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JP3904680B2 - Rubber composition, vulcanized rubber and tire - Google Patents

Rubber composition, vulcanized rubber and tire Download PDF

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JP3904680B2 JP23148097A JP23148097A JP3904680B2 JP 3904680 B2 JP3904680 B2 JP 3904680B2 JP 23148097 A JP23148097 A JP 23148097A JP 23148097 A JP23148097 A JP 23148097A JP 3904680 B2 JP3904680 B2 JP 3904680B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤに関し、更に詳しくは、特に市場が要望する優れた氷上性能を有するタイヤ、該タイヤのトレッド等に好適に使用できる加硫ゴム、及び該加硫ゴムの原料等として好適に使用できるゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
スパイクタイヤが規制されて以来、氷雪路面上でのタイヤの制動・駆動性能(氷上性能)を向上させるため、特にタイヤのトレッドについての研究が盛んに行われてきている。
前記氷雪路面においては、該氷雪路面と前記タイヤとの摩擦熱等により水膜が発生し易く、該水膜が、タイヤと氷雪路面との間の摩擦係数を低下させる原因になっている。このため、前記タイヤのトレッドの水膜除去能やエッヂ効果が、前記氷上性能に大きく影響する。したがって、タイヤにおける前記氷上性能を向上させるためには、前記トレッドの水膜除去能やエッヂ効果を改良することが必要である。
【0003】
そこで、前記タイヤの表面にミクロな排水溝(深さ、幅共に100μm程度)を多数設け、該ミクロな排水溝により前記水膜を排除し、該タイヤの前記氷雪路面上での摩擦係数を大きくさせることが提案されている。しかし、この場合、該タイヤの使用初期における前記氷上性能を向上させることはできるものの、該タイヤの摩耗に伴い、徐々に前記氷上性能が低下してしまうという問題がある。
また、タイヤが摩耗しても前記氷上性能が低下しないようにするため、前記トレッドに発泡ゴムを用いることが提案されている。しかし、単なる発泡ゴムにおける気泡は、球状であり異方性を持たず、前記ミクロな排水溝として機能し得ないため、この場合、市場の要求レベルを満たす程度にまで前記氷上性能を向上させることができないという問題がある。
【0004】
一方、特開平4−38207号公報には、短繊維入発泡ゴムを前記トレッドに用いることにより、該トレッドの表面に前記ミクロな排水溝を形成する手法が記載されている。
しかしながら、この場合、走行により該トレッドが摩耗しても、摩耗面と略平行でない短繊維は、該トレッドから容易に離脱せず、当初の狙いのような前記ミクロな排水溝が効率的に形成できず、前記氷雪路面上での摩擦係数の向上が十分でない。また、前記短繊維の離脱は走行条件等に大きく左右され、確実に前記氷上性能を向上させることができないという問題がある。
【0005】
他方、特開平4−110212号公報等には、前記トレッドに中空繊維を分散させることにより、前記氷雪路面と前記トレッドとの間に存在する前記水膜を該中空繊維の中空部分で排除し得るタイヤが開示されている。
しかしながら、このタイヤの場合、該中空繊維のゴム中への混練時や成形時における圧力、ゴム流れ、温度等によって該中空繊維が潰れてしまい、実際には該中空繊維は中空形状を保つことができず、前記ミクロな排水溝が効率的に形成できず、依然として前記氷上性能が十分でないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、
本発明は、前記氷雪路面上に生ずる水膜の除去能力に優れ、前記氷雪路面との間の摩擦係数が大きく、前記氷上性能に優れたタイヤを提供することを目的とする。
また、本発明は、前記氷雪路面上でのスリップを抑えることが必要な構造物、例えば前記タイヤのトレッド等に好適で、優れた氷上性能を有する加硫ゴムを提供することを目的とする。
更に、本発明は、前記加硫ゴムの原料等として好適に使用できるゴム組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分を含むゴムマトリックスと、発泡剤含有繊維とを含有してなるゴム組成物であって、該発泡剤含有繊維が、加硫時に該ゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度が前記ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる樹脂と、該樹脂100重量部に対して10〜150重量部の発泡剤とを含有してなることを特徴とするゴム組成物である。
<2> 樹脂が結晶性高分子を含んでなり、その融点が高くとも190℃である前記<1>に記載のゴム組成物である。
<3> 結晶性高分子がポリエチレンである前記<2>に記載のゴム組成物である。
<4> 発泡剤含有繊維中の樹脂の含有量が、ゴム成分100重量部に対して0.5〜30重量部である前記<1>から<3>のいずれかに記載のゴム組成物である。
【0008】
<5> 前記<1>から<4>のいずれかに記載のゴム組成物を加硫して得られ、長尺状気泡を有してなることを特徴とする加硫ゴムである。
<6> 発泡率が3〜40%である前記<5>に記載の加硫ゴムである。
【0009】
<7> 1対のビード部と、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカスと、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなり、少なくとも前記トレッドが前記<5>又は<6>に記載の加硫ゴムを含んでなることを特徴とするタイヤである。
<8> 長尺状気泡がタイヤの周方向に配向された前記<7>に記載のタイヤである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のゴム組成物、加硫ゴム及びタイヤについて以下に詳細に説明する。
【0011】
(ゴム組成物)
本発明のゴム組成物は、発泡剤含有繊維とゴムマトリックスとを少なくとも含有してなる。
【0012】
−−発泡剤含有繊維−−
前記発泡剤含有繊維は、樹脂と発泡剤とを少なくとも含有してなり、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0013】
−樹脂−
前記樹脂としては、ゴム組成物が加硫最高温度に達するまでの間に溶融(軟化を含む)する熱特性を有していること、換言すれば、ゴム組成物の加硫時に該ゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間に前記樹脂の粘度が該ゴム組成物における前記樹脂以外の成分からなるゴムマトリックスの粘度よりも低くなる熱特性を有していることが特に好ましい。
このような熱特性を前記樹脂が有していると、前記発泡剤含有繊維を配合したゴム組成物を加硫して得た加硫ゴム中に、前記ミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡を容易に形成することができる点で有利である。
【0014】
前記加硫最高温度とは、ゴム組成物の加硫時における該ゴム組成物が達する最高温度を意味する。例えば、モールド加硫の場合には、該ゴム組成物がモールド内に入ってからモールドを出て冷却されるまでに該ゴム組成物が達する最高温度を意味する。前記加硫最高温度は、例えば、ゴム組成物中に熱電対を埋め込むこと等により測定することができる。
【0015】
なお、前記ゴムマトリックスの粘度は、流動粘度を意味し、例えば、コーンレオメーター、キャピラリーレオメーター等を用いて測定することができる。また、前記樹脂の粘度は、溶融粘度を意味し、例えば、コーンレオメーター、キャピラリーレオメーター等を用いて測定することができる。
【0016】
前記樹脂としては、その材質等について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記熱特性を有する材質が好ましく、例えば、その融点が前記加硫最高温度よりも低い結晶性高分子からなる樹脂などが特に好適に挙げられる。
【0017】
該結晶性高分子からなる樹脂を例に説明すると、該樹脂の融点と、ゴム組成物の前記加硫最高温度との差が大きくなる程、該ゴム組成物の加硫中に速やかに該樹脂が溶融するため、該樹脂の粘度が前記ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる時期が早くなる。このため、該樹脂が溶融すると、該樹脂に含まれる発泡剤から発生したガスは、前記ゴムマトリックスよりも低粘度である該樹脂の内部に留まる。その結果、前記ゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムにおいては、該樹脂により被覆されたカプセル状の長尺状気泡が、潰れのない状態で効率良く形成される。該加硫ゴムにおいては、このカプセル状の長尺状気泡が、前記ミクロな排水溝として機能し得る。
【0018】
一方、前記樹脂の融点が、前記ゴム組成物の前記加硫最高温度に近くなり過ぎると、加硫初期に速やかに該樹脂が溶融せず、加硫終期に該樹脂が溶融する。加硫終期では、該樹脂に含まれる前記発泡剤から発生したガスの一部が加硫したゴムマトリックス中に取り込まれてしまい、溶融した該樹脂の内部には留まらず、その結果、前記ミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡が、効率良く形成されないことがある。
他方、前記樹脂の融点が低くなり過ぎると、例えば、発泡剤含有繊維をゴム組成物中に配合し混練りする際、該発泡剤含有繊維同士の融着が発生し、該発泡剤含有繊維の分散不良が生じ、前記ミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡が効率良く形成されないことがある。
したがって、前記樹脂の融点は、加硫工程中にゴムマトリックスの粘度と前記樹脂の粘度とが逆転するような範囲で選択するのが好ましい。
【0019】
前記樹脂の融点の上限としては、特に制限はないものの、以上の点を考慮して選択するのが好ましく、一般的には、前記ゴム組成物の前記加硫最高温度よりも、10℃以上低いのが好ましく、20℃以上低いのがより好ましい。ゴム組成物の工業的な加硫温度は、一般的には最高で約190℃程度であるが、例えば、加硫最高温度がこの190℃に設定されている場合には、前記樹脂の融点としては、通常190℃以下の範囲で選択され、180℃以下が好ましく、170℃以下がより好ましい。
【0020】
なお、前記樹脂の融点は、それ自体公知の融点測定装置等を用いて測定することができ、例えば、DSC測定装置を用いて測定した融解ピーク温度を前記融点とすることができる。
【0021】
前記樹脂は、結晶性高分子から形成されていてもよいし、非結晶性高分子から形成されていてもよいし、結晶性高分子と非結晶性高分子とから形成されていてもよいが、本発明においては、相転移があるために粘度変化がある温度で急激に起こり、粘度制御が容易な点で結晶性高分子を含む有機素材から形成されているのが好ましく、結晶性高分子のみから形成されるのがより好ましい。
前記好ましい場合乃至より好ましい場合、前記発泡剤含有繊維を含むゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムにおいて、前記ミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡を容易に形成することができる点で有利である。
【0022】
前記結晶性高分子の具体例としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、シンジオタクティック−1,2−ポリブタジエン(SPB)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の単一組成重合物や、共重合、ブレンド等により融点を適当な範囲に制御したものも使用でき、更にこれらの樹脂に添加剤を加えたものも使用できる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの結晶性高分子の中でも、ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体が好ましく、汎用で入手し易い点でポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)がより好ましく、融点が低く、取扱いが容易な点でポリエチレン(PE)が特に好ましい。
【0023】
前記非結晶性高分子としては、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリスチレン(PS)、ポリアクリロニトリル、これらの共重合体、これらのブレンド物等が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0024】
前記樹脂における前記有機素材の分子量としては、該有機素材の化学組成、分子鎖の分岐の状態等によって異なり一概に規定することはできないが、一般に、該樹脂は、同じ有機素材で形成されていてもその分子量が高い程、ある一定の温度における粘度(溶融粘度)は高くなる。本発明においては、前記樹脂における前記有機素材の分子量は、前記ゴム組成物の加硫最高温度における前記ゴムマトリックスの粘度(流動粘度)よりも該樹脂の粘度(溶融粘度)が高くならないような範囲で選択するのが好ましい。
【0025】
−発泡剤−
前記発泡剤としては、例えば、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ジニトロソペンタスチレンテトラミンやベンゼンスルホニルヒドラジド誘導体、オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド(OBSH)、二酸化炭素を発生する重炭酸アンモニウム、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、窒素を発生するニトロソスルホニルアゾ化合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソフタルアミド、トルエンスルホニルヒドラジド、P−トルエンスルホニルセミカルバジド、P,P’−オキシービス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)等が挙げられる。
【0026】
これらの発泡剤の中でも、製造加工性を考慮すると、ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、アゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましく、特にアゾジカルボンアミド(ADCA)が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0027】
前記発泡剤の形態としては、特に制限はなく目的に応じて、粒子状、液状等の中から適宜選択することができるが、発泡剤含有繊維中での該発泡剤の偏在を防止し、発泡ムラを防止し、また、長手方向に垂直な断面形状がほぼ円形であるカプセル状の長尺状気泡を潰れのない状態で効率良く形成する観点からは、径の細かい粒子状であるのが好ましい。
粒子状の発泡剤の平均粒径としては、例えば、0.1〜20μmが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。
なお、前記発泡剤の形態は、例えば顕微鏡等を用いて観察することができる。また、前記粒子状の発泡剤の平均粒径は、例えば、コールターカウンター等を用いて測定することがでる。
【0028】
前記発泡剤の前記発泡剤含有繊維における含有量としては、前記樹脂100重量部に対して、10〜150重量部が好ましく、20〜140重量部がより好ましく、30〜130重量部が特に好ましい。
また、前記含有量としては、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該含有量のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該含有量のいずれかの値を上限とする範囲も好ましい。
【0029】
前記発泡剤の含有量が10重量部未満であると、発泡剤含有繊維に含まれる該発泡剤から発生したガス同士が連結せず、該発泡剤含有繊維内に、長手方向に垂直な断面形状がほぼ円形である長尺状気泡を潰れのない状態で形成できず、気泡が繊維内で分散した状態になってしまうことがある。一方、前記発泡剤の含有量が150重量部を越えると、樹脂に対して異物である発泡剤の量が多くなり過ぎ、発泡剤含有繊維の製造時に糸切れが多く発生し、発泡剤含有繊維の製造の点で好ましくない。
【0030】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、本発明の目的を害しない限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば市販品を好適に使用することができる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、前記その他の成分の発泡剤含有繊維における含有量としては、特に制限はなく、本発明の目的を害しない範囲内において適宜選択することができる。
【0031】
本発明においては、前記その他の成分として発泡助剤を、前記発泡剤と併用してもよいが、この場合、発泡剤含有繊維の製造中に発泡が生じない範囲内に限られる。前記発泡助剤を前記発泡剤と併用すると、発泡剤含有繊維中に含まれる総ての発泡剤を効率良く発泡させることができ、発泡ムラ等を招くことがない点では有利であるが、発泡開始温度が下がるため、より正確な温度コントロールが必要になる。したがって、前記発泡助剤は、前記ゴムマトリックス中に添加しておくのが特に好ましい。
【0032】
前記発泡助剤としては、例えば、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛や亜鉛華等、通常、発泡製品の製造に用る助剤等が挙げられる。これらの中でも、尿素、ステアリン酸亜鉛、ベンゼンスルフィン酸亜鉛等が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0033】
−繊維形状−
前記発泡剤含有繊維の平均径(D)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該発泡剤含有繊維を含むゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム中に、前記ミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡を効率良く形成するためには、10〜100μmが好ましく、15〜90μmがより好ましく、20〜80μmが特に好ましい。
また、本発明においては、前記平均径(D)として、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した前記平均径(D)のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した前記平均径(D)のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0034】
前記平均径(D)が10μm未満であると、前記発泡剤の平均粒径に対して該平均径が小さくなり過ぎて、発泡剤含有繊維の製造時に糸切れが多く発生する点で好ましくない。一方、前記平均径(D)が100μmを越えると、発泡剤含有繊維の平均径(直径)が大きくなり過ぎ、含まれる前記発泡剤の一部が発泡を生じなかったり、発泡剤から生じたガス同士が発泡剤含有繊維内で連結せず、中空部に潰れのないカプセル状の長尺状気泡を形成できず、気泡が分割されてしまうことがある点で好ましくない。
なお、前記平均径(D)は、光学顕微鏡を用いて測定することができる。
【0035】
前記発泡剤含有繊維が短繊維である場合、該発泡剤含有繊維の平均長さ(L)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該発泡剤含有繊維を含むゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴム中に、前記ミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡を効率良く形成するためには、0.5〜20mmが好ましく、1〜10mmがより好ましい。
また、本発明においては、前記平均長さ(L)として、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した前記平均長さ(L)の値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した前記平均長さ(L)の値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0036】
前記平均長さ(L)が0.5mm未満であると、機械的な切断が困難になり、前記発泡剤含有繊維の生産性が非常に悪化することがあり、20mmを越えると、ゴム混練り時の分散不良や、押出時の配向乱れが発生することがある。
なお、前記発泡剤含有繊維の平均長さ(L)は、例えば、光学顕微鏡等により測定できる。
【0037】
−製造方法−
前記発泡剤含有繊維は、例えば、溶液紡糸法、ゲル紡糸法、溶融紡糸法等により製造され得るが、発泡剤が発泡反応を起こさないような低温で安定した製造が行える点で溶媒を使った溶液紡糸法やゲル紡糸法が好ましい。これらの紡糸法の場合、所定の加熱温度の下、有機溶媒に前記樹脂を溶解し、かつ前記発泡剤を分散させた紡糸原液を紡糸ノズルから押し出してなる糸状体を急冷し、脱溶媒等を行うことにより前記繊維を製造することができる。
【0038】
前記加熱温度(即ち、発泡剤含有繊維の製造工程における温度)としては、40〜180℃であることが好ましく、40〜150℃がより好ましく、40〜130℃が特に好ましい。
また、本発明において、前記加熱温度としては、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した該温度のいずれかの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの上限値若しくは下限値又は後述の実施例で採用した該温度のいずれかの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0039】
前記加熱温度が、40℃未満であると、前記樹脂の種類にもよるが該樹脂の溶解あるいは前記発泡剤の分散を十分に行うことができない可能性があり、180℃を越えると、発泡剤の種類にもよるが、発泡剤含有繊維の製造中に発泡反応が起こり、ガスを取り逃がしてしまったり、あるいは、発泡剤含有繊維の製造安定性を損なうことがある。
なお、前記発泡剤含有繊維中の樹脂がポリエチレンである場合、前記加熱温度としては100〜150℃が好ましい。
【0040】
前記有機溶媒としては、前記樹脂の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、デカリン、アセトン、ベンゼンなどが挙げられる。これらの有機溶媒は、1種単独で使用してもよい。
【0041】
前記樹脂は上述した通りであるが、融点が一般のゴム加硫温度以下である点でポリエチレンが特に好ましい。前記発泡剤も上述した通りであるが、製造加工性の点でADCAが特に好ましい。
前記紡糸原液は、前記樹脂を前記有機溶媒に溶解し、かつ前記発泡剤を分散させることにより得ることができる。前記溶解及び前記分散は、公知の機器、装置、例えば攪拌装置等を用いて行うことができる。
【0042】
前記分散を行う時間、具体的には攪拌等を行う時間としては、前記紡糸原液における各成分の種類や量、攪拌速度、フィン形状、攪拌装置の内壁材質等に応じて異なり一概に規定することはできないが、前記発泡剤を前記紡糸原液中に均一に分散させる観点からは5〜60分間程度が好ましい。
【0043】
前記発泡剤含有繊維は、前記紡糸原液を用い、これを紡糸することにより製造することができる。なお、得られる糸状体中において前記発泡剤を偏在させず、均一に分散させる観点からは、前記紡糸原液を紡糸する際に、該紡糸原液中に含まれる発泡剤の分散状態を良好にしておくのが好ましい。
【0044】
前記溶融紡糸法又はゲル紡糸法においては、前記紡糸原液は紡糸ノズルから水等の液体中に(湿式)、あるいは空気中に(乾式)等に押し出され、糸状体の形態に紡糸(成形)される。なお、紡糸された糸状体は、例えば、巻き取り機等を用いて巻き取ることができる。
【0045】
なお、前記紡糸の際に用いる紡糸装置としては特に制限はなく、公知の紡糸装置やスクリュー型押出装置等の押出装置の中から適宜選択することができる。前記スクリュー型押出装置を用いると、前記紡糸原液中に含まれる前記発泡剤の分散状態を良好にすることができる点で有利である。
なお、紡糸の際の押出温度は、特に重要であり、紡糸性が良好でかつ発泡反応が生じない範囲内で選択される。
【0046】
前記紡糸ノズルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該紡糸ノズルの吹出口の直径としては、例えば、0.05〜1mmが好ましく、0.1〜0.8mmがより好ましい。なお、前記紡糸ノズルは、前記紡糸装置や前記押出装置における前記紡糸原液の吹出口に装着される。
【0047】
こうして得られた糸状体は、急冷されて固化される。この急冷速度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、水中で急冷する場合には、前記糸状体は瞬間的に冷却される。
前記冷却中又は冷却後に前記糸状体は脱溶媒される。前記脱溶媒の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、メタノール浴を用いる方法、熱風筒を用いる方法などが好適に挙げられる。
【0048】
前記脱溶媒の前後いずれかに前記糸状体を延伸するのが好ましいが、前記脱溶媒の前に前記糸状体を延伸するのが、該糸状体の延伸倍率を上げられる点で好ましい。
前記延伸の際の温度としては、40〜180℃の加熱下であるのが好ましく、40〜150℃の加熱下であるのがより好ましい。
前記温度が40℃未満でると、延伸倍率を上げられず、180℃を越えると、発泡反応が生ずることがある。
なお、前記延伸を行う装置としては、特に制限はなく、公知の延伸装置の中から適宜選択することができる。
【0049】
こうして得られた発泡剤含有繊維においては、前記発泡剤が偏在せず、分散した状態で含まれている。得られた発泡剤含有繊維は、通常、長繊維であるため、短繊維を得る場合には、適宜選択した切断具を用いて所望の長さに切断すればよい。
【0050】
−−ゴムマトリックス−−
前記ゴムマトリックスは、本発明のゴム組成物における前記発泡剤含有繊維以外の成分を含み、具体的には、天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含む。
【0051】
−ゴム成分−
前記ゴム成分は、天然ゴムのみを含んでいてもよいし、ジエン系合成ゴムのみを含んでいてもよいし、両者を含んでいてもよい。
前記ジエン系合成ゴムとしては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ポリイソプレン(IR)、ポリブタジエン(BR)などが挙げられる。これらのジエン系合成ゴムの中でも、ガラス転移温度が低く、氷上性能の効果が大きい点で、シス−1,4−ポリブタジエンが好ましく、シス含有率が90%以上のものが特に好ましい。
【0052】
なお、本発明のゴム組成物をタイヤのトレッド等に用いる場合には、前記ゴム成分としては、−60℃以下のガラス転移温度を有するものが好ましい。このようなガラス転移温度を有するゴム成分を用いると、該トレッド等は、低温域においても十分なゴム弾性を維持し、良好な前記氷上性能を示す点で有利である。
【0053】
−その他の成分−
前記その他の成分としては、本発明の効果を害しない範囲で、目的に応じて適宜選択することができ、市販品を好適に使用することができる。
前記その他の成分としては、例えば、カーボンブラック、シリカ等の補強性充填材、硫黄等の加硫剤、ジベンゾチアジルジスルフィド等の加硫促進剤、加硫助剤、シリカ用のカップリング剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジル−スルフェンアミド、N−オキシジエチレン−ベンゾチアジル−スルフェンアミド等の老化防止剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、オゾン劣化防止剤、着色剤、帯電防止剤、分散剤、滑剤、酸化防止剤、軟化剤、無機充填材等の添加剤等の他、通常ゴム業界で用いる各種配合剤などが挙げられる。
【0054】
なお、本発明においては、前記発泡助剤を前記その他の成分として特に好適に用いることができ、前記発泡剤を必要に応じて前記その他の成分として用いることができる。前記発泡剤を用いた場合には、前記ゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムを効率良く発泡ゴムにすることができる。
【0055】
−−ゴム組成物の調製−−
以上の各成分を適宜選択した条件、手法にて混練り、熱入れ、押出等することにより本発明のゴム組成物が得られる。
【0056】
前記混練りは、混練り装置への投入体積、ローターの回転速度、ラム圧等、混練り温度、混練り時間、混練り装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記混練り装置としては、市販品を好適に使用することができる。
【0057】
前記熱入れ又は押出は、熱入れ又は押出時間、熱入れ又は押出装置等の諸条件について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記熱入れ又は押出装置としては、市販品を好適に使用することができる。
ただし、熱入れ又は押出温度は、前記発泡剤含有繊維が発泡を起こさないような範囲で適宜選択される。
【0058】
本発明のゴム組成物においては、前記押出等により前記発泡剤含有繊維は押出方向等に容易にかつ十分に配向しているが、これを効果的に達成するためには、前記ゴムマトリックス中に、アロマ系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル、エステル系オイル等の可塑剤等を適宜添加することができる。
【0059】
前記発泡剤含有繊維を押出方向に配向させた状態で含むゴム組成物を加硫してなる加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用する場合、該発泡剤含有繊維を、該トレッド等における地面と接触する表面に平行な方向に配向させるのが好ましく、該タイヤ等の周方向に配向させるのがより好ましい。これらの場合、該タイヤ等の走行方向の排水性を高めることができ、前記氷上性能を向上させることができる点で有利である。
【0060】
前記発泡剤含有繊維の配向を揃える方法としては、該発泡剤含有繊維が長繊維である場合、例えば、ゴム組成物において該発泡剤含有繊維を一定の方向に平行に配列させればよい。また、発泡剤含有繊維が短繊維である場合、例えば、図1に示すように、発泡剤含有繊維14を含むゴムマトリックス15を、流路断面積が出口に向かって減少する押出機の口金16から押し出すことにより、該発泡剤含有繊維14を一定の方向に配向させればよい。
【0061】
なお、この場合、押し出される前のゴムマトリックス15中の発泡剤含有繊維14は、口金16へ押し出されていく過程でその長手方向が押出方向(A方向)に沿って除々に揃うようになり、口金16から押し出されるときには、その長手方向が押出し方向(A方向)にほぼ完全に配向させることができる。この場合における発泡剤含有繊維14のゴムマトリックス15中での配向の程度は、流路断面積の減少程度、押出速度、ゴムマトリックス15の粘度等によって変化する。
【0062】
本発明のゴム組成物においては、加硫前、即ち非加熱下では、前記ゴムマトリックスよりも前記発泡剤含有繊維中の樹脂の方が粘度が高い。該ゴム組成物の加硫開始後であって該ゴム組成物が加硫最高温度に達するまでの間に、前記ゴムマトリックスは加硫によりその粘度が上昇していき、前記発泡剤含有繊維中の樹脂は溶融して粘度が大幅に低下していく。そして、加硫途中において、前記ゴムマトリックスよりも該発泡剤含有繊維中の樹脂の方が粘度が低くなる。即ち、加硫前の前記ゴムマトリックスと該発泡剤含有繊維中の樹脂との間における粘度の関係が、加硫途中の段階で逆転する現象が生ずる。
【0063】
この間、前記発泡剤含有繊維中の前記発泡剤は、前記ゴムマトリックスに前記発泡助剤を添加している場合には該発泡助剤と接触しているものから発泡反応を起こし、ガスを生ずる。このガスは、加硫反応が進行して粘度が高くなった前記ゴムマトリックスに比べ、溶融して相対的に粘度が低下した前記発泡剤含有樹脂の内部に留まる。その結果、該ゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムにおいては、発泡剤含有繊維が存在していた場所に気泡が存在する。この気泡は、その周囲(気泡の壁面)が前記発泡剤含有繊維中の樹脂によって覆われ、カプセル状になっている。また、この気泡は、加硫ゴム内において独立して存在している。なお、前記発泡剤含有繊維中の樹脂の素材をポリエチレン、ポリプロピレン等とした場合、加硫したゴムマトリックスと該樹脂とは強固に接着している。
【0064】
本発明のゴム組成物は、各種分野において好適に使用することができるが、後述の本発明の加硫ゴムの原料等として特に好適に使用することができる。
【0065】
(加硫ゴム)
本発明の加硫ゴムは、前記本発明のゴム組成物を加硫することにより得られる。以下、本発明の加硫ゴムの詳細を説明する。
【0066】
前記加硫を行う装置乃至方式等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記加硫の温度は、前記加硫中の前記ゴム組成物の加硫最高温度が前記発泡剤含有繊維における樹脂の融点以上になるように選択される。
前記加硫最高温度が前記発泡剤含有繊維における樹脂の融点未満であると、前記発泡剤含有繊維中の樹脂が溶融せず、該発泡剤含有樹脂中に発泡により生じたガスを留まらせることができず、長尺状気泡を形成することができない。
なお、前記加硫を行う装置としては、特に制限はなく、市販品を好適に使用することができる。
【0067】
本発明の加硫ゴムにおいては、加硫したゴムマトリックス中に長尺状気泡が存在している。前記発泡剤含有繊維を短繊維とし、該発泡剤含有繊維の前記ゴム組成物中での配向を一方向に揃えた場合には、図2に示すように、長尺状気泡11が一方向に配向した状態で存在している。この長尺状気泡11は、溶融した発泡剤含有繊維14中の樹脂が、加硫したゴムマトリックス6Aに接着してなる保護層13により囲まれている。該保護層13内には、前記発泡剤から発生したガスが取り込まれている。
【0068】
本発明の加硫ゴムをタイヤのトレッド等に使用した場合においては、長尺状気泡11が表面に露出して形成される凹部12が、効率的な排水を行う排水路として機能する。
また、本発明の加硫ゴムは、該凹部12の表面が保護層13で被覆されているため、水路形状保持性、水路エッジ部摩耗性、荷重入力時の水路保持性等にも優れる。保護層13の厚みとしては、0.5〜50μmが好ましい。
【0069】
なお、保護層13は、ポリエチレン、ポリプロピレン等の場合には、加硫したゴムマトリックス6Aと強固に接着しているが、該接着力をより向上させる必要がある場合には、例えば、前記発泡剤含有繊維に、加硫したゴムマトリックス6Aとの接着性を向上させ得る成分を含ませることができる。
【0070】
本発明の加硫ゴムにおいては、長尺状気泡11の1個当たりの平均長さ(L)(図2参照)と、前記平均径(D)との比(L/D)としては、小さくとも3(即ち、3以上)が好ましく、小さくとも5(即ち5以上)がより好ましい。なお、前記比(L/D)の上限は、特に制限はないが、100程度が選択される。
また、本発明においては、前記比(L/D)として、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該比(L/D)の値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例において採用した該比(L/D)の値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0071】
前記比(L/D)が3未満であると、摩耗した加硫ゴムの表面に露出する長尺状気泡11による溝を長くすることができず、またその容積を大きくすることができないため、該加硫ゴムをタイヤのトレッド等に用いる場合には、該タイヤの水排除性能を十分に向上させることができない点で好ましくない。
【0072】
本発明の加硫ゴムにおいては、長尺状気泡11の平均径(D)(=保護層13の内径、図2参照)としては、20〜500μmが好ましい。
前記平均径(D)が、20μm未満であると、該加硫ゴムをタイヤのトレッド等に用いても該タイヤの水排除性能が向上せず、500μmを越えると、該加硫ゴムの耐カット性、ブロック欠けが悪化し、また、該加硫ゴムをタイヤのトレッド等に用いても該タイヤの乾燥路面での耐摩耗性が悪化するため、いずれも好ましくない。
【0073】
本発明の加硫ゴムにおける平均発泡率Vsとしては、3〜40%が好ましく、5〜35%がより好ましい。
また、本発明においては、前記平均発泡率Vsとして、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例における平均発泡率Vsの値を下限とし、前記数値範囲のいずれかの下限値若しくは上限値又は後述の実施例における平均発泡率Vsの値を上限とする数値範囲も好ましい。
【0074】
前記平均発泡率をVsとは、長尺状気泡11の発泡率を意味し(図7に示すように、球状の気泡17が形成されている場合には、球状の気泡17の発泡率Vs1 と長尺状気泡11の発泡率Vs2 との合計を意味し)、次式により算出できる。
Vs=(ρ0 /ρ1 −1)×100(%)
【0075】
ここで、ρ1 は、加硫ゴム(発泡ゴム)の密度(g/cm3 )を表す。ρ0 は、加硫ゴム(発泡ゴム)における固相部の密度(g/cm3 )を表す。
なお、前記加硫ゴム(発泡ゴム)の密度及び前記加硫ゴム(発泡ゴム)における固相部の密度は、エタノール中の重量と空気中の重量を測定し、これから算出した。
【0076】
前記平均発泡率Vsが3%未満であると、発生する水膜に対し、前記長尺状気泡による凹部12の体積の絶対的な不足により十分な水排除機能が得られず、該加硫ゴムの氷上性能を十分に向上させることができない可能性がある。一方、前記平均発泡率Vsが40%を越えると、前記氷上性能を向上させることはできるものの、該加硫ゴム中の気泡の量が多くなり過ぎるために、該加硫ゴムの破壊限界が大巾に低下し、耐久性の点で好ましくない。
なお、前記平均発泡率Vsは、前記発泡剤の種類、量、組み合わせる前記発泡助剤の種類、量、樹脂の配合量等により適宜変化させることができる。
【0077】
本発明においては、前記平均発泡率Vsが3〜40%であると共に、長尺状気泡11が前記平均発泡率Vsにおける30%以上を占めることが好ましく、60%以上を占めることがより好ましい。換言すれば、長尺状気泡11が加硫ゴム中の全気泡の少なくとも30体積%(30体積%以上)を占めることが好ましく、長尺状気泡11が加硫ゴム中の全気泡の少なくとも60体積%(60体積%以上)を占めることがより好ましい。なお、長尺状気泡11の体積比率を上げる観点からは、前記ゴム組成物中に発泡剤を添加せずに発泡剤含有繊維中でのみ発泡反応を生じさせると、前記長尺状気泡11の体積比率がほぼ100体積%となり好ましい。
前記比率が30%未満であると、長尺状気泡11による排水路が少ないために、水排除機能が十分でないことがある。
【0078】
前記発泡剤含有繊維を含むゴム組成物を加硫して得られた加硫ゴムにおいては、長手方向に垂直な断面形状がほぼ円形であるカプセル状の長尺状気泡が潰れのない状態で効率良く形成されている。該カプセル状の長尺状気泡は前記ミクロな排水溝として機能し得るため、該加硫ゴムは、前記氷上性能に極めて優れる。
【0079】
本発明の加硫ゴムは、各種分野において好適に使用することができるが、氷上でのスリップを抑えることが必要な構造物に特に好適に使用でき、空気入りタイヤのトレッド等に最も好適に用いることができる。
前記氷上でのスリップを抑えることが必要な構造物としては、例えば、更生タイヤの貼り替え用のトレッド、中実タイヤ、氷雪路走行に用いるゴム製タイヤチェーンの接地部分、雪上車のクローラー、靴底等が挙げられる。
【0080】
(タイヤ)
本発明のタイヤは、少なくともトレッドを有してなり、少なくとも該トレッドが前記本発明の加硫ゴムを含んでなる限り、他の構成としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。換言すれば、前記本発明のゴム組成物を用い、これを加硫することにより該トレッドを形成したタイヤが、本発明のタイヤである。
【0081】
本発明のタイヤの一例を図面を用いて説明すると以下の通りである。図3に示すように、本発明のタイヤ4は、一対のビード部1と、該一対のビード部1にトロイド状をなして連なるカーカス2と、該カーカス2のクラウン部をたが締めするベルト3と、トレッド5とを順次配置したラジアル構造を有する。なお、トレッド5以外の内部構造は、一般のラジアルタイヤの構造と変わりないので説明は省略する。
【0082】
トレッド5には、図4に示すように、複数本の周方向溝7及びこの周方向溝7と交差する複数本の横溝8とによって複数のブロック9が形成されている。また、ブロック9には、氷上でのブレーキ性能及びトラクション性能を向上させるために、タイヤの幅方向(B方向)に沿って延びるサイプ10が形成されている。
【0083】
トレッド5は、図5に示すように、直接路面に接地する上層のキャップ部5Aと、このキャップ部5Aのタイヤの内側に隣接して配置される下層のベース部5Bとから構成されており、いわゆるキャップ・ベース構造を有する。
【0084】
キャップ部5Aは、図2及び図6に示すように、長尺状気泡11を無数に含んだ発泡ゴムであり、ベース部5Bには発泡されていない通常のゴムが使用されている。前記発泡ゴムが、前記本発明の加硫ゴムである。
長尺状気泡11は、図2に示すように、実質的にタイヤの周方向(A方向)に配向されており、その周囲が前記発泡剤含有繊維中の樹脂による保護層13で被覆されている。なお、本発明においては、長尺状気泡11の配向の向きは、総てタイヤの周方向となっていなくてもよく、一部タイヤの周方向以外の向きになっていてもよい(図5参照)。
【0085】
タイヤ4は、その製造方法については特に制限はないが、例えば、以下のようにして製造することができる。即ち、まず、前記本発明のゴム組成物を調製する。このゴム組成物においては、前記発泡剤含有繊維を一方向に配向させておく。該ゴム組成物を、生タイヤケースのクラウン部に予め貼り付けられた未加硫のベース部の上に貼り付ける。このとき、前記発泡剤含有繊維の配向の方向を、タイヤの周方向と一致させておく。そして、所定のモールドで所定温度、所定圧力の下で加硫成形する。その結果、前記本発明のゴム組成物が加硫されてなる本発明の加硫ゴムで形成されたキャップ部5Aを、加硫されたベース部5B上に有してなるタイヤ4が得られる。
【0086】
なお、このとき、未加硫のキャップ部がモールド内で加熱されると、前記発泡剤含有繊維中で発泡剤による発泡が生じ、ガスが生ずる。一方、該発泡剤含有繊維中の樹脂は溶融(又は軟化)し、その粘度(溶融粘度)がゴムマトリクスの粘度(流動粘度)よりも低下することにより、該発泡剤含有繊維内で生じたガスは、溶融して相対的に粘度が低下した該発泡剤含有繊維の内部に留まる。図2に示すように、冷却後のキャップ部5Aは、実質的にタイヤの周方向に配向した長尺状気泡11が多数存在する発泡率に富む加硫ゴムとなっている。この長尺状気泡11の含有率に富む加硫ゴムは、前記本発明の加硫ゴムである。
【0087】
次に、タイヤ4の作用について説明する。氷雪路面上でタイヤ4を走行させる。タイヤ4と前記氷雪路面との摩擦により、タイヤ4のトレッド5の表面が摩耗する。すると、図6に示すように、長尺状気泡11による溝状の凹部12が、トレッド5のキャップ部5Aの接地面に露出する。一方、タイヤ4を走行させると、タイヤ4とその接地面との間の接地圧及び摩擦熱により、タイヤ4と氷雪路面との間に水膜が生じる。この水膜は、トレッド5のキャップ部5Aの接地面に露出する無数の凹部12により、素早く排除され、除去される。このため、タイヤ4は、前記氷雪路面上でもスリップ等することが少ない。
【0088】
タイヤ4においては、実質的にタイヤの周方向に配向している溝状の凹部12が効率的な排水を行う排水溝として機能する。凹部12は、その表面(周囲)に耐剥離性に優れる保護層13が形成されているため、高荷重時でも潰れ難く、高い排水溝形状保持性、水排除性能を保持しており、この凹部12により、タイヤ4の回転方向後側への水排除性能が向上するため、タイヤ4は、氷上ブレーキ性能に特に優れる。タイヤ4においては、保護層13の引っ掻き効果によって横方向の氷上μが向上し、氷上ハンドリングが良好である。
【0089】
なお、タイヤ4のトレッド5の原料として用いた前記本発明のゴム組成物における前記ゴムマトリックス中に、発泡率を調整するために前記発泡剤を含有させた場合には、該トレッド5のキャップ部5Aは、図7に示すように、長尺状気泡11の外に球状の気泡17をも有する。このタイヤ4を走行させると、長尺状気泡11による凹部12の外、球状の気泡17による凹部18も表面に露出する。しかし、氷上での摩擦係数については、長尺状気泡11の体積比率を大きくした方が有利である。
【0090】
本発明のタイヤは、いわゆる乗用車用のみならず、トラック・バス用等の各種の乗物に好適に適用できる。
【0091】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これの実施例に何ら限定されるものではない。
【0092】
(実施例1〜10及び比較例1〜4)
−発泡剤含有繊維の調製−
実施例1〜10及び比較例1〜3では、デカリン400重量部に対して、ポリエチレン(HDPE、重量平均分子量=2.1×105 、Dupont社製DSCにより、昇温速度10℃/分、サンプル重量約5mgの条件にて測定した融点ピーク温度(融点)=132℃)100重量部を添加し、デカリンを120℃に加熱しながら攪拌し、均一な溶液とした。この溶液中に発泡剤(粒子状、平均粒径=4μm、アゾジカルボンアミド(ADCA))を表1及び表2に示す所定量添加して、更に20分間攪拌を続けた。こうして、該発泡剤が均一に分散した紡糸原液を調製した。
【0093】
この紡糸原液を、120℃に設定したスクリュー型押出機に装着した直径0.3mmの紡糸ノズルから押し出して糸状体としたものを、水浴中(湿式)で急冷固化した後、メタノール浴中で脱溶媒を行い、巻き取り機にて巻き取り、発泡剤含有繊維(ポリエチレン製)を製造した。
【0094】
比較例4では、アセトン/ベンゼン混合液(重量比60/40)220重量部に対して、ポリ塩化ビニル(PVC、Dupont社製DSCにより、昇温速度10℃/分、サンプル重量約5mgの条件にて測定した融点ピーク温度(融点)=203℃)100重量部を添加し、90℃に加熱しながら攪拌し、均一な溶液とした。この溶液中に発泡剤(粒子状、平均粒径=4μm、アゾジカルボンアミド(ADCA))を50重量部添加して、更に10分間攪拌を続けた。こうして、該発泡剤が均一に分散した紡糸原液を調製した。
【0095】
この紡糸原液を、90℃に設定した押出機に装着した直径0.2mmの紡糸ノズルから押し出して糸状体としたものを、150℃に設定した熱風筒中を通過させることにより脱溶媒を行い、巻き取り機にて巻き取り、発泡剤含有繊維(ポリ塩化ビニル製)を製造した。
【0096】
得られた各発泡剤含有繊維について、以下のようにして平均径を測定した。結果を表1及び表2に示した。
<平均径>
得られた発泡剤含有繊維について無作為に20か所選択し、光学顕微鏡を用いてその直径を測定し、その平均値を「平均径」とした。
【0097】
次に、表1及び表2に示す組成の各ゴム組成物を製造した。得られた各ゴム組成物を用いてタイヤのトレッドを形成し、通常のタイヤ製造条件に従って各試験用のタイヤを製造した。
【0098】
このタイヤは、乗用車用ラジアルタイヤであり、そのタイヤサイズは185/70R13であり、その構造は図3に示す通りである。即ち、一対のビード部1と、該一対のビード部1にトロイド状をなして連なるカーカス2と、該カーカス2のクラウン部をたが締めするベルト3と、トレッド5とを順次配置したラジアル構造を有する。
【0099】
このタイヤにおいて、カーカス2のコードは、タイヤの周方向に対し90°の角度で配置され、その打ち込み数は50本/5cmである。タイヤ4のトレッド5には、図4に示す通り、タイヤの幅方向に4個のブロック9が配列されている。ブロック9のサイズは、タイヤの周方向の寸法が35mmであり、タイヤの幅方向の寸法が30mmである。ブロック9に形成されているサイプ10は、幅が0.4mmであり、タイヤの周方向の間隔が約7mmになっている。
なお、このタイヤ4のトレッド5には、長尺状気泡11が含まれており、その長手方向が実質的にタイヤの周方向(A方向)に配向されており、その周囲が発泡剤含有繊維における樹脂による保護層13で被覆されている。
【0100】
なお、各ゴム組成物の加硫時における加硫最高温度は、該ゴム組成物中に熱電対を埋め込んで測定したところ総て175℃であった。
前記発泡剤含有繊維中の樹脂の融点は、比較例4を除き、前記タイヤの加硫時における加硫最高温度よりも低くなっていた。このため、タイヤの加硫温度がトレッドの最高温度に達するまでの間に、前記発泡剤含有繊維中の樹脂の粘度は、前記ゴムマトリックスの粘度よりも低くなった。
【0101】
また、前記発泡剤含有繊維の前記加硫最高温度における粘度(溶融粘度)は、コーンレオメーターを用いて測定(ゴムのトルクがMaxをむかえたら終了とし、トルクをゴム粘度として、トルクの変化と発泡圧力の変化を測定)したところ、6であった。ただし、比較例4は前記加硫最高温度において溶融しなかったため、該粘度は測定できない程、高かった。
【0102】
前記ゴムマトリックスの前記加硫最高温度における粘度(流動粘度)は、モンサント社製コーンレオメーター型式1−C型を使用し、温度を変化させながら100サイクル/分の一定振幅入力を与えて経時的にトルクを測定し、その際の最小トルク値を粘度としたところ(ドーム圧力0.59MPa、ホールディング圧力0.78MPa、クロージング圧力0.78MPa、振り角±5°)、11であった。
【0103】
得られた各試験用のタイヤについて、長尺状気泡の平均径、ゴム硬度、精錬作業性、氷上性能について評価した。その結果を表1及び表2に示した。
【0104】
なお、トレッド5における発泡ゴムについての発泡率は、既述の計算式より算出(測定)した。また、長尺状気泡と球状気泡との体積比は、以下のようにして測定した。即ち、タイヤのトレッドからセンター部ブロック片を切り取り、更に、タイヤの周方向に対して垂直に、かつトレッド表面に対して垂直に、鋭利なカミソリで観察面を切り出す。このカットサンプルを走査型電子顕微鏡(SEM)で、倍率100倍にて写真撮影を行う。なお、写真撮影場所については無作為に抽出する。次に、この写真中の長尺状気泡と球状の気泡とを分別し、それぞれの面積を測定して、ある一定面積内の長尺状気泡と球状の気泡との面積比を算出する。以上の測定を10回行い、面積比の平均を求め、その値を長尺状気泡と球状の気泡との体積比とした。
【0105】
<長尺状気泡の平均径>
該加硫ゴムを、含まれる発泡剤含有繊維の長手方向に垂直、及び、平行に、それぞれ鋭利なカミソリで切断した面を観察面とした。この観察面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて100倍倍率で写真撮影した。なお、このときの気泡の状態を表1に示した。そして、前記写真から長尺状気泡の断面積を測定し、次式、長尺状気泡の平均径=(長尺状気泡の断面積÷π)0.5 ×2、により、長手方向に垂直な断面形状が円形であると仮定した際の直径を算出した。これを10回繰り返し、その平均値を求め、該平均値を長尺状気泡の平均径とした。
【0106】
<硬度>
得られたタイヤのトレッドにおける各加硫ゴムのサンプルを、スプリング式硬さ試験機(A型)を用い、JIS K6301−1995に準拠し、室温(24℃)にて測定した。
【0107】
<精錬作業性(加硫前)>
以下の○、×、△の3段階の基準にて評価した。
○: 問題ないレベル。
△: 一部に繊維の分散不良(径が5mm未満の塊)が少量観られる
×: 繊維の塊(径が5mm以上の塊)が複数箇所観られる
【0108】
<氷上性能>
タイヤを国産1600CCクラスの乗用車に装着し、該乗用車を、一般アスファルト路上に200km走行させた後、氷上平坦路を走行させ、時速20km/hの時点でブレーキを踏んでタイヤをロックさせ、停止するまでの距離を測定した。結果は、距離の逆数を比較例1のタイヤを100として指数表示した。なお、数値が大きいほど氷上性能が良いことを示す。
【0109】
【表1】

Figure 0003904680
【0110】
【表2】
Figure 0003904680
【0111】
表1及び表2において、配合内容の欄における数値(量)は、「ブタジエンゴム」は、シス−1,4−ポリブタジエン(日本合成ゴム(株)製、BR01)を意味する。「カーボンブラック」は、旭カーボン(株)製、カーボンN220を意味し、「シリカ」は、日本シリカ工業(株)製、ニプシル−VN3を意味する。「老化防止剤」は、大内新興化学工業(株)製、ノクラック6Cを意味する。上段の「加硫促進剤」は、ジベンゾチアジルジスルフィドを意味し、下段の「加硫促進剤」は、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリル−スルフェンアミドを意味する。「発泡剤(ADCA)」は、アゾジカルボンアミドを意味する。「発泡助剤A」は、ベンゼンスルフィン酸亜鉛(大塚化学(株)製)を意味し、「発泡助剤B」は、尿素/ステアリン酸(85:15)ブレンド物を意味する。「ポリエチレン繊維」は、発泡剤が含まれていないポリエチレン単独で形成された繊維を意味し、比較例1の「発泡剤含有繊維」の欄に記載された特性を有する。「PE」は、ポリエチレンを意味し、「PVC」は、ポリ塩化ビニルを意味する。「長尺状気泡:球状気泡」は、長尺状気泡と球状の気泡との体積比を意味する。
【0112】
表1及び表2の結果から、以下のことが明らかである。即ち、
発泡剤含有繊維を用いない比較例1のコントロールタイヤの氷上性能に比べ、該発泡剤含有繊維を用いた本発明のタイヤの氷上性能のレベルは向上している。
【0113】
また、該発泡剤含有繊維を用いたとしても、該発泡剤含有繊維における発泡剤の含有量が10重量部未満であると(比較例2)、該発泡剤から発生するガスの量が少ないため、加硫ゴムであるタイヤのトレッドにおいて、ミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡が形成されず、単に泡が分散した状態の気泡が多く形成され、全発泡における該長尺状気泡の占める割合が低かった。
【0114】
一方、該発泡剤含有繊維に含まれる発泡剤の含有量が150重量部を越えると(比較例3)、樹脂に対して異物である発泡剤の量が多くなり過ぎ、発泡剤含有繊維の紡糸中に糸切れが多発し、発泡剤含有繊維が製造できなかった。
【0115】
これに対し、該発泡剤含有繊維における発泡剤の含有量が10〜150重量部の範囲内にある実施例1〜4では、これらの問題は観られず、加硫ゴムであるタイヤのトレッドにおいて、ミクロな排水溝として機能し得る長尺状気泡11が形成されていた(図6及び7参照)。
【0116】
なお、実施例1〜4では、該発泡剤の含有量の増加に伴う、全発泡における長尺状気泡の占める割合の向上及び氷上性能の向上が観られた。特に実施例4では、発泡率を他の実施例と同等に保ちつつ全発泡における長尺状気泡の占める割合を100%とすることができた。
【0117】
また、発泡率をほぼ同等に保ちつつ、ゴム成分100重量部に対する発泡剤含有繊維の配合量を互いに変更した実施例5〜10では、該配合量が、1〜60重量部である実施例5〜8において更なる効果が認められた。なお、発泡剤含有繊維の配合部数が少ないものについては、コントロールタイヤに対してポリエチレン部数を同等以上とするために、即ち樹脂部数の影響を排除するために、適宜ポリエチレン単体繊維をゴム組成物中に配合した。
【0118】
具体的には、実施例9の場合、発泡剤含有繊維中の発泡剤の含有量は高いものの、該発泡剤含有繊維のゴム組成物中への配合量が少ないため、球状の気泡に対する長尺状気泡の割合を十分に大きくすることができず、結果として氷上性能を十分には向上させることができなかった。
また、実施例10の場合、発泡剤含有繊維の量が多いため、該発泡剤含有繊維のゴム成分中への分散性が十分でなく、トレッドの硬度も高くなり、氷上性能はむしろ低下する傾向にある。なお、発泡剤含有繊維の量が30重量部よりも多い場合において、発泡剤含有繊維中の発泡剤の量を多くすると、実施例には示していないが、タイヤとしての発泡率が極めて高くなり、耐久性の問題が生ずることが推測される。
【0119】
一方、融点が高く、ゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度がゴムマトリックスの粘度よりも低くならないポリ塩化ビニル(PVC)を含む発泡剤含有繊維を用いた比較例4では、該発泡剤含有繊維が溶融せず、該発泡剤含有繊維中の一部の発泡剤は発泡反応を起こしたものの、微細気泡が該発泡剤含有繊維中に存在するだけで、長尺状気泡が形成されず、発泡率が低く、比較例4のタイヤの氷上性能は、該発泡剤含有繊維を用いた本発明のタイヤに比べて低いレベルであった。
【0120】
【発明の効果】
本発明によると、前記従来における諸問題を解決することができる。また、本発明によると、前記氷雪路面上に生ずる水膜の除去能力に優れ、前記氷雪路面との間の摩擦係数が大きく、前記氷上性能に優れたタイヤを提供することができる。また、本発明によると、前記氷雪路面上でのスリップを抑えることが必要な構造物、例えば前記タイヤのトレッド等に好適で、優れた氷上性能を有する加硫ゴムを提供することができる。更に、本発明によると、前記加硫ゴムの原料等として好適に使用できるゴム組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、発泡剤含有繊維の配向を揃える原理を説明する説明図である。
【図2】図2は、本発明の加硫ゴムの断面概略説明図である。
【図3】図3は、本発明のタイヤの一部断面概略説明図である。
【図4】図4は、本発明のタイヤの周面の一部概略説明図である。
【図5】図5は、本発明のタイヤのトレッドの一部断面概略説明図である。
【図6】図6は、本発明のタイヤの摩耗したトレッドの一例を示す一部断面拡大概略説明図である。
【図7】図7は、本発明のタイヤの摩耗したトレッドの一例を示す一部断面拡大概略説明図である。
【符号の説明】
1 一対のビード部
2 カーカス
3 ベルト
4 タイヤ
5 トレッド
5A キャップ部
5B ベース部
6 加硫ゴム
6A 加硫したゴムマトリックス
7 周方向溝
8 横溝
9 ブロック
10 サイプ
11 長尺状気泡
12 凹部
13 保護層
14 発泡剤含有繊維
15 ゴムマトリックス
16 口金
17 球状の気泡
18 凹部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a rubber composition, a vulcanized rubber, and a tire, and more specifically, a tire having excellent on-ice performance particularly requested by the market, a vulcanized rubber that can be suitably used for a tread of the tire, and the vulcanized The present invention relates to a rubber composition that can be suitably used as a raw material for rubber.
[0002]
[Prior art]
Since spike tires have been regulated, research on tire treads has been actively conducted in order to improve the braking and driving performance (on-ice performance) of tires on icy and snowy road surfaces.
On the icy and snowy road surface, a water film is likely to be generated due to frictional heat between the icy and snowy road surface and the tire, and this water film causes a decrease in the friction coefficient between the tire and the icy and snowy road surface. For this reason, the water film removal ability and edge effect of the tread of the tire greatly affect the performance on ice. Therefore, in order to improve the performance on ice in the tire, it is necessary to improve the water film removing ability and the edge effect of the tread.
[0003]
Therefore, a large number of micro drain grooves (both depth and width of about 100 μm) are provided on the surface of the tire, the water film is eliminated by the micro drain grooves, and the friction coefficient of the tire on the ice and snow road surface is increased. It has been proposed to let However, in this case, although the performance on ice in the initial use of the tire can be improved, there is a problem that the performance on ice gradually deteriorates as the tire wears.
Further, it has been proposed to use foamed rubber for the tread so that the performance on ice does not deteriorate even if the tire is worn. However, since bubbles in a simple foam rubber are spherical and have no anisotropy, and cannot function as the micro drainage groove, in this case, the performance on ice should be improved to a level that satisfies the market demand level. There is a problem that can not be.
[0004]
On the other hand, Japanese Patent Application Laid-Open No. 4-38207 describes a method of forming the micro drainage grooves on the surface of the tread by using short fiber-containing foam rubber for the tread.
However, in this case, even if the tread is worn by running, the short fibers that are not substantially parallel to the worn surface do not easily detach from the tread, and the micro drainage groove as originally intended is efficiently formed. The friction coefficient on the icy and snowy road surface cannot be improved sufficiently. In addition, the detachment of the short fibers greatly depends on traveling conditions and the like, and there is a problem that the performance on ice cannot be improved reliably.
[0005]
On the other hand, in JP-A-4-110212, etc., by dispersing hollow fibers in the tread, the water film existing between the ice / snow road surface and the tread can be eliminated at the hollow portion of the hollow fibers. A tire is disclosed.
However, in the case of this tire, the hollow fiber is crushed by pressure, rubber flow, temperature, etc. during kneading or molding of the hollow fiber into the rubber, and in fact the hollow fiber can maintain a hollow shape. There is a problem that the micro drainage grooves cannot be formed efficiently and the performance on ice is not sufficient.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to solve the conventional problems and achieve the following objects. That is,
An object of the present invention is to provide a tire that is excellent in the ability to remove a water film formed on the icy and snowy road surface, has a large coefficient of friction with the icy and snowy road surface, and is excellent in the on-ice performance.
Another object of the present invention is to provide a vulcanized rubber which is suitable for a structure that needs to suppress slip on the snowy and snowy road surface, for example, a tread of the tire and has excellent on-ice performance.
Furthermore, an object of the present invention is to provide a rubber composition that can be suitably used as a raw material for the vulcanized rubber.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
Means for solving the above problems are as follows. That is,
<1> A rubber composition comprising a rubber matrix containing at least one rubber component selected from natural rubber and diene-based synthetic rubber, and a foaming agent-containing fiber, wherein the foaming agent-containing fiber is A resin whose viscosity is lower than the viscosity of the rubber matrix until the temperature of the rubber composition reaches the maximum vulcanization temperature during vulcanization, and 10 to 150 parts by weight relative to 100 parts by weight of the resin A rubber composition comprising a foaming agent.
<2> The rubber composition according to <1>, wherein the resin includes a crystalline polymer, and the melting point is 190 ° C. at the highest.
<3> The rubber composition according to <2>, wherein the crystalline polymer is polyethylene.
<4> The rubber composition according to any one of <1> to <3>, wherein the content of the resin in the foaming agent-containing fiber is 0.5 to 30 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the rubber component. is there.
[0008]
<5> A vulcanized rubber obtained by vulcanizing the rubber composition according to any one of <1> to <4> and having long air bubbles.
<6> The vulcanized rubber according to <5>, wherein the expansion ratio is 3 to 40%.
[0009]
<7> A pair of bead portions, a carcass connected to the bead portion in a toroidal shape, a belt and a tread for tightening a crown portion of the carcass, and at least the tread is the <5> Or it is a tire characterized by including the vulcanized rubber as described in <6>.
<8> The tire according to <7>, wherein the elongated bubbles are oriented in a circumferential direction of the tire.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The rubber composition, vulcanized rubber and tire of the present invention will be described in detail below.
[0011]
(Rubber composition)
The rubber composition of the present invention comprises at least a foaming agent-containing fiber and a rubber matrix.
[0012]
--Foaming agent-containing fibers--
The foaming agent-containing fiber contains at least a resin and a foaming agent, and further contains other components as necessary.
[0013]
-Resin-
The resin has a thermal property of melting (including softening) until the rubber composition reaches the maximum vulcanization temperature, in other words, the rubber composition during vulcanization of the rubber composition. It is particularly preferable that the resin has a thermal characteristic that the viscosity of the resin is lower than the viscosity of the rubber matrix composed of components other than the resin in the rubber composition until the temperature reaches the maximum vulcanization temperature.
When the resin has such thermal characteristics, a long length that can function as the micro drainage groove in the vulcanized rubber obtained by vulcanizing the rubber composition containing the foaming agent-containing fiber. This is advantageous in that a bubble can be easily formed.
[0014]
The maximum vulcanization temperature means the maximum temperature reached by the rubber composition during vulcanization of the rubber composition. For example, in the case of mold vulcanization, it means the maximum temperature that the rubber composition reaches from the time when the rubber composition enters the mold until the rubber composition exits the mold and cools. The maximum vulcanization temperature can be measured, for example, by embedding a thermocouple in the rubber composition.
[0015]
The viscosity of the rubber matrix means a fluid viscosity and can be measured using, for example, a cone rheometer, a capillary rheometer, or the like. The viscosity of the resin means melt viscosity and can be measured using, for example, a cone rheometer, a capillary rheometer, or the like.
[0016]
The resin is not particularly limited as to the material and the like, and can be appropriately selected according to the purpose. However, the material having the thermal characteristics is preferable, for example, the crystallinity is lower than the maximum vulcanization temperature. A resin made of a polymer is particularly preferred.
[0017]
The resin composed of the crystalline polymer will be described as an example. The larger the difference between the melting point of the resin and the maximum vulcanization temperature of the rubber composition, the faster the resin during vulcanization of the rubber composition. Since the resin melts, the time when the viscosity of the resin becomes lower than the viscosity of the rubber matrix is advanced. For this reason, when the resin is melted, the gas generated from the foaming agent contained in the resin stays inside the resin having a lower viscosity than the rubber matrix. As a result, in the vulcanized rubber obtained by vulcanizing the rubber composition, capsule-like long bubbles covered with the resin are efficiently formed without being crushed. In the vulcanized rubber, the capsule-like long bubbles can function as the micro drainage grooves.
[0018]
On the other hand, if the melting point of the resin becomes too close to the maximum vulcanization temperature of the rubber composition, the resin does not melt quickly at the initial stage of vulcanization, and the resin melts at the end of vulcanization. At the end of vulcanization, a part of the gas generated from the foaming agent contained in the resin is taken into the vulcanized rubber matrix and does not stay inside the molten resin. Long air bubbles that can function as drainage grooves may not be formed efficiently.
On the other hand, if the melting point of the resin is too low, for example, when the foaming agent-containing fibers are blended in the rubber composition and kneaded, the foaming agent-containing fibers are fused, Dispersion failure occurs, and long bubbles that can function as the micro drainage grooves may not be formed efficiently.
Accordingly, the melting point of the resin is preferably selected in a range in which the viscosity of the rubber matrix and the viscosity of the resin are reversed during the vulcanization process.
[0019]
The upper limit of the melting point of the resin is not particularly limited, but is preferably selected in consideration of the above points, and is generally 10 ° C. or more lower than the maximum vulcanization temperature of the rubber composition. It is preferable that the temperature is lower by 20 ° C. or more. The industrial vulcanization temperature of the rubber composition is generally about 190 ° C. at the maximum. For example, when the maximum vulcanization temperature is set to 190 ° C., the melting point of the resin is Is usually selected within a range of 190 ° C. or less, preferably 180 ° C. or less, and more preferably 170 ° C. or less.
[0020]
The melting point of the resin can be measured using a known melting point measuring device or the like. For example, the melting peak temperature measured using a DSC measuring device can be used as the melting point.
[0021]
The resin may be formed from a crystalline polymer, may be formed from an amorphous polymer, or may be formed from a crystalline polymer and an amorphous polymer. In the present invention, it is preferably formed from an organic material containing a crystalline polymer in that the viscosity change occurs suddenly at a temperature where there is a phase transition and the viscosity is easily controlled. It is more preferable that it is formed from only.
In the preferable case to the more preferable case, in the vulcanized rubber obtained by vulcanizing the rubber composition containing the foaming agent-containing fiber, an elongated bubble that can function as the micro drainage groove is easily formed. This is advantageous in that
[0022]
Specific examples of the crystalline polymer include, for example, polyethylene (PE), polypropylene (PP), polybutylene, polybutylene succinate, polyethylene succinate, syndiotactic-1,2-polybutadiene (SPB), polyvinyl alcohol ( PVA), polyvinyl chloride (PVC) and other single-composition polymers, and those whose melting point is controlled to an appropriate range by copolymerization, blending, etc., and those with additives added to these resins can also be used it can. These may be used individually by 1 type and may use 2 or more types together.
Among these crystalline polymers, polyolefins and polyolefin copolymers are preferable, polyethylene (PE) and polypropylene (PP) are more preferable in terms of general-purpose and easy availability, and polyethylene (PE) is low in melting point and easy to handle. PE) is particularly preferred.
[0023]
Examples of the non-crystalline polymer include polymethyl methacrylate (PMMA), acrylonitrile butadiene styrene copolymer (ABS), polystyrene (PS), polyacrylonitrile, copolymers thereof, and blends thereof. . These may be used individually by 1 type and may use 2 or more types together.
[0024]
The molecular weight of the organic material in the resin varies depending on the chemical composition of the organic material, the state of branching of the molecular chain, etc., and cannot be generally defined, but in general, the resin is formed of the same organic material. However, the higher the molecular weight, the higher the viscosity (melt viscosity) at a certain temperature. In the present invention, the molecular weight of the organic material in the resin is within a range in which the viscosity (melt viscosity) of the resin does not become higher than the viscosity (flow viscosity) of the rubber matrix at the maximum vulcanization temperature of the rubber composition. Is preferably selected.
[0025]
-Foaming agent-
Examples of the foaming agent include dinitrosopentamethylenetetramine (DPT), azodicarbonamide (ADCA), dinitrosopentastyrenetetramine, benzenesulfonyl hydrazide derivatives, oxybisbenzenesulfonyl hydrazide (OBSH), and heavy gas that generates carbon dioxide. Ammonium carbonate, sodium bicarbonate, ammonium carbonate, nitrososulfonylazo compound generating nitrogen, N, N′-dimethyl-N, N′-dinitrosophthalamide, toluenesulfonyl hydrazide, P-toluenesulfonyl semicarbazide, P, P ′ -Oxy-bis (benzenesulfonyl semicarbazide) etc. are mentioned.
[0026]
Among these foaming agents, in consideration of production processability, dinitrosopentamethylenetetramine (DPT) and azodicarbonamide (ADCA) are preferable, and azodicarbonamide (ADCA) is particularly preferable. These may be used individually by 1 type and may use 2 or more types together.
[0027]
The form of the foaming agent is not particularly limited and can be appropriately selected from particulates, liquids and the like according to the purpose. However, the foaming agent is prevented from being unevenly distributed in the foaming agent-containing fiber, and foamed. From the viewpoint of preventing unevenness and efficiently forming capsule-like long bubbles whose cross-sectional shape perpendicular to the longitudinal direction is substantially circular, the particles are preferably in the form of fine particles. .
As an average particle diameter of a particulate foaming agent, 0.1-20 micrometers is preferable, for example, and 0.5-10 micrometers is more preferable.
In addition, the form of the said foaming agent can be observed using a microscope etc., for example. The average particle diameter of the particulate foaming agent can be measured using, for example, a Coulter counter.
[0028]
As content in the said foaming agent containing fiber of the said foaming agent, 10-150 weight part is preferable with respect to 100 weight part of said resin, 20-140 weight part is more preferable, 30-130 weight part is especially preferable.
In addition, as the content, any lower limit value or upper limit value of the numerical range or any value of the content employed in the examples described below is a lower limit, and any lower limit value of the numerical range or A range having an upper limit value or any value of the content employed in the examples described later is also preferable.
[0029]
When the content of the foaming agent is less than 10 parts by weight, the gas generated from the foaming agent contained in the foaming agent-containing fiber is not connected to each other, and the cross-sectional shape perpendicular to the longitudinal direction is in the foaming agent-containing fiber However, there are cases where long bubbles having a substantially circular shape cannot be formed without being crushed and the bubbles are dispersed in the fiber. On the other hand, if the content of the foaming agent exceeds 150 parts by weight, the amount of the foaming agent that is a foreign matter with respect to the resin is excessive, and many yarn breaks occur during the production of the foaming agent-containing fiber. It is not preferable in terms of production.
[0030]
-Other ingredients-
There is no restriction | limiting in particular as said other component, unless the objective of this invention is impaired, According to the objective, it can select suitably, For example, a commercial item can be used conveniently. These may be used individually by 1 type and may use 2 or more types together. Moreover, there is no restriction | limiting in particular as content in the foaming agent containing fiber of the said other component, It can select suitably in the range which does not injure the objective of this invention.
[0031]
In the present invention, a foaming aid may be used in combination with the foaming agent as the other component, but in this case, it is limited to a range in which foaming does not occur during the production of the foaming agent-containing fiber. When the foaming aid is used in combination with the foaming agent, it is advantageous in that all foaming agents contained in the foaming agent-containing fiber can be efficiently foamed, and foaming unevenness is not caused. Since the starting temperature is lowered, more accurate temperature control is required. Therefore, it is particularly preferable to add the foaming aid to the rubber matrix.
[0032]
Examples of the foaming aid include urea, zinc stearate, zinc benzenesulfinate, zinc white and the like, which are usually used in the production of foamed products. Among these, urea, zinc stearate, zinc benzenesulfinate and the like are preferable. These may be used individually by 1 type and may use 2 or more types together.
[0033]
-Fiber shape-
The average diameter (D) of the foaming agent-containing fiber is not particularly limited and may be appropriately selected depending on the intended purpose. However, vulcanization obtained by vulcanizing a rubber composition containing the foaming agent-containing fiber. In order to efficiently form a long bubble that can function as the micro drainage groove in the rubber, it is preferably 10 to 100 μm, more preferably 15 to 90 μm, and particularly preferably 20 to 80 μm.
Further, in the present invention, as the average diameter (D), the upper limit value or the lower limit value of any one of the numerical ranges or the value of any one of the average diameter (D) employed in the examples described later, A numerical range in which any upper limit value or lower limit value of the numerical range or any one of the average diameters (D) employed in Examples described later is used as an upper limit is also preferable.
[0034]
When the average diameter (D) is less than 10 μm, the average diameter is excessively small with respect to the average particle diameter of the foaming agent, and this is not preferable in that many yarn breaks occur during the production of the foaming agent-containing fiber. On the other hand, when the average diameter (D) exceeds 100 μm, the average diameter (diameter) of the foaming agent-containing fiber becomes too large, and a part of the foaming agent contained does not cause foaming or is a gas generated from the foaming agent. They are not preferable in that they are not connected to each other in the foaming agent-containing fiber, and a capsule-like long bubble that does not collapse is not formed in the hollow portion, and the bubble may be divided.
The average diameter (D) can be measured using an optical microscope.
[0035]
When the foaming agent-containing fiber is a short fiber, the average length (L) of the foaming agent-containing fiber is not particularly limited and may be appropriately selected depending on the intended purpose. In order to efficiently form long air bubbles that can function as the micro drainage grooves in the vulcanized rubber obtained by vulcanizing the rubber composition, 0.5 to 20 mm is preferable, and 1 to 10 mm is preferable. Is more preferable.
Further, in the present invention, as the average length (L), the upper limit value or the lower limit value of any of the numerical ranges or the value of the average length (L) employed in the examples described later is set as a lower limit, A numerical range having an upper limit of any upper limit value or lower limit value of the numerical range or the average length (L) employed in the examples described later is also preferable.
[0036]
When the average length (L) is less than 0.5 mm, mechanical cutting becomes difficult, and the productivity of the foaming agent-containing fiber may be extremely deteriorated. In some cases, poor dispersion at the time and disorder of alignment at the time of extrusion may occur.
In addition, the average length (L) of the said foaming agent containing fiber can be measured with an optical microscope etc., for example.
[0037]
-Manufacturing method-
The foaming agent-containing fiber can be produced by, for example, a solution spinning method, a gel spinning method, a melt spinning method, etc., but a solvent is used in that the foaming agent can be stably produced at a low temperature so as not to cause a foaming reaction. Solution spinning and gel spinning are preferred. In the case of these spinning methods, the filamentous material obtained by dissolving the resin in an organic solvent and extruding a spinning stock solution in which the foaming agent is dispersed from a spinning nozzle under a predetermined heating temperature is rapidly cooled to remove the solvent. By doing so, the fiber can be produced.
[0038]
As said heating temperature (namely, temperature in the manufacturing process of a foaming agent containing fiber), it is preferable that it is 40-180 degreeC, 40-150 degreeC is more preferable, and 40-130 degreeC is especially preferable.
In the present invention, as the heating temperature, any upper limit value or lower limit value of the numerical range or any one of the temperatures employed in Examples described later is set as a lower limit, and any one of the numerical ranges A numerical range with an upper limit value or a lower limit value or any one of the temperatures employed in the examples described below as an upper limit is also preferable.
[0039]
If the heating temperature is less than 40 ° C., it may not be possible to sufficiently dissolve the resin or disperse the foaming agent depending on the type of the resin. Depending on the type, foaming reaction may occur during the production of the foaming agent-containing fiber, causing gas to escape, or the production stability of the foaming agent-containing fiber may be impaired.
In addition, when the resin in the said foaming agent containing fiber is polyethylene, as said heating temperature, 100-150 degreeC is preferable.
[0040]
The organic solvent can be appropriately selected according to the type of the resin, and examples thereof include decalin, acetone, and benzene. These organic solvents may be used alone.
[0041]
The resin is as described above, and polyethylene is particularly preferable in that the melting point is not higher than a general rubber vulcanization temperature. The foaming agent is also as described above, and ADCA is particularly preferable in terms of manufacturing processability.
The spinning dope can be obtained by dissolving the resin in the organic solvent and dispersing the foaming agent. The dissolution and the dispersion can be performed using a known device or apparatus such as a stirring apparatus.
[0042]
The time for performing the dispersion, specifically the time for performing the stirring, etc., varies depending on the type and amount of each component in the spinning dope, the stirring speed, the fin shape, the inner wall material of the stirring device, etc. However, it is preferably about 5 to 60 minutes from the viewpoint of uniformly dispersing the foaming agent in the spinning dope.
[0043]
The foaming agent-containing fiber can be produced by using the spinning solution and spinning it. In addition, from the viewpoint of uniformly dispersing the foaming agent in the obtained filamentous material, when spinning the spinning dope, keep the foaming agent contained in the spinning dope in a good dispersion state. Is preferred.
[0044]
In the melt spinning method or the gel spinning method, the spinning solution is extruded from a spinning nozzle into a liquid such as water (wet) or into the air (dry), and is spun (molded) into the form of a filament. The The spun filament can be wound using, for example, a winder.
[0045]
In addition, there is no restriction | limiting in particular as a spinning apparatus used in the case of the said spinning, It can select suitably from extrusion apparatuses, such as a well-known spinning apparatus and a screw type extrusion apparatus. Use of the screw type extruder is advantageous in that the foaming agent contained in the spinning solution can be well dispersed.
The extrusion temperature at the time of spinning is particularly important and is selected within the range where the spinning property is good and the foaming reaction does not occur.
[0046]
There is no restriction | limiting in particular as said spinning nozzle, Although it can select suitably according to the objective, As a diameter of the blower outlet of this spinning nozzle, 0.05-1 mm is preferable, for example, 0.1-0. 8 mm is more preferable. The spinning nozzle is attached to the spinning solution outlet of the spinning device or the extrusion device.
[0047]
The filament thus obtained is rapidly cooled and solidified. There is no restriction | limiting in particular as this rapid cooling rate, According to the objective, it can select suitably. For example, when rapidly cooling in water, the filament is cooled instantaneously.
The filament is removed during or after the cooling. There is no restriction | limiting in particular as the method of the said solvent removal, Although it can select suitably according to the objective, For example, the method using a methanol bath, the method using a hot-air pipe | tube etc. are mentioned suitably.
[0048]
The filamentous body is preferably stretched either before or after the solvent removal, but the filamentous body is preferably stretched before the solvent removal from the viewpoint of increasing the stretch ratio of the filamentous body.
The temperature during the stretching is preferably 40 to 180 ° C., more preferably 40 to 150 ° C.
If the temperature is less than 40 ° C, the draw ratio cannot be increased, and if it exceeds 180 ° C, a foaming reaction may occur.
In addition, there is no restriction | limiting in particular as an apparatus which performs the said extending | stretching, It can select suitably from well-known extending | stretching apparatuses.
[0049]
In the foaming agent-containing fiber thus obtained, the foaming agent is not unevenly distributed and is contained in a dispersed state. Since the obtained foaming agent-containing fiber is usually a long fiber, when a short fiber is obtained, it may be cut to a desired length using an appropriately selected cutting tool.
[0050]
--Rubber matrix--
The rubber matrix includes components other than the foaming agent-containing fiber in the rubber composition of the present invention, specifically, includes a rubber component composed of at least one selected from natural rubber and diene-based synthetic rubber, Other components appropriately selected as necessary are included.
[0051]
-Rubber component-
The rubber component may contain only natural rubber, may contain only diene synthetic rubber, or may contain both.
There is no restriction | limiting in particular as said diene type synthetic rubber, Although it can select suitably according to the objective from well-known things, For example, a styrene-butadiene copolymer (SBR), polyisoprene (IR), polybutadiene ( BR) and the like. Among these diene-based synthetic rubbers, cis-1,4-polybutadiene is preferable, and those having a cis content of 90% or more are particularly preferable in that the glass transition temperature is low and the effect on performance on ice is large.
[0052]
In addition, when using the rubber composition of this invention for the tread etc. of a tire, what has a glass transition temperature of -60 degrees C or less as said rubber component is preferable. When a rubber component having such a glass transition temperature is used, the tread or the like is advantageous in that it maintains sufficient rubber elasticity even in a low temperature range and exhibits good performance on ice.
[0053]
-Other ingredients-
As said other component, in the range which does not impair the effect of this invention, it can select suitably according to the objective, A commercial item can be used conveniently.
Examples of the other components include reinforcing fillers such as carbon black and silica, vulcanizing agents such as sulfur, vulcanization accelerators such as dibenzothiazyl disulfide, vulcanization aids, and coupling agents for silica. Anti-aging agents such as N-cyclohexyl-2-benzothiazyl-sulfenamide, N-oxydiethylene-benzothiazyl-sulfenamide, zinc oxide, stearic acid, antiozonants, colorants, antistatic agents, dispersants, lubricants In addition to additives such as antioxidants, softeners and inorganic fillers, various compounding agents usually used in the rubber industry are included.
[0054]
In the present invention, the foaming aid can be particularly preferably used as the other component, and the foaming agent can be used as the other component as required. When the foaming agent is used, the vulcanized rubber obtained by vulcanizing the rubber composition can be efficiently converted into foamed rubber.
[0055]
-Preparation of rubber composition-
The rubber composition of the present invention can be obtained by kneading, heating, extruding, and the like with the above-mentioned components appropriately selected under conditions and techniques.
[0056]
The kneading is not particularly limited in terms of various conditions such as the input volume to the kneading apparatus, the rotational speed of the rotor, the ram pressure, the kneading temperature, the kneading time, the kneading apparatus, etc. be able to. A commercially available product can be suitably used as the kneading apparatus.
[0057]
There is no restriction | limiting in particular about various conditions, such as a heating or extrusion time, a heating or extrusion apparatus, and the said heating or extrusion can be suitably selected according to the objective. A commercially available product can be suitably used as the heating or extruding device.
However, the heating or extrusion temperature is appropriately selected within a range in which the foaming agent-containing fiber does not cause foaming.
[0058]
In the rubber composition of the present invention, the foaming agent-containing fibers are easily and sufficiently oriented in the extrusion direction or the like by the extrusion or the like, but in order to achieve this effectively, in the rubber matrix Plasticizers such as aroma oil, naphthenic oil, paraffin oil, and ester oil can be added as appropriate.
[0059]
When a vulcanized rubber obtained by vulcanizing a rubber composition containing the foaming agent-containing fiber in an extruded direction is used for a tire tread or the like, the foaming agent-containing fiber is connected to the ground in the tread or the like. It is preferable to align in the direction parallel to the contacting surface, and more preferable to align in the circumferential direction of the tire or the like. In these cases, drainage in the running direction of the tire or the like can be enhanced, and this is advantageous in that the performance on ice can be improved.
[0060]
As a method for aligning the orientation of the foaming agent-containing fibers, when the foaming agent-containing fibers are long fibers, for example, the foaming agent-containing fibers may be arranged in parallel in a certain direction in the rubber composition. Further, when the foaming agent-containing fiber is a short fiber, for example, as shown in FIG. 1, the rubber matrix 15 including the foaming agent-containing fiber 14 has a die 16 of an extruder in which the flow path cross-sectional area decreases toward the outlet. The foaming agent-containing fiber 14 may be oriented in a certain direction by extruding from the above.
[0061]
In this case, the foaming agent-containing fibers 14 in the rubber matrix 15 before being extruded are gradually aligned in the longitudinal direction along the extrusion direction (A direction) in the process of being extruded to the die 16. When extruded from the die 16, the longitudinal direction can be oriented almost completely in the extrusion direction (direction A). In this case, the degree of orientation of the foaming agent-containing fiber 14 in the rubber matrix 15 varies depending on the degree of reduction in the cross-sectional area of the flow path, the extrusion speed, the viscosity of the rubber matrix 15, and the like.
[0062]
In the rubber composition of the present invention, the viscosity of the resin in the foaming agent-containing fiber is higher than that of the rubber matrix before vulcanization, that is, without heating. After the start of vulcanization of the rubber composition and before the rubber composition reaches the maximum vulcanization temperature, the viscosity of the rubber matrix increases due to vulcanization, The resin melts and the viscosity decreases significantly. During the vulcanization, the viscosity of the resin in the foaming agent-containing fiber is lower than that of the rubber matrix. That is, a phenomenon occurs in which the viscosity relationship between the rubber matrix before vulcanization and the resin in the foam-containing fiber is reversed in the middle of vulcanization.
[0063]
During this time, when the foaming aid is added to the rubber matrix, the foaming agent in the foam-containing fiber causes a foaming reaction from the one in contact with the foaming aid to generate gas. This gas stays inside the foaming agent-containing resin which has melted and has a relatively lower viscosity than the rubber matrix whose viscosity has increased due to the progress of the vulcanization reaction. As a result, in the vulcanized rubber obtained by vulcanizing the rubber composition, bubbles exist where the foaming agent-containing fibers were present. The periphery of the bubbles (the wall surface of the bubbles) is covered with the resin in the foaming agent-containing fiber to form a capsule. In addition, the bubbles are present independently in the vulcanized rubber. When the resin material in the foaming agent-containing fiber is polyethylene, polypropylene, or the like, the vulcanized rubber matrix and the resin are firmly bonded.
[0064]
The rubber composition of the present invention can be suitably used in various fields, but can be particularly suitably used as a raw material for the vulcanized rubber of the present invention described later.
[0065]
(Vulcanized rubber)
The vulcanized rubber of the present invention can be obtained by vulcanizing the rubber composition of the present invention. Hereinafter, details of the vulcanized rubber of the present invention will be described.
[0066]
The vulcanization apparatus or method is not particularly limited and may be appropriately selected according to the purpose. The vulcanization temperature is the maximum vulcanization temperature of the rubber composition during vulcanization. Is selected to be equal to or higher than the melting point of the resin in the foaming agent-containing fiber.
When the maximum vulcanization temperature is lower than the melting point of the resin in the foaming agent-containing fiber, the resin in the foaming agent-containing fiber does not melt, and the gas generated by foaming can remain in the foaming agent-containing resin. Cannot be formed, and long bubbles cannot be formed.
In addition, there is no restriction | limiting in particular as an apparatus which performs the said vulcanization | cure, A commercial item can be used conveniently.
[0067]
In the vulcanized rubber of the present invention, long air bubbles are present in the vulcanized rubber matrix. When the foaming agent-containing fibers are short fibers and the orientation of the foaming agent-containing fibers in the rubber composition is aligned in one direction, as shown in FIG. 2, the elongated bubbles 11 are in one direction. It exists in an oriented state. The elongated bubbles 11 are surrounded by a protective layer 13 formed by bonding the resin in the melted foaming agent-containing fiber 14 to the vulcanized rubber matrix 6A. A gas generated from the foaming agent is taken into the protective layer 13.
[0068]
When the vulcanized rubber of the present invention is used for a tread or the like of a tire, the concave portion 12 formed by exposing the long bubble 11 to the surface functions as a drainage channel for efficient drainage.
Moreover, since the surface of this recessed part 12 is coat | covered with the protective layer 13, the vulcanized rubber of this invention is excellent also in water channel shape retainability, water channel edge part abrasion property, water channel retainability at the time of load input, etc. As thickness of the protective layer 13, 0.5-50 micrometers is preferable.
[0069]
In the case of polyethylene, polypropylene, etc., the protective layer 13 is firmly bonded to the vulcanized rubber matrix 6A. If the adhesive force needs to be further improved, for example, the foaming agent is used. A component capable of improving the adhesion to the vulcanized rubber matrix 6A can be included in the containing fiber.
[0070]
In the vulcanized rubber of the present invention, the ratio (L / D) between the average length (L) per one long bubble 11 (see FIG. 2) and the average diameter (D) is small. Both 3 (that is, 3 or more) are preferable, and at least 5 (that is, 5 or more) is more preferable. The upper limit of the ratio (L / D) is not particularly limited, but about 100 is selected.
In the present invention, as the ratio (L / D), the lower limit or upper limit value of any of the numerical ranges or the value of the ratio (L / D) employed in the examples described later is set as the lower limit. A numerical range in which any lower limit value or upper limit value of the numerical range or the ratio (L / D) employed in the examples described later is used as an upper limit is also preferable.
[0071]
If the ratio (L / D) is less than 3, the groove due to the elongated bubbles 11 exposed on the surface of the worn vulcanized rubber cannot be lengthened, and the volume cannot be increased. When the vulcanized rubber is used for a tire tread or the like, it is not preferable in that the water drainage performance of the tire cannot be sufficiently improved.
[0072]
In the vulcanized rubber of the present invention, the average diameter (D) of the elongated bubbles 11 (= the inner diameter of the protective layer 13, see FIG. 2) is preferably 20 to 500 μm.
When the average diameter (D) is less than 20 μm, even if the vulcanized rubber is used in a tread of a tire, the water drainage performance of the tire is not improved, and when it exceeds 500 μm, the cut resistance of the vulcanized rubber is not improved. These properties are not preferable because the wear resistance on the dry road surface of the tire is deteriorated even when the vulcanized rubber is used for a tire tread or the like.
[0073]
The average foaming rate Vs in the vulcanized rubber of the present invention is preferably 3 to 40%, more preferably 5 to 35%.
Further, in the present invention, as the average foaming rate Vs, any lower limit or upper limit value of the numerical range or an average foaming rate Vs in the examples described later is a lower limit, and any lower limit of the numerical range. A numerical value range with the value or the upper limit value or the value of the average foaming rate Vs in the examples described later as the upper limit is also preferable.
[0074]
The average foaming rate Vs means the foaming rate of the elongated bubbles 11 (when the spherical bubbles 17 are formed as shown in FIG. 7, the foaming rate Vs1 of the spherical bubbles 17 and It means the sum of the foaming rate Vs2 of the long bubbles 11) and can be calculated by the following equation.
Vs = (ρ 0 / Ρ 1 -1) x 100 (%)
[0075]
Where ρ 1 Is the density of the vulcanized rubber (foam rubber) (g / cm Three ). ρ 0 Is the density of solid phase part (g / cm) in vulcanized rubber (foamed rubber) Three ).
The density of the vulcanized rubber (foamed rubber) and the density of the solid phase part in the vulcanized rubber (foamed rubber) were calculated by measuring the weight in ethanol and the weight in the air.
[0076]
When the average foaming ratio Vs is less than 3%, a sufficient water removal function cannot be obtained for the generated water film due to an absolute shortage of the volume of the recess 12 due to the long bubbles, and the vulcanized rubber. There is a possibility that the performance on ice cannot be improved sufficiently. On the other hand, if the average foaming ratio Vs exceeds 40%, the performance on ice can be improved, but the amount of bubbles in the vulcanized rubber becomes too large, so that the rupture limit of the vulcanized rubber is large. The width is lowered, which is not preferable in terms of durability.
The average foaming rate Vs can be appropriately changed depending on the type and amount of the foaming agent, the type and amount of the foaming aid to be combined, the blending amount of the resin, and the like.
[0077]
In the present invention, the average foaming rate Vs is 3 to 40%, and the long bubbles 11 preferably occupy 30% or more, more preferably 60% or more in the average foaming rate Vs. In other words, it is preferable that the long bubbles 11 occupy at least 30% by volume (30% by volume or more) of all the bubbles in the vulcanized rubber, and the long bubbles 11 are at least 60% of all the bubbles in the vulcanized rubber. It is more preferable to occupy volume% (60 volume% or more). From the viewpoint of increasing the volume ratio of the elongated bubbles 11, if a foaming reaction is caused only in the foaming agent-containing fibers without adding a blowing agent to the rubber composition, the elongated bubbles 11 The volume ratio is preferably about 100% by volume.
If the ratio is less than 30%, the drainage channel by the elongated bubbles 11 is small, and thus the water removal function may not be sufficient.
[0078]
In the vulcanized rubber obtained by vulcanizing the rubber composition containing the foaming agent-containing fiber, the capsule-like long bubble whose cross-sectional shape perpendicular to the longitudinal direction is almost circular is efficient without being crushed. Well formed. Since the capsule-like long bubbles can function as the micro drainage grooves, the vulcanized rubber is extremely excellent in performance on ice.
[0079]
The vulcanized rubber of the present invention can be suitably used in various fields, but can be particularly suitably used for a structure that needs to suppress slip on ice, and is most suitably used for a tread of a pneumatic tire or the like. be able to.
Examples of the structure that needs to suppress slip on the ice include, for example, a tread for replacing a retreaded tire, a solid tire, a grounding portion of a rubber tire chain used for running on an icy snow road, a crawler of a snow vehicle, and a shoe. Examples include the bottom.
[0080]
(tire)
The tire of the present invention has at least a tread, and as long as at least the tread includes the vulcanized rubber of the present invention, there is no particular limitation on other configurations, and the tire can be appropriately selected according to the purpose. it can. In other words, a tire in which the tread is formed by vulcanizing the rubber composition of the present invention is the tire of the present invention.
[0081]
An example of the tire of the present invention is described below with reference to the drawings. As shown in FIG. 3, the tire 4 according to the present invention includes a pair of bead portions 1, a carcass 2 connected in a toroidal shape to the pair of bead portions 1, and a belt for tightening a crown portion of the carcass 2. 3 and a tread 5 are sequentially arranged. Since the internal structure other than the tread 5 is the same as that of a general radial tire, description thereof is omitted.
[0082]
As shown in FIG. 4, a plurality of blocks 9 are formed in the tread 5 by a plurality of circumferential grooves 7 and a plurality of lateral grooves 8 that intersect the circumferential grooves 7. The block 9 is formed with a sipe 10 extending along the width direction (B direction) of the tire in order to improve braking performance and traction performance on ice.
[0083]
As shown in FIG. 5, the tread 5 includes an upper cap portion 5A that directly contacts the road surface, and a lower base portion 5B that is disposed adjacent to the inside of the tire of the cap portion 5A. It has a so-called cap base structure.
[0084]
As shown in FIGS. 2 and 6, the cap portion 5A is a foamed rubber containing an infinite number of the elongated bubbles 11, and a normal rubber that is not foamed is used for the base portion 5B. The foamed rubber is the vulcanized rubber of the present invention.
As shown in FIG. 2, the elongated bubbles 11 are substantially oriented in the circumferential direction (A direction) of the tire, and the periphery thereof is covered with a protective layer 13 made of resin in the foam-containing fiber. Yes. In the present invention, the orientation of the elongated bubbles 11 may not be all in the circumferential direction of the tire, and may be in a direction other than the circumferential direction of the tire (FIG. 5). reference).
[0085]
Although there is no restriction | limiting in particular about the manufacturing method of the tire 4, For example, it can manufacture as follows. That is, first, the rubber composition of the present invention is prepared. In this rubber composition, the foaming agent-containing fibers are oriented in one direction. The rubber composition is affixed onto an unvulcanized base portion that has been affixed in advance to the crown portion of the green tire case. At this time, the orientation direction of the foaming agent-containing fiber is made to coincide with the circumferential direction of the tire. Then, vulcanization molding is performed with a predetermined mold under a predetermined temperature and a predetermined pressure. As a result, the tire 4 having the cap portion 5A formed of the vulcanized rubber of the present invention obtained by vulcanizing the rubber composition of the present invention on the vulcanized base portion 5B is obtained.
[0086]
At this time, when the unvulcanized cap portion is heated in the mold, foaming occurs due to the foaming agent in the foaming agent-containing fiber, and gas is generated. On the other hand, the resin in the foaming agent-containing fiber is melted (or softened), and the viscosity (melting viscosity) is lower than the viscosity (flow viscosity) of the rubber matrix, thereby generating gas generated in the foaming agent-containing fiber. Stays inside the foam-containing fiber that has melted and has a relatively low viscosity. As shown in FIG. 2, the cooled cap portion 5A is a vulcanized rubber having a high foaming ratio in which a large number of elongated bubbles 11 oriented substantially in the circumferential direction of the tire are present. The vulcanized rubber rich in the content of the elongated bubbles 11 is the vulcanized rubber of the present invention.
[0087]
Next, the operation of the tire 4 will be described. The tire 4 is run on an icy and snowy road surface. The surface of the tread 5 of the tire 4 is worn by friction between the tire 4 and the snowy and snowy road surface. Then, as shown in FIG. 6, the groove-like recess 12 due to the long bubble 11 is exposed on the ground contact surface of the cap portion 5 </ b> A of the tread 5. On the other hand, when the tire 4 is caused to travel, a water film is generated between the tire 4 and the icy and snowy road surface due to the contact pressure and frictional heat between the tire 4 and the contact surface. This water film is quickly eliminated and removed by the innumerable concave portions 12 exposed on the ground contact surface of the cap portion 5A of the tread 5. For this reason, the tire 4 is less likely to slip on the icy and snowy road surface.
[0088]
In the tire 4, the groove-shaped recess 12 that is substantially oriented in the circumferential direction of the tire functions as a drainage groove for efficient drainage. Since the recess 12 is provided with a protective layer 13 having excellent peel resistance on the surface (surrounding), the recess 12 is not easily crushed even under high loads, and retains high drain groove shape retention and water drainage performance. 12, the water removal performance to the rear side in the rotation direction of the tire 4 is improved, so that the tire 4 is particularly excellent in ice braking performance. In the tire 4, the on-ice μ in the lateral direction is improved by the scratching effect of the protective layer 13, and the on-ice handling is good.
[0089]
When the foaming agent is contained in the rubber matrix of the rubber composition of the present invention used as a raw material for the tread 5 of the tire 4 in order to adjust the foaming rate, the cap portion of the tread 5 is used. As shown in FIG. 7, 5A also has a spherical bubble 17 in addition to the long bubble 11. When the tire 4 is run, the recesses 18 due to the spherical bubbles 17 are also exposed on the surface in addition to the recesses 12 due to the long bubbles 11. However, with respect to the friction coefficient on ice, it is advantageous to increase the volume ratio of the elongated bubbles 11.
[0090]
The tire of the present invention can be suitably applied not only to so-called passenger cars but also to various vehicles such as trucks and buses.
[0091]
【Example】
Examples of the present invention will be described below, but the present invention is not limited to these examples.
[0092]
(Examples 1-10 and Comparative Examples 1-4)
-Preparation of foaming agent-containing fibers-
In Examples 1 to 10 and Comparative Examples 1 to 3, polyethylene (HDPE, weight average molecular weight = 2.1 × 10 4) with respect to 400 parts by weight of decalin. Five While adding 100 parts by weight of melting point peak temperature (melting point) = 132 ° C. measured at a temperature rising rate of 10 ° C./min and a sample weight of about 5 mg by a DSC manufactured by Dupont, heating decalin to 120 ° C. Stir to a homogeneous solution. A predetermined amount of a foaming agent (particulate, average particle size = 4 μm, azodicarbonamide (ADCA)) shown in Tables 1 and 2 was added to the solution, and stirring was continued for another 20 minutes. Thus, a spinning dope in which the foaming agent was uniformly dispersed was prepared.
[0093]
This spinning dope is extruded from a spinning nozzle with a diameter of 0.3 mm attached to a screw type extruder set at 120 ° C. to form a filament, which is rapidly cooled and solidified in a water bath (wet), and then removed in a methanol bath. Solvent was used and wound up with a winder to produce a foaming agent-containing fiber (made of polyethylene).
[0094]
In Comparative Example 4, with respect to 220 parts by weight of an acetone / benzene mixed solution (weight ratio 60/40), polyvinyl chloride (PVC, DSC manufactured by Dupont) was used. 100 parts by weight of the melting point peak temperature (melting point) = 203 ° C. measured in Step 1 was added and stirred while heating to 90 ° C. to obtain a uniform solution. 50 parts by weight of a foaming agent (particulate, average particle size = 4 μm, azodicarbonamide (ADCA)) was added to the solution, and stirring was further continued for 10 minutes. Thus, a spinning dope in which the foaming agent was uniformly dispersed was prepared.
[0095]
This spinning dope is extruded from a spinning nozzle having a diameter of 0.2 mm attached to an extruder set at 90 ° C. to form a filament, and the solvent is removed by passing through a hot air cylinder set at 150 ° C. The product was wound up by a take-up machine to produce a foaming agent-containing fiber (made of polyvinyl chloride).
[0096]
About each obtained foaming agent containing fiber, the average diameter was measured as follows. The results are shown in Tables 1 and 2.
<Average diameter>
The obtained foaming agent-containing fibers were randomly selected at 20 locations, the diameters thereof were measured using an optical microscope, and the average value was defined as “average diameter”.
[0097]
Next, each rubber composition having the composition shown in Table 1 and Table 2 was produced. A tire tread was formed using each of the obtained rubber compositions, and tires for each test were manufactured according to normal tire manufacturing conditions.
[0098]
This tire is a radial tire for passenger cars, and its tire size is 185 / 70R13, and its structure is as shown in FIG. That is, a radial structure in which a pair of bead portions 1, a carcass 2 connected in a toroidal shape to the pair of bead portions 1, a belt 3 for tightening a crown portion of the carcass 2, and a tread 5 are sequentially arranged. Have
[0099]
In this tire, the cord of the carcass 2 is disposed at an angle of 90 ° with respect to the circumferential direction of the tire, and the number of driving is 50/5 cm. In the tread 5 of the tire 4, as shown in FIG. 4, four blocks 9 are arranged in the tire width direction. As for the size of the block 9, the dimension in the circumferential direction of the tire is 35 mm, and the dimension in the width direction of the tire is 30 mm. The sipe 10 formed in the block 9 has a width of 0.4 mm and a tire circumferential interval of about 7 mm.
Note that the tread 5 of the tire 4 includes long bubbles 11, the longitudinal direction of which is substantially oriented in the circumferential direction (A direction) of the tire, and the periphery thereof is a foaming agent-containing fiber. Is covered with a protective layer 13 made of resin.
[0100]
The maximum vulcanization temperature at the time of vulcanization of each rubber composition was 175 ° C. when measured with a thermocouple embedded in the rubber composition.
Except for Comparative Example 4, the melting point of the resin in the foaming agent-containing fiber was lower than the maximum vulcanization temperature at the time of vulcanization of the tire. For this reason, the viscosity of the resin in the foaming agent-containing fiber was lower than the viscosity of the rubber matrix until the vulcanization temperature of the tire reached the maximum temperature of the tread.
[0101]
In addition, the viscosity (melt viscosity) of the foaming agent-containing fiber at the maximum vulcanization temperature is measured using a cone rheometer (end when the torque of the rubber changes to Max, the torque as the rubber viscosity, The change in the foaming pressure was measured. However, since Comparative Example 4 did not melt at the maximum vulcanization temperature, the viscosity was so high that it could not be measured.
[0102]
The viscosity at the maximum vulcanization temperature (flow viscosity) of the rubber matrix is a corn rheometer model 1-C manufactured by Monsanto Co., and given a constant amplitude input of 100 cycles / min while changing the temperature. Torque was measured, and the minimum torque value at that time was taken as the viscosity (dome pressure 0.59 MPa, holding pressure 0.78 MPa, closing pressure 0.78 MPa, swing angle ± 5 °), and was 11.
[0103]
About the obtained tire for each test, the average diameter of the long bubble, rubber hardness, refining workability, and performance on ice were evaluated. The results are shown in Tables 1 and 2.
[0104]
In addition, the foaming rate about the foamed rubber in the tread 5 was calculated (measured) from the above-described calculation formula. Further, the volume ratio between the long bubble and the spherical bubble was measured as follows. That is, the center block piece is cut out from the tire tread, and the observation surface is cut out with a sharp razor perpendicular to the circumferential direction of the tire and perpendicular to the tread surface. The cut sample is photographed with a scanning electron microscope (SEM) at a magnification of 100 times. In addition, the photo shooting locations are randomly selected. Next, the long bubble and the spherical bubble in this photograph are separated, the area of each is measured, and the area ratio of the long bubble and the spherical bubble within a certain area is calculated. The above measurement was performed 10 times, the average of the area ratio was calculated | required, and the value was made into the volume ratio of a long bubble and a spherical bubble.
[0105]
<Average diameter of long bubbles>
A surface obtained by cutting the vulcanized rubber with a sharp razor in a direction perpendicular to and parallel to the longitudinal direction of the contained foaming agent-containing fiber was used as an observation surface. The observation surface was photographed at a magnification of 100 using a scanning electron microscope (SEM). The state of the bubbles at this time is shown in Table 1. Then, the cross-sectional area of the long bubble is measured from the photograph, and the following formula, average diameter of the long bubble = (cross-sectional area of the long bubble ÷ π) 0.5 From x2, the diameter when the cross-sectional shape perpendicular to the longitudinal direction was assumed to be circular was calculated. This was repeated 10 times, the average value was obtained, and this average value was taken as the average diameter of the elongated bubbles.
[0106]
<Hardness>
Each vulcanized rubber sample in the tread of the obtained tire was measured at room temperature (24 ° C.) in accordance with JIS K6301-1995 using a spring type hardness tester (A type).
[0107]
<Refining workability (before vulcanization)>
Evaluation was made according to the following three-stage criteria of ○, ×, and Δ.
○: Level with no problem.
Δ: A small amount of poor fiber dispersion (lumps with a diameter of less than 5 mm) is observed in part.
×: Multiple fiber masses (lumes with a diameter of 5 mm or more) can be seen
[0108]
<Performance on ice>
The tire is mounted on a domestic 1600 CC class passenger car, and the passenger car is driven on a general asphalt road for 200 km, then on an ice flat road, and the tire is locked by stopping the brake at a speed of 20 km / h. The distance to was measured. The results are shown as an index, with the reciprocal of the distance being 100 for the tire of Comparative Example 1. In addition, it shows that performance on ice is so good that a numerical value is large.
[0109]
[Table 1]
Figure 0003904680
[0110]
[Table 2]
Figure 0003904680
[0111]
In Tables 1 and 2, the numerical value (amount) in the column of the content of blending, “butadiene rubber” means cis-1,4-polybutadiene (manufactured by Nippon Synthetic Rubber Co., Ltd., BR01). “Carbon black” means carbon N220 manufactured by Asahi Carbon Co., Ltd., and “silica” means Nipsil-VN3 manufactured by Nippon Silica Kogyo Co., Ltd. “Anti-aging agent” means Nocrack 6C manufactured by Ouchi Shinsei Chemical Industry Co., Ltd. The upper “vulcanization accelerator” means dibenzothiazyl disulfide, and the lower “vulcanization accelerator” means N-cyclohexyl-2-benzothiazolyl-sulfenamide. “Foaming agent (ADCA)” means azodicarbonamide. “Foaming aid A” means zinc benzenesulfinate (manufactured by Otsuka Chemical Co., Ltd.), and “foaming aid B” means a urea / stearic acid (85:15) blend. “Polyethylene fiber” means a fiber formed of polyethylene alone containing no foaming agent, and has the characteristics described in the “Foaming agent-containing fiber” column of Comparative Example 1. “PE” means polyethylene and “PVC” means polyvinyl chloride. “Long bubble: spherical bubble” means a volume ratio of long bubble to spherical bubble.
[0112]
From the results in Tables 1 and 2, the following is clear. That is,
Compared to the performance on ice of the control tire of Comparative Example 1 that does not use the foam-containing fiber, the level of performance on ice of the tire of the present invention using the foam-containing fiber is improved.
[0113]
Even when the foaming agent-containing fiber is used, if the foaming agent content in the foaming agent-containing fiber is less than 10 parts by weight (Comparative Example 2), the amount of gas generated from the foaming agent is small. In the tread of a tire that is a vulcanized rubber, long bubbles that can function as micro drainage grooves are not formed, but many bubbles in a state where bubbles are dispersed are formed, and the long bubbles in the total foaming are formed. The proportion occupied was low.
[0114]
On the other hand, when the content of the foaming agent contained in the foaming agent-containing fiber exceeds 150 parts by weight (Comparative Example 3), the amount of the foaming agent that is a foreign matter with respect to the resin becomes excessive, and spinning of the foaming agent-containing fiber is performed. Many yarn breaks occurred, and foaming agent-containing fibers could not be produced.
[0115]
On the other hand, in Examples 1-4 where the content of the foaming agent in the foaming agent-containing fiber is in the range of 10 to 150 parts by weight, these problems are not observed, and in the tread of a tire that is a vulcanized rubber The elongated bubbles 11 that can function as micro drainage grooves were formed (see FIGS. 6 and 7).
[0116]
In Examples 1 to 4, an increase in the proportion of long bubbles in the total foaming and an improvement in performance on ice were observed with an increase in the content of the foaming agent. In particular, in Example 4, the ratio of the elongated bubbles in the total foaming could be 100% while maintaining the foaming rate equal to that of the other examples.
[0117]
Further, in Examples 5 to 10 in which the blending amount of the foaming agent-containing fiber with respect to 100 parts by weight of the rubber component was mutually changed while maintaining the foaming rate substantially the same, the blending amount was 1 to 60 parts by weight. Further effects were observed at ~ 8. In addition, in the case where the blending part number of the foaming agent-containing fiber is small, in order to make the polyethylene part equal to or greater than that of the control tire, that is, in order to eliminate the influence of the resin part, the polyethylene single fiber is appropriately added to the rubber composition Blended into
[0118]
Specifically, in the case of Example 9, although the foaming agent content in the foaming agent-containing fiber is high, the blending amount of the foaming agent-containing fiber in the rubber composition is small. As a result, the on-ice performance could not be sufficiently improved.
In the case of Example 10, since the amount of the foaming agent-containing fiber is large, the dispersibility of the foaming agent-containing fiber in the rubber component is not sufficient, the tread hardness is increased, and the performance on ice tends to be rather lowered. It is in. In addition, when the amount of the foaming agent-containing fiber is more than 30 parts by weight, if the amount of the foaming agent in the foaming agent-containing fiber is increased, although not shown in the examples, the foaming rate as a tire becomes extremely high. It is speculated that durability problems will occur.
[0119]
On the other hand, a comparative example using a foaming agent-containing fiber containing polyvinyl chloride (PVC) that has a high melting point and whose viscosity does not become lower than the viscosity of the rubber matrix until the temperature of the rubber composition reaches the maximum vulcanization temperature 4, the foaming agent-containing fibers did not melt and a part of the foaming agent in the foaming agent-containing fibers caused a foaming reaction, but only the fine bubbles were present in the foaming agent-containing fibers. No bubble was formed, the foaming rate was low, and the performance on ice of the tire of Comparative Example 4 was at a level lower than that of the tire of the present invention using the foam-containing fiber.
[0120]
【The invention's effect】
According to the present invention, the conventional problems can be solved. Further, according to the present invention, it is possible to provide a tire that is excellent in the ability to remove a water film formed on the snowy and snowy road surface, has a large coefficient of friction with the snowy and snowy road surface, and has excellent performance on ice. Further, according to the present invention, it is possible to provide a vulcanized rubber that is suitable for a structure that needs to suppress slip on the icy and snowy road surface, for example, a tread of the tire, and that has excellent on-ice performance. Furthermore, according to this invention, the rubber composition which can be used conveniently as a raw material etc. of the said vulcanized rubber can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view for explaining the principle of aligning the orientation of foaming agent-containing fibers.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional explanatory view of a vulcanized rubber of the present invention.
FIG. 3 is a partial cross-sectional schematic explanatory view of a tire of the present invention.
FIG. 4 is a partial schematic explanatory view of a peripheral surface of a tire according to the present invention.
FIG. 5 is a partial cross-sectional schematic explanatory view of a tread of a tire according to the present invention.
FIG. 6 is a partially enlarged schematic explanatory view showing an example of a worn tread of a tire according to the present invention.
FIG. 7 is a partially enlarged schematic explanatory view showing an example of a worn tread of the tire of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Pair of beads
2 Carcass
3 belts
4 tires
5 tread
5A Cap part
5B Base part
6 Vulcanized rubber
6A Vulcanized rubber matrix
7 Circumferential groove
8 Horizontal groove
9 blocks
10 Sipe
11 Long bubble
12 recess
13 Protective layer
14 Fiber containing foaming agent
15 Rubber matrix
16 base
17 Spherical bubbles
18 recess

Claims (8)

天然ゴム及びジエン系合成ゴムから選ばれた少なくとも1種からなるゴム成分を含むゴムマトリックスと、発泡剤含有繊維とを含有してなるゴム組成物であって、該発泡剤含有繊維が、加硫時に該ゴム組成物の温度が加硫最高温度に達するまでの間にその粘度が前記ゴムマトリックスの粘度よりも低くなる樹脂と、該樹脂100重量部に対して10〜150重量部の発泡剤とを含有してなることを特徴とするゴム組成物。A rubber composition comprising a rubber matrix containing at least one rubber component selected from natural rubber and diene-based synthetic rubber, and a foaming agent-containing fiber, wherein the foaming agent-containing fiber is vulcanized A resin whose viscosity is sometimes lower than the viscosity of the rubber matrix until the temperature of the rubber composition reaches the maximum vulcanization temperature, and 10 to 150 parts by weight of a foaming agent with respect to 100 parts by weight of the resin; A rubber composition comprising: 樹脂が結晶性高分子を含んでなり、その融点が高くとも190℃である請求項1に記載のゴム組成物。The rubber composition according to claim 1, wherein the resin comprises a crystalline polymer and has a melting point of 190 ° C at the highest. 結晶性高分子がポリエチレンである請求項2に記載のゴム組成物。The rubber composition according to claim 2, wherein the crystalline polymer is polyethylene. 発泡剤含有繊維中の樹脂の量が、ゴム成分100重量部に対して0.5〜30重量部である請求項1から3のいずれかに記載のゴム組成物。The rubber composition according to any one of claims 1 to 3, wherein the amount of the resin in the foaming agent-containing fiber is 0.5 to 30 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the rubber component. 請求項1から4のいずれかに記載のゴム組成物を加硫して得られ、長尺状気泡を有してなることを特徴とする加硫ゴム。A vulcanized rubber obtained by vulcanizing the rubber composition according to any one of claims 1 to 4 and having elongated bubbles. 発泡率が3〜40%である請求項5に記載の加硫ゴム。The vulcanized rubber according to claim 5, having a foaming ratio of 3 to 40%. 1対のビード部と、該ビード部にトロイド状をなして連なるカーカスと、該カーカスのクラウン部をたが締めするベルト及びトレッドを有してなり、少なくとも前記トレッドが請求項5又は6に記載の加硫ゴムを含んでなることを特徴とするタイヤ。A pair of bead portions, a carcass connected to the bead portion in a toroidal shape, and a belt and a tread for tightening a crown portion of the carcass, at least the tread being defined in claim 5 or 6. A tire comprising the vulcanized rubber. 長尺状気泡がタイヤの周方向に配向された請求項7に記載のタイヤ。The tire according to claim 7, wherein the elongated bubbles are oriented in a circumferential direction of the tire.
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