JP3991870B2 - 架構の制震構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、立体自動倉庫などの地震時の応答により曲げ変形を生じ、柱に正負繰り返しの軸力を受ける架構の制震構造に関すものである。
【0002】
【従来の技術】
図17はスタッカークレーンによる格納搬出機能を持つ立体自動倉庫の一般的な骨組構造の説明図である。立体自動倉庫の骨組は、通常、軟鋼(SSC400)の軽量角型鋼管の弦材(柱)31、横材32及び斜材33のピン接合骨組(トラス骨組)より構成される。そして、骨組構造の内部にスタッカークレーン35の走行スペースを設ける必要があるため、張間方向(スタッカークレーン走行方向と直角方向)の骨組は、各スパンごとに高さ方向に細長いトラス骨組となり、最上層部分34以外は各スパンのトラス骨組相互を連結することができない構造となっている。
また、トラス骨組には荷格納用のラックが取り付けられており、このラックに品物が格納される。
【0003】
立体自動倉庫には重量物が格納される場合もあり、地震時においては、地震慣性力が格納されている品物及びラックを通じてトラス骨組に作用するため、格納されている品物が重量物の場合には慣性力も大きくなるので、この慣性力によって倉庫が倒壊しないようにすることが必要であり、これに加えて格納されている品物が転倒・落下しないようにすることも要請される。また、罹災後の迅速な復旧のために、補修が容易であることも必要である。
【0004】
そこで、立体自動倉庫の骨組は、耐震性の観点から、地震に対しては法令で想定される慣性水平力による部材応力、変形および保有水平耐力を構造計算により算定して、計算上必要な断面性能をもつ断面を選定することにより設計される(以下、「耐震設計」という)。
しかしながら、「耐震設計」による場合、最大速度50kine(=cm/ 秒)を超える大地震時には、建物の到壊は免がれたとしても、骨組に塑性変形(永久変形)を生ずることは避けられず、しかも一般に損傷の部位を特定することは困難であるため、罹災後の骨組の損傷に対する補修は容易ではない。また、「耐震設計」では地震時応答を制御するわけではないので、ラックに格納された品物の転倒・落下の可能性が高いという問題もある。
【0005】
そこで、「耐震設計」に加えて、骨組に作用する地震力を制御する方法が提案されている。この方法は、図18に示すように、外側トラス骨組(柔骨組)41と内側トラス骨組(剛骨組)42の連結部43に粘性ダンパー44を設置し、外側トラス骨組41と内側トラス骨組42との剛柔差を利用して粘性ダンパー44に地震エネルギーを吸収させるというものである(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、地震力を制御する他の方法が開示されている。この方法は、図19に示すように、外側トラス骨組(柔骨組)41と内側トラス骨組(剛骨組)42の最上層連結部材43及び柱脚部材45を低降伏点鋼に置換して、その早期降伏によるエネルギー吸収により、地震力を制御するというものである(例えば、非特許文献1参照)。
【0007】
また、図20に示すような制震ジョイントが開示されている。この制震ジョイント51は、図20(a)に示すように、幅(図の奥行き方向)を狭くして塑性変形し易くした上部ジョイント53aと下部ジョイント53bからなる変形部52と、肉厚を増して補強した接続部54とを設け、柱部材50a,50bが接合された上下のジョイント53a,53bをボルト55で接合して上下の柱部材50a,50bを接続するようにしたものである。
そして、地震等によりスパン方向に加わる水平応力により、図20(b)に示すように、変形部52が塑性変形し、柱部材50aが上方へ移動して振動エネルギーを吸収するようにしたものである(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開昭62−25679号公報(第2頁、図1)
【非特許文献1】
日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸)216336
1992年8月
【特許文献2】
特開2001−253518号公報(第3頁、図5)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の粘性ダンパー44による方法は、鋼材の他に粘性ダンパーを必要とし、コストが高くなるという問題がある。また、粘性ダンパー44による場合には、粘性ダンパー44で吸収できなかったエネルギーはトラス骨組のどこかの部位に作用し、その部位に塑性変形をもたらすと考えられるが、その部位を特定することが難しく、補修が困難であるという問題もある。
【0010】
また、非特許文献1に示した連結部材43及び柱脚部材45を低降伏点鋼に置換するという方法では、地震により低降伏点鋼が降伏した瞬間、理論上骨組全体が不安定になって骨組全体の安全性を確保できないという問題がある。
【0011】
さらに、特許文献2の制震ラックは、柱の軸力によりジョイント部を塑性変形させ、エネルギーの吸収を行っているが、この形状では塑性変形により履歴がスリップ型に近くなり、十分なエネルギー吸収を行うことができない。
【0012】
本発明はかかる課題を解決するためになされたもので、地震時においてラックに格納されている品物の転倒・落下を防止できると共に、大地震による損傷後の建物安定性を確保しつつ、罹災後、容易に補修が可能な架構の制震構造を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る架構の制震構造は、両側に立設された縦長の外側ピントラス骨組と、2本の柱とその中間に中柱を有し前記外側ピントラス骨組の間に立設された複数の縦長の内側ピントラス骨組との最上部が剛結合され、地震時の水平荷重を主として構造部材の軸力によって負担し、地震時に応答により曲げ変形を生じて前記内側ピントラス骨組の2本の柱に正負の繰返えし軸力を受ける立体倉庫などの架構において、前記正負の繰返えし軸力を受ける内側ピントラス骨組の2本の柱の全部又は一部の下部を、座屈拘束された鋼製ダンパーで構成したものである。
【0016】
(2)上記(1)の座屈拘束された鋼製ダンパーを、最下層又はこれに準ずる層に設けた。
【0017】
(3)上記(1)又は(2)の座屈拘束された鋼製ダンパーが存在する内側ピントラス骨組の層の斜材と、正負の繰り返し荷重を受けない前記中柱との両者又は何れか一方を、前記座屈拘束された鋼製ダンパーが降伏したのちに、常時荷重を支持できるように補強した。
【0018】
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの座屈拘束された鋼製ダンパーが存在する内側ピントラス骨組の層の斜材と、正負の繰り返し荷重を受けない前記中柱とを剛接合により接合した。
【0019】
(5)上記(1)の座屈拘束された鋼製ダンパーを、前記内側ピントラス骨組の2本の柱と斜材若しくは前記2本の柱と水平材との接合部のうち最も低い位置の接合部と柱脚部材との間又はその一部に設けた。
【0020】
(6)上記(1)の座屈拘束された鋼製ダンパーと、上層の柱とを予め一体に接合して一節の通し柱を形成し、該通し柱を内側ピントラス骨組の2本の柱の最下層に配置した。
【0021】
(7)上記(6)の通し柱の両端部に接合用エンドプレートを設けた。
【0022】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る架構の制震装置の模式図である。図において、1は外側トラス骨組、2は内側トラス骨組で、外側トラス骨組1は柱脚部材(図示せず)にピン接合されて立設された2本の柱3と、水平材5及び斜材6とをピン接合7により接合して構成したものであり、内側トラス骨組2は、柱脚部材にピン接合されて立設された2本の柱3と、その中間に立設された中柱4と、水平材5及び斜材6とをピン接合7により接合して構成したものである。8は外側トラス骨組1と内側トラス骨組2の最上部を連結する連結梁である。
【0023】
10は内側トラス骨組2の曲げ変形により軸方向の正負繰り返し荷重を負担する最下層又は柱の必要長さが確保できる最下部(以下、最下層に準ずる層という)の柱で、柱3に代えて極低降伏点鋼(以下、極軟鋼という)により構成したものである(以下、この柱10を極軟鋼柱という)。なお、この極軟鋼柱10の長さ(高さ)は、最下層の柱3の高さと等しく構成してもよく、あるいは部分的に設けてもよい。
【0024】
この場合、極軟鋼柱10の有効断面積を従来の柱3と同じ構造にすれば、耐震設計の一次設計においては、変形の検討を従来の構造と同様に行うことができ、短期許容耐力も鋼材の降伏耐力の変更のみで対応することができるので、繰り返し荷重に対して大きなエネルギー吸収を行うことができる。
【0025】
上記のように構成した本実施の形態によれば、大地震時において、極軟鋼柱10が早期に降伏することによって極軟鋼柱10に地震エネルギーを吸収させることができるので、大地震時の損傷を極軟鋼柱10に集中させ、他の部分が損傷しないようにすることができる。
また、従来構造の最下層の柱3のみを極軟鋼柱10と置換するだけなので、従来の制震構造に比べてコストを低く抑えることができ、さらに、基礎やトラス骨組の部材断面を小さくできるので、制震化によるコスト増を吸収することができる。
【0026】
また、極軟鋼柱10を設けたことにより加速度応答が低下するので、格納商品の落下を防止することができる。さらに、損傷後の補修が容易であり、既存の架構に対する改修も可能である。また、架構の曲げ変形によるエネルギー吸収が可能なため、高層の架構についても大きな制震効果を得ることができる。
さらに、立体自動倉庫の柱脚から最も下層にある商品格納スペースまでの間は一般に利用されていないので、この位置に制振構造を配置することにより、操業に影響を与えることはない。
【0027】
[実施の形態2]
図2は本発明の実施の形態2に係る架構の制震構造の模式図である。
本実施の形態は、実施の形態1における内側トラス骨組2の最下層又はこれに準ずる層の斜材6と、正負繰り返し荷重を受けない中柱4を補強し、剛接合11としたものである。
本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加えて、極軟鋼柱10が地震荷重によって降伏した後も、外側トラス骨組1と連結梁5と合わせて構造安定性を確保する効果が得られる。
【0028】
[実施の形態3]
図3は本発明の実施の形態3に係る架構の制震構造の模式図である。本実施の形態は、実施の形態1における内側トラス骨組2の中柱4と斜材6を、中柱4の柱脚部材にピン結合7して集約したものである。
本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加えて、極軟鋼柱10が降伏後も常時荷重を中柱4の柱脚部材で支持し、外側トラス骨組1と連結梁8と合わせて構造安定性を確保することができ、また、極軟鋼柱10を支持する柱脚部材にかかる荷重は小さいため、比較的簡素な構造とすることができる。
なお、実施の形態1〜3では内側トラス骨組2の最下層の柱3を極軟鋼柱10に置換した場合を示したが、外側トラス骨組1の最下層の柱3を極軟鋼柱10としてもよい。
【0029】
[実施の形態4]
図4は本発明の実施の形態4に係る架構の制震装置の要部の説明図である。実施の形態1〜3では、正負繰り返し軸力を受ける柱の最下層又はこれに準ずる層の全部又は一部に、極軟鋼柱10を設けた場合を示したが、本実施の形態は、極軟鋼柱10に代えて座屈拘束された鋼製ダンパー15を設けたものである。
【0030】
この鋼製ダンパー15は図4にその一例を示すように、板状の極軟鋼17の両端部に、普通鋼板を十字状に接合したスチフナ18を溶接により接合して軸材16を構成し、この軸材16を角形又は丸形の座屈拘束用鋼管19内に挿入して一体化したものである。
このような鋼製ダンパー15は、実施の形態1〜3の場合と同様に、その下端部のスチフナ18が柱脚部材に接合され、上端部のスチフナ18が上部の柱に接合されて設置される。
【0031】
本実施の形態の作用、効果は、実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、特に、正負の軸力に対して軸材16が引張り、圧縮両方向の力に降伏して座屈拘束用鋼管19により軸材16の座屈が拘束されるため、安定してエネルギーを吸収することができる。
【0032】
上記の実施の形態1〜4では、極軟鋼柱10又は鋼製ダンパー15を、架構の最下層又はこれに準ずる層に設置した場合を示したが、本発明はこれに限定するものではなく、柱の正負繰り返し軸力を受ける位置であれば、他の場所に設けてもよい。
【0033】
[実施の形態5]
図5は本発明の実施の形態5に係る架構の制震構造の内側トラス骨組の下層部分の模式図、図6は一節の通し柱の模式図である。なお、実施の形態1〜4と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
図において、20は鋼製ダンパー15aと柱3aとからなる一節の通し柱で、上部はエンドプレート21を介して上層の柱3に接合され、下部はエンドプレート22を介して柱脚部材(図示せず)に接合される。
【0034】
鋼製ダンパー15aの一例を図7に示す。図7(a)に示すように、板状の極軟鋼17の一端に普通鋼板を十字状に接合したスチフナ18及び接合プレート23を溶接接合して軸材16aを構成する。なお、接合プレート23は必要最小限の大きさとすることが望ましい。
そして、図7(b)に示すように、軸材16aを座屈拘束用鋼管19aに挿入したのち、軸材16aのもう一端にエンドプレート22を溶接接合し、さらに、座屈拘束用鋼管19aをエンドプレート22に接合し、一体化する(図7(c),(d))。
【0035】
このような鋼製ダンパー15aは工場等で製作され、さらに、工場等においてその接合プレート23を柱3aのエンドプレートに接合し、工事現場に輸送可能な通し柱20が構成される。なお、鋼製ダンパー15aは、内側トラス骨組2の最下層に設けられたパレット支持部24(水平材)より低い位置において柱3aに接合される。これにより、立体自動倉庫に適用する際に、パレットの収納搬出作業に支障をきたすことはない。
【0036】
上記の説明では、柱3aと鋼製ダンパー15aとにより一節の通し柱20を構成した場合を示したが、鋼製ダンパー15aに代えて実施の形態1で説明した極軟鋼柱10を柱3aに接合して通し柱20を構成してもよい。また、通し柱20を内側トラス骨組2に設けた場合を示したが、外側トラス骨組1又は内側トラス骨組2と外側トラス骨組1の両者に設けてもよい。
【0037】
上記のように構成した本実施の形態においては、制震機能を有する鋼製ダンパー15aと柱3aを一体化して柱の一節である通し柱20を構成し、従来の柱の一節と置換するようにしたので、従来と同様の工程で施工することができる。
また、柱3aと鋼製ダンパー15aを工場等で一体成形することができるので、それぞれ単独で製作し、施工する場合に比べてコストを低減することができる。
【0038】
以上本発明の実施の形態1〜5について説明したが、これら各実施の形態はそれぞれ単独で実施してもよく、適宜組合わせて実施してもよい。
【0039】
【実施例】
発明者らは、立体自動倉庫の骨組モデルを用いて時刻歴応答解析を行った。モデルは実施の形態1に対応するもので、図8に示すように高さ30.18mの立体自動倉庫骨組であり、接合部は柱が縦方向に、連結梁が横方向に連続(剛結合)である以外は、すべてピン接合とした。また、これに使用した鋼材は、図9に示す通りである。なお、図9において、□は角形鋼管、○は丸形鋼管、HはH形鋼管を示す。
そして、実際の解析にあたっては、自由度縮小のため、縦方向のトラス骨組(格納部分)を、剛性と耐力が等価な曲げ剪断棒に置き換えた。また、極軟鋼柱10の部分は、上記曲げ剪断棒の降伏耐力と降伏後の応力ひずみ勾配を、極軟鋼柱10を配置したトラス骨組と等価になるように設置した。
【0040】
解析は、図10に示すように、極軟鋼柱10を配置しないモデル(以下、従来モデルという)、図11に示すように、両端部を除くトラス骨組の最下層に極軟鋼柱10(点線で示す)を配置したモデル(以下、モデルAという)、及び図12に示すように、一部のトラスの最下層に極軟鋼柱10を配置したモデル(以下、モデルBという)のそれぞれに、横浜波、エルセントロNS(南北方向)波、八戸EW(東西方向)波(これらの規模は、いずれも最大加速度200gal(1gal=1cm/s2))を入力して行った。また、極軟鋼柱10は、降伏点が1.6ft/cm2(F=1.6)と、1.0tf/cm2(F=1.0)の2種類のものを用いた。
【0041】
図13は従来モデル、モデルA及びモデルBにそれぞれ200galの横浜波を入力したときの時刻歴応答解析を行った結果を示す線図である。なお、極軟鋼柱10はF=1.6に設定した。
図から明らかなように、応答変位角(図13(a))、層剪断力(図13(b))ともに従来モデル、モデルB、モデルAの順に低下しており、配置する極軟鋼柱10の数が多いほど効果が高くなることが確認された。
【0042】
図14は図13の場合と同じ条件で、従来モデル、モデルA、モデルBに200galのエルセントロ波を入力した場合、図15は同じ八戸波を入力した場合の時刻歴応答解析を行った結果を示す線図であり、これらの場合も横浜波の場合とほぼ同様の結果が得られることがわかった。
【0043】
図16は図10の従来モデル(柱の降伏点F=2.4)、図11の極軟鋼柱10の降伏点をF=1.6とした場合、同じく降伏点をF=1.0とした場合のモデルAの3ケースにつき、200galの横浜波を入力した場合の時刻歴応答解析結果を示す線図である。
図から明らかなように、降伏点がF=1.0の極軟鋼柱10の場合が、他の場合より効果が大きいことが確認された。
【0044】
以上のような時刻歴応答解析結果から、極軟鋼柱10の配置及び数、降伏点の高低によって耐震効果が異なることが明らかになったので、必要な性能に応じて極軟鋼柱10の配置及び数、降伏点を選択することができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係る架構の制震構造は、地震時の応答により曲げ変形を生じ、柱に正負繰り返しの軸力を受ける架構において、上記正負の繰り返し軸力を受ける全部又は一部の柱の下部を、他の部材より低い荷重によって降伏する部材によって構成したので、大地震時の損傷をこの部材に集中させ、他の部分の損傷を防止することができる。また、従来の制震構造に比べてコストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る架構の耐震構造の模式図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る架構の耐震構造の模式図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る架構の耐震構造の模式図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る架構の耐震構造の要部の説明図である。
【図5】本発明の実施の形態5に係る架構の耐震構造の内側トラス骨組の下層部分の模式図である。
【図6】図5の通し柱の模式図である。
【図7】図5の鋼製ダンパーの説明図である。
【図8】本発明の実施例の立体自動倉庫の説明図である。
【図9】図8の各部材の構成表である。
【図10】図8の立体自動倉庫の時刻歴応答解析を行うための具体例の説明図である(従来モデル)。
【図11】図8の立体自動倉庫の時刻歴応答解析を行うための具体例の説明図である(モデルA)。
【図12】図8の立体自動倉庫の時刻歴応答解析を行うための具体例の説明図である(モデルB)。
【図13】図10〜図12のモデルに横浜波を入力したときの解析結果を示す線図である。
【図14】図10〜図12のモデルにエルセントロ波を入力したときの解析結果を示す線図である。
【図15】図10〜図12のモデルに八戸波を入力したときの解析結果を示す線図である。
【図16】従来モデルと、モデルAの極軟鋼柱の降伏点を1.6、1.0とし、200galの横浜波を入力した場合の解析結果を示す線図である。
【図17】従来の立体自動倉庫の一例の説明図である。
【図18】従来の立体自動倉庫の制震構造の一例の説明図である。
【図19】従来の立体自動倉庫の制震構造の他の例の説明図である。
【図20】従来の立体自動倉庫の制震構造のさらに他の例の説明図である。
【符号の説明】
1 外側トラス骨組
2 内側トラス骨組
3 柱
4 中柱
5 水平材
6 斜材
8 連結梁
10 極軟鋼柱
15,15a 鋼製ダンパー
16 軸材
17 極軟鋼
18 スチフナ
19 座屈拘束用鋼管
20 通し柱
21,22 エンドプレート
Claims (7)
- 両側に立設された縦長の外側ピントラス骨組と、2本の柱とその中間に中柱を有し前記外側ピントラス骨組の間に立設された複数の縦長の内側ピントラス骨組との最上部が剛結合され、地震時の水平荷重を主として構造部材の軸力によって負担し、地震時に応答により曲げ変形を生じて前記内側ピントラス骨組の2本の柱に正負の繰返えし軸力を受ける立体倉庫などの架構において、
前記正負の繰返えし軸力を受ける内側ピントラス骨組の2本の柱の全部又は一部の下部を、座屈拘束された鋼製ダンパーで構成したことを特徴とする架構の制震構造。 - 前記座屈拘束された鋼製ダンパーを、最下層又はこれに準ずる層に設けたことを特徴とする請求項1記載の架構の制震構造。
- 前記座屈拘束された鋼製ダンパーが存在する内側ピントラス骨組の層の斜材と、正負の繰り返し荷重を受けない前記中柱との両者又は何れか一方を、前記座屈拘束された鋼製ダンパーが降伏したのちに、常時荷重を支持できるように補強したことを特徴とする請求項1又は2記載の架構の制震構造。
- 前記座屈拘束された鋼製ダンパーが存在する内側ピントラス骨組の層の斜材と、正負の繰り返し荷重を受けない前記中柱とを剛接合により接合したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の架構の制震構造。
- 前記座屈拘束された鋼製ダンパーを、前記内側ピントラス骨組の2本の柱と斜材若しくは前記2本の柱と水平材との接合部のうち最も低い位置の接合部と柱脚部材との間又はその一部に設けたことを特徴とする請求項1記載の架構の制震構造。
- 前記座屈拘束された鋼製ダンパーと、上層の柱とを予め一体に接合して一節の通し柱を形成し、該通し柱を内側ピントラス骨組の2本の柱の最下層に配置したことを特徴とする請求項1記載の架構の制震構造。
- 前記通し柱の両端部に接合用エンドプレートを設けたことを特徴とする請求項6記載の架構の制振構造。
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2003
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