JP3991740B2 - 乗員検知装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗員検知装置にかかり、特に、自動車のシートに配設される乗員検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車のシートに配設される乗員検知装置の一例としては、特開2001−180355号公報に示される技術が提案されている。
【0003】
特開2001−180355号公報に記載の技術では、助手席側(車両左側)シート本体のアンカブラケット側の前部にフロント右側荷重センサ及び反対側の前部にフロント左側荷重センサを、また、前記アンカブラケット側の後部にリア右側荷重センサ及び反対側の後部にリア左側荷重センサをそれぞれ設けて、チャイルドシートをシート本体に固定した場合、リア右側荷重センサ、フロント右側荷重センサ、及びフロント左側荷重センサのそれぞれの検出値はわずかの範囲で増減するのみであるのに対して、リア左側荷重センサの検出値は著しく増加することが確認できたことから、シート本体のアンカブラケット側の後部にリア右側荷重センサ及び反対側の後部にリア左側荷重センサを設けた着座荷重検出装置を備えて、当該着座荷重検出装置のリア左側センサからの第2検出値RLとリア右側センサからの第1検出値RRとの差の値が所定の荷重差しきい値よりも大きいときに、CPUによってチャイルドシートが装着されていると判定することが提案されている。これによって、チャイルドシートの装着の有無を好適に検出することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特開2001−180355号公報に記載の技術では、シートの左右荷重差は、チャイルドシートを装着した状態では安定して発生するが、車両の運転挙度等によっても一時的な左右荷重差を発生するため、チャイルドシート装着のみを検出して車両の運転挙動等によって一時的に発生する荷重差の検出を排除するため、実際には、左右荷重差が安定して発生していることを条件としてチャイルドシート装着と判定している。
【0005】
しかしながら、この場合、チャイルドシート等のように幼児向けの子供用拘束装置の装着は確実に検出できるものの、子供用拘束装置そのものをベルト張力で固定しない児童向けのジュニアシートやブースターシート等の子供用拘束装置を使用しているような場合には、前記左右荷重差はベルト装着動作がなされている一時的な期間にしか発生しないため、乗員が子供であることを認識することができない。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、乗員が子供であることを好適に検知することができる乗員検知装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、所定のシート上でウェビングを保持するためのバックル近傍に加わるシート荷重を検出する第1荷重センサと、前記シート上の前記第1荷重センサの反対側に加わるシート荷重を検出する第2荷重センサと、前記バックルにウェビングに取り付けられたタングプレートが挿入されたことを検出する検出手段と、前記第1荷重センサ及び前記第2荷重センサの検出結果からシートに加わる総荷重を求め、求めた前記総荷重が予め定めた閾値以上の場合に、乗員が大人であると判定する際に、前記総荷重が前記閾値以上であっても、前記第1荷重センサ及び前記第2荷重センサの検出結果の差が、所定値以上に増加した履歴があり、かつ前記検出手段によって前記タングプレートが挿入されたことが検出されたタイミングの前後所定期間内に、前記第1荷重センサの検出値が増加している場合に、乗員が子供であると判定する判定手段と、を含むことを特徴としている。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、第1荷重センサはウェビング(以下、シートベルトという。)のバックル近傍に加わるシート荷重を検出し、第2荷重センサは第1荷重センサの反対側に加わるシート荷重を検出する。すなわち、第1及び第2荷重センサの双方の検出結果からシートに加わるシート荷重を検出することが可能である。また、シートへの乗員の着座によってシート荷重が変化することを用いて、乗員を検知することが可能となる。例えば、第1荷重センサと第2荷重センサの検出結果の合計からシートに加わるシート荷重を算出して、当該シート荷重が、大人と子供との体格差から求められる予め定められた閾値以上となった場合に大人と判定し、当該シート荷重が閾値より小さい場合には、子供と判定することが可能である。
【0009】
なお、第1及び第2荷重センサはそれぞれ複数の荷重センサで構成するようにしてもよい。
【0010】
検出手段は、シートベルトのタングプレートが挿入されたことを検出する。すなわち、検出手段によってシートベルトの装着が検出される。
【0011】
そして、判定手段は、第1荷重センサ及び前記第2荷重センサの検出結果からシートに加わる総荷重を求め、求めた総荷重が予め定めた閾値以上の場合に、乗員が大人であると判定する際に、総荷重が閾値以上であっても、第1荷重センサ及び第2荷重センサの検出結果の差が、所定値以上に増加した履歴があり、かつ検出手段によってタングプレートが挿入されたことが検出されたタイミングの前後所定期間内に、第1荷重センサの検出値が増加している場合に、乗員が子供であると判定する。なお、荷重差としては、第1荷重センサと第2荷重センサのそれぞれの検出結果の差分から求めてもよいし、各荷重センサの検出結果における変化量を荷重差とすることも可能である。
【0012】
ここで、シートに加わるシート荷重から乗員が大人であるか子供であるかを判定することを考えると、大人と子供との体格差から求められる予め定められた閾値より少し下回る子供がシートに着座して、他の乗員によってシートベルト装着動作(タングプレートをシートベルトのバックルに挿入する動作)が行われた場合、当該シートベルト装着動作によるシート荷重増加によって、大人と判定してしまうが、ここで、判定手段が、総荷重が前記閾値以上であっても、第1荷重センサ及び第2荷重センサの検出結果の差が、所定値以上に増加した履歴があり、かつ検出手段によってタングプレートが挿入されたことが検出されたタイミングの前後所定期間内に、第1荷重センサの検出値が増加している場合に、乗員が子供であると判定することによって、シートベルト装着動作によるシート荷重増加で、大人と判定してしまうことを防止することができ、乗員が子供であることを好適に検知することができる。すなわち、前記所定期間内のときには、大人判定となる閾値を超えるシート荷重であっても、第1及び第2荷重センサの検出結果から求められる荷重差が大きく、第1荷重センサの荷重の増加が著しいときには、乗員が子供であると判定することにより、乗員検知を好適に行うことができる。
【0013】
なお、前記判定手段は、前記所定期間内のときに、前記荷重差が瞬間的又は継続的に拘わらず、前記判定を行うようにしてもよい。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記判定手段は、前記所定期間の経過後に、前記検出結果の差が所定時間予め定めた所定値以上の安定状態を維持することを検出する状態検出手段を含み、前記状態検出手段で前記安定状態を検出した場合に、乗員が子供であると判定し、前記安定状態以外の場合には、乗員が大人であると判定することを特徴としている。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、前記所定期間の経過後に、前記検出結果の差が所定時間予め定めた所定値以上の安定状態を継続する場合には、シートベルト装着動作による荷重差ではないが、乗員が子供であると判定し、一時的な荷重差の場合には、乗員が大人であると判定する。すなわち、幼児用の子供拘束装置等がシートベルト等によってシートに対して装着される場合には、当該シートベルトの張力等によって子供用拘束装置のシートへの荷重が偏って発生するので、第1荷重センサと第2荷重センサの検出結果に荷重差を生じる。そして、当該荷重差は安定して継続される。また、乗員が大人の場合には、車両の運転挙動等によって瞬間的な荷重差は生じるが、その荷重差は継続しない。そこで、この現象に着目して、検出手段の検出時期を基準として予め定めた所定期間経過後には、荷重差が所定時間安定して継続するときに、乗員が子供と判定することができ、一時的な荷重差の場合には、乗員が大人と判定することができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記判定手段は、前記所定期間を越えた安定期間について、前記安定状態を検出することを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、判定手段は、検出手段の検出時期を基準として予め定めた所定期間後は、荷重差が所定時間予め定めた所定値以上の安定状態を検出するための安定期間として、当該安定期間について、安定状態を検出する。すなわち、シートベルト装着動作によって荷重差が生じない安定期間中については、チャイルドシート等がシートに固定された場合には、荷重差が安定して発生するので、荷重差を安定して発生する場合に子供として判定し、それ以外の場合に大人として判定することによって、乗員を好適に検知することが可能となる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明において、前記判定手段は、前記第1及び第2荷重センサの少なくとも一方の検出結果について、前記所定期間未満の予め定めた検出期間内で検出値を求め、求めた検出値を検出結果とすることを特徴としている。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の発明において、判定手段は、第1及び第2荷重センサの少なくとも一方の検出結果について、検出手段によってタングプレートが挿入されたことが検出されたタイミングの前後所定期間未満の予め定めた検出期間内で検出値を求めて検出結果とする。すなわち、検出期間内における各荷重センサより得られる信号のピーク値や平均値を検出結果として求めることが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0021】
図1には車両用シートが備えるシート本体の斜視図を示す。このシート本体40は、車両の助手席側に配置されるもので、図1において左右一対の支持フレーム42は図示しない車両フロアーに対して前後方向(図1矢印X方向)に併設固定されている。各支持フレーム42の上面には、前後一対のブラケット44が固着され、その前後一対のブラケット44に対してロアレール46が支持フレーム42に沿って支持固定されている。左右一対のロアレール46は断面がU字状に形成され、その上方が開口し、その開口部が前後方向に延びるスライド溝48を形成している。
【0022】
各ロアレール46に形成されたスライド溝48には、左右一対のアッパレール50がスライド溝48に沿って前後方向に摺動可能にそれぞれ配設されている。図2に示すように、各アッパレール50には、左右(車両内側及び外側)一対の前側センサブラケット52及び後側センサブラケット54を介して所定の間隔をおいてシート本体40のシートクッション56及びシートバック58を支持するロアアーム60が連結されている。
【0023】
図3(A)に示すように、上記前側センサブラケット52は上下両端部を上側締結部52a及び下側締結部52bとし、その上側及び下側締結部52a、52b間を湾曲させて撓み部52cが形成されている。この前側センサブラケット52は、上側及び下側締結部52a、52bにおいてそれぞれロアアーム60及びアッパレール50の前側部に連結されている。そして、車両内側及び外側の各前側センサブラケット52の撓み部52cには、それぞれフロンインナー荷重センサ12及びフロントアウター荷重センサ14が貼着されている。これらフロントインナー荷重センサ12及びフロントアウター荷重センサ14は、例えば歪みゲージなどの歪み検出素子(例えば、ロードセル等)を備えており、前記シートクッション56にかかる荷重に相対して撓み部52cが撓む撓み量を電気的に検出するようになっている。
【0024】
なお、フロントインナー荷重センサ12及びフロントアウター荷重センサ14は本発明の第1荷重センサに相当する。
【0025】
図3(B)に示すように、後側センサブラケット54は上下両端部を上側締結部54a及び下側締結部54bとし、その上側及び下側締結部54a、54b間を湾曲させて撓み部54cが形成されている。この後側センサブラケット54は、上側及び下側締結部54a、54bにおいてそれぞれロアアーム60及びアッパレール50の後側に連結されている。そして、車両内側及び外側の各後側センサブラケット54の撓み部54cには、それぞれリアインナー荷重センサ16及びリアアウター荷重センサ18が貼着されている。これらリアインナー荷重センサ16及びリアアウター荷重センサ18は、前記フロントインナー荷重センサ12及びフロントアウター荷重センサ14と同様に、例えば歪みゲージなどの歪み素子(例えば、ロードセル等)を備えており、前記シートクッション56にかかる荷重に相対して撓み部54cが撓む撓み量を電気的に検出するようになっている。
【0026】
なお、リアインナー荷重センサ16及びリアアウター荷重センサ18は本発明の第2荷重センサに相当する。
【0027】
一測(図1の左側)のアッパレール50にはシートベルト62を連結するシートベルトバックル64が設けられるアンカブラケット66が連結されている。
【0028】
図4には車両用シートに設けられた本実施の形態に係わる乗員検知装置10の電気的構成を示す。図2に示すように、本実施の形態に係わる乗員検知装置10は、荷重センサ12〜18と、電子制御装置(以下、ECUという。)22とを備えている。
【0029】
ECU22は、CPU24、ROM26、RAM28、及びI/O30を含み、それぞれバス32で相互接続されたマイクロコンピュータと、センサ信号入力回路34と、を備えている。センサ信号入力回路34は、フロントインナー荷重センサ12、フロントアウター荷重センサ14、リアインナー荷重センサ16及びリアアウター荷重センサ18にそれぞれ対応して設けられたアクティブフィルタ34a、34b、34c、34dを有しており、荷重センサ12〜18からの荷重信号は、これらアクティブフィルタ34a〜34d及びI/O30を介してCPU24に入力される。なお、これらアクティブフィルタ34a〜34dは、例えば、コンデンサ及び抵抗からなる受動素子に増幅器等の能動素子を組み合わせた周知の低域通過型フィルタである。従って、アクティブフィルタ34は、荷重センサ12〜18からの荷重信号のうち、低域周波数の信号のみを通過させ、それ以外の信号は損失させる。
【0030】
また、シート本体40には、シートベルト62のタングプレートを挿入するシートベルトバックル64に配設されるシートベルト装着を検出するためのバックルスイッチ20が設けられており、該バックルスイッチ20の検出信号もI/O30を介してCPU24に入力されるようになっている。なお、バックルスイッチ20は本発明の検出手段に相当する。
【0031】
CPU24は、予めROM26に記憶された制御プログラム及び初期データ等に従って各種演算処理を実行し、その演算結果がI/O30を介して各種装置36に出力されるようなっている。例えば、各種装置36としてはエアバッグ装置等の電子制御装置に出力され、当該電子制御装置の作動等が制御される。
【0032】
本実施の形態に係わる乗員検知装置10では、上述した各荷重センサ12〜18の検出値の合計、すなわち、シートに加わるシート荷重を算出し、当該シート荷重に基づいて乗員検知を行っている。
【0033】
また、シート本体40には、図1の2点鎖線で示すように、子供用拘束装置(例えば、所謂チャイルドシートや児童用のジュニアシートやブースターシート等があり、図1では幼児用のチャイルドシートを例に示す)70が装着される場合がある。
【0034】
従って、シート荷重、すなわち各荷重センサ12〜18の検出値の合計は、無負荷状態、無負荷状態に対して子供用拘束装置70をシートベルト62にて締め付けてシート本体40に固定した場合(シートベルトで固定しないブースターシート等も含む)、固定された子供用拘束装置70に子供の荷重を加えた場合、及び大人が着座した場合でそれぞれ異なる値となることを利用して乗員検知を行うことができる。
【0035】
ここで、乗員が大人であるか子供であるかを判定するためには、大人が着座した場合の各荷重センサ12〜18からの検出値の合計に対応して、予め閾値を定めることにより、乗員が大人であるか子供であるかを判定することが可能である。例えば、大人の荷重に相当する各荷重センサ12〜18の検出値の合計値を閾値Aとして予め定めることにより、当該閾値A以上のシート荷重を検出したときに、大人として判定することができる。なお、この時、判定のチャタリングを防止するために、図5に示すように、シート荷重に対して大人判定するためのオン閾値Aと、子供判定するためのオフ閾値Bを設ける(閾値にヒステリスを設ける)ことにより判定のチャタリングを防止することができる。
【0036】
ところが、例えば、オン閾値Aを少し下回る子供が児童用の子供拘束装置(所謂ブースターシートやジュニアシート等)に着座し、その子供に、他の乗員がシートベルトを装着する場合を考えると、当該シートベルトを装着する際のタングプレートをシートベルトバックル64に挿入する力(シートベルトバックル64を押す力やシートベルトのテンション等)により、図6に示すように、オン閾値Aを超えてシート荷重が増加し、その後、シート荷重は子供の体重値(オン閾値Aとオフ閾値Bの間の値)に戻る現象が発生する。すなわち、閾値にヒステリスが設けられているので、大人判定のまま維持され、誤判定となってしまう。
【0037】
ここで、フロントインナー荷重センサ12の検出値FI、フロントアウター荷重センサ14の検出値FO、リアインナー荷重センサ16の検出値RI、リアアウター荷重センサ18の検出値ROはそれぞれ、上述の例のように、オン閾値Aを少し下回る子供が着座して、他の乗員によってシートベルト装着動作がなされた場合を見ると、図6に示すように、リアインナー荷重センサ16の検出値のみが著しく増加していることが分かる。これは、ベルトを装着しようとしている他の乗員がタングを押さえ付ける動作により荷重が増加している。そこで、本実施の形態では、この現象に着目して、シート荷重がオン閾値Aを超えても、合計のシート荷重にほぼ同期してリアインナー荷重センサ16の検出値が増加している場合には、子供判定を維持するようにしている。
【0038】
また、幼児用の子供拘束装置70(例えば、チャイルドシート)が装着された時には、シートベルト等の張力等により、片側に荷重が偏る傾向があり、リアインナー荷重センサ16とリアアウター荷重センサ18のそれぞれより得られる荷重差が安定継続して発生する。そこで、本実施の形態では、この現象にも着目して、上記荷重差が安定継続して発生する場合には、子供判定するようにしている。
【0039】
続いて、上記事実を考慮して行われる上述のように構成された乗員検知装置10による乗員検知の処理について図7のフローチャートを参照して説明する。
【0040】
ステップ100では、各荷重センサ12〜18より得られる検出値FI、FO、RI、ROがECU22に入力されると共に、RAM28等のメモリに記憶される。なお、各荷重センサ12〜18より得られる各検出値FI、FO、RI、ROの記憶は予め定められた時間分記憶可能とされ、それ以降は随時更新されるものとする。
【0041】
ステップ102では、各荷重センサ12〜18からの検出値FI、FO、RI、ROが読み出され、ステップ104へ移行する。ステップ104では、各荷重センサ12〜18より得られる検出値FI、FO、RI、ROに基づいてシート荷重がオン閾値A以上か否か判定される。なお、オン閾値Aは予め定められた値であり、該判定は各荷重センサ12〜18より得られる検出値FI、FO、RI、ROの各検出値の合計が予め定められたオン閾値A以上か否か判定することによってなされる。また、各検出値FI、FO、RI、ROは、ピーク値を用いてもよいし、微少時間(後述するt1秒未満の検出時間)等の平均値を用いてもよい。
【0042】
ステップ104の判定が肯定された場合には、ステップ106へ移行して、リアインナー荷重センサ16からの検出値RIとリアアウター荷重センサ18からの検出値ROとの荷重差が予め定めた所定値C以上の履歴があるか否か判定される。当該ステップ106の判定が否定された場合には、ステップ114へ移行して、大人判定とし、I/O30を介して判定結果を各種装置36に出力して、一連の処理がリターンされる。すなわち、大人の着座では極端にリアインナー荷重センサ16の検出値RIとリアアウター荷重センサ18の検出値ROとの荷重差を生じないので、大人と判定することができる。
【0043】
また、ステップ106の判定が肯定された場合には、ステップ108へ移行して、リアインナー荷重センサ16からの検出値RIのみの増加が、バックルスイッチ20オン時(t0)の予め定められた前後t1秒間か否か判定される。該判定が否定された場合には、ステップ110へ移行して、所定値C以上の前記荷重差の状態が予め定められたt2秒間継続しているか否か判定される。
【0044】
ステップ110の判定が肯定された場合には、子供判定とし、I/O30を介して判定結果を各種装置36に出力して、一連の処理がリターンされる。すなわち、シート荷重がオン閾値A以上となっても、シートベルト装着タイミング以外でリアインナー荷重センサ16の検出値RIとリアアウター荷重センサ18の検出値ROの荷重差が所定値C以上の状態が安定した時間(t2秒)継続する場合には、シートベルト62の張力等による幼児用の子供用拘束装置70の偏りよってリアインナー荷重センサ16の検出値RIとリアアウターの荷重差が発生するので、子供と判定することによって、乗員が子供であることを好適に判定することができる。
【0045】
なお、ステップ110は本発明の状態検出手段に相当し、所定値C以上がt2秒以上安定して継続するときが本発明の安定状態に相当する。
【0046】
一方、ステップ104の判定が否定、すなわち、シート荷重がオン閾値Aよりも小さい場合には、ステップ112へ移行して、子供判定とし、I/O30を介して判定結果を各種装置36に出力して、一連の処理がリターンされる。すなわち、子供が着座した場合には、オン閾値A以上のシート荷重が発生しないので、子供と判定することができる。
【0047】
また、ステップ108の判定が肯定、すなわち、シート荷重がオン閾値A以上でリアインナー荷重センサ16の検出値RIとリアアウター荷重センサ18の検出値ROの荷重差が所定値C以上増加した履歴があり、かつリアインナー荷重センサ16の検出値RIのみがバックルスイッチ20オンタイミングの前後t1秒間に増加している時には、ステップ112へ移行して、子供と判定して、I/O30を介して判定結果を各種装置36に出力して、一連の処理がリターンされる。すなわち、子供が児童用の子供拘束装置70を使ってシート本体40に着座して、他の乗員がシートベルト装着動作をしているときには、シート荷重がオン閾値A以上でも、リアインナー荷重センサ16の検出値RIがバックルスイッチ20オン時の前後t1秒間に著しく増加するので、乗員が子供であることを好適に判定することができる。なお、ステップ108において、バックルスイッチ20オンタイミングの前後t1秒間にリアインナー荷重センサ16の検出値RIのみ増加しているかの判定における検出値RIは、瞬間的な値でもよいし、継続的な値でもよい。
【0048】
また、ステップ110の判定が否定、すなわち、シート荷重がオン閾値A以上となり、リアインナー荷重センサ16の検出値RIとリアアウター荷重センサ18の検出値ROの荷重差が所定値C以上でも、リアインナー荷重センサ16の検出値RIとリアアウター荷重センサ18の検出値ROの荷重差が所定時間(t2秒)継続しない場合には、大人と判定して、I/O30を介して判定結果を各種装置36に出力して、一連の処理がリターンされる。すなわち、大人が着座していても、車両の運転挙動や乗員の挙動によってリアインナー荷重センサ16の検出値RIとリアアウター荷重センサ18の検出値ROの荷重差が発生し、この場合には、リアインナー荷重センサ16の検出値RIとリアアウター荷重センサ18の検出値ROの荷重差が継続しないので、大人として判定することにより、好適に乗員を判定することができる。
【0049】
なお、ステップ108〜112は本発明の判定手段に相当する。
【0050】
このように、本実施の形態に係わる乗員検知装置10では、バックルスイッチ20のオン検出タイミングに関連付けられた所定のタイミングから所定期間(バックルスイッチ20がオンするタイミングの前後t1秒間)が設定されており、この期間におけるリアインナー荷重センサ16からの検出値RIの著しい増加を検出することにより、乗員が子供であることを好適に判定することができる。
【0051】
また、バックルスイッチ20のオン検出タイミングに関連付けられた所定のタイミングから所定の期間以外のときには、リアインナー荷重センサ16の検出値RIとリアアウター荷重センサ18の検出値ROとの荷重差が所定値C以上で安定して発生していることを検出することにより、乗員が子供であることを好適に判定することができる。
【0052】
なお、ステップ112及びステップ114の判定結果は、RAM28等のメモリに記憶更新するようにしてもよい。
【0053】
また、本乗員検知処理は、常時行うようにしてもよいし、予め定められた所定のタイミング(例えば、イグニッションスイッチオン時、ドア開閉時等のタイミング)に関連付けて行うようにしてもよい。
【0054】
また、本実施の形態に係わる乗員検知装置10は、例えば、図8に示すようなシート荷重に基づいて大人と子供を判定する処理に、割り込み処理で、上述のステップ108〜114を行うようにしてもよい。すなわち、ステップ200でシート荷重がオン閾値以上か否か判定し、オン閾値以上の場合にはステップ202へ移行して大人判定とし、ステップ204で判定結果をRAM28等のメモリに記憶(更新含む)する。また、ステップ200でシート荷重がオン閾値よりも小さい場合には、ステップ206で子供判定とし、ステップ204で判定結果をRAM28等のメモリに記憶する。このような一連の処理が随時行われているときに、バックルスイッチ20のオンを検出したことをトリガとして、上述のステップ108〜114と同様に、リアインナー荷重センサ16の検出値RIのみ増加しているか否か及びリアインナー荷重センサ16の検出値RIとリアアウター荷重センサ18の検出値ROの荷重差が所定値C以上で安定継続して発生するか否かに基づいて乗員が大人か子供かを判定するようにしてもよい。
【0055】
なお、上記の実施の形態では、シートベルトバックル64のアンカブラケット66をシート側に固定する場合を例にあげて説明したが、リアインナー荷重センサ16とリアアウター荷重センサ18のそれぞれの検出値RI、ROの荷重差は、アンカブラケット66の固定位置が車体側に設けられた場合にも発生するので、この場合にも本発明を適用可能である。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、バックルへのタングプレート挿入タイミング時を基準として予め定められた所定期間内の時に、荷重差に基づいて乗員が子供であると判定することにより、子供が乗車して、他の乗員によってシートベルト装着動作がなされることによる荷重増加によって乗員が大人であると判定するのを防止することができるので、乗員が子供であることを好適に検知することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わる乗員検知装置を配設する車両用のシートの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係わる乗員検知装置を配設する車両用のシートの一例を示す側面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係わる乗員検知装置の荷重センサを設けるセンサブラケットを示す図である。
【図4】本発明の実施の形態に係わる乗員検知装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】乗員検知するための閾値を説明するための図である。
【図6】荷重センサの検出結果の一例を示すグラフである。
【図7】本発明の実施の形態に係わる乗員検知装置による乗員検知の処理を示すフローチャートである。
【図8】シート荷重に基づいて大人と子供を判定する処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 乗員検知装置
12 フロントインナー荷重センサ
14 フロントアウター荷重センサ
16 リアインナー荷重センサ
18 リアアウター荷重センサ
20 バックルスイッチ
22 ECU
Claims (4)
- 所定のシート上でウェビングを保持するためのバックル近傍に加わるシート荷重を検出する第1荷重センサと、
前記シート上の前記第1荷重センサの反対側に加わるシート荷重を検出する第2荷重センサと、
前記バックルにウェビングに取り付けられたタングプレートが挿入されたことを検出する検出手段と、
前記第1荷重センサ及び前記第2荷重センサの検出結果からシートに加わる総荷重を求め、求めた前記総荷重が予め定めた閾値以上の場合に、乗員が大人であると判定する際に、前記総荷重が前記閾値以上であっても、前記第1荷重センサ及び前記第2荷重センサの検出結果の差が、所定値以上に増加した履歴があり、かつ前記検出手段によって前記タングプレートが挿入されたことが検出されたタイミングの前後所定期間内に、前記第1荷重センサの検出値が増加している場合に、乗員が子供であると判定する判定手段と、
を含むことを特徴とする乗員検知装置。 - 前記判定手段は、前記所定期間の経過後に、前記検出結果の差が所定時間予め定めた所定値以上の安定状態を維持することを検出する状態検出手段を含み、前記状態検出手段で前記安定状態を検出した場合に、乗員が子供であると判定し、前記安定状態以外の場合には、乗員が大人であると判定することを特徴とする請求項1に記載の乗員検知装置。
- 前記判定手段は、前記所定期間を越えた安定期間について、前記安定状態を検出することを特徴とする請求項2に記載の乗員検知装置。
- 前記判定手段は、前記第1及び第2荷重センサの少なくとも一方の検出結果について、前記所定期間未満の予め定めた検出期間内で検出値を求め、求めた検出値を検出結果とすることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の乗員検知装置。
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