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JP3993256B2 - 過電圧・過電流保護装置 - Google Patents

過電圧・過電流保護装置 Download PDF

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JP3993256B2 JP11376196A JP11376196A JP3993256B2 JP 3993256 B2 JP3993256 B2 JP 3993256B2 JP 11376196 A JP11376196 A JP 11376196A JP 11376196 A JP11376196 A JP 11376196A JP 3993256 B2 JP3993256 B2 JP 3993256B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器例えば電話器の電子交換機等の過電流・過電圧保護装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電話器の電子交換機は、結線のショートを保護するために正特性サーミスタが用いられている。
一方、これら交換機は雷サージによる機器の保護を行うため、例えばUL1459に定められた過電圧・過電流による保護も必要とされている。
【0003】
例えば電子交換機用としては240V 24Aでは正特性サーミスタが保護動作して電流を抑制し、過電流を抑制後正常に復帰することが要求され、600V40A、600V 7A、600V 2.2Aの過電圧・過電流の場合、回路をオープンすることが要求されている。
一般に、正特性サーミスタ素子にリード線を半田付けした構造のものに瞬時に大きな電力を加えた場合、正特性サーミスタは急速に発熱するが、その熱が半田を介してリード線から熱放散し、素子内部と素子両表面で温度差が生じ、そのため、素子厚み方向に剪断力が発生し、図4の如く素子の厚みのほぼ中間部で層状剥離10が発生することが知られている。
UL1459に規定した600V 40A、7A、2.2Aの如き高い電圧を印加した場合、上記の特性を利用し、正特性サーミスタ素子を層状に破壊させたものが一部実用化されている。
然るに素子の層状破壊したものはその素子の剥離した距離がせいぜい0.05〜0.1mm程度であり、繰返し600Vの電圧が印加されたとき層状剥離した間でアーク放電が生じ、正特性サーミスタがついには焼損してしまうという致命的な欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの過電圧・過電流が繰返し加わった場合でも正特性サーミスタを小型化出来、且つ過電圧・過電流が加わっても焼損せず、機器を保護することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、両面に電極が設けられた正特性サーミスタ素子の一方の電極にバネ性を有するリード線を半田付けし、正特性サーミスタ素子の他方の電極にもリード線を半田付けし、他方の電極と基板とをエポキシ樹脂等の接着剤で接着させ、上記他方の電極全面が上記接着剤でコーティングされており、且つ正特性サーミスタ素子の一方の電極とリード線とが離間するようにリード線のバネ性を付勢した状態で当該リード線の他端を基板に半田付けし、他方の電極のリード線の他端も基板に半田付けし、正特性サーミスタに過電圧・過電流が加わった場合、正特性サーミスタが自己発熱して正特性サーミスタ素子の電極バネ性を有するリード線を接続した半田を融解させ、リード線のバネ正特性サーミスタ素子の電極とリード線とが離間することにより回路を遮断するとともに、上記バネ力で離間する迄の間、上記接着剤により正特性サーミスタの電極間でのアーク放電による正特性サーミスタ素子の焼損を防止することを特徴とする過電圧・過電流保護装置を提供するものである。
【0006】
あるいは、両面に電極が設けられた正特性サーミスタ素子の一方の電極に半田付けされたリード線にバネ材を半田付けし、正特性サーミスタ素子の他方の電極にもリード線を半田付けし、他方の電極と基板とをエポキシ樹脂等の接着剤で接着させ、上記他方の電極全面が上記接着剤でコーティングされており、且つリード線と正特性サーミスタの一方の電極とが離間するようにバネ性を付勢した状態でバネ材の他端を基板に半田付けし、他方の電極のリード線の他端も基板に半田付けし、正特性サーミスタに過電圧・過電流が加わった場合、正特性サーミスタが自己発熱して正特性サーミスタ素子の一方の電極バネ材を半田付けしたリード線を接続した半田を融解させ、バネ材のバネ力で正特性サーミスタ素子の電極とリード線とが離間することにより回路を遮断するとともに、上記バネ力で離間する迄の間、上記接着剤により正特性サーミスタの電極間でのアーク放電による正特性サーミスタ素子の焼損を防止することを特徴とする過電圧・過電流保護装置を提供するものである。
【0007】
【作用】
上記の構造とすることにより、正特性サーミスタ素子は従来は20φ×4.0tmmの大きさであったものでも、600V 40A 1.5秒の過電圧は1回しか耐えることが出来なかったが、7φ×2.5tmmの大きさでも、600Vの過電圧を繰り返し印加しても回路を保護することが可能となり、装置も小型化出来、コストも低減することが可能となった。
【0008】
【実施例】
本発明の実施例を図1に基づき詳述する。
正特性サーミスタ素子1(7φ×2.5tmm、キュリー温度120℃、抵抗値12Ω)の両面にニッケルメッキ及び錫メッキにより、電極12、13を形成し、その電極にバネ性を有する0.5φの黄銅線からなるリード線2、3を半田4(錫−鉛共晶半田、融点183℃)で半田付けした。
【0009】
リード線2、3の他端を基板5に半田付けするに際し、正特性サーミスタ素子1の一方の電極13と基板5とを接着剤9(エポキシ樹脂)で接着し、リード線2は、そのバネ力で正特性サーミスタ素子1から離間するように付勢した状態で基板5に半田付けした。
このリード線3,2間にULで規定されている600V 40A 1.5秒、600V 7A 5秒、600V 2.2A 30分の電流を流したところ、正特性サーミスタに電流が流れて自己発熱して半田4の融点である183℃を超え、それぞれ0.02秒、1.0秒、2.3秒で図3の通り、リード線2が正特性サーミスタ素子1から離間し、電流を遮断した。
【0010】
また本発明の他の実施例を図2に示す。
正特性サーミスタ素子1(7φ×2.5tmm、キュリー温度90℃、抵抗値12Ω)の両面にニッケルメッキ及び錫メッキにより、電極12、13を形成し、その電極に0.5φのCp線からなるリード線6、7を半田4(錫−鉛共晶半田 融点183℃)で半田付けした。
【0011】
正特性サーミスタ素子1の一方の電極13と基板5とを接着剤9(エポキシ樹脂)で接着した後、リード線6の他端を基板5に半田付けし、リード線7の他端をバネ材8(リン青銅板、幅2.0mm 厚み1.0tmm)で半田付けし、バネ材8をリード線7と正特性サーミスタとが離間するよう予め付勢した状態でバネ材8の他端を基板5に半田付けした。
リード線6、バネ材8の間に600V 40A 1.5秒、600V 7A 5秒、600V 2.2A 30分の条件設定し、電流を流したところ、0.05秒、1.6秒、3.8秒で電流を遮断した。
【0012】
【発明の効果】
上述したように、正特性サーミスタを小型化し、低コストで高電圧、大電流を素早く遮断する過電圧、過電流保護装置を提供することが可能となり、600Vの過電圧が繰り返し印加されても回路が完全にオープンするため、焼損することもなく、負荷側に過電圧が加わる事はない。
尚、実施例ではバネ材として黄銅やリン青銅を用いたが、これらのバネ材に限定されるものではないことはいうまでもない。また、正特性サーミスタ素子の一方の電極をエポキシ樹脂等で基板と接着することにより、バネ力で正特性サーミスタ素子が基板から浮き上がらないためにバネ力が経時的に変化することがない。
更に、一方の電極13が接着剤9でコーティングされるため、600Vの電圧が加わった際、バネ材8で離間する迄の間正特性サーミスタの電極間でのアーク放電による正特性サーミスタ素子の焼損を防止することが出来る。従って、接着剤9は正特性サーミスタ素子1の一方の電極を完全に覆うことが望ましい。
尚、接着剤はエポキシ樹脂に限るものではなく、フェノールやウレタン等の樹脂でも同様の効果を得ることが出来る。また、用途として、PBX(電子交換機)を例として説明したが、この用途に制限されるものではなく、過電圧、過電流保護用として広く応用出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の断面図である。
【図2】他の実施例の断面図である。
【図3】図1の実施例で、リード線が正特性サーミスタ素子から離間した状態を示す断面図である。
【図4】図4は従来の正特性サーミスタで過電圧が加わった場合に正特性サーミスタ素子が層状剥離した状態を示す。
【符号の説明】
1 正特性サーミスタ素子
2 リード線(黄銅線)
3 リード線(黄銅線)
4 半田
5 基板
6 リード線(Cp線)
7 リード線(Cp線)
8 バネ材(リン青銅板)
9 接着剤
10 層状剥離
11 外装材料
12 電極
13 電極

Claims (2)

  1. 両面に電極が設けられた正特性サーミスタ素子の一方の電極にバネ性を有するリード線を半田付けし、正特性サーミスタ素子方の電極にもリード線を半田付けし、他方の電極と基板とをエポキシ樹脂等の接着剤で接着させ、上記他方の電極全面が上記接着剤でコーティングされており、且つ正特性サーミスタ素子の一方の電極とリード線とが離間するようにリード線のバネ性を付勢した状態で当該リード線の他端を基板に半田付けし、他方の電極のリード線の他端も基板に半田付けし、正特性サーミスタに過電圧・過電流が加わった場合、正特性サーミスタが自己発熱して正特性サーミスタ素子の電極バネ性を有するリード線を接続した半田を融解させ、リード線のバネ力で正特性サーミスタ素子の電極とリード線とが離間することにより回路を遮断するとともに、上記バネ力で離間する迄の間、上記接着剤により正特性サーミスタの電極間でのアーク放電による正特性サーミスタ素子の焼損を防止することを特徴とする過電圧・過電流保護装置。
  2. 両面に電極が設けられた正特性サーミスタ素子の一方の電極に半田付されたリード線にバネ材を半田付けし、正特性サーミスタ素子方の電極にもリード線を半田付けし、他方の電極と基板とをエポキシ樹脂等の接着剤で接着させ、上記他方の電極全面が上記接着剤でコーティングされており、且つリード線と正特性サーミスタ素子の一方の電極とが離間するようにバネ性を付勢した状態でバネ材の他端を基板に半田付けし、他方の電極のリード線の他端も基板に半田付けし、正特性サーミスタに過電圧・過電流が加わった場合、正特性サーミスタが自己発熱して正特性サーミスタ素子の一方の電極バネ材を半田付けしたリード線とを接続した半田を融解させ、バネ材のバネ力で正特性サーミスタ素子の電極とリード線とが離間することにより回路を遮断するとともに、上記バネ力で離間する迄の間、上記接着剤により正特性サーミスタの電極間でのアーク放電による正特性サーミスタ素子の焼損を防止することを特徴とする過電圧・過電流保護装置。
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