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JP3998813B2 - 研磨用組成物 - Google Patents

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  • Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メモリーハードディスク、すなわちコンピューターなどに用いられる記憶装置に使用される磁気ディスク用基盤、の製造において、その表面の仕上げ研磨に好適な研磨用組成物に関するものである。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、Ni−Pディスク、Ni−Feディスク、アルミニウムディスク、ボロンカーバイドディスク、およびカーボンディスク等に代表されるメモリーハードディスクに使用されるディスク基盤(以下、「サブストレート」という)の仕上げ研磨において、従来の研磨用組成物に比べて研磨速度が劣ることがなく、微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生を防止することが可能であると同時に、高容量かつ高記録密度の磁気ディスク装置に使用できる優れた加工表面を得ることができる製造技術に適用可能な研磨用組成物に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
コンピューターなどの記憶媒体のひとつである磁気ディスク装置に使用されるメモリーハードディスクは、年々小型化、高容量化の一途をたどっており、磁性媒体は従来の塗布型からスパッタリング法やメッキ法およびその他の方法による薄膜媒体へと移行しつつある。
【0004】
現在、最も広く普及しているサブストレートは、ブランク材に無電解Ni−Pメッキを成膜したものである。ブランク材とは、サブストレートの基材であるアルミニウムおよびその他の基盤を、平行度や平坦度を持たせる目的でダイヤターンによる旋盤加工、SiC研磨材を固めて作られたPVA砥石を用いたラップ加工およびその他の方法により整形したものである。しかし、前記の各種整形方法では比較的大きなうねりは完全には除去できない。そして、このブランク材に成膜される無電解Ni−Pメッキも前記のうねりに沿って成膜されるために、サブストレートにも前記のうねりが残ってしまうことがある。このサブストレートのうねりを除去し、表面を平滑化する目的で研磨が行われている。
【0005】
メモリーハードディスクの高容量化にともない、面記録密度は年に数十%の割合で向上している。従って、記録される一定量の情報が占めるメモリーハードディスク上のスペースはますます狭くなり、記録に必要な磁力は弱くなってきている。このために最近の磁気ディスク装置では、磁気ヘッドとメモリーハードディスクの隙間であるヘッド浮上高を小さくする必要に迫られており、現在では、そのヘッド浮上高は0.02μm以下にまで及んでいる。
【0006】
また、情報の読み書きを行う磁気ヘッドがメモリーハードディスクへ吸着すること、およびサブストレート表面に研磨による、メモリーハードディスクの回転方向とは異なる一定方向の筋目がつくことにより、メモリーハードディスク上の磁界が不均一になること、を防止する目的で、研磨後のサブストレートに同心円状の筋目をつける、いわゆるテクスチャー加工が行われることがある。最近では、ヘッド浮上高をさらに低くする目的で、サブストレート上に施す筋目をより薄くしたライトテクスチャー加工が行われたり、さらにはテクスチャー加工を行わずに筋目をつけないノンテクスチャーのサブストレートも用いられるようになっている。このような、磁気ヘッドの低浮上化をサポートする技術も開発され、ヘッドの低浮上化がますます進んできている。
【0007】
磁気ヘッドは、非常に高速で回転しているメモリーハードディスクの表面の形状に沿って浮上しているが、メモリーハードディスク表面に数μm程度の微小な突起物があった場合、ヘッドが突起物とぶつかってしまう、いわゆる「ヘッドクラッシュ」が発生し、メモリーハードディスクの表面の磁性媒体や磁気ヘッドを損傷させてしまうことがあり、磁気ディスク装置の故障の原因となったり、情報の読み書きの際のエラーの原因となることがある。
【0008】
一方、メモリーハードディスク上にピットが存在した場合、情報が完全に書き込まれず、いわゆる「ビット落ち」と呼ばれる情報の欠落や情報の読み取り不良が発生し、エラー発生の原因となることがある。
【0009】
なお、ここでいう「ピット」とは、サブストレートにもともと存在するへこみであったり、研磨によりサブストレート表面に発生したへこみのことであり、また微細なピットとは、そのうち直径がおおよそ10μm未満のへこみのことである。
【0010】
従って、磁性媒体を形成させる前工程、すなわち研磨加工、においてサブストレート表面の粗さを小さくすることが重要であると同時に、比較的大きなうねり、微小突起やピットおよびその他の表面欠陥を完全に除去する必要がある。
【0011】
前記目的のために、従来は、一般に酸化アルミニウムまたはその他の各種研磨材および水に、各種の研磨促進剤を含む研磨用組成物(以下、その性状から「スラリー」という)を用いて1回の研磨で仕上げられていた。例えば、特公昭証64−436号および特公平2−23589号公報には、水と酸化アルミニウムに、研磨促進剤として硝酸アルミニウム、硝酸ニッケル、または硫酸ニッケルなどを添加し、混合してスラリーとしたメモリーハードディスクの研磨用組成物が開示されている。また、特公平4−38788号公報には、水とアルミナ研磨材微粉に、研磨促進剤としてグルコン酸または乳酸と、表面改質剤としてコロイダルアルミナと、からなる酸性のアルミニウム磁気ディスク用研磨用組成物が開示されている。さらに、特開平7−216345号公報には、水、アルミナ質研磨材、および研磨促進剤からなり、前記研磨促進剤がモリブデン酸塩と有機酸からなることを特徴とする研磨用組成物が開示されている。
【0012】
しかし、前述した研磨用組成物はいずれも、1段階の研磨ではサブストレート表面の比較的大きなうねりや表面欠陥を除去し、かつ一定時間内に表面粗さを非常に小さく仕上げ、さらに微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生を防止することのすべてを満足することは非常に困難であった。このため、2段階以上の研磨プロセスが検討されるようになってきた。
【0013】
2段階で研磨プロセスを行う場合、1段目の研磨は、サブストレート表面の比較的大きなうねり、大きなピット、およびその他の表面欠陥を除去すること、すなわち整形、が主たる目的となる。このため、表面粗さを小さくすることより、むしろ2段目の仕上研磨で除去できないような深いスクラッチの発生が少なく、前記のうねりや表面欠陥に対して加工修正能力の大きい研磨用組成物が要求される。
【0014】
また、2段目の研磨、すなわち仕上研磨、は、サブストレートの表面粗さを非常に小さくすることを目的とする。このため、1段目の研磨で要求されるような大きなうねりや表面欠陥に対して加工修正能力が大きいことよりも、表面粗さを小さくすることが可能であり、微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生を防止できることが重要である。さらには、生産性の観点から研磨速度が大きいことも重要である。本発明者らの知る限り、従来の2段階研磨においては、2段目の研磨において、表面粗さの小さいサブストレート表面を得ることが可能であったが、研磨速度が著しく小さく、実際の生産には不十分なものであったり、微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生を防止することは困難であった。
なお、表面粗さの程度は、サブストレートの製造プロセス、メモリーハードディスクとしての最終的な記録容量およびその他の条件により決定されるが、求められる表面粗さの程度如何によっては、2段階を超える研磨工程が採用されることもある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記の問題点を解決するためのものであり、メモリーハードディスクに使用されるサブストレートの仕上研磨において、従来の研磨用組成物に比べて研磨速度が劣ることなく、微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生を防止できると同時に、高容量かつ高記録密度の磁気ディスク装置に使用できる優れた加工表面を得ることが可能な研磨用組成物を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]
<要旨>
本発明の研磨用組成物は、酸化アルミニウムからなる研磨材および水を含んでなるメモリーハードディスクの研磨用組成物であって、さらにこの組成物中に溶存しているコハク酸を含んでなること、を特徴とするものである。
【0017】
<効果>
本発明の研磨用組成物は、メモリーハードディスクに使用されるサブストレートの仕上げ研磨において、従来の研磨用組成物に比べて研磨速度が劣ることがなく、微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生を防止することが可能であるとともに、優れた加工表面を得ることができる。
【0018】
[発明の具体的説明]
<研磨材>
本発明の研磨用組成物の成分の中で主研磨材として用いるのに適当な研磨材は、酸化アルミニウムより選ばれる。
【0019】
酸化アルミニウムには、α−アルミナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、κ−アルミナ、およびその他の形態的に異なる物がある。また製造法からフュームドアルミナと呼ばれるものもある。
【0026】
本発明の組成物には、これらのものを任意に、必要に応じて組み合わせて、用いることができる。組み合わせる場合には、その組み合わせ方や使用する割合は特に限定されない。
【0027】
上記の研磨材は、砥粒としてメカニカルな作用により被研磨面を研磨するものである。このうち酸化アルミニウムの粒径は、BET法により測定した表面積から求められる平均粒子径で0.01〜0.25μmである。
【0028】
これらの研磨材の平均粒子径がここに示した範囲を超えて大きいと、研磨された表面の表面粗さが大きかったり、スクラッチが発生したりするなどの問題があり、逆に、ここに示した範囲よりも小さいと研磨速度が極端に小さくなってしまい実用的でない。
【0029】
研磨用組成物中の研磨材の含有量は、通常、組成物全量に対して一般に0.1〜50重量%、好ましくは1〜25重量%、である。研磨材の含有量が余りに少ないと、微小突起や微細なピット、およびその他の表面欠陥が発生しやすく、研磨速度も小さくなることがあり、逆に余りに多いと均一分散が保てなくなり、かつ組成物粘度が過大となって取扱いが困難となることがある。
【0030】
<コハク酸またはその塩>
本発明の研磨用組成物は、コハク酸またはその塩を含んでなる。本発明の研磨用組成物において、コハク酸は研磨促進剤として、ケミカルな作用により研磨作用を促進するものである。使用するコハク酸またはその塩は、組成物中に溶存し得るものであれば、任意のものを用いることができる。具体的には、コハク酸、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム、コハク酸アンモニウム、およびその他が挙げられる。
【0031】
本発明の研磨用組成物のコハク酸またはその塩の含有量は、コハク酸またはその塩の種類により異なるが、研磨用組成物の全量に対して、好ましくは0.01〜10重量%、さらに好ましくは0.05〜5重量%、最も好ましくは0.1〜3重量%、である。コハク酸またはその塩の添加量を増量することで、研磨速度が大きくなり、微小ピットの発生が減少する傾向があるが、過度に多く添加しても本発明の効果がより強く発現することは少なく、経済的なデメリットが生じることもある。逆にあまりに少ないと、微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生を十分に防止することが困難となり、十分な研磨速度が得られないこともあり得る。
【0032】
<アルミナゾル>
本発明の研磨材は、さらにアルミナゾルを含んでなることもできる。本発明でいうアルミナゾルとは、水和アルミナまたは水酸化アルミニウムを酸性水溶液中にコロイド状に分散させたものである。水和アルミナには、ベーマイト、擬ベーマイト、ダイアスポア、ジブサイト、バイヤライト、およびその他がある。本発明の組成物に用いるアルミナゾルは、特にベーマイトまたは擬ベーマイトを酸性水溶液中に分散させたものが好ましい。
【0033】
本発明の研磨用組成物中のアルミナゾルの含有量は、アルミナゾルに含まれる固形分の重量を基準として、組成物全量に対して、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.05〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%、である。アルミナゾルの添加量を増量することで、微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生が減少する傾向があるが、過度に多く添加しても本発明の効果がさらに強く発現するとは限らず、経済的なデメリットとなり得るので注意が必要である。
【0034】
<研磨用組成物>
本発明の研磨用組成物は、一般に上記の各成分、すなわち酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、窒化ケイ素、および二酸化マンガンからなる群より選ばれる研磨材を所望の含有率で水に混合し、分散させ、コハク酸またはその塩をさらに溶解させることにより調製する。必要に応じて、このスラリーにアルミナゾルをさらに混合し、分散させる。これらの成分を水中に分散または溶解させる方法は任意であり、例えば、翼式撹拌機で撹拌したり、超音波分散により分散させる。また、これらの混合順序は任意であり、研磨材の分散とコハク酸またはその塩の溶解、アルミナゾルを用いる場合にはその混合および分散、のいずれを先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。
【0035】
また、上記の研磨用組成物の調製に際しては、製品の品質保持や安定化を図る目的や、被加工物の種類、加工条件およびその他の研磨加工上の必要に応じて、各種の公知の添加剤をさらに加えてもよい。
【0036】
すなわち、さらなる添加剤の好適な例としては、下記のものが挙げられる。
(イ)セルロース類、例えばセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびその他、
(ロ)水溶性アルコール類、例えばエタノール、プロパノール、エチレングリコール、およびその他、
(ハ)界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホン酸ソーダ、ナフタリンスルホン酸のホルマリン縮合物、およびその他、
(ニ)有機ポリアニオン系物質、例えばリグニンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩、およびその他、
(ホ)水溶性高分子(乳化剤)類、例えばポリビニルアルコール、およびその他、
(ヘ)キレート剤、例えばジメチルグリオキシム、ジチゾン、オキシン、アセチルアセトン、グリシン、EDTA、NTA、およびその他、
ならびに
(ト)殺菌剤、例えばアルギン酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、およびその他。
【0037】
また、本発明の研磨用組成物に用いるのに適当である、前記研磨材、コハク酸またはその塩、および必要に応じてアルミナゾル、を、前記した用途以外の目的で、例えば研磨材の沈降防止のために、補助添加剤として用いることも可能である。
【0038】
また、本発明の研磨用組成物は、比較的高濃度の原液として調製して貯蔵または輸送などをし、実際の研磨加工時に希釈して使用することもできる。前述の好ましい濃度範囲は、実際の研磨加工時のものとして記載したのであり、使用時に希釈する使用方法をとる場合、貯蔵または輸送などをされる状態においてはより高濃度の溶液となることは言うまでもない。さらには、取り扱い性の観点から、そのような濃縮された形態で製造されることが好ましい。
【0039】
なお、特公平4−38788号公報には、水、平均粒子径0.5〜15μmの酸化アルミニウム、およびアルミナゾルからなる研磨用組成物にコハク酸を添加しても、研磨加工における微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生を防止することはできないと記載されている。この記載に対して、本発明の研磨用組成物が表面欠陥の発生を防止できることは驚くべきことである。その詳細な機構は不明であるが、Ni−Pメッキしたサブストレートを例に挙げると以下のように推察される。
【0040】
まず、微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生を防止することができる理由に関して、コハク酸またはその塩は研磨材の有するメカニカルな研磨効果を促進する作用を有しており、大きな研磨材粒子に対しては十分ではないが、比較的小さな粒子に対しては効果的に作用するためと考えられる。この作用はアルミナゾルを添加することでより一層強く発現する傾向にある。これは、アルミナゾルが組成物中で研磨材表面に付着したり、組成物中の研磨材粒子間にコロイド状に分散し、良好な研磨材の分散状態を作り出す作用を有するためで、比較的小さな研磨材に対して特に効果的に作用するためと考えられる。
一方、表面粗さが小さく、優れた研磨面を得ることができる理由に関しては、平均粒子径が比較的小さな研磨材を使用していること、ならびに、前述のとおり、コハク酸またはその塩の効果によって、微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥が発生しにくく、無傷かつ平滑な被研磨面が得られるためと考えられる。
【0041】
また、本発明の研磨用組成物がアルミナゾルを含んでなる場合、アルミナゾルは組成物中の研磨材粒子の表面に付着し、研磨材の有するメカニカルな研磨作用を促進することで、被研磨面の微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥を防止するものと推定される。さらに、組成物中の研磨材粒子間にコロイド状に分散して研磨材が硬く沈澱するのを防止する作用や、組成物粘度を調整したり、パッドに研磨材粒子を保持しやすくする作用もある。
【0042】
以下は、本発明の研磨用組成物を例を用いて具体的に説明するものである。
なお、本発明は、その要旨を超えない限り、以下に説明する諸例の構成に限定されるものではない。
【0043】
【発明の実施の形態】
<研磨用組成物の調製>
まず、研磨材として、表1に記載した酸化アルミニウムを撹拌機を用いてそれぞれ水に分散させて、研磨材濃度10重量%のスラリーを調製した。一方、コハク酸1重量%水溶液に、ベーマイトアルミナ水和物10重量%を添加し、ホモミキサーを使用してコロイド状に分散させたアルミナゾルを調製した。
このスラリーを水と混合し、必要に応じてアルミナゾルまたはその他の添加剤を添加して、実施例1〜4および比較例1〜3の試料を調製した。
【0044】
<研磨試験用サブストレートの作成>
前記の研磨用組成物を用いて、研磨試験を行うためのサブストレートを作成した。2段研磨による評価をするために、まず、下記のようにして試験用のサブストレートを作成した。
研磨条件(1段目)
被加工物 3.5インチ 無電解Ni−Pサブストレート
加工枚数 10枚
研磨機 両面研磨機(定盤径640mm)
研磨パッド Politex DG(Rodel社(米国)製)
加工圧力 80g/cm2
定盤回転数 60rpm
研磨用組成物 DISKLITE−3471
((株)フジミインコーポレーテッド製)
組成物希釈率 1:2純水
研磨用組成物供給量 100cc/分
研磨時間 5分
【0045】
<研磨試験>
次に、上記の研磨用組成物で1段研磨済のサブストレートを用いて研磨試験を行った。条件は下記の通りであった。
研磨条件(2段目)
被加工物 3.5インチ 無電解Ni−Pサブストレート
(1段研磨済)
加工枚数 15枚
研磨機 両面研磨機(定盤径700mm)
研磨パッド Polilex DG(Rodel社(米国)製)
加工圧力 60g/cm2
定盤回転数 60rpm
研磨用組成物供給量 15cc/分
研磨時間 5分
【0046】
研磨後、サブストレートを順次洗浄、乾燥した後、研磨によるサブストレートの重量減を測定し、その平均から研磨速度を求めた。
【0047】
また、微分干渉顕微鏡(400倍)を用いて、サブストレート表面を観察し、微小突起または微細なピットの発生の有無を測定した。その評価基準は下記の通りである。
◎:微小突起または微細なピットは目視確認されない。
○:微小突起または微細なピットはほとんど目視確認されない。
×:微小突起または微細なピットはかなり目視確認され、問題となるレベルである。
得られた結果は、表1に示すとおりであった。
【0048】
Figure 0003998813
【0049】
表1に示した結果より、本発明の研磨用組成物を基盤の表面研磨に用いたとき、従来の研磨用組成物に比べて、研磨速度が劣ることがなく、微小突起、微細なピットの発生が少なく、優れた被研磨面を与えることがわかる。
【0050】
【発明の効果】
本発明の研磨用組成物は、メモリーハードディスクに使用されるサブストレートの仕上げ研磨において、従来の研磨用組成物に比べて研磨速度が劣ることがなく、微小突起、微細なピット、およびその他の表面欠陥の発生を防止することが可能であるとともに、優れた加工表面を得ることができること、は[発明の概要]の項に前記したとおりである。

Claims (5)

  1. BET法により測定した表面積から求められる平均粒子径が0.01〜0.25μmである酸化アルミニウムからなる研磨材および水を含んでなるメモリーハードディスクの研磨用組成物であって、さらにこの組成物中に溶存しているコハク酸を含んでなり、前記コハク酸の含有量が、研磨用組成物の重量を基準にして0.01〜10重量%であることを特徴とする、メモリーハードディスクの研磨用組成物。
  2. アルミナゾルをさらに含んでなる、請求項1に記載の研磨用組成物。
  3. 研磨材の含有量が、研磨用組成物の重量を基準にして0.1〜50重量%である、請求項1または2に記載の研磨用組成物。
  4. アミルナゾルの含有量が、研磨用組成物の重量を基準にして0.01〜20重量%である、請求項2または3に記載の研磨用組成物。
  5. アルミナゾルが、ベーマイトまたは擬ベーマイトを酸性水溶液中に分散させたものである、請求項2〜4のいずれか1項に記載の研磨用組成物。
JP16675698A 1998-06-15 1998-06-15 研磨用組成物 Expired - Lifetime JP3998813B2 (ja)

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