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JP3990035B2 - イメージスキャナ - Google Patents

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JP3990035B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、帳票等の用紙上の画像を光学的に読み取るイメージスキャナに係り、例えば銀行業務における公金伝票、入出金伝票等のOCR処理や、図形・線画画像の入力を行うための各種用紙の画像の読取処理を行うイメージスキャナに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に用紙上の画像、例えば銀行業務における各種伝票や帳票のOCR処理用画像、用紙上の印鑑/肖像/サイン等のイメージ画像の入力を行うイメージスキャナとしては、1次元の画像を光学的に読み取るイメージ(ライン)センサを固定しておき、用紙を前記イメージセンサ上で搬送することにより画像の読み取りを行う方式(センサ固定方式と呼ぶ)と、台上に置かれた用紙に対してセンサが移動することにより画像の読み取りを行う方式(フラットベッドスキャナ方式と呼ぶ)の2種類が主流である。
【0003】
また近年のイメージスキャナとして2次元の画像読み取りセンサを収納したカメラを用いて画像の読み取りを行う方式(2次元センサ方式と呼ぶ)が提案されている。この2次元センサ方式のスキャナは、2次元センサの画素数が少ないために用紙上の文字を光学的に認識できるほどに高精細に画像を読みとるには現時点では困難なため狭い範囲の読み取り用に適用される。この方式を改善する方法として用紙の正面にレンズを含むヘッド部を配置し、用紙の画像がレンズを介して結像する面で1次元画像読み取りヘッド部或いはセンサを副走査方向に移動させる方式(主副走査方式と呼ぶ)も考えられる。
【0004】
これら2次元センサ方式及び主副走査方式のイメージスキャナは、用紙を搬送する方式では対応できなかった用紙種によって厚みが変わる業務や複数枚の用紙が綴じられている場合にも画像を読み込むことができ、また。フラットベッドスキャナ方式のように読みとる用紙面が用紙設置者に対して見えなくなることを防止できる。
【0005】
尚、これらイメージスキャナに関する技術が記載された文献としては、例えば特開平5−153344号公報が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の各方式のイメージスキャナは、用紙を搬送する或いは載せる方式のために装置の大型化を招くと言う不具合があった。また2次元センサ方式及び主副走査方式のイメージスキャナにおいても、前記大型化の不具合に加え、用紙面の正面に読み取りヘッド部が張り出す形状になるために用紙を設置する際にヘッド部が障害になったり、操作者がぶつかる等安全面での危険性を含むと言う不具合があった。
【0007】
本発明の目的は、前述の従来技術による不具合を除去することであり、小型且つ安全性、操作性の良いイメージスキャナを提供することである。具体的に述べると本発明の目的は、銀行等での帳票読み取りに適した2次元センサ方式及び主副走査方式のイメージスキャナを改良し、用紙設置時の操作性の改善、同安全性の改善を行い、さらには用紙面の正面(上部)に読み取りヘッド部が張り出すというオフィスの景観をそこなう形状を改善することができるイメージスキャナを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、用紙上の画像をレンズを介して1次元イメージセンサによって光学的に読み取るイメージスキャナであって、前記画像面の延長線と、レンズの光軸と直角方向線の延長線と、画像を感知する1次元イメージセンサの受光面の延長線とを一点で交差させた光学系を持つ画像読み取り部を備え、
該画像読み取り部の1次元イメージセンサが、画像面での副走査距離が一定となる所定の関数および所定の速度制御に基づき1次元イメージセンサ受光面の延長線に沿って直線移動して主走査することによって2次元画像読み取りを行うことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して詳細に説明するものであるが、これに先だって本発明の原理を説明する。まず、前述の従来技術による2次元センサ方式及び主副走査方式のイメージスキャナは、読み取り用紙の正面にレンズを配置するために原理的に用紙(原稿や帳票)面の正面に読み取りヘッド部が張り出す形状となるものであった。
【0012】
これの具体例を図3に示す主副走査方式のものを参照して説明する。本方式の装置は、台座6に置かれた読み取り用紙1の正面にレンズ2を配置し、用紙1の画像が結像する面で1次元画像読み取りセンサ3を副走査方向(矢印A方向)に移動させ、レンズ2が用紙1の画像を1次元画像読み取りセンサ3の移動する面に結像させることにより、2次元センサ方式と等価的に画像を読み取るものである。この2次元画像読み取りセンサは、例えば1次元画像読み取りセンサを利用でき、例えば5000画素のものを副走査方向に移動させたことを考えると5000画素×7500スキャン=3750万画素の2次元画像読み取りセンサに匹敵し、遥かに高精細の画像読み取りに適していると共に、用紙設置者7が用紙1を直接見ながら位置あわせができるため操作性としては優れている。
【0013】
しかし当該イメージスキャナは、読み取り部が用紙1の正面(図3では上部)に張り出した形になるため用紙1の位置合わせがやりにくい上、場合によっては用紙設置者7の頭部に接触する危険性もあった。
【0014】
これを改善するため発明者らは、読み取りヘッド部を用紙の設置に支障をきたさない位置に配置し、この配置でも用紙上の画像を光学的に走査できる光学系を持つ読み取りヘッドを含むイメージスキャナを発明した。この光学系として発明者らは、読み取りヘッドを用紙上から離脱した位置に配置し、換言すればレンズの光軸中心を画像読み取り範囲の中心からシフトさせ、更にレンズに対して移動するセンサを設けることにより、用紙上の画像を用紙の設置に支障をきたさない位置に読み取りヘッド部を配置したイメージスキャナを発明した。
【0015】
この光学系としては、後述する「ティルトあおり」又は「シフトあおり」と呼ばれる光学特性が利用でき、センサが用紙の画像と相似形にならない画像、例えば台形等に変形した画像をスキャニングするものであり、本発明によるスキャナは前記相似形にならない画像を相似形に再生して所望の画像を得る様に構成しても良い。
【0016】
以下、本発明の実施形態によるイメージスキャナを順を追って説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態によるイメージスキャナを示す図であり、本スキャナは、レンズ2を用紙1の中心から用紙設置者7と反対側に配置した読み取りヘッド部4を採用し、この読み取りヘッド部4内において固定したレンズ2に対して1次元画像センサ3を矢印A方向に移動して符号3の位置から符号3'の位置に機械的に移動することにより、用紙1の全面をスキャニングして読み取るものである。本実施形態によるレンズ2は、画像が有効に結像する範囲(イメージサークルと呼ばれている)を大きくし周辺部でも画像が得られる設計のものが好ましい。
【0017】
本実施形態によるスキャナは、図2に示す如く、用紙1の画像Gをレンズ2を介して読み取るため、1次元画像センサの移動面(符号3から符号3')に相似形で上下左右が反転した画像G’をセンサ3上に結像するものであり、この結合画像を上下反転することにより正規の用紙1の画像Gを得る事が出来る。
【0018】
本実施形態によるイメージスキャナは、用紙1の正面(上部)に読み取りヘッド部4が張り出さないため、用紙1を設置するときの物理的な障害にならないと共に用紙の設置者7の視野を妨げることを防止することができる。
【0019】
図4は前記実施形態によるスキャナの概念をさらに発展させた第2の実施形態によるイメージスキャナを示す図である。本実施形態によるスキャナは、スキャナ筐体5の上部に反射ミラー8を設け、該反射ミラー8の下位置にレンズ2及び読み取りヘッド部4を配置し、更に用紙1への照明ランプ10を設けたたものである。
【0020】
本イメージスキャナは、用紙1からの画像を反射ミラー8で反射させ、前記実施形態同様にレンズ2を介して移動する1次元画像センサ3により用紙1の全面をスキャニングして読み取るものである。
【0021】
本実施形態によるイメージスキャナは、反射ミラー8を設けたため、スキャナの高さを低くでき小型化が可能となる。更に筐体5の内部に照明ランプ10を内蔵することができ、読取精度の向上と共に装置としての一体化を図ることができる。
【0022】
尚、前述の実施形態によるイメージスキャナは、1次元画像センサを移動させることを前提して説明したが、2次元画像センサの画素数が増加し、OCR等の高精細度を要求される用途に耐えるほどになれば固定的な2次元画像センサを使用することもできる。また図1、図4の例では1次元画像センサの副走査移動方向を図中矢印方向で説明したが、図面法線方向に副走査方向を設定しても同様な読み取りが可能である。この場合は符号3〜符号3'が一次元画像センサの主走査方向範囲となる。
【0023】
次に本発明の第3の実施形態によるスキャナを図5を参照して説明する。前記実施形態のスキャナはレンズとしてイメージサークルの大きなものを使用することを前提として設計が可能であるが、図5に示すスキャナは1次元画像センサを移動する方式を採用しながら通常のイメージサークルのレンズを使用できる方式を提案する。
【0024】
図5に示したスキャナの原理は、図6に示すような光学系、具体的には用紙1の画像面の延長線L1と、レンズ2の光軸と直角方向線の延長線L2と、画像を感知するセンサ3の受光面の延長線L3とを一点Pで交差させた、所謂ティルトあおり方式の光学系を持つ画像読み取り部を用いる。このテイルトあおり方式の光学系は、図に示す如く用紙1の画像Hが台形状の画像H’としてセンサ3に受光される特性を持ち、このため本実施形態によるスキャナは、1次元画像のセンサ3の副走査方向を図5の矢印A方向に限定し、副走査方向移動量を制御し主走査位置が用紙1上で等間隔になるよう所定の関数に従ってスキャンさせることが好ましい。
【0025】
このテイルトあおり方式の光学系は、図6に示す如く、用紙1、レンズ2、画像センサ3面の各延長線L1〜L3を点Pで一致させることにより画像センサ面にはピントのあった画像H’を結像し、このとき画像H’は用紙画像Hと相似形にはならず台形状になる。このため先に述べた副走査方向を移動量の制御により補正し、主走査方向については画像の線密度変換(拡大縮小)により補正することにより、用紙1と相似形の画像を得ることができる。副走査方向の移動量制御については後述する如く解析的に求めることが可能であり、これを演算しながら移動量制御を行うこともでき、処理速度が重要な場合には演算結果をテーブル化し参照して制御する様に構成しても良い。
【0026】
前記テイルトあおり方式の光学系について詳述する。この光学系は、図9に示す如く、用紙の画像面を線分A−B、センサ側の画像面を線分A’−B’、これら線分を傾き角度βを持って配置し、レンズの焦点距離をf、レンズの前方主点と後方主点間距離をd、光軸上でのレンズ前方光路長をαとしたとき、図9のE点の座標、線分ABの距離、線分ABと線分A’B’の角度γ等は次式1により求められる。
【0027】
【数1】
Figure 0003990035
【0028】
このときのsの正負を含めレンズ前方の光路長E−J等は次2式により求められる。
【0029】
【数2】
Figure 0003990035
【0030】
このときセンサのA’点の座標は、0≧sのとき、次式3により求められる。
【0031】
【数3】
Figure 0003990035
【0032】
原稿面の線分A−BでのA(s,0)の移動に対してセンサ側の線分A’−Bでの点A’の移動量Lは、原稿の左端に対する像面での点A’の座標をA’(G90,G100)とした場合、次4式で表される。
【0033】
【数4】
Figure 0003990035
【0034】
この原稿寸法をレンズの光軸からの延長線と線分A−Bの交点であるP点を基準として、+Z方向(原稿を手前から見て遠い側)寸法は、次式5で表される。
【0035】
【数5】
Figure 0003990035
【0036】
即ち、原稿Z方向基準点をPとすると、これに対応する画像点から見た寸法は、次式6の如く成り、この関係に従って寸法が変化することが判る。換言すればセンサ側での画像は、式6の関係に従って変化し、例えば図6に示した画像H’の如く台形に変化して受像されることがわかる。従って、レンズ特性や原稿との距離等の条件が規定されるためこの図6の関係式は予め求めることができ、この式を用いて逆にセンサの受像した画像を逆変換することにより、元の画像と相似形の画像を得ることもできる。
【0037】
【数6】
Figure 0003990035
【0038】
図10は、前述の読み取りヘッド部4及びレンズ2の詳細を説明するための図である。この読み取りヘッド部4は、図10に示す如く、センサ3を支持する直線移動軸受け部105と、該軸受け部105の移動を案内する直線移動レール106と、回転駆動力を発生する駆動モータ101と、この駆動力を軸受け部107に伝達する駆動ベルト102と、この軸受け部107の回転と同期して回転し、
前記軸受け部105と係合して軸受け部105を直線移動させるねじ機構108と、前記軸受け部105に設けられたブレート103と近接することによりセンサ3の基準位置を検出する基準センサ104とを備える。
【0039】
この様に構成した読み取りヘッド部4は、駆動モータ101の回転により直線移動軸受け部105を基準センサ104による検出位置まで移動して基準位置に配置され、起動により駆動モータ101を所定の速度制御により移動させることにより、センサ3が直線移動レール106及びねじ機構108によりガタなく平行移動し、用紙の全面をスキャニングすることができる。ここで、センサ3の移動により形成される画像面は、図1,2.4の例ではレンズ光軸と直交するが、図5.6に示すティルトあおりを行ったものでは、図中破線でレンズ2を示す如くレンズ光軸がセンサの移動により形成される平面と直交しないものである。
【0040】
次に本実施形態によるイメージスキャナの制御回路を図11を参照して説明する。図11は、前述したイメージスキャナの制御回路を説明するための図であり、本回路は、レンズ2を介して受光した画像をスキャンするセンサ3を駆動する1次元画像読み取りセンサ駆動回路128と、該センサ3からの画像出力信号を増幅する増幅回路124と、この画像出力信号をA/D変換するA/D変換回路125と、センサ3を移動する駆動モータ101を制御する駆動モータドライバ130と、これら回路を制御し、センサ3からの画像出力信号をデータライン129に出力する読取り制御回路127とを備える。
【0041】
前記読取り制御回路127は、前述したセンサ3による画像(変形した画像)をそのまま出力し、接続される画像補正装置(後述)により元の用紙画像に相似した画像を得る様にしても良いし、接続されるパーソナルコンピュータのOCRソフトに付随する機能により画像処理を行って元の用紙画像に相似した画像を得る様に構成しても良いし、該読取り制御回路127自体に用紙画像に相似した画像に変換して出力する画像処理を行う様に構成しても良い。読取り制御回路127自体或いは画像補正装置に画像処理を含ませた場合は、パーソナルコンピュータにより負担を軽減することができると共に、接続されるパーソナルコンピュータ及びソフトに左右されず、一般のイメージスキャナとして使用することができる。
【0042】
これらの光学系の採用により小型化、操作性向上、安全性確保を図った帳票読み取りに好適なイメージスキャナシステムを図7に示す。台座2に置かれた用紙1を読み取り窓11から読みとるスキャナ部9の画像データはデータ処理部13に転送される。データ処理部13は画像の明るさむらの補正(シェーディング補正)、輪郭強調、2値化等の画像処理を行い、認識処理に画像データを渡す。認識処理では得られた画像データに基づき文字認識等の帳票読み取り処理を行う。これらの処理は、帳票等の用紙画像を定位置に設置した設置者は読み取り開始ボタン等により読み取りが開始される。これによりスキャナ部は画像を読みとるが、設置した帳票がそのときの業務に対し妥当であるか否かとか、必要事項が記入されているか、設置方向は正しいか等のチェックをするため一度読み取り画像の表示をする。その結果十分と認められたものに対しては後続の画像処理、認識処理を行い結果を図7のデータライン14から外部機器に転送し帳票読み取り処理を行う。
【0043】
次に本発明によるイメージスキャナの実際の使用形態を図12を参照して説明する。図に示すイメージスキャナは、固定レンズ及び移動するセンサ並びに用紙の照明ランプ等を内蔵した外形が球形状の読み取りヘッド部200と、該読み取りヘッド部200を支持する支持脚202と、該支持脚202を安定的に保持し、且つ電源や制御回路等を内蔵したスタンド部203とを備え、読み取りヘッド部200がスタンド部203に沿って置かれたA4サイズの用紙204上の画像(例えば数字1234578901)を読み取り窓201を通して光学的に読み取り、スタンド部203に内蔵した図11に示す制御回路、例えば前述の1次元画像読み取りセンサ駆動回路,増幅回路,A/D変換回路,読み取り駆動回路,読取り制御回路を介してセンサからの画像出力信号をデータラインに出力し、画像補正装置205に出力する、この画像補正装置205は、入力した画像データに対して画像の明るさむらの補正(シェーディング補正)、輪郭強調、2値化等の画像処理、並びに元の用紙画像に相似した画像への変換処理を行い、ライン206を介してパーソナルコンピュータ207に出力する。パーソナルコンピュータ207は、内蔵したOCRソフトに付随する機能により画像に含まれる文字認識処理を行い、表示部208に画像209として表示する。尚、前記スタンド部203から画像補正装置205へのデータ転送は、例えばRS−422Cケーブルにより行い、画像補正装置205からパーソナルコンピュータ207へのデータ転送は、例えばSCSIケーブル及びコンピュータ207に内蔵したSCSIボードを介して行われる。
【0044】
次に前記認識処理について説明する。本処理は、得られた画像データに基づき文字認識等の帳票読み取り処理を行うものであり、これらの処理の一例を図8の流れ図で説明する。帳票等の用紙画像を定位置に設置した設置者は読み取り開始ボタン等によりイメージスキャナによる用紙上の画像の読み取り開始を指示する(ステップ81)。これによりスキャナの読み取りヘッド部200は画像を読みとり(ステップ83)、設置した用紙204の設置方向や業務に対し妥当であるか否か/必要事項が記入されているか等の目視チェックをするため一度読み取り画像の表示をする(ステップ84)。その結果、帳票条件が適合したと設置者が認めたものに対しては後続の画像処理(ステップ86,内部で認識処理を行う際にはステップ87)を行い、データラインから外部機器に転送する様に動作する。
【0045】
また、本実施形態によるイメージスキャナは、文字認識の必要性から読取精度を240dpi〜400dpi、2値の読取速度を0.6秒/枚(モノクロ)〜1.0秒/枚(カラー,照明有り)、ケーブルをSCSI3レベルとした場合、起動から文字認識まで約1.5秒の高速で文字認識を行うことができる。また前記読み取りヘッド部200の寸法は、操作者の邪魔にならないことを考慮して直径が100mm〜150mm程度、高さはスキャナの読取範囲(A4原稿)を考慮すると550mm程度が好適である。
【0046】
この様に本実施形態によるイメージスキャナは、銀行等での帳票読み取りに適した2次元センサ方式及び主副走査方式のイメージスキャナを改良し、用紙設置時の操作性の改善、同安全性の改善を行い、さらには用紙面の正面(上部)に読み取りヘッド部が張り出すというオフィスの景観をそこなう形状を改善することができる。また本イメージスキャナは、用紙設置者が読みとる用紙を確認しながら読み取りができると共に、スキャナの操作性、安全性が確保され装置の小型化を図ることができ、更に読み取り部を用紙設置者と用紙を介して対座する筐体背面部に収納することにより、読み取り装置としての存在を目立たなくすることができ、特に銀行営業店等、外来者に見られる場所でのレイアウトの自由度を増すことができる。また本発明によるイメージスキャナは、前記銀行業務における公金伝票等のOCR処理に限られるものではなく、画像そのものの読み取って処理を行うOHP等の入力や写真/絵画等の入力にも適用することができる。
【0047】
尚、本発明は次に述べる実施形態としても表すことができる。
【0048】
<実施形態1>
帳票画像の読み取りに際し画像読み取り部レンズの光軸中心を帳票読み取り範囲の中心から離脱させた光学系を具備することにより、画像用紙前面部から画像読み取り部を排除したことを特徴とする帳票読み取り装置。
【0049】
<実施形態2>
上記実施形態1の帳票読み取り装置において画像読み取り部を画像用紙に対し画像用紙設置者と対面する側の背面部筐体に収納したことを特徴とする帳票読み取り装置。
【0050】
<実施形態3>
画像用紙面の法線方向と平行状態にない読み取り部レンズ光軸を持ち、1次元画像読み取りセンサを機械的に移動させる画像読み取り装置において各主走査ごとに1次元画像読み取りセンサの移動距離を読み取り面での副走査距離が一定となる所定の関数に基づき移動させることを特徴とする帳票読み取り装置。
【0051】
【発明の効果】
以上述べた如く本発明によるイメージスキャナは、例えば光軸中心を画像読み取り範囲の中心からシフトさせた光学系を持つ画像読み取り部、好適には画像面の延長線と、レンズの光軸と直角方向線の延長線と、画像を感知するイメージセンサの受光面の延長線とを一点で交差させたチルトあおり方式の光学系を持つ画像読み取り部を設けたことにより、用紙設置時の操作性の改善、同安全性の改善を行い、さらには用紙面の正面(上部)に読み取りヘッド部が張り出すというオフィスの景観をそこなうことのない形状とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による用紙帳票を正面より離れた位置から読みとるスキャナの概念図。
【図2】図1に示したスキャナの光学系を説明するための図。
【図3】従来技術による用紙帳票を正面から読みとるスキャナの概念図。
【図4】本発明の第2の実施形態による高さを低くしたスキャナの概念図。
【図5】本発明の第2の実施形態による他の光学系を用いたスキャナの概念図。
【図6】図5に示したスキャナの光学系を説明するための図。
【図7】本発明によるイメージスキャナを用いたシステム構成を説明するための図。
【図8】本発明による帳票読み取り動作の流れを一例を説明するための図。
【図9】本発明によるティルトあおり式光学系の原理を説明するための図。
【図10】本発明による1次元画像読取センサ移動機構を説明するための図。
【図11】本発明による読取制御回路を説明するための図。
【図12】本発明によるイメージスキャナを用いたシステム構成を説明するための図。
【符号の説明】
1:用紙、2:レンズ、3、3':1次元画像読み取りセンサ、4:画像センサ移動機構、5:スキャナ筐体、6:台座、7:用紙設置者、8:ミラー、9:スキャナ部、10:照明部、11:読み取り窓、12:表示部、13:データ処理部、14:データライン。

Claims (1)

  1. 用紙上の画像をレンズを介して1次元イメージセンサによって光学的に読み取るイメージスキャナであって、前記画像面の延長線と、レンズの光軸と直角方向線の延長線と、画像を感知する1次元イメージセンサの受光面の延長線とを一点で交差させた光学系を持つ画像読み取り部を備え、
    該画像読み取り部の1次元イメージセンサが、画像面での副走査距離が一定となる所定の関数および所定の速度制御に基づき1次元イメージセンサ受光面の延長線に沿って直線移動して主走査することによって2次元画像読み取りを行うことを特徴とするイメージスキャナ。
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