バッファ5に入る。
【0011】
この構成は、システム1側においても同様である。即ち、14a、14bはディレイライン14を構成するもので、14aが遅延部、14bがディップスイッチである。クロックコントロール回路13がCPU12の指示に従い、適当なディレイを選択する。選択されたディレイに相当するディップスイッチ14bがオンになり、バッファ15に入る。
【0012】
この回路では、バッファ5、8、9、ディレイ4aが素子の経年変化等によりタイミングが変化する可能性のあるものである。同じことは、システム1側についてもいえる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
▲1▼位相調整を工注にて実施しているため、人為的なミスを侵して出荷しかねない。
【0014】
▲2▼上記実施のための工場側工数を削減したい。
▲3▼部品の経年変化やロッドのばらつきでタイミングが変化し、出荷後に動作不良が発生するおそれがある。
【0015】
▲4▼部品変更/ロッドのばらつきで、現在設計している回路に変更を余儀なくされる場合がある。
▲5▼フィールドに出てから、クロック調整ができないため、工注設定カバーを誤って外し、設定値を変えてしまった場合は、再度調整する必要があり、通常はリペアリターン(repair return)となるので、現地/工場の工数の削減が必要となる。
【0016】
▲6▼将来回路の高速化のため、クロック速度のアップが予想されるが、ディレイライン他の基本回路を継承し、エンハンス(改善)時の回路の流用を実現したい。
【0017】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであって、二重化系のクロックの位相調整を自動的に行なうことができるシステムクロック同期装置を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】
(1)図1は本発明の原理ブロック図である。図6と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、4aは複数の遅延を得るために複数の遅延量が得られる遅延素子群、4cはこれら遅延素子群の中から1個の遅延素子を選択するためのデコーダである。該デコーダ4cの出力はバッファ5に入る。
【0019】
30は自系と他系のクロックの位相差を検出し、CPU2に通知する位相検出部としての位相調整用検出回路である。セレクタ7の出力クロックは、位相調整用検出回路30に入り、該位相調整用検出回路30には、バッファ9bを介して他系のクロックが入力される。
【0020】
位相調整用検出回路30の出力は、CPU2に通知され、該CPU2は、この位相差を受けてクロックコントロール回路3を制御し、必要な遅延素子を選択する。また、デコーダ4c、6cにセレクト信号を与えている。位相調整用検出回路30には、バッファ9bを介して他系の出力クロックが入力されている。そして、位相調整用検出回路30の出力は、被同期化装置20に入力される。
【0021】
以上の動作は、システム1系についても同様である。即ち、図において、14aは複数の遅延を得るために複数の遅延量が得られる遅延素子群、14cはこれら遅延素子群の中からCPU12からの選択信号により1個の遅延素子を選択するためのデコーダである。該デコーダ14cの出力はバッファ15に入る。
【0022】
31は自系と他系のクロックの位相差を検出し、CPU12に通知する位相検出部としての位相調整用検出回路である。セレクタ17の出力クロックは、位相調整用検出回路31に入り、該位相調整用検出回路31には、バッファ19bを介して他系のクロックが入力される。
【0023】
位相調整用検出回路31の出力は、CPU12に通知され、該CPU12は、この位相差を受けてクロックコントロール回路13を制御し、必要な遅延素子を選択する。位相調整用検出回路31には、バッファ19bを介して他系の出力クロックが入力されている。そして、位相調整用検出回路31の出力は、被同期化装置21に入力される。40はシステム0とシステム1間を直接接続するMate CCインタフェースで、相互に位相情報のやりとりを行なっている。
【0024】
この発明の構成によれば、CPU2がディレイ素子4aの中から特定の値を持つものを選んで、自系及び他系に遅延されたクロックを送る。位相調整用検出回路30では、自系と他系の位相を調整し、CPU2に送る。CPU2は、位相差に応じて必要な遅延素子を選択してデコーダ4cから出力する。このような動作を0系と1系がそれぞれ行なうことにより、二重化系のクロックの位相調整を自動的に行なうことができるシステムクロック同期装置を提供することができる。
また、この発明では、二重系のシステムクロックが同期した時の、各遅延量を記憶する記憶手段を回路遅延作成部に記憶させるようになっている。このように構成すれば、電源オフ等によりシステムがダウンした時でも、各遅延量を記憶しておくので、電源がオンになった時に速やかに定常状態に移行することができる。
【0026】
(2)請求項2では、前記回路遅延作成部は、複数の遅延出力を受けるデコーダと、該デコーダに入力する遅延量を選択するCPUとを具備することを特徴とする。
【0027】
このように構成すれば、0系と1系のクロックの位相差に応じて最適な遅延量を選択することができる。
(3)請求項3では、位相調整自動化のために、両系に折り返し信号を具備することを特徴とする。
【0028】
このように構成すれば、両系間で信号のやりとりを速やかに行なうことができる。
(4)請求項4では、前記位相検出部は、自系のクロックと他系のクロックとを受けて双方の位相差を検出し、検出結果を回路遅延作成部に与えることを特徴とする。
【0029】
このように構成すれば、自系と他系の位相差に応じた信号を回路遅延作成部に与えることができ、位相差を速やかに一致させることができる。
(5)請求項5では、二重化系装置のバックワイアリングボード上で双方の系の配線長を調整することを特徴とする。
【0030】
このように構成すれば、各系の信号線の長さを揃えることで、ディレイを同じにすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を詳細に説明する。
図2は本発明の一実施の形態例を示すブロック図である。図1と同一のものは、同一の符号を付して示す。図において、バッファ5,9,15,19,31,32,36,37は3ステートバッファを用い、制御信号をコモンラインに接続して、常時バッファとして動作するようにしている。
【0032】
位相調整用検出回路30において、31はDからの自装置クロックを受けるバッファ、32は他系のCからのクロックを受けるバッファである。33はバッファ31,32の出力を受ける排他的論理和ゲート(EORゲート)、34は該EORゲート33の出力を受けるノイズフィルタである。
【0033】
35はそのR入力(リセット入力)に、クロックコントロール回路3の出力を、C入力(セット入力)にノイズフィルタ34の出力を受け、そのQ出力をクロックコントロール回路3に与えるRSフリップフロップである。セレクタ7の出力は、バッファ36,37に与えられ、バッファ36の出力は、C端子から被同期化装置20に与えられ、バッファ37の出力は、自装置のバッファ31に与えられている。バッファ36の出力は被同期化装置20に与えられると共に他系に与えられている。CPU2とクロックコントロール回路3と、ディレイ素子群4aとデコーダ4cとで回路遅延作成部を構成している。以上の構成は、システム1系についても同様である。このように構成された回路の動作を説明すれば、以下の通りである。
【0034】
本発明の特徴を以下に列挙する。
1)工注を削除し、デコーダにてディレイ値をCPUから制御できるようにしている。
【0035】
2)ディレイ調整をCPUにより自動化し、素子の経年変化が生じてもいつでも位相を調整する(一致させる)ことができる。
3)位相調整用の検出回路を具備する。
【0036】
4)BWB/PWCBにおいて、配線長を調整する。
5)Mate CC インタフェースを使用し、位相情報のやりとりを行なう。
【0037】
6)PWCB内は、CPU内蔵の回路であり、各指示はそのマイクロプログラムが実行する。
7)フラッシュメモリ若しくはバックアップ電源つきのメモリを使用して、装置電源瞬断等があっても位相情報を失わない。
【0038】
CPU2はクロックコントロール回路3を制御して、遅延素子群4aの適当な値を瀬選択する。選択結果はデコーダ4cに入り、該デコーダ4cの出力は、バッファ5を介して他系のバッファ19に入る。一方、遅延素子群6aからは適当な値が選択され、デコーダ6cから出力されセレクタ7の一方の入力に入る。セレクタ7には、バッファ9を介して他系の位相調整を受けたクロックが入力されている。このように、本発明によれば、回路遅延作成部は、複数の遅延出力を受けるデコーダと、該デコーダに入力する遅延量を選択するCPUとを具備することにより、0系と1系のクロックの位相差に応じて最適な遅延量を選択することができる。
【0039】
セレクタ7はその何れかを選択して位相調整用検出回路30に送る。位相調整用検出回路30では、バッファ36,37がこのセレクタ出力をバッファリングして出力し、バッファ36の出力は、非同期装置、メインメモリ又は各種のI/O装置にクロックとして供給される。
【0040】
バッファ37の出力は、端子Dから配線1を介してB端子に入り、バッファ31に入る。一方、バッファ32には、他系の出力クロックが配線2を介して入力される。ここで、信号線による遅延を同じにするため、配線1と配線2の長さを統一している。これにより、各系の信号線の長さを揃えることでて ディレイを同じにすることができる。
【0041】
EORゲート33は、自系のクロックと他系のクロックとを受けてその排他論理和をとる。この結果、双方の位相が異なる時に“1”レベルを出力する。このEORゲート33の出力は、ノイズフィルタ34によりノイズが除去された後、フリップフロップのC入力に入る。ノイズフィルタ34は、回路の動作安定化のために、EOR出力される可能性のある特定のハザードレベルの波形(例えば4ns以内のもの)を除去する。
【0042】
一方、フリップフロップ35のR入力には、自系の位相調整前のクロックが与えられる。そして、該フリップフロップ35の出力(位相差信号)は、クロックコントロール回路3を介してCPU2に与えられる。
【0043】
本発明によれば、自系と他系の位相差に応じた信号を回路遅延作成部に与えることができ、位相差を速やかに一致させることができる。
CPU2は、時間当たりのカウント数を検出し、位相ずれの有無を確認する。そして、遅延素子群4a、6aのどの遅延素子を選択するかを決定する。最終的には、EORゲート33の出力が“0”となり、自系クロックと他系のクロックとが位相が合うことになる。以上の動作は、1系においても同様である。
【0044】
以上、説明したように、位相の同期調整は、CPU2からのデコーダ制御により、ディレイライン4aの遅延量を調整することにより行なわれる。なお、ディレイラインの値は、システム内のクロック速度に合わせて適宜選択する。ここでは、クロックの位相調整が±5nsの範囲でよい場合の例である。
【0045】
Mate CCインタフェース40は、従来より具備していたが、クロック調整用としても使用される。これによれば、両系間で信号のやりとりを速やかに行なうことができる。
【0046】
本発明によれば、CPU2,12内に二重系のシステムクロックが同期した時の、各遅延量を記憶する記憶手段、例えばメモリを具備している。このメモリは、フラッシュメモリか又は電池バックアップのメモリである。このメモリに、二重系のシステムが同期した時の、各遅延量を記録することにより、電源の瞬断等によりシステムがダウンした時の、各遅延量を記憶しておくので、電源がオンになった時に速やかに定常状態に移行することができる。
【0047】
図3は両系の位相のずれを示す図である。1)は両系の位相がずれている場合を示す。図で、Aは0系のクロック、Bは1系のクロック、EはEORゲート33の出力Eを示す。1)では、位相差が小さい程、EOR出力パルス幅は小さくなる。そして、このEOR出力により後段のカウンタを更新する。
【0048】
2)は、両系の位相がずれている場合を示す。位相差が0になると、EOR出力は常時“0”になり、後段のカウンタを更新しない。3)は両系の位相が一致している場合を示し、EOR出力は常時“0”(L)である。
【0049】
図4は位相調整部のCPUの動作を示すフローチャートである。先ず、電源がオンされると(S1)、発振源(発振器1)よりクロックが出力される(S2)。装置は、Mate系電源がオンで、自系がACTであるどうかチェックする(S3)。Mate系電源がオンで、自系がACTでない場合、処理はその時点で終了する。Mate系電源がオンで、自系がACTである場合には、CPU2が立ち上がり、マイクロプログラムが動作を開始する(S4)。
【0050】
そして、先ずディレイラインにて指定可能なデコーダ入力をオール“0”に設定する(S5)。この状態で、位相調整用検出回路30はディレイ値を監視する(S6)。CPU2はディレイの比較結果により、比較結果を受信する(S7)。この場合において、サンプリング周波数は回路により任意である。
【0051】
次に、全てのデコーダ4cの組み合わせが終了したかどうかチェックする(S8)。そうでない場合には、デコーダの値を変更し(S9)ステップS6に戻り、ディレイ値を監視する。そうである場合には、クロックコントロール回路3はディレイ比較回路(位相調整用検出回路)30より、同期しているデコード値を選択する(S10)。
【0052】
この結果、デコード値は再設定される(S11)。そして、障害発生時の対処としてCPU2付属の不揮発性メモリへデータを格納する(S12)。この時のデコード値を記憶しておくことにより、電源瞬断時でも、再度位相調整を行なうことなく、両系のクロック位相を速やかに同期させることができる。
【0053】
本発明では、図2に示すように、全ての同期化をCPUとマイクロプログラムにより最適化することが可能であるため、設計時から工場出荷又はフィールドに出てからクロック同期が最適化される。
【0054】
このように、本発明によれば、PWCB設計から保守まで寄与するところが大きい。
▲1▼位相調整を、工注にて実施しないため、人為的なミスがない。
【0055】
▲2▼上記実施のための工場側工数を削減できる。
▲3▼部品の経年変化やロッドのばらつきで、タイミングが変化し、出荷後に動作不良が発生する可能性がない。
【0056】
▲4▼部品変更、ロッドのばらつきで、現在設計している回路に変更の心配がない。
▲5▼フィールドに出てから、クロック調整ができるため、工注設定カバーを誤って外して設定値を変えてしまった場合でも、自動的に調整でき、再度調整する必用がない。
【0057】
▲6▼将来、回路の高速化のため、クロック速度のアップが予想されるが、ディレイライン他の基本回路を継承し、エンハンス時の回路の流用ができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
(1)請求項1によれば、二重化されたシステムクロック発生部を有するシステムクロック同期装置において、位相調整用検出回路では、自系と他系の位相を調整し、CPUに送り、CPUは、位相差に応じて必要な遅延素子を選択してデコーダから出力する動作を0系と1系がそれぞれ行なうことにより、二重化系のクロックの位相調整を自動的に行なうことができるシステムクロック同期装置を提供することができる。
また、二重化系のシステムクロックが同期した時の、各遅延量を記憶する記憶手段を回路遅延作成部に記憶させることにより、電源オフ等によりシステムがダウンした時でも、各遅延量を記憶しておくので、電源がオンになった時に速やかに定常状態に移行することができる。
【0060】
(2)請求項2によれば、前記回路遅延作成部は、複数の遅延出力を受けるデコーダと、該デコーダに入力する遅延量を選択するCPUとを具備することにより、0系と1系のクロックの位相差に応じて最適な遅延量を選択することができる。
【0061】
(3)請求項3によれば、位相調整自動化のために、両系に折り返し信号を具備することにより、両系間で信号のやりとりを速やかに行なうことができる。
(4)請求項4によれば、前記位相検出部は、自系のクロックと他系のクロックとを受けて双方の位相差を検出し、検出結果を回路遅延作成部に与えることにより、自系と他系の位相差に応じた信号を回路遅延作成部に与えることができ、位相差を速やかに一致させることができる。
【0062】
(5)請求項5によれば、二重化系装置のバックワイアリングボード上で双方の系の配線長を調整することにより、各系の信号線の長さを揃えることで、ディレイを同じにすることができる。
【0063】
このように、本発明によれば、二重化系のクロックの位相調整を自動的に行なうことができるシステムクロック同期装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理ブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態例を示すブロック図である。
【図3】両系の位相のずれを示す図である。
【図4】位相調整部のCPUの動作を示すフローチャートである。
【図5】従来システムの構成例を示す図である。
【図6】回路遅延作成部の詳細回路例を示す図である。
【符号の説明】
1,11 発振器
2,12 CPU
3,13 クロックコントロール回路
4a,14a 遅延素子群
4c,14a デコーダ
5,15 バッファ
6a,16a 遅延素子群
6c,16c デコーダ
7,17 セレクタ
9,19 バッファ
9a,9b,19a,19b バッファ
20,21 被同期化装置
30,31 位相調整用検出回路
40 Mate CCインタフェース
Claims (5)
- 二重化されたシステムクロック発生部を有するシステムクロック同期装置において、
他の系からのクロックを受けて、自系と他系のクロックの位相を検出する位相検出部と、
該位相検出部の出力を受けて、クロックの遅延量を制御するCPUを内蔵した回路遅延作成部と、
前記アクト系とスタンバイ系のCPU間を接続し、位相情報のやりとりを行なうメートCCインタフェースと、
を具備すると共に、二重系のシステムクロックが同期した時の各遅延量を記憶する記憶手段を前記回路遅延作成部内に設け、
前記回路遅延作成部は、CPUによりクロック遅延量を自動的に設定することができるように構成されていることを特徴とするシステムクロック同期装置。 - 前記回路遅延作成部は、複数の遅延出力を受けるデコーダと、該デコーダに入力する遅延量を選択するCPUとを具備することを特徴とする請求項1記載のシステムクロック同期装置。
- 位相調整自動化のために、両系に折り返し信号を具備することを特徴とする請求項1記載のシステムクロック同期装置。
- 前記位相検出部は、自己のクロックと他系のクロックとを受けて双方の位相差を検出し、検出結果を前記回路遅延作成部に与えることを特徴とする請求項1記載のシステムクロック同期装置。
- 二重化系装置のバックワイアリングボード上で双方の系の配線長を調整することを特徴とする請求項1記載のシステムクロック同期装置。
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