JP3993729B2 - 耐食性、塗装性、耐指紋性及び加工性に優れた金属板材料及びその製造方法 - Google Patents
耐食性、塗装性、耐指紋性及び加工性に優れた金属板材料及びその製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた耐食性、塗装性、耐指紋性及び加工性を有する家電、建材製品等に使用される金属板材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に鋼鈑、アルミニウムメッキ鋼鈑、亜鉛含有めっき鋼鈑やアルミニウム板等の金属板材料は自動車、建材並びに家電関係の広い分野に使用されている。しかし、亜鉛やアルミニウムは、大気中で腐食して腐食生成物(いわゆる白錆)を生成させ、これが金属材料の外観を低下させ塗装性にも悪影響をおよぼし、更に需要家で種々の工程を経て製品を製造する際に作業者の扱いにより指紋などの汚れが付着しやすく商品価値を著しく低下させる恐れがあるという欠点や、プレス等の加工を行う際に油等を潤滑剤として使用して成形後油を除去して使用している。
【0003】
そこで上記金属材料表面の耐食性、塗装性、指紋性及び加工性を改善するために、金属材料の表面にクロム酸、重クロム酸またはその塩類を主体にした処理液を用いたクロメート処理を施した後その上層にコロイダルシリカとワックス等を含有したカルボキシル基を有するポリオレフィン系樹脂、又は油等による加工性付与ではなくワックス等の潤滑成分を樹脂中に含有させた被覆剤で被覆がなされて金属板材料がプレス成形等の用途に使用されている。
【0004】
しかしながら、近年、環境保全に対する意識の高まりにより、金属材料表面を処理するのに使用されるクロメート処理液中の6価クロムは人体に直接的な悪影響をおよぼすためにクロメート処理は敬遠されがちである。また、6価クロムを含む排水は水質汚濁防止法に規定されている特別な処理を行う必要があり、これが全体としてかなりのコストアップにつながる。また、クロメート処理を施した金属材料は、クロム含有の産業廃棄物となりリサイクルができないという大きな欠点があり、社会的に大きな問題になっている。
【0005】
一方、クロメート以外の表面処理方法としては、多価フェノールカルボン酸を含有するタンニン酸を用いた表面処理剤が良く知られている。タンニン酸の水溶液によって金属材料を処理すると、タンニン酸と金属材料との反応によって形成される保護皮膜が、腐食物質の浸入に対しバリアーとなるので、前記金属材料の耐食性が向上すると考えられている。
【0006】
ところが、近年、製品の高品質化に伴い、皮膜自体の高耐食性が要求されており、そのため、タンニン酸単独、若しくは無機成分を併用した皮膜では耐食性が不十分で、現状における実用化は不可能である。
【0007】
そこで、金属材料の耐食性を向上させる処理方法として、特開昭53−121034号公報に、水分散性シリカとアルキド樹脂とトリアルコキシシラン化合物からなる水溶液を金属表面に塗布する方法が開示されている。
【0008】
また、ヒドロキシピロン化合物誘導体からなる水溶性樹脂を使用して、金属材料に耐食性を付与することを目的とした表面処理方法およびヒドロキシスチレン化合物の水溶性又は水分散性重合体を用いて金属材料に耐食性を付与する方法が特公昭57−44751号公報、および特開平1−177380号公報等に開示されている。
【0009】
しかしながら、上記の何れの方法も、金属材料表面にクロメート皮膜に代替できるような優れた耐食性を付与し得る皮膜を形成できるものではなく、現実問題として前記問題点は何ら解決されていないのである。従って、現状では耐食性に優れた金属材料用のノンクロム系の表面処理剤および表面処理方法は得られていないのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの従来技術の抱える前記問題点を解決するためのものであり、耐食性、塗装性、耐指紋性及び加工性に優れたノンクロム系表面処理金属材料を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来技術の抱える上記問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、金属板材料表面にシランカップリング剤成分と、特定の化学構造を有する重合体成分と、ワックス成分からなる組成物で被覆することにより耐食性、塗装性、耐指紋性及び加工性に優れた金属板材料、及びその製造方法を見出し本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、金属材料表面に下記成分:
(A)活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基およびメタクリロキシ基から選ばれた少なくとも1個の反応性官能基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤成分、
(B)下記一般式(1)により表される1種以上の重合体2〜50の平均重合度で含む1種以上の重合体成分:
【化7】
[但し、式中、ベンゼン環に結合しているXは、水素原子、ヒドロキシル基、C1〜C5のアルキル基、C1〜C5のヒドロキシアルキル基、C6〜C12のアリール基、ベンジル基、ベンザル基、前記ベンゼン環に縮合して、ナフタレン環を形成する不飽和ハイドロカーボングループ又は下記式(2)の基:]
【化8】
を表し、式(2)中のR1およびR2は、それぞれ互いに水素原子、ヒドロキシル基、C1〜C5のアルキル基、又はC1〜C10のヒドロキシアルキル基を表し、式(1)および(2)において、ベンゼン環に結合しているY1およびY2は、それぞれ互いに独立に水素原子、または下記式(3)、(4)により表されるZ基:
【化9】
を表し、前記式(3)および(4)の中のR3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ互いに独立に水素原子、C1〜C10アルキル基又はC1〜C10のヒドロキシアルキル基を表し、前記重合体分子中の各ベンゼン環に結合しているX、Y1およびY2のそれぞれは、他のベンゼン環に結合しているX、Y1およびY2のそれぞれと同一であってもよく又は互いに異なってもよく、前記重合体分子中の各ベンゼン環における前記Z基の置換数の平均値は0.2〜1.0である。]および
(C)ワックス成分とからなる被覆組成物で被覆したことを特徴とする耐食性、塗装性、耐指紋性および加工性に優れた金属板材料を提供する。
【0013】
前記シランカップリング剤成分(A)の重合体成分(B)に対する重量比(A)/(B)は、1/10〜10/1であることが好ましい。
【0014】
前記シランカップリング剤成分(A)は、(a)1個以上の活性水素含有アミノ基を有する1種以上のシランカップリング化合物から成るシランカップリング剤と、(b)1個以上のエポキシ基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤とを含むことが好ましい。
【0015】
前記シランカップリング剤(a)に含まれる活性水素含有アミノ基の、前記シランカップリング剤(b)に含まれるエポキシ基に対する当量比が、3:1〜1:3であることが好ましい。
【0016】
前記シランカップリング剤(a)と前記シランカップリング剤(b)との合計量の、前記重合体成分(B)に対する重量比[(a)+(b)]/(B)が1:5〜5:1であることが好ましい。
【0017】
前記ワックス成分(C)は該シランカップリング剤成分(A)と該重合体成分(B)の合計重量に対する重量比(C)/[(A)+(B)]が1/100〜2/1であることが好ましい。
【0018】
前記ワックスは融点が40〜120℃であることが好ましい。
【0019】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の金属板材料においては用いられる被覆組成物としては、特定の反応性官能基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤成分(A)と、特殊アミノ基を含む1種以上のフェノール樹脂系重合体から成る重合成分(B)と、ワックス成分(C)である。
【0020】
本発明に用いられるシランカップリング剤成分(A)に含まれるシランカップリング化合物は、1分子中に反応性官能基として活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基およびメタクリロキシ基から選ばれた少なくとも1個を含むものであれば、特に構造は限定されないが、具体的に例を挙げれば、以下の▲1▼〜▲5▼のような組成のものを使用することができる。
▲1▼アミノ基を有するもの
N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン
▲2▼エポキシ基を有するもの
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン
▲3▼ビニル基を有するもの
ビニルトリエトキシシラン
▲4▼メルカプト基を有するもの
3−メルカプトプロビルトリメトキシシラン
▲5▼メタクリロキシ基を有するもの
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
【0021】
本発明に用いられるシランカップリング剤成分(A)は、1個以上の活性水素含有アミノ基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤(a)と、1個以上のエポキシ基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤(b)からなるものであることが好ましい。
【0022】
また、本発明に用いられるシランカップリング剤成分(A)が活性水素含有アミノ基を有するシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤(a)と、エポキシ基含有シランカップリング剤(b)からなる場合、シランカップリング剤中の含まれる活性水素含有アミノ基の、エポキシ基に対する当量比は、3:1〜1:3の範囲であることが好ましい。この活性水素含有アミノ基のエポキシ基に対する当量比が3:1を超えると、被覆組成物の成膜性が悪く得られる金属板材料の耐食性、塗装性や加工性が不十分になる。またそれが1:3未満の場合、被覆された金属板材料の耐食性、塗装性、耐指紋や加工性が飽和してしまうことがある。
【0023】
次に本発明に用いられる重合体成分(B)は、前記式(1)で示される重合単位を含むオリゴマー又はポリマーであり、式(1)の重合単位の平均重合度(以下nで表す)は2〜50である。
【0024】
式(1)において、ベンゼン環に結合しているXは、ヒドロキシル基、C1〜5のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル基等、C1〜5のヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル基等、C6〜12のアリール基、例えばフェニル、ナフチル基等、ベンジル基、ベンザル基、前記ベンゼン環に縮合してナフタレン環を形成する不飽和ハイドロカーボングループ、すなわち−CH=CH−CH=CH−、又は=CH−CH=CH−CH=基、又は前記式(2)の基を表すものである。
【0025】
式(2)中のR1およびR2は、それぞれ互いに独立に、水素原子、ヒドロキシル基、C1〜C10のアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル基等、C1〜C10のヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
【0026】
式(1)および(2)において、ベンゼン環に結合しているY1およびY2は、それぞれ互いに独立に、水素原子、又は式(3)または(4)により表されるZ基を有する。また、式(3)および(4)の中のR3、R4、R5、R6およびR7は、それぞれ互いに独立にC1〜C10アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル基等、C1〜C5のヒドロキシアルキル基、例えばヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル基等を表すものである。
【0027】
前記重合体分子中の各ベンゼン環に結合している式(1)中のX、Y1および式(2)中のY2のそれぞれは、他のベンゼン環に結合しているX、Y1およびY2のそれぞれと同一であってもよく又は互いに異なってもよい。また、前記重合体分子中の各ベンゼン環における前記Z基の置換数の平均値は、0.2〜1.0である。
【0028】
Z基の置換数の平均値とは、重合体分子中の全ベンゼン環において、それぞれに導入されているZ基の数の平均値である。例えば、式(1)において、n=10であって、且つXが式(2)のベンゼン環含有基である場合、この重合体の1分子当りのベンゼン環数は20であり、この重合体1分子当り10個のベンゼン環に各1個あてのZ基が導入されている場合、この重合体分子のZ基置換数平均値は、[(1×10)+(0×10)]/20=0.5となる。
【0029】
このZ基置換数の平均値が0.2未満であると、得られる重合体の金属材料への密着性が不十分となり塗装性が悪くなる。またそれが、1.0を超えると得られる重合体の親水性が大きくなり、得られる金属板材料の耐食性が不十分となる。
【0030】
式(3)および式(4)により表されるZ基中のR3〜R7の各々は、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のヒドロキシアルキル基を表す。これらの炭素数が11以上になると、形成される被覆組成物の成膜性が低下するため、耐食性、塗装性、耐指紋性や加工性が不十分になる。
【0031】
本発明に用いられるワックス成分(C)は特に限定するものではないが、融点として40〜120℃の範囲が好ましい。この範囲外の融点を有するワックス成分を用いると得られる金属板材料の加工性が不十分である。
【0032】
本発明における金属板材料表面の被覆重量として0.01〜3.0g/m2が好ましい。この被覆重量が0.01g/m2未満の場合、得られる金属板材料の耐食性、耐指紋性、加工性が不十分になる。また、それが3.0g/m2を超えると塗装性、特に密着性が劣化する。
【0033】
本発明の製造方法で用いる被覆組成物中において、前記シランカップリング剤成分(A)と前記水溶性重合体成分(B)に対する重量比(A)/(B)は、1:10〜10:1であることが好ましく、より好ましくは1:1〜5:1である。この重量比が1:10未満の場合、すなわちシランカップリング剤成分(A)の比率が低いと、基体表面との接着力が低下するため、耐食性、塗装性は不十分になる。またそれが10:1を超えると、すなわちシランカップリング剤成分(A)比率が高い場合、被覆組成物の成膜性が低下するため、得られる金属板材料の耐食性、塗装性が不十分となる。
【0034】
本発明の製造方法で用いる被覆組成物中において、前記ワックス成分(C)の含有率については特に限定するものではないが、好ましくはシランカップリング剤成分(A)と重合体成分(B)の合計重量に対し(C)/[(A)+(B)]として重量比で1/100〜2/1の範囲が好ましい。ワックス成分(C)が1/100未満では耐指紋性、加工性が不十分であり、2/1超では被覆組成物の成膜性が低下するため、得られる金属板材料の耐食性、塗装性が不十分となる。
【0035】
次に本発明の金属板材料の製造方法について説明する。本発明の製造方法においては、被覆組成物を含み、pHが2.0〜6.5の範囲に調整され水性組成物を、金属板材料表面に塗布し、それを乾燥して乾燥後の被覆重量が0.01〜3.0g/m2、好ましくは0.05〜1.5g/m2になるようにする。このとき水性組成物を塗布した金属板材料は加熱乾燥することが好ましい。
【0036】
また本発明の製造方法において、水性組成物は前記被覆組成物を水性媒体、例えば、水で希釈して、又は希釈せずに調整されるが、このとき、そのpH値は、例えばリン酸、硫酸、塩酸、硝酸、フッ化水素酸、錯
フッ化物および有機酸を用いて2.0〜6.5の範囲に調整される。
【0037】
本発明の製造方法に用いられる水性組成物のpH値の調整に、リン酸、酸性リン酸塩、フッ化物、錯フッ化物を用いることが好ましい。より好ましいpH値は3.0〜5.0である。pHが2.0未満では、得られる水性組成物中の被覆組成物と基体表面との反応性が過度に高くなるので、被覆不良が発生してしまい、得られる金属板材料の耐食性、塗装性、耐指紋性、加工性が不十分になる。またpHが6.5を超えると水溶性重合体成分(B)自体が水性組成物中から沈殿析出し易くなるため水性組成物の寿命が短くなる。
【0038】
また、本水性組成物を用いて、金属材料の表面を被覆する方法も特に限定されるものではなく、例えば浸漬方法、スプレー方法、およびロールコート法等を適応し塗布することができる。更に塗布された金属材料を加熱乾燥することが好ましい。加熱温度としては金属板材料の到達温度として50〜180℃が好ましい。
【0039】
なお、本発明の製造方法で用いる水性組成物と金属材料とを接触させた際に、金属材料より溶出混入した金属イオンと、水溶性重合体成分(B)とが錯体を形成し、沈殿を生じる場合がある。このような場合には表面処理剤組成物中に金属封鎖剤を添加してもよい。金属封鎖剤としてはEDTA、Cy−DTA、トリエタノールアミン、グルコン酸、ヘプトグルコン酸、蓚酸、酒石酸、リンゴ酸および有機ホスホン酸等が有効である。
【0040】
また、本発明の製造方法に用いられる水性組成物中には、塗布性を向上するための界面活性剤を配合してもよい。界面活性剤としては市販のカルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸塩エステル塩型等のアニオン性界面活性剤、ポリエチレングリコール型非イオン界面活性剤、多価アルコール型非イオン界面活性剤、アミン系カチオン界面活性剤等が挙げられる。
【0041】
本発明に用いられる金属材料には、鋼板、亜鉛系めっき鋼板、アルミニウム系めっき鋼板、アルミニウム合金板、ステンレス鋼板、銅板等から選ぶことができる。
【0042】
本発明の製造方法で用いられる水性組成物で被覆された金属板材料の耐食性、塗装性、耐指紋性、加工性が良好となる作用効果についてはいまだ不明確な点が多々あるが、本発明者らは以下の様に考える。水性組成物中の酸成分により、金属表面のエッチングが起きる。これによって、界面のpHが上昇し、溶出してきた金属イオンと水溶性重合体成分との反応により、難溶性の皮膜が界面に形成される。この難溶性の皮膜がバリア効果を発揮するので、耐食性が向上するものと考えられる。ただし、このままでは金属材料と被覆との密着性が低いため、シランカップリング剤成分を併用することで、加水分解を受けたシランカップリング剤中の官能基(−OR基)が金属材料表面とオキサン結合をつくり、更にシランカップリング剤中のもう一方の反応性官能基が水溶性重合体成分と反応するため、金属材料と水溶性重合体成分と塗装との密着性を向上させるものと推定される。また、同時に含有するワックス成分が耐指紋性と加工性を向上させているものと推測される。
【0043】
【実施例】
下記の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0044】
1.供試材
板厚0.6mm 溶融亜鉛めっき鋼板(GI材)
板厚0.6mm 電気亜鉛めっき鋼板(EG材)
板厚0.8mm 5%アルミニウム含有亜鉛めっき鋼板(GF)
板厚0.8mm 55%アルミニウム含有亜鉛めっき鋼板(GL)
板厚0.6mm アルミニウム合金板(AL)JIS A5052
【0045】
2.鋼板の清浄方法
上記金属材料の表面を中アルカリ脱脂剤(登録商標:ファインクリーナー4336、日本パーカライジング(株)製)薬剤濃度:20g/リットルを用いて、処理温度:60℃、処理時間:20秒の条件でスプレー処理し、表面に付着しているゴミや油を除去した。ついで表面に残存しているアルカリ分を水道水により洗浄し、供試材の表面を清浄化した。
【0046】
3.水性組成物例
〔水性組成物A〕
シランカップリング剤成分(A)として3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、水溶性重合体成分(B)としてn=5、X=水素、Y1=Z=−CH2N(CH3)2、Z基置換数平均値=1、(A):(B)=1:8になるように調整した。更にH2SiF6でpHが3.0になるように調整し、ワックス成分(C)として融点=82℃であるカルナバワックスのディスパージョンを(C):[(A)+(B)]=1:5となるように混合し、脱イオン水にて希釈し、固形分として10重量%とした。
【0047】
〔水性組成物B〕
シランカップリング剤成分(A)としてN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと、水溶性重合体成分(B)としてn=5、X=−CH2−C6H4−OH、Y1=Z=−CH2N(CH3)2、Z基置換数平均値=0.50、(A):(B)=5:1になるように調整した。更にHFでpHが4.0になるように調整し、ワックス成分(C)として融点=104℃である酸化ポリエチレンワックスのディスパージョンを(C):[(A)+(B)]=1:100となるように混合し、脱イオン水にて希釈し、固形分として10重量%とした。
【0048】
〔水性組成物C〕
シランカップリング剤成分(A)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン+3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(アミノ基中の活性水素:エポキシ基の当量比=1:2)と、水溶性重合体成分(B)としてn=5、X=−CH2−C6H4−OH、Y1=Z=−CH2N(CH3)2、Z基置換数平均値=0.75、(A):(B)=1:1になるように調整した。更にH2TiF6でpHが4.0になるように調整し、ワックス成分(C)として融点=79℃であるモンタンワックスのディスパージョンを(C):[(A)+(B)]=2:1となるように混合し、脱イオン水にて希釈し、固形分として10重量%とした。
【0049】
〔水性組成物D〕
シランカップリング剤成分(A)としてN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン+3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(アミノ基中の活性水素:エポキシ基の当量比=1:2)と、水溶性重合体成分(B)としてn=5、X=−CH2−C6H4−OH、Y1=Z=−CH2N(CH3)2、Z基置換数平均値=0.75、(A):(B)=1:1になるように調整した。更にリン酸でpHが3.0になるように調整し、ワックス成分(C)として融点=40℃であるパラフィンワックスのディスパージョンを(C):[(A)+(B)]=1:1となるように混合し、脱イオン水にて希釈し、固形分として10重量%とした。
【0050】
〔水性組成物E〕
シランカップリング剤成分(A)としてN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン+3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(アミノ基中の活性水素:エポキシ基の当量比=1:1)と、水溶性重合体成分(B)としてn=5、X=水素、Y1=Z=−CH2N(CH3)2、Z基置換数平均値=0.3、(A):(B)=1:1になるように調整した。更にH2TiF6でpHが4.0になるように調整した後、ワックス成分(C)として融点=120℃であるポリエチレンワックスのディスパージョンを(C):[(A)+(B)]=1:50となるように混合し、脱イオン水にて希釈し、固形分として10重量%とした。
【0051】
〔水性組成物F〕
シランカップリング剤成分(A)としてN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランと、水溶性重合体成分(B)としてn=5、X=−CH2−C6H4−OH、Y1=Z=−CH2N(CH3)2、Z基置換数平均値=0.50、(A):(B)=5:1になるように調整した。更にHFでpHが4.0になるように調整し、ワックス成分(C)として融点=34℃であるラノリンのディスパージョンを(C):[(A)+(B)]=1:20となるように混合し、脱イオン水にて希釈し、固形分として10重量%とした。
【0052】
〔水性組成物G〕
シランカップリング剤成分(A)として3−アミノプロピルトリエトキシシラン+3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(アミノ基中の活性水素:エポキシ基の当量比=1:2)と、水溶性重合体成分(B)としてn=5、X=−CH2−C6H4−OH、Y1=Z=−CH2N(CH3)2、Z基置換数平均値=0.75、(A):(B)=1:1になるように調整した。更にH2TiF6でpHが4.0になるように調整し、脱イオン水にて希釈し、固形分として10重量%とした。
【0053】
〔水性組成物H〕
シランカップリング剤成分(A)としてN−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン+3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン(アミノ基中の活性水素:エポキシ基の当量比=1:2)と、水溶性重合体成分(B)としてn=5、X=−CH2−C6H4−OH、Y1=Z=−CH2N(CH3)2、Z基置換数平均値=0.75、(A):(B)=1:1になるように調整した。更にリン酸でpHが3.0になるように調整し、ワックス成分(C)として融点=120℃であるポリエチレンワックスのディスパージョンを(C):[(A)+(B)]=3:1となるように混合し、脱イオン水にて希釈し、固形分として10重量%とした。
【0054】
実施例1
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした溶融亜鉛めっき鋼板(GI)に水性組成物Aをロールコート法にて被覆、被覆重量として1.0g/m2になるように塗布し、到達板温度80℃で乾燥を行った。
【0055】
実施例2
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にしたアルミニウム板(AL)に水性組成物Bをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として0.01g/m2になるように塗布し、到達板温度150℃になるように乾燥を行った。
【0056】
実施例3
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした溶融亜鉛めっき鋼板(GI)に水性組成物Bをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として0.6g/m2になるように塗布し、到達板温度100℃になるように乾燥を行った。
【0057】
実施例4
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした電気亜鉛めっき鋼板(EG)に水性組成物Cをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として1.5g/m2になるように塗布し、到達板温度180℃になるように乾燥を行った。
【0058】
実施例5
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした電気亜鉛めっき鋼板(EG)に水性組成物Dをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として3.0g/m2になるように塗布し、到達板温度80℃になるように乾燥を行った。
【0059】
実施例6
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした溶融亜鉛めっき鋼板(GI)に水性組成物Eをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として0.06g/m2になるように塗布し、到達板温度80℃になるように乾燥を行った。
【0060】
実施例7
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした溶融亜鉛めっき鋼板(GI)に水性組成物Eをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として2.5g/m2になるように塗布し、到達板温度80℃になるように乾燥を行った。
【0061】
実施例8
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした5%アルミニウム含有亜鉛めっき鋼板(GF)に水性組成物Aをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として0.5g/m2になるように塗布し、到達板温度80℃になるように乾燥を行った。
【0062】
実施例9
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした55%アルミニウム含有亜鉛めっき鋼板(GL)に水性組成物Aをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として1.5g/m2になるように塗布し、到達板温度60℃になるように乾燥を行った。
【0063】
比較例1
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした溶融亜鉛めっき鋼板(GI)に水性組成物Cをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として0.006g/m2になるように塗布し、到達板温度80℃になるように乾燥を行った。
【0064】
比較例2
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした電気亜鉛めっき鋼板(EG)に水性組成物Aをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として4.0g/m2になるように塗布し、到達板温度80℃になるように乾燥を行った。
【0065】
比較例3
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にしたアルミニウム合金板(AL)に水性組成物Fをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として1.5g/m2になるように塗布し、到達板温度180℃になるように乾燥を行った。
【0066】
比較例4
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした電気亜鉛めっき鋼板(EG)に水性組成物Gをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として2.0g/m2になるように塗布し、到達板温度180℃になるように乾燥を行った。
【0067】
比較例5
予め(前項2.)に記載した方法で清浄にした溶融亜鉛めっき鋼板(GI)に水性組成物Hをロールコート法にて、乾燥、被覆重量として1.0g/m2になるように塗布し、到達板温度80℃になるように乾燥を行った。
【0068】
3.評価試験方法
以下に示す評価方法にて評価した。その結果を表1に示す。
【0069】
3.1.耐食性試験
供試金属板材料について、JIS−Z2371に規定された塩水噴霧試験を240時間実施した。耐白錆性を目視にて測定し、評価した。評価基準は、以下の通りである。
◎:白錆発生率5%未満
○:白錆発生率5%以上、10%未満
△:白錆発生率10%以上、50%未満
×:白錆発生率50%以上
【0070】
3.2.塗装密着性試験
各々金属板材料に下記条件で塗装を施し供試材とし、塗膜密着性試験を行った。
[塗装条件]
塗料 :関西ペイント(株)社製アミラック#1000(商標)(白塗料)
塗装法 :バーコート法
焼付け条件:140℃、20分間、膜厚25μm
[一次密着性試験]
塗膜に、1mm角、100個の碁盤目をNTカッターで切り入れ、この供試材をエリクセン試験機で5mm押し出した後、この押し出し凸部に粘着テープによる剥離テストを行い、塗膜剥離個数にて評価した。評価基準を以下に示す。
◎:剥離なし
○:剥離個数1〜10
△:剥離個数11〜50
×:白錆発生率51〜100
【0071】
3.3.塗装後耐食性
塗膜に鋼板素地に達する傷をカッターで入れ、JIS−Z2371に規定された塩水噴霧試験を240時間実施した。実施後粘着テープにてカット部を剥離させ、剥離幅で評価した。判定基準はカット部からの塗膜剥離幅(mm)を測定した。
◎:3mm未満
○:3mm以上、5mm未満
△:5mm以上、10mm未満
×:10mm以上
【0072】
3.4.耐指紋性試験
各々の金属板材料を供試材として、L、a、b値を色差計にて予め測定した後、ワセリンを塗布した後、ガーゼで良く拭い取り、再び色差計でL、a、b値を測定し、ΔEを求めた。
◎:ΔE=0.2未満
○:ΔE=0.2以上、2.0未満
△:ΔE=2.0以上、3.0未満
×:ΔE=3.0以上
【0073】
3.5.加工性試験
各々の金属板材料を供試材として、バウデン式摩擦摩耗試験機で荷重1kgでの初期摩擦係数と10回摺動後のμ値を測定した。
◎:μ値=0.1未満
○:μ値=0.1以上、0.2未満
△:μ値=0.2以上、0.3未満
×:μ値=0.3以上
【0074】
【表1】
【0075】
表1の結果から次ぎのことが明らかである。
▲1▼本発明の金属板材料である実施例1〜9は、良好な耐食性、塗装密着性、塗装後耐食性、耐指紋性、加工性を示している。
▲2▼しかし、被覆量が少なく本発明の範囲外である比較例1は、耐食性、耐指紋性、加工性が劣っている。
▲3▼また、被覆量の多く本発明の範囲外である比較例2は、塗装密着性、塗装後耐食性が劣っている。
▲4▼本発明の範囲外の低い融点を有するワックスを含んだ比較例3は、塗装密着性、塗装後耐食性、耐指紋性、加工性が劣っている。
▲5▼また本発明の範囲外であるワックス成分を含まない比較例4では、耐食性、塗装性は十分だが、耐指紋性、加工性は得られない。
▲6▼本発明の範囲外のワックス量を多く含む比較例5では、加工性は十分であるが、耐食性、塗装密着性、塗装後耐食性、耐指紋性が劣っていた。
【0076】
【発明の効果】
本発明の製造方法を用いて形成された金属板材料は、従来品のように、クロメートを使用せずに高耐食性、塗装性、耐指紋性、加工性が得られるため、今後の排水規制により、クロムフリー化を余儀なくされる業界に対しての適応が可能となる。更に、金属材料に対する選択性が無いため、材料の特性を生かしたまま、防錆性や塗装性も向上させることができ、且つ、プレス油などの油を使用せずに加工が可能となり、脱脂工程などを省くことができる。
また、環境保全やリサイクル性等の社会問題に対する対応策としても、極めて有効で且つ実用上の効果も大きい。
Claims (5)
- 金属板材料表面に下記成分:
(A)活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基およびメタクリロキシ基から選ばれた少なくとも1個の反応性官能基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤成分、
(B)下記一般式(1)により表される1種以上の重合体を2〜50の平均重合度で含む1種以上の重合体成分:
(C)ワックス成分とからなり、前記シランカップリング剤成分(A)の重合体成分(B)に対する重量比(A)/(B)が1/1〜5/1であり、前記ワックス成分(C)を該シランカップリング剤成分(A)と該重合体成分(B)の合計重量に対する重量比(C)/ [ (A)+(B) ] が1/100〜2/1であり、かつ前記ワックスの融点が40〜120℃である被覆組成物で被覆したことを特徴とする耐食性、塗装性、耐指紋性および加工性に優れた金属板材料。 - 前記シランカップリング剤成分(A)が(a)1個以上の活性水素含有アミノ基を有する1種以上のシランカップリング化合物から成るシランカップリング剤と、(b)1個以上のエポキシ基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤とを含む、請求項1に記載の金属材料。
- 前記シランカップリング剤(a)に含まれる活性水素含有アミノ基の、前記シランカップリング剤(b)に含まれるエポキシ基に対する当量比が、3:1〜1:3である、請求項2に記載の金属板材料。
- 前記シランカップリング剤(a)と前記シランカップリング剤(b)との合計量の、前記重合体成分(B)に対する重量比[(a)+(b)]/(B)が1:5〜5:1である、請求項2または3に記載の金属板材料。
- 水性媒体と、この水性媒体中に溶解された下記成分:
(A)活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、メルカプト基およびメタクリロキシ基から選ばれた少なくとも1個の反応性官能基を有する1種以上のシランカップリング化合物からなるシランカップリング剤成分、
(B)下記一般式(1)により表される1種以上の水溶性重合体を2〜50の平均重合度で含む1種以上の水溶性重合体成分:
[但し、式中、ベンゼン環に結合しているXは、水素原子、ヒドロキシル基、C1〜C5のアルキル基、C1〜C5のヒドロキシアルキル基、C6〜C12のアリール基、ベンジル基、ベンザル基、前記ベンゼン環に縮合して、ナフタレン環を形成する不飽和ハイドロカーボングループ又は下記式(2)の基:
(C)ワックスディスパージョンとからなり、前記シランカップリング剤成分(A)の重合体成分(B)に対する重量比(A)/(B)が1/1〜5/1であり、前記ワックス成分(C)を該シランカップリング剤成分(A)と該重合体成分(B)の合計重量に対する重量比(C)/ [ (A)+(B) ] が1/100〜2/1であり、かつ前記ワックスの融点が40〜120℃であるpH値2.0〜6.5に調整された水性組成物を金属板材料表面に乾燥後の被覆重量が0.01〜3.0g/m2になるように塗布、乾燥し、被覆することを特徴とする耐食性、塗装性、耐指紋性及び加工性に優れた金属板材料の製造方法。
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